JP2012035503A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接するキャップ111Bの開口縁部111aの鉛直方向下方位置に配置され、受け取ったインクを排出する排出口を有するインク受け部材160と、そのインク受け部材の排出口から排出されるインクを廃液タンク151まで搬送するための排出管114Bとを有する。
【選択図】図6
Description
この画像形成装置は、シリアル型の画像形成装置であり、記録ヘッド1007の主走査方向における画像形成領域外に、キャップ部材1011を備えたメンテナンスユニットが配置されている。インク吸引処理の際、図29(a)に示すように記録ヘッド1007をメンテナンスユニットまで移動させたら、図29(b)に示すように、鉛直方向真下を向いている記録ヘッド1007の吐出面をその下方からキャップ部材1011で被覆するキャッピング動作を行う。これにより、吐出面を被覆したキャップ部材1011の内部は密閉状態となる。そして、キャップ部材1011に設けられた吸引口に接続された吸引ポンプ1050によりキャップ部材1011の内部を吸引すると、キャップ部材1011が記録ヘッド1007の吐出面に吸着してキャップ部材内部の密閉性が高まるとともにキャップ部材の内部が負圧となり、記録ヘッド内のインクが吐出面上の吐出口から吸い出すインク吸引処理が行われる。このとき、吸い出されたインクは吸引口から吸引ポンプ1050側へと排出されることになるが、その一部は図29(c)に示すようにキャップ部材1011の内部に留まることになる。その後、吸引ポンプ1050の動作を停止させると、記録ヘッド1007の吐出面に対するキャップ部材1011の吸着力が弱まり、キャップ部材1011を記録ヘッド1007から容易に離間させることができるようになる。図29(d)に示すようにキャップ部材1011を記録ヘッド1007から離間させるデキャップ動作を行い、キャップ部材1011の内部を大気に開放した状態にした後、再び吸引ポンプ1050を動作させる。これにより、図29(e)に示すように、キャップ部材1011の内部に溜まったインクが吸引口から吸引ポンプ1050側に排出される。本例の画像形成装置では、記録ヘッド1007の吐出面を鉛直方向真下に向けた状態でインク吸引処理を行うので、図29(d)に示すデキャップ時に、記録ヘッド1007の吐出面に対向するキャップ部材1011の開口面は鉛直方向真上を向いた状態となる。そのため、デキャップ時に、キャップ部材1011の内部に溜まったインクがキャップ部材外部にこぼれる心配はほとんどない。
水平吐出型の画像形成装置においては、通常、インク吸引処理の際、図30(a)に示すように、鉛直方向真横を向いている記録ヘッド1107の吐出面を水平方向からキャップ部材1111で被覆するキャッピング動作を行う。そして、図示しない吸引ポンプによって吸引動作を行うと、キャップ部材1111が記録ヘッド1107の吐出面に吸着してキャップ部材内部の密閉状態が高まり、キャップ部材の内部が負圧となって、記録ヘッド内のインクが吐出面上の吐出口から吸い出される。このとき、キャップ部材1111の内部は密閉状態であるため、キャップ部材1111と記録ヘッド1107の吐出面との当接箇所からインクが漏れ出ることはない。このような吸引動作により吸い出されたインクの一部は図30(b)に示すようにキャップ部材1111の内部に留まることになる。ここで、鉛直吐出型の画像形成装置の場合と同様に、吸引ポンプの動作を停止させてキャップ部材1111を記録ヘッド1107から離間させるデキャップ動作を行うと、キャップ部材1111の開口面が鉛直面に平行となっているため、そのキャップ部材内のインクが開口面からこぼれ出てしまう。
具体的に説明すると、デキャップ前にキャップ部材内のインクを除去する場合、キャップ部材内部を密閉状態にしたままでは、記録ヘッド1107の吐出口を通じてインクがキャップ部材1111内へ流れ込んでしまい、キャップ部材内のインクを除去することはできない。したがって、デキャップ前にキャップ部材1111の内部を大気に連通させ、キャップ部材内を大気開放状態にしてから、吸引動作を行うことが必要である。特許文献1に開示の画像形成装置においては、吐出面に吸着するキャップ部材の吸着部分を軟質材料で形成し、その吸着部分の一部に切欠き溝(連通孔)を設けている。そして、インク吸引処理時には、キャップ部材を記録ヘッドの吐出面に押し付けて吸着部分を圧縮変形させ、その吸着部分に形成された切欠き溝を塞ぐことにより、キャップ部材内部の密閉状態を確保する。一方、インク吸引処理の終了後、キャップ部材を吐出面から若干後退させることで、キャップ部材の吸着部分の圧縮変形を一部復元させ、その吸着部分に形成された切欠き溝を開通させて、キャップ部材内を大気開放状態にする。この状態で再び吸引ポンプにより吸引動作を行うことで、キャップ部材の内部に溜まったインクを排出できる。よって、その後にデキャップ動作を行うことにより、キャップ部材内部のインクをこぼすことなく、デキャップすることが可能である。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記移動手段は、上記キャップ部材を移動させることで該キャップ部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、上記インク受け部材は、上記キャップ部材に保持されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記インク受け部材の排出口は、上記キャップ部材の開口縁部の鉛直方向真下に位置することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受け部材は、上記被覆状態と上記非被覆状態とが切り換わるときに上記記録ヘッドの吐出面上の吐出口が位置する箇所の鉛直方向真下に上記排出口が位置するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受け部材は、上記排出口に向かって下方へ傾斜する斜面を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受け部材に設けられた排出口から該インク受け部材が受け取ったインクを吸引して上記排出インク通路を介して上記排出インク収容器へ送り込むインク受け用吸引手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記キャップ部材に設けられた吸引口からインク吸引通路を介して該キャップ部材の内部を吸引するキャップ用吸引手段を有し、上記インク受け用吸引手段と上記キャップ用吸引手段とが独立して設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記キャップ部材に設けられた吸引口からインク吸引通路を介して該キャップ部材の内部を吸引するキャップ用吸引手段を有し、上記インク受け用吸引手段及び上記キャップ用吸引手段として共通の吸引手段を用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記排出インク通路を遮蔽する排出インク通路遮蔽手段と、該排出インク通路遮蔽手段を制御して該排出インク通路を遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定の排出インク通路切換タイミングで切り換える制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記排出インク通路遮蔽手段によって遮蔽される排出インク通路は、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、該外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、上記排出インク通路遮蔽手段は、上記チューブ部材に対して上記外圧を加える外圧印加部材で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の画像形成装置において、上記インク吸引通路を遮蔽するインク吸引通路遮蔽手段を有し、上記制御手段は、該インク吸引通路遮蔽手段を制御して該インク吸引通路を遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定のインク吸引通路切換タイミングで切り換えることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記インク吸引通路遮蔽手段によって遮蔽されるインク吸引通路は、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、該外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、上記インク吸引通路遮蔽手段は、上記チューブ部材に対して上記外圧を加える外圧印加部材で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11又は12の画像形成装置において、上記制御手段は、所定の遮蔽期間中、上記排出インク通路遮蔽手段と上記インク吸引通路遮蔽手段とを同時に遮蔽状態にすることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記制御手段は、所定の開通期間中、上記排出インク通路遮蔽手段と上記インク吸引通路遮蔽手段とを同時に開通状態にすることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記排出インク通路遮蔽手段及び上記インク吸引通路遮蔽手段は、同一の遮蔽部材を所定位置へ移動させることで、それぞれの遮蔽状態と開通状態とが切り換わるものであり、上記制御手段は、該同一の遮蔽部材の移動を制御することによりそれぞれの遮蔽状態と開通状態とを切り換えることを特徴とするものである。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について、画像形成装置としてのインクジェット記録装置であるシリアル型プリンタを例にとって、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態1に係るインクジェットプリンタの要部を示す概略構成図である。
図2は、本インクジェットプリンタの記録ヘッド周囲の構成を、記録ヘッドの吐出方向(水平方向)から見たときの概略構成図である。
このインクジェットプリンタにおいて、プリンタ側部に位置する2つの本体側板60間に横架したガイドロッド61に対してガイドブッシュ(軸受け)3aを介してキャリッジ3が摺動自在に保持されている。キャリッジ3は、主走査モータ4に接続された駆動プーリ6Aと従動プーリ6Bとの間に架け渡されたタイミングベルト5の移動に伴ってガイドロッド61に沿った方向(主走査方向)に移動する。
また、キャリッジ3には、光を透過する透過部と透過しない非透過部とが交互に直線状に配列されたリニアエンコーダシート42が設けられており、このリニアエンコーダシート42の透過部と非透過部を検出する透過型フォトセンサからなる図示しないエンコーダセンサが設けられている。このエンコーダセンサの検知結果に基づいて、キャリッジ3の主走査方向位置を把握することができる。
図3は、メンテナンスユニット100を示す斜視図である。
図4は、メンテナンスユニット100を、キャッピング部110、空吐出部120及び駆動部130と、ワイピング部140とに分離させた状態を示す斜視図である。
メンテナンスユニット100は、記録ヘッド7A,7Bの吐出性能の回復、維持や、非稼働中に記録ヘッドのノズルの保湿を行うためのものである。メンテナンスユニット100は、記録ヘッド7A,7Bをキャッピングするキャッピング部110と、メンテナンスのために記録ヘッド7A,7Bから吐出させるイングを受ける空吐出部120と、キャッピング部110及び空吐出部120並びに後述の吸引ポンプに対して駆動力を伝達する駆動部130と、記録ヘッド7A,7Bのノズル面をワイピングするワイピング部140とを有する。メンテナンスユニット100は、図2中右側の本体側板60に位置決めされた状態でネジ固定されている。図3及び図4においては、キャリッジ3上の記録ヘッド7A,7Bが紙面前方からメンテナンスユニット100に対向するように位置することになる。
キャッピング部110は、2つのキャップ111A,111Bを有し、非稼働中に、2つの記録ヘッド7A,7Bのノズル面をそれぞれキャップ111A,111Bで被覆してノズルの保湿を行う。また、キャッピング部110は、キャップ111Bで被覆した状態の記録ヘッドのノズルから記録ヘッド内のインクを吸い出すノズル吸引処理を行ってインク詰まり等を解消し、記録ヘッド7A,7Bの吐出性能の回復、維持する処理も行う。実施形態1キャップ111A,111Bは、ラック113に対して水平方向(図中前後方向)へスライド移動可能に取り付けられており、そのスライド移動範囲はラック113に設けられたガイド溝113aによって制限されている。キャップ111A,111Bは、上下2つの圧縮バネ118によってラック113から図中前方へ付勢されている。
ノズル吸引処理を行うためのキャップ111Bは、その内部底面に吸引口が設けられており、その吸引口に吸引管114Aの一端が接続されている。この吸引管114Aの他端には、キャップ用吸引手段としての吸引ポンプ150が接続されている。図6(a)に示すように、ラック113に搭載されたキャップ111Bとの対向位置にいずれかの記録ヘッド7A,7Bが位置するとき、駆動部130からの駆動力を受けてキャップ移動用カム135を回転させると、図6(b)に示すように、ラック113が記録ヘッド7A,7Bに向けて移動し、最終的にはキャップ111Bの縁部111aが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆状態にする。その後、吸引ポンプ150を駆動して吸引動作を実行することにより、キャップ111Bと記録ヘッド7A,7Bのノズル面との吸着力が高まってキャップ内部の密閉性が高まるとともにキャップ内部が負圧となり、記録ヘッド内のインクがノズルから吸い出される。吸い出されたインクは、吸引ポンプ150の吸引力によってキャップ111Bの吸引口から吸引管114Aを通って排出インク収容器としての廃液タンク151に送られる。
スライダー161を記録ヘッド7A,7B側に向けて前進させた場合、チューブ圧潰部161aは図8(a)に示す位置に位置決めされる。このとき、チューブ圧潰部161aの当接部165が図中左側へ移動し、排出管114Bの側面を押圧する。排出管114Bは、少なくともチューブ圧潰部161aの当接部165が当接する箇所が、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、その外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されている。よって、チューブ圧潰部161aの当接部165により押圧されることで、図8(a)に示すように排出管114Bは潰されて遮蔽状態になる。このとき、吸引管114Aは、チューブ圧潰部161aによって押圧されないため、開通状態となる。
一方、ロックレバー162によってスライダー161に固定されたラック113が前進位置にある時、図6(b)に示すように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接したキャップ111Bは、キャップ用圧縮バネ118の付勢力に抗してラック113内側へ押し込まれた後退位置に位置することになる。これにより、ラック113が前進位置にある時には、図6(b)に示すように、キャップ111Bの開口はノズル面に密着し、キャップ内は密閉状態になるので、ノズル吸引処理が可能な状態になる。
駆動部130は、キャッピング部110及び空吐出部120での処理に必要な駆動力を、これらに伝達するためのものである。駆動部130は、キャッピング部110のフレーム部112(図9では説明のため図示を省略してある。)に取り付けられている。駆動部130は、駆動源であるステッピングモータ131と、ステッピングモータ131で発生した駆動力を伝達するためのギヤ列132と、ギヤ列132によって伝達された駆動力によって回転駆動する駆動シャフト133とを備えている。ステッピングモータ131は、正逆回転駆動可能な構成であり、図示しない制御部によりその回転方向、回転位置、回転角速度が制御される。駆動シャフト133の一端側は、キャッピング部110のフレーム部112の内部へ挿通されている。
ワイピング部140は、ワイパー部材141により記録ヘッド7A,7Bのノズル面を摺擦(ワイピング)して、ノズル面に付着した不要なインクを除去するワイピング処理を行い、これにより記録ヘッド7A,7Bの吐出性能の回復、維持する。従来の一般的なワイピング処理は、キャリッジ3を主走査方向へ移動させることにより静止状態のワイパー部材に記録ヘッドのノズル面を摺擦させてワイピングするものが多い。しかしながら、本実施形態1では、ワイピング部140に対向する位置に記録ヘッド7A,7Bを静止させた状態でワイパー部材141を移動させることにより、ワイパー部材で記録ヘッドのノズル面を摺擦してワイピングする。本実施形態1においては、各記録ヘッド7A,7Bのノズル面には、主走査方向に対して直交する方向(鉛直方向)に延びる2列のノズル列が形成されている。2列のノズル列は互いに異なる色のインクを吐出するものであるため、一方のノズル列のインクが他方のノズル列に付着すると、混色が生じて適切な色を再現できないなどの不具合を引き起こす。従来の一般的なワイピング処理の方法では、記録ヘッド7A,7Bを主走査方向へ移動させることで静止状態のワイパー部材でワイピングするため、一方のノズル列をワイピングして除去したインクが付着したワイパー部材で他方のノズル列をワイピングすることになる。よって、混色による不具合が生じるおそれが高い。そのため、本実施形態1では、ワイピング部140に対向する位置に記録ヘッド7A,7Bを静止させた状態で、ワイパー部材141を2つのノズル列の延び方向(鉛直方向)に沿って移動させることにより、ワイパー部材で記録ヘッドのノズル面をワイピングするようにしている。これにより、一方のノズル列をワイピングしたワイパー部材の箇所で他方のノズル列をワイピングする事態を回避でき、混色の不具合が発生しにくくなる。
図14(a)〜(e)は、メンテナンスユニット100における吸引用のキャップ111B及びスライダー161を水平方向から見たときの構成及び動作を説明するための模式図である。なお、図14では、2つのキャップ用圧縮バネ118が1つのバネとして図示されている。
図15(a)〜(c)は、ラック113とスライダー161とを固定するロックレバー162の構成及び動作を示す説明図である。
また、本実施形態1では、図14(c)〜(e)や図15(b)及び(c)に示すように、インク受け部材160は、デキャップ状態でも記録ヘッド7A,7Bのノズル面下方の領域まで延出するように構成されている。インク吸引処理後のデキャップ直後には、記録ヘッド7A,7Bのノズル面上にもインクが付着しており、これがノズル面を伝って下方へ移動し、ノズル面下端から落下するおそれがある。本実施形態1によれば、このようにノズル面下端から落下するインクもインク受け部材160によって回収することができるので、そのようなインクによる機内汚染も防止できる。
次に、上記実施形態1におけるインク受け部材160の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図16(a)乃至(c)は、本変形例1におけるインク受け部材260の構成を示す説明図である。
本変形例1において、インク受け部材260も、上記実施形態1と同様、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接するキャップ111Bの開口縁部111aの鉛直方向下方位置にインク受け部材160が配置されていて、キャップ111Bの下部に一体的に取り付けられている。ただし、本変形例1におけるインク受け部材260の内部底面には、受け取ったインクを排出する2つの排出口260a,260bが設けられている。各排出口260a,260bは、図16(b)及び(c)に示すように、被覆状態のときに記録ヘッド7A,7Bのノズル面上の各ノズル列が位置する箇所の鉛直方向真下に上記排出口が位置するように構成されている。
しかも、本変形例1では、上記実施形態1と同様、図16(c)に示すように、被覆状態のときにキャップ111Bの開口縁部111aの鉛直方向下方位置に各排出口260a,260bが位置する。デキャップ時にキャップ111B内から流出するインクは、通常、そのキャップ111Bの開口縁部111aの下端から滴り落ちる。よって、本変形例1によれば、上記実施形態1と同様、デキャップ時にキャップ111B内から流出するインクを排出口260a,260bの近傍で直接的に受け取ることができる。よって、インク受け部材260で受け取るインクを効率よく排出口260a,260bから排出することができる。
この例では、各排出口260a,260bが、各ノズル列の真下位置から外れた位置に配置されているため、デキャップ時に各ノズル列上を伝って落ちるインクを効率よく排出口260a,260bから排出する点では上記変形例1に劣る構成である。しかしながら、本例におけるインク受け部材260’の底面形状は断面山型形状であるため、底面形状が断面W型の形状である上記変形例1におけるインク受け部材260よりも加工が容易である点で有利である。
なお、本例でも、被覆状態のときにキャップ111Bの開口縁部111aの鉛直方向下方位置に各排出口260a,260bが位置するので、デキャップ時にキャップ111B内から流出するインクを効率よく排出口260a,260bから排出できる。
次に、上記実施形態1におけるメンテナンスユニット100の一変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図18は、本変形例2におけるメンテナンスユニット100の吸引手段を示す説明図である。
上記実施形態1においては、キャップ111Bに接続された吸引管114Aを吸引する吸引ポンプと、インク受け部材160に接続された排出管114Bを吸引する吸引ポンプとが、共通の吸引ポンプ150であったが、本変形例2では、これを別々の吸引ポンプ350A,350Bとした。このように、吸引管114A及び排出管114Bを互いに独立した吸引ポンプ350A,350Bでそれぞれ吸引する構成とすることで、吸引管114A及び排出管114Bの遮蔽状態及び開通状態を切り換えなくても、吸引管114A及び排出管114Bをそれぞれ任意のタイミングで吸引することができる。よって、本変形例2によれば、吸引管114A及び排出管114Bの遮蔽状態及び開通状態を切り換える構成を設ける必要がなくなる。また、吸引管114A及び排出管114Bをそれぞれ独立して吸引できるので、他方の管の状況に影響を受けることなく吸引動作を実行でき、吸引動作の自由度が高まる。
次に、上記実施形態1におけるキャップ111Bの一変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図19(a)〜(c)は、メンテナンスユニット100における吸引用のキャップ411Bを水平方向から見たときの構成及び動作を説明するための模式図である。
本変形例3においては、インク吸引処理後のデキャップ前に、キャップ内を大気開放してキャップ内に残留するインクを吸引口から除去してから、デキャップする。そのための構成として、本変形例3のキャップ411Bは、キャップ内外を連通させる連通孔である大気開放孔411bがキャップ411Bの背面に設けられている。ただし、ノズル吸引処理を行うためにはキャップ内部を密閉状態にする必要があるので、その大気開放孔411bを塞がなければならない。そのため、本変形例3では、大気開放孔411bを塞ぐ蓋部材としての大気開放弁416が設けられている。この大気開放弁416は、ラック413に対して水平方向(図19中左右方向)へスライド移動可能な状態で、ラック413の内壁における大気開放孔411bの対向位置に取り付けられている。そのスライド移動範囲はラック413に設けられた図示しないガイド溝によって制限されている。そして、この大気開放弁416は、圧縮バネ417によってラック413から図19中左側(大気開放孔411b側)へ付勢されている。
次に、本発明の他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について、画像形成装置としてのインクジェット記録装置であるシリアル型プリンタを例にとって、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施形態2のプリンタは、メンテナンスユニットの構成を除いて、上記実施形態1のものと同様であるため、以下の説明では、上記実施形態1との共通点の説明は省略する。
本実施形態2におけるキャッピング部510は、上記実施形態1と同様に、2つのキャップ511A,511Bを有し、そのうちの1つが吸引用のキャップ511Bとして使用される。ただし、本実施形態2のキャップ511Bは、その下部が記録ヘッド7A,7Bの下方まで迫り出したインク受け部材として機能するインク受部560を有し、その鉛直方向断面が図20に示すように略L字型に形成されている。このインク受部560が設けられていることで、上記実施形態1のインク受け部材と同様、インク吸引処理後のデキャップ時にキャップ511Bの内部に残ったインクが流れ出ても、また記録ヘッド7A,7Bのノズル面を伝ってインクが滴り落ちても、そのインクをインク受部560に収容し、機内汚染が防止される。
図22は、ラック513が、前進位置(被覆位置)、後退位置(非被覆位置=ワイピング動作開始位置)、ワイピング動作終了位置のそれぞれに位置するときのガイドレール534上における被ガイド部513aの位置I,II,IIIを示す説明図である。
長時間放置後に画像形成を行う場合などにおいては、ノズル抜けの可能性が高く、印字前にメンテナンス処理を実施する場合がある。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ531の回転位置(回転角)に基づき、ラック513が前進位置(被覆位置)に位置してキャップ511Bが被覆状態であることを確認する(S41)。このとき、ガイドレール534上の被ガイド部513aは、図22に示すキャッピング位置Iに位置する。ステッピングモータ531の回転位置(回転角)は、例えば、ステッピングモータ531のモータ軸に突起部を設けるとともに、その突起部が通過する回転軌道を通るように透過型の光学センサを配置し、その光学センサが突起部によって光路を遮られたことを検知したタイミングを見て把握することができる。
連続印字中にヘッドタンクの負圧が強くなりすぎてノズルからのインク吐出負荷が大きくなった場合などにおいては、連続印字中にメンテナンス処理を実施する場合がある。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ531の回転位置(回転角)に基づき、ラック513が後退位置(非被覆位置)に位置してキャップ511Bが非被覆状態であることを確認する(S51)。すなわち、ガイドレール534上の被ガイド部513aが、図22に示すデキャップ位置IIに位置していることを確認する。その後、制御部は、主走査モータ4を制御して、記録ヘッド7A,7Bをキャッピング部110のL字型キャップ511Bと対向する位置までキャリッジ3を主走査方向に移動させる(S52)。そして、制御部は、ステッピングモータ531を正転駆動して(S53)、ラック513を上昇させると、これによりガイドレール534上の被ガイド部513aは、図22に示すデキャップ位置IIからキャッピング位置Iへ移動する。これにより、ラック513が前進位置(被覆位置)に位置してキャップ511Bにより記録ヘッド7A,7Bが被覆状態となる。
印字後は、ゴミ等のノズルへの不純物侵入防止とインク固着によるノズル詰まり防止の保湿のため、キャッピングを実施し、マシンを停止状態にさせる。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ531の回転位置(回転角)に基づき、ラック513が後退位置(非被覆位置)に位置してキャップ511Bが非被覆状態であることを確認する(S61)。すなわち、ガイドレール534上の被ガイド部513aが、図22に示すデキャップ位置IIに位置していることを確認する。その後、制御部は、主走査モータ4を制御して、記録ヘッド7A,7Bのそれぞれがキャッピング部110の各キャップ511A,511Bそれぞれに対向する位置まで、キャリッジ3を主走査方向に移動させる(S62)。そして、制御部は、ステッピングモータ531を正転駆動して(S63)、ラック513を上昇させると、これによりガイドレール534上の被ガイド部513aは、図22に示すデキャップ位置IIからキャッピング位置Iへ移動する。これにより、ラック513が前進位置(被覆位置)に位置して2つのキャップ511A,511Bにより各記録ヘッド7A,7Bがそれぞれ被覆状態となる。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ511Bの一変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図25(a)及び(b)は、本変形例4におけるL字型キャップ611Bの概略構成を示す説明図である。
本変形例4におけるL字型キャップ611Bは、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に対向する開口及び記録ヘッド7A,7Bの下面に対向するインク受部660の開口の縁部611aがジャバラ形状となっている点で、上記実施形態2のものと異なっている。このジャバラ状縁部611aの材質としては、例えば軟質なシリコンゴムを用いることができる。本変形例4では、L字型キャップ611Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置すると、図25(b)に示すように、ジャバラ状縁部611aが圧縮された状態となり、L字型キャップ611Bの開口が記録ヘッド7A,7Bのノズル面によって高いシール性をもって閉塞される。一方、L字型キャップ611Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面から離間して非被覆位置に位置すると、図25(a)に示すように、圧縮されていたジャバラ状縁部611aが復元された状態となる。これにより、L字型キャップ611Bの本体内の容積及びインク受部660のインク収容室内の容積が、いずれも被覆状態のときよりも広くなる。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ511Bの他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図26は、本変形例5におけるL字型キャップ711Bの概略構成を示す説明図である。
本変形例5におけるL字型キャップ711Bは、その本体内の空間並びにインク受部760のインク収容室内に、インクを吸収、保持可能なL字型の吸収体719が設けられている点で、上記実施形態2のものと異なっている。この吸収体719は、図26に示すように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に対向する鉛直部が、L字型キャップ711Bの本体の開口縁部よりも外側(ノズル面側)に突出しないように構成されている。これにより、L字型キャップ711Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置しても、吸収体719の鉛直部はノズル面に非接触の状態となり、吸収体719がインク吸引処理の妨げになることはない。一方、インク受部760のインク収容室内に配置される吸収体719の水平部は、インク収容室よりも高い位置に位置するように構成されている。この水平部の吸収体部分は、柔らかくて弾性力の高い材質のものを用い、L字型キャップ711Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置したときに圧縮変形してL字型キャップ711Bの開口縁部によるシール性を妨げないようにする。なお、吸収体719は、全体が一体形成されたものであっても複数部材を組み合わせて構成されたものでもよい。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ511Bの更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
図27(a)は、本変形例6におけるL字型キャップ811Bの上面図であり、図27(b)は、このL字型キャップ811Bの側面図であり、図27(c)は、このL字型キャップ811Bを記録ヘッド7A,7Bとともに図示した斜視図である。
本変形例6におけるL字型キャップ811Bは、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接するワイパー部材の当接端部の幅W1がノズル面の幅W2よりも広く、かつ、インク受部のインク収容室の幅W3よりも狭くなるように、構成されている。このような構成を実現するため、本変形例6では、ワイパー部材840が、L字型キャップ811Bへの取付端部の幅よりもノズル面に当接する当接端部の幅W1の方が広くなるような台形状に形成されたものを用いている。なお、台形状に限らず、段付き長方形状などの他の形状であってもよい。また、本変形例6では、L字型キャップ811Bの本体内部とインク受部860内のインク収容室とが連通した構成であるため、被覆状態のときにそのインク収容室の開口が記録ヘッド7A,7Bの下面で塞がれるように構成する必要がある。そのため、本変形例6においては、図27(c)に示すように、記録ヘッド7A,7Bの下面形状がインク収容室の開口を塞ぐことができるようになっている。
しかも、本変形例6によれば、ワイパー部材840の当接端部の幅W1はノズル面の幅W2よりも広く形成されているため、ノズル面全域をワイパー部材840によってワイピングすることができる。なお、本変形例6では、ワイパー部材840の当接端部の幅W1はノズル面の幅W2よりも広く形成しているが、ワイパー部材840の当接端部の幅W1は各記録ヘッドのノズル面に形成された2つのノズル列をワイピングできる幅であれば、ノズル面の幅W2よりも狭く形成してもよい。この場合、記録ヘッド7A,7Bの下面形状は、一般的な長方形状のものを使用することが可能である。
次に、上記実施形態2におけるラック913の移動経路の一変形例(以下、本変形例を「変形例7」という。)について説明する。
図28(a)及び(b)は、本変形例7におけるキャッピング部910の動作を模式的に表した説明図である。
本変形例7においては、上記実施形態2と同様、ステッピングモータ531の回転により上下動するラック913の移動経路はガイドレール934によって規制されている。本変形例7のガイドレール934の下端は、図示のように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接しているワイパー部材940をノズル面から離れる方向へ変位させるように曲げられている。これにより、ワイパー部材940は、ワイピング動作開始位置より下方へ移動し、ノズル面に撓んだ状態で当接しながらノズル面に沿って移動し、そのノズル面の下端近傍でノズル面から離れる方向へ変位し、ノズル面下端の下方まで抜ける。このようにノズル面の下端近傍でノズル面から離れる方向へワイパー部材940が変位することで、ワイパー部材940がノズル面下端を抜ける際のワイパー部材940の撓み量が小さくなる。その結果、ワイパー部材940がノズル面下端を抜ける際にその撓みが復元することでインクが飛散する不具合の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態1及び2(各変形例を含む。)においては、駆動部130が、キャップ111B,411Bを移動させることでキャップ111B,411Bと記録ヘッド7A,7Bとを相対移動させるものであり、インク受け部材160,260,460が、キャップ111B,411Bに保持されているので、デキャップ後に駆動部130によってキャップ111B,411Bが移動しても、その移動中あるいは移動後にキャップ111B,411Bから垂れ落ちるインクもインク受け部材160,260,460で受け取ることができる。
また、上記実施形態1(各変形例を含む。)においては、インク受け部材160,260の排出口160a,260a,260bが、キャップ111Bの開口縁部111aの鉛直方向真下に位置しているので、キャップ111B内から流出するインクを排出口160a,260a,260bの近傍で直接的に受け取ることができ、インク受け部材160,260で受け取るインクを効率よく排出口160a,260a,260bから排出することができる。
また、上記変形例1においては、インク受け部材260が、被覆状態と非被覆状態とが切り換わるときに記録ヘッド7A,7Bのノズル面上の吐出口が位置する箇所の鉛直方向真下に排出口260a,260bが位置するように構成されているので、記録ヘッド7A,7Bのノズル面を伝って落ちるインクの大部分を排出口260a,260bに直接的に入り込ませることができ、インク受け部材260で受け取るインクを効率よく排出口260a,260bから排出することができる。
また、上記実施形態1(各変形例を含む。)においては、インク受け部材160,260が、排出口160a,260a,260bに向かって下方へ傾斜する斜面を有しているので、インク受け部材260で受け取るインクを効率よく排出口260a,260bから排出することができる。
また、上記実施形態1及び2(各変形例を含む。)においては、インク受け部材160,260,460に設けられた排出口160a,260a,260bからインク受け部材が受け取ったインクを吸引して排出管114Bを介して廃液タンク151へ送り込むインク受け用吸引手段としての吸引ポンプ150,350A,350Bを有している。これにより、インクを自重によって廃液タンク151まで搬送する場合に比べて、迅速にインクを廃液タンク151まで搬送することができる。
上記変形例2においては、キャップ111Bに設けられた吸引口からインク吸引通路としての吸引管114Aを介してキャップ111Bの内部を吸引するキャップ用吸引手段としての吸引ポンプ350Aとインク受け用吸引手段としての吸引ポンプ350Bとが独立して設けられているので、吸引管114A及び排出管114Bの遮蔽状態及び開通状態を切り換えなくても、吸引管114A及び排出管114Bをそれぞれ任意のタイミングで吸引することができる。よって、吸引管114A及び排出管114Bの遮蔽状態及び開通状態を切り換える構成を設ける必要がなくなる。また、吸引管114A及び排出管114Bをそれぞれ独立して吸引できるので、他方の管の状況に影響を受けることなく吸引動作を実行でき、吸引動作の自由度が高まる。
一方、上記実施形態1及び2(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、キャップ111B,411Bに設けられた吸引口から吸引管114Aを介してキャップ111B,411Bの内部を吸引するキャップ用吸引手段とインク受け用吸引手段として、共通の吸引手段である吸引ポンプ150を用いるので、部品点数を削減して低コスト化、省スペース化を図ることができる。
また、上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、排出管114Bを遮蔽する排出インク通路遮蔽手段としてのチューブ圧潰部161aと、チューブ圧潰部161aを制御して排出管114Bを遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定の排出インク通路切換タイミングで切り換える制御手段としての制御部とを有しているので、キャップ用吸引手段及びインク受け用吸引手段として共通の吸引手段である吸引ポンプ150を用いる場合でも、インク受け部材側を吸引しない状態で、キャップ111B側だけを吸引することが可能となる。
また、上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、チューブ圧潰部161aによって遮蔽される排出管114Bは、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、その外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、チューブ圧潰部161aは、そのチューブ部材に対して外圧を加える外圧印加部材で構成されているので、簡易な機構で排出管114Bの遮蔽状態及び開通状態を切り換えることができる。
また、上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、吸引管114Aを遮蔽するインク吸引通路遮蔽手段としてのチューブ圧潰部161aを有し、制御部は、チューブ圧潰部161aを制御して吸引管114Aを遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定のインク吸引通路切換タイミングで切り換えるので、キャップ用吸引手段及びインク受け用吸引手段として共通の吸引手段である吸引ポンプ150を用いる場合でも、キャップ111B側を吸引しない状態で、インク受け部材側だけを吸引することが可能となる。
また、上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、チューブ圧潰部161aによって遮蔽される吸引管114Aは、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、その外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、チューブ圧潰部161aは、そのチューブ部材に対して外圧を加える外圧印加部材で構成されているので、簡易な機構で吸引管114Aの遮蔽状態及び開通状態を切り換えることができる。
また、上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、制御部が、所定の遮蔽期間中、排出管114Bと吸引管114Aとを同時に遮蔽状態にするように制御することで、吸引管114A及び排出管114Bの内部が大気に触れて残インクが乾燥し、吸引管114A及び排出管114Bの内部でインクが固着するなどの不具合を回避することができる。
上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、制御部が、所定の開通期間中、排出管114Bと吸引管114Aとを同時に開通状態にするように制御することで、キャップ内のインクとインク受け部材上のインクの両方を同時に吸引することができ、これを別々の時期に吸引する場合に比べて、処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
上記実施形態1(上記変形例2を除いた各変形例を含む。)においては、排出管114B及び吸引管114Aの遮蔽手段は、同一の遮蔽部材であるチューブ圧潰部161aを所定位置へ移動させることでそれぞれの遮蔽状態と開通状態とが切り換わるものであり、制御部は、チューブ圧潰部161aの移動を制御することによりそれぞれの遮蔽状態と開通状態とを切り換える。これにより、簡易な機構で排出管114B及び吸引管114Aの遮蔽状態及び開通状態を切り換えることができる。
100 メンテナンスユニット
110,510,910 キャッピング部
111A,111B,411B キャップ
111a 開口縁部
113,413,513,913 ラック
114A,514 吸引管
114B 排出管
120 空吐出部
130,530 駆動部
131,531 ステッピングモータ
140 ワイピング部
141,540,840,940 ワイパー部材
150,350A,350B,1050 吸引ポンプ
151 廃液タンク
160,260,460 インク受け部材
161 スライダー
161a チューブ圧潰部
162 ロックレバー
163 ロック解除突起部
1011,1111 キャップ
260a,260b 排出口
411b 大気開放孔
416 大気開放弁
511B,611B,711B,811B L字型キャップ
534,934 ガイドレール
560,660,760,860 インク受部
719 吸収体
Claims (15)
- 水平面に対して平行でない吐出面上の吐出口から記録材に対してインク液滴を吐出する記録ヘッドと、
該記録ヘッドの吐出面を被覆するためのキャップ部材と、
該キャップ部材により該記録ヘッドの吐出面を被覆する被覆状態と被覆しない非被覆状態とが切り換わるように該キャップ部材と該記録ヘッドとを相対移動させる移動手段とを有する画像形成装置において、
上記記録ヘッドの吐出面に当接する上記キャップ部材の開口縁部の鉛直方向下方位置に配置され、受け取ったインクを排出する排出口を有するインク受け部材と、
該インク受け部材の排出口から排出されるインクを排出インク収容器まで搬送するための排出インク通路とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記移動手段は、上記キャップ部材を移動させることで該キャップ部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、
上記インク受け部材は、上記キャップ部材に保持されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記インク受け部材の排出口は、上記キャップ部材の開口縁部の鉛直方向真下に位置することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受け部材は、上記被覆状態と上記非被覆状態とが切り換わるときに上記記録ヘッドの吐出面上の吐出口が位置する箇所の鉛直方向真下に上記排出口が位置するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受け部材は、上記排出口に向かって下方へ傾斜する斜面を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受け部材に設けられた排出口から該インク受け部材が受け取ったインクを吸引して上記排出インク通路を介して上記排出インク収容器へ送り込むインク受け用吸引手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記キャップ部材に設けられた吸引口からインク吸引通路を介して該キャップ部材の内部を吸引するキャップ用吸引手段を有し、
上記インク受け用吸引手段と上記キャップ用吸引手段とが独立して設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
上記キャップ部材に設けられた吸引口からインク吸引通路を介して該キャップ部材の内部を吸引するキャップ用吸引手段を有し、
上記インク受け用吸引手段及び上記キャップ用吸引手段として共通の吸引手段を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8の画像形成装置において、
上記排出インク通路を遮蔽する排出インク通路遮蔽手段と、
該排出インク通路遮蔽手段を制御して該排出インク通路を遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定の排出インク通路切換タイミングで切り換える制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9の画像形成装置において、
上記排出インク通路遮蔽手段によって遮蔽される排出インク通路は、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、該外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、
上記排出インク通路遮蔽手段は、上記チューブ部材に対して上記外圧を加える外圧印加部材で構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9又は10の画像形成装置において、
上記インク吸引通路を遮蔽するインク吸引通路遮蔽手段を有し、
上記制御手段は、該インク吸引通路遮蔽手段を制御して該インク吸引通路を遮蔽する遮蔽状態と開通させる開通状態とを所定のインク吸引通路切換タイミングで切り換えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記インク吸引通路遮蔽手段によって遮蔽されるインク吸引通路は、外圧を加えて潰されることにより内部通路が遮蔽され、かつ、該外圧を解除することで復元して内部通路が開通する柔軟なチューブ部材で構成されており、
上記インク吸引通路遮蔽手段は、上記チューブ部材に対して上記外圧を加える外圧印加部材で構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11又は12の画像形成装置において、
上記制御手段は、所定の遮蔽期間中、上記排出インク通路遮蔽手段と上記インク吸引通路遮蔽手段とを同時に遮蔽状態にすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記制御手段は、所定の開通期間中、上記排出インク通路遮蔽手段と上記インク吸引通路遮蔽手段とを同時に開通状態にすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記排出インク通路遮蔽手段及び上記インク吸引通路遮蔽手段は、同一の遮蔽部材を所定位置へ移動させることで、それぞれの遮蔽状態と開通状態とが切り換わるものであり、
上記制御手段は、該同一の遮蔽部材の移動を制御することによりそれぞれの遮蔽状態と開通状態とを切り換えることを特徴とする画像形成装置。
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