JP2012040271A - 静脈環流制限下トレーニングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】運動によるノイズを十分に除去することによって、筋力トレーニングにおける運動時の正確な脈拍数と血圧を測定して異常時に静脈環流制限を停止する。
【解決手段】VRCカフ3を、四肢の根幹部に装着して締め付ける。モータポンプ2が駆動されるとVRCカフ3に圧縮空気が送られて上腕や下肢が圧迫される。装着者の脈動により変動するVRCカフ3の空気圧力を圧力センサー4で電気信号に変換し、特定帯域の成分をバンドパスフィルタ7で抽出する。増幅器8で増幅し、検波器9でダイオード検波して、ローパスフィルタ10で低域成分を抽出する。制御用CPU11で脈拍数と血圧を求め、脈拍数や血圧が所定範囲を超えたとき、圧力調整バルブ用ドライブ回路13を介して大気開放バルブ5を開き、静脈環流制限を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静脈環流制限下トレーニングシステムに関し、特に、静脈環流制限状態での筋力トレーニングにおいて、運動時のノイズを除去して正確に脈拍数と血圧を測定できる静脈環流制限下トレーニングシステムに関する。
従来、四肢に圧力を加えて血流を制限して効率的にトレーニング効果を上げるために、他人に対して筋力トレーニングの実施を行う有資格者が、被訓練者の四肢の基部を専用のベルト等で締め付けて、被訓練者の掌の色の変化や足首の色の変化及び締め付け部のドクドクという感じを聞いて、締め付ける圧力を有資格者が設定していた。これらの方法は定性的であり、最適な血流制限下のトレーニングになっていない場合がある。
より安全で効率的に血流を制限するために、脈拍と血圧を測定して、最適な静脈環流制限を行う方法が採られた。ところが、安静時には良好に脈拍や血圧を測定できるが、運動時には静脈環流制限カフ(以下「VRCカフ」という。VRCは、Venous Return Control:静脈環流制限の略である。)内の圧力変動にノイズが加わるので、安静時と同様な方法では正確に測定するのは困難である。そこで、測定信号をフィルタなどで処理することにより、ノイズを除去して脈拍や血圧を測定している。一般に信号成分と雑音成分に分離するには、周波数領域や時間領域による信号処理が行われている。運動負荷時の血圧を測定するための運動試験用血圧計においては、心拍に同期した信号を同期信号として利用して雑音の影響を除去する。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「加圧筋力増強装置」は、加圧筋力増強方法を実行するときに、血流の阻害の程度を正確に調節できるようにするものである。図9(a)に示すように、加圧筋力増強装置は、緊締具と、圧力設定装置と、測定装置と、制御装置とを備えて構成される。緊締具は、四肢の所定の部位に巻きつけられる。緊締具は、気密なガス袋を備えており、ここに空気を出し入れすることで、四肢に対して与える締め付け力を変化させられる。圧力設定装置は、ガス袋への空気の出し入れを制御する。測定装置は、緊締具が巻き付けられた四肢の末端側に取付けられ、締め付け力の増減に応じて変化する測定対象値を測定する。制御装置は、測定対象値に基づいて、圧力設定装置を制御する。このように、この加圧筋力増強装置では、測定対象値に基づいて自動的に締め付け力が制御される。
特許文献2に開示された「筋力増強システム」は、使用者自身に余計な手間等をかけることなく、より効果的な筋肉の増強を図ることが出来るものである。図9(b)に示すように、筋力増強システムは、筋力増強器具と加圧力制御装置とからなる。筋力増強器具は、内部にチューブが設けられた緊締帯と、緊締帯を所望の径のループ形状に維持するための固定部を有している。緊締帯を四肢の所定の締め付け部位に対して巻き付けて固定部により固定した状態で、チューブに空気を入れることにより、緊締帯を巻き付けた四肢に所定の加圧力を与え、それにより血流を阻害することで加圧筋力トレーニング方法が実行される。加圧力制御装置は、内蔵のポンプを制御し、予め設定した加圧力を超えない範囲で自動的に加圧力を制御する。
特許文献3に開示された「筋力増強器具」は、加圧部位に簡単に固定できる加圧筋力トレーニング方法用の筋力増強器具である。図9(c)に示すように、筋力増強器具は、主ベルト、固定用ベルトを備えている。主ベルトの一端にはリングが、他端にはループ状にされたベルトが固定されている。主ベルトと固定用ベルトには、固定用の面ファスナがそれぞれ設けられている。この筋力増強器具を加圧部位に固定するには、まず、主ベルトの一端をベルトにくぐらせて形成した主ベルトによる輪の中に加圧部位を通す。次いで、固定用ベルトの先端をリングに通してから折り返す。次いで、固定用ベルトを引っ張り、固定用ベルトを主ベルトに固定する。
特許文献4に開示された「加圧トレーニング装置」は、加圧トレーニングの効果と安全性を向上させたものである。図9(d)に示すように、加圧トレーニングシステムは、腕又は脚の締付け部位に巻き付けるものであり、ガス袋を備えた緊締具と、緊締具のガス袋に空気を供給し、またはガス袋から空気を抜くことで緊締具による締付け部位への締付け力を制御する加圧トレーニング装置を備える。加圧トレーニング装置は、緊締具が締付け部位に与える締付け力が適正圧よりも低い範囲で上ピークと下ピークを繰り返すように、緊締具のガス袋に空気を送込み、またガス袋から空気を抜く。
特許文献5に開示された「加圧トレーニング装置」は、効率よく筋力増強できるものである。図9(e)に示すように、加圧トレーニングシステムは、腕又は脚の締付け部位に巻き付けるものであり、ガス袋を備えた緊締具と、緊締具のガス袋に空気を供給し、またはガス袋から空気を抜くことで緊締具による締付け部位への加圧力を制御する圧力調整装置と、測定装置と、制御装置とを備える。測定装置は、加圧トレーニング実行中の実行者の拍動数、脈波値、酸素飽和度値のいずれかの測定対象値を測定する。制御装置は、測定装置が測定した測定対象値が加圧トレーニングの継続を行うべきでないことを示した場合、それを圧力調整装置に通知して加圧トレーニングを中止する。
特許文献6に開示された「運動時の脈拍数酸素飽和度測定方法」は、被測定者の運動等による体動に起因する雑音の周期が一致或いは近接し、その振幅が大きい場合にも、正確に脈拍数及び酸素飽和度の測定が可能な方法である。生体組織を透過又は反射した2種類の脈波信号を信号成分と雑音成分に分離する。分離された信号成分と雑音成分の周波数スペクトルを演算する。信号成分と雑音成分の周波数スペクトルに基づいて、体動の有無を判定する。体動の有無の判定結果に応じて、脈拍周波数を決定する。決定された脈拍周波数から脈拍数を演算する。決定された脈拍周波数に対応する2種類の脈波信号のスペクトル比から酸素飽和度を演算する。
特許文献7に開示された「血圧計測方法」は、安静時も運動時も共に血圧を測定できる方法である。特に、コロトコフ音を正確に測定した場合と同様の結果を、容易に取得できる方法である。図9(f)に示すように、カフの内側で、かつ、人体の上腕中央内側に位置するように、歪センサを配置固定する。カフを加圧後に減圧しながら歪センサによりカフ内側の被圧迫脈波を計測する。計測された被圧迫脈波から周波数が100Hz以下となる特定周波数成分の被圧迫脈波のみを抽出する。特定周波数成分の被圧迫脈波に基づき、人体の最高血圧値又は最低血圧値を決定する。
特開2005-006921号公報 特開2005-058544号公報 特開2005-065874号公報 特開2007-125254号公報 特開2008-167786号公報 特開2009-022484号公報 特開2010-017299号公報
しかし、上記従来の筋力トレーニング装置では、運動時の脈拍や血圧の正確な測定ができないことがある。例えば、ノイズの周波数が脈拍の周波数に一致あるいは近接していて、その振幅が大きい場合には、運動によるノイズを十分に除去できないので、筋力トレーニングにおける運動時の正確な脈拍数と血圧を測定することが困難であるという問題がある。特別な検出器を用いれば、運動時の脈拍や血圧を正確に測定できるが、コストがかかり、簡便に測定できるわけではない。静脈環流制限下での筋力トレーニングでは、静脈環流制限手段の圧力を検出して運動時の脈拍や血圧を測定することが必須である。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、運動によるノイズを十分に除去することによって、静脈環流制限下での筋力トレーニングにおける運動時の脈拍数と血圧を、静脈環流制限手段の圧力から正確に測定することである。
上記の課題を解決するために、本発明では、腕または脚の根幹部をVRCカフの圧縮空気で圧迫して行う筋力トレーニングにおける運動時の脈拍数と血圧の変動を検出して静脈環流制限を制御する静脈環流制限下トレーニングシステムを、VRCカフの圧縮空気の圧力を電気信号に変換して圧力信号を出力する圧力センサーと、安静時脈拍数の約6〜9倍の周波数を中心周波数とし安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号を圧力信号から抽出するバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの出力信号をダイオード検波する検波回路と、検波出力中の低域信号を抽出するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力信号から脈拍数と血圧の変動を検出する解析手段と、脈拍数または血圧が所定範囲から外れたことを検知して異常検知信号を発生する監視手段と、異常検知信号に基づいて警報を発する警報手段と、異常検知信号に基づいて静脈環流制限圧力を開放する圧力開放手段とを具備する構成とした。
上記のように構成したことにより、運動によるノイズを十分に除去することができ、筋力トレーニングにおける運動時の正確な脈拍数と血圧を測定でき、異常時に確実に静脈環流制限を停止できる。
本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムの概念図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの安静時の静脈環流制限圧力と圧力センサー信号の関係の説明図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの安静時の静脈環流制限圧力と圧力センサー信号の関係の説明図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの運動時のセンサー信号の例である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの運動時の脈拍数と血圧の解析方法を説明するスペクトル図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの運動時の脈拍数と血圧の解析方法を説明する波形図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでの運動時の動的にバンドパスフィルタを調整する方法の説明図である。 本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムでのシグナルプロセッサでデジタル信号処理を行う方法の説明図である。 従来の静脈環流制限式の筋力トレーニングシステムの概念図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、VRCカフの圧縮空気の圧力を圧力センサーで電気信号に変換し、安静時脈拍数の約3〜9倍の周波数を中心周波数とし安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号をバンドパスフィルタで圧力信号から抽出して検波し、その結果に基づいて筋力トレーニングでの運動時の脈拍数や血圧の異常を検出して静脈環流制限を停止する静脈環流制限下トレーニングシステムである。
図1に、静脈環流制限下トレーニングシステムを示す。図2と図3に、安静時の静脈環流制限圧力と圧力センサー信号の関係を示す。図4に、運動時のセンサー信号の例を示す。図5と図6に、運動時の脈拍数と血圧の解析方法を示す。図7に、運動時の動的にバンドパスフィルタを調整する方法を示す。図8に、シグナルプロセッサでデジタル信号処理を行う方法を示す。
図1において、筋力トレーニング装置1は、上腕や大腿を圧迫して筋力トレーニングを行う静脈環流制限下トレーニングシステムである。モータポンプ2は、上腕や大腿を圧迫するための圧縮空気を送る手段である。VRCカフ3は、圧縮空気で上腕を圧迫するための帯である。圧力センサー4は、VRCカフの圧縮空気の圧力を測定する検出素子である。大気開放バルブ5は、VRCカフの圧縮空気を抜くバルブである。センサーI/F6は、圧力センサーの出力信号を信号処理に適するように変換するインターフェース回路である。バンドパスフィルタ7は、圧力センサーの出力信号から所定帯域の信号を抽出する帯域通過フィルタである。増幅器8は、バンドパスフィルタの出力信号を増幅する回路である。検波器9は、バンドパスフィルタの出力信号をダイオード検波する回路である。ローパスフィルタ10は、ダイオード検波された信号から低域の信号を抽出する低域通過フィルタである。
制御用CPU11は、信号処理やポンプ制御やバルブ制御を行う演算装置である。モータポンプ用ドライブ回路12は、モータポンプを駆動する回路である。圧力調整バルブ用ドライブ回路13は、圧力調整バルブを駆動する回路である。操作スイッチ14は、圧力設定や時間設定や開始終了指示や電源オンオフを行う入力手段である。信号入力回路15は、操作スイッチの信号を制御用CPUに入力するためのインターフェース回路である。液晶表示器16は、VRCカフ圧力や時間や脈拍や状態などを表示する表示出力手段である。
上記のように構成された本発明の実施例における静脈環流制限下トレーニングシステムの機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、筋力トレーニング装置の機能の概要を説明する。VRCカフ3を、四肢の根幹部に装着して締め付ける。操作スイッチ14で電源をオンにして、圧力や時間を設定し、開始を指示する。制御用CPU11により処理された圧力センサー信号や時間や脈拍や状態などの情報は、液晶表示器16に表示される。制御用CPU11の制御により、モータポンプ用ドライブ回路12を介してモータポンプ2が駆動される。VRCカフ3に圧縮空気が送られて、上腕や大腿の付け根が圧迫される。この状態では、VRCカフ3内の空気圧力が、装着者の脈動により変動する。この圧力変動を圧力センサー4で検出する。圧力センサー4の出力信号を、信号処理に適するようにセンサーI/F6でインピーダンス変換する。
安静時脈拍数の約6〜9倍の周波数を中心周波数とし安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号を、バンドパスフィルタ7で圧力信号から抽出する。増幅器8で、バンドパスフィルタの出力信号を増幅する。増幅された信号を検波器9でダイオード検波し、ローパスフィルタ10で低域の信号を抽出する。制御用CPU11で、ローパスフィルタの出力信号から脈拍数を求める。脈拍数と血圧の変動を検出し、脈拍数または血圧が所定範囲から外れたことを検知して異常検知信号を発生する。異常検知信号に基づいて警報を発する。脈拍数や血圧が所定範囲を超えると、圧力調整バルブ用ドライブ回路13が制御されて、大気開放バルブ5が駆動される。
次に、図2を参照しながら、VRCカフ内圧変動について説明する。VRCカフ内圧変動を脈波と呼ぶ。図2(a)は、安静時における圧力センサー4の出力信号の交流成分を模式的に示す図である。安静時にはノイズはほとんど無く、脈拍信号のみが現れる。図2(b)は、空圧式VRCカフ内圧力変動とVRCカフ内の圧力との関係を示す図である。VRCカフ内の圧力が高いと、圧力変動(脈波)の大きさは小さい。VRCカフ内の圧力が低下するにつれ、脈波が大ききなる。さらにVRCカフ内の圧力が低下すると、脈波は次第に小さくなる。この変化の特性に基づいて、VRCカフ内圧変動の最大値を最大脈波という。空圧式VRCカフ内圧力が大きくなると、装着部位の血流が制限される。動脈が血液を送ろうとすると、血管の血流波動が次第に大きくなる。これが最大になるところが最大脈波である。
さらにVRCカフ内の圧力を高くすると、血管の波動が小さくなり、血流障害の危険が生じることになる。静脈環流制限による筋力トレーニングは、血流制限をして、筋肉内の血液のPooling現象を最大にして、トレーニングをする方法である。この血液のPoolingを最大にするVRCカフ内圧力を選ぶことが必要である。静脈環流制限による筋力トレーニングの未経験者や高齢者やメタボリック症候群疾病者等においては、その圧力は、最大脈波時に発生すると考えられる。また、メタボリック症候群疾病者は、血管の柔軟性が低下し、動脈硬化が発生していると思われるので、高い圧力で血管を圧迫することは危険を伴う。したがって、各個人の脈動が最大になるVRCカフ内圧力を自動的に選ぶ自動静脈環流制限装置が必要になる。アスリートや、静脈環流制限による筋力トレーニングの経験者では、最大脈波の状態を継続する。静脈環流制限による筋力トレーニングの未経験者の40歳以下の一般人では、最大脈波の状態は持続しない。VRCカフ内圧力を上げると、脈が急激に低下する傾向が見られる。このことから、高齢者や疾病患者には、最大脈波を選ぶことが安全上も最適といえる。
次に、図3(a)〜(e)を参照しながら、VRCカフの種別によるVRCカフ内圧変動の差について説明する。図3(a)、(b)に示すように、被験者やVRCカフの種類によって、VRCカフ内圧力変動値が異なる。最大脈波を自動的に検出するVRCカフ内圧力も異なる。VRCカフは、各個人の静脈環流制限時の脈動を、如何にVRCカフ内に伝達させるかが鍵である。静脈環流制限で最も重要なことは、空圧式VRCカフ内圧力ではない。VRCカフ内圧を皮膚面に効率的に与え、その皮膚面圧により、血流を制限することが重要である。したがって、手動による圧力設定では、各個人に対する圧力が適切かは判定できない。メタボリック症候群の治療用としては、自動静脈環流制限装置でなければならない。図3(c)〜(e)は、VRCカフ内圧と、皮膚面圧の関係を示した図である。VRCカフ内圧が一定でも、脈動による波形の大きさは一定ではない。脈動波形か、動きによるノイズかを判定することが必要である。自動静脈環流制限装置は、ある圧力における脈動波形を数回測定して、その平均値を出し、ノイズをカットして、最大脈波を検出するアルゴリズムを搭載している。
次に、図4〜図6を参照しながら、信号処理の方法を説明する。脈拍の信号の基本周波数は、1〜2Hzである。運動時のセンサー信号は、図4に示すようになる。運動によるノイズの周波数帯域は、約0.5〜3Hzである。運動時のセンサー信号のスペクトルは、図5(a)に示すようになる。脈拍の信号のスペクトルは、図5(b)に示すように鋭い。図5(c)に示すように、運動によるノイズのスペクトルはなだらかである。脈拍の信号の周波数とノイズの周波数が重なっているために、脈拍の信号をフィルタで直接抽出することはできない。
腕の動脈の圧力変動を示す脈拍の信号は、筋肉を通してVRCカフに伝えられる。筋肉の運動によるノイズも同様にVRCカフに伝えられる。ところで、脈拍の信号は、基本的な心臓の拍動の1Hz程度の成分と、その高調波成分と、心臓の弁の振動や筋肉の振動などの成分からなり、1〜20Hz程度までの高い周波数の成分を持っている。高い周波数の成分は、基本的な1Hz程度の成分で変動している。一方、筋肉の運動によるノイズも1〜20Hz程度までの高い周波数の成分を持っているが、周波数によって振幅に強弱がある。そこで、筋肉の運動によるノイズの振幅が小さい周波数帯の成分を鋭いカットオフ特性のバンドパスフィルタで抽出して、そこから脈拍の信号を分離することにより、運動によるノイズを除去した脈拍の信号を得ることができる。運動時のセンサー信号を、中心周波数が9Hz程度のバンドパスフィルタで濾波すると、図6(a)に示すようになる。この信号のスペクトルは、図5(d)に示すようになる。
バンドパスフィルタは、例えば7〜11Hzを通過帯域とするものを用いる。最適な通過帯域は、VRCカフの構造や被験者の個性により変化するので、予備検査などで測定して求めておく。典型的な例では、安静時脈拍数の約6〜9倍の周波数を中心周波数とし、安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号を、バンドパスフィルタで圧力信号から抽出する。バンドパスフィルタの出力信号を増幅してダイオード検波した信号は、図6(b)に示すようになる。この信号をローパスフィルタに通した信号は、図6(c)に示すようになる。この信号から、脈拍の信号の基本波を取り出すことができる。脈拍の信号の基本波の周波数を求めて、脈拍数とする。その振幅から血圧を推定する。血圧は絶対値でなくても、相対値でよいので、安静時の血圧からどれだけ変化したかがわかれば、異常状態であると検知できる。
次に、図7を参照しながら、動的にバンドパスフィルタを調整する方法を説明する。脈拍数は運動時にゆっくり変化するので、脈拍数に応じてバンドパスフィルタの中心周波数を調整する。現在の脈拍数の上下の周波数の振幅を、探索用バンドパスフィルタにより時分割で測定して、3つの振幅のうちの最大の振幅の周波数を次の中心周波数とする。このようにして、脈拍の変化に追従させてバンドパスフィルタを調整すれば、鋭い特性のフィルタで正確に測定できる。
次に、図8を参照しながら、シグナルプロセッサでデジタル信号処理を行う方法を説明する。センサー信号をA/D変換する。フィルタ処理と検波の合成処理をデジタル的に実行する。脈拍の変動に追従させてフィルタなどのパラメータを変えることにより、測定精度を高めることができる。
上記のように、本発明の実施例では、静脈環流制限下トレーニングシステムを、VRCカフの圧縮空気の圧力を圧力センサーで電気信号に変換し、安静時脈拍数の約6〜9倍の周波数を中心周波数とし安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号をバンドパスフィルタで圧力信号から抽出して検波し、その結果に基づいて筋力トレーニングでの運動時の脈拍数や血圧の異常を検出して静脈環流制限を停止する構成としたので、運動によるノイズを十分に除去することができ、筋力トレーニングでの運動時の脈拍数や血圧の異常を検出して静脈環流制限を停止できる。
本発明の静脈環流制限下トレーニングシステムは、運動時の脈拍数や血圧の異常を検出して安全に筋力トレーニングができるシステムとして最適である。
1 筋力トレーニング装置
2 モータポンプ
3 VRCカフ
4 圧力センサー
5 大気開放バルブ
6 センサーI/F
7 バンドパスフィルタ
8 増幅器
9 検波器
10 ローパスフィルタ
11 制御用CPU
12 モータポンプ用ドライブ回路
13 圧力調整バルブ用ドライブ回路
14 操作スイッチ
15 信号入力回路
16 液晶表示器

Claims (1)

  1. 腕または脚の根幹部をVRCカフの圧縮空気で圧迫して行う筋力トレーニングにおける運動時の脈拍数と血圧の変動を検出して静脈環流制限を制御する静脈環流制限下トレーニングシステムであって、VRCカフの圧縮空気の圧力を電気信号に変換して圧力信号を出力する圧力センサーと、安静時脈拍数の約6〜9倍の周波数を中心周波数とし安静時脈拍数の約3〜5倍の周波数を帯域幅とする信号を圧力信号から抽出するバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの出力信号をダイオード検波する検波回路と、検波出力中の低域信号を抽出するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力信号から脈拍数と血圧の変動を検出する解析手段と、脈拍数または血圧が所定範囲から外れたことを検知して異常検知信号を発生する監視手段と、異常検知信号に基づいて警報を発する警報手段と、異常検知信号に基づいて静脈環流制限圧力を開放する圧力開放手段とを具備することを特徴とする静脈環流制限下トレーニングシステム。
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