JP2012057033A - 接着剤及びそれを使用した酸素バリア性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一般式(1)で表され、数平均分子量が1000〜15000の範囲であるポリオールと、これと反応しうる硬化剤とを含有する接着剤、及びこれを使用した酸素バリア性フィルム。
【化0】
(但し一般式(1)において、Aは、オルトフタル酸及びその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と多価アルコール成分からなり、前記オルトフタル酸及びその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100%である、両末端がヒドロキシ基であるポリエステルポリオールのヒドロキシ基を除く部分構造を表し、Bはジイソシアネート化合物のイソシアナト基を除く部分構造を表し、nは平均重合度を表す)
【選択図】 なし
Description
このようなことから、前記包装材料は、異種のポリマー材料を組み合わせた複合フレキシブルフィルムが広く用いられている。一般には、商品保護や各種機能を有する外層となる熱可塑性プラスチックフィルム層等と、シーラント層となる熱可塑性プラスチックフィルム層等からなり、これらの貼り合わせには、ラミネートフィルム層に接着剤を塗布してシーラント層を接着させることで多層フィルムを製造するドライラミネート法(例えば特許文献1参照)が行なわれている。しかしながら、本用途に用いられる接着剤は一般に異種フィルム間を接着する機能のみしか持たないことが多い。
例えば特許文献2や3では、メタキシリレンジアミンから誘導されたエポキシ樹脂硬化物および/またはポリウレタン樹脂硬化物を、酸素バリア性に優れる接着剤として使用している。しかしながら特に食品包装用接着剤には安全性や臭気フリーの観点から、ポリエステル、ポリエーテル系材料が使われることが多く、エポキシ樹脂硬化物、ウレタン樹脂硬化物はこれらの用途には使用しにくい問題点があった。さらにこれらの技術では高価なモノマー由来のメタキシリレン骨格を高含有率(少なくとも40質量%、実施例では50質量%以上)で含む必要があり包装材料を高価にしてしまう問題点があった。
本発明で使用するポリエステルポリオールは、一般式(1)で表され、数平均分子量が1000〜15000の範囲であるポリオールである。
部分構造Aを構成するポリエステルポリオールAにおけるオルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これにより酸素バリア性に優れると推定している。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示しガラス転移温度(Tg)が室温以下であることにより生じる十分な基材密着性が付与され、接着力と酸素バリア性に優れると推定される。さらにドライラミネート接着剤として用いる場合には必須である溶媒溶解性も高いことで取扱い性にも優れる特徴を持つ。
ポリエステルポリオールAは、多価カルボン酸成分として前記オルトフタル酸及びその無水物を必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、不飽和結合含有多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。
中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
ポリエステルポリオールAにおける多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。中でも、酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されることから、エチレングリコールを使用することが最も好ましい。
本発明では前述の多価アルコール成分を必須とするが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。
部分構造Bを構成する、ジイソシアネート化合物は、具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明で使用する硬化剤は、前記ポリエステルポリオールの水酸基と反応しうる硬化剤であれば特に限定はなく、ポリイソシアネートやエポキシ化合物等の公知の硬化剤を使用できる。中でも、接着性や耐レトルト性の観点から、ポリイソシアネートを使用することが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
中でも、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートが好ましく、メタキシリレンジイソシアネート、メタ水素化キシリレンジイソシアネートが最も好ましい。
また、エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ(4) 特開平7−18169ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
更に、本発明の接着剤において、接着剤層の耐酸性を向上させる方法として公知の酸無水物を併用することもできる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5−(2,5−オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
本発明の接着剤は、溶剤型又は無溶剤型のいずれの形態であってもよい。溶剤型の場合、溶剤はポリエステルポリオール及び硬化剤の製造時に反応媒体として使用され、更に塗装時に希釈剤として使用される。使用できる溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。これらのうち通常は酢酸エチルやメチルエチルケトンを使用するのが好ましい。
本発明の接着剤は、フィルムラミネート用接着剤として使用できる。ラミネートされた積層フィルムは、酸素バリア性に優れるため、酸素バリア性フィルムとして使用できる。
本発明で使用する積層用のフィルムは、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、PETフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは延伸処理を施してあってもよい。延伸処理方法としては、押出成膜法等で樹脂を溶融押出してシート状にした後、同時二軸延伸あるいは逐次二軸延伸を行うことが一般的である。また逐次二軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。具体的にはロール間の速度差を利用した縦延伸とテンターを用いた横延伸を組み合わせる方法が多く用いられる。
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、エチレングリコール84.2部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量600のポリエステルポリオール(A1)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(A1)とした。
製造例1における無水フタル酸148.1部をオルトフタル酸166.1部とし、エチレングリコール84.2部を84.3部とした以外は、製造例1と同様の方法を行い、数平均分子量600のポリエステルポリオール(A2)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(A2)とした。
製造例1におけるエチレングリコール84.2部をネオペンチルグリコール153.4部とした以外は、製造例1と同様の方法を行い、数平均分子量600のポリエステルポリオール(A3)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(A3)とした。
製造例1におけるエチレングリコール84.2部を1,4−シクロヘキサンジメタノール231.0部とした以外は、製造例1と同様の方法を行い、数平均分子量600のポリエステルポリオール(A4)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(A4)とした。
製造例1のエチレングリコール84.2部を66.1部とした以外は、製造例1と同様の方法を行い、数平均分子量3000のポリエステルポリオール(A5)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(A5)とした。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A1)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート12.0部を加え、80℃に加熱して遊離のイソシアナト基(以下NCO基と略す)が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量1500、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(1)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A1)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート18.9部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(2)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A2)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート18.9部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(3)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A1)100部に対し、イソホロンジイソシアネート22.2部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(4)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A3)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート18.9部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(5)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A4)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート18.9部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(6)溶液を得た。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(A5)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート3.33部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量13000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(7)溶液を得た。
三井化学製「タケネートD−110NB」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体)を硬化剤aとして使用し、三井化学製「タケネートD−110NB」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体)と三井化学製「タケネート500」(メタキシリレンジイソシアネート)を50/50(重量比)の割合で混合したものを硬化剤bとして使用し、三井化学製「タケネート500」(メタキシリレンジイソシアネート)を硬化剤cとして使用した。
前記製造例で得た樹脂溶液及び硬化剤を配合し、接着剤を得た。配合例を表3及び表4に示す。
前記接着剤を、バーコーターを用いて塗布量5.0g/m2(固形分)となるように厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡績(株)製「E−5100」)に塗布し、その後希釈溶剤を揮発させ乾燥した。接着剤が塗布されたPETフィルムの接着剤面と、厚さ70μmのCPPフィルム(東レ(株)製「ZK93KM」)とを、ラミネートロール温度は室温、圧力30kg/cm2、速度20m/分の条件下でラミネートし、PETフィルム/接着剤層/CPPフィルムの層構成を有する複合フィルムを作成した。次いで、この複合フィルムを40℃/3日間のエージングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の酸素バリア性フィルムを得た。
(1)接着強度
エージングが終了した酸素バリア性フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、PETフィルムとCPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度を接着強度とした。接着強度の単位はN/15mmとした。
結果を表3及び表4に示した。
(2)ヒートシール強度
エージングが終了した酸素バリア性フィルムのCPPフィルム面同士を、圧力0.1MPa、温度210℃で1秒間ヒートシールし、シールを行った部分の引っ張り強度を(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、剥離した際の引っ張り強度をヒートシール強度とした。単位はN/15mmとした。結果を表3及び表4に示した。
エージングが終了した酸素バリア性フィルムを、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/21MHを用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃、0%RHの雰囲気下で測定した。結果を表3及び表4に示した。
ラミネート適性の評価として、ラミネート直後のフィルムの外観を下記の基準で評価した。結果を表3、及び表4に示した。
○:均一に濡れていて良好な外観
△:均一に濡れているが、塗膜にうねりがわずかに有る。
×:塗膜にうねりが大量にある。
記接着剤を、バーコーターを用いて塗布量5.0g/m2(固形分)となるように厚さ50μmのPETフィルムA(東洋紡績(株)製「E−5100」)に塗布し、その後希釈溶剤を揮発させ乾燥した。接着剤が塗布されたPETフィルムAの接着剤面と、厚さ50μmのPETフィルムB(東洋紡績(株)製「E−5100」)とラミネートし、PETフィルムA/接着剤層/PETフィルムBの層構成を有する複合フィルムを作成した。硬化の為のエージングを行わずに、直ちに得られた複合フィルムを幅15mm、長さ25mmに切断し試験片を作成した。次いで、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、得られた試験片の長さ方向の一端はPETフィルムA、もう一端にはPETフィルムBを固定し、引っ張り試験を実施し、得られた強度を初期凝集力とした。単位はN/cm2とした。評価値は測定最大強度とし、結果を表3、及び表4に示した。試験方法の模式図を図1に示す。なお図1中矢印は引っ張り試験方向を表す。
2:接着剤
3:PETフィルムB
Claims (6)
- 一般式(1)で表され、数平均分子量が1000〜15000の範囲であるポリオールと、これと反応しうる硬化剤とを含有することを特徴とする接着剤。
(但し一般式(1)において、Aは、オルトフタル酸及びその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分からなり、前記オルトフタル酸及びその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100%である、両末端がヒドロキシ基であるポリエステルポリオールのヒドロキシ基を除く部分構造を表し、Bはジイソシアネート化合物のイソシアナト基を除く部分構造を表し、nは平均重合度を表す) - 前記ポリオールが、オルトフタル酸及びその無水物を少なくとも1種以上含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分からなり、前記オルトフタル酸及びその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100%であるポリエステルポリオールと、ジイソシアネート化合物とを反応させて得たものである請求項1に記載の接着剤。
- 前記硬化剤が、3官能以上のポリイソシアネートを含有する請求項1又は2に記載の接着剤。
- フィルムラミネート用接着剤として使用する請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤。
- 同種または異種の複数の樹脂フィルムを接着してなる酸素バリア性フィルムであって、前記接着剤として請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤を使用することを特徴とする酸素バリア性フィルム。
- 包装材として使用する請求項5に記載の酸素バリア性フィルム。
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