JP2012051712A - テールコード装置およびエレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルの吊下げ幅を温度によって変化するケーブルの自重径に合わせて変位させるテールコード装置を提供する。
【解決手段】テールコード装置6は、ケーブル61と温度計測器62と吊下げ装置63と制御装置64とを備える。ケーブル61は、乗籠4の下部から昇降路2の内壁21までの間に接続される。温度計測器62は、乗籠4が移動する間に曲げ伸ばしされる範囲のケーブル61に取り付けられ、ケーブル61の温度を測る。吊下げ装置63は、ケーブル61の少なくとも一方の端部61Bを吊下げる位置に設置され、垂れ下がるケーブル61の吊下げ幅Wを変えるために端部61Bを移動させる。制御装置64は、温度計測器62から得た温度情報を基に、ケーブル61の自重径Dとなる位置へ、吊下げ装置63で端部61Bを移動する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの乗籠と制御装置との間に接続され電気信号を伝送するテールコード装置およびこれを備えるエレベータに関する。
エレベータは、昇降路内を移動する乗籠と建屋側に設置される制御装置との間を接続するテールコード装置を備える。テールコード装置は、信号線を束ねたケーブルと、乗籠の底部にケーブルを固定するための吊下げ装置と、昇降路に設置される制御装置または中継器に接続するための接続具とを備える。乗籠が移動することに伴って乗籠に加わるケーブルの重量も変化する。ケーブルの重量が変化することによって乗籠の重量バランスに偏りが生じるのを軽減するために、ケーブルの重量を利用してその吊下げ位置を変化させる吊下げ装置を備えるエレベータがある。
また、乗籠の移動距離が長くなれば、ケーブルの全長も長くなり重量も増す。ケーブルは、内部の信号線を保護するとともにその重量による張力に耐えられる十分な強度と、乗籠が移動することに伴って曲げ伸ばしされる柔軟性が必要である。吊下げられたケーブルが平行に折り返されるときの直径であるいわゆる「自重径」は、このときのケーブルの硬さによって決定される。ケーブルの硬さは、被覆材の温度によって変化する。ケーブルの自重径が変化しないようにヒータを被覆材に内蔵するケーブルが知られている。
特許第2899506号明細書 特開平11−71070号公報
しかしながら、ケーブルの重量によって吊下げ位置を変化させる吊下げ装置の場合、環境温度が変化したことによってケーブルの硬さが変化すると、ケーブルの自重径も変化する。ケーブルは、温度が下がると、硬くなり、自重径が大きくなる。反対に、ケーブルは、温度が上がると、軟らかくなり、自重径が小さくなる。
ケーブルの温度が下がり、設定値よりも自重径が大きくなった状態で乗籠が移動すると、ケーブルが昇降路の内壁に接触する恐れがある。また、ケーブルの温度が上がり、設定値よりも自重径が小さくなった状態で乗籠が移動すると、垂れ下がっているケーブルが揺れ、昇降路の内壁に接触する恐れがある。そして乗籠が最下部に位置すると、制御盤または中継器から昇降路の内壁に沿って吊り下がっているケーブルが乗籠の外部に接触するかもしれない。いずれの場合もケーブルが傷むだけでなく、騒音や振動が発生する原因にもなる。
ヒータをケーブルに内蔵する場合、ヒータの重量および剛性がケーブルに加わる。その結果、テールコード装置が重くなり、乗籠を移動させるための巻上機やブレーキ装置など様々な部分で能力の高いものが必要になる。
また、エレベータは、いつ利用されるか分からない。したがって、自重径が変化しないようにヒータによってケーブルを保温し続けることは、エネルギーの浪費である。
そこで、本発明は、ケーブルの吊下げ幅を温度によって変化するケーブルの自重径に合わせて変位させるテールコード装置およびこれを備えるエレベータを提供する。
一実施形態のテールコード装置は、ケーブルと温度計測器と吊下げ装置と制御装置とを備える。ケーブルは、昇降路内を移動する乗籠の下部から昇降路の内壁までの間に接続される。温度計測器は、乗籠が最上階から最下階まで移動する間に曲げ伸ばしされる範囲のケーブルに取り付けられ、ケーブルの温度を測る。吊下げ装置は、ケーブルの少なくとも一方の端部を吊下げる位置に設置され、垂れ下がるケーブルの吊下げ幅を変えるために端部を移動させる。制御装置は、温度計測器によって取得される温度情報を基に、ケーブルが平行に垂れ下がる自重径となる位置へ、端部を吊下げ装置で移動する。
第1の実施形態のテールコード装置を備えるエレベータを示す概略図。 図1に示したエレベータの乗籠が最下部で停止している状態の概略図。 図2に示したテールコード装置の温度計測器の斜視図。 図3中のF4−F4線に沿って示すケーブルおよびクリップの断面図。 図4中のF5−F5線に沿って示すケーブルおよび温度計測器の断面図。 図1に示したテールコード装置の吊下げ装置の分解斜視図。 図6に示した吊下げ装置の側面図。 第2の実施形態のテールコード装置を示す概略図。 第3の実施形態のテールコード装置の動作のタイミングを示す図。 第4の実施形態のテールコード装置の動作のタイミングを示す図。 第5の実施形態のテールコード装置の温度計測器とクリップの装着部を示す断面図。 第6の実施形態のテールコード装置の温度計測器とクリップの装着部を示す断面図。 第7の実施形態のテールコード装置の温度調節機が装着された部分の斜視図。
第1の実施形態のテールコード装置6を備えるエレベータ1は、図1から図7を参照して説明する。図1に示すエレベータ1は、昇降路2と、巻上機3と、乗籠4と、釣合錘5と、テールコード装置6と、制御盤7とを備える。巻上機3は、昇降路2の上部に設置されている。巻上機3は、駆動モータ31と駆動シーブ32とを備える。反らせシーブ33は、メインロープ34を取り回すために配置される。メインロープ34は、駆動シーブ32および反らせシーブ33に捲き掛けられている。乗籠4と釣合錘5は、メインロープ34の端部に吊り下げられており、それぞれガイドレール41,51に案内されている。巻上機3がメインロープ34を駆動することによって、乗籠4および釣合錘5は昇降路2内を移動する。
乗籠4は、図1に示すようにドア装置42を有している。ドア装置42は、乗籠4が着床した階で乗場ドアを伴って開放される。この他に乗籠4は、操作盤、照明装置、空調装置などを装備している。テールコード装置6は、操作盤から入力される信号を制御盤7まで通信したり照明装置および空調装置などに電力を供給したりするために、図1および図2に示すように乗籠4の下部から昇降路2の内壁21までの間に設置される。制御盤7は、巻上機3の駆動制御を行うとともに、テールコード装置6のケーブル61を介して乗籠4およびドア装置42の動作制御を行う。
テールコード装置6は、ケーブルと61と温度計測器62と吊下げ装置63と制御装置64とを備える。ケーブル61は、乗籠4の下部から昇降路2の内壁21までの間に接続される。ケーブル61は、図3に示すように、信号を伝達するための信号線や電力を供給するための電線を含む複数の配線611と、これらをひとまとめに内包する被覆材612とを有する。被覆材612は、環境温度の変化や、繰り返し曲げ伸ばしされることに対して耐久性に優れた材料が適用される。また、曲げ伸ばしが繰り返されることによる応力を緩和できるように、ケーブル61は、曲げ方向に対して厚みが小さい平坦な矩形断面を有した帯状に形成されている。
温度計測器62は、乗籠4が最上階にいる図1に示す状態から乗籠4が最下階にいる図2に示す状態まで移動する間に曲げ伸ばしされる可撓範囲Eのケーブル61に取り付けられる。第1の実施形態では、最上階および最下階を含む各階で着床しているときに曲がっている湾曲部61Aとなる範囲のケーブル61に少なくとも1つずつ温度計測器62を取り付ける。温度計測器62は、ケーブル61の温度を常時測っている。
温度計測器62は、乗籠4が着床しているときに自重径Dで曲がった最下点を含む湾曲部61Aとなる範囲の内径側に少なくとも1つ設置される。ここで、「自重径」とは、昇降路2側および乗籠4側からそれぞれ垂れ下がるケーブル61どうしが平行になるときの湾曲部61Aの最小直径であって、そのときの温度によって変化する。ケーブル61の温度が低くなると、被覆材612の柔軟性が低下するので、自重径Dが大きくなり、温度が高くなると被覆材612の柔軟性が増すので、自重径Dが小さくなる。乗籠4が移動する間、テールコード装置6のケーブル61の姿勢を安定させるには、昇降路2側および乗籠4側から垂れ下がるケーブル61の吊下げ幅Wを自重径Dに合わせるとよい。
温度計測器62は、図3に示すように、ケーブル61を把持するクリップ65によってケーブル61の表面に固定される。クリップ65は、ベース651とバンド652とを含む。ベース651は、図4に示すように、温度計測器62が固定される第1の端部651Aと、バンド652が連結される第2の端部651Bとを有し、第1の端部651Aと第2の端部651Bでケーブル61を把持するようにケーブル61の側部を回って形成されている。バンド652は、ベース651よりも薄く作られ、ケーブル61のもう一方の側部を回って、ベース651の第1の端部651Aに重ね合わされている。重ねられたバンド652には、長孔652Aが形成されている。
温度計測器62は、図4および図5に示すように、ベース651の第1の端部651Aに形成されたネジ穴にビス653で固定される。バンド652を引っ張った状態でビス653を締めれば、温度計測器62とともにクリップ65は、ケーブル61にしっかり固定される。図5に示すように温度計測器62は、ビス653によってクリップ65に固定されると、ケーブル61の外表面に密着する。クリップ65のベース651とバンド652は、柔軟で繰り返し曲げに対して優れた合成樹脂で一続きに形成されていてもよい。
温度計測器62は、図5に示すようにケーブル61の外表面に沿って配線される信号線621と、信号線621が接続された測温体622と、クリップ65に固定されるヘッド623とを有している。各温度計測器62の信号線621は、乗籠4に向けて配線され、図3に示すように樹脂製の結束バンド66によってケーブル61に固縛される。このように温度計測器62は、ケーブル61に、内蔵せずに、外装するので、既存のエレベータにも追加される。また温度計測器62は、ケーブル61に接着しないので、乗籠4の移動に伴うケーブル61の動きを妨げない。
温度計測器62は、測温体622として熱伝対またはサーミスタを採用している。この測温体622は、信号線621とともにヘッド623から簡単に取り外せるジャックに形成されている。信号線621が断線したり、測温体622の検出精度が劣化したりした場合に、クリップ65を外すことなく交換することができる。
吊下げ装置63は、図1および図2において、ケーブル61の乗籠4側の端部61Bに設置される。この吊下げ装置63は、図6に示すように、ヒッチ631とスライド632とモータ633と台座634とを備える。吊下げ装置63は、図7に示すように昇降路2の内壁21と乗籠4との間に垂れ下がるケーブル61の吊下げ幅Wを変えるためにケーブル61の乗籠4側の端部61Bを移動させる。したがって、吊下げ装置63は、乗籠4側ではなく昇降路2側の端部61Cに設置されても良いし、両側に設置されても良い。
ヒッチ631は、上方へ膨らんだ半円筒形状であって、掛けられたケーブル61の乗籠4側の端部61Bを保持する。ヒッチ631を越えたケーブル61の端部61Bは、長さ調整のために折り返されたタック部613を形成する。図6において、ケーブル61は、2本並べて配置されている。ケーブル61がヒッチ631から脱落しないように、ヒッチ631は、両縁に流止ピン631Aが配置されている。
スライド632は、図6に示すようにヒッチ631の両端を支持し、変化したケーブル61の自重径Dに合わせてヒッチ631を移動する。スライド632の摺動抵抗を軽減するためにリニアガイドやローラが取り付けられる。モータ633は、減速装置635を介してスライド632に連結される。減速装置635は、ラック635Aとピニオン635Bで構成される。モータ633は、ピニオン635Bに噛み合わされる。ラック635Aは、スライド632に組みつけられている。モータ633がスライド632を駆動することによって、ヒッチ631が移動する。
台座634は、乗籠4の下部に固定され、スライド632、モータ633および減速装置635を保持する。減速装置635の構成は、図6および図7に示した形態に限定されない。つまり、複数枚のギアを介してモータ633の駆動力をスライドに伝達してもよいし、他のギア構成であってもよい。スライド632を駆動させる駆動装置としてモータ633および減速装置635を用いる代わりに、スライド632を直線的に駆動させるシリンダや、ボールスプラインを用いてもよい。
制御装置64は、図6に示すように吊下げ装置63が配置される乗籠4側に設置される。制御装置64は、温度計測器62によって取得されるケーブル61の温度情報を監視しており、この温度情報からケーブル61の湾曲部61Aの自重径Dを算出する。また制御装置64は、スライド632に設けられるリニアインダクトシンやリニアスケールを基にヒッチ631の位置情報を検出している。
制御装置64は、ヒッチ631の位置情報を算出されたケーブル61の自重径Dと比較し、昇降路2側および乗籠4側に垂れ下がるケーブル61どうしが平行になるように吊下げ装置63のモータ633へ指令信号を出力し、ヒッチ631を移動させる。その結果、ケーブル61の乗籠4側の端部61Bは、自重径Dに対応する位置へ移動される。ケーブル61の温度が上がった場合、図7中に二点鎖線で示すように自重径Dは小さくなるので、ケーブル61の距離を近づける、つまりケーブル61の吊下げ幅Wを小さくする方向へヒッチ631を移動させる。ケーブル61の温度が下がった場合、図7中に実線で示すように自重径Dは大きくなるので、ケーブル61どうしの距離を離す、つまりケーブル61の吊下げ幅Wを大きくする方向へヒッチ631を移動させる。
第1の実施形態において制御装置64は、乗籠4が着床している間に吊下げ装置63のモータ633を駆動させ、ヒッチ631を移動させる。図7では、ケーブル61の湾曲部61Aの温度が下がり、自重径Dが大きくなったので、制御装置64がこれに合わせてヒッチ631の位置をケーブル61どうしが離れる方向へ移動させ、ケーブル61を図7中の二点鎖線で示す状態から図7中の実線で示す状態へ調節している。
第1の実施形態のテールコード装置6における制御装置64は、巻上機3の駆動制御およびドア装置42の動作制御のために制御盤7から出力される制御信号を入手する。制御装置64は、制御信号を基に乗籠4が着床中であることを判断し、そのときまでに予め計算されている自重径Dに対応させて吊下げ装置63を駆動してヒッチ631の位置を移動させる。
ところで、エレベータ1が設置される地域によって、気候や温度変化など環境が大きく異なる。しかし、ケーブル61の温度は、乗籠4が一度に移動する間に大きく変化するものではなく、一日の間や季節が変わる過程で緩やかに変化する。したがって、エレベータ1の設置環境が異なっていても、テールコード装置6のケーブル61は、同じ仕様のものが適用される。
算出される自重径Dに対して現在のケーブル61の端部61Bの位置が許容される範囲を超える場合に、吊下げ装置63のヒッチ631の位置を移動させる。乗籠4が1回の移動の間に温度が大きく変化しないのであれば、乗籠4が次に移動するまで着床している間にヒッチ631の位置を変化させる。乗籠4が着床している間にヒッチ631の位置を変化させるので、乗籠4が次に移動するまでに、ケーブル61が最適な吊下げ状態に設定される。
また、高層ビルの場合、最下階で停止している時間が長いと、最下階近傍にあるケーブル61と中層階近傍にあるケーブル61との間に温度差が生じるかもしれない。そのような場合、温度分布が予め分かっているので、乗籠4が移動している間にヒッチ631の位置を変化させる。テールコード装置6の制御装置64は、制御盤7から出力される乗籠4の位置情報に基づいて、ケーブル61の湾曲部61Aとなる部分の自重径Dに合うように徐々にヒッチ631の位置を乗籠4が移動している間に変化さる。
以上のように第1の実施形態のテールコード装置6は、ケーブル61の温度を計測し、ケーブル61の自重径Dに対応させて、吊下げ装置63のヒッチ631の位置を移動させる。したがって、乗籠4が移動する間にケーブル61が揺れにくい。そして、このテールコード装置6を備えるエレベータ1によれば、ケーブル61が揺れて昇降路2の内壁21に接触することが防止される。
以下に第2から第7の実施形態のテールコード装置6およびこれを備えるエレベータ1を説明する。各実施形態において第1の実施形態のテールコード装置6およびこれを備えるエレベータ1と異なる点のみ説明し、共通する点は、第1の実施形態の記載および図面を参酌する。また、各実施形態において、第1の実施形態のテールコード装置6およびエレベータ1と同じ機能を有する構成は、各実施形態の図中において第1の実施形態の構成と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態のテールコード装置6は、図8を参照して説明する。図8に示すテールコード装置6は、乗籠4が最下階で停止している時に湾曲部61Aとなる範囲に少なくとも1つ、第2の実施形態では、湾曲部61Aの最下部およびその両側の部分に温度計測器62を配置している。各温度計測器62は、クリップ65によって湾曲部61Aの内周面側に固定される。信号線621は、結束バンド66によってケーブル61に固縛される。温度計測器62をケーブル61に接着しないので、ケーブル61の自重径Dを決定する変数に影響しない。第1の実施形態の場合と同様に温度計測器62をケーブル61に内蔵しないので、既設のエレベータにも付加機能として追加することが容易であるし、温度計測器62の取り付け位置を変更することも容易である。
以上のように構成された第2の実施形態のテールコード装置6は、乗籠4が最下階またはその近傍に有る場合に最下部およびその近傍に位置するケーブル61の温度をきめ細かく計測し、ケーブル61の自重径Dに合わせて吊下げ装置63のヒッチ631の位置を精度よく調整する。ケーブル61が昇降路2の内壁21やその手前に設置された金網に接触するときに生じる騒音、あるいは、乗籠4の床枠部に擦れて磨耗することを防止する。
また、昇降路2の内法寸法が途中で変化する、あるいは、垂れ下がるケーブル61に機器類が接近している部分がある建物において、該当部分を含む区間のケーブル61に温度計測器62を設置し、この区間が湾曲部61Aとなるときのヒッチ631の位置を制度よく管理する。このように、ケーブル61の自重径Dを制度よく管理したい区間に温度計測器62を追加する。それにより乗籠4が移動する間にケーブル61が周囲に接触することを防止する。
第3の実施形態のテールコード装置6は、図9を参照して説明する。この実施形態のエレベータ1は、吊下げ装置63のヒッチ631を移動させるタイミングが先の実施形態と異なっている。図9は、上部に乗籠4の移動速度V、中部にドア装置42を駆動させる出力信号S1,S2、下部に吊下げ装置63のモータ633を駆動させる調整信号T1,T2をそれぞれ示すタイミングチャートである。第3の実施形態のテールコード装置6の制御装置64は、随時、温度計測器62によって測定されたケーブル61の温度情報を基にケーブル61の自重径Dを算出している。また、この制御装置64は、巻上機3を駆動制御するために制御盤7から出力される制御信号、および、ドア装置42を動作制御するために制御盤7から出力される制御信号を、取得する。
巻上機を駆動制御するために制御盤7から出力される制御信号は、巻上機3を駆動させる指令信号、乗籠4の移動速度V、および乗籠4の位置情報を含む。ドア装置42を動作制御するために制御盤7から出力される制御信号は、ドア装置42を動作させる指令信号S1,S2、およびドア装置42を動作させる方向の情報を含む。
ヒッチ631の位置とケーブル61の自重径Dとを比較し、ヒッチ631の位置がケーブルの自重径Dに対応する位置として許容される範囲を超える場合、制御装置64は、図9に示すように、乗籠4が離床して定格運転速度に達するまでの区間P1、乗籠4が着床する動作が開始されて乗籠4のドア装置42が開放される直前までの区間P2の少なくとも一方において吊下げ装置63のモータ633を駆動してヒッチ631を移動させる。
制御装置64は、巻上機3を駆動制御するために制御盤7が出力する制御信号を基に、乗籠4が離床して定格運転速度に達するまでの区間P1であることを判断する。また、制御装置64は、巻上機3を減速させるために制御盤7が出力する制御信号およびドア装置42を開放させるために制御盤7が出力する指令信号S1を基に、乗籠4が、着床する動作が開始されて乗籠4のドア装置42が開放される直前までの区間P2であることを判断する。そして、制御装置64は、必要に応じて区間P1,P2の間にヒッチ631を移動させる調整信号T1,T2を出力する。
さらに、乗籠4の操作盤から入力された信号やエレベータ1の各乗場の乗場呼びボタンから入力された信号によって、ドア装置42が閉鎖された後で乗籠4がすぐに離床することが分かっている場合、制御装置64は、ドア装置42を閉鎖するために制御盤7が出力する指令信号S2が停止して乗籠4を駆動させるために制御盤7が出力する指令信号が出力されたことを基に、乗籠4が離床したと判断し、調整信号T1を出力する。
エレベータ1は、乗籠4が着床している間、巻上機3の回転動作をブレーキ装置でロックする。ヒッチ631を移動させると、乗籠4に対してケーブル61の重量が加わる位置が変わるので、乗籠4の重量バランスが変化する。つまり巻上機3がロックされた状態でヒッチ631を移動させると、ブレーキ装置が開放されたときに振動が発生するかもしれない。
上述のように第3の実施形態のエレベータ1は、乗籠4の移動速度が遅くブレーキ装置が制動していないつまり開放されている区間P1,P2に、ケーブル61の端部61Bを移動させる。したがって、巻上機3を駆動して乗籠4を離床させるためにブレーキ装置を開放しても、乗籠4は振動しない。乗籠4が移動開始されるときのケーブル61に加わる振動を抑制することによって、乗籠4が移動している間に予期していない振動がケーブル61に生じることを防止する。
第4の実施形態のテールコード装置6は、図10を参照して説明する。この実施形態のエレベータ1は、吊下げ装置63のヒッチ631を移動させる区間が第1から第3の実施形態の場合と異なる。図10は、上部に乗籠4の移動速度V、中部にドア装置42を駆動させる出力信号S1,S2、下部に吊下げ装置63のモータ633を駆動させる調整信号T3,T4,T5をそれぞれ示すタイミングチャートである。第4の実施形態のテールコード装置6の制御装置64は、吊下げ装置63のヒッチ631を移動させてケーブル61の端部61Bの位置をケーブル61の自重径Dに対応する範囲内にする必要があると判断すると、図10に示すように、乗籠4が離床する直前の区間P3、ドア装置42が開放される区間P4、ドア装置42が閉鎖される区間P5、の少なくとも1つの区間内にモータ633を駆動させる調整信号T3,T4,T5を出力する。
テールコード装置6の制御装置64は、巻上機3を駆動させるために制御盤7が出力した制御信号を検出することで、乗籠4が離床する直前の区間P3であることを判断する。このとき、巻上機3をロックしているブレーキ装置を開放する指令信号を区間P3の開始のトリガーとして利用してもよい。制御装置64は、区間P3内においてヒッチ631を移動させるために調整信号T3を出力する場合、乗籠4の移動開始を遅らせる遅延開始信号を制御盤7へ出力する。また、ヒッチ631を予定された距離だけ移動させると、制御装置64は、区間P3を完了したことを報知する遅延終了信号を出力する。制御盤7は、遅延開始信号を受け取ると巻上機3に出力する制御信号を保留し、遅延完了信号を受け取ると保留していた制御信号を巻上機に出力する。
また、制御装置64は、ドア装置42を開放させるために制御盤7から出力される指令信号S1を検出することで、ドア装置42が開放される区間P4であることを判断する。ドア装置42が閉鎖された後で直ぐに乗籠4が離床することが予め分かっている場合、制御装置64は、ドア装置42を閉鎖するために制御盤7が出力した指令信号S2を検出することで、ドア装置42を閉鎖させる区間P5であると判断する。
ドア装置42を開放させる区間P4において、吊下げ装置63のヒッチ631を移動させるために調整信号T4を出力する場合、ドア装置42が完全に開放されるまでに、調整信号T4の出力を完了させる。そしてヒッチ631の移動が完了したことを報知する遅延完了信号を制御盤7へ出力し、ドア装置42が開放される前に巻上機3をブレーキ装置でロックする。
ドア装置42が閉鎖される区間P5において、吊下げ装置63のヒッチ631を移動させるために調整信号T5を出力する場合、指令信号S2をトリガーにヒッチ631を移動させるための調整信号T5を出力する。ヒッチ631が移動完了するまでに巻上機3が駆動されないように、制御装置64は、制御盤7へ遅延開始信号を出力する。ヒッチ631の移動が完了すると制御装置64は、遅延完了信号を制御盤7へ出力する。
第4の実施形態のテールコード装置6によれば、巻上機3のブレーキ装置が開放されている区間P3,P4,P5内にヒッチ631を移動させる調整信号T3,T4,T5を出力するので、第3の実施形態と同様の効果を得る。
第5の実施形態のテールコード装置6は、図11を参照して説明する。第5の実施形態のテールコード装置6は、図11に示す断面形状のクリップ65を採用している。この他の点は、第1の実施形態のテールコード装置6と同じである。テールコード装置6の動作は、第3の実施形態または第4の実施形態のテールコード装置6と同様に制御装置64によって制御される。
図11に示すクリップ65は、固定部654と、バンド656と、止め具657とを備える。固定部654は、温度計測器62のヘッド623を覆う形に作られ、押えネジ654aで温度計測器62をケーブル61の外表面に押し当てる。バンド656は、ケーブル61の外周を囲うとともにこの外周に対して垂直に立ち上がる端部656a,656bを有する。第5の実施形態において端部656a,656bは、温度計測器62が押し付けられた外表面61aおよびその反対面61bに対して垂直な側面61cの位置に形成されている。
留め具657は、端部656a,656bに装着され、温度計測器62をケーブル61に押し当てる方向へ、端部656a,656bを互いに手繰り寄せるように締め上げる。留め具657で端部656a,656bを締め上げるだけで温度計測器62をケーブル61に押し当てる拘束力を得るように、無負荷状態のバンド656は、外表面61aおよびその反対面61bに対して反り返った形に形成される。
以上のように構成された第5の実施形態のテールコード装置6のクリップ65は、取り付けおよび取り外しが簡単であり、また、温度計測器62をケーブル61の外表面61aに押し当てる力を押えネジ654aによって調整しやすい。
第6の実施形態のテールコード装置6は、図12を参照して説明する。第6の実施形態のテールコード装置6は、図12に示す断面形状のクリップ65を採用している。この他の点は、第1の実施形態のテールコード装置6と同じである。また、テールコード装置6の動作は、第3の実施形態または第4の実施形態のテールコード装置6と同様に制御装置64によって制御される。
図12に示すクリップ65は、矩形断面を有したケーブル61の少なくとも3つの面沿って形成されるバンド658と、このバンド658に温度計測器62を固定するビス653を備える。バンド658は、対向する内向きに折り曲げられて、ケーブル61を把持するリップ658aを両端部に有している。このバンド658は、図12に示したようにケーブル61に外嵌させるために、リップ658aも含めて全体的に広げることができる十分な可撓性を有している。温度計測器62は、第1の実施形態の場合と同様に、ビス653を締め付けることで、ケーブル61の外表面61aに押し当てられるように構成されている。
以上のように構成された第6の実施形態のテールコード装置6のクリップ65は、部品点数が少なく、ケーブル61に取り付けるのも簡単である。なお、ビス653をバンド658にねじ込む代わりに、バンド658に植え込みボルトを取り付けナットで温度計測器62を固定してもよい。
第7の実施形態のテールコード装置6は、図13を参照して説明する。第7の実施形態のテールコード装置6は、温度調節装置67をさらに備える。この温度調節装置67は、乗籠4が最上階から際下階まで移動する間に曲げ伸ばしされる範囲のケーブル61の温度を昇降路2内の環境温度に対して変化させる。温度調節装置67は、図13に示すように、チューブ671と循環ポンプ672と熱交換器673とを備える。
チューブ671は、図13に示すように、乗籠4が最上階から最下階まで移動する間に曲げ伸ばしされるケーブル61の可撓範囲Eに螺旋状に密着させて捲き付けられている。このチューブ671は、吊下げ装置63が設置された乗籠4側を基端として可撓範囲Eに捲き付けられ、先端において折り返されて、基端側から螺旋状に捲き付けられたチューブ671の間を螺旋状に基端側まで、ケーブル61の外表面に密着させて、二条に捲き付けられている。
チューブ671は、ケーブル61が曲げ伸ばしされるときに、ケーブル61の自重径Dを変化させない程度に柔軟性を有しかつ、ケーブル61が曲げ伸ばしされるときに扁平しない剛性を兼ね備える。また、チューブ671は、ケーブル61の表面から浮き上がらないように、温度計測器62とともに結束バンド66でケーブルに固縛される。
チューブ671の内部には、熱伝達媒体となる流体、この実施形態では、窒素やアルゴンなど低温でも結露しにくい不活性ガスを採用している。ガスを用いる代わりにグリセリンなどを含む不凍液を用いてもよい。チューブ671は、二条の螺旋状にケーブル61に捲回されているので、流体は、チューブ671の内部を流れることによって、可撓範囲Eを一往復する。二条の螺旋状にチューブ671を捲回しているので、上流側と下流側の温度差が相殺され、温度分布が均質化される。
循環ポンプ672および熱交換器673は、チューブ671の上流端671Aおよび下流端671Bが揃う基端側となる乗籠4の下部に配置される。循環ポンプ672は、チューブ671に流体を流す十分な推力を有している。熱交換器673は、ケーブル61に取り付けられた温度計測器62が計測した温度情報を基に、流体の温度を調整する。この熱交換器673は、ケーブル61に設定された温度範囲を超えてケーブル61の温度が高くなった場合にはケーブル61を冷やし、ケーブル61の温度が低くなった場合にはケーブル61を温める。したがって、熱交換器673は、ヒータおよび放熱器を内蔵する。
温度調節装置67を備えるテールコード装置6は、ケーブル61の温度をある一定の範囲の温度に保つことによって、ケーブル61の自重径Dの変化を小さくする。その結果、ケーブル61の動きが安定するので、エレベータ1の乗籠4の乗り心地が向上する。温度調節装置67は、寒冷地においてケーブル61が冷えて硬くなりすぎることを防止するとともに、温暖地ではケーブル61の被覆材612が熱によって劣化するのを防止する。
高層ビルに採用される昇降路程の長いエレベータの場合、テールコード装置のケーブル、および温度調節装置67のチューブ671も長くなる。熱交換器673において温度調節された流体を可撓範囲Eの全体に行き渡らせるために、チューブ671を螺旋状以外の形で設置する。
また、温度調節装置67を常時稼動させると不経済である。そこで、エレベータ1の利用頻度が高い場合は温度調節装置67を稼動させてケーブル61の自重径Dを安定させ、エレベータ1の利用頻度が低い場合は温度調節装置67を休止させる。温度調節装置67を休止させている間は、テールコード装置6の吊下げ装置63のヒッチ631を移動させることによってケーブル61の吊下げ幅を自重径Dに適合させる。
第1から第7の実施形態において、温度計測器62の温度情報を基に吊下げ装置63のヒッチ631の位置を決定して移動させる制御装置64は、乗籠4側に配置している。乗籠4の重量を軽減するために、制御装置64の機能は、一部を除いて制御盤7に設けてもよい。つまり、温度計測器62の温度情報を信号に変換する機能、および、変換した温度情報の信号を温度計測器62の設置位置を示す識別信号とともにケーブル61を介して制御盤7へ送信する機能を制御装置64に残し、ケーブル61の自重径Dを算出する機能、および、ヒッチ631を移動させる指令信号を出力する機能は、制御盤7に配置する。
テールコード装置6の制御装置64は、乗籠4が最上階から際下階まで移動する間に曲げ伸ばしされるケーブル61の可撓範囲Eの両端のどちら側に設置しても良い。つまり、制御装置64は、昇降路2側の端部に配置してもよい。この場合、温度計測器62の信号線621は、昇降路2側へ配線される。新設されるエレベータにテールコード装置6を採用する場合、昇降路2側に設置される制御装置64は、制御盤7の一部として構成してもよい。乗籠4側に設置される吊下げ装置63のヒッチ631を移動させるための指令信号は、ケーブル61を介して伝達される。
また、十分な空間を確保できればテールコード装置6の吊下げ装置63は、ケーブル61の可撓範囲Eのどちら側の端に設置しても良い。つまり、上述の第1の実施形態において乗籠4側に配置されている吊下げ装置63を、昇降路2の内壁に配置してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エレベータ、2…昇降路、21…内壁、3…巻上機、4…乗籠、42…ドア装置、6…テールコード装置、61…ケーブル、61A…湾曲部、61B…端部、61a…外表面、62…温度計測器、621…信号線、63…吊下げ装置、631…ヒッチ、632…スライダ、633…モータ、634…台座、64…制御装置、65…クリップ、66…結束バンド、67…温度調節装置、671…チューブ、672…循環ポンプ、673…熱交換器、7…制御盤、E…可撓範囲、D…自重径、W…吊下げ装置、P1…(乗籠が離床して定格運転速度に達するまでの)区間、P2…(乗籠が着床する動作が開始されて乗籠のドア装置が開放する直前までの)区間、P3…(乗籠が離床する直前の)区間、P4…(ドア装置が開放する)区間、P5…(ドア装置が閉鎖する)区間、T1,T2,T3,T4,T5…調整信号。

Claims (8)

  1. 昇降路内を移動する乗籠の下部から昇降路の内壁までの間に接続されるケーブルと、
    前記乗籠が最上階から最下階まで移動する間に曲げ伸ばしされる範囲の前記ケーブルに取り付けられ前記ケーブルの温度を測る温度計測器と、
    前記ケーブルの少なくとも一方の端部を吊下げる位置に設置され垂れ下がる前記ケーブルの吊下げ幅を変えるために前記端部を移動させる吊下げ装置と、
    前記温度計測器によって取得される温度情報を基に前記昇降路側および前記乗籠側から垂れ下がる前記ケーブルどうしが平行になる自重径を算出し対応する位置へ前記端部を前記吊下げ装置で移動する制御装置と
    を備えるテールコード装置。
  2. 前記温度計測器は、前記乗籠が着床しているときに前記自重径で曲がった最下点を含む湾曲部となる範囲に少なくとも1つ設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載されたテールコード装置。
  3. 前記温度計測器は、前記乗籠が最下階に停止しているときに前記湾曲部となる範囲に少なくとも1つ配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載されたテールコード装置。
  4. 前記吊下げ装置は、前記ケーブルの前記乗籠側の端部に設置され、
    前記ケーブルの端部を保持するヒッチと、
    前記ヒッチを保持し前記自重径を変化させる方向へ前記ヒッチを移動するスライドと、
    前記スライドを駆動するモータと、
    前記スライドおよび前記モータを前記乗籠の下部に固定する台座と、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載されたテールコード装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記乗籠が着床している間に前記モータを駆動させて前記ヒッチを移動させる
    ことを特徴とする請求項4に記載されたテールコード装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記乗籠が離床する直前の区間、前記乗籠が離床して定格運転速度に達するまでの区間、前記乗籠が着床する動作が開始されて前記乗籠のドア装置が開放する直前までの区間、前記ドア装置が開放する区間、前記ドア装置が閉鎖する区間、の少なくとも1つの区間に前記モータを駆動して前記ヒッチを移動させる調整信号を出力する
    ことを特徴とする請求項4に記載されたテールコード装置。
  7. 前記乗籠が最上階から最下階まで移動する間に曲げ伸ばしされる範囲の前記ケーブルの温度を環境温度に対して変化させる温度調節装置をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載されたテールコード装置。
  8. 昇降路にメインロープで吊下げられる乗籠と、
    前記メインロープを駆動し前記乗籠を昇降路に沿って移動させる巻上機と、
    前記乗籠に取り付けられ前記乗籠が着床した階で開放されるドア装置と、
    前記乗籠の下部から前記昇降路の内壁までの間に接続されるケーブルと、
    前記巻上機の駆動制御を行うとともに前記ケーブルを介して前記乗籠および前記ドア装置の動作制御を行う制御盤と、
    前記乗籠が最上階から最下階まで移動する間に曲げ伸ばしされる範囲の前記ケーブルに取り付けられて前記ケーブルの温度を測る温度計測器と、
    前記ケーブルの少なくとも一方の端部を吊下げる位置に設置され垂れ下がる前記ケーブルの吊下げ幅を変えるために前記端部を移動させる吊下げ装置と、
    前記制御盤から出力される前記駆動制御および前記動作制御の制御信号ならびに前記温度計測器によって取得される温度情報を基に前記昇降路側および前記乗籠側から垂れ下がる前記ケーブルどうしが平行になる自重径を算出し対応する位置へ前記端部を前記吊下げ装置で移動させる制御装置と
    を備えるエレベータ。
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