JP2012035520A - 積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
ポリスチレン系樹脂で構成された層とポリエステル系樹脂で構成された層を直接積層させ、かつ各層の層間接着強度が良好である積層シート、およびこれらを用いた成形品およびフィルムを提供する。
【解決手段】
特定の構造、物性を有するポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂で構成された層を直接積層させた積層シートであり、層間接着強度およびシート物性が良好である積層シートおよびこれらを用いた包装容器や包装フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂で構成された層とポリエステル系樹脂で構成された層からなる積層シートに関するものである。
積層シートは同系統樹脂を積層させる場合と異系統樹脂を積層させる場合があり、異系統樹脂の場合は、これらを直接積層させる場合と、これらの層間に接着層を介在させる場合がある。直接積層させる技術としては下記がある。
特開平5−177777号公報 特開平7−290659号公報 特開平11−77904号公報 特許第3975037号 特開2007−76359号公報 特許第4274645号
本発明はポリスチレン系樹脂で構成された層とポリエステル系樹脂で構成された層を直接積層させ、かつ各層の層間接着強度が良好である積層シート、およびこれらを用いた成形品およびフィルムを提供することを課題とする。
即ち、本発明は以下を特徴とする要旨からなるものである。
1.以下のポリスチレン系樹脂(1)〜(3)の混合質量比が{(1)+(3)}/(2)=18/82〜54/46からなり、{(1)+(3)}の混合質量比が(1)/(3)=14/86〜69/31からなるポリスチレン系樹脂で構成された層の少なくとも片側に以下のポリエステル系樹脂で構成された層を直接積層させた積層シート。
ポリスチレン系樹脂(1)
以下の(a)〜(c)で規定されたポリスチレン系樹脂。
(a)ビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が50/50〜40/60。
(b)テーパードブロック部を有し、テーパードブロック部に含まれるビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が3/97〜19/81、テーパードブロック部の両端がビニル芳香族炭化水素単位からなるブロック部を有する。
(c)数平均分子量Mnが8万〜12万
ポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂組成物(2)
以下の(d)、(e)で規定されたポリスチレン系樹脂。
(d)ビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が80/20〜65/35。
(e)共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率がポリスチレン系樹脂(2)全体の15質量%〜30質量%。
ポリスチレン系樹脂(3)
ビニル芳香族炭化水素、共役ジエンおよび(メタ)アクリル酸エステルからなるポリスチレン系樹脂である。
ポリエステル系樹脂
多価アルコール成分がエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールからなるポリエステル系樹脂。
2.各層の層間接着強度が2.0N/15mm以上である上記1記載の積層シート。
3.上記1、2のいずれかに記載の積層シートを用いた成形品。
4.上記1、2のいずれかに記載の積層シートを用いたフィルム。
本発明の積層シートは直接積層させた各層の層間接着強度が良好である積層シートを提供するものである。
ポリスチレン系樹脂とは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の群より選ばれし一種以上のスチレン系単量体を含有するものであって、例えば耐衝撃性ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−メチルメタアクリレート共重合体、ゴム変性(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(ゴム変性MS系樹脂、MBS)などがある。
本発明に使用するポリスチレン系樹脂はブロック共重合体、MBSが好ましい。ブロック共重合体では、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体がより好ましく、特にスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
本発明で使用されるブロック共重合体の製造に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。好ましくは、スチレンである。
本発明で使用されるブロック共重合体の製造に用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。好ましくは、1,3−ブタジエンが挙げられる。
本発明におけるポリスチレン系樹脂の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPCと略称する。)を用いて下記の方法で測定される。
装置名:東ソー製HLC−8220GPC
使用カラム:昭和電工製商品名ShodexGPCKF−404を直列に4本接続
カラム温度:40℃
検出方法:示差屈折率法
移動相:テトラヒドロフラン
サンプル濃度:2質量%
検量線:VARIAN社製標準ポリスチレン(ピークトップ分子量Mp=2,560,0000、841,700、280,500、143,400、63,350、31,420、9,920、2,930)を用いて検量線を作成した。
本発明に用いられるブロック共重合体の構造は、上記および請求項記載の要件が満たされればいかなる形式をとることも許される。好ましい例としては下記のような一般式を有するものが挙げられる。
(a)A−B−A
(b)A−B−C−A
但し、一般式中Aはビニル芳香族炭化水素の重合鎖、Bはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合鎖、Cは共役ジエンの重合鎖を示す。
前記一般式は化学構造、即ち実質的にビニル芳香族炭化水素からなるブロック状の重合鎖A、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合鎖B、実質的に共役ジエンからなるブロック状の重合鎖Cの配列順を示す。一般式中にA、BあるいはCが複数存在しても、分子量、共役ジエンの質量割合、共重合鎖のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの分布状態などはそれぞれ独立していて、同一である必要はない。共重合鎖Bの分子量および組成分布は、主にビニル芳香族炭化水素モノマーおよび共役ジエンモノマーの添加量と添加方法により制御される。
次に、本発明のブロック共重合体の製造について説明する。ブロック共重合体は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。有機溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいは、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのような単官能有機リチウム化合物、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムのような多官能有機リチウム化合物等が使用できる。
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンは、前記したものを使用することができ、それぞれ1種又は2種以上を選んで重合に用いることができる。そして、前記の有機リチウム化合物を重合開始剤とするリビングアニオン重合では、重合反応に供したビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンはほぼ全量が重合体に転化する。
本発明におけるブロック共重合体の分子量は、モノマーの全添加量に対する重合開始剤の添加量により制御できる。
ブロック共重合体の共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率は次式により求めたものである。
共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率(%)=(Wd/Wt)×100
ここでWtはブロック共重合体を重合する際に使用するモノマーの全添加質量であり、Wdはブロック共重合体中の共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部を構成する共役ジエンの全質量を示す。
ブロック共重合体のブロック率は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを重合させる際のランダム化剤の添加量により制御できる。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素のブロック率に特に制限はないが、70〜100質量%、好ましくは75〜100質量%である。ブロック率が70質量%未満だと、透明性や剛性が低下する場合がある。なお、ビニル芳香族炭化水素のブロック率は次式により求めたものである。
ブロック率(%)=(W1/W0)×100
ここでW1は共重合体中のビニル芳香族炭化水素のブロック重合鎖の質量、W0はブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素の全質量を示す。前記式中のW1は、ブロック共重合体を公知文献「ラバーケミストリーアンドテクノロジー(Y.TANAKA,et.al.,RUBBERCHEMISTRYANDTECHNOLOGY)」59,16−26頁(1986)に記載の方法でオゾン分解し、得られたビニル芳香族炭化水素重合体成分をGPC測定し、クロマトグラムに対応する分子量を、標準ポリスチレン及びスチレンオリゴマーを用いて作製した検量線から求め、数平均分子量3千を超えるものをピーク面積より定量して求めた。
ランダム化剤としては主としてテトラヒドロフラン(THF)が用いられるが、その他のエーテル類やアミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウム又はナトリウムのアルコキシド等も使用できる。適当なエーテル類としてはTHFの他にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。アミン類としては第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンの他、環状アミン等も使用できる。その他にトリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム又はナトリウム、カリウム又はナトリウムブトキシド等もランダム化剤として用いることができる。
ランダム化剤の添加量としては、全仕込みモノマー100質量部に対し、0.001〜10質量部が好ましい。添加時期は重合反応の開始前でも良いし、共重合鎖の重合前でも良い。また必要に応じ追加添加することもできる。
その他、ビニル芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーの供給速度によってもブロック率は制御できる。
このようにして得られたブロック共重合体は、水、アルコール、二酸化炭素などの重合停止剤を活性末端を不活性化させるのに充分な量を添加することにより不活性化される。得られたブロック共重合体の有機溶媒溶液より共重合体を回収する方法としては、メタノール等の貧溶媒により析出させる方法、加熱ロール等により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ドラムドライヤー法)、濃縮器により溶液を濃縮した後にベント式押出機で溶媒を除去する方法、溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込んで溶媒を加熱除去して共重合体を回収する方法(スチームストリッピング法)等、任意の方法が採用できる。
ポリエステル系樹脂とは、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を主体とした重縮合物である。
多価カルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸及びこれらの置換体等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオールなどが挙げられる。これらのジオール成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
好ましい多価カルボン酸としてはテレフタル酸が、好ましい多価アルコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられ、これらが重縮合されたポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。
本発明に使用するポリエステル系樹脂の多価アルコール成分配合量はエチレングリコール50モル%〜70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル%〜48モル%、ジエチレングリコール2モル%〜15モル%で多価アルコール成分配合量の合計が100モル%であり、より好ましくはエチレングリコール64モル%〜70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル%〜32モル%、ジエチレングリコール4モル%〜14モル%で多価アルコール成分配合量の合計が100モル%である。1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル%未満ではポリエステル系樹脂が結晶化するおそれがあり、48モル%を超えるとポリエステル系樹脂が硬質化し、成形不良が発生するおそれがある。またジエチレングリコール2モル%未満であるとポリエステル系樹脂が硬質化し、成形不良が発生するおそれがあり、15モル%を超えると軟質化し、積層シートの剛性が保てないおそれがある。
ポリエステル系樹脂の多価アルコール成分配合量は核磁気共鳴分光法(以下、NMRと略称する。)を用いてH−NMR、13C−NMRを測定し、各成分のピーク強度より算出した。
装置名:ブルカー・バイオスピン製AVANCE−300
測定核種:H、13
共鳴周波数:300MHz(H)、75.5MHz(13C)
測定溶媒:CDCl
上記を満たすポリエステル系樹脂の市販品としては、SKChemicals社製「SKYGREENPETGS2008」、EASTMANCHEMICAL社製「EastarCopolyester6763」、「EMBRACECopolyester21214」、「EMBRACELV」などが挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂およびポリエステル系樹脂には、積層シートを製造する際に、本発明の目的を阻害しない範囲で安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、スリップ剤、造核剤などの各種添加剤、顔料、着色剤を必要に応じて混合することができる。
ポリスチレン系樹脂の混合質量比は{(1)+(3)}/(2)=18/82〜54/46からなり、{(1)+(3)}の混合質量比が(1)/(3)=14/86〜69/31である。より好ましくは{(1)+(3)}/(2)=29/71〜45/55からなり、{(1)+(3)}の混合質量比が(1)/(3)=28/72〜69/31である。更により好ましくは{(1)+(3)}/(2)=29/71〜40/60からなり、{(1)+(3)}の混合質量比が(1)/(3)=42/58〜69/31である。(2)の混合質量比が46未満の場合、ポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。(2)の混合質量比が82を越えると硬質化してしまい、積層シートの層間接着強度が不良となる。また{(1)+(3)}の混合質量比において、(1)の混合質量比が14未満の場合、軟質化の効果が得られず、積層シートの層間接着強度が不良となる。(1)の混合質量比が69を越えるとポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。
「ゲル・ブツ」とは積層シート作成時にシート状に発生する欠点であり、ゲルとは樹脂の劣化物もしくは未溶融物が集中して発生している箇所、ブツはゲル以外の目視で確認可能な欠点のことを現す。
ポリスチレン系樹脂(1)のビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比は50/50〜40/60である。共役ジエンの質量比が50未満では請求項1記載のポリスチレン系樹脂が軟質化せず、積層シートの層間接着強度が不良となる。共役ジエンの質量比が60を超えると積層シートの剛性が保てず、柔らかくなってしまうだけでなく、ポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。
ポリスチレン系樹脂(1)の一次構造はテーパードブロック部を有する。テーパードブロック部と共役ジエンのブロック部における共役ジエン単位の質量比が同じ場合、テーパードブロック部のほうがより軟質化する傾向があり、テーパードブロック部を使用することで請求項1記載のポリスチレン系樹脂が軟質化しやすく、積層シートの層間接着強度が良好となる。またポリスチレン系樹脂(1)において、テーパードブロック部を有するほうがゲル・ブツが発生しづらい傾向がある。
テーパードブロック部とはビニル芳香族炭化水素単量体と共役ジエン単量体を同時に添加し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの反応性比の違いを利用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを同時に重合することにより作製することができる。テーパードブロック部分の組成比率はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの仕込み比率によりで調整することができる。
一次構造構成成分として、ランダム部を有することもある。ランダム部とはビニル芳香族炭化水素と共役ジエンをランダムに重合する方法であり、ビニル芳香族炭化水素および共役ジエンを一定流量で添加して重合することで作製することができる。ランダム部の組成比率はビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの分添速度、温度およびランダム化剤の濃度で調整することができる。
ポリスチレン系樹脂(1)の一次構造におけるテーパードブロック部に含まれるビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比は3/97〜19/81である。テーパードブロック部に含まれるビニル芳香族炭化水素単位の質量比が3未満ではポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。テーパードブロック部に含まれるビニル芳香族炭化水素単位の質量比が19を越えるとテーパードブロック部に含まれる共役ジエンの質量比が少ないため、ポリスチレン系樹脂(1)が軟質化せず、積層シートの層間接着強度が不良となる。
ポリスチレン系樹脂(1)の一次構造はテーパードブロック部の両端がビニル芳香族炭化水素単位からなるブロック部を有する。テーパードブロック部の両端がビニル芳香族炭化水素単位からなるブロック部を有さない場合、ポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。
ポリスチレン系樹脂(1)の数平均分子量Mnは8万〜12万である。8万未満では積層シートの剛性が保てない場合がある。12万を超えるとポリスチレン系樹脂(1)が軟質化せず、積層シートの層間接着強度が不良となる場合がある。
ポリスチレン系樹脂(2)のビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比は80/20〜65/35である。共役ジエン単位の質量比が20未満だと積層シートの層間接着強度が不良となる。また共役ジエン単位の質量比が35を超えるとポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。
ポリスチレン系樹脂(2)の共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率がポリスチレン系樹脂(2)全体の15質量%〜30質量%である。15質量%未満だと積層シートの層間接着強度が不良となり、30質量%を超えると、ポリスチレン系樹脂の製造時および積層シート作製時にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがあり、良好な積層シートが得られない場合がある。
ポリスチレン系樹脂(2)の共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率は、単独の重合により得られた樹脂だけでなく、複数の重合で得られた樹脂のブレンドとしても良い。その際、ブロック共重合部の質量分率は、ポリスチレン系樹脂(2)全体の15質量%〜30質量%であれば、構成するポリスチレン系樹脂の一次構造は特に規定はない。
ポリスチレン系樹脂(2)は、共役ジエンのみで構成されたブロック重合部を有さなければならない。一次構造中のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの質量比が同じ場合、一次構造中に共役ジエンの単独ブロック部を有するほうが硬質化する傾向があり、共役ジエンの単独ブロック部を使用することで積層シートの剛性を保つことができる。
ポリスチレン系樹脂(3)は特許第4467088号に記載された範囲内の樹脂を使用することが可能である。即ち、ゴム変性(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体としては、ゴム状弾性体からなる分散相が1〜15質量%であり、スチレン系単量体単位35〜75質量%および(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25質量%を含有する重合体からなる連続相が99〜85質量%であるゴム変性スチレン系重合体において、分散相を形成する分散粒子の平均粒子径が0.2〜1.2μmであり、ゴム状弾性体がスチレン単量体単位30〜50質量%とブタジエン単量体単位70〜50質量%からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体であって、該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のポリスチレン部分の重量平均分子量(Mw)が4.5万〜7.5万であり、かつポリスチレン部分の重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が1.20〜1.80であるゴム変性(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等があげられる。好ましくは、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートである。これらは単独で用いても、メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレート等の2種類以上の(メタ)アクリル酸エステルを併用して用いることができる。
ポリスチレン系樹脂(3)はMBSでなければならない。(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体のみでは硬質すぎるため、層間接着強度が向上しない。一方共役ジエンの分散粒子を一次構造中に有するHIPSでは(メタ)アクリル酸エステル成分由来のエステル基を有さないため層間接着強度は向上しない。一次構造中の(メタ)アクリル酸エステル成分由来のエステル基を有することにより、ポリエステル系樹脂との親和性が向上し、かつゴム状弾性体を含有させることにより、ポリスチレン系樹脂が軟質化するため、PETとのなじみが向上するため、積層シートの層間接着強度が向上すると考えられる。
本発明に用いるポリスチレン系樹脂(1)〜(3)には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、各種安定剤、加工助剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油、フィラー、顔料、難燃剤、滑剤等が挙げられる。
その混合方法は特に規定はないが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等でドライブレンドしてもよく、更に押出機で溶融してペレット化してもよい。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合反応途中、重合体の後処理等の段階で、添加してもよい。この際、添加剤も同時に混合しても良い。
ポリスチレン系樹脂(1)〜(3)は一種類の使用では良好な積層シートが得られない。ポリスチレン系樹脂(1)のみでは軟質であるために良好な積層シートが作製できず、ポリスチレン系樹脂(2)のみでは硬質であるために積層シートの層間接着強度が不良となり、ポリスチレン系樹脂(3)のみでは積層シートが脆くなるため、良好な積層シートが得られない。
ポリスチレン系樹脂(1)とポリスチレン系樹脂(2)において、ポリスチレン系樹脂(1)がより軟質、ポリスチレン系樹脂(2)がより硬質であるほうが積層シートの層間接着強度が良好であり、ゲル・ブツが発生しづらい。
本発明の積層シートは、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂を各々押出機で溶融し、フィードブロック法、マルチマニホールド法、デュアルスロット法等で積層化することによって得られるが、あらかじめ基材層の単層シートを準備した後に、それぞれを熱により積層させてもよい。
なお、本発明の積層シートをTダイ式シート押出機による共押しで製造する場合、押出温度は180〜260℃が好ましい。押出温度が180℃未満ではポリエステル樹脂の可塑化が不十分となる。一方、押出温度が260℃を越える場合は、ポリスチレン系樹脂の熱劣化を助長し外観が悪化する。また、積層シートの厚さは、全体で0.2mm以上である。
本発明の積層シートを用いた容器は、例えば圧空真空成形法や、熱板成形法などの公知の方法により作製することができる。
本発明の積層シートを用いたフィルムは、例えばテンター式延伸法などの公知の方法により作製することができる。
以下に実施例をもって、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ポリスチレン系樹脂(1)−1の製造
(ア)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gと38.0kgのスチレンを仕込み、30℃に保った。
(イ)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液2700mLを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は55℃まで上昇した。
(ウ)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を50℃に下げ、1,3−ブタジエン120kgとスチレン4kgを同時に添加した。内温は130℃まで上昇した。
(エ)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に下げ、スチレンを38kg添加し、重合を完結させた。
(オ)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック部とスチレンとブタジエンのテーパードブロック部を持つ重合体を含む重合液を得た。
(カ)この重合液を脱揮して、ポリスチレン系樹脂(1)−1を得た。組成、数平均分子量等を表1に示す。
ポリスチレン系樹脂(1)−1製造の(ア)、(ウ)、(エ)で使用するモノマーの量を調整することでポリスチレン系樹脂(1)の組成を決定することができる。また(イ)で使用するn−ブチルリチウムを調整することで目標分子量を決定することができる。表1に示した条件以外は、ポリスチレン系樹脂(1)−1と同様にして、ポリスチレン系樹脂(1)−2〜ポリスチレン系樹脂(1)−8を製造した。
ポリスチレン系樹脂(2)−3の製造
(キ)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gと4.0kgのスチレンを仕込み、30℃に保った。
(ク)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1750mLを加え、スチレンをアニオン重合させた。その後、内温を80℃まで上昇させた。
(ケ)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量120.0kgのスチレン、及び総量12.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ102.9kg/h、10.3kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(コ)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に保ちながら、36.0kgの1、3−ブタジエンを一括添加し、引き続きこれを反応させた。
(サ)さらに28.0kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(シ)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部、及びスチレンとブタジエンのランダム部を持つ重合体を含む重合液を得た。
(ス)この重合液を脱揮して、ポリスチレン系樹脂(2)−3を得た。
ポリスチレン系樹脂(2)−3製造方法の(キ)、(ケ)、(コ)、(サ)で使用するモノマーの量を調整することでポリスチレン系樹脂(2)の組成を決定することができる。特に(コ)で使用する1,3−ブタジエン量を調整することで共役ジエンの単独ブロック共重合分率を決定できる。また(ク)で使用するn−ブチルリチウムを調整することで目標分子量を決定することができる。また(コ)の操作を実施しないことでポリスチレン系樹脂(2)−8−(A)、ポリスチレン系樹脂(2)−9−(A)のようなポリスチレンブロック部とスチレンとブタジエンのランダム部を持つ重合体を得ることができる。各ポリスチレン系樹脂(2)−1〜(2)−9の条件を表2にまとめた。
ポリスチレン系樹脂(2)−10の製造
(キ)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gと4.0kgのスチレンを仕込み、30℃に保った。
(ク)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液1750mLを加え、スチレンをアニオン重合させた。その後、内温を80℃まで上昇させた。
(ケ)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を80℃に保ちながら、総量120.0kgのスチレン、及び総量12.0kgの1,3−ブタジエンを、それぞれ102.9kg/h、10.3kg/hの一定添加速度で両者を同時に添加した。
(コ)スチレンと1,3−ブタジエンが完全に消費された後、反応系の内温を70℃に保ちながら、6.0kgのスチレンと30.0kgの1、3−ブタジエンを同時に添加し、引き続きこれを反応させた。
(サ)さらに28.0kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(シ)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部、及びスチレンとブタジエンのランダム部を持つ重合体を含む重合液を得た。
(ス)この重合液を脱揮して、ポリスチレン系樹脂(2)−10を得た。ポリスチレン系樹脂(2)−10の条件を表2にまとめた。
ポリスチレン系樹脂(3)は市販のゴム変性(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MBS)を使用した。それぞれの組成を表3にまとめた。
ポリエステル系樹脂は以下のポリエステル系樹脂を使用した。
PET1:SKChemicals社製「SKYGREENPETGS2008」
PET2:EASTMANCHEMICAL社製「EastarCopolyester6763」
PET3:EASTMANCHEMICAL社製「EMBRACELV」
PET4:EASTMANCHEMICAL社製「EMBRACECopolyester21214」
PET5:Nan Ya Plastics社製「PET CHIP 3822T」
それぞれの多価アルコール成分の割合は、表4にまとめた。

ポリスチレン系樹脂(0)の製造
(セ)反応容器中にシクロヘキサン500.0kg、THF75.0gと38.0kgのスチレンを仕込み、30℃に保った。
(ソ)この中に重合開始剤溶液としてn−ブチルリチウムの10質量%シクロヘキサン溶液3400mLを加え、スチレンをアニオン重合させた。内温は55℃まで上昇した。
(タ)スチレンが完全に消費された後、反応系の内温を50℃に下げ、1,3−ブタジエン124kgを添加した。内温は130℃まで上昇した。
(チ)反応系の内温を70℃に保ちながら、38.0kgのスチレンを一括添加し、重合を完結させた。
(ツ)最後に全ての重合活性末端を水により失活させて、ポリスチレンブロック部とポリブタジエンのブロック部、及びスチレンとブタジエンのランダム部を持つ重合体を含む重合液を得た。
(テ)この重合液を脱揮して、ポリスチレン系樹脂(0)を得た。ポリスチレン系樹脂(0)の条件を表5にまとめた。

積層シートの製造(実施例1〜22、比較例1〜28)
フィードブロック法のTダイ式多層押出機にて、ポリエステル系樹脂を層1、ポリスチレン系樹脂を層2として、層1/層2/層1と2種3層に積層させ、層比15/70/15、シート厚0.3mmの積層シートを作製した。層1は40mmφ単軸押出機、押出温度240℃にて実施、層2は65mmφ単軸押出機、押出温度220℃にて実施、ダイスは210℃にて実施した。それぞれの層構成と組成を表6〜10にまとめた。
比較例1として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、GPPS、水添石油樹脂の混合物を層2に用いて、上記方法により積層シートを成形し、各種物性を測定した。配合組成および測定値を表7に記載した。スチレン−ブタジエンブロック共重合体はシェブロンフィッリプスケミカル社製スチレン−ブタジエンブロック共重合体「KR−03」、GPPSは東洋スチレン社製ポリスチレン「トーヨースチロールGPG200C」を、水添石油樹脂は荒川化学工業社製水添石油樹脂「アルコンP−125」を使用した。
比較例8、26に使用したポリスチレン系樹脂(4)は、スチレン/ブタジエン組成比が93/7、平均粒子径が0.8μmの市販のHIPSである。
比較例9、27に使用したポリスチレン系樹脂(5)は、スチレン/メチルメタアクリレート組成比が53/47である市販のスチレン−メチルメタアクリレート共重合体である。
積層シートの「層間接着強度」は株式会社エー・アンド・デイ製テンシロン万能試験機RTG−1210を用い、試験片はMD方向15mm、TD方向100mmとし、TD方向の50mmを予め剥離させておき、TD方向のT型剥離強度測定となるように試験片を設置し、初期チャック間隔50mm、引張速度100mm/minで測定し、試験回数7回の平均最大点荷重を測定値として測定した。その他はJISK6854−3に準拠して測定した。
「セロハン粘着テープ剥離試験」はニチバン株式会社製、植物系セロハン粘着テープ「CT405AP−18」、18mm×35m(JISZ1522 セロハン粘着テープ適合品)を7.5cm引き出し、6.5cmを積層シート表面にしっかりと貼り付け、残りの1cmを貼り付けずに持ち手とし、シートを固定し、勢いよく剥がし、剥離の有無を確認する官能評価として実施した。セロハン粘着テープを剥がす方向はMD方向とし、試験回数10回とした。層間剥離が発生しなければ層間接着強度「良好」、発生した場合は層間接着強度「不良」と評価した。
実際の使用に即したセロハン粘着テープでの層間接着強度が良好の場合、積層シートの層間接着強度が2.0N/15mm以上、層間接着強度不良の場合、2.0N/15mm未満となった。よって層間接着強度が2.0N/15mm以上であれば実使用上での層間剥離は発生しないと考えられる。より好ましくは層間接着強度が3.6N/15mm以上であり、更により好ましくは層間接着強度が4.6N/15mm以上である。
積層シートの「衝撃強度」はASTMD3420に準拠して測定した。先端の直径が12.7mmの撃芯を使用した。
積層シートの「引張弾性率」はJISK6251に準じたダンベル状試験片1号形を試験片とし、引張速度10mm/min、JISK7127に準拠して測定した。
積層シートの「ゲル・ブツ」はTダイ式多層押出機にて積層シートの作製を開始してから15分後に、MD方向200mm、TD方向150mmのサンプルを3枚採取し、目視にて外観をチェックし、これらの平均を下記の要領で優、良、可、不可と判断した。ゲルとは樹脂の未溶融物もしくは劣化物が集中して発生している箇所、ブツはゲル以外の目視で確認可能な異物のことを現す。
優:ゲルなし、ブツが4個以下
良:ゲルなし、ブツが5個以上9個以下
可:ゲルなし、ブツが10個以上14個以下
不可:ゲルあり、もしくはブツが15個以上
得られた各積層シートのシート物性結果を表6〜10にまとめて示した。








実施例22より層2に層1のPETを10質量%混合しても積層シートの物性にはほとんど影響しないことがわかった。これより、積層シート製造時の両端をスリットした際に発生するスリットくずを、再ペレット化等の方法でバージンのポリスチレン系樹脂に一定量混ぜ、生産効率を向上させることが可能であることがわかった。
本発明の積層シートは、各層の層間接着強度が良好であり、これを用いた成形品およびフィルムは、包装容器や包装フィルムに用いることができる。

Claims (4)

  1. 以下のポリスチレン系樹脂(1)〜(3)の混合質量比が{(1)+(3)}/(2)=18/82〜54/46からなり、{(1)+(3)}の混合質量比が(1)/(3)=14/86〜69/31からなるポリスチレン系樹脂で構成された層の少なくとも片側に以下のポリエステル系樹脂で構成された層を直接積層させた積層シート。
    ポリスチレン系樹脂(1)
    以下の(a)〜(c)で規定されたポリスチレン系樹脂。
    (a)ビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が50/50〜40/60。
    (b)テーパードブロック部を有し、テーパードブロック部に含まれるビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が3/97〜19/81、テーパードブロック部の両端がビニル芳香族炭化水素単位からなるブロック部を有する。
    (c)数平均分子量Mnが8万〜12万
    ポリスチレン系樹脂(2)
    以下の(d)、(e)で規定されたポリスチレン系樹脂。
    (d)ビニル芳香族炭化水素単位/共役ジエン単位の質量比が80/20〜65/35。
    (e)共役ジエンのみで構成されたブロック共重合部の質量分率がポリスチレン系樹脂(2)全体の15質量%〜30質量%。
    ポリスチレン系樹脂(3)
    ビニル芳香族炭化水素、共役ジエンおよび(メタ)アクリル酸エステルからなるポリスチレン系樹脂である。
    ポリエステル系樹脂
    多価アルコール成分がエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールからなるポリエステル系樹脂。
  2. 各層の層間接着強度が2.0N/15mm以上である請求項1記載の積層シート。
  3. 請求項1又は請求項2記載の積層シートを用いた成形品。
  4. 請求項1又は請求項2記載の積層シートを用いたフィルム。
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