JP2012048895A - 気密容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】局所加熱手段の走査によって気密容器の封着を行う際に、接合される領域の密着性を改善する。
【解決手段】第一の基板110と第二の基板120のいずれか一方の上に第一の電極116を、他方の上に、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極132を設ける。枠部材130と第一の基板110とを接合する際は、第一の電極116と第二の電極132との間に電位差を与え、第一の電極と第二の電極との間に発生する静電力によって第一の基板と第二の基板とを相互に押圧し、局所加熱手段150による加熱と局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、接合材を軟化溶融させた後、冷却固化させる。局所加熱手段による加熱が行われる位置にある第二の電極のセグメントと、第一の電極との間の電位差を増加させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気密容器の製造方法に関する。本発明は特に、酸素、水等の侵入により性能が低下するおそれのあるデバイスを内部に有するディスプレイパネルの製造方法に関する。
有機LEDディスプレイ(OLED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の、フラットパネルタイプの画像表示装置が公知である。これらの画像表示装置は、互いに対向するガラス基材を気密接合して製造され、内部空間が外部空間に対して仕切られた外囲器を備えている。これらの気密容器を製造するには、互いに対向するガラス基材の間に必要に応じて間隔規定部材や局所的な接着材を配置し、周辺部に接合材を枠状に配置して、加熱接合を行う。接合材の加熱方法としては、ガラス基材全体を加熱炉によってベークする方法や、局所加熱により接合材周辺を選択的に加熱する方法が知られている。局所加熱は、加熱冷却時間、加熱に要するエネルギー、生産性、容器の熱変形防止、容器内部に配置された機能デバイスの熱劣化防止等の観点から、全体加熱より有利である。特に、局所加熱の手段としてレーザ光が知られている。局所加熱手段による気密容器の製造方法は、内部に機能デバイスを具備しない真空断熱ガラスの製造方法として適用可能であることも公知である。
特許文献1には、OLEDの外囲器の製造方法が開示されている。まず、周状に配置した接合材を狭持した第1のガラス基材と第2のガラス基材からなるアセンブリ構造を用意する。次にこのアセンブリ構造を透明なシリカディスク対で狭持した状態を維持しつつ、局所加熱光を照射しながら走査する。これによって周状の接合材が溶融し、第1のガラス基材と第2のガラス基材とが気密封着される。
特許文献2には、OLEDの外囲器の製造方法が開示されている。まず、第1のガラス基材を支持基板として、コーナー部を有する周状のガラスフリットが形成される。ガラスフリットを具備した第1のガラス基材と第2のガラス基材とは、ガラスフリットを挟持して対向させられ、アセンブリされる。アセンブリ時に、第1のガラス基材と第2のガラス基材は外部から機械的手段によって加圧され、接合材領域の密着性が確保される。
米国特許出願公開第2006/0084348号明細書 米国特許出願公開第2009/0044496号明細書
このように、レーザ光を照射する際の接合材とガラス基材との密着性を確保するため、被接合材であるガラス基材と接合材とに単純にレーザ光を照射するのではなく、アセンブリ方法を様々に改良した接合方法が知られている。
しかしながら、被接合材のガラス基材と、接合材とは、接合が完了するまでアセンブリされた段階での密着性が不足してしまう場合があり、接合不良が生じる場合があった。以下に本発明の課題となる密着性確保について詳細に説明する。
上述した密着性は、局所加熱領域の大きさと、接合予定領域における接合材表面の実質的な凹凸周期と、の関係に関連している。図4は、基板101と枠部材103の接合の様子を示す断面図である。図4は説明の便宜上、基板101側に接合材を設ける場合を示しているが、以下の説明は枠部材103側に接合材を設ける場合にもあてはまる。また、以下の説明は基板同士を接合する場合、あるいは基板と、枠部材の設けられた基板と、を接合するにもあてはまる。図4(a)は接合材104の表面の凹凸周期がレーザ光照射領域(レーザスポット径)107より小さい場合の、加圧工程における接触状態を示し、図4(b)は、加圧工程中にレーザ光を照射したときの接触状態を示している。接合材104には軟化溶融に伴う膨張と変形が生じるので、未加熱段階で接合材104と枠部材103とが接触していない領域でも接合材104のレベリング作用が期待できる。このため、レーザ光が照射された領域では、連続的な接合を得ることができる。
一方、接合材104の表面の凹凸周期がレーザ光照射領域107より大きい場合には以下の問題が生じる。図4(c)は加圧工程における接触状態を示し、図4(d)は加圧工程中にレーザ光を照射したときの接触状態を示している。接合材104の表面の凹凸周期が大きいため、軟化溶融に伴い接合材104が膨張し変形しても、接合材104に十分なレベリング作用が生じていない。このため、接合箇所に部分的に、接合不良105が発生している。一般に、基板及び枠部材の表面の凹凸周期が基板及び枠部材の板厚より十分大きな場合には、基板及び枠部材が不図示のカバープレートを介して全体的に押圧されるため、基板、枠部材及びカバープレートがしなり、全体的な密着性は確保しやすい。しかしその場合でも、局所的には接合材の表面に長周期の凹凸パターンが残るため、密着不良が発生することがある。全体加熱の場合は接合材も全体的に加熱されるため、レベリング作用が広範囲で同時に生じ、このような問題は比較的生じにくい。これに対して、局所加熱の場合、局所加熱領域以外では接合材の軟化溶融が発生しないため、レベリングが生じる範囲が限定される。このため、部分的な接合不良が発生しやすくなる。
接合予定領域にはパーティクルが不可避的に混入する場合もある。図4(e)は加圧工程の接触状態を示し、図4(f)は加圧工程中にレーザ光を照射したときの接触状態を示している。軟化溶融に伴い接合材104は膨張し変形しているが、パーティクル106の周囲でレベリング作用が生じるには十分ではなく、接合箇所に部分的に接合不良107が生じている。
部分的な接合不良は、局所加熱部における基板及び枠部材の熱膨張及び熱収縮によっても生じる場合がある。これも局所加熱特有の現象である。
このように、局所加熱手段による気密接合を行う場合においては、オプティカルコンタクトのような完全な密着性は必要とされないものの、未加熱段階での非接触領域を可能な限り少なくすることが極めて重要である。
特許文献2に開示されているようなメカニカルな押圧手段による加圧は、硬い構造物を介する間接的な加圧であり、押圧力が均一に掛りにくいため、密着不良を抑制するには必ずしも十分ではない場合があった。このため、接合材表面の長周期の凹凸パターンや、混入パーティクルの影響を受けにくく、密着力がより均一に掛った状態で局所加熱を行う方法が望まれていた。
本発明は、局所加熱手段の走査によって気密容器の封着を行う際に、接合される領域の密着性を改善し、よって信頼性の向上した気密容器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の気密容器の製造方法は、誘電性の第一及び第二の基板と、を有する気密容器の製造方法に関する。本製造方法は、第一の基板と第二の基板のいずれか一方の上に第一の電極を、他方の上に、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極を設ける工程と、第一の電極と第二の電極とが接合材を介して対向するように、第一の基板と第二の基板との間に接合材を配置する工程と、第一の基板と第二の基板とを相互に押圧しながら接合材を加熱して、第二の基板と第一の基板とを接合する第一の接合工程とを有している。第一の接合工程は、第一の電極と第二の電極との間に電位差を与え、第一の電極と第二の電極との間に発生する静電力によって第一の基板と枠部材とを相互に押圧することと、局所加熱手段による加熱と局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、接合材を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、局所加熱手段による加熱が行われる位置にある第二の電極のセグメントと、第一の電極との間の電位差を増加させることと、を含んでいる。
本発明の他の実施態様によれば、本製造方法は、第一の基板と第二の基板のいずれか一方の上に、第一の電極と、第一の電極との間に間隙を有して位置し、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極と、を設ける工程と、第一及び第二の電極が接合材と対向するように、第一の基板と第二の基板との間に接合材を配置する工程と、第一の基板と第二の基板とを相互に押圧しながら接合材を加熱して、第二の基板と第一の基板とを接合する第一の接合工程と、を有している。第一の接合工程は、第一の電極と第二の電極との間に電位差を与え、第一の電極と第二の電極との間に発生する静電力によって第一の基板と枠部材とを相互に押圧することと、局所加熱手段による加熱と局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、接合材を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、局所加熱手段による加熱が行われる位置にある第二の電極のセグメントと、第一の電極との間の電位差を増加させることと、を含んでいる。
これらの製造方法によれば、第一の電極と第二の電極との間に発生する静電力によって第一の基板と第二の基板とは相互に押圧される。第二の電極は、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割されているため、所望の領域に対して選択的に、他の領域とは異なる静電力を印加することが可能となる。その際、局所加熱手段による加熱が行われる位置に応じて選択した第二の電極のセグメントと、第一の電極との間の電位差を増加させる事により、局所加熱領域における押圧力を選択的に増加させることができる。その結果、接合材の凹凸周期が長く、接合材のレベリング作用が十分に生じない場合でも、押圧力を増加することで、接合領域における密着性を向上させることができる。同様に、第一の基板及び枠部材の膨張、収縮等によって、加熱領域周辺における第一の基板と接合材と枠部材の相互の押圧力が低下しても、押圧力の低下を補償することが可能となり、接合領域の密着性を改善することができる。
本発明によれば、局所加熱手段の走査によって気密容器の封着工程を実施する際に、封着される領域の密着性を改善し、よって信頼性の向上した気密容器の製造方法を提供することができる。
本発明の第一の実施形態を示す概要図である。 第一の実施形態における各工程を示すフロー図である。 第一の実施形態が適用される気密容器を備えた冷陰極ディスプレイの概要図である。 本発明の課題を説明する図である。 本発明の第二の実施形態を示す概要図である。 局所加熱領域と最大電圧印加領域の移動のタイミングチャートである。 本発明の第一の実施形態に適用可能な、第二の電極パターンの例である。 本発明の第三の実施形態を示す概要図である。 本発明の第四の実施形態を示す概要図である。 電圧印加制御方法を示す図である。 第一の実施形態の変形例を示す図である。 静電加圧力と電圧との関係を説明する図である。 第三及び第四の実施形態における第二の電極のパターン例である。 第一の実施形態における各工程を示す図である。 第一の実施形態(変形例)における各工程を示す図である。 第二の実施形態における各工程を示す図である。 第三の実施形態における各工程を示す図である。 第四の実施形態における各工程を示す図である。 第二の電極を形成する方法の一例を示す図である。 本発明が適用されるFEDの一例を示す、部分破断斜視図である。
本発明は、その動作特性上、外部からのガスの侵入を防止する必要があるデバイスを容器内部に備えたディスプレイの気密容器に好適に適用することができる。本発明の気密容器の製造方法によれば信頼性の高い気密性を得られるので、例えば電荷放出要素を備えた有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルの真空気密容器の製造方法に適用可能である。本発明は、電子放出要素を備えた蛍光表示管(VFD)にも適用可能である。
しかし、本発明は以下の理由から、電子放出要素として冷陰極電子源を備え、画像形成部材としてカソードルミネッセント要素を備えたFEDの製造方法により好ましく適用される。第一の理由は、2つの基板同士のアライメント精度、すなわち電子源の画素配列と蛍光体の画素配列とのアライメント精度の確保が容易なことである。これは、本発明では接合材を部分溶融させ、接合材全体を同時に溶融・軟化させることがないため、構造体のほとんどの部分が常温常圧の状態に維持されるためである。第二の理由は、電子放出素子の熱的なプロセス劣化が抑制されることである。これは、上述の部分溶融のため、接合部のみが局所的に加熱され、パネル内部の電子放出要素は加熱の影響をほとんど受けないためである。これによって、電子放出要素の酸化や電子放出要素の最表面に吸着した元素の蒸発、分解が抑制される。冷陰極電子源としては、スピント型、表面電子電導型、カーボンナノチューブ型等が挙げられる。
図20は、本発明が適用される画像表示装置の基本構成の例を示す部分破断斜視図である。図3は、画像表示装置の断面図を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A線に沿った断面図である。画像表示装置31は、リアプレート110と、リアプレート110と対向して位置するフェースプレート121と、を有している。フェースプレート121とリアプレート110は、枠部材130とともに気密容器10を形成している。気密容器10の内部には、リアプレート110とフェースプレート121との間に位置し、リアプレート110とフェースプレート121とを相互に支持するスペーサ11が設けられている。スペーサ11は高抵抗部材からなっており、帯電防止のために微量の電流を流すことができる。気密容器10に不図示の電源や駆動回路等を加えて画像表示装置31が構成される。
リアプレート110は、ガラス基板22と、ガラス基板22の上に形成された走査配線23及び信号配線24と、2次元状に配列された複数の表面伝導型電子放出素子25と、を備えている。走査配線23はN本、信号配線24はM本あり、表面伝導型電子放出素子25は行列状にN×M個形成されている。N及びMは正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。例えばFHD(Full High Definition)であれば、N=1080本、M=1920×3=5760本である。
本発明では、リアプレート110とフェースプレート121と枠部材130を備えた気密容器10を局所加熱手段の走査を利用して製造する。その際に、静電キャパシタによる静電力を押圧力として利用するため、接合領域の密着性を選択的に向上させることができる。このため、より気密性の高い気密容器構造を得ることができる。特に、気密容器の周辺部に、配線による凹凸、ゴミ、接合材表面の凹凸等がある場合に、本発明は効果的に利用できる。
本発明は、静電キャパシタの電極が配置される構造部材により、第一から第四の実施形態に分けられる。各実施形態における電極の配置関係を表1に示す。各実施形態はさらに、接合材が誘電性であるか導電性によって変形実施形態を含んでいる。第一と第二の実施形態は、第一の電極が第一の基板と第二の基板のいずれか一方に、第二の電極がいずれか他方に形成される関係にあり、第三と第四の実施形態は、第一及び第二の電極が第一の基板と第二の基板のいずれか一方に形成される関係にある。
Figure 2012048895
本明細書では、第一の基板および第二の基板は静電力による押圧力を用いることで、それぞれ接合材との密着性が得られる基板を意味し誘電性である。第二の基板は、第一の基板と対向配置が可能な平板基板を含むが、それに限定されず、第一の基板と対向配置が可能な枠部材および、平板基板と枠部材とが一体的に連結している、枠部材と平板基板の一体物とを含む。第一の基板は実施形態によって、フェースプレートまたはリアプレートのいずれかを意味する。第一の電極はセグメント化されているかどうかに拘わらず、共通の電圧が印加される電極を意味し、第二の電極はセグメント化され、印加電圧がセグメント毎に制御可能な電極を意味する。第一及び第二の電極は、実施形態によってその設けられる部材が異なる。第一の接合工程は第一の基板と第二の基板を接合する工程を意味し、第二の接合工程は、枠部材と対向基板を一体化する為に、必用に応じて講じられる対向基板と枠部材を接合する工程を意味する。
以下図面を参照して、本発明の製造方法をFEDパネルの外囲器の製造方法に適用した実施形態について、具体的に説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態について、図14、図2、図1、図6、図15、図7、図11を用いて、以下に具体的に説明する。
図14及び図2は、第一の実施形態に係る製造方法の工程の順序を図示した説明図である。図1は、局所加熱手段にレーザ光を使用した場合の各部材と装置の配置関係を示す説明図である。図1(a)は、第一の接合工程を図示する断面図であり、図14(i)に示すステップに対応している。図1(b)は、図1(a)の斜視図である(レーザ光発生装置及びレーザヘッド移動装置の図示は省略。)。図1(c)は、図1(a)のC−C線から見た平面図であり、図1(d)は、D−D線から見た平面図(接合材から下方の部分は図示を省略。)である。
以下の説明では、図14の図番(a)〜(m)によって各ステップを区別する。図14では、図示の簡略化のために、気密容器の一部の接合予定領域に相当する部分のみを表示している。
ステップ(a) まず、第一の基板として、ガラス製のリアプレート110を用意する。リアプレート110は無アルカリガラスまたは高歪点ガラスから形成することが望ましい。
ステップ(b) 次に、リアプレート110上の中央部に、電子放出素子である表面電子伝導型電子放出源(不図示)を形成し、電子放出素子形成領域115及びマトリクス配線111(図20に示す走査配線23及び信号配線24)を形成する。マトリクス配線111は第一の電極116の一部を構成している。マトリクス配線111はリアプレート110の4つの周縁部まで引き出され、外部回路接続用の引き出し部を形成している。リアプレート110の四隅には、マトリクス配線111が形成されていない領域がある。マトリクス配線111が形成されていない領域には、別途、電極129(図7(b)参照)を形成し、第一の基板110上の接合予定領域全体に渡り、第一の電極116を形成する。次に、接合予定領域に絶縁層112を形成する。絶縁層112は、接合工程時に接合材が軟化溶融し、第一の電極116と第二の電極132とが短絡することを防ぐ目的で、任意に設けられる。加圧力(押圧力)を確保する上では、絶縁層112の膜厚は小さい方が望ましく、0.1μm〜20μmの膜厚を選択することが望ましい。マトリクス配線111及び電子放出素子形成領域115を形成する際に図示しない層間絶縁層が形成されるため、絶縁層112は、この層間絶縁層と同時に作成することができる。
ステップ(c) 次に、絶縁層112上に接合材113を形成する。本実施形態では、接合材113は誘電体であっても導電体であってもよい。
ステップ(d) 次に、枠部材130を用意する。枠部材130は無アルカリガラスまたは高歪点ガラスを適用する事が可能である。
ステップ(e) 枠部材130上に、ITO電極からなる、セグメント化された第二の電極132を形成する。図1(b)にセグメントの一例(セグメント132a〜132d)を示す。セグメントの個数は任意に選択可能であり、リアプレート110の接合予定領域の全長、すなわち全周の長さを、各辺を一つのセグメントとして4分割することも可能である。しかし、各辺をさらに細かくセグメント化する方がより緻密な加圧力の制御が可能となり好ましい。
ステップ(f) 次に、フェースプレート121を用意する。
ステップ(g) フェースプレート121上の中央部に、導電材からなるアノード電極及び蛍光体パターンからなる蛍光体形成領域123を形成する。
ステップ(h) フェースプレート121の接合予定領域に、接合材124を形成する。
ステップ(i) ステップ(e)で形成した枠部材130とステップ(h)で形成したフェースプレート121を接合する。前記接合方法は、雰囲気加熱炉による全体加熱手段等の任意の方法を適用可能である。以上のようにして、第二の基板を用意する。
ステップ(j) ステップ(c)で形成したリアプレート110と、ステップ(i)で形成したフェースプレート121と枠部材130の一体物を対向配置してアセンブリ構造を形成する。このとき、接合予定領域同士が当接するように、第一の基板110上の接合材113と、枠部材130上の第二の電極132とを接触させる。リアプレート110とフェースプレート121は必要に応じてアライメントし、電子放出素子形成領域115と蛍光体形成領域123の画素パターン同士を対向させる。
ステップ(k) ステップ(j)で形成したアセンブリ構造に電圧源140を接続する。電圧源140は、マルチチャンネル出力の電圧源であって、二極が出力されている。一つ目の極は第一の電極116に接続され、二つ目の極はプローバを介して第二の電極132に接続されている。一つ目の極は、マトリクス配線111とリアプレート110の四隅に別途設けた電極129とに、同時に共通電位を印加可能なように接続されている。共通電位としては、GND電位が装置の構成の簡略化上、好適である。電圧源140の二つ目の極は、次ステップで述べるレーザヘッド移動装置151から得られるレーザヘッドの移動位置情報に基づいて、第二の電極132の各セグメントの電位を決定することができる。
ステップ(l) ステップ(k)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域に、レーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置する。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ光152を照射しながら移動し、気密接合予定領域を順次接合していく。この際、電圧源140から第二の電極132の各セグメントへの電圧印加パターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させる。
図6は、レーザビームの位置と各セグメントへの電圧印加パターンとの関係を示すタイミングチャートである。横軸に時間tをとり、縦軸には上から順に、第一の電極116の電位Vo、第二の電極132と第一の電極116の電位差、及びレーザ光の照射位置xを示している。第二の電極132と第一の電極116の電位差は、第二の電極132の隣接する3個のセグメント132b〜132dの、第一の電極116との電位差V(i)−Vo、V(i+1)−Vo、V(i+2)−Voとして示している。第一の電極116の電位は、GND電位すなわち0Vとしている。第一の電極116の一部を構成するマトリクス配線111は部分111a〜111gに分割されており、いずれの部分も同一電位(0V)が印加される。第二の電極132の各セグメント132b〜132dの電位は、50Vを最小電位、220Vを最大電位とする台形形状の電位カーブ特性をとり、レーザ光の照射位置に応じて、各セグメントの電位カーブが一定の時間差でずれていくように調整されている。具体的には、レーザ光発生装置150による加熱が行われる位置にある第二の電極のセグメントでは、第一の電極116との間の電位差が最大電位差まで増加し、最大電位差を一定時間保持するようにされている。また、接合材113が冷却固化した後には、この電位差は減少するようにされている。図1(d)に示すビーム位置(符号152で示されている。)は図6の時刻t1におけるレーザヘッド位置に対応している。
ステップ(m) このようにしてレーザ光の照射位置と第二の電極132の最大電圧印加位置を移動させながら、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を走査し、気密封着接合が完了する。その後、電圧源140及びプローバ141との接続を切り離し、レーザ光発生装置150及びレーザヘッド移動装置151から、完成した気密容器を取りだす。
図15は、第一の実施形態の変形例における製造工程の順序を図示した図である。図14に示す工程では、第二の接合工程であるステップ(i)において、フェースプレート121と枠部材130の接合を、第一の接合工程であるステップ(l)に先立って行っている。これに対して図15に示す変形例では、第一の接合工程であるステップ(h)をまず実施している。その後第二の接合工程であるステップ(j)として、第一の基板110と枠部材130のアセンブリ構造に、第二の基板であるフェースプレート121を接合している。この変形例では、ステップ(f)〜(h)の工程において、第一の基板110と枠部材130を保持するために、ステップ(h)で使用するレーザ光の波長に対して透過性のあるカバーガラス120を用いることが可能である。
本発明の第一の実施形態では、枠部材130に設けた第二の電極132と、第一の基板に設けた第一の電極116と、これらの間に位置する誘電体層と、によって平行平板型の静電キャパシタが構成される。この静電キャパシタに電位を与え、静電力を発生させ、枠部材130を具備した第二の基板と第一の基板を相互に押圧させる。この際、加熱が行われる位置、すなわちレーザ光の照射位置の付近に位置するセグメントの印加電圧を増加させ、押圧力を一時的に高めている。本発明の第一の実施形態はこのような条件を満たす限り、図14,15に開示した方法に限定されない。
第一の実施形態は、接合材113の種類、リアプレート110上のデバイスの種類等に応じて、図7,11のような変形実施形態を適用可能である。
図7は、第一の実施形態における第一及び第二の電極のパターンを例示したものである。図7(a)は、リアプレート110と枠部材130の全体平面図を示しており、同図中破線で囲まれる領域の部分平面図が図7(b)〜(d)に示されている。図7(b)〜(d)は各々、積層された各部材を高さ毎に3つの部分に切り出して示している。
図7(b)は図1,2に対応している。図7(b)は、左側の部分がリアプレート110とそれに設けられた第一の電極116を、中央の部分が絶縁層112と接合材113を、右側の部分が枠部材130とそれに設けられた第二の電極132を、各々単純化して示している。
図7(c)は、接合材114としてAlSi等の導電性材料を用いた場合の同様の図である。図11(a)には、この場合の第一の接合工程を説明する断面図を示している。
図7(d)は、マトリクス配線を有さないフェースプレート121を第一の基板として用いた場合の例を示している。図11(b)は、この場合の第一の接合工程を示しており、第一の電極として、図7(b)に示すマトリクス配線群の代わりに、周状に閉じたAl配線118が設けられている。
さらに別の変形例として図11(c)を参照すると、図11(b)に示すAl配線118の代わりに、周状に閉じたITO電極119が設けられており、レーザ光152はフェースプレート121及びITO電極119を通って照射されている。図11(d)を参照すると、図7(b)に示すマトリクス配線群の代わりに、周状のAlSi薄膜からなる接合材114が設けられている。
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態について図16、図5、図7を用いて説明する。図16は、図示の簡略化のために、気密容器の一部の接合予定領域に相当する部分のみを表示している。
ステップ(a) まず、第一の基板として、ガラス製のフェースプレート121を用意する。フェースプレート121は無アルカリガラスまたは高歪点ガラスから形成することが望ましい。
ステップ(b) 次に、フェースプレート121上の中央部に、導電材からなるアノード電極及び蛍光体パターンからなる蛍光体形成領域123を形成する。さらに、フェースプレート121の周辺にセグメント化されたAl電極からなる第二の電極127と絶縁層112を周状に形成する。セグメントの個数は任意に選択可能であり、フェースプレート121の接合予定領域の全長、すなわち、全周の長さを、各辺を一つのセグメントとして4分割することも可能である。しかし、各辺をより細かくセグメント化する方がより緻密な加圧力の制御が可能となり好ましい。
ステップ(c) 次に、絶縁層112上に、接合材113を形成する。本実施形態では接合材113は、誘電体であっても導電体であってもよいが、ここでは誘電体ガラスフリットを選択する。
ステップ(d) 次に、枠部材130を用意する。枠部材130は無アルカリガラスまたは高歪点ガラスから形成することが望ましい。
ステップ(e) 次に、枠部材130上に、Al電極からなる第一の電極119を形成する。
ステップ(f) 次に、ステップ(e)で形成した枠部材130と、ステップ(c)で形成したフェースプレート121をアセンブリする。このとき、接合予定領域同士が当接するように、接合材113と第一の電極119を当接させる。アセンブリ構造を保持するために、ステップ(h)で使用するレーザ光の波長に対して透過性のあるカバーガラス120を用いることが好ましい。
ステップ(g) ステップ(f)で形成したアセンブリ構造に電圧源140を接続する。電圧源140は、マルチチャンネル出力の電圧源140であって、二極が出力されており、一つ目の極は第一の電極119に接続され、二つ目の極はプローバ141を介して、第二の電極127に接続されている。第一の電極119は、同時に共通電位を印加可能なように接続されている。共通電位としては、GND電位が装置の構成の簡略化上、好適である。電圧源140の二つ目の極は、次ステップで述べるレーザヘッド移動装置151から得られるレーザヘッドの移動位置情報に基づいて、第二の電極127の各セグメントの電位を決定することができる。
ステップ(h) ステップ(g)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域に、レーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置する。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ光152を照射しながら移動し、気密接合予定領域を順次接合していく。この際、電圧源140から第二の電極127の各セグメントへの電圧印加パターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させる。印加電圧の移動パターンは、図6に示す第一の実施形態と同様の方法で変化させることができる。
ステップ(i) このようにしてレーザ光の照射位置と最大電圧印加位置を移動させながら、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を走査し、気密封着接合が完了する。その後、電圧源140及びプローバ141との接続を切り離し、レーザ光発生装置150及びレーザヘッド移動装置151を取り外す。
ステップ(j) ステップ(i)で作成したフェースプレート121と枠部材130の接合体に、任意の接合方法でリアプレート110を気密接合し、気密容器を完成する。
第一の接合工程は、接合材の種類、フェースプレート121上のデバイスの種類に応じて、図5、図7のようなバリエーションを適用可能である。
図7(e)、(f)は、第二の実施形態における第一及び第二の電極のパターンを例示したものである。図7(a)の破線で囲まれる領域の部分平面図が図7(e)〜(f)に示されている。これらの図の見方は図7(b)〜(d)と同様である。図7(e)は、図5(a)に対応するフェースプレート121、第二の電極127、絶縁層112、接合材113、枠部材130、第一の電極119の配置パターン例である。図7(f)は、接合材114にAlSi等の導電性材料を適用した場合の例である。図5(b),(c)には、この場合の第一の接合工程を説明する断面図を示している。図5(b)はレーザ光152を枠部材130側から、図5(c)はレーザ光152をフェースプレート121側から照射している例である。
第二の実施形態では、枠部材130に設けた第一の電極119と、第一の基板に設けた第二の電極127と、これらの間に位置する誘電体層と、によって平行平板型の静電キャパシタが構成される。この静電キャパシタに電位を与え、静電力を発生させ、枠部材130と第一の基板を相互に押圧させる。この際、加熱が行われる位置、すなわちレーザ光の照射位置の付近に位置するセグメントの印加電圧を増加させ、押圧力を一時的に高めている。本発明の第二の実施形態はこのような条件を満たす限り、図16に開示した方法に限定されない。
(第三の実施形態)
次に本発明の第三の実施形態について図17、図13、図8を用いて説明する。これらの図では、図示の簡略化のために、気密容器の一部の接合予定領域に相当する部分のみを表示している。
ステップ(a) まず、第一の基板として、ガラス製のフェースプレート121を用意する。
ステップ(b) 次に、フェースプレート121上の中央部に、導電材からなるアノード電極及び蛍光体パターンからなる蛍光体形成領域123を形成する。
ステップ(c) 次に、第一の基板110の周辺に周状に閉じたAl電極からなる第一の電極118を配置する。さらにセグメント化されたAl電極からなる第二の電極117を、第一の電極118の外側に第一の電極118との間に間隙を有して位置するように周状に形成する。セグメントの個数は任意に選択可能であり、フェースプレート121の接合予定領域の全長、すなわち、全周の長さを、各辺を一つのセグメントとして4分割することも可能である。しかし、各辺をより細かくセグメント化する方がより緻密な加圧力の制御が可能となり好ましい。電極117,118はフェースプレート121の同一平面上に設けられる。さらに、電極117,118を跨ぐように、絶縁層112を形成する。
ステップ(d) 次に、枠部材130を用意する。
ステップ(e) 次に、枠部材130上に、接合材113を形成する。本実施形態では接合材113は誘電体であっても導電体であってもよいが、ここでは誘電体ガラスフリットを選択する。
ステップ(f) ステップ(e)で形成した枠部材130と、ステップ(c)で形成したフェースプレート121をアセンブリする。このとき、接合予定領域同士が当接するように、接合材113と電極117,118を対向させる。アセンブリ構造を保持するために、ステップ(h)で使用するレーザ光の波長に対して透過性のあるカバーガラス120を用いることが好ましい。
ステップ(g) ステップ(f)で形成したアセンブリ構造に電圧源140を接続する。電圧源140は、マルチチャンネル出力の電圧源140であって、二極が出力されており、一つ目の極は第一の電極118に接続され、二つ目の極は、プローバ141を介して第二の電極117に接続されている。第一の電極118は、共通電位を同時に印加可能なように接続されている。共通電位としては、GND電位が装置の構成の簡略化上、好適である。電圧源140の二つ目の極は、次ステップで述べるレーザヘッド移動装置151から得られるレーザヘッドの移動位置情報に基づいて、第二の電極117の各セグメントへの電位を決定することができる。
ステップ(h) ステップ(g)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域に、レーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置する。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ光152を照射しながら移動し、気密接合予定領域を順次接合していく。この際、電圧源140から第二の電極117の各セグメントへの電圧印加パターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させる。第一の電極118と第二の電極117の間には、正電位と負電位との間を遷移する交流波が印加される。印加電圧の移動パターンは、図6に示す第一の実施形態と同様の方法で変化させることができる。
ステップ(i) このようにしてレーザ光の照射位置と第二の電極117の最大電圧印加位置を移動させながら、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を走査し、気密封着接合が完了する。その後、電圧源140及びプローバ141との接続を切り離し、レーザ光発生装置150及びレーザヘッド移動装置151を取り外す。
ステップ(j) ステップ(i)で作成したフェースプレート121と枠部材130の一体物に、任意の接合方法でリアプレート110を気密接合し、気密容器を完成する。
第三の実施形態における第一の接合工程は、接合材の種類、フェースプレート上のデバイスの種類に応じて、図8、図13のようなバリエーションを適用可能である。
図13は、第三の実施形態における第一及び第二の電極のパターンを例示したものであり、図の見方は図7と同様である。図13(b)は、図8(a)に対応するフェースプレート121、第一、第二の電極118,117、絶縁層112、接合材113及び枠部材130の配置パターン例である。図8(b)に示すように、レーザ光152を反対側から照射してもよい。図13(c)は、接合材114にAlSi合金等の導電性材料を適用した場合の例である。図8(c)には、この場合の第一の接合工程を説明する断面図を示している。図8(d)に示すように、レーザ光152を反対側から照射してもよい。
図13(b)の電極パターンの変形例として、図13(d)に示すように、第二の電極117を図13(b)よりも細かいセグメントに分割することができる。図13(e)に示すように、第二の電極117の隣接するセグメント間に第一の電極118の閉ループから分岐した分岐部118aを設けることもできる。分岐部118aは接地されている。分岐部118aを設けることによって、第一と第二の電極118,117間の容量が増大するため、静電力が印加される実効的な面積を増大させることができる。
第三の実施形態では、第一の基板に設けた第二の電極117(セグメント化された電極)及び第一の電極118と、誘電体層と、によって電気双極子型の静電キャパシタが構成される。この静電キャパシタに電位を与え、静電力を発生させ、枠部材130と第一の基板を相互に押圧させる。この際、加熱が行われる位置、すなわちレーザ光の照射位置の付近に位置するセグメントの印加電圧を増加させ、押圧力を一時的に高めている。本発明の第三の実施形態はこのような条件を満たす限り、図17に開示した方法に限定されない。
(第四の実施形態)
次に本発明の第四の実施形態について図18、図13を用いて説明する。これらの図では、図示の簡略化のために、気密容器の一部の接合予定領域に相当する部分のみを表示している。
ステップ(a) まず、第一の基板として、ガラス製のフェースプレート121を用意する。
ステップ(b) 次に、フェースプレート121上の中央部に、導電材からなるアノード電極及び蛍光体パターンからなる蛍光体形成領域123を形成する。
ステップ(c) 次に、枠部材130を用意する。
ステップ(d) 次に、図13(f)に示すように、枠部材130上にセグメント化されたAl電極からなる第二の電極117を周状に配置する。セグメントの個数は任意に選択可能であり、枠部材130の接合予定領域の全長、すなわち、全周の長さを、各辺を一つのセグメントとして4分割することも可能である。しかし、各辺をより細かくセグメント化する方がより緻密な加圧力の制御が可能となり好ましい。
ステップ(e) 次に、枠部材130上に周状に閉じた略矩形パターンのAlSi合金薄膜を形成する。AlSi合金薄膜は第一の電極114であり、接合材を兼ねている。
ステップ(f) ステップ(e)で形成した枠部材130と、ステップ(b)で形成したフェースプレート121をアセンブリする。このとき、接合予定領域同士が当接するようにアライメントする。アセンブリ構造を保持するために、ステップ(h)で使用するレーザ光の波長に対して透過性のあるカバーガラス120を用いることが好ましい。
ステップ(g) ステップ(f)で形成したアセンブリ構造に電圧源140を接続する。電圧源140は、マルチチャンネル出力の電圧源140であって、二極が出力されており、一つ目の極は、第一の電極114に接続され、二つ目の極は、プローバ141を介して第二の電極117に接続されている。第一の電極114は、共通電位を同時に印加可能なように接続されている。共通電位としては、GND電位が装置の構成の簡略化上好適である。電圧源140からの二つ目の極は、次ステップで述べるレーザヘッド移動装置151から得られるレーザヘッドの移動位置情報に基づいて、第二の電極117の各セグメントへの電位を決定することができる。
ステップ(h) ステップ(g)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域に、レーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置する。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ光152を照射しながら移動し、気密接合予定領域を順次接合していく。この際、電圧源140から第二の電極117の各セグメントへの電圧印加パターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させる。電圧印加移動パターンは、図6に示す第一の実施形態と同様の方法で変化させることができる。
ステップ(i) このようにしてレーザ光の照射位置と第二の電極117の最大電圧印加位置を移動させながら、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を走査し、気密封着接合が完了する。その後、電圧源140及びプローバ141との接続を切り離し、レーザ光発生装置150及びレーザヘッド移動装置151を取り外す。
ステップ(j) ステップ(i)で作成したフェースプレート121と枠部材130の接合体に、任意の接合方法でリアプレート110(第二の基板)を気密接合し、気密容器を完成する。
第四の実施形態における第一の接合工程は、接合材の種類、フェースプレート121のデバイスの種類に応じて、図9、図13のようなバリエーションを適用可能である。
図13(f)は、図9(a)に対応するフェースプレート121、枠部材130、第一の電極114及び第二の電極117の配置パターン例である。第一の電極114にAlSi合金等の導電性材料を適用し、接合材を兼ねている。図13(g)は、フェースプレート121、接合材113、絶縁層112、枠部材130、第一の電極118及び第二の電極117の配置パターン例である。第一の電極118には分岐部が設けられ、分岐部が接地されている。図9(b)には、この場合の第一の接合工程を説明する断面図を示している。
第四の実施形態では、枠部材130に設けた第二の電極117(セグメント化された電極)及び第一の電極114または118(共通電極)と、誘電体層と、によって電気双極子型の静電キャパシタが構成される。この静電キャパシタに電位を与え、静電力を発生させ、枠部材130と第一の基板とを相互に押圧させる。この際、加熱が行われる位置、すなわちレーザ光の照射位置の付近に位置するセグメントの印加電圧を増加させ、押圧力を一時的に高めている。本発明の第四の実施形態はこのような条件を満たす限り、図18に開示した方法に限定されない。
次に、以上述べた接合方法に関し、補足説明を行う。
(1)部材の準備
(a)第一の基板
第一の基板は実施形態に応じて、フェースプレート121またはリアプレート110である。第一の基板には、基板周辺部領域の電位を規定可能なように、予め第一の電極または第二の電極またはこれらの双方を設けている。これらの電極は、接合予定領域の密着性の観点から、接合予定領域に渡って高さ分布が均一な薄膜で形成することが好ましい。第一の電極は連続的に形成されていてもよいし、セグメント化されていてもよい。第二の電極はセグメント化されている。外部回路から駆動可能な画像形成用のデバイスが第一の基板に形成されている場合は、デバイスの駆動配線の延長部を電気的に束ねて、第一の電極とすることができる。第一の基板に駆動可能なデバイスが存在しない場合は、第一の基板の周辺領域に任意の電極を、第一の電極として設けることができる。この場合は、電気的接続箇所を削減するため、第一の基板の周辺部にロの字状(連続して閉じた線状ループ状)に形成することが好ましい。
第一の基板上の駆動可能なデバイスとしては、冷陰極電子源や有機LEDが挙げられる。第一及び第二の電極の材料としては、電位規定上、低抵抗な材料が好ましく選択される。好適な材料としては、Al、Cu、Ag等の金属材料、インジウム錫酸化物(ITO)等の透光性の導電性材料が挙げられる。耐熱性や導電性の観点からはCuが好ましい。第一の電極上には、接合材から受ける加熱接合時の熱的ダメージを緩和するため、耐熱性のある誘電体層を形成しておくこともできる。誘電体層としては、SiO2等の金属酸化物が適用可能であり、形状の均一性を得るために薄膜プロセスによって形成されることが好ましい。
(b)第二の基板
第一の基板と対向配置が可能な平板基板を含むが、それに限定されず、第一の基板と対向配置が可能な枠部材および、平板基板と枠部材とが一体的に連結している、枠部材と平板基板の一体物とを含む。第二の基板は電位を規定可能なように、共通電位を印加可能な第一の電極、若しくは、隣接する領域とは異なる電位を印加可能な局所加熱領域の移動方向にセグメント化された第二の電極が設ける事を含む。これらの電極は、接合予定領域の密着性を確保するため、接合予定領域に渡って高さ分布が均一な薄膜で形成することが好ましい。電極の材料としては、電位規定上、低抵抗な材料を用いることが好ましい。好適な材料として、Al、Cu、Ag等の金属材料、インジウム錫酸化物(ITO)等の透光性の導電性材料が挙げられる。耐熱性や導電性の観点からはCuが好ましい。
(c)接合材
接合材としては、無機接着剤、ガラスフリット、金属が適用可能である。接合材の融点(もしくは軟化点)は、他の部材への熱影響を緩和するため、可能な範囲で低温であることが好ましい。ただし、気密封着後に気密容器内部を真空排気する場合は、気密封着後の後工程(ポストプロセス)で、容器が加熱されることに留意が必要である。ポストプロセスの最高温度で接合領域が軟化するとアライメント精度や気密性が低下するため、接合材の融点は、ポストプロセスの最高温度よりも高い必要がある。従って、接合材の融点の下限は、ポストプロセスの温度を考慮して決定することが望ましい。
接合材は、膨張係数や濡れ性の観点からは、ガラスフリットを用いることが好ましい。局所加熱手段として加熱用レーザを使用する場合は、使用するレーザ光の波長で高い吸光度を得られるガラスフリットがより好ましい。光吸収性を高めるため、金属酸化物フィラーを含有するフリットを用いてもよい。接合工程中の放出ガスを抑える観点からは、金属からなる接合材が好適に用いられる。接合材に適用可能な金属としては、In、Snからなる半田材、Al、AlGe合金、AlSi合金が好ましい。金属接合材を選択する際には、ポストプロセスでの加熱温度よりも融点の高い材料を選択することが好ましい。AlSi合金薄膜の成膜方法は、例えば、以下の文献に開示されている。
Thin Solid Films 第283巻, 1-2号, 1996年9月1日, 頁57-60, Argon entrapment in magnetron-sputtered Al alloy films, カス゛ヨシ カモシタ゛。
(d)局所加熱手段
本発明の気密容器の製造方法では、局所加熱領域を移動させることができれば、どのような加熱手段も適用可能である。例えば、電磁誘導加熱、ヒートガン、レーザ光等が好適に適用される。気密容器が主に透光性のガラスで形成される場合、各部材の透明性と吸光度を利用できることから、レーザ光が好適に利用される。
レーザ光発生装置は、被照射物であるアセンブリ構造との間で相対運動が可能であればよく、レーザ光発生装置とアセンブリ構造のいずれか一方、もしくは両方を移動させることができる。被照射物への熱応力を緩和する目的で、補助光源と加工光源とを組み合わせてビーム整形し、これらの光源を同時に走査してもよい。レーザ光発生装置はレーザ光を連続照射してもよく、Qスイッチを用いたパルス駆動を行ってもよい。
(2)第二の接合工程
本発明の気密容器の製造方法においては、枠部材と平板状基板の接合には任意の方法を用いることができる。ただし接合方法は、気密容器の全体的な製造手順を考慮して選択されることが好ましい。例えば図14に示す実施形態では、平板状基板と枠部材は全体加熱手段によって接合することができる。一方、図15に示す実施形態では、第二の接合工程が第一の接合工程よりも後に行われることから、第一の基板上にある電荷放出デバイスの耐熱性を考慮することが望ましい。このため、第二の接合工程は局所加熱手段を用いて行うことが好ましい。
すなわち、本発明の気密容器の製造方法では、プロセス温度に対して不安定なデバイスを備えている基板と枠部材との接合には、局所加熱手段を適用することが望ましい。これに対し、プロセス温度に対して安定なデバイスを備えている基板と枠部材との接合は、全体加熱手段を適用することもできるし、局所加熱手段を適用することもできる。本発明では、この二つの加熱手段を適宜組み合わせることによって気密容器を製造することができる。
(3)部材(第一の基板/接合材/枠部材)の組み合わせ
(a)線膨張係数のマッチング
前述した3つの部材(第一の基板/接合材/第二の基板(特に枠部材))の間では、これらの部材の接合界面付近での加熱の影響による応力を低減するため、膨張係数が実質的に一致していることが望ましい。
(b)透光性の確保
局所加熱手段として、レーザ光発生装置を適用した場合は、接合材の効率的加熱という点で、レーザ光の光路の透明性を確保することが好ましい。例えば、図1に示す実施形態では、カバーガラス120、枠部材130、第二の電極132をそれぞれ、ガラス基板、ガラス枠、及び透明電極であるITO電極で形成し、透光性を確保している。図11に示す各実施形態では、レーザ光の光路上にある第一の電極または第二の電極をITO電極で形成して、透光性を確保している。
(c)第一の電極または第二の電極と、金属接合材との兼用
図11(d)に示すように、部材数及び工数の削減を目的として、第一の電極をAlSi合金等で形成して接合材と兼用することができる。静電キャパシタを構成する第一の電極を金属で形成し接合材と兼用する場合は、互いに対向する第一の電極と第二の電極との間に誘電体層(絶縁層)を配置すればよい。誘電体層は、金属接合材である第一の電極を覆うように成膜することが好ましい。軟化溶融した領域の加圧力を維持するため、誘電体層は第一の電極より融点が高いことが好ましい。電圧印加範囲は、静電加圧力の印加される領域が軟化溶融領域よりも広くなるように設定することが望ましい。
(4)静電力印加
静電キャパシタによって印加される静電力は一般式(1)で表される。ここで、εは電極間の誘電体層の比誘電率、Vstは印加電圧、dは電極間ギャップ、Pstは圧力である。より低電圧で大きな静電圧力を得るためには、電極間ギャップdを小さくし、絶縁層及び接合材の誘電率を大きくすることが望ましい。
Figure 2012048895
静電キャパシタは、第一及び第二の実施形態では平行平板の形態をとり(図12(a))、第三及び第四の実施形態では電気双極子配列を取る(図12(b)、(c))。電極間ギャップdは、平行平板キャパシタでは電極間距離で、電気双極子静電キャパシタでは電極間中心距離×πで与えられる。
例えば図14に示す平行平板キャパシタ配置と、図9(b)に示す電気双極子キャパシタ配置の場合に、静電力1×104Paを得るのに必要な電圧は以下の通りとなる。図14の場合に、絶縁層112の膜厚を0.5μm、ガラスフリット(接合材)113の厚さを5μm、絶縁層112及びガラスフリットの比誘電率を35とする。このときの必要電圧は50Vとなる。図9(b)の場合に、絶縁層112の膜厚を0.5μm、ガラスフリットの厚さを5μm、絶縁層112とガラスフリットの比誘電率をそれぞれ5及び35、電極幅を1mm、電極間ギャップを100μmとする。このときの必要電圧は1000Vとなる。
(5)静電力の安定化(ギャップ制御)
接合領域の加圧力は、一般式(2)に示すように、電極間ギャップdに依存している。第一及び第二の実施形態によれば、パーティクルの混入や接合材の材料特性分布の影響を受けることにより、接合部の実効的なギャップが不均一となる可能性がある。印加電圧Vstを一定として加圧した場合に、想定している電極間ギャップdが何らかの理由によりd+Δdとなった場合は、加圧力が(1+Δd/d)×10-2に減少する。同様に、想定している電極間ギャップdが何らかの理由によりd−Δdとなった場合は、(1−Δd/d)×10-2に増大する。すなわち、電圧制御では正帰還がかかり、狭いギャップはより狭く、広いギャップはより広くなって、一定の密着状態を得ることができない場合が生じる。
Figure 2012048895
そこで、ギャップの過渡的な大きさを推定して、電界が一定となるようにギャップ及び加圧力の変動を抑えることが望ましい。図10(a)には、観測電流値と最大印加電圧区間の印加電圧(Vmax)の変換テーブルを、図10(b)には時間tを横軸として、印加電圧Vと観測電流値iの時間的変化を示している。観測電流値iはキャパシタに充填される電荷をQとした時にdQ/dtと表され、Q=CV(Cはキャパシタ容量)であることから、i=CdV/dt+VdC/dtとなる。Cは所望の静電力に対応した電極間ギャップdから見積もられる。Cはギャップの大きさに反比例するため、ギャップが不変であればdC/dt=0であり、電圧Vは一定値のままであるから、i=CdV/dt=0となる。これが図10(a)の区間Aの状態である。次に、区間Bのように電圧Vを直線的に徐々に増やしていく。ギャップが不変であればdC/dt=0であるから、i=CdV/dtとなる。従って、電圧Vを直線的に増やしていけば、i=CdV/dtは一定の値をとる。これが図10(a)の区間Bの状態である。
ここで、何らかの理由によりギャップが小さくなると、dC/dtが正となり、観測電流が過渡的に上昇する。これが図10(a)の区間Cの状態である。このような観測電流の変化を検出すると、ギャップが小さくなったと判断し、変換テーブルに基づいてVmaxを減少させる補正を行う。印加電圧のグラフでは、実線は補正前の、破線はVmaxを小さくする補正をときの状態を示している。補正が行われないと、観測電流値iの増分に応じてギャップ間の電位差が増加し、ギャップがさらに減少する。しかし、Vmaxを小さくすることによってギャップ間の電位差の上昇を抑えることができる。逆に、観測電流が過渡的に減少する場合は、ギャップ間の電位差が減少し、所定の静電力が得られないおそれがある。この場合はVmaxを増加する補正を行えばよい。
このように、本発明では電位差を最大電位差まで増加させる段階で、第一の電極と第二の電極とで形成される静電キャパシタに充電される電流を検知し、ギャップの過小状態または過大状態を検出している。そして、それに基づいて第一の電極と第二の電極との間の電圧を制御し、加圧部におけるギャップ及び加圧力の変動を抑制している。最大印加電圧は静電キャパシタへの充電電流値に基づき補正することが好ましく、最大電圧の印加開始時間についても充電電流値の検出結果に基づいて決定することができる。このようにして、接合部におけるギャップ及び加圧力の均一化を図ることができる。
さらに、最大電圧を印加して接合が行われている際に過剰の熱エネルギーが供給されると、接合材の膜厚が著しく減少することがある。膜厚が著しく減少すると、第二の電極と第一の電極とが短絡する場合があり、接合の信頼性が低下する。そこで、電位差が最大電位差にある段階においても、第一の電極と第二の電極とで形成される静電キャパシタに充電される電流を検知することが好ましい。図10(c)を参照すると、最大電位差が印加される間、電流値は一定であるが(区間D)、何らかの理由で接合材の膜厚が減少すると、ギャップが縮小し、dC/dtが正となり、観測電流が過渡的に上昇する。これが図10(c)の区間Eの状態である。このような電流の増加を検出した場合は、印加電圧を直ちに減少させることが望ましく、印加電圧を直ちに元のレベルまで下げることがより望ましい。これによって、第一の電極と第二の電極との間の短絡を防止することが可能となり、気密容器を短絡による損傷から保護することが可能となる。また、短絡を防止することで、製造装置の無用な損傷を防ぐことも可能となる。
以上のようにして、接合予定領域に渡って、局所加熱手段の移動に応じて静電力の最大印加位置を移動させることにより、加熱段階の密着性を維持しながら第一の接合工程を実施することができる。これによって、信頼性の高い気密容器の製造方法を提供することが可能となる。
(実施例1)
本実施例では、図14に示す第一の実施形態に係る気密容器の製造方法を適用して、枠部材130とリアプレート110の気密接合を行い、さらに枠部材130とフェースプレート121の気密接合を行って、真空気密容器を製造した。
まず、第一の基板であるリアプレート110の作成工程を説明する。旭硝子株式会社製PD200基板(平面寸法1000mm×600mm、厚さ1.8mm)を用意した(ステップ(a))。次にリアプレート110に有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄を施し、表面を脱脂した。リアプレート110上の非スズ面側に、行数1080本×列数5760のCu配線からなる単純マトリクス配線111を形成し、マトリクス配線111の1交差部あたり500個のスピント型電子源を形成した。スピント型電子源は、不図示の情報信号配線に接続されたゲート電極と、同じく不図示の走査信号配線に接続されたカソード電極と、をそれぞれ共有しており、一画素を形成する。交差部は、リアプレート110の各周縁部から40mm内側に入った線で囲まれる領域に形成し、これを有効画素エリアとした。有効画素エリア外の基板周辺部においては、マトリクス配線111を基板の周縁部まで延びるように形成した。基板の周縁部から5mm内側に入った線と30mm内側に入った線とで囲まれる25mm幅の領域に、プラズマCVD装置によって、二酸化珪素膜(SiO2膜)からなる膜厚1μmの絶縁層112を成膜した(ステップ(b))。
さらに、マトリクス配線111のうち走査信号配線に相当する1080本の行配線上に、DCスパッタ法により、非蒸発型ゲッタとして不図示のTi膜を膜厚500nmで成膜した。次に、旭硝子株式会社製の非晶質型ガラスフリットを、絶縁層112上に接合材113としてスクリーン印刷した。スクリーン印刷後、雰囲気乾燥炉にてガラスフリットを乾燥させた。ガラスフリットの厚みは5μmであった(ステップ(c))。ガラスフリットの軟化点は353℃、処理温度は、430℃であった。
さらに、真空気密容器として構造上成り立たせるために、旭硝子株式会社製PD200基板(950mm×1.5mm×0.15mm)で作成したスペーサを、有効画素領域に等間隔で40本設置した。次に、東亞合成株式会社製の無機接着剤アロンセラミックDを絶縁層112に塗布した。スペーサの長手方向に張力を加えながら、スペーサの両端を接着剤に接触させ、ヒートガンによって局所加熱することで、スペーサを両端位置で固定した。
スペーサは、加熱延伸プロセス法を用いて製造した絶縁性のスペーサ基板に帯電防止処理を施したものである。具体的にはまず、スペーサ基板の両側側面(950mm×1.5mm)に深さ15μm、ピッチ50μmの正弦波状の凹凸を有するように、延伸前のマザーガラスを形成した。次に、延伸後の基材に、スパッタ法により金属窒化膜を帯電防止膜として形成した。さらに、スペーサ基板の両面(950mm×0.15mm)に、W(タングステン)からなる電極を形成し、カソードとアノードへの電気的接続を可能とした。
リアプレート110には、図3に示すように、排気孔として直径5mmの開孔部160を設けた。排気孔の位置は、有効画素領域を正面に見て、画素アドレス[1080,5760]の右下にある非有効画素領域に設定した。この領域は、マトリクス配線111の引き出し領域と干渉しない位置にあたる。
次に、第二の基板の一部をなす枠部材130を形成した。まず、1.5mm厚の旭硝子株式会社製PD200基板を用意し、外形980mm×580mm×厚さ1.5mmに切り出した。次に切削加工により、中央部の970mm×560mm×厚さ1.5mmの領域を切り出し、幅5mm、厚さ1.5mmの略四角形断面の枠部材130を成形した。次に、枠部材130に有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄を施し、表面を脱脂した(ステップ(d))。
次に、枠部材130に、第二の電極132として、セグメント化されたITO薄膜を形成した。図19を用いて、第二の電極132を形成する方法を説明する。まず、ガラス製の枠部材130を成膜用のベース基板131上に設置した(サブステップ(a))。次に、高さ1.45mmのガラス基板134とラインアンドスペース2.9mm/0.1mmの開口部を有するメタルマスク135を用意した(サブステップ(a’))。次に、枠部材130の側方から、ガラス基板134をガラスマスクとして枠部材130に押し当てた(サブステップ(b))。次に、メタルマスク135をガラス基板134にアライメントした(サブステップ(c))。次に、DCスパッタ法にて、ITO薄膜を膜厚100nmに成膜し、その後、ガラスマスク134とメタルマスク135を取り外した(サブステップ(d))。その後、セグメント化された電極132が成膜された枠部材130をベース基板131から取り外した(サブステップ(e))。以上のようにして、枠部材130にセグメント化された第二の電極132を形成した。枠部材130の接合予定領域側と連続した枠部材130の側面の領域に第二の電極132を形成することにより、静電力印加と電気的接続の領域を確保した。
次に、フェースプレート121に枠部材130を接合し第二の基板を形成した。具体的には、旭硝子株式会社製PD200基板からフェースプレート121を作成し、第一の基板であるリアプレート110と同様に洗浄した(ステップ(f))。次に、フェースプレート121の非スズ面側の中央部に、導電材からなるアノード電極と蛍光体パターンからなる蛍光体形成領域123を形成した(ステップ(g))。次に、フェースプレート121の接合予定領域に接合材124として非晶質型のガラスフリットを形成した。ガラスフリットは、スクリーン印刷にて形成し、雰囲気焼成炉にて溶媒を乾燥させた(ステップ(h))。
次に、ステップ(e)で形成した第二の電極132を備えた枠部材130と、ステップ(h)で形成したフェースプレート121とを接合した。具体的には、枠部材130の第二の電極132とは反対側の面が接合材124と接触するようにアライメントした。その後、雰囲気焼成炉にて、フェースプレート121と枠部材130のアセンブリ構造を焼成し、ガラスフリット124の全体加熱によりフェースプレート121と枠部材130とを気密接合した(ステップ(i))。ガラスフリットの接合処理温度は、460℃であった。
次に、枠部材130(第二の基板)とリアプレート110との接合を行った。具体的には、ステップ(c)で形成したリアプレート110と、ステップ(i)で形成したフェースプレート121とを接触させて、アセンブリ構造を形成した。このとき、接合予定領域同士が当接するように、第一の基板110上の接合材113と、枠部材130上の第二の電極132とを接触させた。リアプレート110とフェースプレート121は、電子放出素子形成領域115と蛍光体形成領域123の画素パターン同士が対向するようにアライメントした。(ステップ(j))
次に、ステップ(j)で形成したアセンブリ構造に、マルチチャンネル出力の電圧源140を接続した(ステップ(k))。電圧源140からは二極が出力されており、第一の極は第一の電極116に、第二の極はプローバ141を介して、第二の電極132の各セグメントに接続した。第一の電極116は、マトリクス配線111とリアプレート110の四隅に別途設けた電極129を電気的に束ねて、共通電位を同時に印加可能なように接続した。共通電位はGND電位とした。
次に、ステップ(k)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域にレーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置した。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ照射しながら移動させることができる。レーザ光源は、波長808nmの半導体レーザを用いた。照射光のビームプロファイルは、ビームスプリッタ、収束レンズを組み合わせることにより、補助加熱用ビームと加工用ビームの重心と長軸の方向が重なるようにビーム整形した。この整形されたビームスポットが、接合材113の位置で収束するように、焦点位置を決定した。補助加熱用ビームは短径5mm、長径10mmとし、加工用ビームは短径1mm、長径2mmとした。
レーザ光の走査の際には、図6に示すように、電圧源140から第二の電極132の各セグメントに印加させる電圧のパターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させた。第一の電極116の電位はGND電位、すなわち0Vとし、第二の電極132の各セグメントに印加される電極電位は、50Vを最小電位、220Vを最大電位として設定した。第二の電極132の最大電圧印加位置を、レーザ光の走査と連動させながら移動させ、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を照射することにより、気密封着接合を完了した(ステップ(l))。
その後、電圧源140、プローバ141との電気的接続を取り外し、さらにレーザ光発生装置150、レーザヘッド移動装置151の光学的なセッティングを解除して、完成した気密容器を取りだした(ステップ(m))。以上のようにして、第一の実施形態に基づいて、リアプレート110と枠部材130とフェースプレート121からなり、4周辺が連続した気密接合で封着された気密容器を製造した。
次に、気密容器の排気孔にガラス製の排気管を接続し、排気管を介して気密容器を、スクロールポンプとターボ分子ポンプからなる外部排気装置に接続し、気密容器の内部を排気した。外部排気装置の運転と同時に、排気管及び気密接合容器を350℃で1時間ベークした。これにより、リアプレート110上に形成した非蒸発ゲッタTi(NEG―Ti)を活性化させ、300℃まで気密容器の温度が低下した段階で、排気孔をチップオフして気密容器を完全に封止した。これにより、内部が真空にされた気密容器を作成した。
接合予定領域に静電力で押圧力を掛ける際には、図10に示した方法に従い印加する電圧を制御した。具体的には、最大電圧Vmaxまで電圧を上昇していく際の電流変化と、最大電圧Vmaxを印加している際の電流変化を検出して、印加電圧を制御した。第一の電極116と第二の電極132との間には絶縁層112が設けられ、短絡は発生しにくくなっているが、接合材113が急激に潰れ過ぎた場合には、絶縁層112による短絡防止機能は必ずしも十分でない場合がある。このため、最大電圧印加期間中の検知電流の異常上昇に基づいて第二の電極132の電位を減少させることは有効である。
作成した真空気密容器を電界放出ディスプレイ(FED)として適用したところ、安定して長時間駆動することが確認できた。製造した気密容器は高い気密性を備え、FEDに適用可能な程度の十分な高真空を維持可能であることが確認された。
(実施例2)
実施例1では、誘電体のガラスフリットを接合材として使用し、リアプレート110と枠部材130の接合を行ったのに対して、本実施例では、図11(a)に示すように、AlSi合金からなる導電性の接合材114を使用した。
本実施例では、実施例1(ステップ(e))と比べ、第二の電極132の形成領域を限定している。リアプレート110と枠部材130のアライメントの際は、第一の基板110上に形成された接合材114が、枠部材130上の第二の電極132が形成されていない領域に直接当接するようにした。この結果、第一の電極116と第二の電極132との間の静電力が発生する領域と、第一の基板110と枠部材130との接合予定領域(レーザ光照射領域)は、互いにオフセットした位置関係となる。接合材114は、AlSi合金の組成比がAl87.8atm%、Si12.2atm%となるようにスパッタ法にて成膜した、AlSi合金の接合可能な処理温度は580℃であった。
それ以外は、実施例1と同様の方法で気密容器を作成した。実施例1と同様に真空排気して真空気密容器を作成し、電界放出ディスプレイ(FED)として適用したところ、安定して長時間駆動することが確認できた。製造した気密容器は高い気密性を備え、FEDに適用可能な程度の十分な高真空を維持可能であることが確認された。
(実施例3)
本実施例では、図16に示す第二の実施形態に係る製造方法を適用して気密容器を作成した。図16を用いて、本実施例による気密容器の製造方法を詳細に説明する。
まず、フェースプレート121の作成工程を説明する。旭硝子株式会社製PD200基板(平面寸法1000mm×600mm、厚さ1.8mm)を用意した(ステップ(a))。次にフェースプレート121に有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄を施し、表面を脱脂した。フェースプレート121の非スズ面側の中央部に、導電材からなるアノード電極と蛍光体パターンとからなる蛍光体形成領域123を形成した。さらに、フェースプレート121の4周辺の接合予定領域に、メタルマスクを用いてセグメント化されたAl薄膜からなる第二の電極127を、スパッタ法により成膜した。さらに、接合予定領域に、プラズマCVD法によってSiO2薄膜を0.5μmの膜厚となるように成膜し、絶縁層112を形成した。(ステップ(b))
次に、フェースプレート121の接合予定領域に接合材113として非晶質型のガラスフリットを形成した。ガラスフリットはスクリーン印刷によって形成し、雰囲気焼成炉にて溶媒を乾燥させた。(ステップ(c))
次に、第二の基板の一部である枠部材130を形成した。まず、1.5mm厚の旭硝子株式会社製PD200基板を用意し、外形980mm×580mm×厚さ1.5mmに切り出した。次に切削加工により、中央部の970mm×560mm×厚さ1.5mmの領域を切り出し、幅5mm、厚さ1.5mmの略四角形断面の枠部材130を成形した。次に、枠部材130に有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄を施し、表面を脱脂した枠部材130を形成した。(ステップ(d))
次に、枠部材130に第一の電極119としてITO薄膜を形成した(ステップ(e))。第一の電極119は第一の実施例と同様、図19に示す方法で形成した。枠部材130の接合予定領域と連続した枠部材130の側面領域に第一の電極119を形成することにより、静電力印加と電気的接続の領域を確保した。
次に、ステップ(e)で形成した第一の電極119を備えた枠部材130と、ステップ(c)で形成したフェースプレート121と、からなるアセンブリ構造(第二の基板)を形成した(ステップ(f))。この際、枠部材130の第一の電極119が接合材113と接触するようにアライメントした。
次に、ステップ(f)で形成したアセンブリ構造に、マルチチャンネル出力の電圧源140を接続した(ステップ(g))。電圧源140からは二極が出力されており、第一の極は第一の電極119に、第二の極はプローバ141を介して、第二の電極127の各セグメントに接続した。第一の電極119の共通電位はGND電位とした。
次に、ステップ(g)で形成したアセンブリ構造の接合予定領域にレーザ光を照射可能な光学的な配置となるように、レーザ光発生装置150を設置し、気密接合予定領域を順次接合した。レーザ光発生装置150は、レーザヘッド移動装置151により、アセンブリ構造上でレーザ照射しながら移動させることができる。レーザ光源は、波長808nmの半導体レーザを用いた。照射光のビームプロファイルは、ビームスプリッタ、収束レンズを組み合わせることにより、補助加熱用ビームと加工用ビームの重心と長軸の方向が重なるようにビーム整形した。この整形ビームスポットが、接合材113の位置で収束するように、焦点位置を決定した。補助加熱用ビームは短径5mm、長径10mmとし、加工用ビームは短径1mm、長径2mmとした。
レーザ光の走査の際には、図6に示すように、電圧源140から第二の電極127の各セグメントに印加させる電圧のパターンを、レーザヘッドの位置に応じて変化させた。第一の電極119の電位はGND電位、すなわち0Vとし、第二の電極127の各セグメントに印加される電極電位は、50Vを最小電位、220Vを最大電位として設定した。第二の電極127の最大電圧印加位置を、レーザ光の走査と連動させながら移動させ、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を照射することにより、気密封着接合を完了した(ステップ(h))。
このようにして、レーザ光の照射位置と第二の電極127の最大電圧印加位置を移動させながら、気密接合予定領域全体に渡ってレーザ光を走査し、気密封着接合を完了した。
その後、電圧源140、プローバ141との電気的接続を取り外し、さらにレーザ光発生装置150、レーザヘッド移動装置151の光学的なセッティングを解除した(ステップ(i))。その後、実施例1と同様に作成したフェースプレート121と枠部材130とを接合した(ステップ(j))。以上により、リアプレート110と枠部材130とフェースプレート121とからなり、4周辺が連続した気密接合で封着された気密容器を製造した。

Claims (18)

  1. 誘電性の第一及び第二の基板と、を有する気密容器の製造方法であって、
    前記第一の基板と前記第二の基板のいずれか一方の上に第一の電極を、他方の上に、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極を設ける工程と、
    前記第一の電極と前記第二の電極とが接合材を介して対向するように、前記第一の基板と前記第二の基板との間に接合材を配置する工程と、
    前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧しながら前記接合材を加熱して、前記第二の基板と前記第一の基板とを接合する第一の接合工程と、を有し、
    前記第一の接合工程は、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に電位差を与え、該第一の電極と該第二の電極との間に発生する静電力によって前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧することと、
    局所加熱手段による加熱と該局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、前記接合材を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、
    前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を増加させることと、を含む、気密容器の製造方法。
  2. 前記第一の基板は電子放出素子と、前記電子放出素子に電気的に接続された配線と、を有し、前記第一の電極は前記第一の基板の上に設けられ、前記配線は前記第一の電極を兼ねている、請求項1に記載の気密容器の製造方法。
  3. 前記第一の電極は、連続し閉じた線状に設けられる、請求項1に記載の気密容器の製造方法。
  4. 誘電性の第一及び第二の基板と、を有する気密容器の製造方法であって、
    前記第一の基板と前記第二の基板のいずれか一方の上に接合材を兼ねる第一の電極を、他方の上に同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極を設ける工程と、
    前記第一の電極と前記第二の電極とが対向するように、前記第一の基板と前記第二の基板とを配置する工程と、
    前記第一の電極と前記第二の基板とを相互に押圧しながら前記第一の電極を加熱して、前記第二の基板と前記第一の基板とを接合する第一の接合工程と、を有し、
    前記第一の接合工程は、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に電位差を与え、該第一の電極と該第二の電極との間に発生する静電力によって前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧することと、
    局所加熱手段による加熱と該局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、前記第一の電極を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、
    前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を増加させることと、を含む、気密容器の製造方法。
  5. 誘電性の第一及び第二の基板と、を有する気密容器の製造方法であって、
    前記第一の基板と前記第二の基板のいずれか一方の上に、第一の電極と、該第一の電極との間に間隙を有して位置し、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極と、を設ける工程と、
    前記第一及び第二の電極が接合材と対向するように、前記第一の基板と前記第二の基板との間に接合材を配置する工程と、
    前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧しながら前記接合材を加熱して、前記第二の基板と前記第一の基板とを接合する第一の接合工程と、を有し、
    前記第一の接合工程は、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に電位差を与え、該第一の電極と該第二の電極との間に発生する静電力によって前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧することと、
    局所加熱手段による加熱と該局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、前記接合材を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、
    前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を増加させることと、を含む、気密容器の製造方法。
  6. 誘電性の第一及び第二の基板と、を有する気密容器の製造方法であって、
    前記第一の基板と前記第二の基板のいずれか一方の上に、接合材を兼ねる第一の電極と、該第一の電極との間に間隙を有して位置し、同時に互いに異なる電位を与えることが可能なように複数のセグメントに分割された第二の電極と、を設ける工程と、
    前記第一及び第二の電極が前記第二の基板と対向するように、前記第一の基板と前記第二の基板とを配置する工程と、
    前記第一の電極と前記第二の基板とを相互に押圧しながら前記第一の電極を加熱して、前記第二の基板と前記第一の基板とを接合する第一の接合工程と、を有し、
    前記第一の接合工程は、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に電位差を与え、該第一の電極と該第二の電極との間に発生する静電力によって前記第一の基板と前記第二の基板とを相互に押圧することと、
    局所加熱手段による加熱と該局所加熱手段の移動とを同時に行うことによって、前記第一の電極を軟化溶融させた後、冷却固化させることと、
    前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を増加させることと、を含む、気密容器の製造方法。
  7. 前記第一及び前記第二の電極は同一平面上に設けられ、前記第二の電極が前記第一の電極の外側に配置される、請求項5または6のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  8. 前記第一の電極は、前記第二の電極の互いに隣接する前記セグメントの間を延びる分岐部を有し、該分岐部は接地されている、請求項7に記載の気密容器の製造方法。
  9. 前記第一の電極と前記第二の電極との間に正電位と負電位の間を遷移する交流波が印加される、請求項5から8のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  10. 前記接合材はガラスフリットである、請求項1または5に記載の気密容器の製造方法。
  11. 前記接合材はAl、AlSi合金、またはSnまたはInを含む金属からなる、請求項4または6に記載の気密容器の製造方法。
  12. 前記第二の基板は、枠部材または、平板基板の周辺部に枠部材を具備した一体物である、請求項1から11のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  13. 前記平板基板の周辺部に前記枠部材を接合し、前記枠部材と前記平板基板の前記一体物を得る第二の接合工程を有する、請求項12に記載の気密容器の製造方法。
  14. 前記第一の基板及び前記枠部材は無アルカリガラスまたは高歪点ガラスからなる、請求項12に記載の気密容器の製造方法。
  15. 前記局所加熱手段はレーザ光を照射するレーザ光発生装置であり、前記第一または前記第二の電極は透明電極からなり、前記レーザ光は、前記レーザ光発生装置と前記接合材とを結ぶレーザ光の光路上に前記透明電極からなる前記第一または前記第二の電極が位置する方向から照射される、請求項1から14のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  16. 前記接合材が冷却固化した後に前記電位差を減少させることを含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  17. 前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を最大電位差まで増加させ、該最大電位差を一定時間保持することと、前記電位差を前記最大電位差まで増加させる段階で、前記第一の電極と前記第二の電極とで形成される静電キャパシタに充電される電流を検知することと、検知された前記電流が増加した場合に、前記最大電位差を低下させることと、検知された前記電流が減少した場合に、前記最大電位差を増加させることと、を含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  18. 前記局所加熱手段による加熱が行われる位置にある前記第二の電極の前記セグメントと、前記第一の電極との間の前記電位差を最大電位差まで増加させ、該最大電位差を保持した後に前記電位差を減少させることと、前記電位差が前記最大電位差にある段階で、前記第一の電極と前記第二の電極とで形成される静電キャパシタに充電される電流を検知することと、検知された前記電流が増加した場合に前記電位差を減少させることと、を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
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