JP2012041464A - 粉体塗料用樹脂組成物、粉体塗料、及び塗装物に関する。 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化塗膜が平滑性と機械物性に優れる粉体塗料用樹脂組成物、これを用いた粉体塗料、及び平滑性と機械物性に優れる塗装を有する塗装物を提供すること。
【解決手段】多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られ、かつ、下記一般式(1)
(式中、Rはフェニル基、炭素原子数1〜12アルキル置換基を有するフェニル基、炭素原子数4〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18のシクロアルキル基である)
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られ、かつ、下記一般式(1)
(式中、Rはフェニル基、炭素原子数1〜12アルキル置換基を有するフェニル基、炭素原子数4〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18のシクロアルキル基である)
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、硬化塗膜が平滑性と機械物性に優れる粉体塗料用樹脂組成物に関する。
粉体塗料は有機溶剤を含まない環境調和型塗料として成長を続けており、主に鋼製家具、家電、建材、産業機械等の金属製品の塗装に使用されている。粉体塗料用樹脂組成物の多くは成分中に主剤と硬化剤とを含有する熱硬化型であり、加熱することにより主剤と硬化剤とが反応し塗膜が形成される。熱硬化型粉体塗料用樹脂としてはポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が知られているが、これらの中でも、ポリエステル樹脂を用いた粉体塗料用樹脂組成物は、隠蔽性や機械物性に優れた硬化塗膜が得られるため幅広い用途に展開されている。しかしながら、一般に、粉体塗料は塗膜の耐衝撃性および平滑性に劣るという課題がある。この原因として、粉体塗料用途に用いられる樹脂の顔料分散性が低いことなどが挙げられる。
硬化塗膜の耐衝撃性を改善する課題に対し、アミノ基を有するポリエステル樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含有する粉体塗料用樹脂組成物を用い、樹脂中にアミノ基やアミドを導入することで顔料分散性を改善した技術が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このような粉体塗料用樹脂組成物からなる塗膜の耐衝撃性は市場要求レベルに対し、十分なものではなかった。また、該樹脂組成物は硬化が非常に速く、塗膜表面が平滑になる前に架橋反応が進んでしまうため、塗膜の平滑性も十分なものではなかった。これらのことから、塗膜の平滑性および耐衝撃性をより高いレベルで発現できる粉体塗料用樹脂組成物の開発が求められていた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜が平滑性と機械物性に優れる粉体塗料用樹脂組成物、これを用いた粉体塗料、及び平滑性と機械物性に優れる塗装を有する塗装物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られ、かつ、下記一般式(1)
(式中、Rはフェニル基、炭素原子数1〜12アルキル置換基を有するフェニル基、炭素原子数4〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18のシクロアルキル基である)
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物を用いることにより、平滑性と機械物性に優れる硬化塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物を用いることにより、平滑性と機械物性に優れる硬化塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られ、かつ、下記一般式(1)
(式中、Rはフェニル基、炭素原子数1〜12のアルキル置換基を有するフェニル基、炭素原子数4〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18のシクロアルキル基である)
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物に関する。
で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gとなる範囲であるポリエステル樹脂(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)とを含有することを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記粉体塗料用樹脂組成物を含む粉体塗料に関する。
本発明は、更に、前記粉体塗料で塗装された塗装物に関する。
本発明によれば、従来の粉体塗料用樹脂組成物と比較して、硬化塗膜の平滑性と機械物性に優れる粉体塗料用樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られ、かつ、下記一般式(1)で示される末端構造を有しており、水酸基価が10〜80mgKOH/gの範囲であることを特徴とする。即ち、ポリエステル樹脂(A)に下記一般式(1)で示される末端構造を導入することにより、顔料分散性に優れる樹脂組成物となる。
(式中、Rはフェニル基、炭素原子数1〜12のアルキル置換基を有するフェニル基、炭素原子数4〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18のシクロアルキル基である)
ここで、前記ポリエステル樹脂(A)の水酸基価が10mgKOH/g未満の場合、硬化させる際に十分な架橋密度が得られないため、得られる塗膜の強度が低下する。また、水酸基価が80mgKOH/gを超える場合、硬化塗膜の架橋密度が高くなり過ぎるため、得られる塗膜の柔軟性が低下する。
前記ポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を必須の原料成分として反応させて得られるものである。
前記多塩基酸(a1)は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸(4−メチルイソフタル酸、4−ターシャリーブチルイソフタル酸等の芳香環の水素原子がアルキル基で置換されたイソフタル酸を含む)及びこの無水物、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの無水物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性と硬化塗膜の平滑性に優れる点で、テレフタル酸又はイソフタル酸が好ましい。
前記多価アルコール(a2)は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化塗膜の耐衝撃性と平滑性に優れる点で、エチレングリコール又はネオペンチルグリコールが好ましい。
前記1価のアミン化合物(a3)は、例えば、アニリン、トルイジン、キシリジン、クミジン、ヘキシルアニリン、ノニルアニリン、ドデシルアニリン、ベンジルアミンなどの炭素原子数6〜18の芳香族アミン;ブチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、牛脂アルキルアミン、3−メトキシプロピルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、オレイルアミン、ラウリルアミン、ココアルキルアミン、ステアリルアミンなどの炭素原子数4〜18の脂肪族アミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミンなどの炭素原子数6〜18の脂環式アミンが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、硬化塗膜の耐衝撃性と平滑性に優れる点で、アニリン、ベンジルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、又はシクロヘキシルアミンがより好ましい。
前記1価のアミン化合物(a3)のアミノ基価は、100〜800mgKOH/gの範囲であるが、顔料分散性に優れる点で200〜610mgKOH/gの範囲であるアニリン、トルイジン、キシリジン、クミジン、ヘキシルアニリン、ノニルアニリン、ドデシルアニリン、ベンジルアニリン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、牛脂アミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、オレイルアミン、ラウリルアミン、ココアルキルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン等が好ましい。更に、200〜450mgKOH/gの範囲であるクミジン、ヘキシルアニリン、ノニルアニリン、ドデシルアニリン、オクチルアミン、牛脂アミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、オレイルアミン、ラウリルアミン、ココアルキルアミン、ステアリルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン等がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)を合成する際の原料中の多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)の含有量は、樹脂組成物の顔料分散性と硬化塗膜の耐衝撃性に優れる点で、(a1)、(a2)及び(a3)の合計質量を100質量部とした場合、それぞれ前記多塩基酸(a1)が30〜80質量部、前記多価アルコール(a2)が20〜60質量部、前記1価のアミン化合物(a3)が0.1〜5質量部の範囲となる割合であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)を合成する際の原料には多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)の他の化合物が含まれていてもよい。これらの化合物としては、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂(A)の合成は、例えば、多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)、及び1価のアミン化合物(a3)を一括で反応させる方法(以下、これを「方法1」と略記する)や、先に多塩基酸(a1)と多価アルコール(a2)とを反応させた後、1価のアミン化合物(a3)を加えて反応させる方法(以下、これを「方法2」と略記する)などが挙げられる。
前記方法1の反応は、多価アルコール(a2)及び1価のアミン化合物(a3)を80〜140℃程度に加熱して溶融させた後、多塩基酸(a1)原料を加え、任意の縮重合触媒を添加し、180〜260℃程度の加熱条件下、15〜35時間程度攪拌混合して反応させる方法が挙げられる。
前記方法2の反応は、通常、多価アルコール(a2)原料を80〜140℃程度に加熱して溶融させた後、多塩基酸(a1)を加え、任意の縮重合触媒を添加し、180〜260℃程度の加熱条件下、15〜35時間程度攪拌混合して一段目の反応を行う。続いて、1価のアミン化合物(a3)を加え、180〜260℃程度の加熱条件下、5〜10時間程度攪拌混合して二段目の反応を行う方法が挙げられる。
前記方法1又は方法2で用いる縮重合触媒としては、ジブチル錫オキサイド等の錫化合物又はテトラプロピルチタネート等のチタン系化合物等が挙げられる。触媒の使用量は通常、原料モノマーの質量に対し、0.5〜0.005質量%となる範囲で用いられる。
このようにして得られる前記ポリエステル樹脂(A)は、軟化点が50〜150℃の範囲、かつ、ガラス転移温度が30〜80℃の範囲であることが、得られる粉体塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が優れる点で好ましい。中でも、軟化点が70〜140℃の範囲、かつ、ガラス転移温度が40〜70℃の範囲であることがより好ましい。該ポリエステル樹脂(A)の軟化点及びガラス転移温度の調整は、合成反応の終点を制御することにより可能である。
本発明で用いるイソシアネート系硬化剤(B)は、具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー;前記イソシアネートモノマーのヌレート体、前記イソシアネートモノマーと多価アルコールとのアダクト変性体;前記イソシアネートモノマーをヌレート化した化合物をε−カプロラクタムやメチルエチルケトンオキシム等のブロック剤で保護して得られるブロックイソシアネート化合物;分子内にウレトジオン結合を有するブロック剤フリーの自己ブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。
前記イソシアネートモノマーのヌレート体を得る際に用いるイソシアネートモノマーとしては、上記した各種イソシアネートモノマー等が挙げられる。
前記イソシアネートモノマーと多価アルコールとのアダクト変性体を得る際に用いるイソシアネートモノマーとしては、上記した各種のイソシアネートモノマー等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、前記多価アルコール(a2)として例示した各種の多価アルコール等が挙げられる。
前記イソシアネートモノマーをヌレート化した化合物をε−カプロラクタムやメチルエチルケトンオキシム等のブロック剤で保護して得られるブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、イソホロンジイソシアネートをヌレート化した化合物をε−カプロラクタムでブロックした化学構造を有する「ベスタゴン B−1530」(ヒュルス社製)が挙げられる。また、前記分子内にウレトジオン結合を有するブロック剤フリーの自己ブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、イソホロンジイソシアネートを自己ブロック化した化学構造を有する「ベスタゴン BF−1540」(ヒュルス社製)が挙げられる。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物中のポリエステル樹脂(A)とイソシアネート硬化剤(B)との含有量は、通常、ポリエステル樹脂(A)中の水酸基1モルに対して、イソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基が0.5〜1.5モルとなるように調整される。
前記粉体塗料用樹脂組成物にはポリエステル樹脂(A)とイソシアネート系硬化剤(B)の他の化合物が含まれていてもよい。これらの化合物としては二酸化チタン、カーボンブラック等の各種顔料、アクリル樹脂、シリコン樹脂等のフロー調整剤、錫化合物等の硬化触媒、ベンゾイン等の脱泡剤等が挙げられる。
本発明の粉体塗料は、前記粉体塗料樹脂組成物をミキサーで予備混合し、加熱可能なニーダー又はロールを用いて70〜150℃で溶融混錬し、微粉砕し、100〜200メッシュの金網で分級することによって得られる。
本発明の粉体塗料は鋼製家具、家電、建材、産業機械等の金属製品等の塗装用途に好適に用いることができる。これらに塗装する際の塗装方法としては、静電粉体塗装等の手法が挙げられ、該方法で粉体塗料を基材に塗装した後、150〜220℃の範囲となる温度で10〜30分間焼き付けを行い、塗装物を得る方法が挙げられる。この様にして得られる塗膜の膜厚は30〜100μmの範囲であることが、塗膜の平滑性と耐衝撃性とを良好に兼備できる点から好ましい。
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明する。
[合成例1]
ポリエステル樹脂(A1)の合成
多塩基酸(a1)としてテレフタル酸、多価アルコール(a2)としてネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン、1価のアミン化合物(a3)としてアニリンを表1−1に示す質量比で用いて、上述の方法1のようにして反応させた。具体的には、フラスコ上部に温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットル4口フラスコに多価アルコール(a2)と1価のアミン化合物(a3)を仕込み加熱溶融させた後、多塩基酸(a1)を加え、縮重合触媒としてジブチル錫オキサイドを全モノマー量に対し0.3質量%を投入し、常圧窒素気流下にて245℃で26時間攪拌混合して反応を行った。反応は、環球式自動軟化点試験器(株式会社メイテック製「ASP−MGK4」)による軟化点測定により追跡し、軟化点が所定の温度となったところで停止しポリエステル樹脂(A1)を得た。合成したポリエステル樹脂(A1)の物性値を表1−1に示す。
ポリエステル樹脂(A1)の合成
多塩基酸(a1)としてテレフタル酸、多価アルコール(a2)としてネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン、1価のアミン化合物(a3)としてアニリンを表1−1に示す質量比で用いて、上述の方法1のようにして反応させた。具体的には、フラスコ上部に温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットル4口フラスコに多価アルコール(a2)と1価のアミン化合物(a3)を仕込み加熱溶融させた後、多塩基酸(a1)を加え、縮重合触媒としてジブチル錫オキサイドを全モノマー量に対し0.3質量%を投入し、常圧窒素気流下にて245℃で26時間攪拌混合して反応を行った。反応は、環球式自動軟化点試験器(株式会社メイテック製「ASP−MGK4」)による軟化点測定により追跡し、軟化点が所定の温度となったところで停止しポリエステル樹脂(A1)を得た。合成したポリエステル樹脂(A1)の物性値を表1−1に示す。
[合成例2、3、及び5〜7]
ポリエステル樹脂(A2)、(A3)、及び(A5)〜(A7)の合成
前記ポリエステル樹脂(A1)の合成で用いたテレフタル酸、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及びアニリンに代えて、表1−1に示した各原料を記載の質量比で用い、ポリエステル樹脂(A1)の合成と同様に上述の方法1のようにして反応させ、ポリエステル樹脂(A2)、(A3)、及び(A5)〜(A7)を得た。合成した各ポリエステル樹脂の物性値を表1−1に示す。
ポリエステル樹脂(A2)、(A3)、及び(A5)〜(A7)の合成
前記ポリエステル樹脂(A1)の合成で用いたテレフタル酸、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及びアニリンに代えて、表1−1に示した各原料を記載の質量比で用い、ポリエステル樹脂(A1)の合成と同様に上述の方法1のようにして反応させ、ポリエステル樹脂(A2)、(A3)、及び(A5)〜(A7)を得た。合成した各ポリエステル樹脂の物性値を表1−1に示す。
[合成例4]
ポリエステル樹脂(A4)の合成
多塩基酸(a1)としてテレフタル酸、多価アルコール(a2)としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン、1価のアミン化合物(a3)としてアニリンを表1−1に示す質量比で用いて、上述の方法2のようにして反応させた。具体的には、フラスコ上部に温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットル4口フラスコに多価アルコール(a2)を仕込み加熱溶融させた後、多塩基酸(a1)を加え、縮重合触媒としてジブチル錫オキサイドを全モノマー量に対し0.3質量%を投入し、常圧窒素気流下にて245℃で20時間攪拌混合して一段目の反応を行った。続いて、1価のアミン化合物(a3)を加え、常圧窒素気流下にて245℃で6時間攪拌混合して二段目の反応を行った。反応は、環球式自動軟化点試験器(株式会社メイテック製「ADP−MGK4」)による軟化点測定により追跡し、軟化点が所定の温度となったところで停止しポリエステル樹脂(A4)を得た。合成したポリエステル樹脂(A4)の物性値を表1−1に示す。
ポリエステル樹脂(A4)の合成
多塩基酸(a1)としてテレフタル酸、多価アルコール(a2)としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパン、1価のアミン化合物(a3)としてアニリンを表1−1に示す質量比で用いて、上述の方法2のようにして反応させた。具体的には、フラスコ上部に温度計、攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットル4口フラスコに多価アルコール(a2)を仕込み加熱溶融させた後、多塩基酸(a1)を加え、縮重合触媒としてジブチル錫オキサイドを全モノマー量に対し0.3質量%を投入し、常圧窒素気流下にて245℃で20時間攪拌混合して一段目の反応を行った。続いて、1価のアミン化合物(a3)を加え、常圧窒素気流下にて245℃で6時間攪拌混合して二段目の反応を行った。反応は、環球式自動軟化点試験器(株式会社メイテック製「ADP−MGK4」)による軟化点測定により追跡し、軟化点が所定の温度となったところで停止しポリエステル樹脂(A4)を得た。合成したポリエステル樹脂(A4)の物性値を表1−1に示す。
[物性値の測定方法]
酸価:ベンジルアルコールにポリエステル樹脂試料を溶解して、0.1規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価:無水酢酸とピリジンとの混合溶液にポリエステル樹脂試料を溶解して、100℃で一時間加熱環流し、水酸基をアセチル化し、次いでイオン交換水を加えてさらに加熱環流した後、冷却し、水酸化カリウムのトルエン/メタノール溶液で逆滴定して求めた(単位:mgKOH/g)。
アミン価:酢酸エチル溶液にポリエステル樹脂試料を溶解し、0.1規定の塩酸水溶液で滴定し、求めた。
軟化点:環球式自動軟化点試験機(株式会社メイテック製「ASP−MGK4」)を用い、グリセリンの加熱浴で3℃/分の昇温速度で昇温し、試料が軟化し始め、球が落下した時の温度を測定した(単位:℃)。
酸価:ベンジルアルコールにポリエステル樹脂試料を溶解して、0.1規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価:無水酢酸とピリジンとの混合溶液にポリエステル樹脂試料を溶解して、100℃で一時間加熱環流し、水酸基をアセチル化し、次いでイオン交換水を加えてさらに加熱環流した後、冷却し、水酸化カリウムのトルエン/メタノール溶液で逆滴定して求めた(単位:mgKOH/g)。
アミン価:酢酸エチル溶液にポリエステル樹脂試料を溶解し、0.1規定の塩酸水溶液で滴定し、求めた。
軟化点:環球式自動軟化点試験機(株式会社メイテック製「ASP−MGK4」)を用い、グリセリンの加熱浴で3℃/分の昇温速度で昇温し、試料が軟化し始め、球が落下した時の温度を測定した(単位:℃)。
比較合成例1及び2
ポリエステル樹脂(B1)及び(B2)の合成
前記ポリエステル樹脂(A1)の合成で用いたテレフタル酸、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及びアニリンに代えて、表1−2に示した各原料を記載の質量比で用い、ポリエステル樹脂(A1)の合成と同様に上述の方法1のようにして反応させ、ポリエステポリエステル樹脂(B1)及び(B2)を得た。
ポリエステル樹脂(B1)及び(B2)の合成
前記ポリエステル樹脂(A1)の合成で用いたテレフタル酸、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及びアニリンに代えて、表1−2に示した各原料を記載の質量比で用い、ポリエステル樹脂(A1)の合成と同様に上述の方法1のようにして反応させ、ポリエステポリエステル樹脂(B1)及び(B2)を得た。
実施例1〜7および比較例1,2
[粉体塗料組成物および調整方法]
表2に示す割合で、各別に、粉体塗料用樹脂組成物を配合し、各成分を「ヘンシェル・ミキサー」(三井鉱山株式会社製「MITSUI HENSCHEL FM10C」)で予備混合する。その混合物を一軸混練機(株式会社ブッスジャパン製「コ・ニーダーPR−46型」)を使用して、100℃で溶融混練したのちに、微粉砕し、さらに150メッシュの金網で分級することによって、平均粒径が30〜40μmの粉体塗料を調製した。これらの各粉体塗料を実施例1〜7及び比較例1,2とし、これらを用いて下記の塗膜形成方法に従って各種の塗膜を作製した後、それぞれの塗膜について塗膜性能試験を行なった。
[粉体塗料組成物および調整方法]
表2に示す割合で、各別に、粉体塗料用樹脂組成物を配合し、各成分を「ヘンシェル・ミキサー」(三井鉱山株式会社製「MITSUI HENSCHEL FM10C」)で予備混合する。その混合物を一軸混練機(株式会社ブッスジャパン製「コ・ニーダーPR−46型」)を使用して、100℃で溶融混練したのちに、微粉砕し、さらに150メッシュの金網で分級することによって、平均粒径が30〜40μmの粉体塗料を調製した。これらの各粉体塗料を実施例1〜7及び比較例1,2とし、これらを用いて下記の塗膜形成方法に従って各種の塗膜を作製した後、それぞれの塗膜について塗膜性能試験を行なった。
[塗膜形成方法]
被塗物として使用する基材は、0.8mm(厚さ)×70mm×150mmの燐酸亜鉛処理ダル鋼板(日本テストパネル(株)製「ボンデライト#144」)を用いた。
被塗物として使用する基材は、0.8mm(厚さ)×70mm×150mmの燐酸亜鉛処理ダル鋼板(日本テストパネル(株)製「ボンデライト#144」)を用いた。
実施例1〜7及び比較例1,2の粉体塗料を、それぞれ、基材に焼き付けた後の膜厚が60〜70μmとなるようにして静電粉体塗装せしめた後、180℃/20分間なる条件下に焼き付けを行ない、粉体塗料からなる塗膜(以下、「粉体塗膜」と略記する。)を有する被塗物を得た。
かくして得られた、被塗物上の粉体塗膜について塗膜性能評価及び塗料の貯蔵安定性の評価を行った。それらの結果をまとめて表2に示した。
なお、評価判定の要領は、次の通りである。
・塗膜光沢:JIS−K5400に準拠し、粉体塗膜の鏡面光沢度を測定した。
・平滑性:PCI(パウダーコーティングインスティチュート)による粉体塗膜の平滑性目視判定用標準板を用いて判定した。標準板は、1〜10の10枚あり、数字が大きくなるに従い、平滑性が良好となる。作成した粉体塗膜の平滑性がどの標準板に相当するかを目視で判定した。
・耐衝撃性:塗膜面にDu−pont衝撃試験機で、1/2インチ径のポンチに500gの重りを落下させてワレが発生する高さ(cm)で耐衝撃性を判定した。
・耐エリクセン性:塗膜面をエリクセン試験機(太佑機材株式会社製「ERICHSENGMBH&CO.KG 200」)で押し出し試験を行い、ワレが発生したときの押し出した長さを測定した。
・平滑性:PCI(パウダーコーティングインスティチュート)による粉体塗膜の平滑性目視判定用標準板を用いて判定した。標準板は、1〜10の10枚あり、数字が大きくなるに従い、平滑性が良好となる。作成した粉体塗膜の平滑性がどの標準板に相当するかを目視で判定した。
・耐衝撃性:塗膜面にDu−pont衝撃試験機で、1/2インチ径のポンチに500gの重りを落下させてワレが発生する高さ(cm)で耐衝撃性を判定した。
・耐エリクセン性:塗膜面をエリクセン試験機(太佑機材株式会社製「ERICHSENGMBH&CO.KG 200」)で押し出し試験を行い、ワレが発生したときの押し出した長さを測定した。
表2において、配合量は質量部を示す。
(表2−1の脚註)
1)ベスタゴンB−1530:デグサ社製ε−カプロラクタムブロックのポリイソシアネート化合物、NCO当量280
2)ベスタゴンBF−1540:デグサ社製内部ブロックタイプのポリイソシアネート化合物、NCO当量280
3)DBTDL:ジブチル錫ラウレート
4)MF P−2000:モンサント社製アクリル樹脂表面調整剤。
5)CR−90:石原産業株式会社製 酸化チタン「タイペーク CR−90」。
(表2−1の脚註)
1)ベスタゴンB−1530:デグサ社製ε−カプロラクタムブロックのポリイソシアネート化合物、NCO当量280
2)ベスタゴンBF−1540:デグサ社製内部ブロックタイプのポリイソシアネート化合物、NCO当量280
3)DBTDL:ジブチル錫ラウレート
4)MF P−2000:モンサント社製アクリル樹脂表面調整剤。
5)CR−90:石原産業株式会社製 酸化チタン「タイペーク CR−90」。
Claims (8)
- 前記ポリエステル樹脂(A)が、多塩基酸(a1)、多価アルコール(a2)および1価のアミン化合物(a3)を、(a1)、(a2)及び(a3)の合計質量を100質量部に対して、それぞれ(a1)を30〜80質量部、(a2)を20〜60質量部、(a3)を0.1〜5質量部の範囲となる割合で含有する原料を反応させて得られる請求項1に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
- 前記1価のアミン化合物(a3)が、炭素数6〜18の芳香族アミン、炭素数4〜18の脂肪族アミン、炭素数6〜18の脂環式アミンからなる群から選ばれる1種類以上のアミンである請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
- 前記1価のアミン化合物(a3)のアミノ基価が100〜800mgKOH/gとなる範囲である請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
- 前記1価のアミン化合物(a3)が、アニリン、ベンジルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、及びシクロヘキシルアミンからなる群から選ばれる1種以上のアミンである請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)の軟化点が50〜150℃となる範囲であり、かつガラス転移温度が30〜80℃となる範囲である請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1つにの粉体塗料用樹脂組成物を含有することを特徴とする粉体塗料。
- 請求項7記載の粉体塗料を用いてなる塗膜を有する塗装物。
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JP2018104524A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 富士ゼロックス株式会社 | 粉体塗料 |
CN110484102A (zh) * | 2019-08-12 | 2019-11-22 | 广东歌丽斯化学有限公司 | 一种新型聚酯氧化珍珠辊涂涂料及其制备方法和应用 |
CN112280444A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-01-29 | 安徽博泰装饰材料有限公司 | 一种聚酯透明粉末涂料及其制备方法 |
-
2010
- 2010-08-20 JP JP2010184917A patent/JP2012041464A/ja active Pending
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