JP2012035976A - 画像形成装置、同装置におけるクラッチの制御方法及び制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、同装置におけるクラッチの制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動され、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介さず起動/停止が行われる第2の搬送ローラを備えた画像形成装置において、第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合の問題を解消できる画像形成装置等を提供する。
【解決手段】前記クラッチ15に対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラ14の起動/停止を制御するとともに、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータ24Aの回転速度に合うように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御手段1を備えている。
【選択図】 図6

Description

この発明は、多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals) 等に用いられる画像形成装置、及び同装置におけるクラッチの制御方法及び制御プログラムに関する。
画像形成装置として、例えばブラシレスモータで駆動され、電磁クラッチにより起動/停止(連結/解除)が行われる第1の搬送ローラと、例えばステッピングモータでクラッチを介することなく駆動/停止が行われる第2の搬送ローラの両方が、同一の用紙搬送路に併設されているものが知られている。
この場合、クラッチによる第1の搬送ローラとステッピングモータによる第2の搬送ローラとで、互いに応答速度が異なることから、起動/停止タイミングが互いに異なるものとなる。
このため、第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、前記クラッチとステッピングモータで、第1の搬送ローラと第2の搬送ローラを起動/停止させると、それぞれの紙送り量が異なってしまい、以下のような問題が起きる。
なお、従来、クラッチ連結時に急激なトルク変動でステッピングモータが脱調しないように、起動時にクラッチをPWM制御してトルク緩やかに変化させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−238157号公報
即ち、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の下流側にある場合、クラッチの応答速度の方がステッピングモータよりも速いので、該ステッピングモータの速度が定速になるまでは、クラッチに該ステッピングモータのトルクも加算されることになる。このため、クラッチに必要なトルクは、このステッピングモータのトルク分も加算して決めなければならず、小型のクラッチでは対応が難しく、容量の大きなクラッチを使用せざるを得ないという問題があった。
また、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の上流側にあると、用紙に余分なループが生じやすくなり、ジャムが起きるおそれがあるという問題があった。
このような問題に対して、前記特許文献1に記載された技術は、解決策を提供しうるものではなかった。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、を備えた画像形成装置において、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合に、クラッチによる第1の搬送ローラとモータによる第2の搬送ローラとで、互いに応答速度が異なることに起因して発生する問題を解消できる画像形成装置、及び同装置におけるクラッチの制御方法を提供し、さらには前記制御方法を画像形成装置のコンピュータに実行させるためのクラッチの制御プログラムを提供することを課題としている。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合に、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記クラッチの出力側に回転数検出器を備えており、前記制御手段は、前記回転数検出器で検出された回転数に対応する回転速度と前記第2のモータの回転速度とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する前項1に記載の画像形成装置。
(3)前記クラッチの負荷情報および耐久情報を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されたクラッチの負荷情報および/または耐久情報に基づいてパルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する前項1に記載の画像形成装置。
(4)前記負荷情報は、搬送される用紙のサイズおよび厚さである前項3に記載の画像形成装置。
(5)前記制御手段は、前記第2のモータの回転速度を前記クラッチの回転速度が下回った場合には前記デューティ比を加算し、前記クラッチの回転速度が上回った場合には前記デューティ比を減算する前項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、を備えた画像形成装置におけるクラッチの制御方法であって、前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御ステップを備えていることを特徴とする画像形成装置におけるクラッチの制御方法。
(7)用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、を備えた画像形成装置のコンピュータに実行させるためのクラッチの制御プログラムであって、前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御ステップを前記コンピュータに実行させるためのクラッチの制御プログラム。
前項(1)に記載の発明によれば、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、第1の搬送ローラの起動/停止を行うクラッチの出力側の速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変してクラッチの起動/停止制御が行われるので、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の下流側にある場合に、従来のように、モータのトルクを考慮して容量の大きなクラッチを使用する必要はなくなる。このため、クラッチの小形化を促進できる。
また、前記クラッチがモータに対して用紙搬送方向の上流側にあっても、用紙が弛んだりすることもなく、円滑な搬送状態が確保される。
前項(2)に記載の発明によれば、クラッチの出力側の回転数に対応する回転速度と第2のモータの回転速度との比較結果に基づいて、パルス幅変調信号のデューティ比が可変設定されるので、該パルス幅変調信号のデューティ比の設定を正確に行うことができる。
前項(3)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されたクラッチの負荷情報および/または耐久情報に基づいてパルス幅変調信号のデューティ比を可変設定するので、パルス幅変調信号のduty比の設定を容易に行える。
前項(4)に記載の発明によれば、前記負荷情報が、搬送される用紙のサイズおよび厚さであるので、これら用紙のサイズおよび厚さに応じて正確なパルス幅変調信号のデューティ比が設定可能となる。
前項(5)に記載の発明によれば、前記クラッチの回転速度が下回った場合には前記デューティ比を加算され、前記クラッチの回転速度が上回った場合には前記デューティ比を減算されることにより、一層高精度の制御が可能となる。
前項(6)に記載の発明によれば、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の下流側にある場合に、モータのトルクを考慮して容量の大きなクラッチを使用する必要はなくなるので、クラッチの小形化を促進できるし、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の上流側にあっても、用紙が弛んだりすることもなく、円滑な搬送状態が確保される。
前項(7)に記載の発明によれば、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の下流側にある場合に、モータのトルクを考慮して容量の大きなクラッチを使用する必要はなくなり、クラッチがモータに対して用紙搬送方向の上流側にあっても、用紙が弛んだりすることもなく、円滑な搬送状態を確保できる処理を、画像形成装置のコンピュータに実行させることができる。
この発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 同じく画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 PWM信号のデーティ(duty)比とクラッチに印加される平均電流との関係を示す特性図である。 用紙搬送時におけるクラッチ制御の動作説明図である。 クラッチ制御における予測起動特性の決定方法の説明図である。 クラッチ制御におけるフィードバックを行う場合の起動制御処理の流れを示すフローチャートである。 クラッチ制御におけるフィードバックを行わない場合の起動制御処理の流れを示すフローチャートである。 クラッチ制御におけるフィードバックを行う場合の停止制御処理の流れを示すフローチャートである。 クラッチ制御におけるフィードバックを行わない場合の停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1において、この画像形成装置は、装置本体100と、この装置本体100の下側に配備された給紙オプション部200とを備えている。
前記装置本体100は、下部に位置する複数段(例えば上下2段)の給紙カセット部10A,10Bと、画像形成部30と、定着部40と、両面印字用の反転搬送部50とを備えている。
前記装置本体100側における上側の給紙カセット部10A,10Bならびに給紙オプション部200から後述する排紙部までの給紙搬送路Rには、前記給紙カセット部10A,10Bからの用紙を搬送する第1の給紙搬送部R1と、給紙オプション部200からの用紙を搬送する第2の給紙搬送部R2とが設定されている。
前記装置本体100側における下側の給紙カセット部10Aには、用紙を第1給紙搬送部R1に取り出すために、第1のモータとしての1台のブラシレスモータ13で駆動される給紙ローラ11Aが配備されており、この給紙ローラ11Aには、クラッチ12Aが連結されている。つまり、ブラシレスモータ13の回転力が伝達される給紙ローラ11Aは、前記クラッチ12Aにより起動/停止が行われるようになっている。なお、給紙ローラ11Aには従動ローラが接触しており、給紙ローラ11Aと従動ローラにより挟まれて用紙が搬送される。以下の給紙ローラ、搬送ローラ等各種のローラについても同様の構成である。
また、上側の給紙カセット部10Bにも同様に、用紙を第1の給紙搬送部R1に取り出すために、前記のブラシレスモータ13で駆動される給紙ローラ11Bが配備されており、この給紙ローラ11Bには、クラッチ12Bが連結されている。つまり、ブラシレスモータ13の回転力が伝達される給紙ローラ11Bは、前記クラッチ12Bにより起動/停止が行われるようになっている。
下側の給紙カセット部10Aと上側の給紙カセット部10Bとの間の位置において、前記第1の給紙搬送部R1には、前記ブラシレスモータ13の回転力が伝達されて、クラッチ15で起動/停止が行われる搬送(縦搬)ローラ14が配備されている。
また、上側の給紙カセット部10Bの上方位置において、前記第1の給紙搬送部R1には、前記ブラシレスモータ13の回転力が伝達されて、クラッチ17で起動/停止が行われる、用紙の搬送タイミングを調整するためのタイミングローラ16が配備されている。なお、第1のモータはブラシレスモータ13に限定されるものではない。
一方、前記給紙オプション部200側における下側の給紙カセット部20Aには、用紙を第2の給紙搬送部R2に取り出すために、第2のモータとしてのステッピングモータ22Aで駆動される給紙紙ローラ21Aが配備されている。
また、上側の給紙カセット部20Bにも同様に、用紙を第2の給紙搬送部R2に取り出すために、別の第2のモータとしてのステッピングモータ22Bで駆動される給紙ローラ21Bが配備されている。
下側の給紙カセット部20Aの側方位置において、前記第2の給紙搬送部R2には、さらに別の第2のモータとしてのステッピングモータ24Aの回転力が伝達される搬送(縦搬)ローラ23Aが配備されている。
また、上側の給紙カセット部20Bの側方位置において、前記第2の給紙搬送部R2には、ステッピングモータ24Bの回転力が伝達される搬送(縦搬)ローラ23Bが配備されている。なお、第2のモータもステッピングモータに限定されるものではない。
前記装置本体100において、画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する4つの感光体(図示せず)と、一対の駆動・従動ローラ31、32に間に掛設されて、4つの感光体から各色にトナー像が順次転写される中間転写ベルト33と、前記タイミングローラ16,16の下流側に位置して、中間転写ベルト33のトナー像を給紙搬送路Rを搬送されてきた用紙に転写する転写ローラ34とを備えている。
前記定着部40は、給紙搬送路Rにおける前記転写位置の下流側に位置しており、一対の定着ローラ41と加熱ローラ42により、用紙のトナー像を定着させるようになっている。
この定着部40の下流側に設けられた排紙センサ50を通過した用紙は、片面印字時には、ステッピングモータ25で駆動される排紙/反転ローラ18による排紙動作により、図示しない排紙トレイに排紙される。
また、両面印字時の用紙は、前記排紙/反転ローラ18による反転搬送動作により反転搬送部51に戻されてステッピングモータ26で駆動される両面ローラ51〜53により給紙搬送路Rに搬送されて、用紙の裏面が印字されてから排紙される。
図2は、画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2において、この画像形成装置は、制御部としてのCPU1と、RAM2と、データ記憶部3と、ステッピングモータドライブ用のドライバIC4と、クラッチドライブ用のドライバIC5とを備えており、これらは、制御基板1000に実装されている。なお、符号6は、前記クラッチの出力側、つまりクラッチで連結駆動されるローラ(例えば搬送ローラ14)の回転数を検出して検出信号を前記CPU1に送るローラ回転数検出器である。
前記ステッピングモータドライブ用のドライバIC4には、モータドライブラインを介して前記ステッピングモータ22A,22B,24A,24B,25,26が接続されている。
また、前記クラッチドライブ用のドライバIC5には、クラッチドライブラインを介して前記クラッチ12A,12B,15,17が接続されている。
前記CPU1は、画像形成装置の全体動作を統括的に制御する他に、前記ドライバIC4を介して前記ステッピングモータ22A,22B,24A,24B,25,26を、運転マップに基づいて動作制御し、さらに、前記クラッチ12A,12B,15,17の駆動源であるブラシレスモータ13に対して所定の回転数制御クロック信号等を送給し、該ブラシレスモータ13からは、回転状態の信号が返送されるようになっている。
また、CPU1は、前記ローラ回転数検出部6からのローラ回転数の検出信号を受けて算出した回転速度信号と、前記ステッピングモータ24B(24A)等の回転速度信号とを比較し、その比較結果に基づいてクラッチ制御用のパルス幅変調(PWM)信号のデューティ(以下、dutyまたはDutyともいう)比を決定し、その結果に基づく連結/解放信号を前記ドライバIC5を介して前記クラッチ12A,12B,15,17に送出して、これらクラッチをPWM制御するようになっている。
前記データ記憶部3には、前記ステッピングモータ22A,22B,24A,24B,25,26の各運転マップやその他のデータが記憶されている。
前記RAM2は、CPU1が所定の動作プログラムに基づいて制御する際の動作領域を提供するメモリである。
図3は、PMW信号のduty比(%)とクラッチ12A,12B,15,17に印加される平均電流との関係を示す特性図である。
図3において、PMW信号のduty比を加算(増大)することにより、クラッチ12A,12B,15,17に印加する電圧値が上昇し、その印加電圧が上昇することにより、クラッチ電流が増大し、駆動トルクが上昇する。
つぎに、用紙搬送時におけるクラッチの制御動作を図4(A)〜(C)を参照して説明する。
図4(A)には、給紙動作により1枚目の用紙S1が、前記ステッピングモータ24Bで駆動される搬送ローラ23Bと、搬送ローラ23Bに対する用紙搬送方向の下流側に設けられている、前記クラッチ15で連結される搬送ローラ14との間に位置する場合を例示してある。
なお、2枚目の用紙S2は、その先端が前記ステッピングモータ24Aで駆動される搬送ローラ23Aに差しかかっているものとする。
前記各ステッピングモータ24A,24Bの起動/停止の特性は、図4(B)に示すように、略台形状のカーブに沿ったものとなっており、特性の頂部平坦部でステッピングモータ24A,24Bの速度が一定となる。
前記ステッピングモータ24A,24Bの起動/停止時には、図4(C)に示すクラッチ起動/停止特性をもったクラッチ電流がPMW信号のduty比の可変制御によって供給される。
具体的には、ステッピングモータ24Bで駆動される搬送ローラ23Bに対してクラッチ15が用紙搬送方向の下流側にある状態では、搬送ローラ14に付設したエンコーダ150に基づいて算出されたクラッチの速度(搬送ローラ14の速度)とステッピングモータ24Bの速度を、モータ速度を前記CPU1で比較し、比較結果をCPU1にフィードバックして、クラッチ15に対するPWM信号のduty比を決定したのち、決定されたduty比のパルス信号が、CPU1から前記クラッチドライバIC5を介してクラッチ15に出力される。なお、エンコーダ150は必ずしも搬送ローラ14に付設されなければならないものではなく、クラッチ15の出力側の回転数(速度)を検出できる態様であればよい。
図4(C)に示すクラッチ起動/停止特性において、速度比較によるフィードバック制御がない場合には、クラッチ電流の特性が点線bで示すように早期に急峻に立ち上がって最大値に達し、急峻に立ち下がるが、前記クラッチの速度をステッピングモータ24Bの速度に合うように、PWMのduty比を決定して制御を実施した場合には、クラッチ電流の特性が実線aで示すように、立ち上がりが遅れて緩やかに最大値に達し、遅れて立ち下がる。
搬送(縦搬)ローラ14の速度特性も、前記速度比較によるフィードバック制御がない場合には、図4(C)の点線yで示すように早期に急峻に立ち上がって最大値に達し、急峻に立ち下がるが、速度比較によるフィードバック制御を実施することにより、図4(C)の実線xで示すように、立ち上がりが遅れて最大値に達し、遅れて立ち下がる。
これにより、クラッチ15とステッピングモータ24Bの起動/停止タイミングがほぼ同じになり、クラッチ15が速く立ち上がった場合のようにクラッチにステッピングモータのトルクを加算する必要はなくなるから、その分、該クラッチ15を小形化できる。また、クラッチ15が通紙の上流側にある場合には、用紙に弛みが生じたりするのが抑制される。
なお、図4(A)の構成において、クラッチ15に対する速度フィードバック制御を行うのではなく、前記データ記憶部3にクラッチの起動特性あるいは停止特性に沿った運転パータンを予め記憶させておき、この運転パターンを読み出して起動、停止させても良い。この場合は、用紙の種別、用紙サイズおよび用紙の送り方向に合わせた負荷情報を保持しておき、これら負荷情報とプロセス(システム)速度から起動特性(カーブ)等を決定する。
図5(A)は、速度(mm/s)と負荷(mN・m)との関係から必要な起動特性を選択するためのテーブルであり、例えば、プロセス速度が250(mm/s)において、負荷が300(mN・m)では、図5(B)に示す特性「1−丸数字1」が選択され、負荷が70(mN・m)では、図5(B)に示す特性「1−丸数字3」が選択される。
同様に、例えば、プロセス速度が50(mm/s)において、負荷が300(mN・m)では、図5(B)に示す特性「4−丸数字1」が選択され、負荷が70(mN・m)では、図5(B)に示す特性「4−丸数字3」が選択される。
また、クラッチ耐久回数により起動/停止時間(応答時間)が図5(C)(D)に示すように、変化するので、耐久係数を起動特性に加算し、最終的な起動/停止特性を決定しても良い。
図6は、速度フィードバックを行う場合の起動制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理及び図7以降のフローチャートに示す処理は、画像形成装置のCPU1がデータ記憶部3等の記録媒体に記録された制御プログラムに従って動作することにより実行される。
なお、以下の説明では、図4(A)の構成を参考にして説明する。
図6において、ステップS1では、画像形成指令があるか否かを判断し、画像形成指令がなければ(ステップS1でNO)、画像形成指令を待ち、画像形成指令があれば(ステップS1でYES)、ステップS2では、クラッチ15の初期のduty比の設定と、ステッピングモータ24Bの起動特性を設定する。ステップS3では、クラッチ15とステッピングモータ24Bの起動を開始し、ステップS4では、ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度(搬送ローラ14の速度)との差、即ち[ステッピングモータ24Bの速度−クラッチ15の速度]の値を算出する、
ステップS5では、ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差がプラス側であるか否かを判断する。ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差がプラス側であれば(ステップS5でYES)、ステップS9では、PWM信号のduty比を加算(増大)してから、ステップS7に進む。ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差がプラス側でなければ(ステップS5でNO)、ステップS6では、PWM制御におけるduty比を減算(減少)してから、ステップS7に進む。
ステップS7では、ステッピングモータ24Bの速度が目標値に達したか否かを判断し、目標値に達していなければ(ステップS7でNO)、ステップS5に戻る。目標値に達すると(ステップS7でYES)、ステップS8では、クラッチ15のPWM制御におけるduty比をそのまま固定して、処理を終了する。
図7は、速度フィードバックを行わない場合の起動制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7において、ステップS11では、画像形成指令があるか否かを判断し、画像形成指令がなければ(ステップS11でNO)、画像形成指令を待ち、画像形成指令があれば(ステップS11でYES)、ステップS12では、各条件(図5)によりクラッチ15の起動特性を設定し、さらにステッピングモータ24Bの起動特性を設定する。
ステップS13では、クラッチ15とステッピングモータ24Bの起動を開始し、ステップS14では、クラッチ15の起動特性の設定(図5)に基づいてduty比を加算してから、ステップS15に進む。
ステップS15では、ステッピングモータ24Bの速度が目標値に達したか否かを判断し、ステッピングモータ24Bの速度が目標値に達していなければ(ステップS15でNO)、ステップS14に戻る。ステッピングモータ24Bの速度が目標値に達していれば(ステップS15でYES)、ステップS15では、クラッチ15のPWM信号のduty比をそのままに固定し、処理を終了する。
図8は、速度フィードバックを行う場合の停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8において、ステップS31では、クラッチ15のPWM制御におけるduty比を固定し、ステッピングモータ24Bの速度も固定している。
ステップS32では、停止の指示があるか否かを判断し、停止の指示がなければ(ステップS32でNO)、停止の指示を待つ。停止の指示があれば(ステップS32でYES)、ステップS33では、クラッチ15とステッピングモータ24Bの減速を開始し、ステップS34では、ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差を算出してから、ステップS35に進む。
ステップS35では、ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差がプラス側であるか否かを判断する。ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ15の速度との差がプラス側であれば(ステップS35でYES)、ステップS39では、PWM信号のduty比を加算してから、ステップS37に進む。ステッピングモータ24Bの速度とクラッチ速度との差がプラス側でなければ(ステップS35でNO)、ステップS36では、PWM信号のduty比を減算してから、ステップS37に進む。
ステップS37では、クラッチ15が停止したか否かを判断し、クラッチ15が停止していなければ(ステップS37でNO)、ステップS35に戻り、クラッチ15が停止していれば(ステップS37でYES)、ステップS38で、クラッチ15に対するPWM信号のduty比を「0」にする。
図9は、速度フィードバックを行わない場合の停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9において、ステップS41では、クラッチ15のPWM制御におけるduty比を固定し、ステッピングモータ24Bの速度も固定している。
ステップS42では、停止の指示であるか否かを判断し、停止の指示がなければ(ステップS42でNO)、停止の指示を待つ。停止の指示があれば(ステップS42でYES)、ステップS43では、各条件(図5)に応じてクラッチ15の停止特性を設定し、さらにステッピングモータ24Bの特性を設定する。
ステップS44では、クラッチ15とステッピングモータ24Bの停止を開始し、ステップS45では、クラッチ15の起動duty比の特性設定に基づいてduty比を減算し、ステップS46に進む。
ステップS46では、クラッチ15が停止したか否かを判断し、クラッチ15が停止していなければ(ステップS37でNO)、ステップS45に戻り、クラッチ15が停止していれば(ステップS46でYES)、ステップS47で、クラッチ15のPWM制御におけるduty比を「0」にする。
1 CPU
3 データ記憶部
6 ローラ回転数検出器
13 ブラシレスモータ
12A,12B,16,17 クラッチ
22A,22B,24A,24B,25,26 ステッピングモータ
R 給紙搬送路
R1 第1の給紙搬送部
R2 第2の給紙搬送部
S1,S2 用紙

Claims (7)

  1. 用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、
    前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、
    前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合に、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クラッチの出力側に回転数検出器を備えており、
    前記制御手段は、前記回転数検出器で検出された回転数に対応する回転速度と前記第2のモータの回転速度とを比較するとともに、その比較結果に基づいて前記パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クラッチの負荷情報および耐久情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されたクラッチの負荷情報および/または耐久情報に基づいてパルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記負荷情報は、搬送される用紙のサイズおよび厚さである請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記第2のモータの回転速度を前記クラッチの回転速度が下回った場合には前記デューティ比を加算し、前記クラッチの回転速度が上回った場合には前記デューティ比を減算する請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、を備えた画像形成装置におけるクラッチの制御方法であって、
    前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御ステップを備えていることを特徴とする画像形成装置におけるクラッチの制御方法。
  7. 用紙搬送経路に設けられ、第1のモータで駆動されるとともに、クラッチにより起動/停止が行われる第1の搬送ローラと、前記用紙搬送経路に設けられ、第2のモータでクラッチを介することなく起動/停止が行われる第2の搬送ローラと、を備えた画像形成装置のコンピュータに実行させるためのクラッチの制御プログラムであって、
    前記クラッチに対してパルス幅変調信号のデューティ比を制御することにより、前記第1の搬送ローラの起動/停止を制御するとともに、前記第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間に用紙を挟んだままで、両搬送ローラの起動/停止を行う場合、前記クラッチの出力側速度が前記第2のモータの回転速度と一致するように、パルス幅変調信号のデューティ比を可変設定する制御ステップを前記コンピュータに実行させるためのクラッチの制御プログラム。
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