JP2012052005A - 潤滑油剤の疲労寿命の評価方法及び疲労寿命改良潤滑油剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油剤の疲労寿命を短時間かつ簡易な方法で評価する方法、及び疲労寿命改良潤滑油剤を提供すること。
【解決手段】あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定した腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、及び該方法を用いた疲労寿命改良潤滑油剤である。
【選択図】なし
【解決手段】あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定した腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、及び該方法を用いた疲労寿命改良潤滑油剤である。
【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油剤の疲労寿命の評価方法及び疲労寿命改良潤滑油剤に関するものである。
近年、機械装置や機械設備のさらなる信頼性や耐久性の向上を目指して、潤滑油の改良開発が進められており、摩擦摩耗の低減のみならず、機械装置等の金属疲労寿命の向上も重要な課題とされている。
金属疲労とは、金属が応力を繰返し受けることにより、金属表面が損傷し、亀裂し、さらには破壊に至る現象を言い、金属疲労に至るまでの期間を金属疲労寿命、もしくは単に疲労寿命という。
機械装置等の摺動部分では、摺動面を形成する金属が応力を繰返し受けながら作動しているため、その摺動部分を形成する金属が疲労状態に至り、機械装置等の作動が不可能となる。したがって、機械装置等の疲労寿命は、実質上機械装置等の寿命を意味する重要な性能である。
ところが近年、その疲労寿命は、使用される潤滑油剤の組成や性状に著しく左右されることが立証されつつある。例えば、特許文献1では、潤滑油基油に、ホウ素含有無灰分散剤とアルカリ土類金属系分散剤とイオウ系添加剤を配合した潤滑油組成物が、ピッチング等の疲労寿命が向上すると記載している。
つまり、金属疲労寿命の向上は、潤滑油剤の開発にかなりの部分が委ねられ、期待されている状況にある。
それゆえ、疲労寿命を改善する潤滑油剤の開発が広く活発に行われている(例えば、特許文献1〜6参照)。
金属疲労とは、金属が応力を繰返し受けることにより、金属表面が損傷し、亀裂し、さらには破壊に至る現象を言い、金属疲労に至るまでの期間を金属疲労寿命、もしくは単に疲労寿命という。
機械装置等の摺動部分では、摺動面を形成する金属が応力を繰返し受けながら作動しているため、その摺動部分を形成する金属が疲労状態に至り、機械装置等の作動が不可能となる。したがって、機械装置等の疲労寿命は、実質上機械装置等の寿命を意味する重要な性能である。
ところが近年、その疲労寿命は、使用される潤滑油剤の組成や性状に著しく左右されることが立証されつつある。例えば、特許文献1では、潤滑油基油に、ホウ素含有無灰分散剤とアルカリ土類金属系分散剤とイオウ系添加剤を配合した潤滑油組成物が、ピッチング等の疲労寿命が向上すると記載している。
つまり、金属疲労寿命の向上は、潤滑油剤の開発にかなりの部分が委ねられ、期待されている状況にある。
それゆえ、疲労寿命を改善する潤滑油剤の開発が広く活発に行われている(例えば、特許文献1〜6参照)。
一方、疲労寿命を評価する方法は、種々の方法が用いられており、例えば、四球試験、二円筒試験、Falex試験、LFW−1試験、往復動摩擦試験等がある(特許文献1〜6の実施例参照)。
しかし、これらの方法は、金属に繰返し応力を加えて損傷等を発生させ、その損傷等を発生するまでの期間(時間)を測定する方法である。したがって、これらの方法で疲労寿命を測定するには、少なくとも疲労寿命に達するまでに要する時間が必要であり、結果として評価に長時間を要することになる。
例えば、特許文献1で用いられる方法では、少なくとも、繰返し応力を付与する時間のみで120時間以上を要する(特許文献1表1参照)。
また、これらの疲労寿命評価方法は、測定装置の調整や疲労寿命到達点の検知方法など、測定方法が煩雑であるという問題もある。
したがって、疲労寿命の評価が、疲労寿命の向上に資する潤滑油剤の迅速な開発を妨げることがある。
このような状況から、短時間で、かつ簡潔に疲労寿命を評価できる方法の開発が必要であった。
しかし、これらの方法は、金属に繰返し応力を加えて損傷等を発生させ、その損傷等を発生するまでの期間(時間)を測定する方法である。したがって、これらの方法で疲労寿命を測定するには、少なくとも疲労寿命に達するまでに要する時間が必要であり、結果として評価に長時間を要することになる。
例えば、特許文献1で用いられる方法では、少なくとも、繰返し応力を付与する時間のみで120時間以上を要する(特許文献1表1参照)。
また、これらの疲労寿命評価方法は、測定装置の調整や疲労寿命到達点の検知方法など、測定方法が煩雑であるという問題もある。
したがって、疲労寿命の評価が、疲労寿命の向上に資する潤滑油剤の迅速な開発を妨げることがある。
このような状況から、短時間で、かつ簡潔に疲労寿命を評価できる方法の開発が必要であった。
また、前記疲労寿命の評価方法の開発とともに、さらに一層疲労寿命を改良した潤滑油剤の出現が切望されている。
本発明は、このような状況下で、潤滑油剤の疲労寿命を短時間かつ簡易な方法で評価する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、さらなる疲労寿命改良潤滑油剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、さらなる疲労寿命改良潤滑油剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、潤滑油剤の疲労寿命が腐食エネルギーと相関関係にあることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1.あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定した腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
2.前記潤滑油剤の腐食エネルギー(W)が、該潤滑油剤の抽出水の腐食電位(E)と腐食電流密度(I)を測定し、下記の式(1)で算出したものである上記1に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
W(J)= E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
(式中、Wは腐食エネルギー、Eは腐食電位、Iは腐食電流密度を示す。)
3.前記疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を疲労寿命の値と腐食エネルギーの対数値で把握したものである上記1又は2に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
4.評価対象潤滑油剤が潤滑油添加剤であって、潤滑油剤の疲労寿命の評価が潤滑油添加剤の疲労寿命改良性能である上記1〜3のいずれかに記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
5.上記2に記載の方法によって求められる腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)が−2.0以下である疲労寿命改良潤滑油剤、
を提供するものである。
1.あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定した腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
2.前記潤滑油剤の腐食エネルギー(W)が、該潤滑油剤の抽出水の腐食電位(E)と腐食電流密度(I)を測定し、下記の式(1)で算出したものである上記1に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
W(J)= E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
(式中、Wは腐食エネルギー、Eは腐食電位、Iは腐食電流密度を示す。)
3.前記疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を疲労寿命の値と腐食エネルギーの対数値で把握したものである上記1又は2に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
4.評価対象潤滑油剤が潤滑油添加剤であって、潤滑油剤の疲労寿命の評価が潤滑油添加剤の疲労寿命改良性能である上記1〜3のいずれかに記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法、
5.上記2に記載の方法によって求められる腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)が−2.0以下である疲労寿命改良潤滑油剤、
を提供するものである。
本発明によれば、潤滑油剤の疲労寿命を短時間でかつ簡易に評価する方法を提供することができる。また、本発明によれば、さらなる疲労寿命改良潤滑油剤を提供することができる。
本発明は、あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定された腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法である。
なお、本発明における「腐食エネルギー」と「潤滑油剤」の語は、以下の意味で使用する。
「腐食エネルギー」
腐食反応実験によって測定される、下記の式(1)で定義されるエネルギーである。
W(J) = E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
式(1)中、Wは腐食エネルギー、Eは腐食電位、Iは腐食電流密度を示す。
「潤滑油剤」
本発明において潤滑油剤とは、潤滑油組成物のみではなく、潤滑油添加剤をも含む意味で使用する。また、潤滑油剤には、水溶性潤滑油剤も含まれる。
「腐食エネルギー」
腐食反応実験によって測定される、下記の式(1)で定義されるエネルギーである。
W(J) = E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
式(1)中、Wは腐食エネルギー、Eは腐食電位、Iは腐食電流密度を示す。
「潤滑油剤」
本発明において潤滑油剤とは、潤滑油組成物のみではなく、潤滑油添加剤をも含む意味で使用する。また、潤滑油剤には、水溶性潤滑油剤も含まれる。
1.疲労寿命と腐食エネルギーとの関係
本発明においては、疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握するために、複数の標準潤滑油剤(潤滑油剤)について、疲労寿命と腐食エネルギーとを測定する。
(1)疲労寿命の測定
疲労寿命の測定の測定には、潤滑油剤をそのまま用いる。
疲労寿命の測定方法としては、特に制限はなく、種々の方法が使用できるが、通常、四球試験、二円筒試験、FZG歯車試験(スコーリング試験、ASTM D 5182−97準拠)、Falex試験、LFW−1試験、往復動摩擦試験等が用いられる。これらの試験方法によって金属疲労に達するまでの時間を疲労寿命として測定する。
例えば、四球試験は、いわゆる四球ころがり疲労試験と称されるものであり、三球の上にトップ球を置き、トップ球に荷重をかけながらそれを回転させて、他の三球ところがり接触させて金属疲労を促進させる方法である。そして通常、金属疲労に達し疲労剥離等が生ずることによる振動を捉えて疲労寿命時期を検知し、疲労寿命を計測する。
このようにして、疲労寿命の実験を複数回(n回)計測する。
次いで、n回の測定値を疲労寿命のワイブル統計処理をして、LD50(hrs)として寿命を表示する。
このような方法による疲労寿命の測定には、通常、100時間から200時間必要である。
本発明においては、疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握するために、複数の標準潤滑油剤(潤滑油剤)について、疲労寿命と腐食エネルギーとを測定する。
(1)疲労寿命の測定
疲労寿命の測定の測定には、潤滑油剤をそのまま用いる。
疲労寿命の測定方法としては、特に制限はなく、種々の方法が使用できるが、通常、四球試験、二円筒試験、FZG歯車試験(スコーリング試験、ASTM D 5182−97準拠)、Falex試験、LFW−1試験、往復動摩擦試験等が用いられる。これらの試験方法によって金属疲労に達するまでの時間を疲労寿命として測定する。
例えば、四球試験は、いわゆる四球ころがり疲労試験と称されるものであり、三球の上にトップ球を置き、トップ球に荷重をかけながらそれを回転させて、他の三球ところがり接触させて金属疲労を促進させる方法である。そして通常、金属疲労に達し疲労剥離等が生ずることによる振動を捉えて疲労寿命時期を検知し、疲労寿命を計測する。
このようにして、疲労寿命の実験を複数回(n回)計測する。
次いで、n回の測定値を疲労寿命のワイブル統計処理をして、LD50(hrs)として寿命を表示する。
このような方法による疲労寿命の測定には、通常、100時間から200時間必要である。
(2)腐食エネルギーの測定
本発明の腐食エネルギーは、式(1)によって定義するものである。
W(J) = E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
したがって、水溶液の試料を用い、腐食電位Eと腐食電流密度Iを測定することが必要である。
(2−1) 試料の準備
腐食エネルギーの測定には、前記標準潤滑油剤(油剤)の抽出水を用いる。この場合の抽出方法については特に制限はないが、通常、油剤と水を、例えば、およそ1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いる。
なお、潤滑油添加剤(添加剤)を評価対象試料とする場合は、前記油剤に換えて潤滑油添加剤を用いればよい。つまり、添加剤と水を、例えば、およそ1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いる。
また、添加剤を評価する別の方法としては、基準となる潤滑油剤(基油、または、さらに添加剤を配合した組成物)に評価する潤滑油添加剤を一定量配合した組成物を用いても良い。この方法では、複数の潤滑油添加剤の相対的な添加効果を評価することができる。
また、水溶性潤滑油剤を評価する場合は、水溶性潤滑油剤そのものを用いることができる。
本発明の腐食エネルギーは、式(1)によって定義するものである。
W(J) = E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
したがって、水溶液の試料を用い、腐食電位Eと腐食電流密度Iを測定することが必要である。
(2−1) 試料の準備
腐食エネルギーの測定には、前記標準潤滑油剤(油剤)の抽出水を用いる。この場合の抽出方法については特に制限はないが、通常、油剤と水を、例えば、およそ1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いる。
なお、潤滑油添加剤(添加剤)を評価対象試料とする場合は、前記油剤に換えて潤滑油添加剤を用いればよい。つまり、添加剤と水を、例えば、およそ1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いる。
また、添加剤を評価する別の方法としては、基準となる潤滑油剤(基油、または、さらに添加剤を配合した組成物)に評価する潤滑油添加剤を一定量配合した組成物を用いても良い。この方法では、複数の潤滑油添加剤の相対的な添加効果を評価することができる。
また、水溶性潤滑油剤を評価する場合は、水溶性潤滑油剤そのものを用いることができる。
(2−2)腐食電位Eと腐食電流密度の測定
次いで、(2−1)で得た抽出水を用いて、式(2)の電池を構成し、腐食電位E(V)と腐食電流密度(I)及び電極面積(m2)を測定する。
Fe|Fe2+‖2H+(aq)|H2(g),Pt ・・・(2)
具体的には、通常いわゆる三電極法により測定する。
次いで、(2−1)で得た抽出水を用いて、式(2)の電池を構成し、腐食電位E(V)と腐食電流密度(I)及び電極面積(m2)を測定する。
Fe|Fe2+‖2H+(aq)|H2(g),Pt ・・・(2)
具体的には、通常いわゆる三電極法により測定する。
三電極法による測定装置の例を図2に示す。
図2中の1は電解槽、2は参照槽、3は試料液、4は試料電極、5は対極、6は参照電極
7は塩橋、8は定電位電解装置(ポテンショスタット)、9はレコーダー、10はフアンクションジェネレーターを示す。
対極5は通常白金電極であり、参照電極6は通常銀/塩化銀電極や甘こう電極(SCE)が使用される。
なお、式(1)の 電極面積は、試料電極4が試料(抽出水)に浸漬している面積である。
図2中の1は電解槽、2は参照槽、3は試料液、4は試料電極、5は対極、6は参照電極
7は塩橋、8は定電位電解装置(ポテンショスタット)、9はレコーダー、10はフアンクションジェネレーターを示す。
対極5は通常白金電極であり、参照電極6は通常銀/塩化銀電極や甘こう電極(SCE)が使用される。
なお、式(1)の 電極面積は、試料電極4が試料(抽出水)に浸漬している面積である。
腐食電位の測定は、以下の方法で測定する。
測定を開始しベースラインが安定した後、スキャン速度20mV/minに制御して、電位と電流とを測定し、分極曲線を得る。
得られた分極曲線の電圧のピークを腐食電位Eとし、そのピークとアノード側及びカソード側の分極曲線の交点の電流密度を腐食電流密度Iとする。
このようにして、腐食電位E(V)、腐食電流密度I(A/m2)を求め、これらと電極面積(m2)から、式(1)によって、腐食エネルギーを求める。
腐食エネルギーの測定には、通常、0.5時間から2時間程度必要である。
測定を開始しベースラインが安定した後、スキャン速度20mV/minに制御して、電位と電流とを測定し、分極曲線を得る。
得られた分極曲線の電圧のピークを腐食電位Eとし、そのピークとアノード側及びカソード側の分極曲線の交点の電流密度を腐食電流密度Iとする。
このようにして、腐食電位E(V)、腐食電流密度I(A/m2)を求め、これらと電極面積(m2)から、式(1)によって、腐食エネルギーを求める。
腐食エネルギーの測定には、通常、0.5時間から2時間程度必要である。
(3)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係
疲労寿命と腐食エネルギーは、相関関係を有する。
特に、腐食エネルギーWの対数と疲労寿命LD50(hrs)の片対数グラフは、直線関係を示す。第1図は、上記の関係の一例を示す片対数グラフである。
疲労寿命と腐食エネルギーは、相関関係を有する。
特に、腐食エネルギーWの対数と疲労寿命LD50(hrs)の片対数グラフは、直線関係を示す。第1図は、上記の関係の一例を示す片対数グラフである。
2.疲労寿命の評価
前記のように、あらかじめ標準潤滑油剤によって、疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、評価対象潤滑油剤について、1(2)と同様の方法で腐食エネルギーを測定し、その測定値と前記疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を評価することができる。
前記のように、あらかじめ標準潤滑油剤によって、疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、評価対象潤滑油剤について、1(2)と同様の方法で腐食エネルギーを測定し、その測定値と前記疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を評価することができる。
3.疲労寿命評価方法の利用方法
本願発明の疲労寿命評価方法は、次のように利用することができる。
(1)腐食エネルギーを測定することにより、潤滑油剤、例えば開発試作品の疲労寿命を評価し、疲労寿命の目標達成度を予測する。目標達成度が充分でないと評価された場合は、即座に改良研究に取りかかることができる効果がある。
(2)腐食エネルギーを測定することにより、あらかじめ潤滑油添加剤単体の疲労寿命を評価して添加剤の疲労寿命改良性能を把握しておき、それに基づいて開発時の潤滑油添加剤の選択を行う。
この方法によって目標達成の時間を短縮できる効果がある。
本願発明の疲労寿命評価方法は、次のように利用することができる。
(1)腐食エネルギーを測定することにより、潤滑油剤、例えば開発試作品の疲労寿命を評価し、疲労寿命の目標達成度を予測する。目標達成度が充分でないと評価された場合は、即座に改良研究に取りかかることができる効果がある。
(2)腐食エネルギーを測定することにより、あらかじめ潤滑油添加剤単体の疲労寿命を評価して添加剤の疲労寿命改良性能を把握しておき、それに基づいて開発時の潤滑油添加剤の選択を行う。
この方法によって目標達成の時間を短縮できる効果がある。
4.疲労寿命改良潤滑油剤
本発明の潤滑油剤は、腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)が−2.0以下である疲労寿命改良潤滑油剤である。
このような潤滑油剤は、疲労寿命が向上するとともに、耐腐食性も良好である。
ただし、前記腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)は、潤滑油剤と水を、1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いて、その腐食電位Eと腐食電流密度Iを測定して、算出した値である。
本発明の潤滑油剤は、腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)が−2.0以下である疲労寿命改良潤滑油剤である。
このような潤滑油剤は、疲労寿命が向上するとともに、耐腐食性も良好である。
ただし、前記腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)は、潤滑油剤と水を、1:1(質量比)で混合し、静置後分離した水層、または分離した水層をさらに遠心分離して得られた水層を用いて、その腐食電位Eと腐食電流密度Iを測定して、算出した値である。
このような潤滑油剤は、潤滑基油又は潤滑油組成物に腐食エネルギーW(J)の対数値が小さい添加剤を配合することによって、得ることができる。
潤滑基油は、鉱油、各種合成油又はそれらの混合物が用いられる。また、潤滑油組成物としては、特に制限はなく、例えば、各種エンジン油、ギヤ油、変速機油、油圧作動油、圧縮機油、冷凍機油、タービン油、グリースなどが含まれる。
潤滑基油は、鉱油、各種合成油又はそれらの混合物が用いられる。また、潤滑油組成物としては、特に制限はなく、例えば、各種エンジン油、ギヤ油、変速機油、油圧作動油、圧縮機油、冷凍機油、タービン油、グリースなどが含まれる。
腐食エネルギーW(J)の対数値が小さい添加剤としては、logWが−2.0以下である添加剤が好ましく、logWが−3.0以下である潤滑油添加剤がより好ましい。
上記潤滑油添加剤としては、リン系極圧剤、硫黄系極圧剤、金属系清浄剤、及び金属アルコキシド系添加剤から選ばれるものの中から選ばれるものが好適である。
リン系極圧剤としては、例えば、いずれも炭素数1〜30の炭化水素基を有する有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステルアミン塩、有機亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、有機亜リン酸エステル及び有機亜リン酸エステルアミン塩が好ましく、特に、アリール基もしくはアルキル置換アリール基を有する有機亜リン酸エステル及び有機亜リン酸エステルアミン塩が好ましい。
リン系極圧剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、P量として、10〜100000質量ppmが好ましい。
リン系極圧剤としては、例えば、いずれも炭素数1〜30の炭化水素基を有する有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステルアミン塩、有機亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、有機亜リン酸エステル及び有機亜リン酸エステルアミン塩が好ましく、特に、アリール基もしくはアルキル置換アリール基を有する有機亜リン酸エステル及び有機亜リン酸エステルアミン塩が好ましい。
リン系極圧剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、P量として、10〜100000質量ppmが好ましい。
硫黄系極圧剤としては、例えば、ジアルキルスルフィド、ジアリールアルキルスルフィド、ジアリールスルフィドなどのモノスルフィド類、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィド類などのポリスルフィド(アルキル基の炭素数1〜30)、硫化オレフィン、硫化油脂などの硫黄系極圧剤が好ましく、中でもモノスルフィドやジスルフィド類が好ましい。
硫黄系極圧剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、S量として、10〜5000質量ppmが好ましい。
硫黄系極圧剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、S量として、10〜5000質量ppmが好ましい。
金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)又はアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、バリウム等)のスルフォネート、フェネート、サリシレート及びナフテネート等が挙げられる。
これらの中でも、カルシウム塩やバリウム塩が好ましく、特に、カルシウムスルフォネートが好ましい。また、これらの金属系清浄剤の塩基価は、過塩素酸法で通常0〜500mgKOH/gのものを使用できる。
金属系清浄剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、その金属量として、10〜3000質量ppmが好ましい。
これらの中でも、カルシウム塩やバリウム塩が好ましく、特に、カルシウムスルフォネートが好ましい。また、これらの金属系清浄剤の塩基価は、過塩素酸法で通常0〜500mgKOH/gのものを使用できる。
金属系清浄剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、その金属量として、10〜3000質量ppmが好ましい。
金属アルコキシド系添加剤としては、例えば、下記の一般式(3)で表わされる添加剤が好ましい。
M(OR)n ・・・(3)
式中、Mは金属元素を示し、鉄、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、錫、鉛、チタン、珪素などが挙げられる。中でも鉄、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、チタンなどが好ましい。Rは炭素数1〜50のアルキル基であり、1〜40のアルキル基が好ましい。また、nは金属元素の酸化数を示す。
金属アルコキシド系添加剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、金属量として10〜10000質量ppmが好ましい。
M(OR)n ・・・(3)
式中、Mは金属元素を示し、鉄、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、錫、鉛、チタン、珪素などが挙げられる。中でも鉄、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、チタンなどが好ましい。Rは炭素数1〜50のアルキル基であり、1〜40のアルキル基が好ましい。また、nは金属元素の酸化数を示す。
金属アルコキシド系添加剤を用いる場合の配合量は、潤滑油剤全量基準で、金属量として10〜10000質量ppmが好ましい。
1.疲労寿命と腐食エネルギーとの関係把握
酸化防止剤と消泡剤を配合した基油(ナフテン系基油、40℃動粘度32mm2/s、粘度指数100、硫黄分0.3質量%)に表1で示すリン系、硫黄系、金属系清浄剤系、金属アルコキシド系の各添加剤を表2に示す割合で配合した標準潤滑油剤P2、P1、S1、C1、及びO1を調製した。これらについて疲労寿命と腐食エネルギーを測定し、両者の関係を求めた。結果を表2及び図1(片対数グラフ)に示す。
酸化防止剤と消泡剤を配合した基油(ナフテン系基油、40℃動粘度32mm2/s、粘度指数100、硫黄分0.3質量%)に表1で示すリン系、硫黄系、金属系清浄剤系、金属アルコキシド系の各添加剤を表2に示す割合で配合した標準潤滑油剤P2、P1、S1、C1、及びO1を調製した。これらについて疲労寿命と腐食エネルギーを測定し、両者の関係を求めた。結果を表2及び図1(片対数グラフ)に示す。
(1)疲労寿命の測定方法
4球(ころがり疲労)試験にて評価した。評価条件は以下の通りである。
(評価条件)
試料容器:JIS K2519規定の容器(外形150mmφ、内径75mmφ、高さ70mmの鉄製容器)
試験球 :径3/4インチ、材質SUJ2、表面粗さ0.2μm(JISB1501品、グレード40等級)
面圧 :6.9GPa(15kgf/cm2)
回転数 :1800rpm
油温 :100℃
油量 :50ml
(疲労寿命の検知方法)
疲労剥離に起因する振動が発生した時点を寿命到達時間とした。
(疲労寿命の表示)
疲労寿命をワイブル統計処理し、LD50(hrs)として表示した。
4球(ころがり疲労)試験にて評価した。評価条件は以下の通りである。
(評価条件)
試料容器:JIS K2519規定の容器(外形150mmφ、内径75mmφ、高さ70mmの鉄製容器)
試験球 :径3/4インチ、材質SUJ2、表面粗さ0.2μm(JISB1501品、グレード40等級)
面圧 :6.9GPa(15kgf/cm2)
回転数 :1800rpm
油温 :100℃
油量 :50ml
(疲労寿命の検知方法)
疲労剥離に起因する振動が発生した時点を寿命到達時間とした。
(疲労寿命の表示)
疲労寿命をワイブル統計処理し、LD50(hrs)として表示した。
(2)腐食エネルギーの測定方法
標準潤滑油剤を水で抽出した抽出水について、腐食電位と腐食電流密度を測定し、腐食エネルギーを算出した。
(i)抽出水の調製方法
試料潤滑油200gと水200gを採取し、室温で15分攪拌混合した後2時間静置した。静置後分離した水層をさらに遠心分離した。遠心分離で得られた水層(上澄液)を抽出水として用いた。
標準潤滑油剤を水で抽出した抽出水について、腐食電位と腐食電流密度を測定し、腐食エネルギーを算出した。
(i)抽出水の調製方法
試料潤滑油200gと水200gを採取し、室温で15分攪拌混合した後2時間静置した。静置後分離した水層をさらに遠心分離した。遠心分離で得られた水層(上澄液)を抽出水として用いた。
(ii)腐食電位と腐食電流密度の測定方法
(i)下記に示す電池構成と測定条件で三電極法により、分極曲線を測定して、腐食電位と腐食電流密度を測定した。
[電池の構成]
電池の構成は 下記式(2)で表わされる。
Fe|Fe2+‖2H+(aq)|H2(g),Pt ・・・(2)
(i)下記に示す電池構成と測定条件で三電極法により、分極曲線を測定して、腐食電位と腐食電流密度を測定した。
[電池の構成]
電池の構成は 下記式(2)で表わされる。
Fe|Fe2+‖2H+(aq)|H2(g),Pt ・・・(2)
[測定条件]
・ 供試液:前記(2)(i)で得た抽出水
・ 試験極:Fe板(材質:SPCC−SD、表面積:12cm2)
・ 対極:Pt(表面積:4cm2)
・ 参照電極:SCE
・ 電解液 :塩化カリウム水溶液
・ 雰囲気:空気中
・ スキャン速度:20mV/min
・ 標準電極電位E0は,測定電位に+0.2Vを足した値とした.
(水素標準電極電位:SHEに換算)
・ 供試液:前記(2)(i)で得た抽出水
・ 試験極:Fe板(材質:SPCC−SD、表面積:12cm2)
・ 対極:Pt(表面積:4cm2)
・ 参照電極:SCE
・ 電解液 :塩化カリウム水溶液
・ 雰囲気:空気中
・ スキャン速度:20mV/min
・ 標準電極電位E0は,測定電位に+0.2Vを足した値とした.
(水素標準電極電位:SHEに換算)
(iii) 腐食エネルギーの計算
上記測定値から、式(1)に基づいて腐食エネルギーを計算した
W(J)= E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
(iv)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係
標準潤滑油剤の疲労寿命の値と腐食エネルギーの対数値を片対数グラフで表わすと図1のようになった。
したがって、疲労寿命は、腐食エネルギーの対数と良好な相関関係があることが確認できた。
上記測定値から、式(1)に基づいて腐食エネルギーを計算した
W(J)= E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
(iv)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係
標準潤滑油剤の疲労寿命の値と腐食エネルギーの対数値を片対数グラフで表わすと図1のようになった。
したがって、疲労寿命は、腐食エネルギーの対数と良好な相関関係があることが確認できた。
2.評価対象潤滑油剤の疲労寿命の評価
(i)疲労寿命が未知の評価対象潤滑油剤(未知油剤)、X1について、前記1に記載した方法で腐食エネルギーを測定した。X1は、標準潤滑油剤の表1に示す添加剤に代えて、硫黄系添加剤(ジフェニルスルフィド)をS量として3000質量ppm配合した潤滑油剤である。
X1の腐食エネルギーのLogW(J)の測定結果は、−2.9であった。
この腐食エネルギー値から図1を用いて、X1の疲労寿命を求めたところ9.2hrsであった。
(ii)次いで、X1の疲労寿命を、前記1に記載した4球(ころがり疲労)試験で測定した。結果は、9.5hrsであった。
(i)と(ii)から予想値と実測値の相違(誤差)を計算すると、3.2%となる。
以上より、腐食エネルギー値から、実際に疲労試験を実施することなく、短時間で精度よく疲労寿命を評価できることが分かる。
(i)疲労寿命が未知の評価対象潤滑油剤(未知油剤)、X1について、前記1に記載した方法で腐食エネルギーを測定した。X1は、標準潤滑油剤の表1に示す添加剤に代えて、硫黄系添加剤(ジフェニルスルフィド)をS量として3000質量ppm配合した潤滑油剤である。
X1の腐食エネルギーのLogW(J)の測定結果は、−2.9であった。
この腐食エネルギー値から図1を用いて、X1の疲労寿命を求めたところ9.2hrsであった。
(ii)次いで、X1の疲労寿命を、前記1に記載した4球(ころがり疲労)試験で測定した。結果は、9.5hrsであった。
(i)と(ii)から予想値と実測値の相違(誤差)を計算すると、3.2%となる。
以上より、腐食エネルギー値から、実際に疲労試験を実施することなく、短時間で精度よく疲労寿命を評価できることが分かる。
[注]
表2中の添加剤の配合量は、それぞれ、 P1、P2はP量として、S1、X1はS量として、C1はCa量として、O1はFe量としての配合量である。
表2中の添加剤の配合量は、それぞれ、 P1、P2はP量として、S1、X1はS量として、C1はCa量として、O1はFe量としての配合量である。
3.疲労寿命改良潤滑油剤
表2は、基油に酸化防止剤と消泡剤を配合した同一の潤滑油(組成物)に、リン系、イオウ系等の潤滑油添加剤を配合した潤滑油剤の腐食エネルギーのLogW(J)値を示している。
表2によれば、腐食エネルギーのLogW(J)値が−2.0以下の潤滑油剤は、疲労寿命改良効果が大きく(実施例1〜4)、LogW(J)値が−2.0を超える潤滑油剤は疲労寿命改良効果が小さいことが分かる(比較例1、2)。
表2は、基油に酸化防止剤と消泡剤を配合した同一の潤滑油(組成物)に、リン系、イオウ系等の潤滑油添加剤を配合した潤滑油剤の腐食エネルギーのLogW(J)値を示している。
表2によれば、腐食エネルギーのLogW(J)値が−2.0以下の潤滑油剤は、疲労寿命改良効果が大きく(実施例1〜4)、LogW(J)値が−2.0を超える潤滑油剤は疲労寿命改良効果が小さいことが分かる(比較例1、2)。
本発明によれば、潤滑油剤剤の疲労寿命を短時間でかつ簡易に評価することができる。したがって、疲労寿命向上に寄与する潤滑油添加剤の選択や潤滑油組成物の性能予想など疲労寿命改良潤滑油剤の開発に有効に利用することができる。さらに本発明によれば、良好な疲労寿命改良潤滑油剤を得ることができる。
1:電解槽
2:参照極槽
3:試料液
4:試料電極
5:対極
6:参照電極
7:塩橋
8:定電位電解装置(ポテンショスタット)
9:レコーダー
10:フアンクションジェネレーター
2:参照極槽
3:試料液
4:試料電極
5:対極
6:参照電極
7:塩橋
8:定電位電解装置(ポテンショスタット)
9:レコーダー
10:フアンクションジェネレーター
Claims (5)
- あらかじめ潤滑油剤の(a)疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を把握しておき、(b)評価対象潤滑油剤の腐食エネルギーを測定し、測定した腐食エネルギー値とあらかじめ把握している疲労寿命と腐食エネルギーとの関係から、評価対象潤滑油剤の疲労寿命を求めることを特徴とする潤滑油剤の疲労寿命の評価方法。
- 前記潤滑油剤の腐食エネルギー(W)が、該潤滑油剤の抽出水の腐食電位(E)と腐食電流密度(I)を測定し、下記の式(1)で算出したものである請求項1に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法。
W(J)= E(V)×I(A/m2)×電極面積(m2) ・・・(1)
(式中、Wは腐食エネルギー、Eは腐食電位、Iは腐食電流密度を示す。) - 前記疲労寿命と腐食エネルギーとの関係を疲労寿命の値と腐食エネルギーの対数値で把握したものである請求項1又は2に記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法。
- 評価対象潤滑油剤が潤滑油添加剤であって、潤滑油剤の疲労寿命の評価が潤滑油添加剤の疲労寿命改良性能である請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油剤の疲労寿命の評価方法。
- 請求項2に記載の方法によって求められる腐食エネルギーW(J)の対数値(logW)が−2.0以下である疲労寿命改良潤滑油剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010195178A JP2012052005A (ja) | 2010-08-31 | 2010-08-31 | 潤滑油剤の疲労寿命の評価方法及び疲労寿命改良潤滑油剤 |
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CN103472101A (zh) * | 2013-09-16 | 2013-12-25 | 天津大学 | 一种疲劳损伤电化学检测装置及方法 |
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2010
- 2010-08-31 JP JP2010195178A patent/JP2012052005A/ja active Pending
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CN103472101B (zh) * | 2013-09-16 | 2015-05-13 | 天津大学 | 一种疲劳损伤电化学检测装置及方法 |
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