JP2012046775A - 金属単原子層被覆材料及びその製造方法 - Google Patents

金属単原子層被覆材料及びその製造方法 Download PDF

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雄二 上高
Tomohiro Takeshita
朋洋 竹下
Akinori Jinnai
亮典 陣内
Tatsuya Hatanaka
達也 畑中
Masaya Kawakado
昌弥 川角
Tomo Morimoto
友 森本
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Abstract

【課題】基材表面が金属単原子層で被覆された金属単原子層被覆材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】親和力、融点及び蒸発温度に関して所定の関係を満たす第1の基材及び被覆金属を、金属単原子層が形成されるように密閉容器内に封入する封入工程と、密閉容器を、各被覆金属の真空での蒸発温度の最大値TMb以上、各第1の基材と各被覆金属とが反応する温度の最小値及び密閉容器の耐熱温度の内のいずれか低い方の温度以下で加熱した後、冷却し、第1の基材の表面を被覆金属からなる金属単原子層で被覆する被覆工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属単原子層被覆材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、板材、粉末などの種々の形状を有する基材の表面を金属単原子層で被覆した金属単原子層被覆材料及びその製造方法に関する。
メッキ、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)などの表面処理は、一般に、基材表面を異種材料で被覆することによって、基材の性質を維持したまま、基材表面の性質のみを改変するために行われる場合が多い。一方、この種の表面処理は、高価な材料の使用量の低減や利用率の向上のために利用される場合もある。
例えば、燃料電池用電極触媒には、一般に、比表面積の高いカーボン粉末に、粒子径数ナノメートルのPtあるいはPt合金を担持した触媒(Pt担持カーボン(Pt/C))が利用されている。Pt/C触媒は、Pt粒子の表面近傍にある原子のみが触媒として機能するため、高価なPtの利用率が低いという問題がある。そのため、Ptの使用を粒子表面から数原子層に限り、粒子内部を別の材料で代替する技術も提案されている。
このような表面処理技術に関しては、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、陰極上に基層を設置し、陰極−陽極間でグロー放電を生じさせながら、抵抗加熱等を用いて原料を昇華させ、より温度の低い基層表面に原料を凝縮させる方法が開示されている。
同文献には、チェンバー表面の温度を(チェンバー表面に沈積した)原料の再昇華のために十分に高くし、かつ、基層の温度を原料の昇華温度より低くすると、原料が基層の上に永久的に沈積される点が記載されている。
また、非特許文献1、2には、アンダーポテンシャルデポジション(UPD)法を用いて、Pd微粒子表面にCuを単原子層で被覆する方法が開示されている。
ここで、UPD法とは、金属イオンの熱力学的平衡電位よりもプラス側において、溶液中の金属イオンを単原子層以下で異種下地金属電極上に電析させる方法をいう。
また、特許文献2には、Pt/Pd合金をポリテトラフルオロエチレンで結着させ、これを多孔質炭素板の片面(電解質側)に塗布して電極とし、この電極をPdCl2の1mM水溶液に浸漬し、水溶液中に液相還元剤(ギ酸ナトリウム)を加えて還元処理することにより得られる燃料電池用電極が開示されている。
同文献には、このような方法により、電極表面にPbを吸着させることができる点が記載されている。
さらに、特許文献3には、純粋タングステン材に対し、真空雰囲気中でイオン源から引き出されたタングステンよりも仕事関数の低い金属(例えば、Ba、Zr、Th、Cs等)のイオンを照射する方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、純粋タングステン材の表面に単原子層を形成することができる点が記載されている。
貴金属のような高価な元素の使用量を低減するには、基材表面を金属単原子層で被覆するのが好ましい。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、基材表面を金属単原子層で被覆することはできない。
これは、
(1)密閉容器内に投入する金属量が規定されていないため、及び、
(2)基材と金属(原料)との間に温度差があるため、蒸発した金属が基材に到達する前に凝集するため、である。
一方、UPD法を用いると、基材表面に金属単原子層を形成することができる。
しかしながら、UPD法は、
(1)UPDが生じる基材と金属の組み合わせは限られているため、UPDが起こらない材料の表面には、金属を担持することができない、
(2)電気化学プロセスを利用するため、基材が電気伝導性を有している必要がある、
(3)大量に処理することが難しい、
(4)電気化学プロセスを利用するため、基材を電極付近に設置する必要がある、
等の問題がある。
さらに、特許文献2の方法は、液相中での還元であるため、液と接触する部分のみがPbで被覆され、液と接触しない部分はPbで被覆されないという問題がある。
また、特許文献3の方法は、イオンが照射される方向を向いている面のみが金属で被覆され、影になっている部分は被覆されにくいという問題がある。
特開平08−134652号公報 特開平09−027327号公報 特開平01−137536号公報
S.R.Brankovic, et al., Surf.Sci., 474, L173(2001) J.Zhang, et al., J.Phys.Chem. B, 108, 10955(2004)
本発明が解決しようとする課題は、基材表面の50%以上が金属単原子層で被覆された金属単原子層被覆材料及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、基材と被覆金属の材料、及び、これらの組み合わせに関する制約が少ない金属単原子層被覆材料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る金属単原子層被覆材料は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記金属単原子層被覆材料は、
1種又は2種以上の第1の基材と、
前記第1の基材の表面を被覆する1種又は2種以上の被覆金属からなる金属単原子層と
を備えている。
(2)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(1)式の関係を満たす。
S-M>AM-M ・・・(1)
但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最小値。
M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
(3)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(2)式の関係を満たす。
Sm>TMb ・・・(2)
但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
(4)前記第1の基材の総表面積に対する前記金属単原子層の面積の割合は、50%以上である。
(5)前記第1の基材は、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属リン化物、金属硫化物、及び、貴金属から選ばれるいずれか1以上からなり、
前記金属単原子層を構成する前記被覆金属は、Al、Ag、Ba、Bi、Ca、Cd、Ga、Ge、In、Mg、Pb、Sb、Se、Sn、Te、Tl、及び、Znから選ばれるいずれか1以上からなる。
本発明に係る金属単原子層被覆材料の製造方法は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記金属単原子層被覆材料の製造方法は、
1種又は2種以上の第1の基材と、1種又は2種以上の被覆金属とを、密閉容器内に封入する封入工程と、
前記密閉容器を、前記各被覆金属の真空での蒸発温度の最大値TMb以上、前記各第1の基材と前記各被覆金属とが反応する温度の最小値及び前記密閉容器の耐熱温度の内のいずれか低い方の温度以下で加熱した後、冷却し、前記第1の基材の表面を前記被覆金属からなる金属単原子層で被覆する被覆工程と
を備えている。
(2)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(1)式の関係を満たす。
S-M>AM-M ・・・(1)
但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最小値。
M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
(3)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(2)式の関係を満たす。
Sm>TMb ・・・(2)
但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
(4)前記密閉容器内に封入する前記各被覆金属の総量mは、次の(3.1)式〜(3.4)式の関係を満たす。
0=SS×mS×Wapp/{πrM,app 2×(π/2√3)×NA}+mc ・・・(3.1)
0.5≦m/m0≦1.5 ・・・(3.2)
app=Σxi×Wi ・・・(3.3)
M,app=Σxi×rMi ・・・(3.4)
但し、SSは、前記第1の基材(S)の単位質量当たりの表面積(比表面積)。
Sは、前記第1の基材(S)の質量。
Cは、前記密閉容器(C)の内壁面への蒸着が無視できないときの追加投入量。
appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子量。
iは、i番目の前記被覆金属(M)の原子量。
M,appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子半径。
Miは、i番目の前記被覆金属(M)の原子半径。
iは、i番目の前記被覆金属(M)のモル分率。
Aは、アボガドロ数。
(5)前記第1の基材は、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属リン化物、金属硫化物、及び、貴金属から選ばれるいずれか1以上からなり、
前記金属単原子層を構成する前記被覆金属は、Al、Ag、Ba、Bi、Ca、Cd、Ga、Ge、In、Mg、Pb、Sb、Se、Sn、Te、Tl、及び、Znから選ばれるいずれか1以上からなる。
第1の基材及び被覆金属として(1)式及び(2)式の条件を満たすものを用い、これらを密閉容器に封入して所定の温度に加熱した後、冷却すると、第1の基材表面に優先的に被覆金属を析出させることができる。この時、(3.1)式〜(3.4)式を満たすように、被覆金属の封入量を最適化すると、第1の基材表面の50%以上に被覆金属からなる単原子層を形成することができる。
本発明に係る方法は、UPD法のような電気化学プロセスを用いないので、第1の基材及び被覆金属の材料、並びに、これらの組み合わせに関する制約が少ない。また、第1の基材を大量に処理することも容易であり、第1の基材を電極付近に設置する必要もない。
図1(a)は、被覆金属及び第1の基材が封入された密閉容器の概略図である。図1(b)は、第1の基材表面に金属単原子層が析出する原理を説明するための概念図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 金属単原子層被覆材料]
本発明に係る金属単原子層被覆材料は、第1の基材と、第1の基材表面を被覆する金属単原子層とを備えている。
[1.1. 第1の基材]
第1の基材は、後述する(1)式及び(2)式の関係が成り立つ材料である必要がある。第1の基材のその他の点については、特に限定されるものではなく、種々の材料を第1の基材として用いることができる。例えば、第1の基材は、導電材料であっても良く、あるいは、絶縁材料であっても良い。また、第1の基材の形状は、板、棒などのバルク体であっても良く、あるいは、粒子であっても良い。
第1の基材が粒子である場合、その粒径は特に限定されるものではない。すなわち、粒子は、粒径が10μm〜1mmの粗粒子であっても良く、あるいは、粒径が1nm〜10μmの微粒子であっても良い。ここで、「粒径」とは、粒子の投影面積に等しい面積を持つ円の直径(円相当径)をいう。
第1の基材として使用可能な材料としては、例えば、
(1)TiO2、NbドープTiO2、SiO2、Al23、TiO2、MnO2、ZrO2、NbO2、MoO3、AgO、SnO2、CeO2及びWO3、並びに、これらのいずれか1以上を含む複合酸化物(例えば、Nb-TiO2、MgAl24、BaTiO3など)などの金属酸化物、
(2)B4C、SiC、TiC、VC、CrC、MnC、FeC、CoC、NiC、ZrC、NbC、TaC、WCなどの金属炭化物、
(3)TiB2、VB、CrB2、MnB2、FeB、NiB2、ZrB2、NbB2、MoB2、HfB2、TaB2、WB2などの金属ホウ化物、
(4)BN、AlN、TiN、VN、CrN、FeN、GaN、ZrN、NbN、HfN、TaN、W2Nなどの金属窒化物、
(5)TiSi2、VSi2、CrSi2、FeSi2、NiSi2、ZrSi2、NbSi2、MoSi2、HfSi2、TaSi2、W5Si3、WSi2などの金属ケイ化物、
(6)TiP、VP、CrP、MnP、NbP、MoP、TaP、Ir2Pなどの金属リン化物、
(7)Al23、SiS2、TiS2、VS2、Cr23、MnS2、FeS2、CoS2、NiS2、ZrS2、NbS2、MoS2、HfS2、TaS2、WS2などの金属硫化物、
(8)Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Au、Ptなどの貴金属、
などがある。
後述の(1)式及び(2)式の条件を満たす限りにおいて、第1の基材は、これらのいずれか1種を含むものでも良く、あるいは、2種以上を含む混合物でも良い。
[1.2. 金属単原子層]
金属単原子層は、1種又は2種以上の被覆金属からなる。金属単原子層を構成する被覆金属は、後述する(1)式及び(2)式の関係が成り立つ材料である必要がある。被覆金属のその他の点については、特に限定されるものではなく、種々の材料を被覆金属として用いることができる。
被覆金属として使用可能な材料としては、例えば、Al、Ag、Ba、Bi、Ca、Cd、Ga、Ge、In、Mg、Pb、Sb、Se、Sn、Te、Tl、Znなどがある。これらは、いずれも真空での蒸発温度が相対的に低いので、被覆金属として好適である。
後述の(1)式及び(2)式を満たす限りにおいて、被覆金属は、これらのいずれか1種のみを含む純金属であっても良く、あるいは、2種以上を含む合金又は混合物であっても良い。
ここで、「金属単原子層」とは、原子1個分の厚みを持ち、第1の基材表面を二次元充填してできる層をいう。金属単原子層は、理想的には、金属原子が最密充填するように二次元配列した層であって、単原子層領域のみからなるものが好ましい。しかしながら、金属単原子層は、最密充填以外の規則配列状態で金属原子が二次元充填されていても良い。また、金属単原子層は、空孔、転位などの格子欠陥が含まれていても良い。
さらに、金属単原子層は、理想的には、第1の基材の全表面を被覆しているのが好ましいが、第1の基材表面が露出している領域、あるいは、部分的に厚さ方向に2個以上の金属原子が積み重なっている領域(多原子層領域)が含まれていても良い。
但し、第1の基材表面が露出している領域、あるいは、多原子層領域の割合が多くなり過ぎると、種々の問題(例えば、高価な金属の使用量の増大など)が生ずる場合がある。従って、第1の基材の総表面積に対する金属単原子層の面積の割合は、50%以上である必要がある。単原子層領域の面積の割合は、さらに好ましくは、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、あるいは、99%以上である。
[1.3. 親和力]
各第1の基材と、金属単原子層を構成する各被覆金属との間には、次の(1)式の関係が成り立つ必要がある。
S-M>AM-M ・・・(1)
但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)と前記各被覆金属(M)との間の親和力の最小値。
M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
(1)式は、第1の基材−被覆金属間の親和力と、被覆金属−被覆金属間の親和力との間の関係を表す。後述する方法を用いる場合において、(1)式の関係を満たすときには、蒸発させた被覆金属を第1の基材表面に優先的に析出させることができる。
第1の基材が2種以上の材料を含む混合物である場合、及び/又は、被覆金属が2種以上の金属元素を含む合金又は混合物である場合、各第1の基材−各被覆金属間の親和力の最小値と、同一被覆金属間又は異なる被覆金属間の親和力の最大値との間に、(1)式の関係が成り立っていればよい。
ここで、「親和力」とは、金属−基材間、あるいは金属−金属間の結合の強さ(親和力)をいい、物性値としては、表面自由エネルギーがこれに相当する。いくつかの材料の表面自由エネルギーの値は、知られている(例えば、「コロイド科学I 基礎および分散・吸着」日本化学会編、東京化学同人発行、p.62〜76参照)。また、表面自由エネルギーの大きさは、第1原理計算により求めることもできる(例えば、Q.Jiang et al., J.Phys.:Condens.Matter, 16, 521-530(2004)参照)。
[1.4. 蒸発温度]
各第1の基材と、金属単原子層を構成する各被覆金属との間には、次の(2)式の関係が成り立つ必要がある。
Sm>TMb ・・・(2)
但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
(2)式は、第1の基材の融点と、被覆金属の真空での蒸発温度との間の関係を表す。後述する方法を用いる場合において、(2)式の関係を満たすときには、第1の基材を溶融させることなく、蒸発させた被覆金属を第1の基材表面に優先的に析出させることができる。
第1の基材が2種以上の材料を含む混合物である場合、及び/又は、被覆金属が2種以上の金属元素を含む合金又は混合物である場合、各第1の基材の融点の最小値と、各被覆金属の真空での蒸発温度の最大値との間に、(2)式の関係が成り立っていれば良い。
各種の金属の真空での蒸発温度は、文献(例えば、「最新 表面処理技術総覧」、最新表面技術総覧編集委員会編、産業技術サービスセンター発行、p900)に記載されている。
[1.5. 第2の基材]
金属単原子層被覆材料は、その表面が金属単原子層で被覆された第1の基材のみからなるものでも良く、あるいは、これに加えて、金属単原子層で被覆されていない第2の基材をさらに含んでいても良い。
第1の基材と第2の基材の双方を含む場合としては、例えば、
(1)金属単原子層で被覆された第1の基材と、金属単原子層で被覆されていない第2の基材との混合物である場合、
(2)金属単原子層で被覆されていない第2の基材の表面に、金属単原子層で被覆された第1の基材が担持されている場合、
などがある。
ここで、「第2の基材」とは、被覆金属との間に、上述した(1)式の関係を満たさず、かつ、(2)式の関係を満たす材料をいう。後述するように、第1の基材及び第2の基材の双方を含む材料に対して本発明に係る方法を適用すると、表面が金属単原子層で被覆された第1の基材と、表面が金属単原子層で被覆されていない第2の基材とを含む材料が得られる。
第2の基材として使用可能な材料としては、例えば、カーボン、SiO2、TiO2、炭化水素系ポリマー、フッ素系ポリマーなどがある。また、被覆金属との間で(1)式の関係を満たさない限りにおいて、第1の基材として例示した各種の材料を第2の基材として用いることができる。
上述した条件を満たす限りにおいて、第2の基材は、これらのいずれか1種を含むものでも良く、あるいは、2種以上を含む混合物でも良い。
第2の基材を含む材料の場合、金属単原子層被覆材料全体に占める第2の基材の割合は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
[1.6. 第1の基材、第2の基材及び被覆金属の組み合わせ]
上述した第1の基材、第2の基材及び被覆金属の具体例は、いずれも、その組み合わせに応じて(1)式及び(2)式の関係を満たす場合がある。
特に好ましい第1の基材/被覆金属の組み合わせとしては、例えば、
(1)NbドープTiO2/Zn、TiO2/Zn、TiO2/Se、Pd/Zn、
(2)金属炭化物/Zn、金属炭化物/Se、金属炭化物/Te、金属炭化物/Bi、
(3)金属ホウ化物/Zn、金属ホウ化物/Se、金属ホウ化物/Te、金属ホウ化物/Bi、
(4)金属窒化物/Zn、金属窒化物/Se、金属窒化物/Te、金属窒化物/Bi、
(5)金属ケイ化物/Zn、金属ケイ化物/Se、金属ケイ化物/Te、金属ケイ化物/Bi、
(6)金属リン化物/Zn、金属リン化物/Se、金属リン化物/Te、金属リン化物/Bi、
(7)金属硫化物/Zn、金属硫化物/Se、金属硫化物/Te、金属硫化物/Bi
などがある。
特に好ましい第1の基材/第2の基材/被覆金属の組み合わせとしては、例えば、
(1)Pd/カーボン/Zn、Cu/カーボン/Zn、Ru/カーボン/Zn、Ag/カーボン/Zn、Au/カーボン/Zn、
(2)Cu/カーボン/Se、Ru/カーボン/Se、Ag/カーボン/Se、Au/カーボン/Se、
(3)Cu/カーボン/Te、Ru/カーボン/Te、Ag/カーボン/Te、Au/カーボン/Te、
(4)Cu/カーボン/Bi、Ru/カーボン/Bi、Ag/カーボン/Bi、Au/カーボン/Bi、
などがある。
[2. 金属単原子層被覆材料の製造方法]
本発明に係る金属単原子層被覆材料の製造方法は、封入工程と、被覆工程とを備えている。
[2.1. 封入工程]
封入工程は、1種又は2種以上の第1の基材と、1種又は2種以上の被覆金属とを、密閉容器内に封入する工程である。
[2.1.1. 第1の基材]
第1の基材の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.2. 被覆金属]
被覆金属の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.3. 親和力]
密閉容器内に封入される各第1の基材と、金属単原子層を構成する各被覆金属との間には、親和力に関し、次の(1)式の関係が成り立つ必要がある。
S-M>AM-M ・・・(1)
但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最小値。
M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
(1)式の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.4. 蒸発温度]
密閉容器内に封入される各第1の基材と、金属単原子層を構成する各被覆金属との間には、蒸発温度に関し、次の(2)式の関係が成り立つ必要がある。
Sm>TMb ・・・(2)
但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
(2)式の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.5. 被覆金属の投入量]
密閉容器内に封入する各被覆金属の総量mは、次の(3.1)式〜(3.4)式の関係を満たす必要がある。
0=SS×mS×Wapp/{πrM,app 2×(π/2√3)×NA}+mc ・・・(3.1)
0.5≦m/m0≦1.5 ・・・(3.2)
app=Σxi×Wi ・・・(3.3)
M,app=Σxi×rMi ・・・(3.4)
但し、SSは、前記第1の基材(S)の単位質量当たりの表面積(比表面積)。
Sは、前記第1の基材(S)の質量。
Cは、前記密閉容器(C)の内壁面への蒸着が無視できないときの追加投入量。
appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子量。
iは、i番目の前記被覆金属(M)の原子量。
M,appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子半径。
Miは、i番目の前記被覆金属(M)の原子半径。
iは、i番目の前記被覆金属(M)のモル分率。
Aは、アボガドロ数。
(3.1)式の右辺第1項は、第1の基材の全表面を理想的な金属単原子層(金属原子が最密充填するように二次元配列した層)で被覆するのに必要な被覆金属の投入量の理論値を表す。
第1の基材が複数の材料の混合物である場合、Ssは、複数の材料全体の比表面積を表す。
被覆金属が複数の金属元素からなる合金又は混合物である場合、Wappは、複数の金属元素(原子量:Wi、i=1、2…n)の見かけの原子量を表し、rM,appは、複数の金属原子(原子半径:rMi、i=1、2…n)の見かけの原子半径を表す。
(3.1)式の右辺第2項(mC)は、密閉容器の内壁面への蒸着が無視できないときの被覆金属の追加投入量を表す。
例えば、第1の基材が粒子である場合、粒子の総表面積は、通常、密閉容器の内壁の総面積に比べて著しく大きくなる。このような場合、密閉容器の内壁面と被覆金属との間の親和力が大きい場合であっても、密閉容器の内壁面への蒸着を無視して良い(すなわち、mC=0として良い)。
これに対し、第1の基材が板、棒などのバルク体である場合、密閉容器の内壁面への蒸着を考慮する必要がある。
例えば、密閉容器(C)の内壁面と被覆金属(M)との間の親和力AC-Mが被覆金属間の親和力の最大値AM-Mより小さい場合、第1の基材表面への蒸着が優先的に起こる。従って、この場合は、密閉容器の内壁面への蒸着を無視して良い(すなわち、mC=0として良い)。
一方、AC-MがAM-Mより大きい場合、第1の基材表面への蒸着と密閉容器内壁面への蒸着が競合する。この場合は、密閉容器内壁面への蒸着を考慮して被覆金属の投入量を補正する必要がある。密閉容器内壁面の総面積をSTとすると、密閉容器の内壁面を理想的な金属単原子層で被覆するのに必要な追加投入量mCは、(3.5)式で表される。
C=ST×Wapp/{πrM,app 2×(π/2√3×NA)} ・・・(3.5)
(3.2)式は、第1の基材の表面を50%以上を金属単原子層で被覆するのに必要な被覆金属の投入量mを表す。
mが少なすぎると、第1の基材が露出している領域の面積が多くなる。従って、m/m0は、0.5以上である必要がある。m/m0は、さらに好ましくは、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、0.95以上、あるいは、0.99以上である。
一方、mが大きすぎると、多原子層領域の面積率が大きくなる。従って、m/m0は、1.5以下である必要がある。m/m0は、さらに好ましくは、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、1.05以下、あるいは、1.01以下である。
[2.1.6. 第2の基材]
密閉容器には、第1の基材及び被覆金属のみを封入しても良く、あるいは、これらに加えて、(1)式の関係を満たさず、かつ、(2)式の関係を満たす第2の基材をさらに封入しても良い。
第2の基材の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.7. 密閉容器]
密閉容器の材料・構造は、特に限定されるものではなく、容器内を所定の雰囲気に維持できるものであればよい。密閉容器としては、例えば、石英管などがある。
[2.1.8. 封入]
第1の基材、被覆金属、及び、必要に応じて用いられる第2の基材は、密閉容器内に封入される。密閉容器内の雰囲気は、被覆金属の気化及び第1の基材表面への蒸着が可能な雰囲気であれば良い。また、密閉容器内に気体を封入する場合、気体は、被覆金属と反応しない気体に限られる。例えば、水素、酸素、窒素などの反応性のある気体は、被覆金属と反応するので、使用することができない。密閉容器内の雰囲気としては、例えば、真空、Arガス雰囲気などがある。
第1の基材、被覆金属、及び、第2の基材の密閉容器内での配置は、特に限定されるものではなく、各材料の形状、大きさ等に応じて、最適な配置を選択すれば良い。
[2.2. 被覆工程]
被覆工程は、前記密閉容器を、前記各被覆金属の真空での蒸発温度の最大値TMb以上、前記各第1の基材と前記各被覆金属とが反応する温度の最小値及び前記密閉容器の耐熱温度の内のいずれか低い方の温度以下で加熱した後、冷却し、前記第1の基材の表面を前記被覆金属からなる金属単原子層で被覆する工程である。
[2.2.1. 加熱温度]
加熱温度は、各被覆金属の真空で蒸発温度の最大値TMb以上である必要がある。2種以上の被覆金属を気化させる場合において、加熱温度がTMbより低いと、一部の被覆金属のみが気化され、すべての被覆金属を気化させることができない。
また、加熱温度は、各第1の基材と各被覆金属とが反応する温度の最小値及び密閉容器の耐熱温度の内のいずれか低い方の温度以下である必要がある。加熱温度がいずれかの第1の基材といずれかの被覆金属との反応温度を超えると、第1の基材と被覆金属とが反応し、被覆金属からなる金属単原子層を形成することができない。また、加熱温度が密閉容器の耐熱温度を超えると、密閉容器が破損し、金属単原子層を形成することができない。例えば、密閉容器として石英管を用いる場合、加熱温度は、1000℃以下が好ましい。
[2.2.2. 冷却]
密閉容器内で被覆金属を蒸発させた後、冷却すると、第1の基材の表面を被覆金属からなる金属単原子層で被覆することができる。この時、金属単原子層を形成するためには、加熱により気化した金属を準平衡条件になるようにゆっくりと冷却するのが好ましい。すなわち、冷却速度は、金属が第1の基材の表面を被覆するのに十分な時間が与えられるような速度であればよい。急冷すると、中空にある金属蒸気が第1の基材表面に析出する前に凝集するので好ましくない。冷却速度は、被覆金属の種類にもよるが、90℃/h以下が好ましい。
[3. 金属単原子層被覆材料及びその製造方法の作用]
図1(a)に示すように、密閉容器内に被覆金属及び第1の基材を封入(例えば、真空封入)する。次いで、被覆金属を加熱により蒸発させた後、冷却すると、第1の基材の表面に被覆金属が析出する。この場合において、各被覆金属と各第1の基材の親和力の最小値AS-Mが被覆金属同士の親和力の最大値AM-Mよりも大きいときには、熱力学的に被覆金属が第1の基材上に析出する上限の温度は、被覆金属の上にさらに被覆金属が析出する温度よりも高いと考えられる。
そのため、加熱により気化した被覆金属を、準平衡条件となるようにゆっくりと冷却すれば、図1(b)に示すように、被覆金属は、第1の基材表面を単層で被覆する。析出した被覆金属の上にさらに被覆金属が析出するのは、その後になると考えられる。
従って、系に投入する被覆金属の量を、第1の基材の表面を単原子層で被覆するのに必要かつ十分な量とすれば、後者の析出は起こらず、第1の基材の表面を被覆金属からなる単原子層で被覆することができる。
(実施例1)
[1. 試料の作製]
ニオブドープチタニア粉末と、その表面を単原子層で被覆することが可能な量の亜鉛とを石英管に真空封入した。閉じ切った石英管を500℃で2時間加熱し、炉冷した。
[2. 結果]
電子顕微鏡観察により、亜鉛は、ニオブドープチタニア粉末に単原子層に相当する量で均一に分散していることを確認した。また、一次粒子を亜鉛が均一に被覆していることを確認した。
(実施例2)
[1. 試料の作製]
カーボン担体にパラジウム微粒子を担持した粉末(Pd/C粉末)と、Pd/C粉末中のPd粒子の表面を単原子層で被覆することが可能な量の亜鉛とを石英管に真空封入した。閉じ切った石英管を500℃で2時間加熱し、炉冷した。
[2. 結果]
電子顕微鏡観察により、亜鉛は、Pd/C粉末中のPd粒子に単原子層に相当する量で均一に分散していることを確認した。
(比較例1)
[1. 試料の作製]
カーボン担体と、その表面を単原子層で被覆することが可能な量の亜鉛とを石英管に真空封入した。閉じ切った石英管を500℃で2時間加熱し、炉冷した。
[2. 結果]
亜鉛は、石英管の内表面に凝集して被覆されていることを目視で確認した。亜鉛は、カーボン担体を被覆していないと考えられる。
(実施例3、比較例2)
[1. 試料の作製]
チタニア粉末(白色)と、その表面を単原子層で被覆することが可能な量の亜鉛とを石英管に真空封入した。閉じ切った石英管を500℃で2時間加熱し、炉冷した(実施例3)。比較として、チタニア粉末のみを石英管に封入し、実施例3と同一条件下で加熱及び冷却を行った(比較例2)
[2. 結果]
チタニア粉末のみを封入して熱処理したものは、白色であった。一方、亜鉛と共に封入して熱処理したものは、粉末全体が灰色を帯びていた。亜鉛は、チタニア粉末の表面に均一に分散していると考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る金属単原子層被覆材料の製造方法は、各種の基材表面に金属単原子層を形成する方法として使用することができる。

Claims (6)

  1. 以下の構成を備えた金属単原子層被覆材料。
    (1)前記金属単原子層被覆材料は、
    1種又は2種以上の第1の基材と、
    前記第1の基材の表面を被覆する1種又は2種以上の被覆金属からなる金属単原子層と
    を備えている。
    (2)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(1)式の関係を満たす。
    S-M>AM-M ・・・(1)
    但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最小値。
    M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
    (3)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(2)式の関係を満たす。
    Sm>TMb ・・・(2)
    但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
    Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
    (4)前記第1の基材の総表面積に対する前記金属単原子層の面積の割合は、50%以上である。
    (5)前記第1の基材は、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属リン化物、金属硫化物、及び、貴金属から選ばれるいずれか1以上からなり、
    前記金属単原子層を構成する前記被覆金属は、Al、Ag、Ba、Bi、Ca、Cd、Ga、Ge、In、Mg、Pb、Sb、Se、Sn、Te、Tl、及び、Znから選ばれるいずれか1以上からなる。
  2. 前記第1の基材は、粒子である請求項1に記載の金属単原子層被覆材料。
  3. 前記(1)式の関係を満たさず、かつ、前記(2)式の関係を満たす1種又は2種以上の第2の基材をさらに備えた請求項1又は2に記載の金属単原子層被覆材料。
  4. 以下の構成を備えた金属単原子層被覆材料の製造方法。
    (1)前記金属単原子層被覆材料の製造方法は、
    1種又は2種以上の第1の基材と、1種又は2種以上の被覆金属とを、密閉容器内に封入する封入工程と、
    前記密閉容器を、前記各被覆金属の真空での蒸発温度の最大値TMb以上、前記各第1の基材と前記各被覆金属とが反応する温度の最小値及び前記密閉容器の耐熱温度の内のいずれか低い方の温度以下で加熱した後、冷却し、前記第1の基材の表面を前記被覆金属からなる金属単原子層で被覆する被覆工程と
    を備えている。
    (2)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(1)式の関係を満たす。
    S-M>AM-M ・・・(1)
    但し、AS-Mは、前記各第1の基材(S)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最小値。
    M-Mは、前記各被覆金属(M)−前記各被覆金属(M)間の親和力の最大値。
    (3)前記各第1の基材及び前記各被覆金属は、次の(2)式の関係を満たす。
    Sm>TMb ・・・(2)
    但し、TSmは、前記各第1の基材(S)の融点の最小値。
    Mbは、前記各被覆金属(M)の真空での蒸発温度の最大値。
    (4)前記密閉容器内に封入する前記各被覆金属の総量mは、次の(3.1)式〜(3.4)式の関係を満たす。
    0=SS×mS×Wapp/{πrM,app 2×(π/2√3)×NA}+mc ・・・(3.1)
    0.5≦m/m0≦1.5 ・・・(3.2)
    app=Σxi×Wi ・・・(3.3)
    M,app=Σxi×rMi ・・・(3.4)
    但し、SSは、前記第1の基材(S)の単位質量当たりの表面積(比表面積)。
    Sは、前記第1の基材(S)の質量。
    Cは、前記密閉容器(C)の内壁面への蒸着が無視できないときの追加投入量。
    appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子量。
    iは、i番目の前記被覆金属(M)の原子量。
    M,appは、前記被覆金属(M)の見かけの原子半径。
    Miは、i番目の前記被覆金属(M)の原子半径。
    iは、i番目の前記被覆金属(M)のモル分率。
    Aは、アボガドロ数。
    (5)前記第1の基材は、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属リン化物、金属硫化物、及び、貴金属から選ばれるいずれか1以上からなり、
    前記金属単原子層を構成する前記被覆金属は、Al、Ag、Ba、Bi、Ca、Cd、Ga、Ge、In、Mg、Pb、Sb、Se、Sn、Te、Tl、及び、Znから選ばれるいずれか1以上からなる。
  5. 前記第1の基材は、粒子である請求項4に記載の金属単原子層被覆材料の製造方法。
  6. 前記封入工程は、前記密閉容器に、さらに前記(1)式の関係を満たさず、かつ、前記(2)式の関係を満たす1種又は2種以上の第2の基材をさらに封入するものである請求項4又は5に記載の金属単原子層被覆材料の製造方法。
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