JP2012045816A - 画像形成装置、プレビュー画像処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像形成装置、プレビュー画像処理方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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健 藤田
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康晴 柳村
Tetsuro Kutsuwada
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Abstract

【課題】搭載されたメモリやCPUの処理能力が低くても、ページ記述言語の印刷データをもとにして行うプレビュー表示処理の高速化を可能にする。
【解決手段】イメージデータ、グラフィックスコマンド、文字データを要素とする原印刷データ(例えばPDF)からプレビュー表示用の画像を作成する際、印刷データの要素のうち、既にピクセルで構成されるイメージデータであり、しかもプレビューに有意なイメージデータのみを用いてプレビュー表示用のデータを作成し、原印刷データから画像作成に相当の処理が必要となる文字データはプレビュー表示対象から除く。従来の印刷データの全要素のデータをもとにプレビュー画像を作成する方法と比較して処理量を減らすことができ、メモリやCPUの処理能力が低くても有効性を持つプレビュー画面を高速に生成できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、記憶媒体に保存された印刷データをもとにプリント出力をする機能を持つプリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、より詳しくは、比較的能力の低いデータ処理部により処理対象の画像のプレビューを行えるようにする画像形成装置、プレビュー画像処理方法、プレビュー画像の表示を実行するためのプログラム及び該プログラムを記録した記録媒体に関する。
従来からプリンタドライバを搭載したPC(Personal computer)等のホスト機は、印刷ジョブとしてPDL(ページ記述言語)で表した印刷データ(コマンド)をプリンタ、複合機などの画像形成装置に発行し、画像形成装置は受付けた印刷データをもとに記録用紙に画像を形成する。
印刷ジョブの発行は、ユーザーの操作によって行われるが、その際に利用される機能として、プレビュー機能が従来から知られている。既知のプレビュー機能は、普通、プリンタドライバの1機能に組み込まれて、印刷ジョブの発行の実行指示をする前に、ユーザーが選択した印刷対象や設定した印刷条件を予めサムネイル等の画像をディスプレイで確認できるようにするもので、例えば、特許文献1を従来例として示すことができる。なお、特許文献1は、PC上で働くプレビュー機能の動作条件の設定を変更可能、つまり、PCで画面表示するプレビュー画像について、その処理速度を優先させるか、プレビュー画像の品質を優先させるかの設定を変更することで、ユーザーの使用状況に適応できるようにすることを目的としている。
ところで、上述のプリンタ、複合機等の画像形成装置において、近年、可搬型メディア(SDカード、USBメモリ等)のI/F(インターフェース)が装備されている。このI/Fを装備する利点の1つは、例えば、離隔した場所にあるホスト機とのネットワークがない環境であっても、可搬型メディアを介してこのようなホスト機で作成した印刷データの入力を可能とし、プリント出力が実行できることである。
プリンタ、複合機等の画像形成装置で出力に用いることができる可搬型メディアに保存される印刷データをPDLデータとすることで、メディアダイレクト印刷を行うことが可能になる。
また、プリンタ、複合機等の画像形成装置では、ユーザーが印刷出力を要求する操作を行うときに、可搬型メディアを含め装備された記憶媒体に保存された印刷出力の対象となるPDLデータを当該装置の操作パネル上でプレビュー表示する技術が既に知られている。
このプレビュー機能は、PDLデータを保存する記憶媒体が可搬型メディアである場合、このメディアをプリンタのI/Fに挿入してメディアダイレクト印刷を行うときに、メディア内のPDLファイルの一覧を操作パネルのディスプレイにプレビュー表示し、ユーザーが印刷するファイルを選択できるようになっている。
なお、上記の手法は、主に保存されたPDLデータがPDFファイルである場合に適用されている。また、上記プレビュー機能は、家庭用のインクジェットプリンタやミドルレンジのプリンタに多く搭載されており、例えば、工事現場や工場など、プリンタはあってもPCがなく、プリンタにホスト機としてのPCが接続されていない、といった環境で印刷する場合などによく使われる。この種のプリンタは、ドライバをインストールする作業なしに印刷できることも利点となる。
しかしながら、プリンタ、複合機等の画像形成装置側に搭載した従来のプレビュー機能は、PDLデータをもとにプレビュー表示用のデータを作成するために要する処理時間が、印刷に用いるプリント出力用データの作成に要する時間とほぼ同程度の時間がかかってしまう、という問題があった。これは、プレビュー表示用のデータを作成するときにも、プリント出力用データの作成過程と同様にプリンタレンダリング(描画)を行うためである。
ここで、上記問題が生じる従来のプレビュー表示処理のプロセスを図16〜18を参照して説明する。
図16は、従来のプレビュー表示処理のフローの概要を示す図である。
図16のフローは、プリンタ内のコントローラによって行われる。コントローラは、SDカード、USBメモリ等の可搬型メディアが当該メディアI/Fのコネクタへ装着されると、このフローを起動し、当該メディア内に格納されたPDLデータを受け取ることによりプレビュー表示の処理を開始する。
処理を開始すると、先ず、受け取ったPDLデータを解析する(ステップS11)。この処理は、PDLモジュールによって、PDLデータを、制御コマンド、文字データ、イメージデータ及びグラフィックスコマンドの各要素に分解する(図17、参照)。
次に、プリンタエンジン固有の色表現の特性などの影響を受けるので、意図する色で出力するために原データの色を補正する色処理を行う(ステップS12)。つまり、この色処理によって、プリンタ間での印刷物の色のばらつきやディスプレイに表示した色とプリンタから出力した印刷物との色の差を少なくする(図18、参照)。
次いで、PDLモジュール内の描画モジュールによって、ステップS11で解析された文字、グラフィックス、イメージの各画像を描画する(ステップS13)。この描画処理は、図17に示すように、解析された文字データ、グラフィックスコマンド及びイメージデータそれぞれのデータ内容に対応する処理で描画される。なお、ステップS13の処理は、プリント出力用データの作成プロセスで行う処理と異ならない。
次に、ステップS13で描画処理されたページ画像をRAM(Random Access Memory)に書き込む(ステップS14)。
次に、描画処理されRAMに書き込まれたページ画像を対象に、そのプレビュー要求を発行する(ステップS15)。このプレビュー要求は、PDLモジュールが、ジョブ管理モジュールを通して操作パネル管理モジュールに対して行う。
次いで、プレビュー要求を受け取る操作パネル管理モジュールは、描画処理されたページ画像が表示可能なフォーマットではない場合、表示可能なフォーマットに変換する(ステップS16)。
この後、ステップS16で得られる画像データをもとに操作パネルのディスプレイにプレビュー表示を行い(ステップS17)、この処理フローを終える。
このように、従来のプレビュー表示のデータ処理のプロセスでは、ステップS11〜14が、プリント出力用データの作成過程と同じ処理となって、この処理に主に時間が費やされてしまう。
上述した従来のプレビュー表示処理を採用すると、ハイエンド機やプロダクションプリント機のように、メモリやCPU(Central Processing Unit)を充分に載せることができるマシンであれば、性能面で問題が生じることはないが、コストとの兼ね合いで充分なメモリやCPUを載せることができない家庭用のインクジェットプリンタやミドルレンジのマシンでは、処理時間が長くかかってしまう、という問題が生じ、この問題への対処が難しくなる。
他方、ユーザーとしては、メディアダイレクト印刷をする場合などに特に感じるように、SDカード、USBメモリ等の可搬型メディアを挿し込んだら、プレビュー画像をすぐに表示してほしい、という欲求を持つので、上述の従来技術によりユーザーを満足させる速さでプレビュー表示を行うことは、現状では困難である。なお、上記で例示した特許文献1のプレビュー機能は、PCのように、充分なメモリやCPUを持つホスト機に適用することを想定し、搭載するドライバに組み込んだ機能であり、本発明が対象とする充分なメモリやCPUを載せることができないマシンに適用することを意図していないし、適用したとしても期待する結果が得られない。
本発明は、充分なメモリやCPUを載せることができないプリンタ、複合機等の画像形成装置における上述の従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、搭載されたメモリやCPUの処理能力が低く抑えられていても、その能力の限度内でページ記述言語の印刷データをもとにして行うプレビュー表示処理の高速化を可能にすることにある。
本発明は、ページ記述言語の印刷データを解析するPDL解析手段、前記PDL解析手段の解析結果に示される描画条件に従って描画処理を行うことによりプリント出力用画像データを生成する描画手段、前記プリント出力用画像データを用いて記録用紙に画像を形成する手段、表示部を持ちユーザーインターフェースとして機能する操作手段、前記操作手段の表示部に表示するプレビュー用画像データを作成するプレビュー画像作成手段、前記プレビュー用画像データを用いて前記操作手段の表示部の画像出力を制御するプレビュー画像表示制御手段を有する画像形成装置であって、前記PDL解析手段の解析結果をもとにイメージデータを抜き出すイメージデータ検索手段を備え、前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索手段によって抜き出されたイメージデータのみを使用してプレビュー用画像データを作成することを特徴とする。
本発明は、ページ記述言語の印刷データをもとに生成するプリント出力用画像データを用いて記録用紙に画像を形成する画像形成装置においてユーザーインターフェースとして機能する操作手段の表示部にプレビュー画像を表示するプレビュー画像処理方法であって、ページ記述言語の印刷データを解析するPDL解析工程と、前記PDL解析工程で解析された結果をもとにイメージデータを抜き出すイメージ検索工程と、前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージ検索手段によって抜き出されたイメージデータのみをもとにプレビュー用画像データを作成するプレビュー用画像データ作成工程と、前記プレビュー用画像データ作成工程で作成されたプレビュー用画像データを使用して前記操作手段の表示部で画像出力を行うプレビュー画像表示工程を有することを特徴とする。
本発明によると、充分なメモリやCPUを載せることができないプリンタ、複合機等の画像形成装置において、ページ記述言語の印刷データをもとにして行うプレビュー表示処理の高速化が可能になり、ユーザーインターフェースの機能を高めることができる。
本発明の画像形成装置の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。 図1に示したプリンタと通信媒体で接続したホストコンピュータを要素として構成するシステムの1例を示すブロック図である。 図1に示したプリンタのソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。 印刷データを構成する要素を説明する図である。 原印刷データ(A)とこれに対応するプレビュー用画像データ(B)の1例を示す図である。 本発明の画像形成装置が行うプレビュー表示処理のフロー(実施形態1)を示す図である。 プレビュー表示処理の過程で行うイメージデータの検索処理を説明する図である。 プレビュー表示処理の過程で行う表示画像の作成手順を説明する図である。 プレビュー表示画像の例として、イメージがある場合(プレビュー表示画像A)と、イメージがなく、グラフィックスがある場合(プレビュー表示画像B)とを説明する図である。 本発明の画像形成装置が行うプレビュー表示処理のフロー(実施形態2)を示す図である。 本発明の画像形成装置が行うプレビュー表示処理のフロー(実施形態3)を示す図である。 ページ画像の分割領域におけるイメージの在り様をA,Bの2例を挙げて説明する図である。 ページ画像の分割領域におけるイメージの在り様の他の例を示す図である。 ページ画像を6分割した領域におけるイメージの在り様の1例を示す図である。 ページ画像の分割領域にイメージがなく、文字がある場合のプレビュー表示処理を説明する図である。 従来のプレビュー表示処理のフローの概要を示す図である。 図16の処理フローにおけるPDLデータの解析処理、解析結果にもとづく描画処理を説明する図である。 図16の処理フローにおける色処理(色補正)を説明する図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
以下に示す実施形態は、本発明の画像形成装置をプリンタに実施した例を示す。
なお、本実施形態のプリンタは、ページ記述言語(PDL)による印刷データ(以下「PDLデータ」ともいう)を印刷コマンドとしてプリント出力用画像データを処理することを前提とする。ただ、処理されたプリント出力用画像データをもとに行う印刷は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式等、どのような方式による手段でも構わず、また、カラー機、モノクロ機のいずれに適用してもよい。
本発明の解決課題は、上記[発明が解決しようとする課題]で述べたように、ページ記述言語の印刷データをもとにして行うプレビュー表示において、画像形成装置(プリンタ)に搭載されたメモリやCPUの処理能力が低く抑えられていても、その能力の限度内で、従来のプレビュー表示処理法によっては達成できない処理の高速化を可能にすることにある。
こうしたプレビュー機能を実現するために、本実施形態のプリンタは、プレビュー表示用データの処理において、印刷データとしてのPDLデータを構成する要素(後述の図4の説明、参照)であるイメージデータのみをもとにプレビュー用画像データを作成することを基本的な手法とする。
プレビューの有効利用にとって重要な要素であるイメージのみでプレビュー画像を作成するこの手法を採用することによって、プレビュー機能の有効性を保ちながら、従来の処理法で文字やグラフィックスをプレビュー画像とするために必要とした描画処理を省略することができ、処理能力の低いマシンでも、プレビュー表示処理を高速化できる。
[ハードウェア構成の概要]
図1は、本発明の画像形成装置の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。
同図に示す画像形成装置としてのプリンタ1は、予め設定された制御モード及び後述するホスト機等からユーザーによって指示される制御コード等の制御条件に従い原印刷データをプリント出力用データに変換(描画)し、後述するプリンタエンジンに出力する動作を主に、プリンタ全体を制御するコントローラ2と、前記出力用画像データをもとに記録用紙に印刷(画像形成)をするプリンタエンジン16と、表示部と入力キー等の操作部を備えユーザーインターフェースとしての機能を提供する操作パネル4を有する。
コントローラ2は、ソフトウェアプログラムの命令を実行するためのCPU(Central Processing Unit)11と、コントローラを動作させるためにCPU11によって使用される制御プログラム、制御用データ等を格納するプログラムROM(Read Only Memory)6と、前記制御プログラムによって生成される描画された出力用画像データなどを一時的に保存するページ(フレーム)メモリ或いはソフトウェアプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用するRAM(Random Access Memory)12と、印字に使用される種々のフォントを格納するフォントROM7と、機器に依存する処理条件等の設定データなどを保存しておく不揮発性メモリであるNV−RAM(Non Volatile RAM)13と、必要に応じて追加されるオプションRAM15を構成要素として有する。つまり、CPU11、プログラムROM6、RAM12、NV−RAM13の各要素よりなるコンピュータをコントローラ2として機能させる。
さらに、コントローラ2は、プリンタ内蔵の機器、周辺機器及び外部機器等と接続し、データ交換をするために以下の各種I/Fを有する。
ホストI/F5は、ホスト機3からプリンタ1への制御信号(印刷データを含む)、プリンタ1からホスト3へのステータス信号の授受を行うI/Fである。
SDカードI/F9は、SDカードに対するデータの授受を行うI/Fである。
USB I/F10は、USB(Universal Serial Bus)を用いるデバイス(例えば、USBメモリ)に対するデータの授受を行うI/Fである。
パネルI/F8は、プリンタ1のステータス(印刷のプレビューを含む)をコントローラ2から操作パネル4に知らせる信号、操作パネル4のキー操作によるモード等の動作条件の設定をコントローラ2に知らせる信号の授受を行うI/Fである。
エンジンI/F14は、コントローラ2からプリンタエンジン16への制御信号(プリント出力用データ等)、プリンタエンジン16からコントローラ2へのステータス信号の授受を行うI/Fである。
なお、コントローラ2を構成する上記の要素は、それぞれ内部バスを介して接続されている。
コントローラ2は、ホスト機3から送信されてくるか、或いはSDカードI/F9、USBI/F10を通してSDカード、USBメモリ等の可搬型メディアから取得したPDLの印刷データにもとづいて、各種の変換処理を含む描画処理を行い、プリント出力に用いる画像データを生成し、プリンタエンジン16に印刷を行わせる。RAM12は、上記のようにして印刷を要求して入力される印刷データ、該印刷データから生成される中間データ形式の画像データ、ラスタ形式のピクセルデータ(イメージデータが含まれる)、その後段の処理で生成されるプリント出力に用いる画像データ、後述するプレビュー用画像データを記憶する。
プリンタ1は、プログラムROM6やNV−RAM13などの記憶装置に格納された制御プログラム及び制御や処理の動作条件に係る設定情報を読出し、CPU11の作業メモリ領域を提供するRAM12のメモリ領域に展開し、またRAM12をプレビュー表示処理や画像形成処理の作業領域として利用することによって、後述する図3に示すプレビュー機能、印刷出力機能等の各機能を実現する手段を構成する。
〈システム構成〉
図1に示したプリンタ1に装備されるホストI/F5及び通信媒体を介して外部のホスト機3を接続することにより構成するシステムについて、図2の構成例を参照して説明する。
図2に示すシステムは、通信媒体としてLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してホスト機としてのホストコンピュータ3〜3をそれぞれプリンタ1に接続したシステムで、この例では、プリンタ1をホストコンピュータ3〜3によって共通に利用する形態となっている。
ホストコンピュータ3〜3それぞれは、プリンタ1が有するプレビュー、印刷出力等の機能を利用する際には、その要求をユーザーの指示によって発行することができる。ホスト側のプリンタドライバにプレビュー機能がない場合、プリンタ側の機能を利用できるようにするとよい。プレビューの要求は、1つの文書の出力を確認するために行われる場合でも、文書群から印刷要求をする文書を選択するために文書一覧の要求として行われる場合でもよい。
なお、プレビュー機能が行うプレビュー表示処理については、後記で詳述する。また、印刷出力機能については、既存の技術であるから、後記ではその概要を述べる。
[ソフトウェア構成]
図3は、図1に示したプリンタ1のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すPDLモジュール31は、プレビュー、印刷出力を要求してプリンタ1に入力されるPDLデータを解析してプレビュー用画像或いはプリント出力用画像を生成するモジュールで、PDLデータを解析するPDL解析モジュール311と、PDL解析されたデータをもとにプリント出力用データを描画するPDL描画モジュール312を有する。
ジョブ管理モジュール32は、プレビュー表示、印刷等の要求をジョブとして受付け、受付けたジョブを管理する。ホスト機3からの印刷要求である場合、このジョブ管理モジュール32の仲介によりネットワーク管理モジュール33よりPDLデータを受け取り、同じくこのモジュールの仲介によりメモリ管理モジュール35が確保したメモリ上にプリント出力用データを生成し、PDLモジュールが作成したプリント出力用データによる印刷要求を印刷管理モジュール36に対して発行する役割を果たす。プリント出力用データを生成する際には、必要となる機器構成情報、例えば給紙トレイ・排紙トレイの構成や、給紙トレイ内の用紙サイズといった情報は、このジョブ管理モジュール32の仲介によりシステム管理モジュール37から取得される。
また、ジョブ管理モジュール32は、PDL処理全般に関わる制御を行っており、主にPDLモジュール31側が必要とする処理を仲介してサービス提供モジュール群39等の他モジュールに対して要求を行うモジュールである。上記サービス提供モジュール群39には、ネットワーク管理モジュール33、外部入出力管理モジュール34、メモリ管理モジュール35、印刷管理モジュール36、システム管理モジュール37、操作パネル管理モジュール38の各種サービスを提供するモジュールが含まれる。これらのモジュールは互いに通信をし合って画像形成装置の基本動作を分担し、協力して上位層からの要求に対応する。
ネットワーク管理モジュール33は、ネットワークコントローラの管理と、ネットワークコントローラで得られる受信データの処理を制御するモジュールである。ホスト機(コンピュータ)3からのデータ受信の際に欠かせない通信プロトコルであるftp(file transfer protocol)やlpr(line printer daemon protocol)などにもとづく制御をしてネットワークコントローラからデータを受信し、他モジュールへ受信データを受け渡す役割を果たす。
外部入出力管理モジュール34は、外付けのデバイス(この実施形態ではUSBメモリ、SDカード等の可搬型メディア)からの入力出力を制御するモジュールであり、USBメモリ、SDカードからのデータを受け取り、他モジュールに受け渡す役割を果たす。
メモリ管理モジュール35は、メモリおよび外部記憶装置を管理するモジュールであり、他モジュールの要求に応じてメモリ及び外部記憶装置に対するメモリ領域の割り当て・解放を行う役割を果たす。
印刷管理モジュール36は、PDLモジュール31が生成したプリント出力用データを用いて行う印刷処理に関する制御を行うモジュールである。メモリ管理モジュール35が管理するメモリ及び外部記憶装置内に格納されたプリント出力用データを用いてプリンタエンジン16に印刷させるために必要な各種処理を実行する役割を果たし、給排紙命令の発行、後処理実行命令の発行、印刷に係るエラー状態の検知と他モジュールへの通知などを行う。
システム管理モジュール37は、プリンタ1の機器構成情報や機器状態(ステータス)を管理・制御するモジュールである。機器構成情報とは、給紙トレイや排紙トレイの着脱の情報や給紙トレイ内の用紙構成といった情報であり、機器状態とは、印刷中・待機中、ジャムや用紙切れなどのエラー発生中といった機器の動作状態と、この他に操作パネル4を通して処理を要求するユーザーとの間で交換する機器情報を含む。こうした情報を他モジュールへ通知することや、ユーザーにより設定される機器の動作条件(設定により動作を変化させるカスタマイズ可能項目)の管理などを行う。
操作パネル管理モジュール38は、操作パネル4の表示およびユーザーによるパネル操作の管理を行うモジュールである。他モジュールからの要求に基づいて、プリンタ1の状態をディスプレイに表示すること、システム管理モジュール37が管理する機器の動作条件の変更を行うメニュー画面を表示すること、エラー画面を表示してユーザーに適切な処置を促すことなどを行う役割を果たす。また、プリンタ1で作成されたプレビュー用画像データを用いて操作パネル4にプレビュー表示する処理も行う。操作パネル4のディスプレイ画面上のプレビュー表示領域を指定してその部分を任意の色に表示することや、JPEG(Joint Photographic Experts Group),Bitmap,GIF(Graphics Interchange Format)などの画像を同様に画面表示するなどの表示機能を持っている。例えば、操作パネル管理モジュール38内にFLASH(登録商標)で書かれたモジュールが入っていて、FLASH(登録商標)の機能を用いて、上述の機能を実現する。また、メニュー画面やエラー画面などでボタンを表示した際には、押下されたボタンを認識して他モジュールへ通知することなどを行う。
[印刷データ]
ここで、本実施形態のプリンタ1によって出力が可能な印刷データとしてのPDL(ページ記述言語)データについて説明する。
図4は、印刷(PDL)データを構成する要素を説明する図である。
図4に示すように、出力処理の対象として受付けるPDLデータを構成する要素として、制御コマンド、文字データ、イメージデータ、グラフィックスコマンドの各要素が含まれている。
制御コマンドは、プリント出力の際の制御条件を設定するために用いるデータであり、例えば、用紙の設定に用いる給紙トレイの指定、両面/片面印刷の設定、解像度の設定などのデータが含まれる。
文字データは、どのような文字をページにおけるどの位置にどのフォントで描画するか等、文字の描画条件を設定するデータが含まれる。
グラフィックスコマンドは、どのようなグラフィックス(図形など)をページにおけるどの位置に描画するか等、グラフィックスの描画条件を設定するデータが含まれる。
イメージデータは、ピクセルの集合で構成されるイメージのデータ(JPEG,Bitmapなどの形式が指示される)、ページにおけるイメージの位置、イメージサイズ等、イメージの描画条件を設定するデータが含まれる。
プリント出力用データを作成する際、PDLモジュール31(図3)は、上記の要素よりなるPDLデータを解析し、プリンタエンジン16で印刷に用いる画像データを描画する。この処理をプリンタレンダリングという。
[プレビュー表示処理(実施形態1)]
次に、上記プリンタ1(図1及び3)が有するプレビュー機能について、その実施形態を示す。
以下の実施形態に説明するプレビュー機能は、先に述べた本発明の基本的な手法、即ち、イメージデータのみをもとにプレビュー用画像データを作成する手法によってプレビュー表示を実現するものである。
先ず、このプレビュー用画像データの作成手法の概念を具体例によって説明する。
図5は、原印刷データ(A)とこのデータをもとに作成されるプレビュー用画像データ(B)の1例を示す図である。
図5の(A)は、PC等のホスト機3がアプリケーションを用いて生成する画像化が可能な原データで、この原データを対象にプリンタ1へ印刷要求、プレビュー要求が発行される。なお、プリンタ1が実際に受け取るデータは、上記原データをもとにPDLで表現された印刷データ(以下「原印刷データ」という)であるから、図5の(A)に示すように、原印刷データが文字と画像(イメージ)を要素とする印刷データである場合には、それぞれPDL形式による文字データ、イメージデータ(図4、参照)として表現される。
PDLで表現された印刷データを伴う印刷要求もしくはプレビュー要求を受け取るプリンタ1は、原印刷データをもとにプレビュー画像を作成する際に、印刷データの要素(図4、参照)のうち、図5の(B)に示すように、既にピクセルで構成される画像データとして表現されているイメージデータのみを用いてプレビュー表示用のデータを作成する。
つまり、文字データのように文字コードで表現されているデータから画像を作成するまでに相当の処理工程が必要となり、この処理工程を行わなくてもすむデータであるイメージデータのみを用いることにより、大した処理をすることなく有効なプレビュー用画像を得ることができる。
なお、グラフィックスコマンドに対する場合にも、コマンドをもとにグラフィックスを描画してプレビュー表示用のデータを作成するまでの処理には、相当の工程が必要となり、この点では、文字データと変わりがない。
よって、プリンタ1が受取った印刷データからプレビュー画像を作成する際には、印刷データからイメージデータのみ抜き出して、プレビュー表示用のデータを作成することを基本とし、以下の例で詳細に説明する形態で実施する。
〈処理フロー〉
次に、図6に示すフロー図を参照して、この実施形態のプレビュー表示処理のフローを説明する。ここでは、PDLで表現される印刷データを用いるPDF(Portable Document Format)データを処理する場合を例示する。
この実施形態では、イメージデータのみを使用することが基本であるから、対象となる印刷(PDF)データにイメージデータがあれば、基本に従ったプレビュー表示用データを作り、処理を終了する。ただ、イメージデータがない場合には、印刷データの構成要素であるグラフィックスコマンド又は文字データのいずれかをもとにプレビュー表示用データを作成する。なお、この実施例では、イメージデータがなければグラフィックスデータにより、またグラフィックスコマンドがなければ文字データという順序でプレビュー表示用データを作成する印刷データの要素を選ぶ。
また、図6のフロー図の処理例では、1ページを処理対象単位とする例を示しているので、PDFファイルが複数ページよりなり、全ページの一覧表示をする場合には、ページごとに図6のフローを適用する。さらに、複数ファイルを格納した記憶装置(USBメモリ、SDカード等の可搬型メディアなど)に格納した複数ファイルの一覧(例えば、表紙や1ページ目の一覧)を処理対象とする場合には、PDFファイルから処理対象のページを抜き出す操作が必要になる。
ユーザーによって印刷要求の操作が行われる過程でプレビュー要求が指示されたとき或いはUSBメモリ、SDカード等の可搬型メディアがプリンタ本体に設けたI/Fを介して接続されたときに、図6のプレビュー表示処理のフローが起動される。
この処理フローが起動されると、先ず、操作パネル管理モジュール38或いは外部入出力管理モジュール34からジョブ管理モジュール32を通してPDLモジュール31にプレビュー表示要求が発行される。
PDLモジュール31は、プレビュー表示要求を受け、PDL解析モジュール311でPDFの1ページ目について、PDLデータ中の印刷データを構成する要素の各種データ(図4、参照)を検索する(ステップS101)。
次いで、ステップS101の検索結果をもとに、イメージデータが検索されたか否かを確認し(ステップS102)、その結果に従い処理を分岐する。
ステップS102でイメージデータが検索される場合(ステップS102-YES)、検索されたイメージデータは、ステップS110以降のプレビュー表示を行うための処理フローで用いられるので、そのときに必要となるデータとして後続するステップS105〜S107の処理を通して保管される。
即ち、PDLデータからイメージデータが検索される場合に、先ずイメージデータに指示されているページ面上の描画位置及びイメージ形式、ページサイズ(A4など)等を取得する(ステップS105)。
ステップS105の処理をこの実施例で処理の対象とする図7に例示するPDFのPDLデータに基づいて説明すると、PDFでは、同図(A)に示すようにイメージデータの先頭に「BI(Begin Image)」という文字列(同図中に「発見→」にて示す)がある。また、検索方向に対し「BI」の前にイメージデータの位置情報が記載されている。また「BI」の後にイメージの形式などの情報が記載されている。ここでは、同図に示すように、この部分に「/F/JPEG」と記載され、イメージデータがJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式であることを指示しているから、これらのデータをプレビュー表示の処理に必要なデータとして取得する。なお、このときPDFデータ内に記載されているページサイズ(A4など)の値も取得し、プレビュー表示の処理に必要なデータの1つとして扱う。
また、イメージデータが検索される場合にPDLデータからイメージデータの中身を抜き出す(ステップS106)。図7に例示するPDFデータにおけるイメージデータの中身は「ID(image data)」という文字列と,「EI(end image)」という文字列の間(同図(A)のイメージデータ部分)に入っている。
よって、ステップS105,S106では、PDL解析モジュール311が、PDFデータから「BI」を検索し、発見したらイメージデータの位置情報としてページ面上の描画位置を示すデータ及びイメージデータ形式を取得し、そのすぐ後にある「ID」という文字列を検索し、「ID」から「EI」までの間のイメージデータを抜き出す(図7(B)に抜き出されたイメージデータを示す)。
また、取得したイメージデータ等のデータをジョブ管理モジュール32からメモリ管理モジュール35を通して、RAM12(図1)に保存し、後段の表示処理(後述のステップS110〜112)で使用するデータとして管理する(ステップS107)。
他方、ステップS102でイメージデータが検索されなかった場合(ステップS102-NO)、ステップS101の検索結果をもとにグラフィックスコマンド及び文字データが検索されたか否かを確認し(ステップS115)、グラフィックスコマンド及び文字データが検索された場合には(ステップS115-YES)、検索されたデータ内に指示されているグラフィックス或いは文字のページ面上の描画位置を後段の処理(後述のステップS121,S131等)で使用できるようにRAM12に記録しておき(ステップS116)、ステップS108へ移行する。
また、グラフィックスコマンド、文字データが検索されない場合には(ステップS115-NO)、ステップS116を飛ばして、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、1ページのPDFデータから検索すべきイメージデータ、文字データ、グラフィックスコマンドの各構成要素を全て検索したか否かを確認し、未検索のデータがある場合(ステップS108-NO)、ステップS101に戻し、ステップS108までの処理を未検索のデータがなくなるまで繰り返す。
1ページのPDFデータから検索すべき構成要素を全て検索した場合(ステップS108-YES)、次のステップとして、対象としたページの検索結果中にイメージデータが1つ以上あるか否かを確認し(ステップS109)、確認結果によって処理を分岐する。
ここで、検索結果中にイメージデータが1つ以上あれば(ステップS109-YES)、イメージデータのみを用いてプレビュー表示を行うためのステップS110へ移行する。
他方、検索結果中にイメージデータが1つもなければ(ステップS109-NO)、グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行うためのステップS121又は文字データを用いてプレビュー表示を行うためのステップS131へ移行する。なお、この実施例では、後述するように、文字データを用いる方よりもグラフィックスコマンドを用いる方を優先させる。
ステップS109でイメージデータが1つでもあれば(ステップS109-YES)、イメージデータのみを用いてプレビュー表示を行うので、この表示処理の手順として、先ず、PDLモジュール31は、ジョブ管理モジュール32を通して、操作パネル管理モジュール38にプレビュー表示要求を出す(ステップS110)。その際、PDLモジュール31から、ステップS107で保管されたページ面上の描画位置を示すデータ、イメージデータ形式、ページサイズ、イメージデータのRAM12上のアドレスを操作パネル管理モジュール38に通知する。
この通知を受ける操作パネル管理モジュール38は、操作パネル4のディスプレイ上のプレビュー表示領域を指定してその部分を任意の色に表示することや、JPEG,Bitmap,GIFなどの画像を該ディスプレイ上の指定した位置に表示するなどの表示機能を持っている。例えば、操作パネル管理モジュール38内にFLASH(登録商標)で書かれたモジュールを搭載することで、この機能を用いてプレビュー表示を実施することができる。
処理フローとしては、PDLモジュール31からプレビュー表示要求を受け取る操作パネル管理モジュール38は、受け取ったプレビュー表示要求に指示されるページサイズに合った白い背景をパネル画面に表示する(ステップS111)。
次いで、ステップS107で抜き出され、RAM12に保管しておいたイメージデータをそこから取得し、イメージデータの形式にあった表示機能を用いてイメージデータを処理し、白い背景上の対応した位置に、イメージを表示する(ステップS112)。
ステップS111,S112の処理過程を図8に示す処理例に基づいて説明すると、先ず、同図(A)に示すように、ページサイズに合った白い背景をパネル画面に表示する。ページサイズは、「A3」「A4」「B5」等のサイズの違いが相対的に分かるように、それぞれのサイズを予め定めておき、プレビュー要求のあった対象ページに指示されたページサイズに対応する予め定められたサイズの白い背景の画像データを作成する。この後、操作パネル管理モジュール38内に装備した表示機能により、イメージデータを用いて、白い背景ページ上の指定された位置に、イメージを貼り付け、図8(B)に示すようなプレビュー表示画像を得る。
このような方法を用いることで、イメージを見やすくし、白い紙に印刷した結果に近いプレビューを作ること、さらにPDL描画モジュール312による描画処理を行うことなく、操作パネル管理モジュール38で背景を含めた表示用画像データが作成でき、プレビュー表示処理を簡略化できる。
ステップS112でPDFのイメージデータのみを用いてプレビュー表示を行った後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
他方、ステップS109でイメージデータが1つもなければ(ステップS109-NO)、グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行うためのステップS121又は文字データを用いてプレビュー表示を行うためのステップS131へ移行する。この実施例では、グラフィックスコマンドを用いる方を優先させるので、この手順として、対象としたページの検索結果中にグラフィックスコマンドが1つ以上あるか否かを確認し(ステップS120)、確認結果によって処理を分岐する。
ここで、検索結果中にグラフィックスコマンドが1つ以上あれば(ステップS120-YES)、グラフィックスコマンドのみを用いてプレビュー表示を行うためのステップS121へ移行する。
他方、検索結果中にグラフィックスコマンドが1つもなければ(ステップS120-NO)、文字データを用いてプレビュー表示を行うためのステップS131へ移行する。
先ず、グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行うためのステップS121以降の処理について説明する。
グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行う処理の初めに、先のステップS116でRAM12に記録したグラフィックスコマンドを、記録した位置に読みに行く(ステップS121)。グラフィックスコマンドは直線を引くコマンド、円を描くコマンド、というように決まっており、PDL解析モジュール311は、PDFデータのグラフィックスコマンドを知っているため、検索が可能であり、先のステップS101でPDFデータから検索される。
次に、ステップS121でRAM12から読み出したグラフィックスコマンドをPDL解析モジュール311によって解析し(ステップS124)、解析されたコマンドに従いPDL描画モジュール312により描画処理され(ステップS125)、描画結果はジョブ管理モジュール32からメモリ管理モジュール35を通してRAM12に再び保存される(ステップS126)。
ステップS121,S122のグラフィックスの描画処理を図9に示す処理例に基づいて説明する。図9は、プレビュー表示画像の例として、イメージがある場合(図中の左側のプレビュー表示画像A)と、イメージがなく、グラフィックスがある場合(図中の右側のプレビュー表示画像B)とを説明する図である。
グラフィックスコマンドをもとにプレビュー画像データを作成する際、PDLモジュール31は、図9中の右側のプレビュー表示画像Bに例示するように、白い紙面のコマンドが指示する位置にグラフィックスを描いた画像を作り、RAM12に保存する。
PDLモジュール31からジョブ管理モジュール32を通じて、操作パネル管理モジュール38になされるプレビュー表示要求に応じて、操作パネル管理モジュール38は、RAM12に保存された画像を読み出し、読み出した画像がパネルで表示可能な形式ではない場合、表示可能な形式(JPEG,Bitmap,GIFなど)に変換し、操作パネル4のディスプレイに表示する。ただ、グラフィックスコマンドによる場合は、イメージデータによる場合のように、操作パネル管理モジュール38でプレビュー用背景の表示用データは作成せず、背景部分を含め、通常のプリント出力用に描画されるデータと同様に、PDLモジュール31で作成する。
このように、異なるモジュールでイメージがある場合のイメージのみによるプレビュー表示画像Aと、イメージがなく、グラフィックスがある場合のグラフィックスのみのプレビュー表示画像Bが作られる。
グラフィックスコマンドにより描画処理を行い、得られるプレビュー表示用データをステップS126でRAM12に保存した後、1ページの全てのグラフィックスコマンドをもとに描画処理を行い、プレビュー表示用データを作成する処理を終えたか否かを確認し(ステップS127)、未処理のデータがある場合(ステップS127-NO)、ステップS121に戻し、ステップS127までの処理を未処理のデータがなくなるまで繰り返す。
1ページの全てのグラフィックスコマンドの描画処理を行い、プレビュー表示用データを作成する処理を終えた場合(ステップS127-YES)、次のステップとして、PDLモジュール31は、ジョブ管理モジュール32を通して、操作パネル管理モジュール38に対し、ステップS124〜126によって得られる描画結果のプレビュー表示要求を出す(ステップS140)。
次いで、操作パネル管理モジュール38は、PDLモジュール31からのプレビュー表示要求に応じて、PDFのグラフィックスのみを用いてプレビュー表示を行い(ステップS141)、その後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
また、ステップS120で検索結果中にグラフィックスコマンドが1つもなければ(ステップS120-NO)、対象としたページの検索結果中に文字データが1つ以上あるか否かを確認し(ステップS130)、確認結果によって処理を分岐する。
ここで、検索結果中に文字データが1つ以上あれば(ステップS130-YES)、文字データを用いてプレビュー表示を行うためのステップS131へ移行する。
他方、検索結果中に文字データが1つもなければ(ステップS130-NO)、この検索結果によるプレビュー表示を行うためにステップS140へ移行する。
先ず、文字データを用いてプレビュー表示を行うためのステップS131以降の処理について説明する。
文字データを用いてプレビュー表示を行う処理の初めに、先のステップS116でRAM12に記録した文字データを、記録した位置に読みに行く(ステップS131)。
文字データは、PDFデータ中では「BT(Begin Text)」と「ET(End Text)」という文字列にはさまれた部分のデータが処理の対象となる。
ステップS121でRAM12から読み出した文字データをPDL解析モジュール311によって解析し(ステップS132)、解析された文字データをもとにPDL描画モジュール312により描画処理され(ステップS133)、描画結果はジョブ管理モジュール32からメモリ管理モジュール35を通してRAM12に再び保存される(ステップS134)。文字データの描画結果は、白い紙面の文字データが指示する位置に指定のフォントで文字を描いた画像を作り、RAM12に保存する。
文字データにより描画処理を行い、得られるプレビュー表示用データをステップS134でRAM12に保存した後、1ページの全ての文字データをもとに描画処理を行い、プレビュー表示用データを作成する処理を終えたか否かを確認し(ステップS135)、未処理の文字データがある場合(ステップS135-NO)、ステップS131に戻し、ステップS135までの処理を未処理の文字データがなくなるまで繰り返す。
1ページの全ての文字データの描画処理を行い、プレビュー表示用データを作成する処理を終えた場合(ステップS135-YES)、次のステップとして、PDLモジュール31は、ジョブ管理モジュール32を通して、操作パネル管理モジュール38に対し、ステップS132〜134によって得られる描画結果のプレビュー表示要求を出す(ステップS140)。
次いで、操作パネル管理モジュール38は、PDLモジュール31からのプレビュー表示要求に応じて、PDFの文字データを用いてプレビュー表示を行う(ステップS141)。このとき、操作パネル管理モジュール38は、RAM12に保存された画像を読み出し、読み出した画像がパネルで表示可能な形式ではない場合、表示可能な形式(JPEG,Bitmap,GIFなど)に変換し、操作パネル4のディスプレイに表示する。
ステップS141を行った後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
1ページ目のプレビュー表示処理が終了したら、2ページ目以降も同じフローにより処理を行うが、図6のフローにおけるステップS108,S127,S135の処理まで行い、その後の処理はユーザーにより2ページ目のプレビュー要求が行われたことを確認してから行う、という方法をとるとよい。
上記のように、この実施形態によれば、従来のプレビュー表示処理方法(図16の説明、参照)における、PDLデータ解析(ステップS11)、色処理(ステップS12)、文字、グラフィックス描画(ステップS13)の最も時間のかかる処理を最小限にすること、つまり、イメージデータのみを用いることを基本とし、又従来法で行っている色処理を省略することで、プレビュー表示にかかる時間を大きく減らし、処理能力の低いマシンでも、プレビュー表示処理の高速化を図ることができ、かつイメージデータによりプレビュー表示を行うことで、ユーザーはどの文書なのかを大抵判断できるので、プレビュー表示の有効性を保つことができる。
[プレビュー表示処理(実施形態2)]
上記実施形態1にて述べたプレビュー表示処理では、プレビュー表示に用いる画像データを作成する際に、印刷データから抜き出したイメージデータのみを用いること、或いはイメージデータがない場合に限って、グラフィックスコマンド又は文字データを抜き出しどちらかをプレビューに用いるようにすることで、プレビュー機能の有効性を保ちながら、従来法で必要とした色補正処理を省略し、描画処理をグラフィックスコマンド又は文字データのどちらか1部だけにする等の処理量の低減化を図っている。
ただ、上記実施形態1は、基本的な処理手法によるもので、まだ処理量を低減化する余地がある。そこで、本実施形態では、処理量を低減化するための手法として、プレビュー表示をする画像の濃度に着目し、プレビュー画像に求められる有効な識別能力のない濃度値の画像を処理対象から除く、という対応でプレビュー表示処理を行うことによって、さらなる低減化を可能とする。つまり、プレビューに用いる印刷データを構成するデータのうち、有効な識別能力のない所定濃度値の範囲に該当する画像に係るデータを処理対象から除くことで、処理を低減化する。
以下の実施例では、印刷データを構成するイメージデータ及びグラフィックスコマンドを基に作成される画像のうち、濃度が薄く目立たない画像をプレビュー表示用の画像から除き、濃い画像を処理の対象とする。こうした方法で処理を行うためには、原印刷データの構成要素であるイメージデータ及びグラフィックスコマンドをもとに作成される画像に対し所定閾値以上の濃度値を有するか否かを判断し、判断結果によって、即ち、閾値以上の濃度値を有すると判断される画像だけをプレビュー表示処理の対象として確認する手法を用いる。
この手法は、処理量を低減化するために適用するので、イメージデータに対しては、PDFデータから検索されたイメージデータに指示される濃度値が閾値以上であるか否かを確認し、また、グラフィックスコマンドに対してもPDFデータから検索されたグラフィックスコマンドに指示される濃度値が閾値以上であるか否かを確認し、いずれも閾値以上のデータをプレビュー表示処理の対象として扱う。従って、操作パネル管理モジュール38は、閾値に満たない薄い濃度のイメージデータによるプレビュー表示処理を省き、閾値以上の濃い濃度のイメージデータをもとにプレビュー表示用の画像を作成し、また、PDLモジュール31は、閾値に満たない薄い濃度のグラフィックスによる解析、描画処理を省き、閾値以上の濃い濃度のグラフィックスによる解析、描画処理を行い、プレビュー表示用の画像を作成する。
〈処理フロー〉
以下、図10に示すフロー図を参照して、この実施形態のプレビュー表示処理を説明する。ここでは、PDLで表現される印刷データを用いるPDFデータを処理する場合を例示する。
なお、図10に示すフローは、原PDFデータから検索されたイメージデータ及びグラフィックスコマンドをもとに得られる画像データに対し所定閾値以上の濃度値を有するか否かを判断し、判断結果によって、即ち、閾値以上の濃度値を有する画像だけをプレビュー表示処理の対象として確認し、プレビュー表示処理を行う、という本実施形態で新たに付加した手順(同図中のステップS103,S104及びステップS122,S123)以外は、上記実施形態1で示した処理フロー(図6)と変わりがない。
そこで、ここでは、本実施形態で新たに付加した手順に係る処理のみを図10の処理フローを参照して説明し、変わらない部分については、先に示した図6の処理フローの説明を参照することとし、記載を省略する。なお、図6と図10の同一の処理ステップには、共通のステップ番号を振っている。
図10のプレビュー表示処理のフローが起動されると、先ず、PDLモジュール31にプレビュー表示要求が発行される。
PDLモジュール31は、USBメモリ、SDカード等の可搬型メディアが接続される等によって発行されるプレビュー表示要求を受け、PDL解析モジュール311でPDFの1ページ目について、PDLデータ中の印刷データを構成する要素の各種データ(図4、参照)を検索する(ステップS101)。
次いで、ステップS101の検索結果をもとに、イメージデータが検索されたか否かを確認し(ステップS102)、その結果に従い処理を分岐する。
ステップS102でイメージデータが検索される場合(ステップS102-YES)、検索されたイメージデータの各画素値の示す濃度値が処理対象とする閾値以上の濃度値を有するか否かを確認する(ステップS103)。
この確認の結果、閾値に満たない薄い濃度の画素値のデータである場合には(ステップS104-NO)、次のイメージデータ(画素)に対しこの閾値の処理をするためにステップS102に戻し、処理対象とする閾値以上の濃度値を有する画素と判断される(ステップS104-YES)画素のみをプレビューに用いるイメージデータとして、ステップS105以降のプレビュー表示を行うためのフローに従って処理される。
また、グラフィックスコマンドが検索され、このコマンドをもとに得られる画像データに対するこの閾値の処理は、次のように行う。
PDL(PDF)データの検索結果中にイメージデータが1つ以上あるか否かを確認し(ステップS109)、イメージデータが1つもなければ(ステップS109-NO)、グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行うためのステップS121へ移行する。
グラフィックスコマンドを用いてプレビュー表示を行う処理の初めに、先のステップS116でRAM12に記録したグラフィックスコマンドを、記録した位置に読みに行く(ステップS121)。取得したグラフィックスコマンドには、PDFデータ中のグラフィックスコマンドの直前に描かれるグラフィックスの濃度値が指示されており、この濃度値の指示もこのときに取得される。
次いで、ステップS121で取得されたグラフィックスコマンドに対して指示されるグラフィックスの濃度値が処理対象とする閾値以上の濃度値を有するか否かを確認する(ステップS122)。
この確認の結果、指示されるグラフィックスの濃度値が閾値に満たない薄い濃度値である場合には(ステップS123-NO)、次のグラフィックスコマンドに対しこの閾値の処理をするためにステップS121に戻し、処理対象とする閾値以上の濃度値を有するグラフィックスと判断される(ステップS104-YES)コマンドのみをプレビューに用いるグラフィックスコマンドとして、ステップS124以降のプレビュー表示を行うためのフローに従って処理される。
このように、本実施形態によると、イメージデータ又はグラフィックスコマンドをもとにプレビュー表示処理を行う際に、濃度が薄い画像をプレビュー表示処理の対象にせず、その処理を省略可能としたことで、プレビュー表示のさらなる高速化を図ることができ、かつ濃度が薄い画像を対象にすることで、プレビュー表示の有効性を保つことができる。
[プレビュー表示処理(実施形態3)]
上記実施形態1にて述べたプレビュー表示処理では、プレビュー表示に用いる画像データを作成する際に、印刷データから抜き出したイメージデータのみを用いること、或いはイメージデータがない場合に限って、グラフィックスコマンド又は文字データを抜き出しどちらかをプレビューに用いるようにすることで、プレビュー機能の有効性を保ちながら、従来法で必要とした色補正処理を省略し、描画処理をグラフィックスコマンド又は文字データのどちらか一方だけにする等の処理量の低減化を図っている。
ただ、上記実施形態1は、基本的な処理手法によるもので、原印刷データの構成が、例えば、ページのほんの一部だけにイメージデータがある、といったケースでは、プレビュー表示がこのイメージデータのみの画像となって、求めるページであるか否かを確認する目的でプレビューをするときには、プレビュー表示画像による確認がし難くなる、という問題が起き得る。
そこで、本実施形態では、この問題を解消するための手法として、プレビュー表示画像面を領域分割し、領域ごとに、上述の実施形態1もしくは実施形態2のプレビュー表示処理を適用することにより、プレビュー画像が一部にしか表示されず、プレビュー機能が低下することを防ぐ。
以下の実施例では、N分割した各領域に対し、印刷データから抜き出したイメージデータのみを用いること、或いはイメージデータがない場合に限って、グラフィックスコマンド又は文字データを抜き出しどちらかをプレビューに用いるようにするという上述の実施形態1の基本処理を適用する。
従って、分割領域にイメージデータがあれば、そのイメージデータを用いてプレビュー表示を行い、他方、分割領域にイメージデータがなければ、その領域にあるグラフィックスコマンド又は文字データを用いてプレビュー表示を行う。
なお、分割領域にイメージデータ、グラフィックスコマンド、文字データのいずれもない場合には、背景画像のみをプレビュー画像として表示する。
〈処理フロー〉
次に、図11に示すフロー図を参照して、この実施形態のプレビュー表示処理のフローを説明する。ここでは、印刷データとしてPDFデータを処理する場合を例示する。
ユーザーによって印刷要求の操作が行われる過程でプレビュー要求が指示されたとき或いはUSBメモリ、SDカード等の可搬型メディアがプリンタ本体に設けたI/Fを介して接続されたときに、図11のプレビュー表示処理のフローが起動される。
この処理フローが起動されると、先ず、操作パネル管理モジュール38或いは外部入出力管理モジュール34からジョブ管理モジュール32を通してPDLモジュール31にプレビュー表示要求が発行される。
PDLモジュール31は、プレビュー表示要求を受け、ページをN個に領域分割し、後段で領域ごとに行うプレビュー表示処理を管理するために、N分割した領域の設定を行う(ステップS201)。なお、Nは可変とし、その値をユーザーやサービスマンが設定できるようにする。
次いで、PDL解析モジュール311でPDFの1ページ目について、PDLデータ中の印刷データを構成する要素の各種データ(図4、参照)を検索する(ステップS202)。
この後、ステップS202の検索結果をもとに、イメージデータが検索されたか否かを確認し(ステップS203)、その結果に従い処理を分岐する。
ステップS203でイメージデータが検索される場合(ステップS203-YES)、検索されたイメージデータは、ステップS208以降のプレビュー表示を行うための処理フローで用いられるので、そのときに必要となるデータとして後続するステップS204〜206の処理を通して保管される。
即ち、PDL(PDF)データからイメージデータが検索される場合に、先ずイメージデータに指示されているページ面上の描画位置及びイメージ形式、ページサイズ(A4など)等を取得する(ステップS204)。
また、PDL(PDF)データからイメージデータの中身を抜き出す(ステップS205)。
この後、ステップS204,S205で取得したイメージデータ等のデータをジョブ管理モジュール32からメモリ管理モジュール35を通して、RAM12(図1)に保存し、後段の表示処理(後述のステップS208〜210)で使用するデータとして管理する(ステップS206)。この後、ステップS207へ移行する。
他方、ステップS203でイメージデータが検索されなかった場合(ステップS203-NO)、ステップS202の検索結果をもとにグラフィックスコマンド及び文字データが検索されたか否かを確認し(ステップS212)、グラフィックスコマンド及び文字データが検索された場合には(ステップS212-YES)、検索されたデータ内に指示されているグラフィックス或いは文字のページ面上の描画位置を後段の処理(後述のステップS222等)で使用できるようにRAM12に記録しておき(ステップS213)、ステップS207へ移行する。
また、グラフィックスコマンド、文字データが検索されない場合には(ステップS212-NO)、ステップS213を飛ばして、ステップS207へ移行する。
ステップS207では、ここまで行った検索の結果として、N個の各分割領域の中に検索されたイメージデータがない領域があるか否かを確認し(ステップS207)、その結果に従い処理を分岐する。
ステップS207におけるN個の各分割領域中のイメージデータの存否の概念について、原PDFのイメージデータをもとに描画される画像を例示する図12及び13を参照して説明すると、図12(A)、(B)いずれも破線で示した境界線により4分割した領域を有し、同図(A)は、4分割した領域の1つ(同図の右下の領域)にだけイメージデータがない例を示し、同図(B)は、4分割した領域にまたがるイメージデータがある例を示している。また、図13は、破線で示した境界線により6分割した領域を有し、6分割した領域それぞれに個別のイメージデータがある例を示している。
このように、どのような形でも領域内にイメージデータがあるか否かにより存否が判断される。
分割した領域にイメージデータがあるか否かを判定する方法は、PDFデータ(図7の説明、参照)でイメージデータを発見したときに、イメージの位置、イメージサイズを取得し、取得したデータ(この実施例ではステップS204で記録されたデータ)から、当該イメージデータが分割領域のどの領域を占めるかを判定し、イメージが占める領域に対しイメージの存在を確認するデータを記す、という方法をとる。PDFのイメージデータに対して6分割領域で対応する図14に示す例の場合、左上の領域にイメージを発見すると領域1に存在を確認するデータが記録され、右上のイメージに対しては領域4に存在を確認するデータが記録され、同様に領域2、領域5に記録される。よって、この記録がされた領域にイメージデータがあり、記録がされない領域にはイメージデータがないと判定される。
処理フローに戻ると、ステップS207で各分割領域の中にイメージデータがあれば(ステップS207-NO)、検索を終了して、ステップS208以降のイメージデータのみを用いてプレビュー表示を行うための処理に移行する。
他方、ステップS207で分割領域の中にイメージデータのない領域があれば(ステップS207-YES)、ステップS221へ移行する。
ステップS221では、1ページのPDFデータから検索すべきイメージデータ、文字データ、グラフィックスコマンドの各構成要素を全て検索したか否かを確認し、未検索のデータがある場合(ステップS221-NO)、ステップS202に戻し、そこからステップS207までの処理を、未検索のデータがなくなるか又はステップS208に移行するまで繰り返す。
各分割領域の中にイメージデータがある場合(ステップS207-NO)、イメージデータのみを用いてプレビュー表示を行うステップS208以降の処理のフローを説明する。
先ず、PDLモジュール31は、ジョブ管理モジュール32を通して、操作パネル管理モジュール38にプレビュー表示要求を出す(ステップS208)。その際、PDLモジュール31から、ステップS204で保管されたページ面上の描画位置を示すデータ、イメージデータ形式、ページサイズ、ステップS206で保存されたイメージデータのRAM12上のアドレスを操作パネル管理モジュール38に通知する。
この通知を受ける操作パネル管理モジュール38は、操作パネル4のディスプレイ上のプレビュー表示領域を指定してその部分を任意の色に表示することや、JPEG,Bitmap,GIFなどの画像を該ディスプレイ上の指定した位置に表示するなどの表示機能を持っている。例えば、操作パネル管理モジュール38内にFLASH(登録商標)で書かれたモジュールを搭載することで、この機能を用いてプレビュー表示を実施することができる。
処理フローとしては、PDLモジュール31からプレビュー表示要求を受け取る操作パネル管理モジュール38は、受け取ったプレビュー表示要求に指示されるページサイズに合った白い背景をパネル画面に表示する(ステップS209)。
次いで、ステップS206で抜き出され、RAM12に保管しておいたイメージデータをそこから取得し、イメージデータの形式にあった表示機能を用いてイメージデータを処理し、白い背景上の対応した位置に、イメージを表示する(ステップS210)。
ステップS209,S210の処理過程を説明すると、先ず、ページサイズに合った白い背景をパネル画面に表示する(図8(A)、参照)。ページサイズは、「A3」「A4」「B5」等のサイズの違いが相対的に分かるように、それぞれのサイズを予め定めておき、プレビュー要求のあった対象ページに指示されたページサイズに対応する予め定められたサイズの白い背景の画像データを作成する。この後、操作パネル管理モジュール38内に装備した表示機能により、イメージデータを用いて、白い背景ページ上の指定された位置に、イメージを貼り付け、プレビュー表示画像を得る。この実施形態では、図13に示すように各分割領域にプレビュー画像が表示される。
ステップS210でPDFのイメージデータのみを用いてプレビュー表示を行った後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
上記のステップS207-NOの判断の下に行うプレビュー表示処理、即ち、全分割領域でイメージデータが抜き出されたことが確認された時点で、直ちにこの時点までに抜き出されたイメージデータをもとに各分割領域に挿入するプレビュー用画像データを作成し、この画像によりプレビュー表示を行っている。こうした処理の手順を行うことによって、プレビュー表示プレビューを行うので、プレビュー画像に用いるイメージデータを減らし、イメージデータの検索時間を減らし、その後のプレビュー表示処理における処理量を減らすことができるため、プレビュー表示を高速化できる。
次に、イメージデータのない分割領域がある場合(ステップS207-YES)に行うプレビュー表示の処理フローを説明する。
ステップS221で1ページのPDFデータから検索すべき構成要素を全て検索したことが確認された場合(ステップS221-YES)、イメージデータのない分割領域にグラフィックスコマンド又は文字データがあるか否か、その存否を確認し(ステップS222)、その結果に従い処理を分岐する。この存否の確認で必要になる、イメージデータのない分割領域については、先のステップS207の結果を引くか又はステップS204で記録されたデータからステップS207で行った判定を再び行う。また、イメージデータのない分割領域にグラフィックスコマンド又は文字データがあるか否かの判定は、ステップS213で記録されたグラフィックスコマンド、文字データの位置データと上記で得られるイメージデータのない分割領域との位置関係に基づいて行う。
ステップS222でイメージデータのない分割領域にグラフィックスコマンド又は文字データがあることが確認できれば(ステップS223-YES)、そのグラフィックスコマンド又は文字データをもとに当該分割領域のプレビュー画像を作成する過程を含むステップS224以降のプレビュー表示処理に移行する。
グラフィックスコマンド又は文字データを用いて当該分割領域のプレビュー表示用データを作成する処理は、PDLモジュール31が行う。
この処理の手順は、先ず、先のステップS213でRAM12に記録したグラフィックスコマンド或いは文字データを、記録した位置に読みに行く。また、RAM12から読み出したグラフィックスコマンド或いは文字データをPDL解析モジュール311によって解析し、解析結果に従いPDL描画モジュール312により描画処理される(ステップS224)。なお、グラフィックスコマンド又は文字データを描画処理し、プレビュー表示用データを作成する処理は、上記実施形態1におけるステップS124,125並びにステップS132,133の詳細な説明を参照されたい。また、この処理では、背景も紙面の色である白で描画される。
ステップS224で描画処理された画像は、プレビュー表示用としてジョブ管理モジュール32からメモリ管理モジュール35を通してRAM12に再び保存される(ステップS225)。
次いで、PDLモジュール31からジョブ管理モジュール32を通じて、操作パネル管理モジュール38にプレビュー表示要求が出される(ステップS226)。ここで、この要求に応じる動作は、原印刷データのイメージデータをもとに作成された画像の分割領域と、グラフィックスコマンド又は文字データをもとに作成された画像の分割領域とを混成したプレビュー画像の表示を行うか、或いはグラフィックスコマンド又は文字データをもとに作成された画像で全分割領域のプレビュー画像の表示を行う、どちらかの動作になる。
グラフィックスコマンド又は文字データをもとに作成された画像によりプレビュー表示を行う際、操作パネル管理モジュール38は、RAM12に保存された画像を読み出し、読み出した画像がパネルで表示可能な形式ではない場合、表示可能な形式(JPEG,Bitmap,GIFなど)に変換する(ステップS227)。なお、グラフィックスコマンド又は文字データをもとにする場合、プレビューの背景表示用データは、上記したように、PDLモジュール31で作成するので、イメージデータをもとにする場合のように操作パネル管理モジュール38では作成しない。
操作パネル管理モジュール38は、必要に応じてステップS227の変換を行い、グラフィックスコマンド又は文字データをもとに描画されたプレビュー用データを用いて操作パネル4のディスプレイにプレビュー画像を表示する(ステップS228)。
グラフィックスコマンド又は文字データをもとに作成された画像で全分割領域の表示を行う場合、ステップS228のプレビューの表示を行った後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
これに対し、イメージデータのプレビュー画像の分割領域と、グラフィックスコマンド又は文字データのプレビュー画像の分割領域とを混成したプレビューの表示を行う場合には、操作パネル管理モジュール38は、1画面上でイメージデータのプレビュー画像を、ステップS228で表示するプレビュー画像にそれぞれの領域を対応付け、重ね合わせて表示する(ステップS229)。なお、イメージデータのプレビュー画像の表示は、ステップS204で保管されたページ面上の描画位置を示すデータ、イメージデータ形式、ページサイズ、ステップS206で保存されたイメージデータをもとに作成されるプレビュー表示用データによって行う(詳細は、上記ステップS208〜210のプレビュー画像の表示処理と同様の処理を行うので、上記ステップS208〜210の説明、参照)。
ここで、ステップS229の混成画像によるプレビュー表示を図15に示す例を参照して説明する。
図15の上段の操作パネル4のディスプレイに表示する画像は、原印刷データの文字データをもとにPDLモジュール31で描画されたプレビュー画像である。この画像は、原印刷データの解析結果から4分割領域の右下の領域にイメージデータがないと判断して、PDLモジュール31がその領域にある文字データをもとに描画し(ステップS224)、プレビュー画像として表示した(ステップS228)画像である。
図15の下段の操作パネル4のディスプレイに表示する画像は、原印刷データのイメージデータをもとに作成されるプレビュー画像(4分割領域における左の上下、右上の3領域)を、文字データをもとに描画されたプレビュー画像(4分割領域における右下の1領域)に重ね合わせて表示した(ステップS229)画像である。同図に示すように、イメージデータのプレビュー画像の3領域を文字データのプレビュー画像の1領域に対応付け、重ね合わせて表示することにより、各領域にそれぞれ画像を配置したページのプレビュー表示を行うことができる。
ステップS229の混成画像によるプレビュー表示を行った後、このプレビュー表示処理のフローを終了する。
対象とする文書が複数ページあり、全ページのプレビュー表示が要求される場合には、1ページ目のプレビュー表示処理が終了したら、2ページ目以降も同じフローにより処理を行う。ただ、図11のフローにおけるステップS221の処理まで行い、その後の処理はユーザーにより2ページ目のプレビュー要求が行われたことを確認してから行う、という方法をとるとよい。対象とする文書が複数有り、その表紙(1ページ目)の一覧のプレビュー表示が要求される場合にも、1文書の表紙のプレビュー表示処理が終了したら、2文書目以降も同じフローにより処理を行う。
また、本実施形態(図11の処理フロー)では、実施形態2で採用した、画像濃度に着目した効率化処理法、即ち、濃度が薄く目立たない画像をプレビュー表示用の画像から除き、濃い画像を処理の対象とする処理法を適用していないが、実施形態2におけると同様に(図10の処理フローのステップS103,104並びにステップS122,123)、本実施形態のプレビュー表示の処理フローに適用することによって、実施することができる。
上記のように、本実施形態の処理によれば、従来のプレビュー表示処理方法(図16の説明、参照)における、PDLデータ解析(ステップS11)、色処理(ステップS12)、文字、グラフィックス描画(ステップS13)の最も時間のかかる処理を最小限にすること、つまり、イメージデータのみを用いることを基本とし、又従来法で行っている色処理を省略することで、プレビュー表示にかかる時間を減らし、処理能力の低いマシンでも、プレビュー表示処理の高速化を図ることができる。
こうした従来技術の問題を解決することに加え、本実施形態では、プレビュー表示画像面を領域分割し、領域ごとに、上述の実施形態1もしくは実施形態2のプレビュー表示処理を適用することにより、プレビュー表示画像による文書(印刷データ)の確認を容易かつ正しく行うことが可能になって、上記実施形態1,2の基本形態に生じ得る問題を解消することができる。つまり、原印刷データの構成が、例えば、イメージデータがページの僅か一部だけに偏在する、といったケースでは、上記実施形態1,2のプレビュー表示処理によれば、プレビュー表示画像がこのイメージデータのみの画像となって、求めるページを確認する目的でプレビュー表示を利用しようとする場合、このプレビュー表示の画像から求めるページであるか否かを確認することが困難になる、という問題が生じることを防ぎ、プレビュー表示の有効性を高めることができる。
1・・プリンタ(画像形成装置)、2・・コントローラ、3・・ホスト機、4・・操作パネル、6・・プログラムROM、9・・SDカードI/F、10・・USBI/F、11・・CPU、12・・RAM、14・・エンジンI/F、16・・プリンタエンジン、31・・PDLモジュール、311・・PDL解析モジュール、312・・PDL描画モジュール、32・・ジョブ管理モジュール、33・・ネットワーク管理モジュール、34・・外部入出力管理モジュール、35・・メモリ管理モジュール、36・・印刷管理モジュール、37・・システム管理モジュール、38・・操作パネル管理モジュール、39・・サービス提供モジュール群。
特開2004−94719号公報

Claims (14)

  1. ページ記述言語の印刷データを解析するPDL解析手段、前記PDL解析手段の解析結果に示される描画条件に従って描画処理を行うことによりプリント出力用画像データを生成する描画手段、前記プリント出力用画像データを用いて記録用紙に画像を形成する手段、表示部を持ちユーザーインターフェースとして機能する操作手段、前記操作手段の表示部に表示するプレビュー用画像データを作成するプレビュー画像作成手段、前記プレビュー用画像データを用いて前記操作手段の表示部の画像出力を制御するプレビュー画像表示制御手段を有する画像形成装置であって、
    前記PDL解析手段の解析結果をもとにイメージデータを抜き出すイメージデータ検索手段を備え、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索手段によって抜き出されたイメージデータのみを使用してプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記イメージデータ検索手段は、解析されたイメージデータに示される画像濃度が所定値以上であるか否かを判定し、画像濃度が所定値以上と判定されたイメージデータを抜き出す
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    前記イメージデータ検索手段によってイメージデータが抜き出されたか否かを確認するイメージデータ検索結果確認手段と、
    前記PDL解析手段の解析結果をもとにグラフィックスコマンドを抜き出すグラフィックスコマンド検索手段を備え、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索結果確認手段によってイメージデータが抜き出されなかったことが確認されたことを条件に、前記グラフィックスコマンド検索手段によって抜き出されたグラフィックスコマンドのみを使用してプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載された画像形成装置において、
    前記グラフィックスコマンド検索手段は、解析されたグラフィックスコマンドに示される画像濃度が所定値以上であるか否かを判定し、画像濃度が所定値以上と判定されたグラフィックスコマンドを抜き出す
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3又は4に記載された画像形成装置において、
    前記イメージデータ検索結果確認手段は、1ページを所定領域に分割した各分割領域について、イメージデータが抜き出されたか否かを確認し、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索結果確認手段によってイメージデータが抜き出されなかった分割領域の存在が確認されたことを条件に、前記グラフィックスコマンド検索手段によって抜き出されたグラフィックスコマンドのうち、イメージデータが抜き出されなかったことが確認された分割領域のグラフィックスコマンドのみをもとに当該分割領域に挿入するプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    前記イメージデータ検索手段によってイメージデータが抜き出されたか否かを確認するイメージデータ検索結果確認手段と、
    前記PDL解析手段の解析結果をもとに文字データを抜き出す文字データ検索手段を備え、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索結果確認手段によってイメージデータが抜き出されなかったことが確認されたことを条件に、前記文字データ検索手段によって抜き出された文字のみを使用してプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項3乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記グラフィックスコマンド検索手段によってグラフィックスコマンドが抜き出されたか否かを、1ページを所定領域に分割した各分割領域について確認するグラフィックスコマンド検索結果確認手段と、
    前記PDL解析手段の解析結果をもとに文字データを抜き出す文字データ検索手段を備え、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索結果確認手段によってイメージデータが抜き出されず、かつ前記グラフィックスコマンド検索結果確認手段によってグラフィックスコマンドが抜き出されなかった分割領域の存在が確認されたことを条件に、前記文字データ検索手段によって抜き出された文字データのうち、イメージデータ、グラフィックスコマンドの両方が抜き出されなかったことが確認された分割領域の文字データのみをもとに当該分割領域に挿入するプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記イメージデータ検索手段によって、1ページを所定領域に分割した各分割領域について、イメージデータが抜き出されたか否かを確認するイメージデータ検索結果確認手段と、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージデータ検索結果確認手段によって全分割領域でイメージデータが抜き出されたことが確認された時点で、直ちに前記グラフィックスコマンド検索手段によってこの時点までに抜き出されたイメージデータをもとに各分割領域に挿入するプレビュー用画像データを作成する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. コンピュータを請求項1又は2に記載された画像形成装置が有する前記イメージデータ検索手段、前記プレビュー画像作成手段、前記プレビュー画像表示制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
  10. コンピュータを請求項3又は4又は5又は8に記載された画像形成装置が有する前記イメージデータ検索手段、前記イメージデータ検索結果確認手段、前記グラフィックスコマンド検索手段、前記プレビュー画像作成手段、前記プレビュー画像表示制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
  11. コンピュータを請求項6又は8に記載された画像形成装置が有する前記イメージデータ検索手段、前記イメージデータ検索結果確認手段、前記文字データ検索手段、前記プレビュー画像作成手段、前記プレビュー画像表示制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
  12. コンピュータを請求項7又は8に記載された画像形成装置が有する前記イメージデータ検索手段、前記イメージデータ検索結果確認手段、前記グラフィックスコマンド検索手段、前記グラフィックスコマンド検索結果確認手段、前記文字データ検索手段、前記プレビュー画像作成手段、前記プレビュー画像表示制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  14. ページ記述言語の印刷データをもとに生成するプリント出力用画像データを用いて記録用紙に画像を形成する画像形成装置においてユーザーインターフェースとして機能する操作手段の表示部にプレビュー画像を表示するプレビュー画像処理方法であって、
    ページ記述言語の印刷データを解析するPDL解析工程と、
    前記PDL解析工程で解析された結果をもとにイメージデータを抜き出すイメージ検索工程と、
    前記プレビュー画像作成手段は、前記イメージ検索手段によって抜き出されたイメージデータのみをもとにプレビュー用画像データを作成するプレビュー用画像データ作成工程と、
    前記プレビュー用画像データ作成工程で作成されたプレビュー用画像データを使用して前記操作手段の表示部で画像出力を行うプレビュー画像表示工程
    を有することを特徴とするプレビュー画像処理方法。
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