JP2012047423A - 空気調和機 - Google Patents

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恵望 古市
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Abstract

【課題】ユーザーが予め定めた除霜運転禁止期間や除霜運転制限期間にはできるだけ除霜運転を行わないようにすることや、除霜運転を行ってもできるだけ室温の低下を少なくし、ユーザーに不快感を与えない空気調和機を提供する。
【解決手段】時計機能を有すると共に、少なくとも暖房運転と除霜運転とが可能な空気調和機であって、除霜運転を禁止する除霜禁止期間をユーザーの設定により記憶し、時計機能により時刻の経過を監視し、暖房運転時に除霜禁止期間の開始時刻(AM6:30)より所定時間前(10 分前) に除霜運転を強制的に実施する。また、暖房運転時における除霜運転禁止期間以外の期間は除霜運転を開始し易くして、除霜運転時間を短くすることで室温の低下を軽減し、暖房運転時における除霜運転禁止期間は除霜運転の開始をできるだけ遅らせ、除霜運転禁止期間における室温の低下を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機に係わり、より詳細には、除霜運転に関する。
従来、空気調和機は暖房運転において室外機の熱交換器に着霜した場合、これを取り除くため、冷媒回路の室内熱交換器と室外熱交換器とに流れる冷媒の流れ方向を逆転させることにより除霜運転を行う。この除霜運転を開始する条件としては、外気温、室外熱交換器の温度、圧縮機の運転積算時間などがあった。
例えば、暖房運転において室外熱交換器の温度が0℃以下に低下し、かつ、室外熱交換器の温度よりも外気温が高く、この状態で圧縮機の運転積算時間が所定時間を越えた場合、室外熱交換器に着霜したと考えられるため、室外機は除霜運転を開始する。除霜運転は暖房運転を一次停止して行うため、室温が徐々に低下することでユーザーに不快感を与えていた。特に冬季における朝の着替え中などに除霜運転が開始されると低い室温の中での着替えとなり、ユーザーにとっては苦痛であった。
ところで、このような除霜運転は冷凍食品を保存する冷凍ケースや冷蔵庫などでも行われている。特許文献1に記載の冷蔵庫では除霜運転を行う期間を予め決定しておき、夏季の場合であれば日中でなく、比較的外気温が低い夜中に除霜運転を行うようにしている。
また、特許文献2に記載の冷凍装置では、周期的な除霜運転可能期間を示す信号と除霜要求信号とが一致した時のみ、除霜運転を行うことが記載されている。しかしながら、結果的に除霜要求信号の受付が後回しにされるため、熱交換器に着霜したままの非効率な運転となり、冷凍庫内の温度が上昇してしまう場合があった。このように除霜運転が必要な時期が来ても一時的に除霜運転自体を後に遅延させる制御が行われている。
一方、空気調和機においては、室外熱交換器に着霜が発生し、このまま運転を継続した場合に熱交換効率が悪化し、室内を設定された温度に維持できなくなる。また、空気調和機では、冷蔵庫や冷凍装置のように24時間運転する場合が少なく、また、空調対象が人であるため、室温における数度の温度変化で不快感を与えてしまう。このため、冷凍装置や冷蔵庫での除霜運転制御のように、昼間に行うべき除霜運転の開始を遅らせて夜間に行うことはできない。
このような問題を解決するため、複数の室内機を複数グループI 、IIに分けて同一室内に配置し、各グループごとに室外機を設けた空気調和装置において、室外機の着霜を検出して除霜運転を行うにあたり、それぞれの室外機の除霜運転を時間的にずらすことにより、同一の室内に設けられた複数グループの室内機のうち、1つのグループの室内機、例えば、グループI の室外機しか暖房運転が中断されないので、残りのグループIIの室内機で暖房運転を行うことができ室内の温度の低下を抑制するものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、このように1つの室内に複数の冷媒系統の室内機を備える構成は、価格面の関係でホテルや店舗などの業務用に限定されてしまう。このため、一般の家庭用の空気調和機では、不定の時間帯に発生する除霜運転の不快感を低減させる空気調和機が望まれていた。
特開平4−363576号公報(第2−3頁、図4) 特開昭57−87581号公報(第1−2頁、図3) 特開2005−49022号公報(第4−5頁、図1)
本発明は以上述べた問題点を解決し、ユーザーが予め定めた除霜運転禁止期間や除霜運転制限期間にはできるだけ除霜運転を行わないようにすることや、除霜運転を行ってもできるだけ室温の低下を少なくし、ユーザーに不快感を与えない空気調和機を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器と制御部とを備え、少なくとも暖房運転と除霜運転が可能な空気調和機において、
前記制御部は、前記除霜運転を禁止する除霜運転禁止期間の開始時刻を予め記憶するとともに経過時刻を監視し、前記空気調和機が前記暖房運転中に前記除霜運転禁止期間の開始時刻から所定時間前の時刻に達したとき前記除霜運転を強制的に実行することを特徴とする。
もしくは、圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器と制御部と外気温を検出する外気温センサと前記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサとを備え、少なくとも暖房運転と除霜運転が可能な空気調和機において、
前記制御部は、前記除霜運転を制限する除霜運転制限期間と、少なくとも外気温度、前記室外熱交換器温度、前記圧縮機の運転積算時間の各パラメータに基づいて設定した第一の除霜運転開始条件及び第二の除霜運転開始条件として設定され、かつ、前記第一の除霜運転開始条件は前記第二の除霜運転開始条件よりも前記除霜運転に入る頻度が高くなるように前記各パラメータの閾値を設定した除霜運転開始条件を予め記憶するとともに経過時刻を監視し、
前記制御部は前記空気調和機が前記暖房運転中の前記除霜運転制限期間以外の期間は前記第一の除霜運転開始条件に基づいて、また前記除霜運転制限期間は前記第二の除霜運転開始条件に基づいて前記除霜運転を実行することを特徴とする。
また、前記空気調和機は予め設定したスケジュールに従って運転するタイマー運転機能を備え、前記暖房運転は前記タイマー運転機能によるタイマー運転であることを特徴とする。
以上の手段を用いることにより、本発明による空気調和機によれば、
請求項1に係わる発明は、暖房運転時に除霜運転禁止期間の開始時刻より所定時間前に除霜運転を強制的に実施するようにしたので、室外熱交換器の着霜がない状態で除霜運転禁止期間を暖房することができる。このため、除霜運転禁止期間中に次に除霜運転が開始されるまでの時間を長く、つまり、除霜運転禁止期間中の暖房運転時間を長くでき、除霜運転が開始された場合の室温低下開始をできるだけ遅らせることができる。
請求項2に係わる発明は、暖房運転時における除霜運転制限期間以外の期間は除霜運転を開始し易く(除霜運転実行頻度を高く)して、除霜運転時間を短くすることで室温の低下を軽減し、暖房運転時における除霜運転制限期間は除霜運転の開始をしにくく(除霜運転実行頻度を低く)して、除霜運転の開始をできるだけ遅らせ、除霜運転制限期間における室温の低下を遅らせることができる。
請求項3に係わる発明は、タイマー運転中にのみ除霜運転禁止期間や除霜運転制限期間を有効にするため、タイマー運転を利用した定型的な生活パターンにより除霜運転禁止/制限期間が限定されるため、除霜運転禁止/制限期間の設定や解除をその都度操作する必要がなく、タイマー運転に連動して除霜運転禁止/制限期間を設定でき、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
本発明による空気調和機の冷媒回路を示すブロック図である。 本発明による空気調和機の制御系統を示すブロック図である。 本発明による除霜運転を説明する説明図である。 本発明による空気調和機の制御を示す室内機のフローチャートである。 本発明による空気調和機の制御を示す室外機のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は本発明による空気調和機の冷媒回路を示すブロック図である。この空気調和機の冷媒回路は、圧縮機1と、四方弁2と、室内熱交換器3と、電子膨張弁4と、室外熱交換器5と、アキュムレータ6とが順次接続されており、四方弁2を介して冷媒循環方向を切り替えるように構成されている。また、室外熱交換器5には、室外熱交換器5の温度を検出する室外熱交換器温度センサ9が、さらに、室外熱交換器5の近辺には外気温を検出する外気温センサ8がそれぞれ設けられている。
なお、室内熱交換器3の近辺に備えられた室内機ファンや室内機ファンモータ、及び室外熱交換器5の近辺に備えられた室外機ファンや室外機ファンモータ、圧縮機1の冷媒の吐出圧力を検出する圧力センサ、室温を検出する室温センサなど、本発明に直接関係ない部分については、図示と説明とを省略している。
また、この冷媒回路には、圧縮機1と四方弁2と電子膨張弁4とを駆動制御すると共に、室外熱交換器温度センサ9と外気温センサ8とで検知した温度を入力する室外機制御部7が備えられている。
後述する室内機からの暖房運転モード開始の指示により、室外機制御部7は四方弁2を切り替えて圧縮機1の運転を開始し、図1における実線矢印で示す暖房運転時の方向に冷媒を循環させる。
暖房運転において、圧縮機1で高温高圧のガスとなった冷媒は四方弁2を通過し、室内熱交換器3で熱を放出して液体となり、さらに、電子膨張弁4で減圧されてしめり蒸気となり、室外熱交換器5で熱を吸収し、ガスとなって再び圧縮機1で圧縮される過程を繰り返す。
そして、暖房運転時に室外機制御部7は、後述する条件により室外熱交換器5に着霜が発生したと判断すると、室外機制御部7は除霜運転を開始する。このため、暖房運転を中断した後、四方弁2を切り換えて圧縮機1の運転を開始し、図1における破線矢印で示す除霜運転時の方向に冷媒を循環させる。
除霜運転において、圧縮機1で高温高圧のガスとなった冷媒は四方弁2を通過し、室外熱交換器5で熱を放出して液体となり、さらに、電子膨張弁4で減圧されてしめり蒸気となり、室内熱交換器3で熱を吸収し、ガスとなって再び圧縮機1で圧縮される過程を繰り返す。従って暖かい冷媒を用いて室外熱交換器5を0℃以上に加熱することにより、室外熱交換器5に着霜した霜を溶かして除霜することができる。
図2は空気調和機を示す制御ブロックである。この空気調和機は室内機20と室外機10とで構成され、これらは電源線25と通信線21とで接続されている。なお、熱交換器や冷媒回路などの構成の図示を省略している。
室内機20は、図示しないリモコンの赤外線信号を受信するリモコン受信部22と、室内機電源部23と、室外機10への電源供給をオン/オフする電源供給リレー24と、室内機ファンモータ27と、空気調和機の運転状態を表示する表示部26と、室内機ファンモータ27と電源供給リレー24とリモコン受信部22と表示部26とを制御する室内機制御部28とを備えている。なお、電源線25と通信線21とを介して室外機10とデータの送受信を行なうように構成されている。また、室内機制御部28内部には時計機能が備えられており、室内機制御部28は現在の時刻を認識できるようになっている。
一方、室外機10は、室外機電源部13と、圧縮機モータ17と、圧縮機モータ17を駆動する駆動部16と、冷媒の循環方向を切り換える四方弁2と、室外機ファンモータ12と、電子膨張弁4と、圧縮機駆動部16と四方弁2と室外機ファンモータ12と電子膨張弁4とを制御する室外機制御部7とを備えている。また、室外機制御部7には、外気温を検出する外気温センサ8と、室外熱交換器5の温度を検出する室外熱交換器温度センサ9とが接続されている。
室内機電源部23は電源プラグに電源が供給されると、室内機20の各部へ電源を供給し、リモコン受信部22を介してリモコンから制御信号、例えば電源オンや暖房運転モードの指示信号が室内機制御部28へ伝えられると、同室内機制御部28は電源供給リレー24をオンした後、通信線25を介して室外機制御部7に運転指示を与える。室外機制御部7は、与えられた指示に従って圧縮機駆動部16を制御して圧縮機モータ17を駆動し、指定された運転を行なう。
そして、室外機制御部7は暖房運転中に、圧縮機1の運転積算時間と、室外熱交換器温度センサ9を介して室外熱交換器5の温度と、外気温センサ8を介して外気温とを監視しており、これらが後述する除霜運転開始条件になった場合に除霜運転を開始すると共に、この『除霜運転の開始』の状態データを室内機制御部28に送信する。これを受信した室内機制御部28では室内機ファンモータ27の回転数を低下させて除霜運転のモードを開始する。
除霜運転の間、室外機制御部7は室外熱交換器温度センサ9を介して室外熱交換器5の温度を監視しており、この検出温度が、除霜運転開始時の温度に対して所定の値だけ上昇したら除霜運転を停止し、冷媒の圧力がバランスすると思われる時間の後に暖房運転を再開すると共に、この『除霜運転の停止』の状態データを室内機制御部28に送信する。これを受信した室内機制御部28では室内機ファンモータ27の回転数を増加させて暖房運転モードを再開する。
図3は本発明による除霜運転を説明する説明図である。図3(1)は本発明を利用する場合のユーザーの行動パターンの一例である。これはユーザーが起床(AM6:00)、朝食(AM6:00〜AM6:30)、着替え(AM6:30〜AM6:45)、出勤(AM7:00)するまでの行動スケジュールを時間的に区切ったものである。また、ユーザーは空気調和機に備えられているタイマー運転の機能を用いて、自身が起床するAM6:00より30分早いAM5:30に暖房運転を開始させるようにしている。
図3(2)は従来の暖房運転における室温の変化を表すものであり、図3(3)は従来の除霜運転のタイミングを表している。なお、暖房運転の設定温度は22℃であり、タイマー運転の機能により、AM5:30に暖房運転が開始されると、室温が10℃から徐々に上昇し、ユーザーが起床するAM6:00には室温がほぼ22℃となっている。
図3(3)に示すように、除霜運転を開始する条件が満たされると、室外機10は除霜運転を開始し、AM5:30〜AM7:00までの間に合計3回の除霜運転を実行している。従来の除霜運転開始条件は、暖房運転中であることと、圧縮機1の運転積算時間と室外熱交換器5の温度と外気温との各パラメータで決定される。一例として、外気温が−10℃以上の場合、圧縮機1の運転積算時間が35分以上で、かつ、室外熱交換器5の温度が−17℃以下の場合である。また、外気温が−10℃未満の場合、圧縮機1の運転積算時間が35分以上で、かつ、室外熱交換器5の温度が−20℃以下の場合である。
これらの温度閾値や時間閾値は予め定められた値であり、室外機制御部7がこれらの閾値と各温度や時間とを比較することで除霜運転を開始する条件が満たされたか否かを判断する。
なお、除霜運転の停止条件は室外熱交換器5の温度が、除霜運転開始時の温度から16℃の上昇、もしくは、除霜運転開始から15分の経過である。なお、除霜運転の開始/停止の条件は一例であり、空気調和機の仕様により任意に決定されるものである。この条件も室外機制御部7がこの温度上昇の閾値と室外熱交換器温度センサ9の検知温度とを比較することで判断している。
図3(3)の従来例では朝食の時間帯と着替えの時間帯と出勤までの時間帯にそれぞれ、1回ずつ除霜運転が行われている。除霜運転の場合、暖房運転が一時的に中断されるため、22℃の室温が15℃前後まで一時的に低下している。ユーザーが食事中などの場合は食事により体温が上昇しており、室温の低下はそれほどユーザーは感じないが、着替え中などの場合は室温の低下は非常に不快に感じてしまう。また、前述したように除霜運転開始の条件は比較的複雑であり、天候等の影響を受けて除霜運転開始のタイミングは不定である。
このため、着替え中などの場合以外のタイミングで除霜運転を行いたいと思っても、従来の空気調和機ではユーザーにはどうすることもできなかった。本発明では着替え中など、ユーザーが除霜運転をして欲しくない除霜運転禁止期間を予め決定して空気調和機に記憶させておき、空気調和機でこの除霜運転禁止期間にはできるだけ除霜運転しないように制御することを特徴にしている。
図3(4)はこの設定された除霜運転禁止期間を示しており、この例の場合、それは着替えの期間(AM6:30〜AM6:45)である。この除霜運転禁止期間はユーザーが図示しないリモコンで時間指定できるようになっている。そして、リモコンから送信されたこの除霜運転禁止期間の時刻データは、室内機制御部28内に予め記憶されている。
本実施例では除霜運転禁止期間に除霜運転を行わないために2つの制御を行っている。一つ目は時刻の経過を室内機制御部28が監視し、除霜運転禁止期間の開始時刻直前に室内機制御部28から室外機制御部7に対して強制除霜運転の指示を送信し、これを受信した室外機制御部7が指示に従って除霜運転を行うことである。ここで『除霜運転禁止期間の開始時刻直前』とは、除霜運転禁止期間の開始時刻までに除霜運転を終了し、暖房運転を再開することが可能な最短の除霜運転開始時刻を意味する。例えば除霜運転禁止期間の開始時刻(AM6:30)の直前(AM6:20)に、除霜運転の開始条件が満足されなくても除霜運転を意図的(強制的)に開始し、この除霜運転が終了して暖房運転が除霜運転禁止期間の開始時刻(AM6:30)に開始されるように除霜運転禁止期間の開始時刻の直前を決定している。除霜運転禁止期間の開始時刻から直前の時間までは、所定時間:10分として予め決定しておけばよい。なお、ここで説明する除霜運転禁止期間の開始時刻の直前の時刻を強制除霜運転開始時刻と呼称する。
このため、除霜運転禁止期間の開始時刻(AM6:30)前には除霜運転が終了し、暖房運転を再開している。この除霜運転は予め規定した除霜運転開始の条件を満たさなくても強制的に行うため実際の除霜運転期間は短く、AM6:25には暖房運転を開始している。このため、この除霜運転終了以降ではある程度の時間、除霜運転を行わなくても暖房運転を継続することができる。
従って着替え中に除霜運転が開始されてユーザーが不快な思いをすることがない。
除霜運転禁止期間に除霜運転を行わないための2つ目の制御は、除霜運転禁止期間以外の期間に除霜運転の実行頻度を高くしていることである。除霜運転の周期が長いと熱交換器に着霜する霜も多くなり、結果的に除霜運転時間が長くなり、この結果、室温の低下が大きくなる。例えば、図3(3)のように従来はAM5:30〜AM7:00までに10分間の除霜運転を3回行っているが、本発明による制御では図3(5)に示すように、同じ時間に7分間の除霜運転を4回行っている。この結果、従来では除霜運転によって室温が22℃から15℃に7℃も低下していたが、本初の場合は室温が22℃から19℃に3℃の低下に抑えられている。このため室温の低下をできるだけ抑制し、ユーザーの不快感を低減している。
このように除霜運転を頻繁に行うようにするため、空気調和機では除霜運転禁止期間が設定された場合、除霜運転開始条件を従来の空気調和機よりも除霜運転を開始しやすいように変更している。例えば、前述した従来の除霜運転開始条件のパラメータにおける各閾値を、圧縮機1の運転積算時間が35分以上から20分以上に、また、外気温が−10℃以上の場合、室外熱交換器5の温度が−17℃以下から−13℃以下に、また、外気温が−10℃未満の場合、室外熱交換器5の温度が−20℃以下から−17℃以下にそれぞれ変更して使用している。なお、これらの条件は実験等により最適な値を事前に求めておく。
また、強制除霜運転開始時刻から除霜運転を行った場合、除霜運転の停止から暖房運転を再開する時、一時的に室温の設定温度(目標温度)を設定値よりも高めに、例えば室温が22℃の設定であれば、これより2℃だけ高い24℃として運転している。これはユーザーが設定した除霜運転禁止期間が40分以上のように比較的長い場合、気象条件によっては、除霜運転禁止期間に除霜運転を開始しなければならない場合が発生する。この時、除霜運転によるユーザーの不快感を低減するため、室温を事前に高めにするためである。
なお、本実施例では前述のように、除霜運転を頻繁に行うように除霜運転開始条件を従来とは異なった値にしている。さらにこれに加えて、除霜運転禁止期間中はできるだけ除霜運転を行わないようにするため、除霜運転開始条件を一時的に変更するようにしてもよい。例えば、本発明による除霜運転開始条件を第一の除霜運転開始条件に、また、従来における除霜運転開始条件を第二の除霜運転開始条件と定義した場合、除霜運転禁止期間中(この場合は除霜運転に制限を加えるという意味で除霜運転制限期間中)は第二の除霜運転開始条件に、また、除霜運転禁止期間中(除霜運転制限期間)以外を第一の除霜運転開始条件に、それぞれ切り換えるようにする。
また、本実施例ではタイマー運転の機能を用いている場合に本発明の運転制御を行うこととして説明しているが、これに限るものでなく、タイマー運転以外の通常運転時においても本発明による運転制御を行ってもよい。
以上説明したように、暖房運転時に除霜運転禁止期間の開始時刻より所定時間前に除霜運転を強制的に実施するようにしたので、次に除霜運転を行うまでの時間を長くして、除霜運転禁止期間中の除霜運転開始を遅らせ、除霜運転による室温の低下を軽減させることができる。
次に、空気調和機の除霜運転に関する処理を図4に示す室内機20の処理と図5に示す室外機10の処理とを表すそれぞれのフローチャートを用いて説明する。図4及び図5に記載のSTはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を、また、YはYesを、NはNoをそれぞれ表している。なお、室内機20の処理フローは室内機制御部28、室外機10の処理フローは室外機制御部7のそれぞれの動作ステップを示している。
図4において室内機制御部28は、まず図示しないリモコンからのリモコン信号を受信したか確認する(ST0)。リモコン信号を受信した場合(ST0−Y)、受信信号が除霜運転禁止期間の設定指示か確認する(ST7)。受信信号が除霜運転禁止期間の設定指示の場合(ST7−Y)、除霜運転禁止期間の開始時刻と終了時刻とを室内機制御部28内の図示しない記憶部に記憶する(ST9)。そして、ST0へジャンプする。
受信信号が除霜運転禁止期間の設定指示でない場合(ST7−N)、受信したリモコン信号の指示に従って空気調和機を制御、運転する(ST8)。これは電源オン/オフや暖房/冷房/除湿などの各運転指示や、設定温度の変更、タイマー運転の指定などである。そして、ST0へジャンプする。
一方、リモコン信号を受信していない場合(ST0−N)、ユーザーが設定したタイマー運転の設定があるか確認し、設定がある場合は設定された時刻に所定の動作を行う(ST1)。次に室外機10からの通信が有るか確認する(ST2)。室外機10からの通信が無い場合(ST2−N)、除霜運転禁止期間の設定が既に行われているか確認する(ST3)。除霜運転禁止期間の設定が既に行われている場合(ST3−Y)、除霜運転禁止期間の開始10分(所定時間)前、つまり、強制除霜運転開始時刻か確認する(ST4)。強制除霜運転開始時刻の場合(ST4−Y)、室外機へ除霜運転開始(強制除霜運転)を通信により指示する(ST5)。そして、ST0へジャンプする。
一方、室外機10からの通信が有る場合(ST2−Y)、室外機10からの通信内容に従った処理を実施する(ST6)。これは例えば圧縮機1の異常などのエラー情報、室外機10での消費電力値や暖房運転モードで運転中に除霜運転が開始/終了された場合などである。エラー情報などの場合は運転を中止して室内機20の表示部26を介してユーザーに対してエラーの発生を報知する。暖房運転モードで運転中に除霜運転が開始された場合は、室内機ファンモータ27の回転数を低下させ、表示部26を介してユーザーに対して除霜運転中であることを報知する。また、除霜運転が解除された場合は、暖房運転に復帰する。このような処理を行った後、ST0へジャンプする。
また、除霜運転禁止期間の設定が行われていない場合(ST3−N)、及び強制除霜運転開始時刻でない場合(ST4−N)は、それぞれST0へジャンプする。
次に室外機10の制御について説明する。図5において室外機制御部7は、常に交信している室内機20からの指示データを受信したか確認する(ST21)。室内機20からの指示をデータを受信していない場合(ST21−N)、次に現在、室内機20からの指示を処理中か確認する(ST22)。室内機20からの指示を処理中でない場合(ST22−N)、運転指示待ちであるため、ST21へジャンプする。
室内機20からの指示を処理中である場合(ST22−Y)、つまり、冷房/暖房/除湿/除霜のいずれかの運転モードで有る場合、次に暖房運転モードで運転中であるか確認する(ST23)。暖房運転モードで運転中でない場合(ST23−Y)、ST21へジャンプする。暖房運転モードで運転中である場合(ST23−Y)、除霜運転の開始/停止条件である外気温と室外熱交換器5の温度の入力、別途記憶している圧縮機1の運転積算時間を読み出しを行う(ST24)。
次に除霜運転中か確認する(ST25)。除霜運転中でない場合(ST25−N)、室内機20からの強制除霜運転開始の指示が有るか確認する(ST26)。室内機20からの強制除霜運転開始の指示が無い場合(ST26−N)、除霜運転開始の条件が成立したか確認する(ST27)。
除霜運転開始の条件が成立した場合(ST27−Y)、暖房運転を中止した後、除霜運転を開始する(ST28)。次に除霜運転を開始した旨を室内機20へ送信する(ST29)。そして、ST21へジャンプする。
一方、室内機20からの強制除霜運転開始の指示が有る場合(ST26−Y)、除霜運転開始の条件に係わらずに除霜運転を開始するためST28へジャンプする。
一方、除霜運転開始の条件が成立しない場合(ST27−N)、ST21へジャンプする。
一方、除霜運転中である場合(ST25−Y)、除霜運転停止条件が成立したか確認する(ST30)。除霜運転停止条件が成立していない場合(ST30−N)、ST21へジャンプする。また、除霜運転停止条件が成立した場合(ST30−Y)、除霜運転を停止後、暖房運転を再開する(ST31)。次に除霜運転を停止し、暖房運転を再開した旨を室内機20へ送信する(ST32)。そして、ST21へジャンプする。
一方、室内機20からの指示を受信した場合(ST21−Y)、受信した指示が強制除霜運転開始であるか確認する(ST33)。受信した指示が強制除霜運転開始である場合(ST33−Y)、強制除霜運転開始の指示を記憶する(ST34)。そしてST23へジャンプする。受信した指示が強制除霜運転開始でない場合(ST33−N)、受信した指示に従って室外機10を運転する(ST35)。そして、ST21へジャンプする。
なお、受信した指示とは、冷房/暖房/除湿/除霜のいずれかの運転モードでの運転開始や停止、圧縮機の運転能力の増減などである。
なお、前述したように、図5のステップ27において、室外機制御部7は、暖房運転時における除霜運転禁止期間(除霜運転制限期間)以外の期間に除霜運転開始条件を第一の除霜運転開始条件に切り換え、暖房運転時における除霜運転禁止期間(除霜運転制限期間)に第二の除霜運転開始条件に切り換えて除霜運転開始を判断するようにしてもよい。なお、除霜運転禁止期間(除霜運転制限期間)の開始/終了のタイミングは、室内機制御部28の時計機能を用いて検出し、このタイミング情報を室内機20から室外機10へ送信することで、室外機10側で除霜運転禁止期間(除霜運転制限期間)を認識可能である。
このような構成により、暖房運転時における除霜運転制限期間以外の期間は除霜運転を開始し易く(除霜運転頻度を高く)して、除霜運転時間を短くすることで室温の低下を軽減し、暖房運転時における除霜運転制限期間は除霜運転の開始をしにくく(除霜運転頻度を低く)して、除霜運転の開始をできるだけ遅らせ、除霜運転制限期間における室温の低下を遅らせることができる。
また、図4のステップ5において、タイマー運転の設定が有る時のみ『室外機へ除霜運転開始を指示』するステップを実行するようにし、タイマー運転の設定が無い場合は指示するステップを行わないようにしてもよい。
このような構成により、タイマー運転中にのみ除霜運転禁止期間や除霜運転制限期間を有効にするため、タイマー運転を利用した定型的な生活パターンにより除霜運転禁止/制限期間が限定されるため、除霜運転禁止/制限期間の設定や解除をその都度操作する必要がなく、タイマー運転に連動して除霜運転禁止/制限期間を設定でき、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
1 圧縮機
2 四方弁
3 室内熱交換器
4 電子膨張弁
5 室外熱交換器
6 アキュムレータ
7 室外機制御部
8 外気温センサ
9 室外熱交換器温度センサ
10 室外機
12 室外機ファンモータ
13 室外機電源部
16 圧縮機駆動部
17 圧縮機モータ
20 室内機
21 通信線
22 リモコン受信部
23 室内機電源部
24 電源供給リレー
25 電源線
26 表示部
27 室内機ファンモータ
28 室内機制御部

Claims (3)

  1. 圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器と制御部とを備え、少なくとも暖房運転と除霜運転が可能な空気調和機において、
    前記制御部は、前記除霜運転を禁止する除霜運転禁止期間の開始時刻を予め記憶するとともに経過時刻を監視し、前記空気調和機が前記暖房運転中に前記除霜運転禁止期間の開始時刻から所定時間前の時刻に達したとき前記除霜運転を強制的に実行することを特徴とする空気調和機。
  2. 圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器と制御部と外気温を検出する外気温センサと前記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサとを備え、少なくとも暖房運転と除霜運転が可能な空気調和機において、
    前記制御部は、前記除霜運転を制限する除霜運転制限期間と、少なくとも外気温度、前記室外熱交換器温度、前記圧縮機の運転積算時間の各パラメータに基づいて設定した第一の除霜運転開始条件及び第二の除霜運転開始条件として設定され、かつ、前記第一の除霜運転開始条件は前記第二の除霜運転開始条件よりも前記除霜運転に入る頻度が高くなるように前記各パラメータの閾値を設定した除霜運転開始条件を予め記憶するとともに経過時刻を監視し、
    前記制御部は前記空気調和機が前記暖房運転中の前記除霜運転制限期間以外の期間は前記第一の除霜運転開始条件に基づいて、また前記除霜運転制限期間は前記第二の除霜運転開始条件に基づいて前記除霜運転を実行することを特徴とする空気調和機。
  3. 前記空気調和機は予め設定したスケジュールに従って運転するタイマー運転機能を備え、前記暖房運転は前記タイマー運転機能によるタイマー運転であることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の空気調和機。
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