JP2012056887A - オリーブ糖脂質を含有する抗炎症剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オリーブ由来の糖脂質を有効成分として含有する抗炎症剤、、および該抗炎症剤を含む医薬品、飲食品、化粧品。
【選択図】なし
Description
(1) オリーブ由来の糖脂質を有効成分として含有する抗炎症剤。
(2) オリーブ由来の糖脂質が、オリーブ採油滓の抽出物、または該抽出物の粗精製物もしくは精製物に含まれるものである、(1)に記載の抗炎症剤。
(3)オリーブ由来の糖脂質が、オリーブ果実の抽出物に含まれるものである、(1)に記載の抗炎症剤。
(4) 抗炎症が、炎症性サイトカインの産生抑制及び/又は抗炎症性サイトカインの産生誘導によるものである、(1)に記載の抗炎症剤。
(6) 飲食品が、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、または病者用食品である、(5)に記載の飲食品。
(7) (1)〜(4)のいずれかに記載の抗炎症剤を含む医薬品。
(8) (1)〜(4)のいずれかに記載の抗炎症剤を含む化粧品。
本発明の抗炎症剤は、オリーブ由来の糖脂質を有効成分とする。
本発明における「抗炎症」とは炎症を引き起こす原因因子として関与する炎症性サイトカインの産生を抑制し、抗炎症性サイトカインの産生を誘導することをいう。ここで、炎症性サイトカインとしては、TNF-α、IFN-γ、IL-1、IL-6、IL-8、IL-12、IL-17、GM-CSF、RANTESなどが挙げられ、抗炎症性サイトカインとしては、IL-10、IL-4、TGF-βなどが挙げられる。
まず、上記の抽出物に、クロロホルム等の疎水性溶媒と水もしくはメタノール等の親水性溶媒とからなる混合液を加えて懸濁した後、静置するなどして2層に分離する。このような分液操作を数回繰り返し、回収した有機層(下層)を合わせ、風乾等により有機溶媒を除去することにより糖脂質の粗精製物を得ることができる。
オリーブの採油滓の乾燥物100gにアセトン300mlを加え室温で1時間攪拌し、ブフナー漏斗(No.2の濾紙を使用)を用いて吸引濾過を行った。残渣に再度アセトン100mlのを加え同様の操作を繰り返した。濾過した後の残渣を風乾したものに、クロロホルム:メタノール(2:1)の混合液を300ml加え、30分攪拌した後、一晩放置し抽出を行った。抽出後、ブフナー漏斗(No.2濾紙を使用)を用いて吸引濾過を行った後、濾過した残渣に再度クロロホルム:メタノール(2:1)の混合液を300ml加え、室温で1時間攪拌して抽出を行った。抽出後、ブフナー漏斗(No.2濾紙を使用)を用いて吸引濾過を行い、このときの濾液と、先に抽出した濾液とを合わせ、ナス型フラスコに移し、減圧濃縮を行った。3.8gの濃縮物に対し、クロロホルム:メタノール(2:1)、水、0.4N KOH/メタノールを加え、37℃で2時間処理をした。処理後、濃塩酸を用いてpHを7.0にし、クロロホルムで糖脂質を抽出した後、減圧濃縮して溶媒を除いた。
96穴平底プレートに各ウェルあたり1x105個のマクロファージ様細胞株RAW264.7を播種し、200μlのRPMI1640 10% FBS、Antibiotic Antimycotic Solution (1×)(SIGMA)中で37℃にて2時間以上前培養した。培地上清100μlを除いた後、大腸菌由来LPS(100ng)と糖脂質抽出物(10μgもしくは100μg)/100μl/ウェルを新たに加え、37℃、24時間培養した。LPS 100ngのみ、LPS 100ng+糖脂質10μg、LPS 100ng+糖脂質 100μg、糖脂質 10μg、糖脂質 100μgの5試験区を設けた。それぞれ上清を100μlずつ回収し、TNF-αの濃度をマウスTNF-α ELISA KIT (バイオソース)を用いて測定した。それぞれのTNF-αの量はLPSのみでは3690±8.4pg/mL、10μgのオリーブ糖脂質を加えたものが2011±15.5pg/mL、100μgのオリーブ糖脂質を加えたものが1370±9.6pg/mLであった(図1)。これらの結果は、それぞれに対して3ウェルずつ測定した結果の平均値を使用している。炎症性サイトカインであるTNF-αの産生量がオリーブ糖脂質を添加することによって低下したことから、オリーブ糖脂質の抽出液はLPSによって引き起こされる炎症反応を抑制する作用があることが明らかとなった。また、オリーブ糖脂質抽出物そのものには、TNF-αの産生誘導能はなかった。
マウスはBALB/cの雄、6週齢(日本クレア)を用いた。1試験区につき5匹を使用し、LPS 10μgのみ、LPS 10μg+糖脂質0.5mg、 LPS 10μg+糖脂質1mg、糖脂質 1mgのみ、溶媒であるPBSのみの5試験区を設け、それぞれの混合液をマウス腹腔内に投与した。投与後、0時間、1時間、3時間、6時間、12時間に採血し、血清を分離した。血清中のサイトカイン(TNF-α、IL-12、IFN-γ、IL-10)は、マウス TNF-α ELISA KIT (バイオソース)、マウスIL-12 ELISAkit、マウスIFN-γELISA kit(エンドジェン社)、マウスIL-10 Quantikine (R&Dシステムズ社)を用いて測定した。この結果、LPS10μgのみを投与した試験区(コントロール)では投与後1時間のTNF-αおよびIL-10、投与後3時間のIL-12、投与後6時間のIFN-γの値は、それぞれ644±121 pg/mL、201± 35.2 pg/mL、82.6±24.1 pg/mL、823±139 pg/mLであったのに対し、LPS 10μg+糖脂質0.5mgもしくはLPS 10μg+糖脂質1mgを投与したものは、投与後1時間のTNF-αは548±80.3pg/mLおよび440±83.1pg/mL、IL-10は275±90.5 pg/mLおよび291±52.7 pg/mL、投与後3時間のIL-12は74.1±15.6pg/mLおよび52.7±7.60pg/mL、投与6時間後のIFN-γは603±176pg/mLおよび599±112pg/mLであった(図2)。すなわち、炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-12、IFN-γの産生量は糖脂質との同時投与により抑えられ、炎症抑制性のサイトカインであるIL-10の産生量は糖脂質との同時投与によって誘導された。
Claims (8)
- オリーブ由来の糖脂質を有効成分として含有する抗炎症剤。
- オリーブ由来の糖脂質が、オリーブ採油滓の抽出物、または該抽出物の粗精製物もしくは精製物に含まれるものである、請求項1に記載の抗炎症剤。
- オリーブ由来の糖脂質が、オリーブ果実の抽出物に含まれるものである、請求項1に記載の抗炎症剤。
- 抗炎症が、炎症性サイトカインの産生抑制及び/又は抗炎症性サイトカインの産生誘導によるものである、請求項1に記載の抗炎症剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の抗炎症剤を含む飲食品。
- 飲食品が、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、または病者用食品である、請求項5に記載の飲食品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の抗炎症剤を含む医薬品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の抗炎症剤を含む化粧品。
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---|---|---|---|
JP2010201910A JP2012056887A (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | オリーブ糖脂質を含有する抗炎症剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109395055A (zh) * | 2019-01-07 | 2019-03-01 | 琪庆生物医药(上海)有限公司 | 一种具有修复关节软组织损伤作用的组合物及其制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001026670A1 (fr) * | 1999-10-14 | 2001-04-19 | The Nisshin Oil Mills, Ltd. | Agents de soin de la peau, agents anti-ages pour la peau, agents de blanchiment de la peau et preparations pour la peau, a usage externe |
-
2010
- 2010-09-09 JP JP2010201910A patent/JP2012056887A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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WO2001026670A1 (fr) * | 1999-10-14 | 2001-04-19 | The Nisshin Oil Mills, Ltd. | Agents de soin de la peau, agents anti-ages pour la peau, agents de blanchiment de la peau et preparations pour la peau, a usage externe |
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