JP2012045787A - フッ素樹脂成型品及びフッ素樹脂成型品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐薬品性及び機械的強度に優れるフッ素樹脂成型品を提供するとともに、基体となるフッ素樹脂成型体の形状を維持してフッ素樹脂皮膜を形成することができるフッ素樹脂成型品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体が形成されるフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂により皮膜が形成されていることを特徴とするフッ素樹脂成型品とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素樹脂成型品及びフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
フッ素樹脂成型品は耐薬品性、耐熱性に優れているため、半導体製造装置を構成する部材、化学プラントに使用される反応器等に多用されている。しかしながら、過剰な負荷がかかると撓んだり、過熱状態となると歪みが生じる虞があった。従って、耐薬品性に加えて、機械的強度も兼ね備えたフッ素樹脂成型品が求められている。
上記した問題を解決するために、金属やガラス等を心材として、心材にフッ素樹脂により被覆(コーティング)したフッ素樹脂成型品が利用されている。そうすることで、機械的強度に優れ、且つ耐熱性、耐薬品性を併せ持つフッ素樹脂成型品とすることができる。しかし、心材とフッ素樹脂の密着性が乏しいため、フッ素樹脂の層が剥離するという問題があった。
特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる成型体の表面に、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、あるいはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)の粉末を静電粉体塗装してフッ素樹脂皮膜を形成し、フッ素樹脂成型品を得る技術が開示されている。
静電粉体塗装によりフッ素樹脂皮膜を形成する場合、フッ素樹脂粉体をフッ素樹脂成型体に静電的に塗着した後に焼き付け処理が必須となる。つまり、フッ素樹脂粉体を融点以上の温度で加熱して溶融し、フッ素樹脂成型体に融着する処理が必要となる。
この時の加熱温度がフッ素樹脂成型体を形成するフッ素樹脂の融点よりも高い場合、成型体は元の形状を維持できなくなる。即ち、焼き付け処理によってフッ素樹脂成型体が歪んでしまうため、所望の形状の成型品が得られない虞があった。
特開2000−229388号公報
本発明は上記した問題点を解決すべくなされたものであって、耐薬品性及び機械的強度に優れるフッ素樹脂成型品を提供するとともに、基体となるフッ素樹脂成型体の形状を維持してフッ素樹脂皮膜を形成することができるフッ素樹脂成型品の製造方法の提供を目的とする。
請求項1に係る発明は、フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体が形成されるフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂により皮膜が形成されていることを特徴とするフッ素樹脂成型品に関する。
請求項2に係る発明は、前記成型体の表面に、前記皮膜が2層以上形成されていることを特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項3に係る発明は、前記成型体が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項4に係る発明は、前記皮膜が、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項5に係る発明は、前記成型体がポリテトラフルオロエチレンにより形成され、前記皮膜がエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項6に係る発明は、前記皮膜に充填材が添加されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項7に係る発明は、前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項8に係る発明は、前記充填材が添加された前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜が形成されていることを特徴とする請求項7記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項9に係る発明は、前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項10に係る発明は、前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されており、前記補強材の上に更に前記皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のフッ素樹脂成型品に関する。
請求項に11係る発明は、フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体を形成するフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂を溶射して皮膜を形成することを特徴とするフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項12に係る発明は、前記成型体の表面に、前記皮膜を2層以上形成することを特徴とする請求項11記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項13に係る発明は、前記成型体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成することを特徴とする請求項11又は12記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項14に係る発明は、前記皮膜を、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成することを特徴とする請求項11乃至13いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項15に係る発明は、前記成型体をポリテトラフルオロエチレンにより形成し、前記皮膜をエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体により形成することを特徴とする請求項11乃至14いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項16に係る発明は、前記皮膜を、粉末フレーム溶射、アーク溶射、高速フレーム溶射、コールドスプレーのいずれかにより形成することを特徴とする請求項11乃至15いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項17に係る発明は、前記皮膜に充填材を添加することを特徴とする請求項11乃至16いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項18に係る発明は、前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項17記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項19に係る発明は、前記充填材を添加した前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜を形成することを特徴とする請求項18記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項20に係る発明は、前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置することを特徴とする請求項11乃至19いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項21に係る発明は、前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置し、前記補強材の上に更に前記皮膜を形成することを特徴とする請求項11乃至19いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法に関する。
請求項1に係る発明によれば、フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体が形成されるフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂により皮膜が形成されていることにより、耐薬品性を有し、機械的強度が向上したフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、前記成型体の表面に、前記皮膜が2層以上形成されていることにより、皮膜の収縮を抑制できるとともに、更に皮膜全体の機械的強度を向上させることができる。加えて、撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性)が向上したフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項3に係る発明によれば、前記成型体が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成されていることにより、耐薬品性に優れるため、種々の部材に汎用可能なフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項4に係る発明によれば、前記皮膜が、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成されていることにより、機械的強度を向上することができるとともに、耐薬品性を兼ね備えたフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項5に係る発明によれば、前記成型体がポリテトラフルオロエチレンにより形成され、前記皮膜がエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、により形成されていることにより、耐薬品性、耐熱性、機械的強度に優れたフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項6に係る発明によれば、前記皮膜に充填材が添加されていることにより、フッ素樹脂成型品の機械的強度を更に向上させることができる。
請求項7に係る発明によれば、前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることにより、電気伝導性を有する皮膜となるため、静電気による帯電を防止することができる。
請求項8に係る発明によれば、前記充填材が添加された前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜が形成されていることにより、金属成分の溶出を防止できるとともに、撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性)を向上させることができる。
請求項9に係る発明によれば、前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されていることにより、フッ素樹脂成型品の機械的強度をより向上させることができ、耐久性に優れたフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項10に係る発明によれば、前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されており、前記補強材の上に更に前記皮膜が形成されていることにより、フッ素樹脂成型品の機械的強度をより向上させることができる。また、皮膜に充填材を添加した場合において、充填材に含有される不純物(例えば金属成分等)の溶出を低減することが可能となる。
請求項11に係る発明によれば、フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体を形成するフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂を溶射して皮膜を形成することにより、フッ素樹脂成型体の形状を損なうことなく表面にフッ素樹脂皮膜を形成することができ、機械的強度に優れたフッ素樹脂成型品の製造方法とすることができる。
請求項12に係る発明によれば、前記成型体の表面に、前記皮膜を2層以上形成することにより、皮膜の収縮を抑制できるとともに、更に皮膜全体の機械的強度が向上したフッ素樹脂成型品を得ることができる。加えて、撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性)を向上させることも可能となる。
請求項13に係る発明によれば、前記成型体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成することにより、耐薬品性に優れるため、種々の部材に汎用可能なフッ素樹脂成型品を得ることができる。
請求項14に係る発明によれば、前記皮膜を、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成することにより、フッ素樹脂成型体の機械的強度を向上することができるとともに、耐薬品性にも優れるフッ素樹脂成型品を得ることができる。
請求項15に係る発明によれば、前記成型体をポリテトラフルオロエチレンにより形成し、前記皮膜をエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体により形成することにより、耐薬品性、耐熱性、機械的強度に優れたフッ素樹脂成型品を得ることができる。
請求項16に係る発明によれば、前記皮膜を、粉末フレーム溶射、アーク溶射、高速フレーム溶射、コールドスプレーのいずれかにより形成することにより、フッ素樹脂成型体の形状を維持しつつ、剥離する虞のないフッ素樹脂皮膜を形成することができる。
請求項17に係る発明によれば、前記皮膜に充填材を添加することにより、フッ素樹脂成型体の機械的強度を更に向上させることができる。
請求項18に係る発明によれば、前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることにより、フッ素樹脂成型体に電気伝導性を有するフッ素樹脂皮膜が形成されるため、静電気により帯電しないフッ素樹脂成型品を得ることができる。
請求項19に係る発明によれば、前記充填材を添加した前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜を形成することにより、金属成分の溶出が防止されるとともに、撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性)が向上したフッ素樹脂成型品を得ることができる。
請求項20に係る発明によれば、前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置することにより、機械的強度がより向上したフッ素樹脂成型品を得ることができ、耐久性に優れたフッ素樹脂成型品とすることができる。
請求項21に係る発明によれば、前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置し、前記補強材の上に更に前記皮膜を形成することにより、機械的強度がより向上したフッ素樹脂成型品を得ることができる。また、皮膜に充填材を添加した場合において、充填材に含有される不純物(例えば金属成分等)の溶出を低減することが可能となる。
以下、本発明に係るフッ素樹脂成型品及びフッ素樹脂成型品の製造方法について詳述する。
本発明において、フッ素樹脂成型品は、予め所望の形状に成型したフッ素樹脂からなる成型体(以下、フッ素樹脂成型体と称す)と、フッ素樹脂成型体を被覆するフッ素樹脂からなる皮膜(以下、フッ素樹脂皮膜と称す)とから構成される。
フッ素樹脂成型品の形状は特に限定されず、用途ごとに所望の形状に成型されたものである。つまり、フッ素樹脂成型品の基体となるフッ素樹脂成型体の形状は、予め所望の形状に成型されている。例えば、成型品の種類としては、配管、反応器、金型等が挙げられるが、これらに限定されない。
フッ素樹脂成型体を形成するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA及びMFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)が挙げられる。
上記したフッ素樹脂は、高い耐薬品性を備えているとともに、所望の形状への成型も容易であるため好適である。
上記したフッ素樹脂により形成されるフッ素樹脂成型体の表面には、フッ素樹脂皮膜が形成される。ここで、成型体の表面とは、例えば配管等の中空状の成型体の場合は、外表面だけでなく内表面も指す。
フッ素樹脂成型体の表面に形成される皮膜のフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA及びMFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。
上記したフッ素樹脂は、曲げ弾性率のような機械的強度に優れる。更に、荷重たわみ温度のように、温度と荷重の両方の負荷に対する強度も備える。そのため、フッ素樹脂成型体の表面を被覆することで、フッ素樹脂成型体の機械的強度を向上させることができる。
フッ素樹脂皮膜は、1層のみであってもよいが、2層以上積層して形成してもよい。2層以上積層することで、皮膜全体の機械的強度を向上させることができるとともに、更に耐薬品性、撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性等)を向上させることができる。しかし、フッ素樹脂皮膜の厚さは、後述の厚さの範囲となるように形成される。
例えば、フッ素樹脂皮膜を2層形成する場合、1層目と2層目のフッ素樹脂の種類は、同じであっても異なっていてもよい。また、2層目のフッ素樹脂の融点は、1層目のフッ素樹脂の融点と同じか低いことが好ましい。そうすることで、皮膜を形成する際に1層目の皮膜が融解する虞がない。
フッ素樹脂成型体へのフッ素樹脂皮膜の形成方法は、溶融浸漬や粉体塗装等の公知の技術を利用することができるが、本発明においては溶射が用いられる。
溶射は、溶射材を加熱、溶融し、この溶射材を溶射対象物に吹き付けて皮膜を形成する方法である。
本発明では、溶射法であれば特に限定されず、フレーム溶射(溶線式フレーム溶射、粉末式フレーム溶射等)、電気式溶射(アーク溶射、プラズマ溶射等)、高速フレーム溶射、コールドスプレーのいずれであってもよい。
上記した溶射法によりフッ素樹脂皮膜を形成することで、溶射対象物、即ちフッ素樹脂成型体への入熱量を少なくすることができて、成型体の形状を維持することができる。
加熱、溶融されて液滴(溶射粒子)となったフッ素樹脂(溶射材)は高温状態であるため、溶射粒子が融着した箇所は一時的に過熱状態となり、フッ素樹脂が溶融される。しかし、溶射粒子体積は非常に小さいため、瞬時に温度が降下する。従って、溶射粒子の温度がフッ素樹脂成型体を形成するフッ素樹脂の融点よりも高い場合であっても、成型体を形成するフッ素樹脂が溶融して形状が崩れるほど加熱される虞がない。
あるいは、微細な粒子状となったフッ素樹脂が固相のまま成型体表面に衝突し、塑性変形して皮膜を形成する。この場合も成型体の形状が崩れる虞がない。
従って、フッ素樹脂成型体の形状を維持しつつフッ素樹脂皮膜を形成することができる。
本発明に係るフッ素樹脂成型品においては、フッ素樹脂皮膜を形成するフッ素樹脂の融点の方が、フッ素樹脂成型体を形成するフッ素樹脂の融点よりも低いものが選択される。
そうすることで、上述の溶射法によるフッ素樹脂皮膜の形成時のフッ素樹脂成型体の溶融を確実に防ぐことができる。
更に、フッ素樹脂成型体を形成するフッ素樹脂としては完全フッ素化樹脂が選択され、フッ素樹脂皮膜を形成するフッ素樹脂としては部分フッ素化樹脂又はフッ素化樹脂共重合体が選択される。
従来より、完全フッ素化樹脂と、部分フッ素化樹脂又はフッ素化樹脂共重合体の接着性は非常に低いことが知られている。つまり、公知の方法により完全フッ素化樹脂に部分フッ素化樹脂又はフッ素化樹脂共重合体を積層させたとしても、容易に剥離してしまうことが知られている。
本発明においては、上記したように、溶射法によりフッ素樹脂皮膜を形成するため、溶融状態のフッ素樹脂がフッ素樹脂成型体表面に確実に融着して皮膜を形成することができる。従って、剥離する虞がなく密着性に優れたフッ素樹脂皮膜とすることができる。
上記したフッ素樹脂成型体とフッ素樹脂皮膜夫々のフッ素樹脂において、特に好適な組み合わせは、PTFEをフッ素樹脂成型体とし、ETFEをフッ素樹脂皮膜とする場合である。
PTFEは耐薬品性に加えて、特に優れた耐熱性を有している。
一方、ETFEはPTFEに比して融点が低く且つ機械的強度に優れるとともに、溶射法による皮膜形成も容易である。
従って、このような組み合わせとすることで、耐薬品性、耐熱性に加えて、機械的強度に優れるフッ素樹脂成型品とすることができる。
フッ素樹脂成型体に形成されるフッ素樹脂皮膜の膜厚は特に限定されないが、フッ素樹脂成型体の厚さに対して、1/30〜1/2の厚さであることが好ましい。
上記した範囲とすることで、フッ素樹脂成型体が有する特性、例えば耐薬品性や耐熱性を活かすことができるとともに、形成したフッ素樹脂皮膜の特性、例えば機械的強度を得ることができる。
フッ素樹脂皮膜の厚さがフッ素樹脂成型体の厚さの1/30未満であると、皮膜を形成するフッ素樹脂の特性を十分に発揮することができないため好ましくない。一方、フッ素樹脂皮膜の厚さがフッ素樹脂成型体の厚さの1/2を超えると、機械的な強度を十分に付与することができるが、成型品の大きさが大きくなり、重量も増加してしまうため好ましくない。
また、フッ素樹脂皮膜を形成する前に、フッ素樹脂成型体の表面に粗面化処理等の下地処理を施してもよい。
本発明では、フッ素樹脂皮膜は溶射法により形成するため、皮膜が剥離する虞はないが、皮膜を形成する前に予め成型体に粗面化処理等の下地処理を施すことで、より確実にフッ素樹脂(溶射粒子)を成型体表面に堆積させることができる。
下地処理の方法は、特に限定されず、ブラスト処理、ヤスリ、常温プラズマ、金属ナトリウムによる表面活性化等を例示することができる。
フッ素樹脂皮膜には、充填材(フィラー)を添加してもよい。充填材を添加することにより、フッ素樹脂成型品の機械的強度を更に向上させることができ、フッ素樹脂皮膜の収縮を低減することができるとともに、耐摩耗性を向上させることができる。
充填材は特に限定されないが、本発明においては特に電気伝導性を有するもの(導電材)であることが好ましい。フッ素樹脂は絶縁体であるため、摩擦等で発生する静電気により容易に帯電する。電気伝導性を有する充填材を添加することにより、フッ素樹脂成型品の帯電を防止あるいは低減することができるため、放電によるフッ素樹脂成型品の破損を防止することができる。
上記した電気伝導性を有するもの(導電材)としては、繊維状のものが好ましく、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブが好適である。繊維状の導電材は幅方向だけでなく、長手方向にも導電性を有しているため、フッ素樹脂皮膜に添加した場合、少量の添加で皮膜の全体にわたって均一に導電性を付与することができる。充填材の含有量は、皮膜を形成するフッ素樹脂に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満であると、機械的強度の向上を図ることができず、また導電性を付与することもできない。一方、50重量%を超えると、機械的強度をより向上させることができ、十分な導電性を付与して帯電を防止することができるが、充填材が偏析する虞があるため好ましくない。
上記した繊維状の充填材(導電材)のアスペクト比は2以上であることが好ましい。更に、繊維の幅、つまり繊維の長手方向に対して直角断面の幅は、500μm以下であることが好ましく、1〜300μmであることがより好ましい。そうすることで、充填材の偏析を防止して、フッ素樹脂皮膜に対して均一に分散させることができる。
フッ素樹脂皮膜を複数層形成する場合、充填材は全ての層に添加してもよいし、いずれか1層にのみ添加してもよい。
例えば、1層目、即ちフッ素樹脂成型体に接する層にのみ充填材を添加する構成とすることができる。1層目に添加すると、皮膜の収縮を抑制して機械的強度を向上させることができる。充填材として上記した導電材を使用することにより、更にその上に導電材を含まない2層目を形成した場合においてもフッ素樹脂皮膜全体に電気伝導性を付与して帯電を防止することができる。また、導電材を含まない2層目を形成することにより、フッ素樹脂皮膜の撥水性、表面性(平滑性、耐摩耗性)をより向上させることができる。
また、導電材(充填材)を添加した1層目の皮膜上に、導電材を含まない2層目の皮膜を形成することで、導電材からの金属成分の溶出を防止することができる。
導電材には微量ではあるが金属不純物が含有される。このような導電材を充填材としてフッ素樹脂皮膜に添加した場合、この皮膜を備えたフッ素樹脂成型品を、例えば半導体製造装置や化学プラントに使用すると、使用中に金属成分(不純物)が溶出する虞がある。
上記したように、導電材(充填材)を添加して皮膜形成する場合、その皮膜上に少なくとも1層更に皮膜を形成することで、フッ素樹脂皮膜の表面性(平滑性、耐摩耗性)を向上させることができるとともに、導電材に由来する金属成分の溶出を効果的に防止することが可能となる。
本発明において、フッ素樹脂成型体とフッ素樹脂皮膜との間に補強材を配置してもよい。つまり、フッ素樹脂成型体の表面に補強材を配置した後に、フッ素樹脂皮膜を形成することができる。
補強材を配置する場合、補強材はメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかとされる。そうすることで、補強材に形成されている穴(メッシュ孔やパンチング孔等)を介してフッ素樹脂成型体とフッ素樹脂皮膜とが接着されることとなる。
上記した構成とすることで、補強材が心材の役割を担うため、フッ素樹脂成型品の機械的強度をより向上させることができるとともに、耐久性に優れたフッ素樹脂成型品とすることができる。
補強材をフッ素樹脂成型体とフッ素樹脂皮膜の間に介在させる構成の他に、フッ素樹脂皮膜を2層以上形成する場合は、フッ素樹脂皮膜とフッ素樹脂皮膜との間に介在させることもできる。
つまり、フッ素樹脂皮膜を形成した上に補強材を配置して、更にフッ素樹脂皮膜が形成される。このような構成とすることにより、フッ素樹脂成型品の機械的強度をより向上させることができる。
また、フッ素樹脂皮膜に充填材(導電材)を添加する場合、フッ素樹脂成型体に接する層にのみ充填材(導電材)を添加してその上に補強材を配置し、更にその上に充填材(導電材)を含まない2層目のフッ素樹脂皮膜を形成してもよい。そうすることで、充填材(導電材)に含有される不純物(例えば、金属成分)の溶出をより低減することが可能となる。
補強材の材質としては、金属、合成樹脂、炭素素材等が使用可能である。具体的には、例えばチタン、タングステン、炭化ケイ素が挙げられ、これらが好適に使用される。
以下、本発明に係るフッ素樹脂成型品の製造方法及びフッ素樹脂成型品に関する実施例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。
但し、本発明は下記実施例には限定されない。
フッ素樹脂成型体にフッ素樹脂皮膜を形成してフッ素樹脂成型品を得た。得られたフッ素樹脂成型品に対して変形試験を行い、成型品が変形するまでに要する力を測定した。測定装置として、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ製、FPG-20)を使用した。
実施例1として、PTFE(ニチアス製、ナフロンPTFE)からなるシート状フッ素樹脂成型体(10mm×100mm、厚さ3mm)の片面(10mm×100mm)にETFE(旭硝子(株)製Fliuon ETFE ZX-8820X)皮膜(1層目)を形成した。形成したETFE皮膜上に、更に、ETFE(旭硝子(株)製Fliuon ETFE ZX-8820X)皮膜(2層目)を形成した。形成した皮膜の厚さは、2層合わせて0.6mmである。
尚、1層目のETFEには、充填材としてカーボンファイバー(東邦テナックス(株)製テナックスチョップドファイバー Tenax(登録商標)J TH M100 40μm(繊維長40μm))を5重量部添加した。
実施例1のシート状フッ素樹脂成型品を測定装置の固定具に固定した。成型品は、固定具を載置した面(以下、固定具載置面)から6mmの高さに固定した。
皮膜を形成していない面が上向きとなるように成型品の一端を水平に固定し、成型品の略中央部を一点押圧した。成型品の固定していない一端(つまり自由端)が固定具載置面に接するまで10mm/秒でフォースゲージを移動させて押圧した。
成型品の自由端が固定具載置面に接した時の力(N)を計測した。
実施例1に使用したものと同じPTFEを用い、皮膜を形成しないものを比較例1とした。比較例1に対して、実施例1と同じ試験を行い、荷重に対する変形について評価した。
結果を下記表(表1)に示す。
表1の結果より、皮膜が形成された実施例1の方が、皮膜が形成されていない比較例1よりも、自由端が固定具載置面に接するまでに多くの力を要することがわかった。つまり、実施例1の方が変形しにくいことが確認された。
また、フッ素樹脂皮膜のフッ素樹脂成型体に対する密着力、フッ素樹脂成型品の曲げ弾性率及び耐薬品性について評価し、フッ素樹脂成型品の外観を目視により観察した。
下記表(表2)に実施例2〜5のフッ素樹脂成型品の構成を示す。尚、実施例2〜5のフッ素樹脂成型品は、シート状成型体(100mm×100mm)に粉末フレーム溶射により皮膜を形成することにより得た。
実施例5においては、充填材を含むフッ素樹脂皮膜を0.3mm形成した上に更に充填材を含まないフッ素樹脂皮膜を0.3mm形成し、厚さの合計が0.6mmの皮膜を得た。
実施例2〜5のフッ素樹脂成型品において、JIS K5600−5−6:1999に基づくフッ素樹脂成型体に対するフッ素樹脂皮膜の密着力を測定した。
また、曲げ弾性率は、PTFE単体の曲げ弾性率580MPa(ASTMD790)を100%として、PTFE単体に対するフッ素樹脂成型品の曲げ弾性率の増減を算出した。
更に、実施例5に対して、JIS K5600−6−1:1999に基づいて耐薬品性を評価した。滴下薬品に98%硫酸及び5%フッ酸水溶液を用い、24時間後に外観を目視観察した。
溶射材として使用したフッ素樹脂粉末の平均粒径は、実施例2,3では20~70μm、実施例4では20~30μm、実施例5では1層目、2層目ともに20~30μmである。
比較例2〜5として、下記表(表2)に示す構成のフッ素樹脂成型品を作製した。尚、比較例2,3のフッ素樹脂皮膜は静電塗装後に焼き付け処理を施したものであり、比較例2は300℃にて1時間、比較例3は285℃にて1時間、夫々電気炉にて焼付け処理を行ったものである。比較例4,5のフッ素樹脂皮膜はスプレー塗装した後に自然乾燥したものである。
結果を下記表(表3及び表4)に示す。
表3,4より、実施例2〜5は、成型体の融解による変形、皮膜の変色やクラック等は見られず、外観は良好であった。
実施例2〜5のいずれにおいても皮膜の剥離は見られなかった。実施例5のように、皮膜を2層形成した成型品においても剥離は見られなかった。このことから、粗面化等の下地処理を施さなくても高い密着力が得られることがわかった。
曲げ弾性率も増加することがわかり、機械的強度が向上したフッ素樹脂成型品を得ることができた。
更に、98%硫酸、5%フッ酸のいずれに曝しても変化はなく、耐薬品性も兼ね備えたものであることが確認された。
実施例2〜5に対して比較例では、比較例4,5は皮膜の変色やクラックは略見られなかったものの、比較例2,3は成型品が変形し、皮膜も黄変していることが確認された。
また、比較例3は密着力に乏しいことがわかった。これは、焼き付け時の温度が低いために、十分な接着性が得られなかったものと考えられる。しかしながら、比較例3では皮膜形成後に軽度ではあるが黄変していることが確認されていることから、接着性を得ようとして焼き付け温度を高くすると皮膜の黄変は更に激しくなるものと考えられる。比較例4,5では、表面処理剤を使用して予め成型体の表面を活性にしておいたために、高い密着力が得られたと考えられる。
比較例4,5では、5%フッ酸に曝しても成型品の変化はほとんど見られなかったが、98%硫酸に曝すと皮膜が変色することが確認され、耐薬品性に乏しいことが確認された。
本発明に係るフッ素樹脂成型品は、半導体製造装置や化学プラントを構成する部材に好適に利用することができる。また、本発明に係るフッ素樹脂成型品の製造方法は、耐薬品性や機械的強度が求められるフッ素樹脂成型品の製造に好適に利用することができる。

Claims (21)

  1. フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体が形成されるフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂により皮膜が形成されていることを特徴とするフッ素樹脂成型品。
  2. 前記成型体の表面に、前記皮膜が2層以上形成されていることを特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂成型品。
  3. 前記成型体が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフッ素樹脂成型品。
  4. 前記皮膜が、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のフッ素樹脂成型品。
  5. 前記成型体がポリテトラフルオロエチレンにより形成され、前記皮膜がエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のフッ素樹脂成型品。
  6. 前記皮膜に充填材が添加されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のフッ素樹脂成型品。
  7. 前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6記載のフッ素樹脂成型品。
  8. 前記充填材が添加された前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜が形成されていることを特徴とする請求項7記載のフッ素樹脂成型品。
  9. 前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のフッ素樹脂成型品。
  10. 前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材が配置されており、前記補強材の上に更に前記皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のフッ素樹脂成型品。
  11. フッ素樹脂からなる成型体の表面に、前記成型体を形成するフッ素樹脂よりも融点が低く、且つ機械的強度が高いフッ素樹脂を溶射して皮膜を形成することを特徴とするフッ素樹脂成型品の製造方法。
  12. 前記成型体の表面に、前記皮膜を2層以上形成することを特徴とする請求項11記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  13. 前記成型体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンから選択されるいずれか一種により形成することを特徴とする請求項11又は12記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  14. 前記皮膜を、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選択されるいずれか一種により形成することを特徴とする請求項11乃至13いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  15. 前記成型体をポリテトラフルオロエチレンにより形成し、前記皮膜をエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体により形成することを特徴とする請求項11乃至14いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  16. 前記皮膜を、粉末フレーム溶射、アーク溶射、高速フレーム溶射、コールドスプレーのいずれかにより形成することを特徴とする請求項11乃至15いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  17. 前記皮膜に充填材を添加することを特徴とする請求項11乃至16いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  18. 前記充填材が、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカー、カーボンナノチューブから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項17記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  19. 前記充填材を添加した前記皮膜の上に、前記充填材を含有しない前記皮膜を形成することを特徴とする請求項18記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  20. 前記成型体と前記皮膜との間にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置することを特徴とする請求項11乃至19いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
  21. 前記皮膜の上にメッシュ材、パンチング材、クロス材のいずれかからなる補強材を配置し、前記補強材の上に更に前記皮膜を形成することを特徴とする請求項11乃至19いずれかに記載のフッ素樹脂成型品の製造方法。
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