JP2012057472A - 油圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】振動や騒音の発生を低減するとともに、吸込ポートや吐出ポートなどの壊食を低減することができる油圧ポンプを提供すること。
【解決手段】回転軸まわりに複数のシリンダボア100a〜100iが等ピッチ配置されたシリンダブロック6が、弁板吐出ポートと弁板吸込ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア100a〜100i内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプであって、シリンダブロック6の弁板側に設けられ高圧側ポートおよび低圧側ポートを連通させるシリンダポート101a〜101iのうち、シリンダポート101b,101d,101f,101hの中心軸C2が、シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボア100b,100d,100f,100hの中心軸C1から後方側に配置される。
【選択図】図4

Description

この発明は、回転軸まわりに複数のシリンダボアが等ピッチ配置されたシリンダブロックが、高圧側ポートと低圧側ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプに関するものである。
従来から、建設機械などでは、エンジンによって駆動されるアキシャル型の油圧ピストンポンプや高圧の作動油によって駆動されるアキシャル型の油圧ピストンモータが多用されている。
たとえば、アキシャル型の油圧ピストンポンプは、ケース内に回転自在に設けられた回転軸と、この回転軸と一体に回転するように設けられ、周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、このシリンダブロックの回転に伴って軸方向に移動して作動油を吸込・吐出する複数のピストンと、ケースとシリンダブロック端面との間に設けられ、各シリンダと連通する吸込ポートと吐出ポートとが形成された弁板とを有している。そして、この油圧ポンプは、駆動軸が回転駆動すると、ケース内で駆動軸とともにシリンダブロックが回転し、シリンダブロックの各シリンダでピストンが往復動し、吸込ポートからシリンダ内に吸い込まれた作動油をピストンによって加圧して吐出ポートに高圧の作動油として吐出する。
ここで、各シリンダのシリンダポートが弁板の吸込ポートと連通するとき、吸込ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダから突出する方向に移動して吸込ポートからシリンダ内に作動油を吸い込む吸込工程が行われる。一方、各シリンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するとき、吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダ内に進入する方向に移動してシリンダ内の作動油を吐出ポート内に吐出する吐出工程が行われる。そして、吸込工程および吐出工程を繰り返すようにシリンダブロックを回転することによって、吸込工程で吸込ポートからシリンダ内に吸い込んだ作動油を、吐出工程で加圧して吐出ポートに吐出するようにしている。
特開2002−31039号公報 特開2001−342944号公報
ところで、上述した従来の油圧ポンプなどでは、吸込工程で弁板の吸込ポートを介して作動油を吸い込んだシリンダ内は低圧となっており、各シリンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するとき、この吐出ポート内の高圧の作動油がシリンダポートを介して低圧のシリンダ内に急激に流入して大きな圧力変動を生じる。この圧力変動によって脈動を発生し、結果として振動や騒音を発生していた。このため、吐出ポートに連通する直前に吐出ポートとシリンダポートとを連通するための切欠溝や連通孔を設け、シリンダ内の圧力変化を緩和して、振動や騒音の発生を低減していた。
さらに、上述した振動や騒音の発生を低減するため、隣り合うシリンダポート間のピッチの前方側(進み側)と後方側(遅れ側)とを混在させたシリンダポートの不等ピッチ配置を行うものがある(特許文献1参照)。
ここで、上述した特許文献1に記載されたものでは、振動や騒音の発生を低減できる。しかし、シリンダポートは不等ピッチとなっており、シリンダポートの中心軸が、シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸よりも前方側(進み側)になるものと後方側(遅れ側)になるものとが混在する。シリンダポートの中心軸が、シリンダボアの中心軸よりも前方側にある場合、吸込工程から吐出工程に移行する下死点の直前近傍では、シリンダボア内がピストンによって吸い込みを行っているにもかかわらず、シリンダボアが吐出ポートと連通する吐出工程に移行してしまうため、吐出ポート内に局所的に急激な圧力低下が起こり、キャビテーションが発生し、エロージョン(壊食)が生じてしまう。また、吐出工程から吸込工程に移行する上死点の直前近傍では、シリンダボア内がピストンによって吐出を行っているにもかかわらず、シリンダボアが吸込ポートと連通する吸込工程に移行してしまうため、吸込ポート内に吐出された作動油の急激な圧力低下によってキャビテーションが発生し、これによる壊食が生じてしまう。これらの壊食は、油圧ポンプの効率を劣化させ、寿命を低下させることになる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、振動や騒音の発生を低減するとともに、吸込ポートや吐出ポートなどの壊食を低減することができる油圧ポンプを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる油圧ポンプは、回転軸まわりに複数のシリンダボアが等ピッチ配置されたシリンダブロックが、高圧側ポートと低圧側ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプであって、前記シリンダブロックの前記弁板側に設けられ前記高圧側ポートおよび前記低圧側ポートを連通させるシリンダポートの中心軸と前記シリンダボアの中心軸とが異なる不等ピッチ配置を1以上のシリンダポートとシリンダボアとの対に対して行い、該不等ピッチ配置されたシリンダポートの中心軸は、前記シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプは、上記の発明において、前記シリンダブロックは、2つであり、各シリンダブロックは、1つの前記回転軸によって回転し、各シリンダブロックのシリンダポートは、互いに向き合って配置されるタンデム型であり、各シリンダブロックのシリンダポートは、前記不等ピッチ配置され、該不等ピッチ配置されたシリンダポートの中心軸は、前記シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプは、上記の発明において、各シリンダブロックの前記不等ピッチ配置は、前記回転軸に垂直な面に対して面対称であることを特徴とする。
この発明によれば、シリンダブロックの弁板側に設けられ高圧側ポートおよび低圧側ポートを連通させるシリンダポートの中心軸とシリンダボアの中心軸とが異なる不等ピッチ配置を、1以上のシリンダポートとシリンダボアとの対に対して行う。該不等ピッチ配置されたシリンダポートの中心軸は、前記シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置している。このため、該不等ピッチ配置によって振動や騒音の発生を低減するとともに、シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置されることによって、下死点よりも前に吐出工程に移行することもなく、また上死点よりも前に吸込工程に移行することがない。この結果、吸込ポートや吐出ポートなどの壊食を低減することができる。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。 図2は、図1に示した油圧ポンプのA−A線断面図である。 図3は、X方向に向かう方向に、弁板とシリンダブロックとの摺動面側をみた弁板の構成を示す図である。 図4は、X方向から戻る方向に摺動面側をみたシリンダブロックの構成を示す図である。 図5は、図3に示した半径方向に沿ったシリンダポート近傍のB−B線断面図である。 図6は、図3に示した略周方向に沿ったシリンダポート近傍のC−C線断面図である。 図7は、シリンダポートの不等ピッチ配置パターンの一例を示す図である。 図8は、シリンダポートの不等ピッチ配置パターンの他の一例を示す図である。 図9は、この発明の実施の形態2にかかる油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。 図10は、図9に示した油圧ポンプの各シリンダブロックにおけるシリンダポートの不等ピッチ配置パターンの一例を示す図である。 図11は、シリンダポートの不等ピッチ配置による下死点近傍および上死点近傍における吸込工程と吐出工程との移行タイミング位置の変化を示す図である。 図12は、図9に示した油圧ポンプの各シリンダブロックにおけるシリンダポートの不等ピッチ配置パターンの他の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態である油圧ポンプについて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示した油圧ポンプのA−A線断面図である。図1および図2に示した油圧ポンプは、シャフト1に伝達されたエンジン回転とトルクとを油圧に変換し、吸込ポートP1から吸い込まれた油を、高圧の作動油として吐出ポートP2から吐出するものであり、図2に示す斜板3の傾斜角aを変化させることによってポンプからの作動油の吐出量を可変にすることができる可変容量型の油圧ポンプである。
以下、シャフト1の軸に沿った軸をX軸、斜板3の傾斜軸に沿った軸をZ軸、X軸,Z軸に直交する軸をY軸とする。また、シャフト1の入力側端部から反対側端部に向かう方向をX方向とする。
この油圧ポンプは、ケース2およびエンドキャップ8に、ベアリング9a,9bを介して回転自在に軸支されるシャフト1と、このシャフト1にスプライン構造11を介して連結され、ケース2およびエンドキャップ8内でシャフト1と一体に回転駆動するシリンダブロック6と、ケース2の側壁とシリンダブロック6との間に設けられる斜板3とを有する。シリンダブロック6は、シャフト1の軸を中心に周方向に等間隔かつシャフト1の軸に平行に配置された複数のピストンシリンダ(シリンダボア100)が設けられている。複数のシリンダボア100内にはシャフト1の軸に平行に往復動可能なピストン5が挿入されている。
各シリンダボア100から突出する各ピストン5の先端には球面状の凹球が設けられる。球面状の凹部には、シュー4の球面状の凸部がはまりあい、各ピストン5と各シュー4とは球面軸受けを形成している。なお、ピストン5の球面状の凹部はかしめられ、シュー4との離間が防止される。
斜板3は、シリンダブロック6を臨む側には、平坦な摺動面Sを有する。各シュー4は、シャフト1の回転に連動するシリンダブロック6の回動に伴って、この摺動面S上に押圧されながら円状に摺動する。このシュー4の摺動面Sに対する押圧は、シリンダブロック6のX方向側内周に設けられたリング14に支持されたばね15と、このばね15によって押される可動リング16とニードル17とが、シャフト1の軸まわりに配置され、ニードル17に当接するリング状の押圧部材18によってなされる。
ケース2の側壁には、斜板3側に臨んで突出した半球状の2つの軸受け20,21が、シャフト1の軸に垂直に設けられている。一方、斜板3のケース2の側壁側には、軸受け20,21の配置位置に対応した部分に2つの凹球が形成され、軸受け20,21と斜板3の2つの凹球とが当接することによって斜板3の軸受けが形成される。この軸受け20,21は、Z軸方向に配置される。
斜板3は、図2に示すように軸受け20,21を結ぶ線を軸(Z軸に平行な軸)にしてX−Y平面に垂直な平面内で傾く。この斜板3の傾きは、ケース2の側壁側から斜板3の一端をX方向に沿って押圧しつつ往復動するピストン10によって決定される。このピストン10の往復動によって、斜板3は、軸受け20,21を結ぶ線を支点として傾く。この斜板3の傾きによって摺動面Sも傾き、シャフト1の回転に伴ってシリンダブロック6が回転し、たとえば、図1,2に示すように、X−Z平面からの傾斜角がaのとき、シリンダブロック6がX方向に向いて反時計回りに回転すると、各シュー4が摺動面S上を円状もしくは楕円状に摺動し、これに伴って各シリンダボア100内のピストン5が往復動を行う。ピストン5が斜板3側に移動したときに弁板7を介して吸込ポートP1からシリンダボア100内に油が吸引され、ピストン5が弁板7側に移動したときにシリンダボア100内の油は弁板7を介して吐出ポートP2から高圧の作動油として吐出される。そして、この斜板3の傾きを調整することによって、吐出ポートP2から吐出される作動油の容量を可変制御することができる。
ここで、エンドキャップ8側に固定された弁板7と、回転するシリンダブロック6とは、摺動面Saを介して接している。図3は、X方向に向かう方向に摺動面Sa側をみた弁板7の構成を示す図である。また、図4は、X方向から戻る方向に摺動面Sa側をみたシリンダブロック6の構成を示す図である。図3および図4に示した弁板7の摺動面Sa側端面とシリンダブロック6の摺動面Sa側端面とは、シャフト1の回転軸Cを中心に接し、シリンダブロック6が回転する。
図1,3に示すように、弁板7は、吸込ポートP1に連通する弁板吸込ポートPB1と、吐出ポートP2に連通する弁板吐出ポートPB2とを有する。弁板吸込ポートPB1と弁板吐出ポートPB2とは、同一円弧上に設けられ、周方向に延びる繭形形状をなす。一方、図1,3,4に示すように、シリンダブロック6の摺動面Sa側には、各ピストン5が往復動する9つのシリンダボア100(100a〜100i)のポート(シリンダポート101(101a〜101i))が、弁板吸込ポートPB1および弁板吐出ポートPB2が配置される同一円弧上に、略等間隔(略40度間隔)で繭形形状をなして設けられる。なお、円環状に配列されるシリンダポート101は、円環状に等ピッチ間隔で配列されたシリンダボア100の内周側に配列される。ここで、図3および図4において、シリンダブロック6が、X方向に向かう方向にみて反時計回りに回転すると、図3において、紙面上側の弁板吐出ポートPB2側において吐出工程が行われ、紙面下側の弁板吸込ポートPB1側において吸込工程が行われることになる。従って、この場合、図3の紙面左端側が、吐出工程から吸込工程に切り替わり、シリンダボア100内でピストン5が摺動面Sa側に最も進入した上死点となり、図3の紙面右端側が、吸込工程から吐出工程に切り替わり、シリンダボア100内でピストン5が摺動面Sa側から最も離れた下死点となる。この下死点をシリンダポート101が通過する場合、低圧状態から瞬時に高圧状態に移行することになる。
また、弁板7には、図3に示すように、シリンダポート101が通過する周上であって、シリンダポート101が弁板吐出ポートPB2に連通する直前に、弁板吐出ポートPB1とシリンダポート101(シリンダボア100)とを連通する小径の連通孔51が設けられる。この連通孔51によって、吸込工程から吐出工程に移行する際、この移行の直前にシリンダボア100内の圧力を上昇させておき、移行時の急激な圧力上昇を低減し、振動や騒音の発生を抑制する。
ここで、図5は、シリンダブロック6の半径方向に沿ったシリンダポート101近傍の図3のB−B線断面図であり、シリンダポート101bが図3に示した位置に到達したときの断面図である。また、図6は、シリンダブロック6の略周方向に沿ったシリンダポート101近傍の図3のC−C線断面図であり、シリンダポート101bが図3に示した位置に到達したときの断面図である。図5,6に示すように、連通孔51の中心軸は、弁板吐出ポートPB2の内周側側面下部からシリンダポート101側が外周方向に傾けられるとともに、シリンダポート101の回転方向逆向きに傾けられている。
さらに、図3に示すように、弁板7には、シリンダポート101が通過する周上であって、シリンダポート101が弁板吸込ポートPB1に連通する直前に、弁板7とケース2との間に形成されるほぼ常圧の空間と、シリンダポート101(シリンダボア100)とを連通する位置にドレンポート61が設けられる。このドレンポート61は、キリ孔62によって、弁板7の摺動面Sa側から、弁板7とケース2との空間に連通される。このドレンポート61によって、吐出工程から吸込工程に移行するシリンダボア100内の圧力が減圧される。
ここで、図4に示すように、各シリンダポート101a〜101i開口は、上述したように、シリンダボア100a〜100iの内周側に配置される。すなわち、図5に示すように、シリンダポート101b開口は、シリンダボア100bの内周側に配置される。
一方、図4に示すように、シリンダボア100a〜100iは、周方向に対して、隣接するシリンダボアの軸中心間のピッチ角度Pが全て等しくなるように等ピッチ配置される。また、シリンダポート101a〜101iは、略等間隔で配置されると説明したが、厳密には、シリンダボア100a,100c,100e,100g,100iの中心軸C1に対応するシリンダポート101a,101c,101e,101g,101iの中心軸C2は、周方向に対して一致するように配置され、シリンダボア100b,100d,100f,100hの中心軸C1に対応するシリンダポート101b,101d,101f
,101hの中心軸C2は、シリンダブロック6の回転方向に対して後方側(遅れ側)にずれて配置される。従来のシリンダポートの不等ピッチ配置は、シリンダブロック6の回転方向に対して、シリンダボア100の中心軸C1に対してシリンダポート101の中心軸C2が前方側(進み側)に位置したり、後方側(遅れ側)に位置したりするものを混在させていた。しかし、この実施の形態1では、シリンダブロック6の回転方向に対して、シリンダポート101の中心軸C2が、シリンダボア100の中心軸C1に対して一致するものと後方側に位置するものとを混在させ、1以上のシリンダボア100の中心軸C1が後方側に位置するように配置される。すなわち、シリンダポート101の中心軸C2がシリンダボア100の中心軸C1に対して位相が一致するものと位相が遅れるものとを混在させ、1以上のシリンダポート101の中心軸C2の位相が遅れるように配置される。
図6は、略周方向に沿ったシリンダポート101b近傍の図3のC−C線断面図である。図6に示すように、シリンダポート101bの中心軸C2は、シリンダボア100bの中心軸C1との間に、シリンダブロック6の回転方向に対してズレΔLが生じるように形成され、シリンダポート101bの中心軸C2がシリンダボア100bの中心軸C1に対してズレ角Δθ4分、後方側に位置するように形成されている。
同様にして、図4に示すように、シリンダポート101d,101f,101hの中心軸C2も、シリンダボア100d,100f,100hの中心軸C1に対して、それぞれズレ角Δθ2,Δθ1,Δθ0分、後方側に位置するように形成される。すなわち、図7に示すように、不等ピッチ配置がなされるズレ角が、シリンダブロック6の回転方向に対して後方側に位置するように形成され、ズレ角がシリンダブロック6の回転方向に対して前方側に位置するように形成されない。
この実施の形態1では、上述した不等ピッチ配置によって、従来の不等ピッチ配置と同様に、シリンダポート101が吐出ポートP2や吸込ポートP1に連通する際に生じる振動や騒音の発生を低減することができるとともに、シリンダポート101の中心軸C2が、等ピッチ配置されたシリンダボア100の中心軸C1に対して後方側に位置するように不等ピッチ配置を行っているため、下死点よりも前に吐出工程に移行することがなく、上死点よりも前に吸込工程に移行することがなくなるので、吐出ポートP2や吸込ポートP1内にキャビテーションが生じにくくなり、吐出ポートP2や吸込ポートP1内の壊食を低減することができる。
なお、不等ピッチ配置は、隣接するシリンダポート101間でのズレ角が異なることが好ましい。この実施の形態1では、シリンダポート101a,101i間を除き、隣接するシリンダポート101間でのズレ角が異なるようにしているが、シリンダポート101iのズレ角(−Δθ)をたとえば、ズレ角(−(Δθ0)/2)としてすべてのシリンダポート101間でのズレ角を異なるようにしてもよい。この不等ピッチ配置パターンは種々のものが考えられ、たとえば、図8に示したような全体的にズレ角(−Δθ)が下に凸であってもよい。ただし、たとえばシリンダポート101自体に設定可能な最大のズレ角が(−Δθ4)であれば、この最大のズレ角(−Δθ4)以内での位相遅れをもったズレ角に設定する必要がある。
また、この実施の形態1では、シリンダボア100とシリンダポート101の数が9つの奇数であったが、偶数であってもよい。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、1つのシリンダブロックを回転させる油圧ポンプであったが、この実施の形態2では、1つのシャフトに2つのシリンダブロックを回転させるタンデム型ポンプに、上述した実施の形態1に示したようなシリンダポートが不等ピッチ配置されたシリンダブロックを適用するようにしている。
図9は、この発明の実施の形態2である油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。この油圧ポンプは、タンデム型ポンプであり、図2に示した油圧ポンプをフロント側(図9上、左側)の油圧ポンプとし、弁板7側のシャフト1(フロントシャフト1a)の回転軸に垂直な面CA(Y−Z平面)に対してほぼ面対称の油圧ポンプをリア側(図9上、右側)の油圧ポンプとし、フロントシャフト1aとリア側のリアシャフト201とを軸結合部210のスプライン構造によって結合し、1つの回転軸としている。そして、各弁板7近傍は、エンドキャップ8に対応する1つのエンドキャップ208によってケーシングされている。また、フロント側はケース2に対応するフロントケース2aによってケーシングされ、リア側はリアケース202によってケーシングされている。このエンドキャップ208内には、図示しない吐出ポートP2と吸込ポートP1とが設けられ、各弁板7を介したフロント側とリア側の油圧ポンプ機能によって吸込ポートP1から作動油が吸い込まれ、吐出ポートP2から高圧の作動油が吐出される。
ここで、フロント側のシリンダブロック6およびリア側のシリンダブロック206の各シリンダポート101は、図10に示すように実施の形態1と同様な不等ピッチ配置が形成される。すなわち、このタンデム型ポンプは、面CAに対して面対称配置のシリンダポート101を有するシリンダブロック206が用いられている。すなわち、シリンダブロック6,206の弁板7側が向き合った状態で、シリンダブロック6,206の同一の回転方向に対して、各シリンダポート101が同一の不等ピッチ配置を有する。しかし、このシリンダブロック206のシリンダポート101配置は、シリンダブロック6のシリンダポート101配置に対してミラー配置となるため、同一構造のシリンダブロックを用いることはできないため、同一のシリンダブロックを共通して用いず、それぞれ個別に製造されることになる。
ここで、シリンダブロック206の各シリンダポート101は、実施の形態1と同様に不等ピッチ配置されているため、シリンダポート101が吐出ポートP2や吸込ポートP1に連通する際に生じる振動や騒音の発生を低減することができるとともに、シリンダポート101の中心軸C2がシリンダボア100の中心軸C1に対して後方側に位置するように不等ピッチ配置を行っている。このため、下死点よりも前に吐出工程に移行することがなく、上死点よりも前に吸込工程に移行することがなくなる。この結果、吐出ポートP2や吸込ポートP1内にキャビテーションが生じにくくなり、吐出ポートP2や吸込ポートP1内の壊食を低減することができる。
従来、シリンダポート配置が等ピッチ配置であれば、図11(a)に示すように、下死点で吸込工程から吐出工程に移行し、上死点で吐出工程から吸込工程に移行する。そして、振動や騒音の発生を低減するため、図11(b)に示すように、フロント側とリア側とのシリンダポート配置を不等ピッチ配置にする場合、たとえば、フロント側のシリンダポート配置が、位相が進む不等ピッチとなると、下死点の近傍直前の領域E1で吸込工程から吐出工程に移行するため、シリンダボア内の圧力が低い状態で吐出ポートからの高圧が流入し、急激に圧力が低下し、キャビテーションや壊食が生じやすく、上死点の近傍直前の領域E2で吐出工程から吸込工程に移行するため、シリンダボア内の高い圧力が圧力の低い吸込ポートに流出し、シリンダボア内の圧力が急激に低くなり、キャビテーションや壊食が生じやすくなる。しかし、この実施の形態2では、図11(c)に示すように、フロント側およびリア側の各シリンダブロック6,206の不等ピッチ配置をそれぞれシリンダブロックの回転方向に対して後方側に位置するように配置しているため、すべての吸込工程から吐出工程への移行が下死点通過以後、また吐出工程から吸込工程への移行が上死点通過以降となり、領域E1,E2の領域がなく、壊食が生じにくくなる。
なお、軸結合部210でフロントシャフト1aとリアシャフト201とを結合させる場合、各シリンダブロック6,206の回転角を一致させるため、フロントシャフト1aおよびリアシャフト201の先端側に回転位置決めのためのマークや切欠等を設けておくと、油圧ポンプの組立が容易となるため、好ましい。
また、フロント側とリア側のシリンダボア配置は、シリンダブロックの回転軸に対して一致させる必要はない。すなわち、フロント側とリア側のピストン往復動のタイミングはずれていてもよい。さらに、フロント側とリア側のシリンダボア(ピストン)の数はそれぞれ奇数の9つとしているが、一方が奇数で他方が偶数であってもよい。
また、この実施の形態2では、フロント側とリア側のシリンダポート配置をミラー配置としているが、回転軸まわりのタイミングを一致させなくてもよい。たとえば、図12に示すように、リア側のシリンダポート配置パターンをフロント側のシリンダポート配置パターンと同じとするが、リア側のシリンダポート配置がフロント側のシリンダポート配置に比して回転方向に対して全体的に1つのシリンダボア分、前方側に位置させた(進めた)回転位置として組み立てるようにしてもよい。
なお、タンデムポンプに限らず、2つのシャフトにそれぞれシリンダブロックが設けられたパラレルポンプであっても、各シリンダブロックの不等ピッチ配置が、回転方向に対して後方側に位置するように配置すれば壊食を低減することができる。
また、上述した実施の形態1,2では、弁板吸込ポートPB1の半径方向の幅とシリンダポート101の半径方向の幅とはほぼ同じに設定し、弁板吐出ポートPB2の半径方向の幅を、シリンダポート101の半径方向の幅よりも狭く設定している。これによって吸込と吐出との油圧バランスを保つことができる。
さらに、上述した実施の形態1,2では、斜板式の油圧ポンプ・モータの一例を示したが、これに限らず、斜軸式の油圧ポンプ・モータであっても適用される。
1 シャフト
1a フロントシャフト
2 ケース
2a フロントケース
3,203 斜板
4 シュー
5,10 ピストン
5a テーパ面
6 シリンダブロック
7 弁板
8,208 エンドキャップ
9a,9b ベアリング
11,211 スプライン構造
14 リング
15 ばね
16 可動リング
17 ニードル
18 押圧部材
20,21 軸受け
100 シリンダボア
101 シリンダポート
51 連通孔
61 ドレンポート
201 リアシャフト
202 リアケース
210 軸結合部
P1 吸込ポート
P2 吐出ポート
PB1 弁板吸込ポート
PB2 弁板吐出ポート
S,Sa 摺動面

Claims (3)

  1. 回転軸まわりに複数のシリンダボアが等ピッチ配置されたシリンダブロックが、高圧側ポートと低圧側ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプであって、
    前記シリンダブロックの前記弁板側に設けられ前記高圧側ポートおよび前記低圧側ポートを連通させるシリンダポートの中心軸と前記シリンダボアの中心軸とが異なる不等ピッチ配置を1以上のシリンダポートとシリンダボアとの対に対して行い、該不等ピッチ配置されたシリンダポートの中心軸は、前記シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置されることを特徴とする油圧ポンプ。
  2. 前記シリンダブロックは、2つであり、各シリンダブロックは、1つの前記回転軸によって回転し、各シリンダブロックのシリンダポートは、互いに向き合って配置されるタンデム型であり、各シリンダブロックのシリンダポートは、前記不等ピッチ配置され、該不等ピッチ配置されたシリンダポートの中心軸は、前記シリンダブロックの回転方向に対して、該シリンダポートと対になるシリンダボアの中心軸から後方側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ。
  3. 各シリンダブロックの前記不等ピッチ配置は、前記回転軸に垂直な面に対して面対称であることを特徴とする請求項2に記載の油圧ポンプ。
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