JP2012035148A - 浮上油回収方法および浮上油回収装置 - Google Patents

浮上油回収方法および浮上油回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用中または使用済み水溶性加工液に混入している油を簡単に分離回収することのできる浮上油回収方法およびこの浮上油回収方法を安価に具現化できる浮上油回収装置を提供する。
【解決手段】貯液槽1内に貯留した水溶性加工液2に混入して表層に浮遊している浮上油7を分離回収する浮上油回収方法であって、貯液槽1の内部一端から水溶性加工液2を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽1内部で水溶性加工液2を循環させ、貯液槽1の内部一端における水溶性加工液2を吸い上げる箇所に、水溶性加工液2および浮上油7を通過させる多孔体で区画した油隔離室4を設け、油隔離室4内に、浮上油7を吸着して水溶性加工液2から分離回収するゲル化凝集剤11を浮遊させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械などで使用中または使用済みの水溶性加工液中に混入してこれの表層に浮遊している潤滑油などの浮上油を水溶性加工液から分離回収するための浮上油回収方法および浮上油回収装置に関するものである。
従来、種々の工作機械などで使用中または使用済みの水溶性加工液は、工作機械の内部または外部に設けられた貯液槽に一旦回収したのち、水溶性加工液に混入している潤滑油などの油をベルト式、バケット式、フロートサクション式などの油水分離装置により分離回収されている(例えば、特許文献1参照)。なお、ここでいう水溶性加工液とは、水溶性切削液、水溶性研削液、水溶性焼入液、水溶性洗浄液および水溶性研磨液などのように油剤原液を水で希釈して各種工作機械などに使用する加工液の総称である。上述のように水溶性加工液に混入している油を分離回収するのは、水溶性加工液を繰り返し使用する目的と、水溶性加工液内に潤滑油などの油が混入すると、微生物の増殖や切り屑の堆積を促進して水溶性加工液の劣化や腐敗が早められてしまうからである。一方、油水分離装置として、事故により海水や湖沼等に広がった油水中の油分を、これの流速を制御して浮上した油分を回収して浄化するもの(例えば、特許文献2,3参照)が知られているが、これらは海面や湖面などに流出した油を回収して水と油に分離するものであって、使用中または使用済みの水溶性加工液に混入している油を分離回収する用途には活用することができない。
特開2003−200331号公報 特開2003−126851号公報 特開平6−10334号公報
しかしながら、従来の使用済み水溶性加工液に混入している油を分離回収する油水分離装置は、何れも構造が複雑であるために、コスト高であるだけでなく、工作機械内部に設置するのが容易でないことから工作機械の外部に設置スペースを別途必要とする場合が多く、しかも、高度な操作技術を必要とするので、熟練した技術者しか操作できない。このため、従来から、工作機械のユーザが高度な技術を要することなしに誰でも簡単に操作して水溶性加工液から混入油分のみを効率的に分離回収できる浮上油回収装置の出現が待望されている。
本発明は、使用中または使用済み水溶性加工液に混入している油を簡単に分離回収することのできる浮上油回収方法およびこの浮上油回収方法を安価に具現化できる浮上油回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の浮上油回収方法は、貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収方法であって、前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させ、前記貯液槽の内部一端における前記水溶性加工液を吸い上げる箇所に、水溶性加工液および浮上油を通過させる多孔体で区画した油
隔離室を設け、前記油隔離室内に、前記浮上油を吸着して前記水溶性加工液から分離回収するゲル化凝集剤を浮遊させることを特徴としている。
請求項2に係る発明の浮上油回収方法は、貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収方法であって、前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させ、前記貯液槽の内部一端における前記水溶性加工液を吸い上げる箇所に、水溶性加工液および浮上油を通過させる多孔体で区画した油隔離室を設け、前記油隔離室内に浮遊する前記浮上油を液体として吸い上げて回収することを特徴としている。
請求項3に係る発明の浮上油回収方法は、請求項1または請求項2に係る発明において、前記貯液槽内を循環する水溶性加工液に処理剤を注入することより水溶性加工液に油水分離作用を起こせるようにしたことを特徴としている。
請求項4に係る発明の浮上油回収装置は、貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収装置であって、前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させる循環用ポンプと、前記水溶性加工液および前記浮上油を共に通過させる多孔体により形成されて、前記貯液槽の内部における前記循環用ポンプの吸込口を囲むように区画して油隔離室を構成する配置で設けられた油隔離部材と、前記油隔離室内に配置されて前記浮上油を吸着することにより前記水溶性加工液から分離回収するゲル化凝集剤とを備えたことを特徴としている。
請求項5に係る発明の浮上油回収装置は、貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収装置であって、前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させる循環用ポンプと、前記水溶性加工液および前記浮上油を共に通過させる多孔体により形成されて、前記貯液槽の内部における前記循環用ポンプの吸込口を囲むように区画して油隔離室を構成する配置で設けられた油隔離部材と、前記油隔離室内に浮遊している前記浮上油を液体として吸い上げて回収する油吸引用ポンプとを備えたことを特徴としている。
請求項6に係る発明の浮上油回収装置は、請求項4または請求項5に係る発明において、処理剤を貯留した処理剤貯留タンクと、この処理剤貯留タンク内の処理剤を吸い上げて前記貯液槽内の水溶性加工液中に注入する処理剤注入ポンプとを設けたことを特徴としている。
請求項1に係る浮上油回収方法によれば、貯液槽内部の水溶性加工液を貯液槽の他端側から一端側に向け流動させて油隔離室内に流入するように連続的に循環させると、水溶性加工液の流動により油隔離室内へ向けた吸引力が発生するので、この吸引力により浮上油が多孔体をスムーズに通過して油隔離室内に浮上集合されるので、この集合された浮上油は、水溶性加工液の流動により油隔離室内へ向けた吸引力が作用していることから、油隔離室内に集合した状態に保持される。この油隔離室内に集合された浮上油は、厚みを持った油層を形成することから、ゲル化凝集剤に極めて効率的に吸着されて、水溶性加工液から効果的に分離される。
また、この浮上油回収方法では、極めて簡素化された小型の構成として具現化できるので、水溶性加工液を使用する工作機械などに一般的に付設されている貯液槽や循環用ポンプをそのまま活用して構成することが可能であり、その場合には、油隔離室を構成するた
めの油隔離部材およびゲル化凝集剤を別途付加するだけで工作機械などに付設することができ、低コストで製作することができるとともに、容易な操作で水溶性加工液内の油分を効率的に分離除去することができる。
請求項2に係る浮上油回収方法によれば、請求項1に係る浮上油回収方法と同様に、簡単な構成で具現化しながらも水溶性加工液に混入している浮上油を極めて効率的に分離除去できる効果を得ることができ、それに加えて、液体で回収した油を、潤滑油として再利用できる他に、重油代替燃料としても再利用することができる利点がある。
請求項3に係る浮上油回収方法によれば、水溶性加工液に注入された処理剤は、貯液槽内を循環する水溶性加工液に混じりながら、共に流動する間に水溶性加工液と反応することにより、水溶性加工液を水分と油分とに分離する油水分離作用を起こさせる。これにより、水溶性加工液は処理剤により油水分離が促進されることにより、浮上油の油分のみが水相から効率的に分離されて表層に浮遊し、浮上油の層を短時間に形成することができる。
請求項4に係る浮上油回収装置によれば、請求項1に係る発明の浮上油回収方法を忠実に具現化することができる。
請求項5に係る浮上油回収装置によれば、請求項2に係る発明の浮上油回収方法を忠実に具現化することができる。
請求項6に係る浮上油回収装置によれば、請求項3に係る発明の浮上油回収方法を忠実に具現化することができる。
本発明の第1実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置の稼働停止状態の縦断面図である。 同上の浮上油回収装置の稼働状態の縦断面図である。 (a)〜(d)は同上の浮上油回収装置における浮上油を効率的に分離除去できる回収原理の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置の稼働停止状態の縦断面図である。 同上の浮上油回収装置の稼働状態の縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳述する。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置を示す縦断面図であり、図1は稼働停止時の状態で、図2は稼働中の状態をそれぞれ示す。これらの図において、貯液槽1は、工作機械などで使用中または使用済みの水溶性加工油剤などの水溶性加工液2を投入して溜めておくためのものである。この貯液槽1の一端側内部には、水溶性加工液2およびこれに混入している潤滑油などの油をも通過させる孔径を有する多孔体により有底円筒状に形成された油隔離部材3が、水溶性加工液2内に浸漬させて貯液槽1の底面に載置した状態に配置されている。この油隔離部材3の内部は、貯液槽1内の水溶性加工液2の表層に浮遊する浮上油7を集めて隔離状態に保つための油隔離室4になっている。油隔離部材3の形成素材である多孔体としては、油を通過させる孔径の多数の孔を連続的に有するもの、例えば、金網や不織布などを好適に用いる
ことができる。
前記油隔離部材3内部の油隔離室4には、汲み上げ管8が、これの下端の吸込口8aが貯液槽1の底面近傍に位置する配置で挿入されており、この汲み上げ管8の上端がクーラントポンプからなる循環用ポンプ9の吸入口に連結されている。循環用ポンプ9の吐出口に連結された送出管10の先端部は、貯液槽1の他端内部に挿入されている。したがって、循環用ポンプ9は、貯液槽1の一端内部から汲み上げた水溶性加工液2を貯液槽1の他端内部に送出して、水溶性加工液2を貯液槽1の内部で循環させる。油隔離部材3内部には、ゲル化凝集剤11が水溶性加工液2の液面に浮上油7と共に浮遊する状態に設けられている。このゲル化凝集剤11は、浮上油7の油分のみを吸着してゲル状もしくは半固形に凝固するものであって、水溶性加工液2は吸着しない。ゲル化凝集剤11としては、例えば、株式会社E.C.E製の商品名ユーゲルTKのように有機体だけで構成されたものを用いるのが好ましく、このゲル化凝集剤11は、水に比べて比重が小さいことからも好適に用いることができる。
この浮上油回収装置は、工作機械などで使用中または使用済みの水溶性加工液2が貯液槽1内に投入されたとき、図1に示すように、水溶性加工液2に混入している油分が水溶性加工液2の表層に浮遊して浮上油7として層を形成しており、この層状の浮上油7は、循環用ポンプ9が駆動停止時において、油隔離部材3の外方側だけでなく、内部の油隔離室4にもほぼ一様に広がっている。これは、油隔離部材3を形成する多孔体が、水溶性加工液2のみならず、浮上油7も通過できる孔径に設定されているからである。
つぎに、循環用ポンプ9を駆動することにより、貯液槽1内部の水溶性加工液2を貯液槽1の他端側から一端側に向け流動させて油隔離室4内に流入するように連続的に循環させると、図2に示すように、この水溶性加工液2の流動により油隔離室4内へ向けた吸引力が発生するので、この吸引力により浮上油7が油隔離部材3をスムーズに通過して油隔離室4内に浮上集合される。このように油隔離室4内に集合された浮上油7は、循環用ボンプ9の駆動による水溶性加工液2の流動により油隔離室4内へ向けた吸引力が作用していることと、油隔離部材3が、水溶性加工液2をスムーズに通過させる一方で浮上油7の通過に対し若干の抵抗体として作用する孔径であることとにより、油隔離室4内に集合した状態に保持される。この油隔離室4内に集合された浮上油7は、厚みを持った油層を形成することから、ゲル化凝集剤11に極めて効率的に吸着されて、水溶性加工液2から効果的に分離される。
したがって、循環用ポンプ9を数分ないし数時間の間連続駆動することにより、水溶性加工液2内に混入していた油分による浮上油7は、その殆ど全部がゲル化凝集剤11に吸着されて水溶性加工液2から分離される。このように混入していた油分が殆ど取り除かれた水溶性加工液2は、繰り返し使用することができ、その使用の際に微生物の増殖や切り屑の堆積を抑制することができるから、長期間にわたり安定に繰り返し使用が可能となる。
潤滑油などの油分を吸着したゲル化凝集剤11は、ゲル状または半固形体となっているので、油隔離部材3内から簡単に取り除くことができる。特に、この実施形態では、上述のように有機体だけで構成されたゲル化凝集剤11を用いているので、浮上油7を吸着したゲル化凝集剤11をそのまま固体燃料として再利用できる利点がある。
この実施形態の浮上油回収装置は、従来装置に比較して極めて簡素化された小型の構成となっているので、水溶性加工液2を使用する工作機械などに一般的に付設されている貯液槽1および循環用ポンプ9をそのまま活用することが可能である。その場合には、油隔離部材3およびゲル化凝集剤11を別途付加するだけで工作機械などに付設することがで
き、低コストで製作することができるとともに、容易な操作で水溶性加工液2内の油分を効率的に分離除去することができる。また、水溶性加工液2を繰り返し連続的に利用する場合には、使用済みの水溶性加工液2を、工作機械などの外部に設置した貯液槽1に一括して回収して溜めておくことが好ましい。
なお、前記実施形態では、油隔離部材3として、多孔体による有底円筒状のものを例示したが、油隔離部材3は、内部に油隔離室4を形成できればよいので、底を有しない円筒状または角筒状などとしてもよい。さらに、貯液槽1の内部に油隔離室4を設ければ足りるから、例えば、平板状の金網からなる油隔離部材を貯液槽1の内壁に固定することにより、貯液槽1の一部を油隔離室4として区画する構成としてもよい。また、汲み上げ管8は、水溶性加工液2を効果的に循環させるために、前記実施形態で示したように吸込口8aを貯液槽1の底面付近に配置するのが好ましいが、油隔離部材3の下端位置は、水溶性加工液2と浮上油7との界面よりも下方に位置させればよく、必ずしも実施形態で例示したように貯液槽1の底面付近に位置させる必要はない。
前記実施形態の浮上油回収装置は、簡単な構成としながらも水溶性加工液2に混入している浮上油7を極めて効率的に分離除去できるものであり、この浮上油7を効率的に分離除去できる回収原理について、図3を参照しながら更に詳述する。図3において、図1および図2と同一のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。同図において、油隔離部材3を通過して油隔離室4内に流入する水溶性加工液2の流量をQ1、汲み上げ管8および送出管10内の水溶性加工液2の流量をQ2、油隔離室4の内部に向けた圧力をP1、油隔離室4の外部に向けた圧力をP2、油隔離部材3を形成する多孔体による圧損をΔPとすると、P1=P2+ΔP(P1>P2)で、Q1=Q2−ΔQ(Q1<Q2)の関係が成立する。これらの関係は、表面に浮上油7が浮遊する水溶性加工液2の液面の変化にかかわらず常に不変であり、ΔQが変化するだけである。
図3(a)に示すように、水溶性加工液2の表層に一様な厚みの浮上油7が形成されている場合には、(Q1<Q2)の関係、つまり汲み上げ管8および送出管10内の水溶性加工液2の流量Q2が油隔離室4内に流入する水溶性加工液2の流量をQ1よりも多いことから、図3(b)に示すように、油隔離室4内の液面が下がる。このように油隔離室4内の液面が下がったために、図3(c)に示すように、油隔離室4内に多量の浮上油7が流入し、図3(d)に示すように、油隔離室4の内部の液面が外部の液面に等しくなった時点で油隔離室4内への浮上油7の流入が止まるが、(P1>P2)の関係によって油隔離室4内の浮上油7が油隔離室4の外部に流出することがないので、油隔離室4の内部に多くの量の浮上油7が集合されてその状態に保持される。これにより、多量の浮上油7がゲル化凝集剤11に効率的に吸着される。そののち、図3(b)、同図(c)および同図(d)の状態を繰り返す。
図4および図5は、本発明の第2実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置を示す縦断面図であり、図4は稼働停止時の状態で、図5は稼働中の状態をそれぞれ示す。これらの図において、図1および図2と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施形態の浮上油回収装置が第1実施形態と相違するのは、ゲル化凝集剤11を除外して、油隔離室4内の浮上油7を吸引する油吸引用ポンプ12と、この油吸引用ポンプ12が吸引した油を回収する油回収容器13とを設けた構成である。
この実施形態の浮上油回収装置においても、第1実施形態と同様に、簡単な構成としながらも水溶性加工液2に混入している浮上油7を極めて効率的に分離除去でき、第1実施形態と相違するのは、油隔離室4内に浮上集合している浮上油7を液体の状態で油吸引用ポンプ12によって分離回収する点のみである。このように油回収容器13に液体で回収
された回収油14は、潤滑油として再利用できる他に、重油代替燃料としても再利用することができる。
図6は本発明の第3実施形態に係る浮上油回収方法を具現化した浮上油回収装置を示す縦断面図であり、水溶性加工液のリサイクル装置として構成したものである。同図において、第1実施形態を示す図1および図2と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施形態の浮上油回収装置が第1実施形態と相違するのは、界面活性剤のような処理剤を貯留した処理剤貯留タンク17と、この処理剤貯留タンク17から汲み上げ管19を介して汲み上げた処理剤を注入管20を介して貯液槽1内部の水溶性加工液2中に注入する処理剤注入ポンプ18を新たに付設した構成のみである。
第3実施形態の浮上油回収装置では、循環用ポンプ9を作動させて貯液槽1内の水溶性加工液2を循環させながら、処理剤注入ポンプ18を作動させて処理剤を水溶性加工液2に徐々に添加していく。水溶性加工液2に添加された処理剤は、貯液槽1内を循環する水溶性加工液2に混じりながら、共に流動する間に水溶性加工液2と反応することにより、水溶性加工液2を水分と油分とに分離する油水分離作用を起こさせる。これにより、水溶性加工液2は処理剤により油水分離が促進されることにより、浮上油7の油分のみが水相から効率的に分離されて表層に浮遊し、浮上油7の層を短時間に形成することになる。この表層に浮上する浮上油7の層は、貯液槽1内を常に循環している水溶性加工液2の流れによって油隔離室4内に集合されて、油隔離室4の内部で厚みを持った油層を形成する。
この油層はゲル化凝集剤11に効果的に吸着されるので、貯液槽1内には、水溶性加工液2からこれに混入していた油分のほぼ全部が取り除かれた水溶液のみが残存することになる。したがって、貯液槽1内に残存する水溶液は、通常の排水処理を施すことにより、冷却水などの工業用水として再利用することも可能となる。なお、処理剤貯留タンク17、汲み上げ管19、処理剤注入ポンプ18および注入管20からなる構成を第2実施形態に付設して、油隔離室4に形成された油層を油吸引用ポンプ12で吸引して除外するようにしてもよく、この場合においても、貯液槽1内には、水溶性加工液2から油分のほぼ全部が取り除かれた水溶液のみが残存することになる。
この第3実施形態において、循環用ポンプ9により貯液槽1内から汲み上げられた水溶性加工液2における油の除去処理状況を検出する検出センサを設けて、この検出センサが検出した除去処理状況に応じて処理剤注入ポンプ18の作動を制御するのが好ましい。すなわち、処理剤を、貯液槽1内を循環する水溶性加工液2の油分の除去状況に応じた必要量を所要のタイミングで注入することにより、水溶性加工液2に対し油水分離作用を効果的に起こさせることができる。
なお、本発明は、以上の実施形態で示した内容に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の浮上油回収方法および浮上油回収装置は、工作機械などで使用したのちの水溶性加工液に混入している潤滑油などの油分を除去して、水溶性加工液を繰り返し利用できるようにする用途に好適に適用することができる。
1 貯液槽
2 水溶性加工液
3 油隔離部材
4 油隔離室
7 浮上油
8a 吸込口
9 循環用ポンプ
11 ゲル化凝集剤
12 油吸引用ポンプ
18 処理剤注入ポンプ

Claims (6)

  1. 貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収方法であって、
    前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させ、
    前記貯液槽の内部一端における前記水溶性加工液を吸い上げる箇所に、水溶性加工液および浮上油を通過させる多孔体で区画した油隔離室を設け、
    前記油隔離室内に、前記浮上油を吸着して前記水溶性加工液から分離回収するゲル化凝集剤を浮遊させることを特徴とする浮上油回収方法。
  2. 貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収方法であって、
    前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させ、
    前記貯液槽の内部一端における前記水溶性加工液を吸い上げる箇所に、水溶性加工液および浮上油を通過させる多孔体で区画した油隔離室を設け、
    前記油隔離室内に浮遊する前記浮上油を液体として吸い上げて回収することを特徴とする浮上油回収方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の浮上油回収方法において、
    前記貯液槽内を循環する水溶性加工液に処理剤を注入することより水溶性加工液に油水分離作用を起こせるようにしたことを特徴とする浮上油回収方法。
  4. 貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊している浮上油を分離回収する浮上油回収装置であって、
    前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させる循環用ポンプと、
    前記水溶性加工液および前記浮上油を共に通過させる多孔体により形成されて、前記貯液槽の内部における前記循環用ポンプの吸込口を囲むように区画して油隔離室を構成する配置で設けられた油隔離部材と、
    前記油隔離室内に配置されて前記浮上油を吸着することにより前記水溶性加工液から分離回収するゲル化凝集剤とを備えたことを特徴とする浮上油回収装置。
  5. 貯液槽内に貯留した水溶性加工液に混入して表層に浮遊してい浮上油を分離回収する浮上油回収装置であって、
    前記貯液槽の内部一端から前記水溶性加工液を吸い上げて内部他端に戻すことにより該貯液槽内部で水溶性加工液を循環させる循環用ポンプと、
    前記水溶性加工液および前記浮上油を共に通過させる多孔体により形成されて、前記貯液槽の内部における前記循環用ポンプの吸込口を囲むように区画して油隔離室を構成する配置で設けられた油隔離部材と、
    前記油隔離室内に浮遊している前記浮上油を液体として吸い上げて回収する油吸引用ポンプとを備えたことを特徴とする浮上油回収装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の浮上油回収装置において、
    処理剤を貯留した処理剤貯留タンクと、この処理剤貯留タンク内の処理剤を吸い上げて前記貯液槽内の水溶性加工液中に注入する処理剤注入ポンプとを設けたことを特徴とする浮上油回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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