JP2012042365A - 異物検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス壜1の斜め上方に配置されガラス壜1内を照明する照明2と、ガラス壜1の下方に配置されガラス壜1の底部1aを透過した透過光を撮影する撮像手段3とを備え、撮像手段3は、ズームレンズ(またはバリフォーカルレンズ)4を装着したCCDカメラ3からなり、ガラス壜1の底部1aと撮像手段3との間に、フレネルレンズ5を設け、照明2からガラス壜1aの肩部1sを介してガラス壜1内に入射した光をガラス壜1の底部1aを透過させ、ガラス壜1の底部1aを透過した光をフレネルレンズ5を介してズームレンズ(またはバリフォーカルレンズ)4を装着したCCDカメラ3に入射させるようにした。
【選択図】図1
Description
しかしながら、前記ギザギザ模様の画像部分を含む円輪状のうすぼんやりと明るい画像部分の内側にある円輪状のまだら状画像部分に異物がある場合には、異物による暗い画像部分なのか、まだら模様による暗い画像部分なのかを峻別することができない。図6に示す画像では、まだら模様による暗い画像部分の中に暗い影らしき部分が見えるが、この暗い影らしき部分を小さな丸で囲みハイライトしている。前記円輪状のまだら状画像部分は、画像中、比較的広い範囲に亘っているために、壜底部に沈殿した異物を検出することができない場合が多くあった。
なお、壜のキャップに対応した中央部の円形の暗い画像部分の中に異物がある場合も異物を検出することはできない。
図7は、照明からの光がガラス壜内に入射し、ガラス壜を透過した光がCCDカメラにより撮影される場合の光路を示す図である。図7においては、図6に示す画像中のまだら状画像部分が形成される光路を示している。すなわち、照明2からの光の一部はガラス壜1の肩部1sを透過してガラス壜内に入射し、ガラス壜内に入射した光の一部はガラス壜の底部1aを透過しCCDカメラ3に入射する。ガラス壜の肩部は曲面になっているため、肩部の肉厚は不均一になりがちであり、さらにガラス壜の肩部がなだらかな曲線を描いて傾斜しているためガラス壜の曲面によるレンズ効果によって、CCDカメラ3によって撮影された画像(図6)には、円輪状のまだら状画像が広範囲にわたって写し出されている。
本発明によれば、ズームレンズ(またはバリフォーカルレンズ)を装着したCCDカメラをガラス壜に対して接近させると、被写界深度が深くなり、撮像対象物の背景がボケるボケ効果が小さくなり、逆に離間させると、被写界深度が浅くなり、撮像対象物の背景がボケるボケ効果が大きくなる。したがって、本検査装置によりガラス壜の壜底部を撮影して壜の底部又は底部付近の画像を得る場合に、背景のボケの状態が最良になって、暗い画像部分とうすぼんやりと明るい画像部分とがまだら模様になった円輪状のまだら状画像部分がなくなるように、ズームレンズ(またはバリフォーカルレンズ)とガラス壜との距離を調整し、最良のボケ効果を得るようにする。
本発明によれば、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラを昇降させる昇降機構が設置されているため、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラのガラス壜に対する位置の調整を容易に行うことができる。
本発明によれば、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いて焦点距離を長くすると、被写界深度が浅くなり、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いてある距離にピントを合わせた時、その距離にある撮像対象物はCCDカメラに鮮明に写るが、撮像対象物の背景がボケて、背景が一様な明るさになる。
(1)本発明によれば、照明からの光がガラス壜の肩部を透過する際には、肩部の肉厚の不均一性や肩部の斜めに傾斜した複雑な曲面等の影響を受けて透過光の強度は均一でなくむらがあるが、この透過光がガラス壜の内壁面で反射を繰り返す間に反射光の強度が徐々に均一化されるようになる。そのため、この反射光をフレネルレンズの屈折作用によりCCDカメラに入射させて撮像すると、一様な明るさの画像部分になる。そして、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いて焦点距離を長くすると、被写界深度が浅くなり、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いてある距離にピントを合わせた時、その距離にある撮像対象物はCCDカメラに鮮明に写るが、撮像対象物の背景がボケて、背景が一様な明るさになる。したがって、壜底部に異物がある場合には、異物は一様な明るさの背景の中に暗い影となって写り、異物を明瞭に識別することができる。
(2)ズームレンズまたはバリフォーカルレンズは、被写界深度を調整して撮像対象物を鮮明に写し、背景をボカすことに効果を発揮する。しかしながら、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いた場合、近づいて撮影できる距離範囲が制限され物足りなさを感じる場合が多い。そのため、本発明においては、ズームレンズ(バリフォーカルレンズ)にフレネルレンズを組み合わせて用いることにより、最短撮影距離の調整が容易になり、ズームレンズのボケ効果を活用できるとともに、フレネルレンズの明暗の陰の希釈・均一化効果も活用できる。
(3)本発明によれば、ガラス壜を回転させたり、カメラを多数設置しなくても、1つの撮像手段(カメラ)で壜底部全体の検査が可能になる。したがって、ガラス壜を搬送するための構成を簡素化することが可能になる。
図1は本発明の異物検査装置の基本構成を示す模式図である。図1において、符号1は飲料等の液体が充填されたガラス壜である。ガラス壜1にはキャップ(又は王冠)1cが打栓されている。ガラス壜1は、円形断面を有し、底部外周に凹凸部からなるナーリングを有している。ガラス壜1の斜め上方の左右には、ガラス壜1の斜め上方からガラス壜内を照明する照明2,2が配置されている。照明2は多数のLEDを配列することにより構成されている。ガラス壜1の下方には、ガラス壜1の底部を透過した透過光を撮影するCCDカメラ3が配置されている。CCDカメラ3にはブームレンズ4が装着されている。また、ガラス壜1の壜底部1aとCCDカメラ3との間には、フレネルレンズ5が配置されている。CCDカメラ3に装着されているズームレンズ4は、一定範囲内で焦点距離を自由に変えることができ、その際ピント位置(焦点位置)の移動が生じないレンズである。またズームレンズ4は、焦点距離の変更に伴いピント位置が変化するバリフォーカルレンズ(可変焦点レンズ)であってもよい。ガラス壜1の中心とフレネルレンズ5の中心は、CCDカメラ3およびズームレンズ4の光軸3x上に位置している。CCDカメラ3は、CCDカメラで得られた画像を処理する画像処理装置(図示せず)に接続されている。ここで、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラ3は撮像手段を構成している。
図2は、昇降台6を昇降させる昇降機構の詳細を示す側面図である。図2に示すように、昇降台6は左右に対をなすガイド部6g,6gを備えており、これらガイド部6g,6gは装置のフレームFから垂直方向に延びるガイドシャフト7,7により案内されるようになっている。また、昇降台6は垂直方向に延びる昇降ネジ8に螺合する雌螺子部6nを備えており、雌螺子部6nは垂直方向に延びる昇降ネジ8に螺合するようになっている。昇降ネジ8の下端にはプーリ9が固定されており、プーリ9にはタイミングベルト10が係合している。
図1および図2に示すように構成された昇降機構において、モータ(図示せず)を駆動してタイミングベルト10を走行させることにより昇降ネジ8を回転させると、昇降ネジ8に螺合した雌螺子部6nが昇降し、雌螺子部6nと一体に昇降台6がガイドシャフト7,7に案内されて昇降し、昇降台6に固定されたCCDカメラ3およびズームレンズ4が昇降する。
ズームレンズは焦点位置(ピント位置)がずれることなく連続的に焦点距離が変えられるレンズであり、バリフォーカルレンズは焦点距離の変更に伴い焦点位置(ピント位置)が変化するレンズである。ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いて焦点距離を変えると、被写界深度が変わってくる。被写界深度とは、ある1点にピントを合わせたとき、その前後もピントが合っているように像が鮮明に見える範囲をいう。この像が鮮明に見える範囲が広い場合を被写界深度が深いと云い、逆に狭い場合を被写界深度が浅いと云う。ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いて焦点距離を長くすると、被写界深度が浅くなり、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを用いてある距離にピントを合わせた時、その距離にある撮像対象物はCCDカメラに鮮明に写るが、撮像対象物の背景がボケて、背景が一様な明るさになる。
図3(a)はズームレンズ4を装着したCCDカメラ3を撮像対象物であるガラス壜1に対して接近させた場合を示す立面図であり、図3(b)はズームレンズ4を装着したCCDカメラ3をガラス壜1から離間させた場合を示す立面図である。図3(a)に示すようにズームレンズ4を装着したCCDカメラ3をガラス壜1に対して接近させると、被写界深度が深くなり、撮像対象物の背景がボケるボケ効果が小さくなる。図3(b)に示すようにズームレンズ4を装着したCCDカメラ3をガラス壜1から離間させると、被写界深度が浅くなり、撮像対象物の背景がボケるボケ効果が大きくなる。したがって、本検査装置によりガラス壜1の壜底部1aを撮影して壜の底部又は底部付近の画像を得る場合に、背景のボケの状態が最良になって暗い画像部分とうすぼんやりと明るい画像部分とがまだら模様になった円輪状のまだら状画像部分がなくなるように、ズームレンズ4とガラス壜1との距離を調整し、最良のボケ効果を得るようにする。
また、ガラス壜1のサイズを変更する場合には、サイズの変更に応じてズームレンズ4とガラス壜1との距離を調整し被写界深度が最適なものになるようにする。
図5は、ガラス壜1を直線搬送しながら異物検査を行うことができる異物検査装置の具体的構成を示す図であり、異物検査装置の正面図である。図5に示すように、異物検査装置は、ガラス壜1を直線搬送する左右一対の搬送装置11,11を備えており、ガラス壜1は、1対の搬送装置11,11の搬送ベルト12,12により胴部が挟持された状態で紙面と直交する方向に搬送されるようになっている。搬送ベルト12,12は、搬送方向の前後に設けられた一対のプーリ(図示せず)にそれぞれ巻回されており、プーリが回転することにより、搬送ベルト12,12はガラス壜1を挟持した状態で同一速度で走行するようになっている。
本実施例において、照明はガラス壜の斜め上方に配置されているが、ガラス壜の上方に配置されていてもよい。
1a 壜底部
1s 肩部
2 照明
3 CCDカメラ
4 コーンレンズ
5 フレネルレンズ
6 昇降台
6g ガイド部
6n 雌螺子部
7 ガイドシャフト
8 昇降ネジ
9 プーリ
10 タイミングベルト
11 搬送装置
12 搬送ベルト
Claims (4)
- 液体が充填されたガラス壜の底部に異物があるか否かを検査する装置において、
ガラス壜の上方または斜め上方に配置されガラス壜内を照明する照明と、
ガラス壜の下方に配置されガラス壜の底部を透過した透過光を撮影する撮像手段とを備え、
前記撮像手段は、ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラからなり、
前記ガラス壜の底部と前記撮像手段との間に、フレネルレンズを設け、
前記照明からガラス壜の肩部を介してガラス壜内に入射した光をガラス壜の底部を透過させ、ガラス壜の底部を透過した光を前記フレネルレンズを介して前記ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラに入射させるようにしたことを特徴とする異物検査装置。 - 前記ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラは、ガラス壜に対して接近または離間可能になっていることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
- 前記ズームレンズまたはバリフォーカルレンズを装着したCCDカメラは、昇降機構により昇降可能であることを特徴とする請求項2に記載の異物検査装置。
- 前記ズームレンズまたはバリフォーカルレンズによって被写界深度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異物検査装置。
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