JP2012049069A - 真空遮断器の操作機構 - Google Patents

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貴幸 岡崎
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Abstract

【課題】標準的な板金製のラッチ素片を共用部品として、その組合せにより各種定格の真空遮断器に対応できるようにした真空遮断器の操作機構を提供する。
【解決手段】投入,引外し指令により真空バルブ1の可動電極3を閉極,開極位置に駆動する真空遮断器の操作機構であって、該操作機構が接点加圧ばね5を介して前記可動電極3に連結した開閉レバー7と、その開閉軸8を挟んでレバーの他端側に掛けた開極スプリング10と、開極スプリング10の蓄勢状態で開閉レバー8に設けたラッチローラ12に係合して開閉レバー8を投入位置に鎖錠保持するラッチ11とからなるものにおいて、前記ラッチ11を標準板厚の板金製になるラッチ素片17を重ね合わせた積層体で構成し、かつラッチローラ12は開閉レバー7の開閉軸寄り位置に配置した上で、そのラッチ素片17の積層枚数を、ラッチに加わる開閉レバーのばね荷重に対応して調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空バルブの可動電極を開極,閉極位置に駆動する真空遮断器の操作機構に関し、詳しくは操作機構の開極スプリングを蓄勢した状態で真空バルブの可動電極に連結した開閉レバーを投入位置に鎖錠保持するラッチの構造に係わる。
まず、真空遮断器の従来構造(例えば、特許文献1参照)を図3,図4に示す。図3において、1は真空バルブ、2は真空バルブ1の固定電極、3は可動電極、4は真空バルブ1の可動電極3に連結した絶縁ロッド、5は接点加圧ばね(圧縮コイルばね)、6は接点加圧ばね5のサポート、7は開閉レバー、8は開閉軸(U,V,W相に共通なクロスバー)、9は開閉レバー7に前記サポート6を連結する連結ピン、10は開閉レバー7とフレームとの間に架けた開極スプリング(引張コイルばね)、11は開閉レバー7に設けたラッチローラ12の周面に係合して開閉レバー7を投入位置に鎖錠保持する引外し用のラッチ、13は遮断器の操作部、14,15は操作部13の前面に配した引外し操作ボタン,投入操作ボタン、16は真空バルブ1を含む主回路部を収納した絶縁フレームである。
なお、図3は開極スプリング10を蓄勢した状態で、ラッチ11が開閉レバー7を投入位置に鎖錠保持している真空バルブ1の閉極状態を表している。
上記構成で、開閉レバー7は、図4(a),(b)で示すように一対のレバー板を開閉軸8に結合した上で、その板の間に連結ピン9,ラッチローラ12を架設した構造になり、開閉軸8を挟んで真空バルブ1と反対側端にはレバーの板面に穿孔したスプリング掛け穴8aに開極スプリング10が係合される。一方、ラッチ11は、開閉レバー7の上方からラッチローラ12の周面に対峙させて上端部を支軸11aに軸支した形状の揺動レバーで、図示されてないリンク機構を介して操作ボタンに連係されている。なお、このラッチ11は鋳造品,あるいは切削加工品で作られた単体部品が使われている。
上記真空遮断器の投入,引外し操作は特許文献1にも述べられており、真空バル
ブ1の開極状態で、手動操作,もしくは電動操作により開極スプリング10を蓄勢した上で、投入ボタン14を押すと、ラッチ11の先端が図示のようにラッチローラ12の上に係合して開閉レバー7を投入位置に鎖錠保持する。なお、図3の投入位置では接点加圧ばね5が可動電極3を押圧して固定電極2との間に接触圧力を加える。
また、図示の閉極状態で引外し操作ボタン15を押すなどして引外し指令を与えると、ラッチ11がラッチローラ12の側方に揺動して開閉レバー7の鎖錠を釈放する。これにより、開閉レバー7は開閉軸8を中心に開極スプリング10の放勢ばね力で時計方向に回動し、真空バルブ1の可動電極3を開極位置に駆動する。
特開2007−110823号公報
前記構成の操作機構において、ラッチ11が開閉レバー7を投入位置に鎖錠保持している図3の状態では、開極スプリング10および接点加圧ばね5のばね荷重(モーメント荷重)が、ラッチローラ12を介してラッチ11に押圧荷重として加わる。このばね荷重の大きさは真空遮断器の定格容量によって異なるが、通電容量の大きな高圧真空遮断器では数百Kgにもなる。
一方、従来の真空遮断器では、先記のように鋳造品あるいは切削加工品で作られた単体部品のラッチ11を共用部品として、通電容量の異なる各種定格の真空遮断器の操作機構に採用しているのが現状である。
ところで、鋳造品,切削加工品で作られた単体部品のラッチ11は、その形状,厚さ寸法などによって耐荷重強度が制限される。そこで従来では、製品設計に際して、操作機構のばね荷重をラッチ11に加えるラッチローラ12の位置を、開閉軸8の中心位置から離した位置に設定してラッチ11に加わるモーメント荷重がラッチ11の許容強度内に収まるようにしているが、この場合に図3のようにラッチローラ12を開閉軸8の中心から離して開閉レバー7の前方側位置に寄せて配置すると、ラッチ11,およびそのリンク機構を収納配置するスペース確保の関係から操作部13の奥行き寸法が増大する。
したがって、操作部13の奥行きスペースを縮減して回路遮断器を薄形化するには、ラッチ11,ラッチローラ12をできるだけ開閉軸8に近づけて配置する必要があるが、従来のように単体部品のラッチ11を共用部品として各種定格の真空遮断器に適用しようとすると、機種によってはラッチ11に加わるばね荷重がラッチの許容強度を超えないようにラッチローラ12の位置を変更する必要があるなど、製品の設計が煩雑になる。なお、定格容量の異なる真空遮断器ごとに、そのばね荷重に対応する耐荷重強度を有する鋳造品,切削加工品のラッチ11を用意することも考えられるが、ラッチの種類が増えてコストアップする。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、標準板厚のラッチ素片を共用部品として、その枚数の組合せにより各種定格の真空遮断器に対応できるように改良した真空遮断器の操作機構を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、投入,引外し指令により真空バルブの可動電極を閉極,開極位置に駆動する真空遮断器の操作機構であって、該操作機構が接点加圧ばねを介して真空バルブの可動電極に連結した開閉レバーと、該開閉レバーの開閉軸を挟んでレバーの他端側に掛けた開極スプリングと、前記開極スプリングの蓄勢状態で開閉レバーの中間位置に設けたラッチローラに係合して開閉レバーを投入位置に鎖錠保持するラッチとからなるものにおいて、
前記ラッチを標準厚さのラッチ素片を重ね合わせた積層体で構成するものとし(請求項1)、その具体的態様として、ラッチローラを開閉レバーの開閉軸寄り位置に配置した上で、該ラッチローラに対向するラッチ、そのラッチ素片の積層枚数は、該ラッチに加わる開閉レバーのばね荷重に対応して調整するようにする(請求項2)。
上記構成によれば、開閉軸を中心として回動する開閉レバーの定位置に設けたラッチローラからラッチに加わるばね荷重の大きさ応じてラッチ素片の積層枚数を調整することにより、ラッチ素片の積層体で分担するばね荷重をラッチの許容強度範囲に収めて操作機構の安定した動作を確保できる。
これにより、定格容量の異なる各種定格の真空遮断器に対して、従来のように機種ごとにラッチ,ラッチローラの位置を変更したり、耐荷重強度の異なるラッチ部品を用意したりすることなく、標準板厚のラッチ素片(板金製)を共用部品としてその枚数を適宜に組み合わせることで簡単,かつ安価に対応できる。
本発明実施例の構成図であって、(a)は真空遮断器全体の略示構成図、(b)は(a)における要部の拡大正面図である。 図1における操作機構の開閉レバー,ラッチの側面図である。 従来における真空遮断器の略示構成図である。 図3における操作機構の要部構成図であって、(a),(b)はそれぞれ正面図,および側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1,図2に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図3,図4に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
図示実施例の操作機構は図3に示した従来構造と基本的に同様であるが、開閉レバー7に設けたラッチローラ12の位置、およびラッチ11の構造が次記のように構成されている。
まず、ラッチローラ12の位置に関しては、操作部13の奥行きスペースを縮減化する観点から、開閉レバー7に設けたラッチローラ12は、図3の従来構造よりも開閉軸8に近づけた定位置に定めて配置されている。
また、ラッチローラ12の周面に対向配置したラッチ11は、鋳造品,切削加工品で作られた従来のラッチ(単一部品)とは異なり、図1(b)で示すように標準板厚の鋼板を打ち抜き加工して形成した板金製ラッチ素片17を複数枚重ね合わせ、リベット18で一体にかしメ止めした積層体で構成されている。
ここで、ラッチ素片17の枚数は、操作機構の実働状態でラッチ7に加わるばね荷重がラッチの許容耐荷重範囲に収まるように設定する。すなわち、定格容量の大きな真空遮断器のようにラッチ7に作用するばね荷重が大である場合にはラッチ素片17の枚数を増し、逆にばね荷重が小さい小定格容量の真空遮断器に適用する場合にはラッチ素片17の枚数を減らして構成する。
上記構成により、ラッチ11をラッチローラ12の周面に係合して操作機構の開閉レバー7を投入位置に鎖錠保持した図1の状態では、ラッチ7を構成しているラッチ素片17の枚数によって個々のラッチ素片17が分担する荷重が変わる。したがって、開閉レバー7のばね荷重が大であっても、ラッチ素片17の枚数を適正に設定することにより、荷重をラッチの許容荷重強度範囲内に抑えることができる。
これにより、定格容量の異なる各種定格の真空遮断器に対しても、ラッチ11,ラッチローラ12の配置位置を開閉レバー7の開閉軸側に寄せて操作部13の奥行きスペースを縮減化しつつ、ラッチ7を構成するラッチ素片17の積層枚数をばね荷重に応じて調整することで簡単,かつ安価に対応できる。
1 真空バルブ
3 可動電極
5 接点加圧ばね
7 開閉レバー
8 開閉軸
10 開極スプリング
11 ラッチ
12 ラッチローラ
13 操作部
17 ラッチ素片
18 リベット

Claims (2)

  1. 投入,引外し指令により真空バルブの可動電極を閉極,開極位置に駆動する真空遮断器の操作機構であって、該操作機構が接点加圧ばねを介して真空バルブの可動電極に連結した開閉レバーと、該開閉レバーの開閉軸を挟んでレバーの他端側に掛けた開極スプリングと、前記開極スプリングの蓄勢状態で開閉レバーの中間位置に設けたラッチローラに係合して開閉レバーを投入位置に鎖錠保持するラッチとからなるものにおいて、
    前記ラッチを標準板厚のラッチ素片を重ね合わせた積層体で構成したことを特徴とする真空遮断器の操作機構。
  2. 請求項1に記載の操作機構において、ラッチローラを開閉レバーの開閉軸寄りに配置した上で、ラッチ素片の積層枚数を、該ラッチに加わる開閉レバーのばね荷重に対応して調整したことを特徴とする真空遮断器の操作機構。
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