JP2012051273A - 液体容器の製造方法 - Google Patents

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JP2012051273A JP2010196516A JP2010196516A JP2012051273A JP 2012051273 A JP2012051273 A JP 2012051273A JP 2010196516 A JP2010196516 A JP 2010196516A JP 2010196516 A JP2010196516 A JP 2010196516A JP 2012051273 A JP2012051273 A JP 2012051273A
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Abstract

【課題】液体残量検出装置に設けられたセンサーキャビティ内に気泡を残存させることな
く、検出室に液体を充填可能とする。
【解決手段】液体収容部に液体を充填した後、液体収容部から液体を吸い込んで検出室に
充填する。このとき、検出室に吸い込んだ液体の液面がセンサーキャビティの一端と他端
との間の高さに達すると、検出室に液体を吸い込む動作を所定時間、停止する。こうすれ
ば、センサーキャビティの一端側から毛管力によってセンサーキャビティ内に液体が吸い
上げられるので、センサーキャビティ内の空気を上方に追い出すことができる。また、毛
管力によってセンサーキャビティに液体が満たされるよりも先に検出室の液体の液面がセ
ンサーキャビティの他端の高さにまで達することがないので、センサーキャビティ内に気
泡が残存することを回避することが可能となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、噴射ヘッドから液体を噴射する液体噴射装置などに液体を供給する液体容器
を製造する技術に関する。
いわゆるインクジェットプリンターなどのように、噴射ノズルからインクなどの液体を
噴射する液体噴射装置には、液体の供給源として、液体を内部に収容したインクカートリ
ッジなどの液体容器が搭載されている。この液体容器は、液体噴射装置に対して交換可能
に装填されるようになっており、液体容器内の液体が無くなったら、新しい液体容器に交
換することが可能である。
また、液体容器には、液体容器の交換時期(液体容器内の液体が残り少なくなった時)
を使用者に知らせる目的で、液体を収容する液体収容体と、収容した液体を液体容器の外
部に供給する供給口との間に、容器内の液体残量を検出するための液体残量検出装置が設
けられることがある。液体残量検出装置は、液体収容体からの液体で内部が満たされる検
出室や、検出室内の液体が導かれる細い通路(センサーキャビティ)や、センサーキャビ
ティの外側から振動を印加する圧電振動子などから構成される。このような液体残量検出
装置では、液体収容体内の液体の残量が少なくなると検出室内の圧力が低下するように構
成されており、検出室内の圧力が低下した状態で、センサーキャビティ内の液体に圧電振
動子を用いて振動を印加すると、検出室内の圧力が低下する前と比べてセンサーキャビテ
ィ内の液体の振動状態(振動の振幅や周波数)が変化する。この振動状態の変化を検出す
ることで、液体収容体内の液体が残り少なくなったことを検出する技術が提案されている
(引用文献1)。
特開2009−119726号公報
しかし、上述した従来の技術では、液体容器を製造する過程で検出室に液体を充填する
際に、センサーキャビティ内に気泡が残存してしまうという問題があった。その結果、例
えば、液体収容部内の液体の残量を適切に検出することができなくなるという問題があっ
た。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
センサーキャビティ内に気泡を残存させることなく、液体容器の検出室に液体を充填する
ことが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体容器の製造方法は次の
構成を採用した。すなわち、
液体が内部に収容された液体収容部と、
前記液体収容部に収容された液体を外部に供給する供給口と、
前記液体収容部と前記供給口との間に設けられて、該液体収容部からの前記液体によっ
て内部が満たされた検出室と、
前記検出室に両端が開口する通路であって、該検出室から該通路内に導かれた前記液体
に振動を印加することによって、前記液体収容部内の液体の残量を検出するセンサーキャ
ビティと
を備えた液体容器の製造方法であって、
前記液体収容部に前記液体を充填する第1の工程と、
前記検出室に開口した前記センサーキャビティの一端と他端とが互いに異なる高さとな
るように前記液体容器を保持した状態で、前記液体収容部内の前記液体を該検出室内に吸
い込む第2の工程と、
前記検出室に吸い込まれた前記液体の液面が該検出室に開口した前記センサーキャビテ
ィの一端と他端との間の高さに達すると、該検出室に液体を吸い込む動作を所定の時間、
停止する第3の工程と、
前記所定時間が経過すると、前記検出室に液体を吸い込む動作を再開し、該検出室への
液体の充填を完了する第4の工程と
を有することを要旨とする。
このような本発明の液体容器の製造方法においては、液体収容部に液体を充填した後、
液体収容部から液体を吸い込んで検出室に充填する。このとき、検出室に吸い込んだ液体
の液面がセンサーキャビティの一端と他端との間の高さに達すると、所定時間、検出室に
液体を吸い込む動作を停止し、所定時間が経過したら液体を吸い込む動作を再開して検出
室の充填を完了する。
検出室内の液体の液面がセンサーキャビティの一端と他端との間の高さにある状態では
、センサーキャビティの一端が液体に浸かった状態となる。この状態で、検出室に液体を
吸い込む動作を所定時間、停止すると、センサーキャビティの一端側から毛管力によって
センサーキャビティ内に液体が吸い上げられる。これにより、センサーキャビティ内の空
気を上方に追い出してセンサーキャビティの他端側から排出させることができる。また、
検出室への液体の充填を停止する所定時間を適切に設定しておけば、毛管力によってセン
サーキャビティに液体が満たされるよりも先に検出室の液体の液面がセンサーキャビティ
の他端の高さにまで達することがない。従って、センサーキャビティ内に空気が閉じ込め
られてしまうことを防ぐことができるので、結果としてセンサーキャビティ内に気泡が残
存することを回避することが可能となる。
もちろん、検出室に液体を吸い込む速度を遅くすれば、液体を吸い込む動作を中断しな
くても、毛管力によって液体がセンサーキャビティ内に満たされた後に、液体の液面がセ
ンサーキャビティの他端側の高さに達するようにすることができるが、これでは検出室へ
の液体の充填に長い時間がかかってしまう。これに対して、本発明の方法では、後述する
ように、検出室に液体を充填する速度を十分に早くすることができるので、センサーキャ
ビティに気泡が残存することを防止しながら、比較的短い時間で検出室に液体を吸いこん
で充填することが可能である。
また、検出室に吸い込んだ液体の液面がセンサーキャビティの一端と他端との間にある
ときだけ液体の吸引速度を遅くすることで、毛管力によってセンサーキャビティ内に液体
が満たされる時間を確保することも考えられる。しかし、この方法では、検出室に液体を
吸い込む負圧の大きさを切り換える必要があり、これにより負圧を発生させる装置(吸引
ポンプなど)の制御が複雑となる。これに対して、本発明の方法では、検出室への液体の
充填速度は切り換える必要がなく、途中で充填動作を停止するだけでよい。従って、特に
複雑な制御を行わなくてもセンサーキャビティに気泡が残存することを防止することが可
能となる。
また、上述した本発明の液体容器の製造方法においては、検出室に液体を吸い出す動作
を停止する所定時間を、センサーキャビティの一端側から毛管力によって吸い上げられた
液体が、センサーキャビティの他端側まで移動するのに要する時間よりも長い時間に設定
することとしても良い。
こうすれば、所定時間内にセンサーキャビティへの液体の充填を完了させることができ
る。従って、検出室への液体の充填動作を再開した後、液体の液面がセンサーキャビティ
の他端側に達したときに、センサーキャビティ内に空気が閉じ込められてしまうことをよ
り確実に回避することが可能となる。
インクジェットプリンターの構成を例示した説明図である。 カートリッジホルダーにインクカートリッジを装着する様子を示した説明図である。 本実施例のインクカートリッジの構成を示した分解斜視図である。 インク残量検出装置の詳細な構造を示した説明図である。 インクパックにインクを充填する方法を示した説明図である。 本実施例の検出室にインクを充填する方法を示した説明図である。 本実施例のインクの充填方法により、検出室へのインクの充填時間が短縮される理由を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.装置構成:
B.液体残量検出装置の構成:
C.本実施例の検出室へのインクの充填方法:
A.装置構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンターを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大
まかな構成を示した説明図である。図示したインクジェットプリンター10は、略箱形の
外観形状をしており、前面のほぼ中央には前面カバー11が設けられ、その左隣には複数
の操作ボタン15が設けられている。前面カバー11は下端側で軸支されており、上端側
を手前に倒すと、印刷用紙が排出される細長い排紙口12が現れる。また、インクジェッ
トプリンター10の背面側には、図示しない給紙トレイが設けられており、給紙トレイに
印刷用紙をセットして操作ボタン15を操作すると、給紙トレイから印刷用紙が吸い込ま
れて、内部で表面に画像等が印刷された後、排紙口12から印刷用紙が排出されるように
なっている。
また、インクジェットプリンター10の上面側には上面カバー14が設けられている。
上面カバー14は、奥側で軸支されており、手前側を持ち上げて上面カバー14を開くと
、インクジェットプリンター10の内部の状態を確認したり、あるいはインクジェットプ
リンター10の修理などを行ったりすることが可能となっている。
また、インクジェットプリンター10の内部には、主走査方向に往復動しながら印刷用
紙上にインクドットを形成する噴射ヘッド20や、噴射ヘッド20を往復動させる駆動機
構30などが搭載されている。噴射ヘッド20の底面側(印刷用紙に向いた側)には、複
数の噴射ノズルが設けられており、噴射ノズルから印刷用紙に向かってインクを噴射する
また、噴射ノズルから噴射するインクは、インクカートリッジ40と呼ばれる専用容器
に収容されている。インクカートリッジ40は、噴射ヘッド20とは別の位置に設けられ
たカートリッジホルダー42に装填され、インクカートリッジ40内のインクは、インク
チューブ24を介して噴射ヘッド20に供給される。本実施例のインクジェットプリンタ
ー10では、前面カバー11の右隣に、下端側で軸支されたカートリッジ交換用カバー1
3が設けられており、カートリッジ交換用カバー13の上端側を手前に倒すことによって
、インクカートリッジ40を着脱可能となっている。
尚、図示したインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色
、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと対
応して、噴射ヘッド20には、インクの種類毎に噴射ノズルが設けられている。そして、
それぞれの噴射ノズルには、対応するインクカートリッジ40内のインクが、インクの種
類毎に設けられたインクチューブ24を介して供給されるようになっている。
噴射ヘッド20を往復動させる駆動機構30は、内側に複数の歯形が形成されたタイミ
ングベルト32と、タイミングベルト32を駆動するための駆動モーター34などから構
成されている。タイミングベルト32の一部は噴射ヘッド20に固定されており、タイミ
ングベルト32を駆動すると、主走査方向に延設された図示しないガイドレールによって
ガイドしながら、噴射ヘッド20を主走査方向に往復動させることが可能となる。
また、噴射ヘッド20を主走査方向に移動させた印刷領域外の位置には、ホームポジシ
ョンと呼ばれる領域が設けられており、ホームポジションにはメンテナンス機構が搭載さ
れている。メンテナンス機構は、噴射ヘッド20の底面側(印刷用紙に向いた側)で噴射
ノズルが形成されている面(ノズル面)に押し付けられて、噴射ノズルを取り囲むように
閉空間を形成するキャップ50や、噴射ヘッド20のノズル面に押し付けるためにキャッ
プ50を昇降させる昇降機構(図示せず)や、キャップ50が噴射ヘッド20のノズル面
に押し付けられることで形成される閉空間に負圧を導入する吸引ポンプ(図示せず)など
から構成されている。
更に、インクジェットプリンター10の内部には、印刷用紙を紙送りするための図示し
ない紙送機構や、インクジェットプリンター10の全体の動作を制御する制御部60など
も搭載されている。噴射ヘッド20を往復動させる動作や、印刷用紙を紙送りする動作や
、噴射ノズルからインクを噴射する動作や、正常に印刷可能なようにメンテナンスを実行
する動作などは、全て制御部60によって制御されている。
図2は、カートリッジホルダー42にインクカートリッジ40を装着する様子を示した
説明図である。図示されているように、カートリッジホルダー42には、手前側から奥側
に向けてインクカートリッジ40を挿入する挿入孔44が、インクカートリッジ40毎に
設けられている。この挿入孔44の奥側の面には、インクカートリッジ40からインクを
取り入れるためのインク取入針46が手前側に向けて立設されている。また、インクカー
トリッジ40の背面には、図示しないインク供給口が設けられている。カートリッジホル
ダー42の挿入孔44にインクカートリッジ40を奥側まで挿入して装着すると、インク
取入針46がインク供給口に挿入されて、インクカートリッジ40内のインクをカートリ
ッジホルダー42に取り入れることが可能となる。
また、カートリッジホルダー42には、図示しないインク通路やダイアフラムポンプが
内蔵されており、インク取入針46から取り入れられたインクは、インク通路によって、
カートリッジホルダー42の背面側に接続されたインクチューブ24(図1参照)に導か
れる。さらに、インク通路上に設けられたダイアフラムポンプは、インクカートリッジ4
0内のインクを吸入して、噴射ヘッド20に向けてインクを圧送するようになっている。
尚、前述したように本実施例のインクジェットプリンター10は、シアン色、マゼンタ色
、イエロー色、黒色の4色分のインクカートリッジ40を搭載しており、インクカートリ
ッジ40内のインクは、それぞれ独立して噴射ヘッド20に供給される。このため、カー
トリッジホルダー42の内部には、インク通路やダイアフラムポンプがインクカートリッ
ジ40毎に設けられている。
図3は、本実施例のインクカートリッジ40の構成を示した分解斜視図である。図示さ
れているように、インクカートリッジ40は、インクを収容するインクパック70と、イ
ンクパック70を収納するカートリッジケース72などから構成されている。インクパッ
ク70には、紙面手前側のインクパック70の縁部に、噴射ヘッド20に向けてインクを
供給するためのインク供給口74が設けられている。また、本実施例のインクカートリッ
ジ40には、インクパック70とインク供給口74とを接続する接続管(図示せず)に、
インクパック70内のインクの残量を検出するためのインク残量検出装置90が取り付け
られている。このインク残量検出装置90の詳細な構造については後述する。
インクパック70を収納するカートリッジケース72は、本体ケース76および蓋部7
8から構成されている。箱形に形成された本体ケース76は、内部にインクパック70や
インク残量検出装置90を収納可能となっている。一方、板状の蓋部78は、本体ケース
76の開口部を封じる(蓋をする)部材である。このような本体ケース76と蓋部78と
は、蓋部78に設けられた鉤部84が、本体ケース76に設けられた凹部86に係合する
ことで接合される。
また、本体ケース76には、収納されたインクパック70のインク供給口74を本体ケ
ース76の外側に出すための切欠部80が設けられており、本体ケース76にインクパッ
ク70を収納する際には、インク供給口74を切欠部80に嵌め込むようになっている。
そして、蓋部78には、切欠部80に嵌め込まれたインク供給口74を押える押え部82
が設けられていることから、蓋部78で本体ケース76の開口部を封じると、本体ケース
76の切欠部80と押え部82との間に挟まれてインク供給口74が固定されるようにな
っている。
B.インク残量検出装置の構成 :
図4は、本実施例のインクカートリッジ40に搭載されているインク残量検出装置90
の詳細な構造を示した説明図である。尚、図4(a)には、インク供給口74を鉛直上方
に向けた状態で、インクパック70の側方からインク残量検出装置90を見た様子が示さ
れている。また、図4(b)には、図4(a)中に一点鎖線で示した部分でインク残量検
出装置90の断面をとり、断面を矢印方向から見たときの様子が示されている。
図4(a)に示されるように、本実施例のインク残量検出装置90は、大まかには、イ
ンク供給口74とインクパック70の内部とを接続する内部通路102と、その内部通路
102に対して並列に設けられた検出室91とが、上流側通路106uおよび下流側通路
106dを介して接続された構造となっている。このため、検出室91内は、内部通路1
02からのインクによって常に満たされた状態となっている。また、検出室91の紙面手
前側はフィルム膜92によって封止されており(図4(b)を参照)、検出室91の紙面
奥側には検出室91内の圧力変化を検出する機構が設けられている(図4(b)を参照)
。検出室91内の圧力変化を検出する機構については後述する。また、内部通路102が
インクパック70に侵入する位置には逆止弁104が設けられており、上流側通路106
uの途中には逆止弁108が設けられている。これら逆止弁104,逆止弁108を設け
ておく理由についても後述する。
また、図4(b)に示されるように、本実施例のインク残量検出装置90には、フィル
ム膜92が張設されている側から見て検出室91の奥側に、センサーキャビティ95と呼
ばれる細い通路が設けられている。センサーキャビティ95は、両端が検出室91に開口
しており、検出室91内のインクが充填されると、充填されたインクがセンサーキャビテ
ィ95へと流入する。また、センサーキャビティ95には、電圧波形を印加することで振
動する圧電振動子96が設けられており、圧電振動子96はインクジェットプリンター1
0の制御部60に接続されている。本実施例のインクジェットプリンター10では、制御
部60の制御の下で圧電振動子96に所定の電圧波形が印加されることで圧電振動子96
が振動し、その振動がセンサーキャビティ95内のインクに付与されるようになっている
。尚、本実施例の圧電振動子96としては、電圧波形が印加されることで振動するもので
あればどのようなものでも良く、例えば、ピエゾ素子を圧電振動子96として好適に適用
することが可能である。
以上のように構成される本実施例のインク残量検出装置90では、次のようなメカニズ
ムによってインクパック70内のインクの残量を検出する。先ず、インクが消費されてイ
ンクパック70内のインク残量が低下するとインクパック70内の圧力が低下し、これに
伴ってインクパック70に連通する検出室91の内部の圧力も低下する。このとき、検出
室91の上面(図4(b)の紙面右側)のフィルム膜92が、検出室91内の負圧によっ
て検出室91の底面側(図4(b)の紙面左側)に引き込まれ、その結果、検出室91の
内容積が小さくなる。そして、検出室91の容積変化は、圧電振動子96を用いてセンサ
ーキャビティ95内のインクに振動を印加した時の振動状態(振動の振幅や周波数)の変
化として表れる。従って、この振動状態の変化を圧電振動子96によって検出することで
、インクパック70内のインクの残量を検出することが可能となっている。このようにし
てインク残量を検出するためには、センサーキャビティ95がインクで満たされている必
要がある。そこで、本実施例のインクカートリッジ40の製造過程では、次のようにして
インクパック70内にインクを充填する。
図5は、本実施例のインクパック70へのインクの充填方法を示した説明図である。本
実施例のインクパック70にインクを充填する場合には、先ず、図5に示されるように、
インク供給口74を鉛直上方に向けた状態でインクパック70の姿勢を固定する。この状
態で、インクパック70にインク残量検出装置90が取り付けられている位置の紙面右側
に設けられたインクパック70の開口部110から、外部のインク貯留タンク内のインク
を送液ポンプを用いて注入する。そして、インクパック70内が注入したインクで満たさ
れたら、開口部110にシールを貼って封止する。
こうしてインクパック70内にインクを充填した後は、インク供給口74を吸引ポンプ
(図示せず)に接続し、吸引ポンプを作動させてインク供給口74に負圧を作用させる。
すると、前述した内部通路102上の逆止弁104、および上流側通路106u上の逆止
弁108が開弁する(図4(a)を参照)。この時、内部通路102を介して、上述した
インクパック70へのインクの充填時にインクパック70内に混入した空気がインクとと
もにインク供給口74から吸い出される。また、上流側通路106uを介して検出室91
内の空気がインク供給口74から吸い出されることで、インクパック70内のインクが検
出室91に吸い込まれ、検出室91にインクが充填される。こうして検出室91にインク
が充填されると、検出室91に接続されたセンサーキャビティ95(図4(b)を参照)
にもインクが充填される。
また、上述したように、本実施例の内部通路102上には逆止弁104が設けられてお
り、上流側通路106u上に逆止弁108が設けられているので、インクパック70から
のインクを検出室91に充填している最中に、仮にインク供給口74から吸い出した空気
が逆流しても、検出室91内あるいはインクパック70内に空気が戻ってしまうことを防
止することが可能となっている。
ここで、センサーキャビティ95はたいへん細い通路に形成されているので、(図4(
b)を参照)、上述したように検出室91にインクを充填する際には、センサーキャビテ
ィ95内に気泡が残存してしまうことが起こり得る。そして、前述したように、本実施例
のインク残量検出装置90では、センサーキャビティ95内のインクに振動を印加するこ
とでインクパック70内のインクの残量を検出しているので(図4(b)を参照)、セン
サーキャビティ95内に気泡が残った状態では、インクパック70内のインクの残量を適
切に検出することができなくなる。そこで、本実施例のインクジェットプリンター10で
は、以下のような特殊な方法を用いてインクを充填することにより、センサーキャビティ
95内に気泡が残存することを回避している。
C.本実施例のインクの充填方法 :
図6は、本実施例のインクの充填方法を示した説明図である。先ず、図5を用いて前述
したのと同様にして、インクパック70の開口部110からインクを注入してインクパッ
ク70(図示せず)内にインクを充填する(図6(a)を参照)。次に、インク供給口7
4に負圧を作用させてインクパック70内のインクを検出室91に吸い出す。このとき、
図6(b)に示されるように、検出室91に吸い出されたインクの液面がセンサーキャビ
ティ95の上開口部95uと下開口部95dとの間の高さまで達したら、所定の時間、吸
引ポンプの動作を停止させて、検出室91へのインクの充填を中断する。
図6(b)の状態で検出室91へのインクの充填を中断すると、検出室91に開口した
センサーキャビティ95の両端(下開口部95dおよび上開口部95u)のうち、下側の
開口部(下開口部95d)がインクに浸かった状態となり、下開口部95dから毛管力に
よってセンサーキャビティ95内にインクが吸い上げられる。ここで、上述した検出室9
1へのインクの充填を中断する所定時間は、毛管力によってセンサーキャビティ95の下
開口部95dから上開口部95uまでインクが吸い上げられるのに要する時間と同等以上
に設定されており、従って所定時間の経過後にはセンサーキャビティ95内のインクの充
填は完了する。そして、この状態から、図6(c)に示すように検出室91へのインクの
充填を再開し、検出室91の充填を完了させる。
このような本実施例の検出室91へのインクの充填方法によれば、毛管力によってセン
サーキャビティ95内にインクが吸い上げられた後に、検出室91内に充填されたインク
の液面が上開口部95uの位置に達するようになっている。従って、例えば検出室91内
に急速にインクを充填した場合などのように、毛管力によってセンサーキャビティ95内
にインクが充填されるよりも先に、検出室91内に充填されたインクの液面が上開口部9
5uの位置に達することがない。また、センサーキャビティ95内を毛管力によってイン
クが上昇する際には、センサーキャビティ95の内壁に付着した気泡が上方へ追い出され
る。その結果、センサーキャビティ95内に気泡が残存してしまうことを回避することが
可能である。
もちろん、検出室91へのインクの充填速度を緩やかにすれば、検出室91内に充填さ
れたインクの液面はゆっくりと上昇する。従って、検出室91内に充填されたインクの液
面が、センサーキャビティ95の上開口部95uの高さに達するよりも先に、毛管力によ
ってセンサーキャビティ95内がインクで満たされるようにすれば、センサーキャビティ
95内に気泡を残存させることなく検出室91のインクの充填を行うことも可能である。
しかし、上述した検出室91へのインクの充填方法によれば、検出室91へのインクの
充填は比較的ゆっくりと行われるため、検出室91へのインクの充填には長い時間が必要
となる。これに対して、本実施例の検出室91のインクの充填方法では、センサーキャビ
ティ95に気泡が残存することを防止しながら、比較的短い時間で検出室91にインクを
充填することが可能である。以下ではこの点について説明する。
図8は、本実施例の検出室91へのインクの充填方法を用いることでインクの充填時間
を短縮可能な理由を示した説明図である。図8には、前述した本実施例の充填方法を用い
た場合の時間の経過に伴う検出室91の充填の進み具合(図中では充填率と表示)が実線
によって示されており、また、検出室91へのインクの充填をゆっくりと行った場合の時
間の経過に伴う検出室91の充填率の変化が破線により示されている。
検出室91へのインクの充填をゆっくりと行った場合、検出室91に充填されたインク
の液面がセンサーキャビティ95の下開口部95dに到達してから上開口部95uに到達
するまでの時間を十分に確保しようとすると、検出室91にインクを充填するために要す
る時間が長くなる。これは、インクの液面がセンサーキャビティ95の下開口部95dよ
りも下にある状態、あるいはインクの液面が上開口部95uよりも上にある状態でもイン
クの充填速度が緩やかとなるためである。これに対して、本実施例の充填方法では、検出
室91に充填されたインクの液面がセンサーキャビティ95の下開口部95dよりも下に
ある状態、あるいはインクの液面が上開口部95uよりも上にある状態では検出室91へ
のインクの充填速度を十分に早くすることができる。従って、一定の充填速度で検出室9
1にゆっくりとインクを充填する場合に比べてインクの充填時間を短縮することが可能で
ある。
また、検出室91に充填されたインクの液面が、センサーキャビティ95の下開口部9
5dに到達してから上開口部95uに到達するまでの間だけ、インクを充填する速度を遅
くするという方法も考えられる。こうすれば、遅い速度で検出室91にインクを充填して
いる間にセンサーキャビティ95の充填を行う時間を十分に確保し、なおかつ検出室91
へのインクの充填速度を上げることができる。しかし、インクの充填速度を切り換えるた
めには、インク供給口74に作用させる負圧の大きさを切り換える必要があり、そのため
には吸引ポンプの動作を制御することが必要となる。この点について、本実施体のインク
の充填方法によれば、インクの充填時に吸引ポンプの動作を細かく制御する必要がなく、
またインクの充填を中断する動作についても、吸引ポンプの動作を停止させた後、再開さ
せるだけである。従って、短時間の充填でセンサーキャビティ95に気泡が混入すること
防ぐことが可能でありながら、充填に関わる制御を簡単なものとすることが可能である。
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例
えば、本実施例では、インクカートリッジがインクを収容する部分は袋状のインクパック
となっているものと説明したが、インクを収容する部分はどのような形態でも良く、一般
的なインクカートリッジのように、インクカートリッジ内にインクを収容する空間が形成
されているものであってもよい。
また、インクパックにインクを充填する前には、予めインクパック内を減圧しておいて
からインクを充填することとしてもよい。こうすれば、インクパックにインクを充填する
際にインクパック内に空気が封じ込まれることを抑制することができる。その結果、イン
クパックの充填後に検出室へのインクの充填を行う際、インクパックから検出室に空気が
吸い出されて、検出室あるいはセンサーキャビティ内に気泡が残存することを抑制するこ
とが可能となる。また、インクカートリッジにインクを充填する際には、インクの温度を
高くした状態(保温状態)で充填することとしてもよい。こうすれば、インクに溶解する
空気の量を少なくした状態でインクカートリッジにインクを充填することができるので、
インクパックや検出室、およびセンサーキャビティ内に気泡が残存することをより効果的
に抑制することが可能である。
10…インクジェットプリンター、 11…前面カバー、 12…排紙口、
13…カートリッジ交換用カバー、 14…上面カバー、 15…操作ボタン、
20…噴射ヘッド、 24…インクチューブ、 30…駆動機構、
32…タイミングベルト、 34…駆動モーター、 40…インクカートリッジ、
42…カートリッジホルダー、 44…挿入孔、 46…インク取入針、
50…キャップ、 60…制御部、 70…インクパック、
72…カートリッジケース、 74…インク供給口、 76…本体ケース、
78…蓋部、 80…切欠部、 82…押え部、 84…鉤部、
86…凹部、 90…インク残量検出装置、 91…検出室、
92…フィルム膜、 95…センサーキャビティ、 95d…下開口部、
95u…上開口部、 96…圧電振動子、 102…内部通路、
104…逆止弁、 106d…下流側通路、 106u…上流側通路、
108…逆止弁

Claims (2)

  1. 液体が内部に収容された液体収容部と、
    前記液体収容部に収容された液体を外部に供給する供給口と、
    前記液体収容部と前記供給口との間に設けられて、該液体収容部からの前記液体によっ
    て内部が満たされた検出室と、
    前記検出室に両端が開口する通路であって、該検出室から該通路内に導かれた前記液体
    に振動を印加することによって、前記液体収容部内の液体の残量を検出するセンサーキャ
    ビティと
    を備えた液体容器の製造方法であって、
    前記液体収容部に前記液体を充填する第1の工程と、
    前記検出室に開口した前記センサーキャビティの一端と他端とが互いに異なる高さとな
    るように前記液体容器を保持した状態で、前記液体収容部内の前記液体を該検出室内に吸
    い込む第2の工程と、
    前記検出室に吸い込まれた前記液体の液面が該検出室に開口した前記センサーキャビテ
    ィの一端と他端との間の高さに達すると、該検出室に液体を吸い込む動作を所定の時間、
    停止する第3の工程と、
    前記所定時間が経過すると、前記検出室に液体を吸い込む動作を再開し、該検出室への
    液体の充填を完了する第4の工程と
    を有する液体容器の製造方法。
  2. 前記第3の工程で前記検出室に前記液体を吸い込む動作を停止する前記所定の時間は、
    前記センサーキャビティの一端側からの液体が、毛管力によって該センサーキャビティの
    他端側まで移動するのに要する時間よりも長い時間に設定される請求項1に記載の液体容
    器の製造方法。
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