JP2012043321A - 電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置の制御部は、回転位置の変化に伴い目標値が増大方向及び減少方向のうち一方向に複数回に渡って変化するときに、各回における変化前の目標値を前回目標値とし、各回における変化後の目標値を現在目標値とすると、現在目標値に対応する電流をコイルに定常的に流すためにコイルに印加することが必要な必要印加電圧に比べて、コイルを流れる電流の変化率が大きくなるように設定される過剰電圧を、前回目標値と現在目標値の差に応じて設定される過剰電圧印加時間tnだけ、目標値が変化するたびにコイルに印加する。
【選択図】図6
Description
具体的には、特許文献1が開示する操作感触付与型回転入力装置では、目標のフォースカーブに一致するように摩擦板に摩擦力が作用させられる。そのために、制御部は、電磁ブレーキのコイルに印加する電圧を調整する。
このような目標のフォースカーブからの現実の摩擦力のずれは、操作感触に影響を与えるため、小さいことが望ましい。
本発明は上記した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、操作者に良好な操作感を与える、電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置及び該回転入力装置を備える車載機器を提供することにある。
過剰電圧を印加することによって、コイルを流れる電流が速く変化するとともにコアが迅速に磁化される。この結果として、この電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置によれば、回転操作部の回転位置に応じて所望の制動力が的確に発生させられ、操作者に良好な操作感が与えられる。
図1は、一実施形態の電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置10の概略的な縦断面図である。電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置10は、例えば、カーエアコンシステムの入力装置として使用され、車室内のインストルメントパネルやセンターコンソールに設置される。
なお、以下では、電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置10のことを単に回転入力装置10ともいう。
回転入力装置10は、例えば、箱形状又は円筒形状のハウジング12を有し、ハウジング12の外部に、回転操作部として、例えば円柱形状の操作ノブ14を有する。操作ノブ14は、ハウジング12によって回転自在に支持された回転軸16の先端に一体に回転可能に固定されている。カーエアコンシステムを操作しようとする者は、回転軸16の軸線を中心として操作ノブ14を回転させることによって、カーエアコンシステムの種々の設定を変更することができる。
連結部22は、例えばゴムからなり、操作ノブ14を回転させた場合、従動軸部20が自由状態のときには、駆動軸部18及び従動軸部20は略一体に回転し、従動軸部20に負荷が掛かっている状態では、連結部22が捻れることにより、駆動軸部18の回転が従動軸部20の回転に先行する。
つまり、駆動軸部18の回転位置は、従動軸部20の回転位置と異なることがある。そこで本実施形態において、操作ノブ14及び回転軸16の回転位置θとは、特に断らない限り、駆動軸部18の回転位置をさすものとする。
回転軸16の従動軸部20は、略円筒形状のソレノイドユニット(電磁ブレーキ)24を相対回転可能にて貫通している。ソレノイドユニット24は、鉄等の磁性材料からなる、例えば2重の円筒形状のコア26を有し、コア26の内部には、管状に巻回された電線からなる円筒状のコイル(ソレノイド)28が同軸にて収容されている。
そのために、アーマチュアロータ34は、例えば2つのロッド部40を有する。ロッド部40は、コア26とは反対側の本体部36の面から軸線方向に突出し、本体部36の直径方向にて相互に離間している。そして、本体部36からみてコア26とは反対側には、円盤形状の支持ディスク42が配置され、ロッド部40は、支持ディスク42に形成された挿通孔44に滑動自在に挿通されている。
回転軸16の駆動軸部18には、操作ノブ14の回転位置θを検出するための被検出体として、コード板46が同軸にて且つ一体に回転可能に取り付けられている。コード板46は、薄い円盤形状の外形を有し、コード板46の外周部には、周方向に一定の間隔で、それぞれ径方向に延びる複数のスリットが形成されている。
各フォトインタラプタ検出器48は、1組の発光素子50及び受光素子52を有し、発光素子50及び受光素子52は、コード板46の外周部を厚さ方向にて挟むように配置されている。
なお、2つのフォトインタラプタ検出器48に代えて、同じ機能を有するパルスエンコーダを用いることもできる。
また、回転入力装置10は、例えばMCU(マイクロコンピュータユニット)を用いて構成される制御部54を有し、MCUは、CPU(中央演算処理装置)やメモリ(記憶装置)等によって構成される。
図2に示したように、制御部54には、フォトインタラプタ検出器48,48、及び、コイル28を含む電気回路に電圧を印加するための電源部56が電気的に接続されている。そして、制御部54には、カーエアコンのメインコントローラ58も電気的に接続されている。
目標値として採用される量は、コイル28を流れる電流と相関を有する量であればよく、本実施形態では、コア26がアーマチュアロータ34を吸引する力(吸引力F)が目標値として採用される。吸引力Fの目標値は、例えば図3のフォースカーブに示されるように、回転位置θの変化に伴い周期的に適当な変化率にて増減するように設定される。
図3のフォースカーブによれば、操作者には、操作ノブ14を回転させたときに、極小位置θmin0,θmin1,θmin2,θmin3,θmin4に引き込まれるような操作感、いわゆるクリック感が吸引力Fによって与えられる。
なお、必要印加電圧は、充分な時間コイル28に印加したときに、コイル電流が目標値にて飽和する電圧である。
第1マップデータ62は、コイル電流の目標値が増大方向に変化するときに参照され、第2マップデータ64は、コイル電流の目標値が減少方向に変化するときに参照される。
なお、図4及び図5中の現在及び前回の目標値In,In−1の単位はA(アンペア)であり、過剰電圧印加時間tnの単位はms(ミリ秒)である。
この場合の電圧が高いとは、電圧の極性が同じであって、電圧の絶対値が大きいことをいう。
そして、本実施形態では、好ましい態様として、過剰電圧印加時間tnは、現在のコイル電流の目標値Inと前回のコイル電流の目標値In−1の差に基づいて設定される。つまり、好ましい態様では、過励磁電圧Eov及び逆励磁電圧Ereは、過剰電圧印加時間と目標値の差が比例するようにそれぞれ設定される。
車の乗員が、操作ノブ14を回転させた場合、制御部54は、操作ノブ14の回転位置θに応じた命令を、カーエアコンメインコントローラ58に入力する。これにより、乗員の希望に応じてカーエアコンが作動する。
一方、制御部54は、変化後の目標値Inが変化前の目標値In−1よりも減少している場合には、第2マップデータ64を参照して過剰電圧印加時間tnを読み込む。なおこの場合も、本実施形態では、変化後の目標値Inと変化前の目標値In−1の差から、過剰電圧印加時間tnを読み込むことができる。
なお、過剰電圧は、変化後の目標値Inが変化前の目標値In−1よりも増大している場合には過励磁電圧Eovであり、変化後の目標値Inが変化前の目標値In−1よりも減少している場合には逆励磁電圧Ereである。
図6に示したように、コイル電流の目標値が変化するたびに、過励磁電圧Eovが、過剰電圧印加時間t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7だけ印加され、その後、必要印加電圧が印加されている。
図7に示したように、コイル電流の目標値が変化するたびに、逆励磁電圧Ereが、過剰電圧印加時間t1,t2,t3だけ印加され、その後、必要印加電圧が印加されている。
図6と図8を比較すると明らかなように、過剰電圧を印加することによって、コイル電流が速く変化するとともにコア26が迅速に磁化される。この結果として、この回転入力装置10によれば、操作ノブ14の回転位置θに応じて所望の制動力が的確に発生させられ、操作者に良好な操作感が与えられる。
上述した一実施形態では、図4及び図5に示されるように、現在のコイル電流の目標値Inと前回のコイル電流の目標値In−1の組に対応して、過剰電圧印加時間tnが規定されていたが、コイル電流の目標値の差に限らず、印加電圧の目標値の差等に応じて、過剰電圧印加時間tnを規定するようにしてもよい。
14 操作ノブ(回転操作部)
24 ソレノイドユニット(電磁ブレーキ)
26 コア(電磁ブレーキ)
28 コイル(電磁ブレーキ)
34 アーマチュアロータ(回転駆動体)
42 支持ディスク(回転駆動体)
48 フォトインタラプタ検出器(回転位置検出器)
54 制御部
tn 過剰電圧印加時間
Eov 過励磁電圧(過剰電圧)
Ere 逆励磁電圧(過剰電圧)
Claims (5)
- 回転操作部と、
前記回転操作部の回転位置を検出する回転位置検出器と、
前記回転操作部とともに回転する回転駆動体と、
コイル及びコアを含み、前記コイルを流れる電流に応じて発生する制動力を前記駆動体に与える電磁ブレーキと、
前記回転操作部の回転位置に応じて設定される、前記コイルを流れる電流と相関を有する量の目標値に基づいて、前記コイルに印加される電圧を調整する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記回転位置の変化に伴い前記目標値が増大方向及び減少方向のうち一方向に複数回に渡って変化するときに、
各回における変化前の目標値を前回目標値とし、
各回における変化後の目標値を現在目標値とすると、
前記現在目標値に対応する電流を前記コイルに定常的に流すために前記コイルに印加することが必要な必要印加電圧に比べて、前記コイルを流れる電流の変化率が大きくなるように設定される過剰電圧を、前記前回目標値及び前記現在目標値に応じて設定される過剰電圧印加時間だけ、前記目標値が変化するたびに前記コイルに印加する
ことを特徴とする電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置。 - 前記制御部は、前記回転位置の変化に伴い前記目標値が増大方向に変化するときに、前記過剰電圧として、前記必要印加電圧よりも高い過励磁電圧を前記コイルに印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置。 - 前記過励磁電圧が印加される前記過剰電圧印加時間は、前記前回目標値と前記現在目標値との差が大きければ長く、前記差が小さければ短く設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置。 - 前記制御部は、前記回転位置の変化に伴い前記目標値が減少方向に変化するときに、前記過剰電圧として、前記必要印加電圧とは極性が異なる逆励磁電圧を前記コイルに印加する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置。 - 前記逆励磁電圧が印加される過剰電圧印加時間は、前記前回目標値と前記現在目標値の差が大きければ長く、前記差が小さければ短く設定される
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁ブレーキ式操作感触付与型回転入力装置。
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WO2017010241A1 (ja) * | 2015-07-13 | 2017-01-19 | 株式会社東海理化電機製作所 | 操作装置 |
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