JP2012041772A - 住宅用サッシのシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なくて組み付けが容易でしかも遮音性に優れる住宅用サッシのシール材を提供する。
【解決手段】サッシ枠10内にスライドして開閉自在に嵌合された障子21,22と、サッシ枠10との隙間を塞ぐシール材50であって、障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cに沿って取付けられる両側壁部51a,51bと底壁部51cからなる断面略コ字状の取付基部51と、取付基部51の両端部から底壁部51cに向かって内方に延び、断面略コ字状の開口部に案内されたサッシ枠10に突設されたフランジF1,F2を挟みそのフランジF1,F2の側面に弾接する室外側リップ部52及び室内側リップ部53を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅用サッシのシール材に関する。より詳細には、住宅用サッシのサッシ枠内にスライドして開閉自在に嵌合された障子とサッシ枠との隙間を塞ぐ住宅用サッシのシール材に関するものである。
図9に示すように、通常の住宅用サッシは、上枠11,下枠12,縦枠13,14からなる矩形状のサッシ枠10内に、2枚の障子21,22が引き違いに嵌合されている。これにより、2枚の障子21,22はスライドして開閉自在で、閉鎖時には両障子21,22の召合せ框21A,22A間に設けられたロック部材100を施錠することによって両障子21,22は互いに引き寄せられる。
このような障子21,22とサッシ枠10との間には、施錠時及び無施錠時に両障子21,22を閉鎖したときに両者間の隙間を塞いで室外側から室内側に進入する音を効果的に低減するための各種シール材が設けられている。
障子21,22の上框21B,22Bには、例えば、図10に示すような、シール材31,32が室外側と室内側にそれぞれ設けられ、障子21,22の戸先框21C,22Cには、図11に示すような、シール材33が室外側に設けられている。なお、図10は図9のA−A線拡大断面を示し、図11は図9のB−B線拡大断面を示している。
シール材31,32は、上框21B,22Bに沿って左右(図9において左右)に連続して延び、シール材33は、戸先框21C,22Cに沿って上下(図9において上下)に連続して延びているが、上框21Bと戸先框21Cのコーナー部及び上框22Bと戸先框22Cのコーナー部においてシール材31,32とシール材33は繋がっていない。
室外側のシール部31は、上框21B,22Bに形成された凹溝21BM内の室外側上部に設けられた嵌合部21BKに嵌め込まれる取付部31aと、その取付部31aに一体成形されたリップ状のシール部31bからなり、シール部31bの先端部がサッシ枠10の上枠11に突設されたフランジF1の室外側側面に接触している。また、室内側のシール部32は、全体がリップ状であり、上框21B,22Bに形成された凹溝21BM内の室内側上部にその付け根部が接着され、先端部がサッシ枠10の上枠11に突設されたフランジF1の室内側側面に接触している。
一方、シール材33は、戸先框21C,22Cに形成された凹溝21CM内の室外側端部に設けられた嵌合部21CKに嵌め込まれる取付部33aと、その取付部33aに一体成形された3本のリップ状のシール部33bからなり、障子21の閉鎖時に、シール部33bの先端部がサッシ枠10の縦枠13に突設されたフランジF2の室外側側面に接触している。
また、図12に示すように、戸先框21C,22Cの上下2ケ所には、障子21,22の閉鎖時に、サッシ枠10の縦枠13,14に突設されたフランジF2の先端に当接する位置決め部材34が設けられている。なお、図12は図9のC−C線拡大断面を示している。
障子とサッシ枠間の隙間をシール材で塞いで遮音性を高めたサッシ構造は種々知られている(例えば、特許文献1,2等)。
特開2000−199386号公報 特開平10−231668号公報
しかしながら、従来例として示した住宅用サッシには形状の異なる3種類のシール材31,32,33が使用されているので部品点数が多く、組み付けに工数がかかるとともにコスト高になるといった問題がある。
また、フランジF1,F2に弾接するシール材31,32,33のリップ部は肉厚が薄いので反力が弱くなりがちで障子21,22の安定性が懸念されるとともに、フランジF1,F2に対する弾接量が少ないと障子21,22のバラツキなどに対応することができず遮音効果が低下するといった恐れもある。
さらには、障子21,22の上框21Bと戸先框21Cのコーナー部及び上框22Bと戸先框22Cのコーナー部においては、シール材31,32とシール材33は繋がっていないので、特にコーナー部では室外側から室内側に音が進入してしまう。
また、特許文献1に記載のシール材は、障子21,22の下框21D,22Dに相当する部位に取付けられ、防音機能と防水機能に優れるものであるので、障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cからは音が進入してしまう。
さらに、特許文献2に記載のシール材は、障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cに相当する部位に合成ゴムからなるスポンジ材を挟むものであるので、遮音性をより高めようとすると障子21,22の開閉性が悪くなったり、スポンジ材が破れるなど損傷してかえって遮音性を低下させるといった恐れがある。
そこで、本発明の目的とするところは、部品点数が少なくて組み付けが容易でしかも遮音性に優れる住宅用サッシのシール材を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、サッシ枠(10)内にスライドして開閉自在に嵌合された障子(21,22)と、前記サッシ枠(10)との隙間を塞ぐシール材(50)であって、
前記障子(21,22)の上框(21B,22B)又は戸先框(21C,22C)、あるいは上框(21B,22B)及び戸先框(21C,22C)に沿って取付けられる両側壁部(51a,51b)と底壁部(51c)からなる断面略コ字状の取付基部(51)と、前記取付基部(51)の両端部から底壁部(51c)に向かって内方に延び、前記断面略コ字状の開口部に案内された前記サッシ枠(10)に突設されたフランジ(F1,F2)を挟みそのフランジ(F1,F2)の側面に弾接する室外側リップ部(52)及び室内側リップ部(53)を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記取付基部(51)が取付けられる框は、上框(21B,22B)及び戸先框(21C,22C)であり、前記上框(21B,22B)に取付けられた前記取付基部(51)の側端部と前記戸先框(21C,22C)に取付けられた前記取付基部(51)の上端部は接続されるとともに、前記上框(21B,22B)及び前記戸先框(21C,22C)において、前記取付基部(51)に延設された前記室外側リップ部(52)の端部同士及び前記室内側リップ部(53)の端部同士も接続され、全体形状を略L字状にしたことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記取付基部(51)が取付けられる框は、少なくとも戸先框(21C,22C)であり、前記取付基部(51)は、前記障子(21,22)の閉時に前記断面略コ字状の開口部に案内される前記サッシ枠(10)に突設されたフランジ(F2)の先端に当接する部位を有し、その当接する部位に緩衝用のスポンジ材(S)を設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記スポンジ材(S)を、前記フランジ(F2)の先端と直接に当接する部位に設けたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記取付基部(51)の側壁部(51a,51b)又は底壁部(51c)から、前記フランジ(F2)の先端に当接する部位(51d)を突設し、その突設した部位(51d)と前記取付基部(51)の底壁部(51c)との間に、前記スポンジ材(S)を設けたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記取付基部(51)の底壁部(51c)を部分的に内方に突出させて、前記フランジ(F2)の先端に当接する部位である凸部(51e)とするともに、外方側に形成される凹部(51f)に、前記スポンジ材(S)を設けたことを特徴とする。
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に係る発明によれば、シール材は、障子の上框又は戸先框のいずれか、あるいは上框及び戸先框の両方に沿って取付けられる両側壁部と底壁部からなる断面略コ字状の取付基部と、その取付基部の両端部から底壁部に向かって内方に延び、前記断面略コ字状の開口部に案内された前記サッシ枠に突設されたフランジを挟みそのフランジの側面に弾接する室外側リップ部及び室内側リップ部とからなる一部品であるので、従来のものと比較して部品点数が抑えられる。
これにより、障子に対するシール材の組み付けが容易になるとともにコストの削減を図れる。
特に、戸先框にシール材を取付けた場合に、障子の閉鎖時にフランジの先端を取付基部の底壁部に底突きさせ、底壁部をストッパーとして機能させるようにすれば、位置決め部材も不要になるので、一層、シール材の組み付けが容易になるとともにコストの削減となる。
また、シール材の取付基部は断面略コ字状であるので、障子の上框や戸先框に断面略矩形状の凹溝を設けてその凹溝にシール材の取付基部を嵌め込む構成にすれば、シール材を障子に安定して取付けることができる。
さらに、シール材は、取付基部の両端部から底壁部に向かって延設された室外側リップ及び室内側リップでフランジを挟んで弾接するものであるので、障子自体も安定化するとともに、十分な弾接量を確保できるので障子の形状バラツキや障子とフランジ間の位置バラツキなどにも対応することができ、安定した遮音効果が得られ、その上、断熱性にも優れる。
また、請求項2に係る発明によれば、シール材の全体形状を略L字状にして上框及び戸先框に一体的に取付けるので、組み付けはさらに容易になるとともに、上框と戸先框のコーナー部でもシール材は連続しているので室外側から室内側に音が進入することをコーナー部においても確実に抑制することができ、断熱性にも優れる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、戸先框に取付けられたシール材の取付基部は、障子の閉時にサッシ枠に突設されたフランジの先端に当接する部位を有し、その当接する部位、例えば、請求項4に係る発明のように、フランジの先端と直接に当接する部位に、あるいは、請求項5に係る発明のように、取付基部の側壁部や底壁部から、フランジの先端に当接する部位を突設し、その突設した部位と取付基部の底壁部との間に、あるいは、請求項6に係る発明のように、取付基部の底壁部を部分的に内方に突出させて、フランジの先端に当接する部位(凸部)とするともに、前記内方側とは逆側となる外方側に形成される凹部に、緩衝用のスポンジ材を設けたので、障子を閉めるときの位置決めをするストッパーとしての機能を果たし、フランジの先端が底突きするとき発生する音を効果的に抑制する。
また、サッシ枠から延びるフランジは、その側面が、室外側リップ部及び室内側リップ部でシールされるとともにその先端もスポンジ材でシールされる構成であり、計3点が面によってシールされるので、遮音性は向上し断熱性にも優れる。このとき、シール材の室外側リップ部及び室内側リップをソリッド材で形成すれば、障子の開閉性を特に悪くすることなく、スポンジ材と相俟ってシール性を高めることができる。無論シール材全体が微発泡を含む発泡体であってもよい。
なおスポンジ材は、戸先框において部分的、例えば、上下2ケ所にするだけで障子を閉めるときのストッパーになるが、シール材の取付基部と同様に戸先框に沿って上下に連続的に設けるようにすれば遮音性はさらに向上し断熱効果も向上する。
特に、請求項5及び請求項6に係る発明によれば、フランジの先端が直接的にスポンジ材に当接しないため、スポンジ材は破れ難い。
本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のA−A線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のB−B線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のC−C線拡大断面図であり、(a)は障子が完全に閉じられる直前の状態、(b)は障子が完全に閉じられた状態をそれぞれ示す。 本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材の取付位置を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す外観斜視図である(便宜上、サッシ枠のフランジF1,F2を一点鎖線で示す)。 本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材の製造方法を示す側面図である。 本発明の別の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のC−C線拡大断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のC−C線拡大断面図である。 住宅用サッシの外観側面図である。 従来例に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のA−A線拡大断面図である。 従来例に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のB−B線拡大断面図である。 従来例に係る住宅用サッシのシール材を示す、図9のC−C線拡大断面図である。
図1乃至図6及び図9を参照して、本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材について説明する。本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材50は、図9に示したものと同様のサッシ枠10に嵌め込まれた障子21,22側に取付けられている。図1,図2,及び図3は、それぞれ本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材50を示す、図9のA−A線拡大断面,B−B線拡大断面,及びC−C線拡大断面を示している。従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
本発明の実施形態に係る住宅用サッシのシール材50は、サッシ枠10内にスライドして開閉自在に嵌合された障子21,22に取付けられ、サッシ枠10との隙間を塞ぐものであり、取付基部51とその取付基部51に一体成形された室外側リップ部52及び室内側リップ部53を備えている。
シール材50の取付基部51は、室外側側壁部51aと室内側側壁部51bの両側壁部51a,51bと底壁部51cからなる断面略コ字状で、障子21,22の上框21B,22Bに形成された断面略矩形状の凹溝21BM,22BM(図1では凹溝21BMを示し、凹溝22BMについては図面を省略している)及び戸先框21C,22Cに形成された断面略矩形状の凹溝21CM,22CM(図2では凹溝21CMを示し、凹溝22CMについては図面を省略している)に嵌め込まれ、上框21B,22Bの延びる左右方向(図9の左右方向)及び戸先框21C,22Cの延びる上下方向(図9の上下方向)沿って取付けられている。
またシール材50の室外側リップ部52は、取付基部51の室外側側壁部51aの端部から底壁部51cに向かって内方、ここでは室内側に延びる断面略舌状で、上框21B,22B側では、その室外側リップ部52の室内側の表面が、図1に示すように、サッシ枠10の上枠11から下方に延び前記取付基部51の断面略コ字状の開口部に案内されたフランジF1の室外側側面に弾接している。また、戸先框21C,22Cでは、その室外側リップ部52の室内側の表面が、図2に示すように、障子21,22の閉時に、サッシ枠10の縦枠13から左方,縦枠14から右方に延び前記取付基部51の断面略コ字状の開口部に案内されるフランジF2の室外側側面に弾接するようになっている。
一方、シール材50の室内側リップ部53は、取付基部51の室内側側壁部51bの端部から底壁部51cに向かって内方、ここでは室外側に延びる断面略舌状で、上框21B,22B側では、その室内側リップ部53の室外側の表面が、図1に示すように、サッシ枠10の上枠11から下方に延び前記取付基部51の断面略コ字状の開口部に案内されたフランジF1の室内側側面に弾接している。また、戸先框21C,22Cでは、その室内側リップ部53の室外側の表面が、図2に示すように、障子21,22の閉時に、サッシ枠10の縦枠13から左方,縦枠14から右方に延び前記取付基部51の断面略コ字状の開口部に案内されるフランジF2の室内側側面に弾接するようになっている。
また、シール材50は、図4及び図5で示すように、障子21の上框21Bと戸先框21Cのコーナー部,及び障子22の上框22Bと戸先框22Cのコーナー部では連続していて、全体形状では略L字状である。本発明の実施形態に係る住宅用サッシでは障子21,22の数に対応して2つの略L字状のシール材50が取付けられる。
すなわち、上框21B,22Bに取付けられた取付基部51の側端部と戸先框21C,22Cに取付けられた取付基部51の上端部は接続されるとともに、上框21B,22B及び戸先框21C,22Cにおいて、取付基部51に延設された室外側リップ部52の端部同士及び室内側リップ部53の端部同士も接続されている。
それらコーナー部における接続は、図6(a)に示すような、金型を使用した型成形接続による方法や、図6(b)に示すような、押出成形された2本のシール材の端部同士を接着剤などを使用して接続する方法によって行われる。
なお、サッシ枠10の上枠11から延びるフランジF1と縦枠13から延びるフランジF2もコーナー部では接続され、略L字状に連続的に延びることが好ましい。
また、図3及び図9に示すように、戸先框21C,22Cの上下2ケ所には、障子21,22の閉鎖時に、サッシ枠10の縦枠13,14に突設されたフランジF2の先端に当接する緩衝用のスポンジ材Sが独立して部分的に設けられている。
スポンジ材Sは、取付基部51の底壁部51cの内面側(取付基部51の開口部に案内されるフランジF2側)に設けられ、図3(a)から図3(b)に示すように、障子21,22の閉時に対向するフランジF2の先端に直接に当接し撓むことによりフランジF2の先端を周囲から覆い隠すようになっている。そして、スポンジSは、フランジF2の先端が底突きすることによって障子21,22の位置決めを行うストッパーとしても機能する。スポンジ材Sは、ゴム様弾性体で、EPDMゴムや熱可塑性エラストマーからなり、比重は0.05〜1.1である。また、シール材50と別体で貼り付けされても、シール材50と同時に一体成形されていてもよい。
なお、シール材50を構成する取付基部51,室外側リップ部52及び室内側リップ部53の材質は、特に限定されるわけではないが、ゴム様弾性体であってEPDMゴムなどのソリッドゴム材や熱可塑性エラストマーなどのソリッド樹脂材からなり、障子21,22に組み付けたときの安定性を図るとともに、フランジF1,F2に弾接したときの障子21,22の開閉性を良好なものにしている。また、シール材50の軽量化のためにソリッド材ではなくスポンジ材(微発泡のものも含む)であってもよい。
さらに、室外側リップ部52及び室内側リップ部53のフランジF1,F2に弾接する部位に水性シリコーンなどの摺動材を塗布したり、摺動材を貼着したり共押出しして障子21,22の開閉性をさらに良好にすることもできる。
以上のように構成された本実施形態に係る住宅用サッシのシール材50は、障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cの両方に沿って取付けられる両側壁部51a,51bと底壁部51cからなる断面略コ字状の取付基部51と、その取付基部51の両端部から底壁部51cに向かって延び、断面略コ字状の開口部に案内されたサッシ枠10に突設されたフランジF1,F2を挟みそのフランジF1,F2の側面に弾接する室外側リップ部52及び室内側リップ部53とからなる一部品であるので、障子21,22に対するシール材50の組み付けが容易になるとともにコストの削減を図れる。
また、シール材50の取付基部51の形状は断面略コ字状であり、障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cに設けられた断面略矩形状の凹溝21BM,22BM,21CM,22CMに対して嵌め込まれるようにして取付けられるので、シール材50を障子21,22に安定して取付けることができる。
さらに、シール材50は、取付基部51の両端部から底壁部51cに向かって延設された室外側リップ52及び室内側リップ53でフランジF1,F2を挟んで弾接するものであるので、障子21,22自体も安定化するとともに、十分な弾接量を確保できるので障子21,22の形状バラツキや障子21,22とフランジF1,F2間の位置バラツキなどにも対応することができ、安定した遮音効果が得られ、その上、断熱性にも優れる。
また、シール材50は、その全体形状を略L字状にして上框21B,22B及び戸先框21C,22Cに一体的に取付けられるので、組み付けはさらに容易になるとともに、上框21B,22Bと戸先框21C,22Cのコーナー部でもシール材50は連続しているので室外側から室内側に音が進入することをコーナー部においても確実に抑制することができ、断熱性にも優れる。
さらに、戸先框21C,22Cに取付けられたシール材50の取付基部51には、障子21,22の閉時にサッシ枠10に突設されたフランジF2の先端に直接当接する緩衝用のスポンジ材Sが設けられているので、障子21,22を閉めるときの位置決め用のストッパーとして機能するとともに、フランジF2の先端が底突きするとき発生する音を効果的に抑制する。
また、障子21,22の閉鎖時には、サッシ枠10から延びるフランジF1,F2は、その側面が、室外側リップ部52及び室内側リップ部53でシールされるとともに縦枠13,14においてはフランジF2の先端もスポンジ材Sでシールされる構成であり、計3点が面によってシールされるので、遮音性は向上し断熱性にも優れる。特に室外側リップ部52及び室内側リップ53はソリッド材で形成されているので、障子21,22の開閉性を特に悪くすることなく、スポンジ材Sと相俟ってシール性を高めることができる。
なお、本発明の実施形態では、シール材50を障子21,22の上框21B,22B及び戸先框21C,22Cの両方に沿って取付けるようにしたが、障子21,22の上框21B,22Bのみ、あるいは、障子21,22の戸先框21C,22Cのみに取付ける構成にすることも可能である。
また、フランジF2の先端に当接するスポンジ材Sをシール材50の取付基部51に設けるようにしたが、スポンジ材Sを特に設けることなく、障子21,22の閉鎖時にフランジF1,F2の先端を取付基部51の底壁部51cに直接底突きさせ、底壁部51cをストッパーとして機能させることも可能である。これによれば、スポンジ材Sなどの位置決め部材を別に用意する必要がないので、部品点数がさらに減り、一層、シール材50の組み付けが容易になるとともにコストの削減となる。
また、本発明の実施形態では、スポンジ材Sを、戸先框21C,22Cにおいて上下2ケ所に設けたが、シール材50の取付基部51と同様に戸先框21C,22Cに沿って上下に連続的に設けることもでき、これによれば遮音性はさらに向上し、断熱効果も向上する。
さらに、図7及び図8に示すように、戸先框21C,22Cに取付けられるシール材50の断面形状を変えて、スポンジ材Sの位置を、フランジF2の先端が直接的にスポンジ材Sに当接しないようにすることもできる。
すなわち、図7(a)に示すものは、シール材50の取付基部51の室外側側壁部51aから、フランジF2の先端に当接する部位51dを突設し、その突設した部位51dと取付基部51の底壁部51cとの間に、スポンジ材Sを設けたものである。突設した部位51dにフランジF2の先端が当接すると突設した部位51dはスポンジ材Sを圧縮させるのでスポンジ材Sは緩衝機能を果たす。先端に当接する部位51dは、室内側側壁部51bから突設されるものであってもよく、図7(b)に示すように、シール材50の取付基部51の底壁部51cから、フランジF2の先端に当接する部位51dが突設されるものであってもよい。底壁部51cから突設されるものは、底壁部51cからフランジF2側に略平行(或いは略平行でなくてもよい)に延び室内側側壁部51b側(図7(b))あるいは室外側側壁部51a側に略垂直(或いは略垂直でなくてもよい)に折れ曲がった断面略鉤状である。また、図7(b)のように直角状に折れ曲がるだけでなく、円弧を描きながら折れ曲がっていてもよい。さらに、底壁部51cから突設する場合は、断面略鉤状に限定されず、底壁部51cから室内側側壁部51bあるいは室外側側壁部51a側で、且つフランジF2側に傾斜したヒレ状であってもよい。
また、図8に示すものは、シール材50の取付基部51の底壁部51cを部分的に、ここでは略中央部分を内方に突出させて、フランジF2の先端に当接する部位である凸部51eとするともに、外方側に形成される凹部51fに、スポンジ材Sを設けたものである。内方に突出させた凸部51eにフランジF2の先端が当接するとその凸部51eはスポンジ材Sを圧縮させるのでスポンジ材Sは緩衝機能を果たす。
これによれば、スポンジ材SはフランジF2の先端に直接に当接しないので、スポンジ材Sは破れ難く、長期的に使用することができる。
また、スポンジ材Sは、図3,図7,図8のように中実状であってもよく、空間を有する中空状であってもよい。
10 サッシ枠
11 上枠
12 下枠
13,14 縦枠
21,22 障子
21A,22A 召合せ框
21B,22B 上框
21BK 嵌合部
21BM 凹溝
21C,22C 戸先框
21CK 嵌合部
21CM 凹溝
21D,22D 下框
31 シール材
31a 取付部
31b シール部
32 シール材
33 シール材
33a 取付部
33b シール部
50 シール材
51 取付基部
51a 室外側側壁部
51b 室内側側壁部
51c 底壁部
51d 突設した部位
51e 凸部
51f 凹部
52 室外側リップ部
53 室内側リップ部
100 ロック部材
F1,F2 フランジ
S スポンジ材

Claims (6)

  1. サッシ枠内に開閉自在に嵌合された障子と、前記サッシ枠との隙間を塞ぐシール材であって、
    前記障子の上框又は戸先框、あるいは上框及び戸先框に沿って取付けられる両側壁部と底壁部からなる断面略コ字状の取付基部と、
    前記取付基部の両端部から底壁部に向かって内方に延び、前記断面略コ字状の開口部に案内された前記サッシ枠に突設されたフランジを挟みそのフランジの側面に弾接する室外側リップ部及び室内側リップ部を備えることを特徴とする住宅用サッシのシール材。
  2. 前記取付基部が取付けられる框は、上框及び戸先框であり、
    前記上框に取付けられた前記取付基部の側端部と前記戸先框に取付けられた前記取付基部の上端部は接続されるとともに、前記上框及び前記戸先框において、前記取付基部に延設された前記室外側リップ部の端部同士及び前記室内側リップ部の端部同士も接続され、全体形状を略L字状にしたことを特徴とする請求項1に記載の住宅用サッシのシール材。
  3. 前記取付基部が取付けられる框は、少なくとも戸先框であり、
    前記取付基部は、前記障子の閉時に前記断面略コ字状の開口部に案内される前記サッシ枠に突設されたフランジの先端に当接する部位を有し、その当接する部位に緩衝用のスポンジ材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅用サッシのシール材。
  4. 前記スポンジ材を、前記フランジの先端と直接に当接する部位に設けたことを特徴とする請求項3に記載の住宅用サッシのシール材。
  5. 前記取付基部の側壁部又は底壁部から、前記フランジの先端に当接する部位を突設し、その突設した部位と前記取付基部の底壁部との間に、前記スポンジ材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の住宅用サッシのシール材。
  6. 前記取付基部の底壁部を部分的に内方に突出させて、前記フランジの先端に当接する部位である凸部とするともに、外方側に形成される凹部に、前記スポンジ材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の住宅用サッシのシール材。
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