JP2012037492A - 漏水検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏水判定結果の精度を上げ、確実な漏水無検出を行うことを課題とする。
【解決手段】配管からの漏水により生じた振動、音響を捕らえるセンサー1と、センサーによる信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部3と、判定レベルを超えた回数及び判定信号判定レベルを下回っている回数をカウントするカウント部、判定レベル以上カウンタ、判定レベル未満カウンタの比率を比較する漏水判定部8を具備し、デジタル信号における信号レベルが、予め決められた判定レベルを超えた場合に、判定レベル以上カウンタを+1とし、判定レベルを下回った場合に判定レベル未満カウンタを+1とし、一定時間間隔内における判定レベルを超えたカウント回数と判定レベルを下回ったカウント回数により、判定レベル以上カウンタと判定レベル未満カウンタとの比率を算出して、この比率の値が1以上のとき漏水と判定することを特徴とする漏水検出装置。
【選択図】図1

Description

本開示は、水道管等の地下埋設物の破損等によって生じる、漏水のような地中への配管内物質の放出に伴って生じる振動、音響を検知する漏水検出装置に関する。
従来、配管の漏水位置を検出する場合、配管の弁のような露出している場所で配管上の振動を耳で調べて、配管上のどこかに漏水があることを確認していた。そして、地表から配管が地中に埋設されていそうな位置での振動を耳で確かめていき、漏水音が一番良く聞こえる位置を見つけた後、そこを堀り、配管を調べていた。しかし、この方法を行うには熟練した作業者が行う必要があった。
また、別な漏水位置の検出手段として、配管上の振動信号をとらえ、一定レベル以上の信号が単位時間内に占める割合を時間積分として求め、その値が一定レベルを超えた時に漏水の判定を行う方法もある。しかし、この方法は漏水の可能性が有る場合の検出は容易であるが、漏水の無い箇所における判定には曖昧さを生じるという問題がある。
特開平10−78371号公報
上述した従来の方法による漏水検知では熟練した作業者が行う場合、また、1回のみの計測において、ある決められた固定のレベル以上の漏水の信号を捕らえる方法であるため、最終的な漏水の有無判定を行う場合に、外部騒音の状況、使用水の状況により、それらの計測環境を考慮した漏水有無判定を行うことが難しく、適していないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するため、最終的な漏水有無判定において、漏水が無い場合の条件を盛り込むとともに、外部騒音等の環境により、計測後に漏水判定条件を決めることができ漏水判定結果の精度を上げ、確実な漏水無検出を行う漏水検出装置を提供することを目的とする。
実施形態に係る漏水検出装置は、地中に埋設された配管からの漏水により生じた振動、音響により漏水の有無を検出するための漏水検出装置であって、配管に設置され、配管からの漏水により生じた振動、音響を捕らえるセンサーと、このセンサーにより捕らえた信号を所定の周期でサンプリングしてデジタル信号に変換して出力するA/D変換部と、このA/D変換部から出力される信号レベルを所定の判定レベルと比較し、前記所定の判定レベルを超えた回数をカウントする判定レベル以上カウンタ及び前記判定レベル未満の回数をカウントする判定レベル未満カウンタからなるカウンタ部を備えた演算部と、判定レベルを超えている回数と、判定レベル未満の回数とのカウント比率を比較する漏水判定部とを具備し、前記デジタル信号における信号レベルが、予め決められた判定信号レベルを超えた場合に、前記判定レベル以上カウンタを+1とし、また、判定信号レベルが予め決められた判定信号レベルを下回った場合に、前記判定レベル未満カウンタを+1とし、一定時間間隔内における判定信号レベルを超えたカウント回数と判定信号レベルを下回ったカウント回数により、判定レベル以上カウンタと判定レベル未満カウンタとの比率を算出して、この比率の値が1以上のとき漏水と判定することを特徴とする。
一実施形態に係る漏水検出装置のブロック図。 図1の漏水検出装置によるサンプリング回数と電圧、カウンタ値との関係を示す特性図。 第2の実施形態に係る漏水検出装置によるサンプリング回数と電圧、カウンタ値との関係を示す特性図。 第3の実施形態に係る漏水検出装置によるサンプリング回数と電圧との関係を示す特性図。 第3の実施形態に係る漏水検出装置による電圧の計測開始から計測終了までの作用を説明するためのブロック図。 第4の実施形態に係る漏水検出装置によるサンプリング回数と電圧との関係を示す特性図。 第4の実施形態に係る漏水検出装置による電圧の計測開始から計測終了までの作用を説明するためのブロック図。
以下に、本開示の実施形態に係る漏水検出装置について説明する。
図1は、一実施形態に係る漏水検出装置のブロック図を示す。
漏水検出装置は、センサー1と、増幅部2と、A/D変換部3と、中央制御部4と、漏水判定条件入力部5とから構成されている。センサー1は地中に埋設された配管に設置されて、配管からの漏水により生じた振動、音響を検知して電気信号(センサ信号)に変換するもので、例えば加速度センサー、振動センサー、マイクロホンが挙げられる。
増幅部2は、電気信号を増幅する機能を有する。A/D変換部3は、センサ信号が入力され、図示されない内部クロック供給手段からのクロックにより生成した所定の周波数(周期)でサンプリングしたデジタル信号に変換して出力する。
漏水判定条件入力部5から後述する漏水判定部8に判定信号レベルの組合せを定める漏水判定条件が、またレベル比較部10に判定信号レベルLの値を設定する設定条件が入力される。
中央処理部4は、図示されない内部クロック供給手段からのクロックなどの共通タイミング情報で動作する波形整形部9と、レベル比較部10と、カウンタ部11と、演算結果記録部7と、漏水判定部8とから構成されている。
波形整形部9は、センサー1が取得した信号から雑音を除去したり、レベル比較部10が必要とする信号周波数成分のみ取り出す機能を有し、ローパスフィルター(LPF),ハイパスフィルター(HPF),バンドパスフィルター(BPF)のようなフィルターが用いられる。ここでは、波形整形部9は、A/D変換されたデジタル信号を処理するデジタルフィルタで構成されているが、A/D変換部3の前に置かれてもよい。また、センサー信号の包絡線を取り出す様な検波処理等が行われるものであっても良い。
レベル比較部10は、波形整形部9から入力されるデジタル信号のサンプリングタイミング毎の信号レベルと、予め決められた判定信号レベルとを比較して、越えたか越えなかったかの判定結果をカウンタ部11へ出力する。
カウンタ部11は、レベル比較部10へ入力された信号レベルが予め決められた判定信号レベルを超えた回数をカウントする判定レベル以上カウンタ(図示せず)と、判定信号レベル未満であった回数をカウントする判定レベル未満カウンタ(図示せず)とを備え、両カウンタのカウント値を演算結果記録部7へ出力する。
演算結果記録部7は、クロックから所定の測定期間となる一定の時間間隔Tを設定し、その時間中に得られる総サンプリング回数における判定信号レベルを超えた回数の比率等を演算結果として算出し、その算出結果を装置内部メモリ、又は外部から装着可能なメモリカード等の記録媒体に記録する。
漏水判定部8は、各判定信号レベルを超えた回数と判定信号レベルを下回った回数の比率、また、総サンプリング回数における判定信号レベルを超えた回数の比率等から漏水の有無を推定する機能を有する。
中央処理部4ではレベル比較部10やカウンタ部11等により、デジタル信号における信号レベルが、予め決められた判定信号レベルを超えた場合に、前記判定レベル以上カウンタのカウント回数(以下、カウント値と称する。)を+1とし、判定信号レベルが予め決められた判定信号レベルを下回った場合に、前記判定レベル未満カウンタのカウント値を+1としている。また、一定時間間隔T内における判定信号レベルを超えたカウント回数と判定信号レベルを下回ったカウント値により、判定レベル以上カウンタと判定レベル未満カウンタとのカウント値とのカウント比率Fを算出して、漏水判定条件としてこのカウント比率Fの値が1以上のとき漏水と判定する。
次に、具体的な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1及び図2(A)〜(C)を参照して説明する。第1の実施形態では、漏水に起因する信号成分が、センサ信号の振幅に単純に相加される様な漏水発生状態に適用される。
ここで、図2(A)は測定時間となる一定時間間隔(T)におけるセンサ信号の信号レベル(電圧)を示す特性図、図2(B)は図2(A)に対応して信号レベル(電圧)が判定電圧レベル±Lを超えた場合のカウント値を示す特性図、図2(C)は図2(A)に対応して信号レベル(電圧)が判定電圧レベル±Lを超えない場合のカウント値を示す特性図を示す。
なお、第1の実施形態の場合、判定信号レベル±Lの値と、入力信号が、判定信号レベル±Lの範囲内にあるか、又は越えたかに従ってカウントする漏水判定基準を採用する設定が漏水判定条件入力部5から行われる。L自体の値は、予め調整値として幾つかの候補値が漏水判定条件入力部5の内部に記憶され、その値がレベル比較部10へ通知される。
また、カウンタ部11は、図示しないが、判定信号レベル(+側:+L、−側:−L)を超えている回数をカウントする判定レベル以上カウンタ(L以上カウンタ)と、判定信号レベルを下回った回数をカウントする判定レベル未満カウンタ(L未満カウンタ)とを備えている。
まず、センサー1、例えば、マイクロホンにより配管上で取得される信号に対して、例えば、10KHzの周波数のサンプリングでA/D変換したデジタル信号が波形整形部9を経てレベル比較部10へ入力される。
レベル比較部10では、入力信号レベルが判定信号レベル(+側:+L、−側:−L)を超えた場合はL以上カウンタのカウント値を+1としてインクリメントし、信号のレベルが判定信号レベルを下回った場合はL未満カウンタのカウント値を+1としてインクリメントを行う。このカウント値は演算結果記録部7に通知される。
そして、演算結果記録部7は、最終的に例えば10秒間のように測定時間として予め決められた一定時間間隔Tが経過した時点で、信号のレベルが判定信号レベルを超えたL以上カウンタのカウント値Luと、信号のレベルが判定信号レベルを下回ったL未満カウンタのカウント値Llとの比率(カウント比率F)を、下記式(1)より求め、漏水判定部8へ通知する。
ここで、漏水判定部8は、予め漏水判定条件入力部5から入力設定された漏水判定条件に基づいてそのカウント比率Fが1以上の場合は、漏水ありと判定し、1未満であれば漏水なしと判定する。
F=Lを超えたサンプリング回数/Lを超えないサンプリング回数
=L以上カウント値Lu/L未満カウント値Ll …(1)
第1の実施形態によれば、センサー1と増幅部2とA/D変換部3と中央制御部4等を備え、センサー1で取り込んだ漏水に起因する信号成分を含むセンサ信号を所定のサンプリング周期でサンプリングして、A/D変換部3によりデジタル信号に変換する。
そのデジタル信号値により信号レベルが予め決められた判定信号レベル±Lを超えた場合と、判定信号レベル±Lを下回った場合における各カウント値を求め、これらの比率が1以上か1未満の判定により漏水の有無を推定できる。即ち、判定のための信号レベルを上回った場合には漏水に起因する信号が多く含まれ、また判定のための信号レベルを下回った場合には漏水に起因する以外の信号が多く含まれるため、漏水の存在する箇所の検出はもちろん、漏水の無い箇所の検出についても容易に行える。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、図1及び図3(A)〜(C)を参照して説明する。第2の実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様であるが、判定信号レベルにヒステリシス性を持たせている。
ここで、図3(A)は一定時間間隔(T)即ち、測定期間におけるセンサ信号を示す特性図、図3(B)は図3(A)に対応して信号レベル(電圧)が判定電圧レベル±L1を超えた場合のカウンタ値を示す特性図、図3(C)は同じく判定信号レベル電圧レベル±L2を超えない場合のカウンタ値を示す特性図を示す。
図3において、センサ−により配管上で取得した信号に対して、一定間隔でサンプリングしながら、A/D変換してデジタル信号に対してその信号のレベルが上限判定信号レベル(+側:+L1、−側:−L1)を超えた場合はL1以上カウントを+1としてインクリメントし、信号のレベルが下限判定信号レベル(+側:+L2、−側:−L2)を下回った場合は下限L2未満カウンタを+1としてインクリメントを行う。そして、予め決められた一定時間間隔の間サンプリングを行い、最終的に予め決められた一定時間間隔が経過した時点で、信号のレベルが上限判定信号レベルを超えた上限L1以上カウンタの回数と、信号のレベルが下限判定信号レベルを下回った下限L2未満カウンタの回数のサンプリング比率Fを下記式(2)より求め、その結果から、漏水判定条件に基づいて漏水の判定を行う。
F=L1を超えたサンプリング回数/L2を超えないサンプリング回数
=L1以上カウント値/L2未満カウント値 …(2)
第2の実施形態によれば、予め決められた一定時間間隔Tが経過した時点で、上限判定信号レベルを超えたサンプリング回数と下限判定信号レベルを下回ったサンプリング回数により、上限判定レベル以上カウンタと下限判定レベル未満カウンタとのカウント値のカウント比率Fを算出して、この比率の値が1以上のとき漏水と判定することができる。従って、第2の実施形態によれば、L2をL1より小さく抑えることによりヒステリシス効果を持たせ、漏水量が変動する様な場合に誤作動を抑える利点を得ることが出来、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、図1,図4及び図5を参照して説明する。第3の実施形態は、漏水による信号成分が正常時の周囲から生じるセンサ信号に対して逆相、打ち消す様に影響する場合にも対応可能とするものである。
ここで、図4は一定時間間隔Tと信号レベルとの関係を示す特性図、図5は図1の漏水検出装置を用いて漏水の計測開始から計測終了までの過程を示すフローチャートである。
まず、サンプリング値(測定値)入力(図5のステップS1)後、センサー1により配管上で取得された信号がA/D変換されてデジタル信号に対してその信号のレベルが複数の判定信号レベル(±L1、±L2、±L3、±L4)の各々に対して、超えた場合は各々のL1カウウンタ〜L4カウンタの各カウント値を+1としてインクリメントする(図5のステップS2〜S5)。
即ち、上記信号のレベルが判定信号レベル(±L1)を越えた場合は、L1カウンタのカウント値を+1としてインクリメントする(図5のステップS2)。上記信号のレベルが判定信号レベル(±L2)を越えた場合は、L2カウンタのカウント値を+1としてインクリメントする(図5のステップS3)。上記信号のレベルが判定信号レベル(±L3)を越えた場合は、L3カウンタのカウント値を+1としてインクリメントする(図5のステップS3)。上記信号のレベルが判定信号レベル(±L4)を越えた場合は、L4カウンタのカウント値を+1としてインクリメントする(図5のステップS4)。判定信号レベル(±L1、±L2、±L3、±L4)の各々は、漏水判定条件入力部5からレベル比較部10に入力設定される。
そして、この処理を一回のサンプリングに対して行いながら、予め決められた一定時間間隔Tの間サンプリングを行い、最終的に予め決められた一定時間間隔Tが経過した時点で、信号のレベルが複数の判定信号レベル(±L1〜±L4)を超えた場合の回数をカウントするL1カウンタ〜L4カウンタのカウント値と、予め決められた一定時間間隔の間における総サンプリング回数Qとの複数の比率を求める(図5のステップS7)。ここで、総サンプリング回数がQ以上になると各L1カウンタ〜L4カウンタのカウント比率F1〜F4を算出するが、総サンプリング回数がQ未満の場合(図5のステップS6)はサンプリングを繰り返す(サンプリングデータの入力を続ける)。
漏水判定部8は、一定時間間隔Tが経過し計測が終了した時点で、漏水や周囲に異常が無い場合に調査対象の配管で上記と同じ手順で測定した各L1カウンタ〜L4カウンタのカウント比率F1〜F4と比較する。このカウント比率の並び方のパターンもしくは典型的な比率データは、漏水判定部8の内部メモリに判定基準として少なくとも1つ以上記憶されている。そして、漏水判定条件入力部5へその判定基準パターンのどれを採用するかが漏水判定部8によって設定される(判定基準データは、漏水判定条件入力部5で記憶されそのデータが漏水判定部8へ判定基準として入力されるもので有っても良い。)
例えば、正常な場合、基準パターンとしてカウント比率がF1>F2>F3>F4の様な順番で比率の大小が並んでいるのに比べ、漏水を調査する計測終了時点でF1>F3>F2>F4の様にパターンが異なっていれば、漏水があると判定する。
また、判定基準を並び方のパターンではなく、漏水時には、例えば、カウント比率F2が一番大きくなる事が予め判っていれば、最大となるカウント比率を調べることによって漏水の有無を判定することが出来る。
第3の実施形態によれば、予め決められた(±L1、±L2、±L3、±L4)の各々の判定信号レベルを超えた場合に、各判定信号レベルに対するカウント値を+1とし、最終的に信号レベルが一定時間間隔T内における判定信号レベルを超えた各カウント値と総サンプリング回数Qとのカウント比率F1〜F4を求め、計測時の周囲環境条件から複数の判定レベルのうち、どの判定信号レベルのカウント比率を用いて判定を行うかを選択して漏水有無判定を行うことができ、漏水の検出確率の向上が図れる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、判定信号レベルの自動設定処理に関するものである。
第4の実施形態について、図1,図6及び図7を参照して説明する。ここで、図6は測定時間、一定時間間隔(T)における信号レベルを示す特性図、図7は図1の漏水検出装置を用いて漏水の計測開始から計測終了までの過程を示すフローチャートである。なお、第4の実施形態は、予め漏水箇所が存在することが判明している配管にセンサーが設置されている所で判定信号レベルを自動的に取得し、記憶する事によって漏水を検出する漏水検出装置に適用される。
ここでは第3の実施形態が適用される漏水検出装置で、まず、サンプリング値の入力(図7のステップS10後、例えば、既に漏水が発生していると判明している水道配管において、センサー1によりセンサ信号を取得する(図7のステップS11)。そして、所定のサンプリング周期でサンプリングしながら、A/D変換されデジタル信号に対してその信号のレベルが初期設定された判定信号レベルにて判定信号レベルLを超えた場合はLカウンタのカウント値を+1としてインクリメントする(図7のステップS12)。そして、予め決められた一定時間間隔Tになるまでサンプリングを行い、最終的に予め決められた一定時間間隔Tが経過した時点で、信号のレベルが判定信号レベルLを超えた場合の回数をカウントするカウンタのカウント値と、予め決められた一定時間間隔Tの間における総サンプリング回数Qとの比率を求める(図7のステップS14)。ここで、総サンプリング回数が以上の場合はカウント比率Fa1を算出するが、総サンプリング回数がQ未満の場合(図7のステップS13)は、サンプリング値の入力を繰り返す。
また、カウンタL1に相当するものとしてカウント比率Fa1が、例えば0.6の様に予め決められた規定値以上(図7のステップS15)であれば、判定信号レベル値Lを記憶し(図7のステップS17)、計測終了する。逆に、カウント比率Fa1が規定値未満であれば、判定信号レベルLの値を、ここでは更に下げる様に判定信号レベル値Lを調整しながら(図7のステップS16)計測し、ある決められた規定値になるまで繰り返し行い、その規定値が得られた判定信号レベルLの値を漏水判定部8のメモリ手段へ書込記憶する。
逆にカウント比率を下げたい場合には判定信号レベルLの値を、更に上げる様に調整する。これと同様にして、複数のLカウンタについてもそれぞれの判定信号レベルLを設定すればよい。
また、第1の実施形態に対応する判定信号レベルLの値を求めるには、カウント値L/総サンプリングQのカウント比率Faを、0.5±0.5の様にすればよい。
第4の実施形態によれば、中央制御部4は、入力されたサンプリング値の信号レベルが、予め決められた判定信号レベルLを超えた場合に、前記カウント値を+1とし、最終的に一定時間間隔T内における判定信号レベルを超えた回数をカウントして、総サンプリング回数Qに対する判定信号レベルを超えた回数のカウント比率Fa1を求め記憶する。
第4の実施形態は、以上の初期設定作業の後、この記憶した判定信号レベルを、漏水判定部8からレベル比較部10へ通知する事により、第1〜第3の実施形態における漏水検出をすることが可能である。 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…センサー、2…増幅部、3…A/D変換部、4…中央制御部、5…漏水判定条件入力部、7…演算結果記録部、8…漏水判定部、9…波形整形部、10…レベル比較部、11…カウンタ部。

Claims (4)

  1. 地中に埋設された配管からの漏水により生じた振動、音響により漏水の有無を検出するための漏水検出装置であって、
    配管に設置され、配管からの漏水により生じた振動、音響を捕らえるセンサーと、
    このセンサーにより捕らえた信号を所定の周期でサンプリングしてデジタル信号に変換して出力するA/D変換部と、
    このA/D変換部から出力される信号レベルを所定の判定レベルと比較し、前記所定の判定レベルを超えた回数をカウントする判定レベル以上カウンタ及び前記判定レベル未満の回数をカウントする判定レベル未満カウンタからなるカウンタ部と、
    判定レベルを超えている回数と、判定レベル未満の回数とのカウント比率を比較する漏水判定部とを具備し、
    前記デジタル信号における信号レベルが、予め決められた判定信号レベルを超えた場合に、前記判定レベル以上カウンタを+1とし、また、判定信号レベルが予め決められた判定信号レベルを下回った場合に、前記判定レベル未満カウンタを+1とし、一定時間間隔内における判定信号レベルを超えたカウント回数と判定信号レベルを下回ったカウント回数により、判定レベル以上カウンタと判定レベル未満カウンタとの比率を算出して、この比率の値が1以上のとき漏水と判定することを特徴とする漏水検出装置。
  2. 前記判定レベル以上カウンタ及び前記判定レベル未満カウンタは夫々予め決められた上限判定信号レベルと、この上限判定信号レベルより低い予め決められた下限判定信号レベルを検知する機能を有し、
    前記デジタル信号における信号レベルが、前記上限判定信号レベルを超えた場合に、前記判定レベル以上カウンタを+1とし、また、信号レベルが前記下限判定信号レベルを下回った場合に、前記判定レベル未満カウンタを+1とし、一定時間間隔内における上限判定信号レベルを超えたサンプリング回数と下限判定信号レベルを下回ったサンプリング回数に基づく、判定レベル以上カウンタと判定レベル未満カウンタとの比率の値が1以上のとき漏水と判定することを特徴とする請求項1記載の漏水検出装置。
  3. 前記判定レベル以上カウンタ及び前記判定レベル未満カウンタは夫々3つ以上の判定信号レベルを検知する機能を有し、
    前記デジタル信号における信号レベルが、各々の判定信号レベルを超えた場合に、各々の判定レベル以上カウンタを+1とし、一定時間間隔内における各々の判定信号レベルを超えたサンプリング回数と総サンプリング回数との複数の比率を求め、計測時の周囲環境条件から複数の判定信号レベルのうち、どの判定信号レベルのサンプリング比率を用いて判定を行うかを選択することを特徴とする請求項1記載の漏水検出装置。
  4. 予め漏水が存在することが判明している配管に前記センサーが設置された漏水検出装置であり、
    デジタル信号における信号レベルが、判定信号レベルを超えた場合に、前記判定レベル以上カウンタを+1とし、一定時間間隔内における判定信号レベルを超えたサンプリング回数を判定レベル以上カウンタにより算出して、総サンプリング回数における判定信号レベルを超えたサンプリング回数の比率を求め、このサンプリング比率がある決められた値以上となるまで判定信号レベルを可変しながら計測され、サンプリング比率がある決められた値以上となった場合における判定信号レベルの値により、漏水判定のための判定信号レベルが自動的に決定されることを特徴とする請求項1記載の漏水検出装置。
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