JP2012034695A - Mycobacteriumtuberculosisの融合タンパク質 - Google Patents

Mycobacteriumtuberculosisの融合タンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】結核に感染した個体由来の血清の血清学的感受性を増大させる、結核感染の診断、処置、および予防の提供。
【解決手段】結核菌群由来のMycobacterium種および免疫無防備状態の患者において日和見感染を引き起こす他のMycobacterium種由来の少なくとも2つの抗原を含む組成物および融合タンパク質、ならびにこのような組成物および融合タンパク質をコードする核酸。
【選択図】なし

Description

米国特許出願第09/597、796号(2000年6月20日出願)および米国特許出願第60/265,737号(2001年2月1日)は、本明細書中で各々その全体が参考として援用される。
本出願は、本明細書中で各々その全体が参考として援用される、米国特許出願第09/056,556号(1998年4月7日出願);米国特許出願第09/223,040号(1998年12月30日出願);米国特許出願第09/287,849号(1999年4月7日);公開PCT出願第WO99/51748号(1999年4月7日出願(PCT/US99/07717))、米国特許出願第60/158,338号(1999年10月7日出願)および米国出願第60/158,425号(1999年10月7日出願);米国出願第09/688,672号(2000年10月10日出願);ならびに公開PCT出願第WO01/24820(2000年10月10日出願(PCT/US00/28095)に関連する。
(連邦政府によって支援された研究および開発の下で行われた発明に対する権利に関する宣言)
該当なし。
本発明は、少なくとも2つのMycobacterium sp.抗原を含む融合タンパク質に関する。特に、本発明は、結核に感染した個体由来の血清の血清学的感受性を増加させる2つ以上の別々のM.tuberculosis抗原を含む融合タンパク質をコードする核酸、ならびに結核感染の診断、処置、および予防におけるそれらの使用のための方法に関する。
結核は、M.tuberculosisおよび他のMycobacterium種による感染によって引き起こされる慢性感染疾患である。結核は、発展途上国における主要な疾患であり、そして世界の先進地域においても問題が深刻化しており、毎年約800万の新たな症例および300万人の死者を出している。この感染は、かなりの期間にわたって無症候性であり得るが、この疾患は、最も一般的には、肺の急性炎症として発症し、発熱および非生産性の咳を生じる。未処置の場合、代表的には深刻な合併症および死亡を生じる。
結核は、一般的に、長期の抗生物質治療を用いて制御され得るが、このような処置は、この疾患の伝播を予防するには十分ではない。感染個体は、無症候性であり得るが、一定の期間、伝染性であり得る。さらに、処置レジメンのコンプライアンスが重要であるが、患者の活動はモニタリングすることが困難である。一部の患者は、処置過程を完了せず、これによって、無効な処置および薬物耐性の発生を導き得る。
結核の伝播を制御するために、有効なワクチン接種およびこの疾患の正確な早期診断が最も重要である。現在、生細菌を用いたワクチン接種が、防御免疫を誘導するために最も効率的な方法である。この目的のために用いられる最も一般的なミコバクテリウムは、M.bovisの無発病性株であるカルメット−ゲラン杆菌(BCG)である。しかし、BCGの安全性および有効性は、論議のもとであり、いくつかの国(例えば、米国)では、この薬剤を一般にワクチン接種していない。
結核の診断は、一般的に、皮膚試験を用いて達成される。この試験は、ツベルクリンPPD(タンパク質精製された誘導体)に対する皮内暴露を含む。抗原特異的T細胞応答は、注射後48〜72時間までに注射部位に測定可能な硬化を生じる。この硬化は、ミコバクテリア抗原に対する暴露を示す。しかし、感受性および特異性が、この試験の課題であり、そしてBCGでワクチン接種した個体は、感染した個体と区別することができない。
マクロファージは、Mycobacterium免疫の主要なエフェクターとして作用することが示されており、一方、T細胞は、このような免疫の主なインデューサーである。Mycobacterium感染に対する防御におけるT細胞の本質的な役割は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に関連したCD4 T細胞の枯渇に起因する、AIDS患者におけるMycobacterium感染の高頻度の出現によって説明される。Mycobacterium反応性CD4 T細胞は、γ−インターフェロン(IFN−γ)の強力なプロデューサーであることが示され、その後、マウスにおいてマクロファージの抗ミコバクテリア効果を誘発することが示された。ヒトにおけるIFN−γの役割は、あまり明確ではないが、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3が、単独でかまたはIFN−γもしくは腫瘍壊死因子−αとの組合せてかのいずれかで、ヒトマクロファージを活性化し、M.tuberculosis感染を阻害することが、研究により示された。さらに、IFN−γがヒトマクロファージの1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3産生を刺激することが知られている。同様に、インターロイキン−12(IL−12)は、M.tuberculosis感染に対する耐性を刺激する上で役割を果たすことが示された。M.tuberculosis感染の免疫学の概要については、ChanおよびKaufmann,Tuberculosis:Pathogenesis,Protection and Control(Bloom編,1994)、ならびにHarrison’s Principles of Internal Medicine,第1巻,1004−1014頁および1019−1023頁(第14版,Fauciら編,1998)を参照のこと。
従って、改善された診断試薬、ならびに結核を診断、予防、および処置するための改善された方法に対する必要性が存在する。
ChanおよびKaufmann,Tuberculosis:Pathogenesis,Protection and Control(Bloom編,1994) Harrison’s Principles of Internal Medicine,第1巻,1004−1014頁および1019−1023頁(第14版,Fauciら編,1998)
従って、本発明は、少なくとも2つの異種抗原を含む組成物、これらの抗原を含む融合タンパク質、およびこれらの抗原をコードする核酸を提供し、ここで、これらの抗原は、結核菌群由来のMycobacterium種および免疫無防備状態の患者において日和見感染を引き起こす他のMycobacterium種由来である。本発明はまた、Mycobacterium感染の診断、処置および予防においてポリペプチドおよびポリヌクレオチドを使用する方法に関する。
1つの局面において、本発明は、活性部位の3つのアミノ酸(ヒスチジン、アスパラギン酸、またはセリン)のうちの1つ、2つ、または3つが異なるアミノ酸に変異した、Ra35(MTB32AのN末端部分)またはRa35FL(全長MTB32A)の変異版を含む組成物および融合タンパク質を提供する。1つの実施形態において、Ra35FLにおいて、183位のセリンがアラニン残基に変異し、Ra35FLMutSAを生じる。1つの実施形態において、Ra35FLをコードするDNAが、TからGへの変化により変異し、配列番号4のアミノ酸183でのセリンからアラニンへの変異を生じる。別の実施形態において、本発明は、融合タンパク質MTB72FMutSAであって、この融合タンパク質のRa35成分が、MTB72F配列のアミノ酸710位においてセリンからアラニンへの変異を有する融合タンパク質を提供する。別の実施形態において、本発明は、融合タンパク質MTB72Fをコードする核酸であって、Ra35成分をコードする核酸がTからGへの変化により変異し、MTB72F配列のアミノ酸710位でのセリンからアラニンへの変異を生じる核酸を提供する。
本発明は、少なくとも2種の異種M.tuberculosisコード配列または抗原を含む、融合ポリヌクレオチド、融合ポリペプチドまたは組成物が、高度に抗原性であり、そして患者への投与に際して、結核血清の感受性を増大させるという本発明者らの発見に部分的に基づく。さらに、この組成物、融合ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、Mycobacteriumに感染したかもしれない患者において診断ツールとして有用である。
1つの局面において、本発明の組成物、融合ポリペプチドおよび核酸は、感染の診断のため、または疾患の進行をモニタリングするために、M.tuberculosisに対する体液性抗体または細胞性免疫を検出するために、インビトロおよびインビボでのアッセイにおいて用いられる。例えば、このポリペプチドは、インビボでの診断薬剤として皮内皮膚試験の形態で用いられ得る。このポリペプチドはまた、患者の血清を用いたインビトロ試験(例えば、ELISA)において用いられ得る。あるいは、この核酸、組成物および融合ポリペプチドを用いて、非ヒト動物において抗M.tuberculosis抗体を惹起し得る。この抗体を用いて、インビボおよびインビトロで標的抗原を検出し得る。
別の局面において、この組成物、融合ポリペプチドおよび核酸は、患者における防御免疫応答を生じるかまたは誘発するための免疫原として用いられ得る。単離または精製されたポリヌクレオチドを用いて、組換え融合ポリペプチド抗原をインビトロで産生し、次いで、これをワクチンとして投与する。あるいは、このポリヌクレオチドは、DNAワクチンとして被験体に直接投与されて、被験体において抗原の発現を引き起こし得、そしてその後、抗M.tuberculosis免疫応答を誘導し得る。従って、本発明の単離または精製されたM.tuberculosisのポリペプチドおよび核酸は、M.tuberculosis感染の予防および/または処置における被験体への投与のための薬学的組成物として処方され得る。この融合タンパク質または抗原の免疫原性は、アジュバントならびにMycobacteriumまたは他の生物由来のさらなる融合ポリペプチド(例えば、細菌性ポリペプチド、ウイルスポリペプチド、哺乳動物ポリペプチド)を含むことによって増強され得る。さらなるポリペプチドはまた、融合ポリペプチドまたは組成物に対して連結されるか、または連結されないかのいずれかで、組成物中に含まれ得る。
図1は、MTB72Fポリタンパク質をワクチン接種したモルモットのパーセント生存率を示す。 図2は、MTB72F、MTB59F、MTB72F DNA、またはRa12抗原、TbH9抗原、およびRa35抗原を含む組成物による免疫後の脾臓細胞(図2A)および肺細胞からのCFUを示す。 図3は、MTB72Fの概略図を示す。 図4は、Ra35(MTB32AのN末端部分から195アミノ酸)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す。 図4は、Ra35(MTB32AのN末端部分から195アミノ酸)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す。 図5は、MTB72Fおよび変異版MTB72FMutSAのアミノ酸配列のアラインメントを示す。 図5は、MTB72Fおよび変異版MTB72FMutSAのアミノ酸配列のアラインメントを示す。 図6は、成熟(全長)Ra35/MTB32Aおよび変異版Ra35FLMutSAのアミノ酸配列のアラインメントを示す。 図7は、Mtb72F処方物を用いてワクチン接種したモルモットの長期間の生存率を示す。
本発明は、Mycobacterium感染の診断および処置に有用な抗原組成物および融合ポリペプチド、そのような抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組成物、およびそれらを使用する方法に関する。本発明の抗原は、Mycobacterium抗原およびその免疫原性部分のポリペプチドまたは融合ポリペプチドである。より詳細には、本発明の組成物は、結核菌群のMycobacterium種(例えば、M.tuberculosis、M.bovis、またはM.africanum種)または環境的もしくは日和見的であり、そして免疫無防備化された宿主(例えば、AIDSの患者)において日和見感染(例えば、肺感染)を引き起こすMycobacterium種(例えば、BCG、M.avium、M.intracelulare、M.celatum、M.genavense、M.haemophilum、M.kansasii、M.simiae、M.vaccae、M.fortuitum、およびM.scrofulaceum(例えば、Harrison’s Principles of Internal Medicine,第1巻,1004−1014頁および1019−1023頁(第14版、Fauciら編、1998)を参照のこと))のうちの少なくとも2種の異種ポリペプチドを含む。本願発明者らは、驚くべきことに、少なくとも2つの異種Mycobacterium抗原、またはその免疫原性フラグメントを含む組成物および融合タンパク質が、高度に抗原性であることを発見した。したがって、これらの組成物、融合ポリペプチド、およびそれらをコードする核酸は、患者において防御的応答を誘発するために、および診断的適用に有用である。
本発明の抗原は、さらに、抗原の抗原性を増強するため、または他の局面(例えば、抗原の一方の末端でのヒスチジン残基のストレッチの付加を通じたこれらの抗原の単離)においてこれらの抗原を改善するために設計された他の成分を含み得る。本発明の組成物、融合ポリペプチド、および核酸は、抗原のさらなるコピー、またはMycobacterium sp.由来のさらなる異種ポリペプチド(例えば、MTB8.4抗原、MTB9.8抗原、MTB9.9抗原、MTB40抗原、MTB41抗原、38−1、TbRa3、38kD、DPEP、TbH4、DPPD、ESAT−6抗原、MTB85複合抗原(例えば、MTB85b)、またはα−クリスタリン抗原、およびErd14)を含み得る。本発明の組成物、融合ポリペプチド、および核酸はまた、他の非Mycobacteriums供給源由来のさらなる異種ポリペプチドを含み得る。例えば、本発明の組成物および融合タンパク質は、ポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸を含み得、ここで、そのポリペプチドは、抗原、例えば、NS1、インフルエンザウイルスタンパク質、またはその免疫原性部分の発現を増強する(例えば、WO99/40188およびWO93/04175を参照のこと)。本発明の核酸は、選択された種(例えば、ヒト)におけるコドン優先性に基づいて操作され得る。
本発明の組成物は、裸のDNA、または組成物であり得る。例えば、ポリペプチドはまた、アジュバント(例えば、MPL、3D−MPL、IFA、ASアジュバント(例えば、AS2、AS2’、AS2”、AS4、AS6)、ENHANZYN(Detox)、QS21、CWS、TDM、AGP、CPG、Leif、サポニン、およびサポニン模倣物、ならびにそれらの誘導体)を含み得る。さらに、本発明の組成物は、アジュバントとしてBCGまたはPvacを含み得る。
1つの実施形態において、本発明の組成物および融合タンパク質は、結核菌群のMycobacterium種由来のMTB39抗原またはその免疫原性フラグメント、および結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32A抗原もしくはその免疫原性フラグメントからなる群から選択される少なくとも2つの抗原から構成される。
別の実施形態において、この抗原は、結核菌群のMycobacterium種由来のMTB39抗原またはその免疫原性フラグメント、および結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32A抗原のN末端の少なくとも205アミノ酸を含むポリペプチドからなる群から選択される。
別の実施形態において、この抗原は、結核菌群のMycobacterium種由来のMTB39抗原またはその免疫原性フラグメント、結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32A抗原のN末端の少なくとも約205アミノ酸を含むポリペプチド、および結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32A抗原のC末端の少なくとも約132アミノ酸を含むポリペプチドからなる群から選択される。
本出願の命名法において、Ra35は、MTB32A(Ra35FL)のN末端をいい、M.tuberculosis由来のMTB32Aの少なくとも約195〜205アミノ酸または別のMycobacterium種由来の対応する領域を含む。Ra12は、MTB32A(Ra32FL)のC末端をいい、M.tuberculosis由来のMTB32Aの少なくとも最後の約132アミノ酸または別のMycobacterium種由来の対応する領域を含む。
以下に、本発明の組成物および融合タンパク質において使用されるいくつかの抗原の配列を提供する。
配列番号1〜4:MTB32A(Ra35FLまたはRa35成熟)、この配列はまた、米国特許出願第08/523,436号、同第08/523,435号、同第08/658,800号、同第08/659,683号、同第08/818,112号、同第09/056,556号、および同第08/818,111号ならびにWO97/09428およびWO97/09429の出願において、配列番号17(cDNA)および配列番号79(タンパク質)として開示される(例えば、Skeikyら、Infection and Immunity 67:3998−4007(1999)もまた参照のこと)。用語MTB32Aはまた、三つ組活性部位の3つのアミノ酸(His、Asp、Ser)のうちのいずれか1つ(例えば、配列番号2におけるアミノ酸208位または配列番号4におけるアミノ酸183位のセリン残基)が、別のアミノ酸(例えば、アラニン、Ra35FLMutSA、例えば、図6および配列番号6を参照のこと)に変化したMTB32Aアミノ酸を含む。
配列番号5および6:Ra35FLMutSA、配列番号4のアミノ酸183位のセリン残基がアラニン残基に変化したRA35FLの成熟版。
配列番号7および8:Ra35(MTB32A(Ra35FL)のN末端)は、M.tuberculosis由来のMTB32AのN末端由来の少なくとも約195アミノ酸を含み、このヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、図4に開示される(配列番号2のアミノ酸33−227および配列番号4のアミノ酸8−202もまた参照のこと)。用語Ra35(N−term)はまた、三つ組活性部位(すなわち、His、Asp、またはSer)で、3つのアミノ酸のうちのいずれかの1つが上記のように変更されているRa35アミノ酸配列を含む。
配列番号9および10:MTBRa12(MTB32A(Ra35FL)のC末端)は、M.tuberculosis由来のMTB32AのC末端由来の少なくとも約132アミノ酸を含む(例えば、配列番号2のアミノ酸224−355および配列番号4のアミノ酸199−330もまた参照のこと)。この配列は、米国特許出願番号第09/072,967号に配列番号4(DNA)および配列番号66(推定されるアミノ酸配列)として開示される。
配列番号11、12、13および14:MTB39(TbH9)、この配列は、米国特許出願番号第08/658,800号、同第08/659,683号、同第08/818,112号、同第08/818,111号ならびにWO97/09428およびWO97/09429出願に、配列番号106(cDNA全長)および配列番号107(タンパク質全長)として開示される。この配列はまた、米国特許出願番号第09/056,559号に配列番号33(DNA)および配列番号91(アミノ酸)として開示される。
以下は、本発明のいくつかの融合タンパク質の配列を提供する。
配列番号15および16:MTB72F(Ra12−TbH9−Ra35)、この配列は、米国特許出願第09/223,040号、同第09/223,040号ならびにPCT/US99/07717出願に、配列番号1(DNA)および配列番号2(タンパク質)として開示される。用語MTB372Fはまた、Ra35FLにおける三つ組活性部位(すなわち、His、Asp、またはSer)で、3つのアミノ酸のうちのいずれかの1つが上記のように変更されているMTB72Fアミノ酸配列を含む(例えば、MTB72FMutSA、図5を参照のこと)。
配列番号17および18:MTB72FMutSA(Ra12−TbH9−Ra35MutSA)、ここで、融合タンパク質のRa35成分において、710位のセリンがアラニンに変更されている。
配列番号19および20:TbH9−Ra35(MTB59F)、この配列は、米国特許出願番号第09/287,849およびPCT/US99/07717出願に、配列番号23(cDNA)および配列番号24(タンパク質)として開示される。
以下は、本発明の組成物および融合タンパク質において使用されるいくつかのさらなる抗原の配列を提供する。
配列番号21および22:MTB8.4(DPV)、この配列は、米国特許出願番号第08/658,800号、同第08/659,683号、同第08/818,112号および同第08/818,111号ならびにWO97/09428およびWO97/09429出願に、配列番号101(cDNA)および配列番号102(タンパク質)として開示される。
配列番号23および24:MTB9.8(MSL)、この配列は、米国特許出願番号第08/859,381号、同第08/858,998号、同第09/073,009号および同第09/073,010号ならびにPCT/US98/10407およびPCT/US98/10514出願に、配列番号12(DNA)、配列番号109(推定されるアミノ酸配列)および配列番号110〜124(ペプチド)として開示される。
配列番号25、26および27:MTB9.9A(MTI,MTI−Aとしても公知である)、この配列は、米国特許出願番号第08/859,381号、同第08/858,998号、同第09/073,009号および同第v09/073,010号ならびにPCT/US98/10407およびPCT/US98/10514出願に、配列番号3および配列番号4(DNA)ならびに配列番号29および配列番号51〜66(MTIについてのORFペプチド)として開示される。2つの他のMTI改変体もまた存在し、MTI−BおよびMTI−Cと呼ばれる。
配列番号28および29:MTB40(HTCC#1)、この配列は、米国特許出願番号第09/073,009号、同第09/073,010号ならびにPCT/US98/10407およびPCT/US98/10514出願に、 配列番号137(cDNA)および138(推定されるアミノ酸配列)として開示される。
配列番号30および31:MTB41(MTCC#2)、この配列は、米国特許出願番号第09/073,009号および同第09/073,010号ならびにPCT/US98/10407およびPCT/US98/10514出願に、配列番号140(cDNA)および配列番号142(推定されるアミノ酸配列)として開示される。
配列番号32および33:ESAT−6、この配列は、米国特許出願番号第09/072,967号に、配列番号103(DNA)および配列番号104(推定されるアミノ酸配列)として開示される。ESAT−6の配列はまた、米国特許第5,955,077号に開示される。
配列番号34および35:Tb38−1または38−1(MTb11)、この配列は、米国特許出願番号第09/072,96号;同第08/523,436号;同第08/523,435号;同第08/818,112号;および同第08/818,111号;ならびにWO97/09428およびWO97/09429出願に、配列番号46(DNA)および配列番号88(推定されるアミノ酸)として開示される。
配列番号36および37:TbRa3、この配列は、WO97/09428およびWO97/09429出願における配列番号15(DNA)および配列番号77(推定されるアミノ酸配列)に開示される。
配列番号38および39:38kD、この配列は、米国特許出願番号第09/072,967号における配列番号154(DNA)および配列番号155(推定されるアミノ酸配列)に開示される。38kDは、N末端にシステイン残基を伴う形態および伴わない形態の、2つの代替的形態を有する。
配列番号40および配列番号41:DPEP、この配列は、WO97/09428およびWO97/09429公開における配列番号52(DNA)および配列番号53(推定されるアミノ酸配列)に開示される。
配列番号42および43:TbH4、この配列は、WO97/09428およびWO97/09429公開に、配列番号43(DNA)および配列番号81(推定されるアミノ酸配列)として開示される。
配列番号44および45:DPPD、この配列は、USSN09/072,967ならびにPCT/US99/03268およびPCT/US99/03265出願における配列番号240(DNA)および配列番号241(推定されるアミノ酸配列)に開示される。DPPDの分泌形態は、PCT/US00/28095の図12に示される。
MTb82(MTb867)、この配列は、PCT/US00/2809の図8(DNA)および9(アミノ酸)に開示される。
Erd14(MTb16)、このcDNAおよびアミノ酸配列は、Verbon et al.,J.Bacteriology 174:1352−1359(1992)に開示される。
α−クリスタリン抗原、この配列は、Verbon et al.,J.Bact.174:1352−1359(1992)に開示される。
85複合体抗原(例えば、85b抗原)、この配列は、Content et al.,Infect.&Immunol.59:3205−3212(1991)に開示される。
以下は、本発明の組成物および融合タンパク質において用いられる、いくつかのさらなる融合タンパク質の配列を提供する。
配列番号46および47:DPV−MTI−MSL(MTb31F)、この配列は、米国特許出願番号第09/287,849号およびPCT/US99/07717出願の配列番号18(cDNA)および配列番号19(タンパク質)に開示される。
配列番号48および49:DPV−MTI−MSL−MTCC#2(MTb71F)、この配列は、米国特許出願番号第09/287,849号およびPCT/US99/07717出願に、配列番号15(核酸)および配列番号16(タンパク質)として開示される。
上記配列のそれぞれはまた、Cole et al.Nature 393:537(1998)に開示され、そして例えば、http://www.sanger.ac.ukおよびhttp:/www.pasteur.fr/mycdb/において見出され得る。
上記配列は、米国特許出願番号第08/523,435号、同第08/523,436号、同第08/658,800号、同第08/659,683号、同第08/818,111号、同第08/818,112号、同第08/942,341号、同第08/942,578号、同第08/858,998号、同第08/859,381号、同第09/056,556号、同第09/072,596号、同第09/072,967号、同第09/073,009号、同第09/073,010号、同第09/223,040号、同第09/287,849号、同第09/597,796号;ならびにPCT特許出願PCT/US00/28095;PCT/US98/10407、PCT/US98/10514、PCT/US99/03265、PCT/US99/03268、PCT/US99/07717、WO97/09428およびWO97/09429、WO98/16645、WO98/16646に開示され、それぞれは、本明細書中において参考として援用される。
本明細書中に記載される抗原は、多型改変体および保存的改変体、ならびに系統間および種間Mycobacteriumホモログを包含する。さらに、本明細書中に記載される抗原は、下位配列(subsequence)または短縮配列を包含する。融合タンパク質はまた、さらなるポリペプチド(必要に応じて、Mycobacteriumまたは他の供給源由来の異種ペプチド)を含み得る。これらの抗原は、例えば、下に記載されるようなリンカーペプチド配列を加えることによって、改変され得る。これらのリンカーペプチドは、融合タンパク質のそれぞれを構成する一つ以上のポリペプチドの間に挿入され得る。
(定義)
「融合ポリペプチド」または「融合タンパク質」は、直接またはアミノ酸リンカーを介してのいずれかで共有結合された、少なくとも2つの異種Mycobacterium sp.ポリペプチドを有するタンパク質をいう。融合タンパク質を形成するポリペプチドは、典型的には、N末端にC末端を連結するが、これらはまた、C末端にC末端を、N末端にN末端を、またはC末端にN末端を連結し得る。融合タンパク質のポリペプチドは、任意の順序であり得る。この用語はまた、融合タンパク質を構成する抗原の保存的に改変された改変体、多型改変体、対立遺伝子、変異体、下位配列、種間免疫原性フラグメントおよび種間ホモログをいう。Mycobacterium tuberculosis抗原は、Cole et al.,Nature 393:537(1998)に記載され、これは、Mycobacterium tuberculosisゲノム全体を開示する。Mycobacterium tuberculosisの完全な配列はまた、http://www.sanger.ac.ukおよびhttp://www.pasteur.fr/mycdb/(MycDB)に見出され得る。M.tuberculosis抗原に対応する他のMycobacterium種由来の抗原は、例えば、本明細書中に開示される、配列比較アルゴリズムか、または当業者に公知の他の方法(例えば、ハイブリダイゼーションアッセイおよび抗体結合アッセイ)を使用して同定され得る。本発明の融合タンパク質はまた、成分抗原またはそれらの免疫原性フラグメントのさらなるコピーを含み得る。
本発明の融合タンパク質を含むポリヌクレオチド配列は、MTB39またはそれらの免疫原性フラグメントおよびMTB32Aまたはそれらの免疫原性フラグメントからなる群から選択される抗原ポリペプチドを各々コードする、少なくとも2個のヌクレオチド配列に対して、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。従って、この融合ポリペプチドの個々の抗原をコードするポリヌクレオチド配列としては、MTB39およびMTB32Aの保存的に改変された変異体、多型変異体、対遺伝子、変異体、下位配列、免疫原性フラグメントおよび種間ホモログを有する融合タンパク質が挙げられる。融合タンパク質の個々のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、任意の順序であり得る。
いくつかの実施形態において、この融合タンパク質の個々のポリペプチドは、大きいほうから小さいほうへの順番(N末端〜C末端)である。大きな抗原は、約30〜150kDのサイズであり、中くらいの抗原は、約10〜30kDのサイズであり、そして小さな抗原は、約10kD未満のサイズである。例えば、個々のポリペプチドをコードする配列は、例えば、免疫原性フラグメント(例えば、約8〜9個のアミノ酸をコードする個々のCTLエピトープ、あるいはHTLまたはB細胞エピトープ)程度の小ささである。このフラグメントはまた、多数のエピトープを含む。この免疫原性フラグメントはまた、大部分の抗原配列(例えば、約50%以上のMTB39およびMTB32A)を示し得る(例えば、MTB32AのN−末端部分およびC−末端部分)。好ましいMTB32Aの免疫原性フラグメントとしては、Ra12、Ra35およびRa35 MutSAが挙げられる。
本発明の融合ポリペプチドは、少なくとも2個の抗原ポリペプチドに対して生じる抗体に特異的に結合し、ここで、核抗原ポリペプチドは、MTB39またはそれらの免疫原性部分もしくはフラグメントおよびMTB32Aまたはそれらの免疫原性部分からなる群から選択される。この抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。必要に応じて、この融合ポリペプチドは、抗原の融合結合部に対して生じる抗体に特異的に結合し、この抗体は、個々に抗原に結合しない(すなわち、抗体が融合タンパク質の一部でない場合)。必要に応じて、この融合ポリペプチドは、さらなるポリペプチド(例えば、3、4、5、6個以上のポリペプチドから約25個のポリペプチド、必要に応じて、異種ポリペプチドまたは繰返し相同ポリペプチド)を含み、少なくとも2個の異質抗原に融合される。この融合タンパク質のさらなるポリペプチドは、必要に応じて、Mycobacteriumおよび他の供給源(例えば、他の細菌、ウイルス、無脊椎動物、脊椎動物または哺乳動物供給源)から誘導される。この融合タンパク質の個々のポリペプチドは、任意の順番であり得る。本明細書中に記載されるが、この融合タンパク質はまた、他の分子(さらなるポリペプチドを含む)に連結され得る。本発明の組成物はまた、本発明の融合タンパク質に連結しないさらなるポリペプチドを含み得る。これらのさらなるポリペプチドは、異種ポリペプチドまたは同種ポリペプチドであり得る。
用語「融合(された)」は、融合タンパク質における2つのポリペプチド間の共有結合をいう。これらのポリペプチドは、互いに直接か、またはアミノ酸リンカーを介してのいずれかで、代表的にはペプチド結合を介して結合される。必要に応じて、ペプチドは、当業者に公知の非ペプチド共有結合を介して結合され得る。
「FL」は、全長(すなわち、野生型ポリペプチドと同じ長さであるポリペプチド)をいう。
用語「それらの免疫原性フラグメント」は、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球またはB細胞により認識されるエピトープを含むポリペプチドをいう。例えば、MTB32Aの好ましい免疫原性フラグメントは、RA35、Ra35MutSA、またはRa12である。
用語「結核菌群のMycobacterium種」は、疾患(結核)を引き起こすと伝統的に考えられる種、ならびに免疫簡易感染性患者(例えば、AIDSを有する患者)において結核および肺疾患を引き起こすMycobacterium環境種および日和見種(例えば、M.tuberculosis、M.bovis、またはM.africanum、BCG、M.avium、M.intracellulare、M.celatum、M.genavense、M.haemophilum、M.kansasii、M.simiae、M.vaccae、M.fortuitum、およびM.scrofulaceum(例えば、Harrison’s Principles of Internal Medicine、第1巻、1004〜1014頁および1019〜1023頁(第14版、Fauciら編、1998)を参照のこと))を含む。
アジュバントは、抗原に対する特定の免疫応答を増強させるワクチンまたは治療組成物における成分をいう(例えば、Edelman,AIDS Res.Hum Retroviruses 8:1409〜1411(1992)を参照のこと)。アジュバントは、Th1型応答およびTh2型応答の免疫応答を誘発する。Th1型サイトカイン(例えば、IFN−γ、IL−2およびIL−12)は、投与された抗原に対する細胞媒介性免疫応答の誘導を支持する傾向があり、一方、Th−2型サイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10およびTNF−β)は、体液性免疫応答の誘導を支持する傾向がある。
「核酸」は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよび一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のそれらのポリマーをいう。この用語は、公知のヌクレオチドアナログまたは改変骨格残基または連結を含む核酸を包含する。これらは、合成核酸、天然に存在する核酸、および天然に存在しない核酸である。これは、参照核酸と類似の結合特性を有し、そしてこれは、参照ヌクレオチドと類似の様式で代謝される。このようなアナログの例としては、限定なしで、ホスホロチオエート、ホスホラミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が挙げられる。
他に示されない限り、特定の核酸配列はまた、これらの保存的に改変された改変体(例えば、変性コドン置換体)および相補配列ならびに明確に示された配列を暗に包含する。特に、変性コドン置換体は、1以上の選択された(または全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を生ずることにより達成され得る(Batzerら,Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605〜2608(1985);Rossoliniら,Mol.Cell.Probes 8:91〜98(1994))。用語核酸は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドと互換可能に使用される。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」とは、アミノ酸残基のポリマーをいうために本明細書中にて交換可能に使用される。この用語は、1以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマー、および天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。
用語「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様な様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣物をいう。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによりコードされるアミノ酸、ならびに後に改変されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリン)である。アミノ酸アナログとは、天然に存在するアミノ酸と同じ化学的基本骨格(すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基およびR基に結合するα炭素)を有する化合物(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)をいう。このようなアナログは、改変されたR基(例えば、ノルロイシン)または改変されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ化学的基本骨格を保持している。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化学的化合物をいう。
アミノ酸は、IUPAC−IUB生化学命名委員会により推奨される、それらの一般的に知られた3文字表記または1文字表記のいずれかにより本明細書中で言及され得る。ヌクレオチドなどは、それらの一般的に受け入れられた1文字表記により言及され得る。
「保存的に改変された改変体」は、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された改変体とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードするそれらの核酸をいうか、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列をいう。遺伝コードの縮重により、多数の機能的に同一の核酸が任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。従って、アラニンがコドンにより特定されるすべての位置で、このコドンは、コードされたポリペプチドを改変することなく、示される対応するコドンのいずれかに改変され得る。このような核酸改変体は、「サイレントなバリエーション」である。このサイレントなバリエーションは、保存的に改変されたバリエーションの1種である。ポリペプチドをコードする本明細書中のすべての核酸配列はまた、その核酸のすべてのあり得るサイレントバリエーションを記載し得る。当業者は、核酸の各コドン(そもそもメチオニンの唯一のコドンであるAUG、およびそもそもトリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)は、機能的に同一の分子を生じるように改変され得ることを認識する。従って、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレントなバリエーションは、各記載される配列に含まれる。
アミノ酸配列に関して、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の配列に対する個々の置換、欠失、付加(コードされた配列中の1つのアミノ酸または小さな割合のアミノ酸を改変、付加、または欠失する)が「保存的に改変された改変体」であり、ここでこの変更は、化学的に類似のアミノ酸とのアミノ酸置換を生じることを、当業者は認識する。機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的置換表は、当該分野で周知である。このような保存的に改変された改変体は、さらに、そして本発明の多型改変対、種内ホモログ、および対立遺伝子を排除しない。
以下の8つの群各々は、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)。
(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照のこと)。
核酸の部分を参照して用いる場合、用語「異種」は、核酸が互いに天然で同じ関係性が見出されない2以上の部分配列を含むことを示す。例えば、この核酸は、代表的には、組換え生成され、新たな機能的核酸を生じるように配置された、関連しない遺伝子に由来する2以上の配列(例えば、1つの供給源に由来するプロモーターおよび別の供給源に由来するコード領域)を有する。同様に、異種タンパク質は、このタンパク質が、互いに天然で同じ関係性が見出されない2以上の部分配列を含むことを示す(例えば、融合タンパク質)。
句「〜に選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」とは、配列が複雑な混合物(例えば、総細胞DNAまたはRNA、あるいはライブラリーDNAまたはRNA)中に存在する場合に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で特定のヌクレオチド配列にのみ、分子が結合、二重鎖形成、またはハイブリダイズすることをいう。
句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、その条件下で、代表的には、核酸の複雑な混合物中でプローブがその標的部分配列にハイブリダイズするが、他の配列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、種々の環境で異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な手引きは、Tijssen,Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Probes,「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(1993)に見出される。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度pHで、特定の配列についての熱融解点(Tm)より約5〜10℃低いように選択される。Tmは、標的に相補的なプローブの50%が平衡で(規定されたイオン強度、pH、および核酸濃度下で)標的配列にハイブリダイズする温度である(この標的配列が過剰に存在するので、Tmでプローブの50%が平衡で占められる)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.0M未満のナトリウムイオン濃度、代表的には、pH7.0〜8.3にて約0.01M〜1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、温度は、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)については、少なくとも約30℃、長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより多い)については、少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアルデヒドのような変性剤の添加により達成され得る。選択的または特異的ハイブリダイゼーションについて、ポジティブなシグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍であり、必要に応じてバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍である。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下のとおりであり得る:50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDS、42℃でのインキュベーション、または5×SSC、1%のSDS、65℃でのインキュベーション、65℃での0.2×SSCおよび0.1%SDSでの洗浄。
ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、これらの核酸がコードするポリペプチドが実質的に同一である場合に、なお実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが遺伝コードにより許容される最大のコドン縮重を用いて作製される場合に生じる。このような場合、この核酸は、代表的には、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。例示的な「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」としては、37℃にて40%のホルムアミド、1MのNaCl、1%のSDSの緩衝液中でのハイブリダイゼーション、および45℃での1×SSC中での洗浄が挙げられる。ポジティブなハイブリダイゼーションは、バックグラウンドの少なくとも2倍である。当業者は、代替的なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件が類似のストリンジェンシーの条件を提供するために利用され得ることを容易に認識する。
「抗体」とは、抗原を特異的に結合し、認識する免疫グロブリン遺伝子に由来するフレーム領域を含むポリペプチド、またはそのフラグメントをいう。認識された免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これは、続いて、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ規定する。
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含む。各テトラマーは、2つの同じ対のポリペプチド鎖(各々の対は、1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する)から構成される。各鎖のN末端は、抗原認識を主に担う約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語、可変軽鎖(V)および可変重鎖(V)は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖をいう。
抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼを用いた消化により生成された多くの十分に特徴付けられたフラグメントとして存在する。従って、例えば、ペプシンは、以下のヒンジ領域のジスルフィド結合を消化して、F(ab)’(それ自体、ジスルフィド結合によりV−C1に結合した軽鎖であるFabのダイマーである)を生じる。F(ab)’は、温和な条件下で還元されて、ヒンジ領域のジスルフィド連結が壊され得る。Fab’モノマーは、本質的にはヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology(Paul編、第3版、1993)を参照のこと)。種々の抗体フラグメントがインタクトな抗体の消化によって規定されるが、当業者は、このようなフラグメントが、化学的または組換えDNA方法論を使用するかのいずれかにより新規合成され得ることを理解する。従って、本明細書中で用いられる場合、用語、抗体はまた、完全な抗体の改変により生成された抗体フラグメント、または組換えDNA方法論を用いて新規合成された抗体フラグメント(例えば、単鎖Fv)もしくはファージティスプレイライブラリー(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552−554(1990)を参照のこと)を用いて同定された抗体フラグメントのいずれも含む。
モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体の調製については、当該分野で公知の任意の技術が用いられ得る(例えば、Kohler&Milstein,Nature 256:495−497(1975);Kozborら、Immunology Today 4:72(1983);Coleら、pp77−96、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy(1985)を参照のこと)。単鎖抗体の生成についての技術(米国特許第4,946,778号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を生成するために適合され得る。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物のような他の生物は、ヒト化抗体を発現するために用いられ得る。あるいは、ファージディスプレイ技術は、選択された抗原に特異的に結合する抗体およびヘテロマーFabフラグメントを同定するために用いられ得る(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552−554(1990);Marksら、Biotechnology 10:779−783(1992)を参照のこと)。
タンパク質またはペプチドを参照する場合に、句、抗体に「特異的に(または選択的に)結合」するまたは「特異的に(または選択的に)免疫反応性」であるとは、タンパク質または他の生物学的物質(biologic)の不均一な集団中にこのタンパク質が存在することを決定する結合反応をいう。従って、指定された免疫アッセイ条件下で、特定された抗体は、特定のタンパク質にバックグラウンドの少なくとも2倍で結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質に有意な量で実質的に結合しない。このような条件下での抗体に対する特異的結合は、特定のタンパク質に対するその特異性に関して選択された抗体を必要とし得る。例えば、融合タンパク質に対して惹起されたポリクローナル抗体は、この融合タンパク質と特異的に免疫反応性であり、かつ融合タンパク質の個々の成分とは免疫反応性でないポリクローナル抗体のみを得るために選択され得る。この選択は、個々の抗原と交叉反応する抗体を差し引くことにより達成され得る。種々の免疫アッセイ形式が用いられて、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性の抗体が選択され得る。例えば、固相ELISA免疫アッセイが慣用的に用いられて、タンパク質と特異的に免疫反応性の抗体が選択される(特異的免疫反応性を決定するために用いられ得る免疫アッセイ形式および条件の記載については、例えば、Harlow&Lane、Antibodies,A Laboratory Manual(1988)を参照のこと)。代表的には、特異的反応または選択的反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍であり、より代表的には、バックグラウンドの10〜100倍を超える。
ポリヌクレオチドは、ネイティブな配列(すなわち、個々の抗原またはその一部をコードする内因性の配列)を含んでいてもよいし、このような配列の改変体を含んでいてもよい。ポリヌクレオチド改変対は、1以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得、その結果、コードされた融合ポリペプチドの生物学的活性は、ネイティブな抗原を含む融合ポリペプチドと比較して減少されない。改変体は、ネイティブなポリペプチドまたはその一部をコードするポリヌクレオチド配列に対して、好ましくは、少なくとも約70%の同一性、より好ましくは、少なくとも約80%の同一性、もっとも好ましくは、約90%の同一性を示す。
2以上の核酸配列またはポリペプチド配列の状況で、用語「同一」または「同一性」%とは、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを用いて、または手動の整列および視覚検査により測定される、比較ウィンドウまたは指定された領域にわたり最大の一致について比較および整列した場合に、同じかあるいは同じアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの特定の%を有する(すなわち、特定された領域にわたり70%同一、必要に応じて75%、80%、85%、90%、または95%同一)2以上の配列または部分配列をいう。次いで、このような配列は、「実質的に同一」といわれる。この規定はまた、試験配列のコンプリメント(compliant)という。必要に応じて、この同一性は、長さ少なくとも約25〜約50アミノ酸または長さ少なくとも約25〜約50ヌクレオチドの領域にわたり存在し、あるいは必要に応じて、長さ75〜100アミノ酸または長さ約75〜100ヌクレオチドの領域にわたり存在する。
配列比較に関して、代表的には、1つの配列が参照配列として機能し、この参照配列に対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いた場合、試験配列および参照配列は、コンピューターに入力され、必要であれば部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。デフォルトプログラムパラメーターが用いられるか、あるいは代わりのパラメーターが指定され得る。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についての配列同一性%を計算する。
本明細書中で用いられる場合、「比較ウィンドウ」は、25〜500、通常は約50〜約200、より通常は、約100〜約150からなる群より選択される連続位置の数のいずれか1つのセグメントに対する参照を含む。ここで配列は、2つの配列が最適に整列されたあとに、連続位置の同じ数の参照配列に対して比較され得る。比較のための配列の整列方法は、当該分野で周知である。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith&Waterman、Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性方法の検索により、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.Madison,WIのGAP、BESETFIT、BLASTFIT、FASTAおよびTFASTA)により、または手動の整列および視覚検査により(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら編、1995、補遺)を参照のこと)行われ得る。
有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは、連続的な対をなす整列を用いて関連する配列の群から複数の配列整列を作製して、関連性および配列同一性%を示す。これはまた、整列を作製するために用いられるクラスター化関連性を示すツリーまたは系統樹(dendogram)をプロットする。PILEUPは、Feng&Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360(1987)の連続的整列方法の単純化したものを用いる。用いられる方法は、Higgins&Sharp,CABIOS 5:151−153(1989)により記載される方法に類似する。このプログラムは、300までの配列を整列し得、各々は、5,000のヌクレオチドまたは5,000アミノ酸の最大長である。複数の整列手順は、2つの最も類似する配列のペアをなす整列で始まり、2つの整列された配列のクラスターを生成する。次いで、このクラスターは、次に最も関連する配列または整列された配列のクラスターに整列される。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列のペアをなす整列を単純に拡大することにより整列される。最終的な整列は、一連の連続的な対をなす整列により達成される。このプログラムは、配列比較の領域のための、特定の配列およびそれらのアミノ酸座標またはヌクレオチド座標を指定することにより、そしてプログラムパラメーターを指定することにより実行される。PILEUPを用いて、参照配列は、以下のパラメーターを用いて配列同一性%の関係を決定するために、他の試験配列に対して比較される:デフォルトギャップ重み付け(3.00)、デフォルトギャップ長重み付け(0.10)および重み付けエンドギャップ。PILEUPは、GCG配列分析ソフトウェアパッケージ(例えば、バージョン7.0)(Devereauxら、Nuc.Acids Res.12:387−395(1984))から入手され得る。
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するのに適しているアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴリズムおよびBLAST 2.0 アルゴリズムであり、これらは、Altschulら、Nuc.Acids Res.25:3389−3402(1977)およびAltschulらJ.Mol.Biol.215:403−410(1990)にそれぞれ記載される。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公に利用可能である。このアルゴリズムは、問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することによって高スコア付け配列対(HSP)を最初に同定することを含み、これは、データベース配列中で同じ長さのワードと整列した場合に、あるポジティブに値付けられた閾値スコアTに、一致するかまたは満たすかのいずれかである。Tは、隣接ワードスコア閾値として参照される(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、これらを含むより長いHSPを見出すための検索を開始するための種として作用する。ワードヒットは、累積的整列スコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列に関しては、パラメーターM(一致する残基対に関するリワードスコア(reward score);常に>0)およびパラメーターN(ミスマッチ残基に関するペナルティスコア;常に<0)を用いて算出される。アミノ酸配列に関しては、スコア付けマトリックスは、累積スコアを算出するために使用される。各方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積整列スコアがその最大に達成された値から量X落ちる場合;累積スコアが、1つ以上の負のスコア付けの残基整列の蓄積に起因して、0またはそれより下になる場合;またはいずれかの配列の末端に達する場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列に関して)は、11のワード長さ(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列に関しては、BLASTPプログラムは、3のワード長さ、および10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコア付けマトリックス(HenikoffおよびHenikoff,Proc.Natl Acad.Sci.U.S.A.89:10915(1989)を参照のこと)、50の整列(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の統計的な類似性分析を実行する(例えば、KarlinおよびAltschul Proc.Nat’l Acad.Sci.U.S.A.90:5873−5787(1993)を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの測定は、最小の和可能性(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列間または2つのアミノ酸配列間の一致が偶然生じる可能性の指標を提供する。例えば、参照核酸に対する試験核酸の比較におけるこの最小の和可能性が、約0.2よりも小さい場合、より好ましくは約0.01よりも小さい場合、最も好ましくは約0.001よりも小さい場合、核酸は、参照配列に類似すると考えられる。
(ポリヌクレオチド組成物)
本明細書中に使用される場合、用語「DNAセグメント」および「ポリヌクレオチド」は、特定種の総ゲノムDNAを含まない単離されたDNA分子をいう。従って、ポリペプチドをコードするDNAセグメントは、1つ以上のコード配列を含むが、DNAセグメントが得られる種の総ゲノムDNAから実質的に単離されているかもしくはこの総ゲノムDNAを含まずに精製されているDNAセグメントをいう。DNAセグメントおよびこのようなセグメントのより小さいフラグメント、および組換えベクター(例えば、プラスミド、コスミド、ファージミド、ファージ、ウイルスなどを含む)もまた、この用語「DNAセグメント」および「ポリヌクレオチド」内に含まれる。
当業者に理解されるように、本発明のDNAセグメントは、ゲノム配列、ゲノム外かつプラスミドにコードされる配列、およびタンパク質、ポリペプチド、ペプチドなどを発現するかまたは発現するように適応され得るより小さな操作された遺伝子セグメントを含み得る。このようなセグメントは、天然で単離されていてもよいし、人の手によって人工的に改変されていてもよい。
従って、用語「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋な」は、その天然の状態で見出される、天然に付随する成分を実質的にまたは本質的に含まない物質をいう。当然、これは、元来単離され、人の手によってこの組成物に後で付加される、他の単離されたタンパク質、遺伝子、またはコード領域を除外しないようなDNAセグメントをいう。純度および相同性は、代表的に、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーのような分析化学技術を使用して決定される。調製物に存在する優勢な種であるタンパク質は、実質的に精製される。単離された核酸は、その遺伝子に隣接し、その遺伝子以外のタンパク質をコードする他のオープンリーディングフレームから分離される。
当業者によって認識されるように、ポリヌクレオチドは、一本鎖(コード鎖またはアンチセンス鎖)または二本鎖であり得、そしてDNA分子(ゲノム、cDNAまたは合成)またはRNA分子であり得る。RNA分子は、HnRNA分子(これは、イントロンを含みそして1対1の様式でDNA分子に対応する)およびmRNA分子(これは、イントロンを含まない)を含む。さらなるコード配列または非コード配列が、(必要ではないが)本発明のポリヌクレオチド内に存在し得、そしてポリヌクレオチドは、(必要ではないが)他の分子および/または支持材料に連結され得る。
ポリヌクレオチドは、ネイティブな配列(すなわち、Mycobacterium抗原またはその部分をコードする内因性配列)を含み得るか、または改変体またはこのような配列の生物学的機能等価物もしくは抗原性機能等価物を含み得る。ポリヌクレオチド改変体は、以下にさらに記載されるように、1つ以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得、その結果好ましくはコードされるポリペプチドの免疫原性は、ネイティブな腫瘍タンパク質に関して減少されていない。コードされるポリペプチドの免疫原性に対する効果は、一般的に、本明細書中に記載されるように評価され得る。用語「改変体」はまた、異種起源の相同性遺伝子を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書中に開示される配列の1つ以上と同一または相補的な配列の種々の長さの連続したストレッチを含む単離されたポリヌクレオチドおよびポリペプチドを提供する。例えば、本明細書中で開示される配列のうち1つ以上の、少なくとも約15、20、30、40、50、75、100、150、200、300、400、500または1000以上の連続したヌクレオチド、ならびにその間の全ての中間の長さを含むポリヌクレオチドが、本発明によって提供される。この文脈において、「中間の長さ」は、引用された値の間の任意の長さ(例えば、16、17、18、19など;21、22、23など;30、31、32など;50、51、52、53など;100、101、102、103など;150、151、152、153など;)(200〜500;500〜1,000などの間中の全ての整数を含む)を意味することが容易に理解される。
本発明のポリヌクレオチド、またはそのフラグメントは、そのコード配列の長さに関係なく、他のDNA配列(例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、さらなる制限酵素部位、マルチプルクローニング部位、他のコードセグメントなど)と結合され得、その結果、その全体長さは、かなり変化し得る。従って、ほとんどの任意の長さの核酸フラグメントが利用され得、全長は、好ましくは調製の容易さおよび意図される組換えDNAプロトコルにおける使用によって制限されることが意図される。例えば、約10,000、約5000、約3000、約2,000、約1,000、約500、約200、約100、約50塩基対長など(全ての中間の長さを含む)の全体の長さの例示的なDNAセグメントは、本発明の多くの実行において有用であることが意図される。
さらに、遺伝子コードの縮重の結果として、本明細書中に記載されるようなポリペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列が存在するということが当業者に理解される。これらのポリヌクレオチドのいくつかが、任意のネイティブな遺伝子のヌクレオチド配列に対して最少の相同性を有する。それにもかかわらず、コドンの使用の差異に起因して変化するポリヌクレオチド(例えば、ヒトおよび/または霊長類のコドンの選択のために最適化されたポリヌクレオチド)が、特に本発明により意図される。さらに、本明細書中に提供されるポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子は、本発明の範囲内である。対立遺伝子は、1つ以上の変異(例えば、ヌクレオチドの欠失、付加および/または置換)の結果として変更される内因性遺伝子である。生じたmRNAおよびタンパク質は、変更された構造または機能を有し得るが、必須ではない。対立遺伝子は、標準的な技術(例えば、ハイブリダイゼーション、増幅および/またはデータベース配列比較)を使用して同定され得る。
(ポリヌクレオチドの同定および特徴付け)
ポリヌクレオチドは、種々の十分に確立された技術のいずれかを使用して同定、調製および/または作製され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、以下により詳細に記載されるように、腫瘍関連発現(すなわち、本明細書中で提供される代表的なアッセイを使用して決定された、正常な組織における発現よりも少なくとも2倍多い、腫瘍における発現)についてのcDNAのマイクロアレイのスクリーニングによって、同定され得る。このようなスクリーニングは、例えば、Synteniマイクロアレイ(Palo Alto,CA)を使用し、製造業者の説明書に従って、(そして、本質的に、Schenaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:10614−10619(1996)およびHellerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:2150−2155(1997)に記載されるように)実施され得る。あるいは、ポリヌクレオチドを、本明細書中に記載されるタンパク質を発現する細胞(例えば、M.tuberculosis細胞)から調製されるcDNAから増幅し得る。このようなポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅され得る。このアプローチのために、配列特異的プライマーは、本明細書中に提供される配列に基づいて設計され得、そして購入され得るか、または合成され得る。
本発明のポリペプチドの増幅された部分は、周知技術を使用して適切なライブラリー(例えば、M.tuberculosis cDNAライブラリー)から、全長遺伝子を単離するために使用され得る。このような技術において、ライブラリー(cDNAまたはゲノム)は、増幅に適切な1以上のポリヌクレオチドプローブまたはポリヌクレオチドプライマーを使用してスクリーニングされる。好ましくは、ライブラリーは、より大きい分子を含むようにサイズ選択される。ランダムプライムライブラリーもまた、遺伝子の5’領域および上流領域を同定するために好ましくあり得る。ゲノムライブラリーは、イントロンおよび伸長5’配列を得るために好ましい。
ハイブリダイゼーション技術のために、部分配列が、周知技術を使用して標識され得る(例えば、32Pを用いるニックトランスレーションまたは末端標識によって)。次いで、細菌ライブラリーまたはバクテリオファージライブラリーは、一般に、変性させた細菌コロニーを含むフィルター(またはファージプラークを含む菌叢)にその標識プローブをハイブリダイズさせることによってスクリーニングされる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)を参照のこと)。ハイブリダイズしたコロニーまたはプラークは、選択および増殖され、そのDNAをさらなる分析のために単離する。cDNAクローンは、例えば、その部分配列由来のプライマーおよびベクター由来のプライマーを使用するPCRによって分析され、付加配列の量が決定され得る。制限地図および部分配列を作製し、1以上の重複クローンが同定され得る。次いで、完全配列は、標準的技術(これは、一連の欠失クローンの作製を含み得る)を使用して決定され得る。次いで、得られた重複配列を、単一の連続する配列にアセンブルする。全長cDNA分子を、周知技術を使用して、適切なフラグメントを連結することによって作製し得る。
あるいは、部分cDNA配列から全長コード配列を得るための、多くの増幅技術が存在する。このような技術において、増幅は、一般に、PCRを介して行われる。任意の種々の市販のキットを使用して、この増幅工程を行い得る。プライマーは、例えば、当該分野で周知のソフトウェアを使用して設計され得る。プライマーは、好ましくは、22〜30ヌクレオチド長であり、少なくとも50%のGC含量を有し、そして約68℃〜72℃の温度で標的配列にアニールする。この増幅された領域を、上記のように配列決定し得、そして重複配列を、連続する配列にアセンブルし得る。
1つのこのような増幅技術は、逆PCRである(Trigliaら、Nucl.Acids Res.16:8186(1988)を参照のこと)。逆PCRは、制限酵素を使用して、遺伝子の既知の領域にフラグメントを作製する。次いで、このフラグメントを、分子内連結によって環状化し、そしてこのフラグメントを、その既知領域由来の異なるプライマーを用いるPCRのテンプレートとして使用する。代替的アプローチにおいて、部分配列に隣接する配列を、リンカー配列に対するプライマーおよび既知領域に特異的なプライマーを用いる増幅によって、回収し得る。この増幅された配列を、代表的には、同じリンカープライマーおよび既知領域に特異的な第2のプライマーを用いる2回目の増幅に供する。この手順の変形型(これは、その既知配列から反対方向への伸長を開始する2つのプライマーを使用する)が、WO96/38591に記載される。別のこのような技術は、「cDNA末端の迅速増幅(rapid amplification of cDNA ends)」すなわちRACEとして公知である。この技術は、ポリA領域またはベクター配列とハイブリダイズする、内部プライマーおよび外部プライマーの使用を包含し、既知配列の5’側および3’側の配列を同定する。さらなる技術としては、捕捉PCR(Lagerstromら、PCR Methods Applic.1:111−19(1991))およびウォーキングPCR(Parkerら、Nucl.Acids.Res.19:3055−60(1991))が挙げられる。増幅を使用する他の方法もまた、全長cDNA配列を得るために使用され得る。
特定の例において、発現配列タグ(EST)データベース(例えば、Genbankから利用可能なデータベース)に提供された配列の分析によって全長cDNA配列を得ることが可能である。重複ESTについての検索は、一般に、周知のプログラム(例えば、NCBI BLAST検索)を使用して実施され得、そしてこのようなESTを使用して、連続した全長配列を製作し得る。全長DNA配列はまた、ゲノムフラグメントの分析によって得られ得る。
(宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現)
本発明の他の実施形態において、ポリヌクレオチド配列またはそのフラグメント(これは、本発明のポリペプチドをコードする)、あるいはその融合タンパク質または機能的均等物は、適切な宿主細胞におけるポリペプチドの発現を指向するために、組換えDNA分子中で使用され得る。遺伝コードの固有の縮重に起因して、実質的に同じかまたは機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列が産生され得、そしてこれらの配列は、所定のポリペプチドをクローン化および発現するために使用され得る。
当業者に理解されるように、いくつかの場合において、天然に存在しないコドンを保有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を産生することが有利であり得る。例えば、特定の原核生物または真核生物の宿主に好ましいコドンは、タンパク質発現の速度を増加するために選択され得るか、または所望される特性(例えば、天然に存在する配列から産生される転写物よりも長い半減期)を有する組換えRNA転写物を産生するために選択され得る。
さらに、本発明のポリヌクレオチド配列は、種々の理由のためにポリペプチドコード配列を変化(クローニング、プロセシング、および/または遺伝子産物の発現を改変する変化が挙げられるがこれらに限定されない)するために、当該分野で一般に公知の方法を使用して操作され得る。例えば、ランダム断片化によるDNAシャッフリング、ならびに遺伝子フラグメントおよび合成オリゴヌクレオチドのPCR再構築は、ヌクレオチド配列を操作するために使用され得る。さらに、部位特異的変異誘発は、新しい制限部位を挿入するため、グリコシル化パターンを変化するため、コドンの優先度を変化するため、スプライス改変体を生成するため、または変異を導入するためなどに使用され得る。
本発明の別の実施形態において、天然、改変、または組換え核酸配列は、融合タンパク質をコードするために異種配列に連結され得る。例えば、ポリペプチド活性のインヒビターについてペプチドライブラリーをスクリーニングするために、市販の抗体によって認識され得るキメラタンパク質をコードすることが有用であり得る。融合タンパク質はまた、ポリペプチドコード配列と異種タンパク質配列との間に位置する切断部位を含むように操作され得、その結果、ポリペプチドは切断され得、そして異種部分から精製され得る。
所望のポリペプチドをコードする配列は、全体的または部分的に、当該分野で周知の化学的方法を使用して合成され得る(Caruthers,M.H.ら,Nucl.Acids Res.Symp.Ser.215−223頁(1980),Hornら,Nucl.Acids Res.Symp.Ser.225−232頁(1980)を参照のこと)。あるいは、このタンパク質自身は、ポリペプチドのアミノ酸配列、またはその部分を合成するために、化学的方法を使用して生成され得る。例えば、ペプチド合成は、種々の固相技術を使用して行われ得(Robergeら,Science 269:202−204(1995))、そして自動合成は、例えば、ABI 431Aペプチド合成機(Perkin Elmer,Palo Alto,CA)を使用して達成され得る。
新しく合成されるペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィー(例えば、Creighton,Proteins,Structures and Molecular Principles(1983))または当該分野で利用可能な他の匹敵する技術によって実質的に精製され得る。この合成ペプチドの組成は、アミノ酸分析または配列決定(例えば、エドマン分解手順)によって確認され得る。さらに、ポリペプチドのアミノ酸配列またはその任意の部分は、直接合成の間に変化し得、そして/または、他のタンパク質に由来する配列もしくはその任意の部分を用いる化学的方法を使用して結合して、改変体ポリペプチドを生成し得る。
所望のポリペプチドを発現するために、このポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはその機能的均等物は、適切な発現ベクター(すなわち、挿入されるコード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含むベクター)に挿入され得る。当業者に周知の方法は、目的のポリペプチドをコードする配列、および適切な転写制御エレメントおよび翻訳制御エレメントを含む発現ベクターを構築するために使用され得る。これらの方法としては、インビトロ組換えDNA技術、合成技術、およびインビボ遺伝子組換えが挙げられる。このような技術は、Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(1989)、およびAusubelら,Current Protocols in Molecular Biology(1989)に記載される。
種々の発現ベクター/宿主系が、ポリヌクレオチド配列を含み、そして発現するために利用され得る。これらとしては、微生物(例えば、組換えバクテリオファージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌);酵母発現ベクターで形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;ウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス,CaMV;タバコモザイクウイルス,TMV)または細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)で形質転換され植物細胞系;あるいは動物細胞系が挙げられるがこれらに限定されない。
発現ベクター中に存在する「制御エレメント」または「調節配列」は、ベクターの非翻訳領域−−エンハンサー、プロモーター、5’および3’非翻訳領域−−であり、これは宿主細胞タンパク質と相互作用して、転写および翻訳を行う。このようなエレメントは、その長さおよび特異性が変化し得る。用いられるベクター系および宿主に依存して、任意数の適切な転写および翻訳エレメント(構造的プロモーターおよび誘導性プロモーターを含む)が使用され得る。例えば、細菌系におけるクローニングの場合、誘導性プロモーター(例えば、PBLUESCRIPTファージミド(Stratagene,La Jolla,Calif.)またはPSPORT1プラスミド(Gibco BRL,Gaithersburg,MD)のハイブリッドlacZプロモーターなど)が使用され得る。哺乳動物細胞系において、哺乳動物遺伝子由来または哺乳動物ウイルス由来のプロモーターが一般に好ましい。ポリペプチドをコードする配列の複数のコピーを含む細胞株の産生が必要な場合、SV40またはEBVベースのベクターは、適切な選択マーカーを用いて有利に使用され得る。
細菌系において、多くの発現ベクターが、発現されるポリペプチドについて意図される使用に依存して選択され得る。例えば、大きな量が必要とされる場合(例えば、抗体の誘導のために)、容易に精製される融合タンパク質の高レベルの発現を指向するベクターが使用され得る。このようなベクターとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:多機能のE.coliクローニングベクターおよび発現ベクター(例えば、BLUESCRIPT(Stratagene))ここで、目的のポリペプチドをコードする配列が、β−ガラクトシダーゼのアミノ末端Metおよび続く7残基についての配列とインフレームでベクターに連結され得、その結果、ハイブリッドタンパク質が産生される;pINベクター(Van Heeke & Schuster,J.Biol.Chem.264:5503−5509(1989))など。pGEXベクター(Promega,Madison,Wis.)もまた、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現するために使用され得る。一般に、このような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン−アガロースビーズへの吸着、続いて遊離グルタチオンの存在下での溶出によって溶解細胞から容易に精製され得る。このような系で作製されたタンパク質は、へパリン、トロンビン、または第XA因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計され得、その結果、目的のクローニングされたポリペプチドが、GST部分から自由に放出され得る。
酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター(例えば、α因子、アルコールオキシダーゼおよびPGHなど)を含む多くのベクターが、使用され得る。総説については、Ausubelら(前出)およびGrantら,Method Enzymol.153:516−544(1987)を参照のこと。
植物発現ベクターが使用される場合において、ポリペプチドをコードする配列の発現は、多くのプロモーターのいずれかによって駆動され得る。例えば、ウイルスプロモーター(例えば、CaMVの35Sおよび19Sプロモーター)が、単独であるいはTMV由来のωリーダー配列と組合せて使用され得る(Takamatsu,EMBO J.6:307−311(1987))。あるいは、植物プロモーター(例えば、RUBISCOの小分子サブユニット)または熱ショックプロモーターが使用され得る(Coruzziら,EMBO J.3:1671−1680(1984);Broglieら,Science 224:838−843(1984);およびWinterら,Results Probl.Cell Differ.17:85−105(1991))。これらの構築物は、直接的なDNA形質転換または病原体媒介トランスフェクションによって植物細胞に導入され得る。このような技術は、多くの一般的に入手可能な総説に記載されている(例えば、Hobbs,McGraw Hill Yearbook of Science and Technology 191−196(1992)を参照のこと)。
昆虫系もまた、目的のポリペプチドを発現するために使用され得る。例えば、1つのこのような系において、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)が、Spodoptera frugiperda細胞またはTrichoplusia larvaeにおいて外来遺伝子を発現するためのベクターとして使用される。このポリペプドをコードする配列は、ウイルス(ポリへドリン遺伝子)の必須でない領域にクローニングされ得、そしてポリへドリンプロモーターの制御下に置かれる。ポリペプチドコード配列の首尾よい挿入は、ポリへドリン遺伝子を不活性にし、そしてコートタンパク質を欠く組み換えウイルスを産生する。これらの組換えウイルスは、例えば、目的のポリペプチドが発現され得るS.frugiperda細胞またはTrichoplusia larvaeを感染するために使用され得る(Engelhardら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91:3224−3227(1994))。
哺乳動物宿主細胞において、多くのウイルスベースの発現系が、一般に利用可能である。例えば、アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合において、目的のポリペプチドをコードする配列は、アデノウイルス転写/翻訳複合体に連結され得、この複合体は、後期プロモーターおよび3つの部分からなるリーダー配列からなる。ウイルスゲノムの必須でないE1またはE3領域における挿入は、感染された宿主細胞においてこのポリペプチドを発現し得る生存可能なウイルスを得るために使用され得る(Logan & Shenk,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 81:3655−3659(1984))。さらに、転写エンハンサー(例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサー)が、哺乳動物宿主細胞における発現を増加させるために使用され得る。
特定の開始シグナルもまた、目的のポリペプチドをコードする配列のより効率的な翻訳を達成するために使用され得る。このようなシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。このポリペプチドをコードする配列、その開始コドン、および上流配列が、適切な発現ベクターに挿入される場合において、さらなる転写または翻訳制御シグナルが、必要とされることはないであろう。しかし、コード配列のみ、またはその一部が挿入される場合、ATG翻訳開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルが提供されるべきである。さらに、この開始コドンは、全挿入物の翻訳を確実にするために、正確なリーディングフレーム内にあるべきである。外因性翻訳エレメントおよび開始コドンは、種々の起源(天然および合成の両方)であり得る。発現の効率は、使用される特定の細胞系に適切なエンハンサーの包含によって増強され得、特定の細胞系は、文献(Scharfら,Results Probl.Cell Differ.20:125−162(1994))に記載されている。
さらに、宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節するその能力または所望の様式で発現タンパク質を操作するその能力について、選択され得る。ポリペプチドのこのような改変は、以下を含むがこれらに限定されない:アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、ホスホリル化、脂質化(lipidation)およびアシル化。翻訳後プロセシング(これは、タンパク質の「プレプロ」形態を切断する)はまた、正確な挿入、折り畳みおよび/または働きを容易にするために、使用され得る。異なる宿主細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、HEK293およびWI38)(これらは、このような翻訳後活性について特異的な細胞性の機械的機構および特徴的な機構を有する)は、外来タンパク質の正確な改変およびプロセシングを確実にするために選択され得る。
組換えタンパク質の長期にわたる高収量産生のために、安定な発現が一般に好ましい。例えば、目的のポリヌクレオチドを安定に発現する細胞株は、発現ベクターを使用して形質転換され得、この発現ベクターは、ウイルス複製起点および/または内因性発現エレメントおよび同じまたは異なるベクター上に選択マーカー遺伝子を含み得る。ベクターの導入に続いて、細胞は、それらが選択培地にスイッチされる前に、富化培地で1〜2日増殖され得る。選択マーカーの目的は、選択に対する耐性を与えることであり、そしてその存在は、導入された配列を首尾よく発現する細胞の増殖および回収を可能にする。安定に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞型に適切な組織培養技術を使用して増殖され得る。
かなりの数の選択系が、形質転換された細胞株を回収するために使用され得る。これらは、以下を含むが、これらに限定されない:単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら,Cell 11:223−32(1977))およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら,Cell 22:817−23(1990))遺伝子(これらは、それぞれ、tk.sup.−またはaprt.sup.−細胞において使用され得る)。また、代謝拮抗物質、抗生物質または除草剤耐性が、選択の基準として使用され得る;例えば、dhfr(これは、メトトレキセートに対する耐性を与える)(Wiglerら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.77:3567−70(1980));npt(これは、アミノグリコシド、ネオマイシンおよびG−418に対する耐性を与える)(Colbere−Garapinら,J.Mol.Biol.150:1−14(1981));およびalsまたはpat(これらは、それぞれ、クロスルフロンおよびホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼに対する耐性を与える)(Murry,前出)。例えば、以下のようなさらなる選択遺伝子が記述されている:trpB(これは、細胞が、トリプトファンの代わりにインドールを使用することを可能にする)またはhisD(これは、細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノールを利用することを可能にする)(Hartman & Mulligan,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:8047−51(1988))。最近、可視マーカーの使用は、一般的であり、アントシアニン、β−グルクロニダーゼおよびその基質GUS、ならびにルシフェラーゼおよびその基質ルシフェリンのようなマーカーが、形質転換体を同定するのみでなく、特定のベクター系に寄与可能な一過性または安定なタンパク質発現の量を定量するためにも広く使用される(Rhodesら,Methods Mol.Biol.55:121−131(1995))。
マーカー遺伝子発現の存在/非存在は、目的の遺伝子がまた存在することを示唆するが、その存在および発現は、確認されることを必要とし得る。例えば、ポリペプチドをコードする配列が、マーカー遺伝子配列内に挿入される場合、配列を含む組換え細胞が、マーカー遺伝子機能の非存在によって同定され得る。あるいは、マーカー遺伝子は、単一プロモーターの制御下でポリペプチドをコードする配列とタンデムで配置され得る。誘導または選択への応答におけるマーカー遺伝子の発現は、同様に、通常、タンデム遺伝子の発現を示す。
あるいは、所望のポリヌクレオチド配列を含みそして発現する宿主細胞は、当業者に公知の種々の手順によって同定され得る。これらの手順は、以下を含むが、これらに限定されない:DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーションおよびタンパク質バイオアッセイまたは免疫アッセイ技術(これらは、核酸またはタンパク質の検出および/または定量化のための膜、溶液またはチップに基づく技術を含む)。
産物に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを使用する、ポリヌクレオチドをコードした産物の発現を検出および測定するための種々のプロトコルが、当該分野で公知である。例としては、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、および蛍光細胞分析分離法(FACS)が挙げられる。所定のポリペプチド上の2つの非干渉エピトープに反応性であるモノクローナル抗体を利用する2つの部位のモノクローナルベースのイムノアッセイがいくつかの適用に好ましくあり得るが、競合結合アッセイもまた使用され得る。これらおよび他のアッセイは、とりわけ、Hamptonら、Serological Methods,a Laboratory Manual(1990)およびMaddoxら,J.Exp.Med.158:11211−1216(1983)に記載される。
広範な種々の標識および結合技術が、当業者に公知であり、そして種々の核酸およびアミノ酸アッセイにおいて使用され得る。ポリヌクレオチドに関連した配列を検出するための標識されたハイブリダイゼーションプローブまたはPCRプローブを生成するための手段は、標識されたヌクレオチドを使用するオリゴ標識化、ニックトランスレーション、末端標識またはPCR増幅を含む。あるいは、配列またはその任意の部分は、mRNAプローブの産生のためにベクターにクローニングされ得る。このようなベクターは、当該分野で公知であり、市販され、そして適切なRNAポリメラーゼ(例えば、T7、T3またはSP6)および標識されたヌクレオチドの添加によって、インビトロでRNAプローブを合成するために使用され得る。これらの手順は、種々の市販のキットを使用して実施され得る。使用され得る適切なレポーター分子または標識は、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、または色素剤ならびに基質、共因子、インヒビター磁気粒子などを含む。
目的のポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、タンパク質の発現および細胞培養物からのタンパク質の回収のために適した条件下で培養され得る。組換え細胞によって産生されたタンパク質は、使用される配列および/またはベクターに依存して、細胞内で分泌され得るか、または得られ得る。当業者に理解されるように、本発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、原核生物細胞膜または真核生物細胞膜を介するコードされたポリペプチドの分泌を指向するシグナル配列を含むように設計され得る。他の組換え構築物は、目的のポリペプチドをコードする配列を、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列に連結するために使用され得る。このような精製が容易なドメインは、金属キレートペプチド(例えば、固定化された金属上での精製を可能にするヒスヒジン−トリプトファンモジュール)、プロテインAドメイン(これは、固定化された免疫グロブリン上での精製を可能にする)、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immunex Corp.,Seattle,Wash.)において使用されるドメインを含むが、これらに限定されない。精製ドメインとコードされたポリペプチドとの間のFactor 第XA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen.San Diego,Calif.)に特異的な配列のような切断可能なリンカー配列の包含が、精製を容易にするために使用され得る。1つのこのような発現ベクターは、目的のポリペプチドおよびチオレドキシンまたはエンテロキナーゼ切断部位に先行する6個のヒスチジン残基をコードする核酸を含む融合タンパク質の発現を提供する。Porathら,Prot.Exp.Purif.3:263−281(1992)に記載されるように、これらのヒスチジン残基は、IMIAC上での精製(固定化された金属イオンアフィニティークロマトグラフィー)を容易にするが、エンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質から所望のポリペプチドを精製するための手段を提供する。融合タンパク質を含むベクターの議論は、Krollら,DNA Cell Biol.12:441−453(1993)に提供される。
組換え産生方法に加えて、本発明のポリペプチド、およびそのフラグメントは、固相技術を使用する直接的なペプチド合成によって産生され得る(Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2154(1963))。タンパク質合成は、手動技術を使用してまたは自動化によって実施され得る。自動化合成は、例えば、Applied Biosystems 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を使用して達成され得る。あるいは、種々のフラグメントが、個別に化学合成され、そして化学的な方法を使用して合されて、全長分子を生成し得る。
(インビボにおけるポリヌクレオチド送達技術)
さらなる実施形態において、1つ以上の本発明のポリヌクレオチドを含む遺伝子構築物が、インビボにおいて細胞に導入される。これは、様々なアプローチまたは周知のアプローチ(これらのいくつかは、例示の目的で以下に示される)のいずれかを使用して達成され得る。
(1.アデノウイルス)
1つ以上の核酸配列のインビボ送達のための好ましい方法の一つは、アデノウイルス発現ベクターの使用を包含する。「アデノウイルス発現ベクター」は、(a)この構築物のパッケージングを支持し、そして(b)センス配向またはアンチセンス配向でそこにクローン化されたポリヌクレオチドを発現するのに十分なアデノウイルス配列を含む構築物を含むことを意味する。もちろん、アンチセンス構築物の場合において、発現は、遺伝子産物が合成されることを必要としない。
発現ベクターは、遺伝子操作した形態のアデノウイルスを含む。アデノウイルス(36kb、線状の二本鎖DNAウイルス)の遺伝子構築の知識により、7kbまでの異種配列を有する大きな断片のアデノウイルスのDNA置換が可能となる(Grunhaus & Horwitz、1992)。レトロウイルスとは対照的に、宿主細胞のアデノウイルス感染は、染色体組込みを生じない。なぜなら、アデノウイルスDNAは、強力な遺伝子毒性を伴わないエピソーム様式で複製され得るからである。また、アデノウイルスは、構造的に安定であり、そしてゲノム再配列は広範な複製後には検出されなかった。アデノウイルスは、それらの細胞周期段階に関係なく、実質的に全ての上皮細胞に感染し得る。これまでは、アデノウイルス感染は、ヒトにおける急性呼吸器疾患のような軽度の疾患のみに関連するようである。
アデノウイルスは、その中間のサイズのゲノム、操作の容易さ、高い力価、広い標的細胞範囲、および高い感染力のため、遺伝子伝達ベクターとして使用するために特に適切である。ウイルスゲノムの両端は、100〜200塩基対の逆方向反復(ITR)を含み、これはウイルスDNAの複製およびパッケージングのために必要なシスエレメントである。ゲノムの早期(E)および後期(L)領域は、ウイルスDNA複製の開始によって分裂される異なる転写単位を含む。E1領域(E1AおよびE1B)は、ウイルスゲノムおよびわずかな細胞遺伝子の転写の制御の原因であるタンパク質をコードする。E2領域(E2AおよびE2B)の発現は、ウイルスDNA複製のためのタンパク質の合成を導く。これらのタンパク質は、DNA複製、後期遺伝子発現、および宿主遮断に関与する(Renan,1990)。後期遺伝子の産物(大多数のウイルスカプシドタンパク質を含む)は、主な後期プロモーター(MLP)により起こる単一の一次転写物の有意なプロセシングの後のみに発現される。MLP(16.8m.u.に位置する)は、感染の後期の間に特に効率的であり、そしてこのプロモーターから生じる全てのmRNAは、それらを翻訳のために好ましいmRNAにする5’−三分裂リーダー(5’−tripartite leader)(TPL)配列を有する。
現存のシステムにおいて、組換えアデノウイルスは、シャトルベクターとプロウイルスベクターとの間の相同性組換えによって生成される。2つのプロウイルスベクターの間の可能な組換えに起因して、野生型アデノウイルスはこのプロセスから生成され得る。従って、ウイルスの単一のクローンを、個々のプラークから単離し、そしてそのゲノム構造を試験することが重要である。
現存のアデノウイルスベクター(これは、複製欠失性である)の生成および増殖は、特有のへルーパー細胞株(これは、293と命名され、Ad5 DNAフラグメントによってヒト胚腎細胞から形質転換され、そしてE1タンパク質を構成的に発現する)に依存する(Grahamら、1977)。E3領域は、アデノウイルスゲノムには必要ではないため(JonesおよびShenk,1978)、現存のアデノウイルスベクターは、293細胞の助けをかりて、異種DNAをE1、D3、またはその両方の領域のいずれかに運搬する(GraharmおよびPrevec、1991)。天然では、アデノウイルスは、野生型ゲノムの約105%をパッケージングし(Ghosh−Choudhuryら、1987)、DNAの約2kBを越えるDNAの容量を提供し得る。E1およびE3領域において複製可能な約5.5kBのDNAと組み合わせると、現存のアデノウイルスベクターの最大容量は、7.5kBより下であるか、またはベクターの全長の約15%である。80%を越えるアデノウイルスウイルスゲノムは、ベクター骨格中にとどまり、そしてベクターにより運ばれた細胞傷害性の供給源である。また、E1欠失ウイルスの複製欠失は不完全である。例えば、ウイルス遺伝子発現の漏出は、高い感染効率(MOI)で、現在利用可能なベクターを用いて観察された(Mulligan,1993)。
ヘルパー細胞株は、ヒト細胞(例えば、ヒト肺腎細胞、筋肉細胞、造血細胞または他のヒト胚間葉細胞もしくは上皮細胞)由来であり得る。あるいは、ヘルパー細胞は、ヒトアデノウイルスに対して許容性の他の哺乳動物種の細胞由来であり得る。このような細胞としては、Vero細胞、または他のサル胚間葉細胞もしくは上皮細胞が挙げられる。上記のように、現存の好ましいヘルパー細胞株は293である。
最近、Racherら(1995)は、293細胞を培養しそしてアデノウイルスを増殖するための改良された方法を開示した。1つの様式において、天然の細胞凝集物を、100〜200mlの培養液を含む1リットルのシリコン処理したスピナーフラスコ(Techne,Cambridge,UK)に個々の細胞を播種することによって増殖した。40rpmで撹拌した後、細胞生存度を、トリパンブルーを用いて推定した。別の様式において、Fibra−Celマイクロキャリア(Bibby Sterlin,Stone,UK)(5g/l)を以下のように使用した。5mlの培養液に再懸濁した細胞播種物を、250mlのエルレンマイヤーフラスコ中のキャリア(50ml)に添加し、そして時折撹拌しながら、1〜4時間静置した。この培養物を、次いで、50mlの新鮮培地に入れ、そして撹拌を開始した。ウイルス産生のために、細胞を約80%の集密度まで増殖し、その後この培地を(最終容量の25%または約まで)置換し、そしてアデノウイルスを0.05のMOIで添加した。培地を一晩静止し、その後この容量を100%まで増やし、そしてさらに72時間の振盪を開始した。
アデノウイルスベクターが複製欠失であるか、または少なくとも条件付きで欠失であるという要件以外、アデノウイルスベクターの特徴は本発明の首尾良い実施に対して重要ではないと考えられる。アデノウイルスは、42個の異なる既知の血清型またはサブグループA〜Fのいずれかを有し得る。サブグループCの5型アデノウイルスは、本発明において使用するための条件的複製欠失アデノウイルスベクターを得るための好ましい出発物質である。なぜなら、5型アデノウイルスは、多くの生化学的情報および遺伝的情報が知られているヒトアデノウイルスであり、そしてこれはアデノウイルスをベクターとして使用するほとんどの構築のために歴史的に使用されているからである。
上記のように、本発明に従う典型的なベクターは、複製欠失であり、そしてアデノウイルスE1領域を有さない。従って、E1コード配列が除去される位置において目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチドを導入することが最も簡便である。しかし、アデノウイルス配列内のこの構築物の挿入位置は、本発明に重要ではない。目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチドはまた、Karlssonら(1986)に記載されるように、E3置換ベクター中の欠失E3領域の変わりに挿入され得るか、またはヘルパー細胞株またはヘルパーウイルスがE4欠失を補完するE4領域に挿入される。
アデノウイルスは、増殖および操作し易く、そしてインビトロおよびインビボにおける広範な宿主範囲を示す。この群のウイルスは、高力価(例えば、1mlあたり10〜1011プラーク形成単位)で得られ得、そしてこれらは高い感染力である。アデノウイルスのライフサイクルは、宿主細胞ゲノムへの組み込みを必要としない。アデノウイルスベクターによって送達される異種遺伝子はエピソーム性であり、従って、宿主細胞に対して低い遺伝子毒性を有する。副作用は野生型アデノウイルスを用いるワクチン接種の研究において報告されず(Couchら、1963;Topら、1971)、それらの安全性およびインビボ遺伝子伝達ベクターとしての治療的可能性を示す。
アデノウイルスベクターは、真核生物遺伝子発現(Levreroら、1991;Gomex−Foixら、1992)、およびワクチン開発(GrunhausおよびHorwitz、1992;GrahamおよびPrevec、1992)において使用されてきた。最近、動物研究により、組換えアデノウイルスは、遺伝子治療のために使用され得ることが示唆された(Gtratford−PerricaudetおよびPerricaudet、1991;Stratford−Perricaudetら、1990;Richら、1993)。組換えアデノウイルスを異なる組織に投与する研究は、気管注入(Rosenfeldら、1991;Rosenfieldら、1992)、筋肉注射(Ragotら、1993)、末梢静脈注射(HerzおよびGerard、1993)、および脳への定位接種(Le Gal La Salleら、1993)を含む。
(2.レトロウイルス)
レトロウイルスは、逆転写のプロセスによって、感染細胞においてそれらのRNAを二本鎖DNAに変換する能力によって特徴付けられる群の二本鎖RNAウイルスである(Coffin、1990)。次いで、得られたDNAは、細胞の染色体にプロウイルスとして安定に組込み、そしてウイルスタンパク質の合成を指向する。この組込みは、レシピエントの細胞およびその子孫におけるウイルス遺伝子配列の保持を生じる。レトロウイルスゲノムは、3つの遺伝子(gag、pol、およびenv)を含み、これらはそれぞれ、カプシドタンパク質、ポリメラーゼ酵素およびエンベロープ成分をコードする。gag遺伝子から上流に見出される配列は、ゲノムのウイルスへのパッケージングのためのシグナルを含む。2つの長末端反復(LTR)配列は、ウイルスゲノムの5’および3’末端に存在する。これらは、強力なプロモーターおよびエンハンサー配列を含み、そしてまた、宿主細胞ゲノムへの組込みのために必要とされる(Coffin、1990)。
レトロウイルスベクターを構築するために、本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列をコードする核酸が、複製欠失のウイルスを産生するために、特定のウイルス配列のかわりにウイルスゲノムに挿入される。ビリオンを産生するために、gag、polおよびenvを含むがLTRおよびパッケージング成分を含まないパッケージング細胞株が構築される(Mannら、1983)。cDNAを含む組換えプラスミドが、レトロウイルスLTRおよびパッケージング配列と共にこの細胞株に導入される場合(例えば、リン酸カルシウム沈降によって)、パッケージング配列により、組換えプラスミドのRNA転写物はウイルス粒子にパッケージングされ得、これは次いで、培地に分泌される(NicolasおよびRubenstein、1988;Temin、1986;Marunら、1983)。次いで、組換えレトロウイルスを含む培地を収集し、必要に応じて濃縮し、そして遺伝子伝達のために使用する。レトロウイルスベクターは、広範な様々な細胞型を感染し得る。しかし、組込みおよび安定な発現は、宿主細胞の分裂を必要とする(Paskindら、1975)。
レトロウイルスベクターの特異的ターゲッティングを可能にするように設計された新規のアプローチは、最近、ウイルスエンベロープにラクトース残基を化学的に付加することによるレトロウイルスの化学修飾に基づいて開発された。この修飾は、シアログリコタンパク質レセプターを介する肝細胞の特異的感染を可能にし得る。
組換えレトロウイルスのターゲッティングのための異なるアプローチが設計され、ここでレトロウイルスエンベロープタンパク質および特異的細胞レセプターに対するビオチン化抗体が使用された。これらの抗体は、ストレプトアビジンを使用することによってビオチン成分を介して連結された(Rouxら、1989)。主な組織適合性結合体クラスIおよびクラスII抗体に対する抗体を使用して、これらはインビトロにおいてエコトロピックウイルスで表面抗原に穴を開ける様々なヒト細胞の感染を示した(Rouxら、1989)。
(3.アデノ随伴ウイルス)
AAV(Ridgeway、1988;HermonatおよびMuzycska、1984)は、アデノウイルス株の混入物として発見されたパルボウイルスである。これはいずれの疾患にも関連しない偏在性ウイルス(抗体は、USヒト集団の85%に存在する)である。これはまた、デペンドウイルスとして分類される。なぜなら、この複製物は、アデノウイルスのようなヘルパーウイルスの存在に依存するからである。5個の血清型が単離され、このうちAAV−2は最もよく特徴付けされる。AAVは、カプシドタンパク質であるVP1、VP2およびVP3にカプシド形成された一本差の線状DNAを有し、20〜24nmの直径の正二十面体ビリオンを形成する(MuzyczkaおよびMcLaughlin、1988)。
AAV DNAは、約4.7キロ塩基長である。これは2つのオープンリーディングフレームを含み、そして2つのITRにより隣接される。2つの主な遺伝子(repおよびcap)がAAVゲノム中に存在する。rep遺伝子は、ウイルス複製の原因となるタンパク質についてコードし、一方capは、カプシドタンパク質VP1〜3についてコードする。各ITRは、T型ヘアピン構造を形成する。これらの末端反復は、染色体組込みのためのAAVの必須シス成分のみである。従って、AAVは、送達のための遺伝子のカセットによって除去および置換される全てのウイルスコード配列を有するベクターとして使用され得る。3つのウイルスプロモーターが同定され、そしてそれらのマップ位置に従って、p5、p19およびp40と命名された。p5およびp19からの転写は、repタンパク質の産生を生じ、そしてp40からの転写は、カプシドタンパク質を産生する(HermonatおよびMuzyczka、1984)。
発現ベクターとしてrAAVを使用する可能性を研究するように研究者を促すいくつかの因子が存在する。1つは、遺伝子を送達して宿主染色体に組込むための要件が驚くほど少ないことである。これは、145bpのITR(これは、AAVゲノムのたった6%である)を有することが必要である。これは、ベクターにおいて4.5kbのDNA挿入物を構築する余地がある。この運搬能力は、AAVが大きな遺伝子を送達することを妨げ得るが、これは本発明のアンチセンス構築物を送達するために十分適切である。
AAVはまた、その安全性に起因して送達ベシクルの良好な選択肢である。比較的複雑な救出メカニズムが存在する。野生型アデノウイルスだけでなくAAV遺伝子がrAAVを動員するために必要とされる。同様に、AAVは病原性ではなく、いずれの疾患にも関連しない。ウイルスコード配列の除去は、ウイルス遺伝子発現に対する免疫反応を最小にし、従ってrAAVは、炎症性応答を誘起しない。
(4.発現構築物としての他のウイルスベクター)
本発明において、他のウイルスベクターは、宿主細胞へのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の送達のための発現構築物として利用され得る。痘疹ウイルス(Ridgeway、1988;Couparら、1988)、レンチウイルス、ポリオウイルスおよびヘルペスウイルスのようなウイルスに由来するベクターが利用され得る。これらは、種々の哺乳動物細胞に対していくつかの魅力的な特性を提供する(Friedmann、1989;Ridgeway、1988;Couparら、1988;Horwichら、1990)。
欠損B型肝炎ウイルスの最近の認識によって、異なるウイルス配列の構造と機能の関係に対して新しい見識が得られた。インビトロ研究は、ウイルスは、そのゲノムの80%に至る欠失にもかかわらず、ヘルパー依存性(helper−dependent)パッケージングおよび逆方向転写のための能力を保持し得ることを示した(Haorwichら、1990)。これは、大部分のゲノムは、外来の遺伝的材料によって置換され得ることを示唆した。肝臓向性(hepatotropism)および存続性(組込み)は、肝臓に方向付けられた遺伝子転移にとって特に魅力的な特性である。Changら(1991)は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を、ポリメラーゼ、表面、および前表面(pre−surface)をコードする配列のかわりに、カモのB型肝炎ウイルスゲノムへ導入した。この遺伝子は、野生型ウイルスと共に、鳥類のヘパトーム細胞株へと同時トランスフェクトされた。高力価の組換えウイルスを含む細胞培地を使用して、子ガモの初代肝細胞を感染させた。安定なCAT遺伝子発現は、トランスフェクション後少なくとも24日の間検出された(Changら、1991)。
(5.ウイルスを含まないベクター)
本発明のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を発現させるために、発現構築物は細胞へ送達されねばならない。この送達は、インビトロで、細胞株を形質転換するための研究室の手順におけるように、あるいは、インビボまたはエキソビボで、ある疾患の状態の処置におけるように、達成され得る。上に記載されるように、1つの送達のための好ましい機構は、発現構築物が感染ウイルス粒子の中に封入されたウイルス感染を介する。
一旦他の発現構築物が細胞内に送達された場合、所望のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列をコードする核酸は、異なる部位に配置され、そして発現し得る。特定の実施形態において、この構築物をコードする核酸は、細胞のゲノムの中へ安定に組み込まれ得る。この組込みは、相同の組換えによって特定の配置および配向にあり得る(遺伝子置換)か、またはこれは、無作為な、特定されない位置に組み込まれ得る(遺伝子増強)。なおさらなる実施形態において、核酸は、DNAの別のエピソーム部分として、細胞内に安定に保持され得る。このような核酸部分または「エピソーム」は、宿主の細胞周期から独立または同調して、保持および複製を可能とするのに十分な配列をコードする。発現構築物がどのように細胞に送達されるか、および細胞のどこに核酸が留まるかは、利用される発現構築物の型に依存する。
本発明の特定の実施形態において、1以上のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を含む発現構築物は、単に、裸の組換えDNAまたはプラスミドからなり得る。この構築物の転移は、細胞膜を物理的または化学的に透過させる、上記の任意の方法によって行われ得る。これは、特にインビトロでの転移に対して利用可能であるが、これはまたインビボでの使用にも適用され得る。Dubenskyら(1984)は、成体および新生児のマウスの肝臓および脾臓へリン酸カルシウム沈降物の形態で、ポリオーマウイルスDNAを首尾よく注入し、このマウスは、活発なウイルス複製および急性感染を示した。BenvenistyおよびReshef(1986)らはまた、サルチル酸カルシウムを沈降させたプラスミドの直接の腹腔内注射は、トランスフェクトした遺伝子の発現を引き起こすことを示した。目的の遺伝子をコードするDNAはまた、インビトロで同様の形式で転移され、そして遺伝子産物を発現することが想像される。
裸のDNA発現構築物を細胞へ転移するための本発明の別の実施形態は、粒子のボンバードメントを含み得る。この方法は、DNAでコートされた微小発射体が細胞膜を貫通し、そして細胞を殺傷することなく細胞内へ入ることを可能とする高い速度まで、微小発射体を加速する能力に依存する(Kleinら、1987)。小さな粒子を加速するためのいくつかのデバイスが開発されている。このようなデバイスの1つは、電流を発生させるための高い電圧の放電に依存し、この電流は、代わりに、輸送力を提供する(Yangら、1990)。使用された微小発射体は、タングステンまたは金のビーズのような生物学的に不活性な物質から構成された。
ラットおよびマウスの肝臓、皮膚ならびに筋肉組織を含む選択された器官は、インビボでボンバードされた(Yangら、1990;Zeleninら、1991)。これは、銃と標的器官との間のあらゆる介在組織を排除するために、組織または細胞の外科的露出を必要とし得る(すなわち、エキソビボ処置)。再び、特定の遺伝子をコードするDNAは、この方法によって送達され得、そして依然として本発明によって組み込まれ得る。
(ポリペプチド組成物)
本発明は、他の局面において、ポリペプチド組成物を提供する。一般に、本発明ポリペプチドは、哺乳動物種に由来する単離されたポリペプチド(あるいは、エピトープ、変異体またはそれらの活性なフラグメント)である。好ましくは、ポリペプチドは、本明細書中で開示されるポリヌクレオチド配列、または中程度にストリンジェントな条件下で、本明細書中で開示されるポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする配列によってコードされる。あるいは、ポリペプチドは、本明細書中で開示されるアミノ酸配列由来の連続したアミノ酸配列を含むか、または本明細書中で開示されるアミノ酸配列全体を含むポリペプチドとして規定され得る。
免疫原性部分は、一般に、周知の技術(例えば、Paul、Fundamental Immunology、第3版、243−247(1993)およびその中で引用される参考文献に概説される技術)を用いて同定され得る。このような技術としては、抗原特異的抗体、抗血清および/またはT細胞株もしくはクローンと反応する能力についてのポリペプチドのスクリーニングが挙げられる。本明細書中で使用される場合、抗血清および抗体は、抗原に特異的に結合する(すなわち、これらが、ELISAまたは他の免疫アッセイにおいてタンパク質と反応し、そして関連しないタンパク質と検出可能に反応しない)場合、「抗原特異的」である。このような抗血清および抗体は、本明細書中に記載されるように、そして周知の技術を用いて調製され得る。Mycobacterium sp.タンパク質の免疫原性部分は、全長ポリペプチドの反応性より実質的に勝るとも劣らないレベルで、(例えば、ELISAおよび/またはT細胞反応アッセイにおいて)このような抗血清および/またはT細胞と反応する部分である。このような免疫原性部分は、全長のポリペプチドの反応性と類似の、またはそれより高いレベルで、このようなアッセイ内で反応し得る。このようなスクリーニングは、一般に、当業者に周知の方法(例えば、HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual(1988)に記載される方法)を用いて実施され得る。例えば、ポリペプチドは、固体支持体に固定され、そして患者の血清と接触され、固定されたポリペプチドへの血清内での抗体の結合を可能とし得る。次いで、結合しない血清は、除去され、そして結合した抗体は、例えば、125I標識されたプロテインAを用いて検出され得る。
ポリペプチドは、任意の種々の周知の技術を用いて調製され得る。上記のようにDNA配列によってコードされる組換えポリペプチドは、当業者に公知の任意の種々の発現ベクターを用いて、DNA配列から容易に調整され得る。発現は、組換えポリペプチドをコードするDNA分子を含む発現ベクターで形質転換されるかまたはトランスフェクトされた任意の適切な宿主細胞において達成され得る。適切な宿主細胞としては、原核生物、酵母および高等真核細胞(例えば、哺乳動物細胞または植物細胞)が挙げられる。好ましくは、使用される宿主細胞は、E.coli、酵母あるいは哺乳動物細胞株(例えば、COSまたはCHO)である。培養培地に組換えタンパク質またはポリペプチドを分泌する適切な宿主/ベクター系由来の上清は、市販のフィルターを用いてまず濃縮され得る。濃縮後、この濃縮物は、アフィニティマトリックスまたはイオン交換樹脂のような適切な精製マトリックスに適用され得る。最後に、1以上の逆相HPLC工程が使用され、組換えポリペプチドをさらに精製し得る。
本発明のポリペプチド、それらの免疫原性フラグメント、ならびに約100アミノ酸未満、そして一般に約50アミノ酸未満を有する他の改変体はまた、当業者に周知の技術を用いて、合成手段によって生成され得る。例えば、このようなポリペプチドは、任意の市販の固相技術(例えば、Merrifieldの固相合成方法(この技術では、アミノ酸が、成長するアミノ酸鎖に連続的に付加される))を用いて合成され得る。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2146(1963)を参照のこと。ポリペプチドの自動合成のための装置は、Perkin Elmer/Applied BioSystems Division(Foster City、CA)のような供給者から市販され、そして製造者の指示に従って操作され得る。
ある特定の実施形態において、ポリペプチドは、本明細書中に記載されるような複数のポリペプチドを含むか、または本発明に記載されるような少なくとも1つのポリペプチドおよび無関係の配列(例えば、公知の腫瘍タンパク質)を含む融合タンパク質であり得る。融合パートナーは、例えば、Tヘルパーエピトープ、好ましくはヒトによって認識されるTヘルパーエピトープを提供するのを補助し得るか(免疫学的融合パートナー)、またはネイティブな組換えタンパク質より高い収率でタンパク質を発現するのを補助し得る(発現エンハンサー)。特定の好ましい融合パートナーは、免疫学的融合パートナーと発現増強融合パートナーとの両方である。他の融合パートナーは、タンパク質の溶解性を増大させるため、またはタンパク質が所望の細胞内画分に対して標的化されることを可能とするために選択され得る。なおさらなる融合パートナーとしては、タンパク質の精製を容易にするアフィニティータグが挙げられる。
融合タンパク質は、一般に、化学結合体化を含む標準的技術を用いて調製され得る。好ましくは、融合タンパク質は、組換えタンパク質として発現され、発現系において、非融合タンパク質と比較して、増大したレベルの産生を可能とする。簡潔にいうと、ポリペプチド成分をコードするDNA配列は、別々に組み立てられ得、そして適切な発現ベクターへ連結され得る。1つのポリペプチド成分をコードするDNA配列の3’末端は、ペプチドリンカーありまたはなしで、第2のポリペプチド成分をコードするDNA配列の5’末端に連結し、その結果、配列のリーディングフレームは、一致する。これは、両方の成分ポリペプチドの生物学的活性を保持する単一の融合タンパク質への翻訳を可能とする。
ペプチドリンカー配列を使用して、各ポリペプチドが、その二次および三次構造へと折り畳まれるのを確かめるのに十分な距離で第1および第2のポリペプチド成分を分離し得る。このようなペプチドリンカー配列は、当該分野において周知の標準的な技術を用いて、融合タンパク質へと組み込まれる。適切なペプチドリンカー配列は、以下の因子に基づいて選択され得る:(1)可撓性の伸長されたコンフォメーションをとる能力;(2)第1および第2のポリペプチド上の機能的エピトープと相互作用し得る二次構造をとることができないこと;および(3)ポリペプチドの機能的エピトープと反応し得る疎水性残基または荷電残基の欠如。好ましいペプチドリンカー配列は、Gly、AsnおよびSer残基を含む。他のほぼ中性のアミノ酸(例えば、ThrおよびAla)もまた、リンカー配列において使用され得る。リンカーとして有用に使用され得るアミノ酸配列としては、Marateaら、Gene 40:39−46(1985);Murphyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8258−8262(1986);米国特許第4,935,233号および米国特許第4,751,180号に開示されるアミノ酸配列が挙げられる。リンカー配列は、一般に、1〜約50アミノ酸長であり得る。リンカー配列は、第1および第2のポリペプチドが必須でないN末端アミノ酸領域(これは、機能的ドメインを分離しそして位置的干渉を妨げるために使用され得る)を有する場合、必要とされない。
連結されたDNA配列は、適切な転写または翻訳調節エレメントに作動可能に結合される。DNAの発現を担うこの調節エレメントは、第1のポリペプチドをコードするDNA配列に対して5’側にのみ位置する。同様に、翻訳終らせるために必要とされる終止コドンおよび転写終結シグナルは、第2のポリペプチドをコードするDNA配列に対して3’側にのみ存在する。
融合タンパク質もまた提供される。このようなタンパク質は、無関係の免疫原性タンパク質と共に、本明細書中に記載されるようなポリペプチドを含む。好ましくは、この免疫原性タンパク質は、リコール応答を誘発し得る。このようなタンパク質の例としては、破傷風、結核および肝炎タンパク質が挙げられる(例えば、Stouteら、New Engl.J.Med.336:86−91(1997)を参照のこと)。
好ましい実施形態において、免疫原性融合パートナーは、プロテインD(グラム陰性細菌Haemophilus influenza Bの表面タンパク質)に由来する(WO91/18926)。好ましくは、プロテインD誘導体は、このタンパク質のほぼ最初の3分の1(例えば、最初のN末端の100〜110個のアミノ酸)を含み、そしてプロテインD誘導体は、脂質化(lipidate)され得る。特定の好ましい実施形態において、リポプロテインD融合パートナーの最初の109個の残基は、N末端に含まれ、ポリペプチドにさらなる外因性T細胞エピトープを提供し、そしてE.coliにおける発現レベルを増大させる(従って、発現エンハンサーとして機能する)。脂質の尾部は、抗原提示細胞に対する、最適な抗原の提示を保証する。他の融合パートナーとしては、インフルエンザウイルス由来の非構造的タンパク質NS1(血球凝集素)が挙げられる。典型的には、N末端の81アミノ酸が使用されるが、Tヘルパーエピトープを含む異なるフラグメントが使用され得る。
別の実施形態において、免疫学的融合パートナーは、LYTAとして公知のタンパク質、またはその一部分(好ましくはC末端部分)である。LYTAは、アミダーゼLYTA(LytA遺伝子によってコードされる;Gene 43:265−292(1986))として公知のN−アセチル−L−アラニンアミダーゼを合成するStreptococcus pneumoniae由来である。LYTAは、ペプチドグリカン骨格において特定の結合を特異的に分解する自己溶解素である。LYTAタンパク質のC末端ドメインは、コリンまたはいくつかのコリンアナログ(例えば、DEAE)に対する親和性を担う。この特性は、融合タンパク質の発現に有用であるE.coli C−LYTA発現プラスミドの開発のために活用された。アミノ末端でC−LYTAフラグメントを含むハイブリッドタンパク質の精製は、記載されている(Biotechnology 10:795−798(1992)を参照のこと)。好ましい実施形態において、LYTAの反復部分は、融合タンパク質の中に取り込まれ得る。反復部分は、178残基で始まるC末端領域において見出される。特に好ましい反復部分は、188残基〜305残基を取り込む。
一般的に、本明細書中に記載されるポリペプチド(融合タンパク質を含む)およびポリヌクレオチドは、単離される。「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、その本来の環境から取り出されたポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。例えば、天然系において共存する物質のいくつかまたは全てから分離される場合、天然に存在するタンパク質は、単離される。好ましくは、このようなポリペプチドは、少なくとも約90%純粋、より好ましくは少なくとも約95%純粋および最も好ましくは少なくとも約99%純粋である。ポリヌクレオチドは、例えば、天然な環境の一部でないベクター中にクローンされる場合、単離されるとみなされる。
(T細胞)
免疫治療組成物はまた、あるいは免疫治療組成物は、Mycobacterium抗原に特異的なT細胞を含み得る。このような細胞は、一般的に、標準的な手順を使用してインビトロまたはエキソビボで調製され得る。例えば、T細胞は、市販されている細胞分離システム(例えば、Nexell Therapeutics,Inc.(Irvine,CA;米国特許第5,240,856号;米国特許第5,215,926号;WO89/06280;WO91/16116およびWO92/07243をまた参照のこと)から入手可能なIsolexTMSystem)を使用して、骨髄、末梢血、または患者の骨髄もしくは末梢血の画分から単離され得る。あるいは、T細胞は、関連もしくは非関連のヒト、非ヒト哺乳動物、細胞株または培養物由来であり得る。
T細胞は、本発明のポリペプチド、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および/またはこのようなポリペプチドを発現する抗原提示細胞(APC)で刺激され得る。このような刺激は、ポリペプチドに特異的なT細胞の生成が可能な十分な条件下および時間で実行される。好ましくは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、送達ビヒクル(例えば、ミクロスフェア)中に存在して、特異的T細胞の生成を容易にする。
T細胞が、特異的に増殖するか、サイトカインを分泌するか、またはポリペプチドで被覆されたか、もしくはポリペプチドをコードする遺伝子を発現する標的細胞を殺す場合、T細胞は、本発明のポリペプチドに特異的であるとみなされる。T細胞特異性は、任意の種々の標準的な技術を使用して評価され得る。例えば、クロム放出アッセイまたは増殖アッセイにおいて、ネガティブコントロールと比較して溶解および/または増殖において2倍より大きい増加の刺激指数は、T細胞特異性を示す。このようなアッセイは、例えば、Chenら、Cancer Res.54:1065−1070(1994)に記載されるように実行され得る。あるいは、T細胞の増殖の検出は、種々の公知の技術によって達成され得る。例えば、T細胞増殖は、DNA合成の増加した速度を測定することによって(例えば、トリチウム化チミジンを用いるT細胞のパルス標識培養物およびDNA中に取り込まれたトリチウム化チミジンの量の測定によって)検出され得る。3〜7日間の本発明のポリペプチドとの接触(100ng/ml〜100μg/ml、好ましくは200ng/ml〜25μg/ml)は、T細胞の増殖において少なくとも2倍の増加を生じるはずである。2〜3時間の上記の接触は、サイトカイン(例えば、TNFまたはIFN−γ)放出のレベルにおける2倍の増加が、T細胞活性化の指標である標準的サイトカインアッセイを使用して測定されるような、T細胞の活性化を生じるはずである。(Coliganら、Current Protocols in Immunology、第一巻(1998)を参照のこと)。ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド発現APCに応答して活性化されたT細胞は、CD4および/またはCD8であり得る。タンパク質特異的T細胞は、標準的技術を使用して増殖され得る。好ましい実施形態において、T細胞は、患者、関連ドナー、または非関連ドナー由来であり、そして刺激および増殖の後に患者に投与される。
治療的目的のために、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはAPCに応答して増殖するCD4T細胞またはCD8T細胞は、インビトロまたはインビボで数の上で増殖され得る。インビトロでのこのようなT細胞の増殖は、種々の方法において達成され得る。例えば、T細胞は、T細胞増殖因子(例えば、インターロイキン−2)および/もしくはポリペプチドを合成する刺激細胞の添加を伴ってかまたは伴わずに、ポリペプチド、またはこのようなポリペプチドの免疫原性部分に対応する短いペプチドに対して再曝露され得る。あるいは、タンパク質の存在下で増殖する1つ以上のT細胞は、クローニングによって数の上で増殖され得る。細胞をクローニングする方法は、当該分野で周知であり、そして限定希釈を含む。
(薬学的組成物)
さらなる実施形態において、本発明は、細胞もしくは動物への投与のための、薬学的に受容可能な溶液または生理学的に受容可能な溶液中の、単独でかあるいは1つ以上の他の治療様式と組み合わせてのいずれかでの、本明細書中で開示される1つ以上のポリヌクレオチド、ポリペプチド、T細胞および/または抗体組成物の処方物に関する。このような組成物はまた、診断的使用のために有用である。
所望の場合、本明細書中に開示されるポリペプチドを発現する核酸セグメント、RNA、DNAまたはPNA組成物が、他の薬剤および、例えば他のタンパク質またはポリペプチドあるいは種々の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与され得ることがまた、理解される。実際に、さらなる薬剤が、標的細胞または宿主組織との接触において有意な悪影響を生じないことを考慮すると、また含まれ得る他の成分に対して実質的には限定は存在しない。従って、この組成物は、特定の例において必要とされる種々の他の薬剤と共に送達され得る。このような組成物は、宿主細胞または他の生物学的供給源から精製され得るか、あるいは、本明細書中に記載されるように化学的に合成され得る。同様に、このような組成物はさらに、置換されたまたは誘導体化されたRNAまたはDNA組成物を含む。
薬学的に受容可能な賦形剤およびキャリア溶液の処方は、種々の処置レジメン(例えば、経口、非経口、静脈内、鼻腔内、および筋内投与および処方を含む)で本明細書中に記載される特定の組成物を使用する、適切な用量および処置レジメンの開発と同様、当業者に周知である。
(1.経口送達)
特定の適用において、本明細書中に開示される薬学的組成物は、動物への経口投与を介して送達される。このように、これらの組成物は、不活性の賦形薬と共にもしくは同化可能な食用キャリアと共に処方され得るか、またはこれらの組成物は、硬殻ゼラチンカプセルもしくは軟殻ゼラチンカプセルに封入され得るか、またはこれらの組成物は、錠剤中に圧縮され得るか、またはこれらの組成物は、治療食の食物と共に直接取り込まれ得る。
活性化合物でさえ、賦形剤と共に取り込まれ、そして摂取錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤などの形態で使用される(Mathiowitzら、1997;Hwangら、1998;米国特許第5,641,515号;米国特許第5,580,579号および米国特許第5,792,451号、それぞれは、その全体が参考として明確に本明細書中に援用される)。錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などもまた、以下:結合剤(ガムトラガント、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチンなど);賦形剤(リン酸二カリウムなど);崩壊剤(コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸など);滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム);および甘味剤(添加され得るスクロース、ラクトースもしくはサッカリンなど)または香味剤(ペッパーミント、ウィンターグリーンオイル、またはチェリー香味など)を含み得る。投薬単位形態が、カプセル剤である場合、上記の型の材料に加えて、液体キャリアを含み得る。コーティング剤としてか、または他に投薬単位の物理的形態を改変するために、種々の他の物質が、存在し得る。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、シェラック、砂糖、または両方でコートされ得る。エリキシルのシロップ剤は、活性化合物、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチルおよびプロピルパラベン、色素ならびに香味剤(チェリーまたはオレンジ香味など)を含み得る。もちろん、任意の投薬単位形態を調製する際に使用する任意の材料は、薬学的にきれいで、そして使用される量において実質的に無毒性でなければならない。さらに、活性化合物は、持続放出調製物および処方物中に組み込まれ得る。
代表的に、これらの処方物は、少なくとも約0.1%以上の活性化合物を含み得るが、活性成分のパーセンテージは、もちろん変化し得、そして都合よく総処方物の重量または容量の約1%もしくは2%と約60%もしくは70%以上との間である。自然に、各治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な投薬が、化合物の任意の所定の単位用量において得られるような方法で調製され得る。溶解度、生物学的利用能、生物学的半減期、投与経路、生成物貯蔵寿命、および他の薬理学的考慮などの因子は、このような薬学的処方物を調製する当業者によって意図され、そのため、種々の投薬および処置のレジメンが、所望され得る。
あるいは、経口投与について、本発明の組成物は、うがい薬、歯磨き剤、バッカル錠、経口スプレー、または舌下経口的投与処方物の形態で1つ以上の賦形剤と共に組み込まれ得る。例えば、うがい薬は、適切な溶媒(ホウ酸ナトリウム溶液(Dobell’s溶液)など)中に必要とされる量で活性成分を組み込んで調製され得る。あるいは、活性成分は、経口溶液中(ホウ酸ナトリウム、グリセリンおよび炭酸水素カリウムを含む溶液など)に組み込まれるか、または歯磨き剤に分散されるか、または水、結合剤、研磨剤、香味剤、発泡剤、および湿潤剤を含み得る組成物に治療的に有効な量で加えられ得る。あるいは、組成物は、舌下に置かれ得るかまたは別に口の中で溶解される錠剤または溶液型に形成され得る。
(2.注入可能送達)
特定の状況において、米国特許第5,543,158号;米国特許第5,641,515号および米国特許5,399,363号(各々は、その全体が参考として明確に本明細書中に援用される)に記載されるように本明細書中に開示される薬学的組成物を非経口に、静脈内に、筋肉内にまたは腹腔内でさえ送達することが所望される。遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(ヒドロキシプロピルセルロースなど)と適度に混合された水において調製され得る。分散はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中で、ならびに油中で調製され得る。貯蔵および使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を阻止するため防腐剤を含む。
注入可能な使用に適切な薬学的形態は、滅菌注入可能な溶液または分散剤の即時調製のための滅菌水溶液または分散剤および滅菌粉体を含む(米国特許第5,466,468号、その全体が参考として明確に本明細書中に援用される)。全ての場合において、形態は、滅菌されるべきであり、簡単な注入能力がある程度まで流動性であるべきである。形態は、製造および貯蔵条件下で安定であるべきであり、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染行為に対して保護されるべきである。キャリアは、溶媒または分散培地(例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、適切なそれらの混合物、および/または植物性油を含む)であり得る。適切な流動率は、例えば、コーティング剤(例えば、レシチン)の使用によって、分散の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の予防は、種々の抗細菌および抗真菌薬剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメローサルなど)によって促進され得る。多くの場合において、等張剤(例えば、砂糖または塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注入可能な組成物の持続性の吸収は、吸収遅延剤の組成物(例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)における使用によって引き起こされ得る。
例えば、水溶液の非経口投与のために、必要であれば溶液は適切に緩衝化され、そして液体の希釈液は、最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張性を与えられるべきである。これらの特定の水溶液は、特に、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、および腹腔内投与に適する。これに関連して、使用され得る滅菌した水溶性の媒体が本開示から考慮して当業者に公知である。例えば、1回の投与量が、1mlの等張性のNaCl溶液に溶解され得、そして1000mlの皮下注入流体へ添加され得るかまたは提案された注入部位へ注入され得るかのいずれかである(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第15版、pp.1035〜1038および1570〜1580を参照のこと)。処置される被験体の状態に依存して投与量のいくつかのバリエーションが必然的に生じる。いずれにしても、投与責任がある人が個々の被験体に対する適切な用量を決定する。さらに、ヒトへの投与のために、調製物は、FDA生物製剤局の基準により要求される無菌性基準、パイロジェン性基準(pyrogenicity)、ならびに一般的な安全性基準および純度基準を満たすべきである。
滅菌した注射可能な溶液は、上記に列挙された種々の他の成分を有する適切な溶媒中に必要な量で活性な化合物を組み込むことにより調製され、必要に応じてその後濾過滅菌される。分散物は、一般的に、種々の滅菌した活性成分を基本的な分散媒体および上記に列挙されたこれらに由来する必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み込むことにより調製される。滅菌した注射可能な溶液の調製物のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は減圧乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これらは、活性成分の粉末およびあらかじめ濾過滅菌したこれらの溶液由来のさらに所望の任意の成分の粉末を得る技術である。
本明細書中で開示された組成物は、中性または塩の形態で処方され得る。薬学的に受容可能な塩として、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成された)が挙げられ、これらは無機酸(例えば、塩酸またはリン酸など)、または有機酸(酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸など)で形成される。遊離カルボキシル基で形成された塩もまた、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄など)および有機塩基(イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)から誘導され得る。処方に関して、溶液が、投与処方物と適合する様式で投与され、このような量で治療的に有効である。注射可能な溶液、薬物放出カプセルなどのような種々の投与形態で、処方物が容易に投与される。
本明細書中で使用される場合、「キャリア」として、任意のそして全ての溶媒、分散媒体、ビヒクル、コーティング剤、希釈液、抗菌剤ならびに抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤、緩衝液、キャリア溶液、懸濁液、コロイドなどが挙げられる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は当業者に周知である。従来の任意の媒体または薬剤が活性成分と不適合である範囲を除き、治療的組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分がまた、組成物に組み込まれ得る。
句「薬学的に受容可能」とは、ヒトへ投与される場合に、アレルギー反応または類似の有害反応を生じない分子実体および組成物を言う。活性成分としてタンパク質を含む水性組成物の調製物が、当業者に周知である。代表的には、このような組成物は注射可能に、液体溶液または懸濁液のいずれかとして調製され;注射の前に液体中への溶解または懸濁に適した固形形態もまた調製され得る。調製物はまた、乳化され得る。
(3.経鼻送達)
特定の実施形態において、薬物学的組成物は、鼻腔スプレー、吸入、および/または他のエアロゾルの送達ビヒクルにより送達され得る。経鼻エアロゾルスプレーを介して直接肺に遺伝子、核酸、およびペプチドの組成物を送達する方法が記載されてきた(例えば、米国特許第5,756,353号および米国特許第5,804,212号(各々その全体が参考として本明細書中で詳細に援用される))。同様に、鼻腔微粒子樹脂(Takenagaら、1998)およびリゾホスファチジル−グリセロール化合物(米国特許第5,725,871号、その全体が参考として本明細書中で詳細に援用される)を使用する薬物送達はまた、薬学分野で周知である。同様に、ポリテトラフルオロエチレン支持マトリックス形態の粘膜輸送による薬物送達が米国特許第5,780,045号(その全体が参考として詳細に援用される)に記載される。
(4.リポソーム−媒介送達、ナノカプセル−媒介送達、およびマイクロ粒子−媒介送達)
特定の実施形態において、発明者らは、本発明の組成物の適切な宿主細胞への導入のためにリポソーム、ナノカプセル、マイクロ粒子、ミクロスフェア、脂質粒子、ビヒクルなどの使用を企図する。特に、本発明の組成物は、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフェアまたはナノ粒子などのいずれかにカプセル化された送達のために処方され得る。
このような処方物は本明細書中に開示された核酸または構築物の薬学的に受容可能な処方物の導入のために好まれ得る。リポソームの形成および使用は一般的に当業者に公知である(例えば、Couvreurら、1977;Couvreur、1988;Lasic、1998を参照のこと;これらは、細胞内細菌感染および疾患に対する標的化された抗生物質治療におけるリポソームおよびナノカプセルの使用を記載する)。最近、血清の安定性および循環半減期が改善されたリポソームが開発された(GabizonおよびPapahadjopoulos、1988;AllenおよびChoun、1987;米国特許第5,741,516号、その全体が本明細書中で参考として詳細に援用される)。さらに、潜在的な薬物キャリアとしてリポソーム様調製物およびリポソーム様調製物の種々の方法が総説されてきた(Takakura、1998;Chandranら、1997;Margalit、1995;米国特許第5,567,434号;米国特許第5,552,157号;米国特許第5,565,213号;米国特許第5,738,868号および米国特許第5,795,587号、各々その全体が本明細書中で参考として詳細に援用される)。
他の手順によるトランスフェクションに対して通常は、耐性の多数の細胞型(T細胞の懸濁液、初代肝細胞培養物およびPC12細胞を含む)でリポソームがうまく使用された(Renneisenら、1990;Mullerら、1990)。さらに、リポソームは、ウイルスに基いた送達系の典型であるDNA長の制限がない。遺伝子、薬物(HeathおよびMartin、1986;Heathら、1986;Balazsovitsら、1989;FrestaおよびPuglisi、1996)、放射線治療剤(Pikulら、1987)、酵素(Imaizumiら、1990a;Imaizumiら、1990b)、ウイルス(FallerおよびBaltimore、1984)、転写因子およびアロステリックエフェクター(NicolauおよびGersonde、1979)を種々の培養された細胞株および動物に効果的に導入するためにリポソームが使用されてきた。さらに、リポソームに媒介された薬物送達の有効性を審査するいくつかの成功した臨床試験が終了している(Lopez−Beresteinら、1985a;1985b;Coune、1988;Sculierら、1988)。さらに、いくつかの研究によって、リポソームの使用が全身送達後の自己免疫応答、毒性、または性腺の局在化と関連しないことが示唆される(MoriおよびFukatsu、1992)。
リポソームは水性の媒体に分散されるリン脂質から形成され、そして多重層の同心状二重層の小胞(多重層の小胞(MLV)とも呼ばれる)を自然に形成する。一般的にMLVは25nm〜4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、200〜500Åの範囲の直径を有する小さな単層の小胞(SUV)(核に水溶液を含む)の形成を生じる。
リポソームは細胞膜の類似物を保有し、そして本発明との組み合わせにおいてペプチド組成物のためのキャリアとしての使用を企図される。これらは、水に可溶性の物質および脂質に可溶性の物質の両者が捕捉され得る場合、(すなわち、それぞれ水性の空間中、および二重膜自体の内部にある場合に)広く適している。薬物を保有するリポソームは、リポソームの処方を選択的に改変することにより活性薬物の部位特異的送達のために、さらに使用され得ることが可能である。
Couvreurら(1977;1988)の教示に加えて、以下の情報が、リポソームの処方物の作製に利用され得る。リン脂質は、脂質 対 水のモル比に依存して、水中に分散した場合、リポソーム以外の種々の構築物を形成し得る。低い比で、リポソームは好ましい構築物である。リポソームの物理的特徴はpH、イオン強度および二価のカチオンの存在に依存する。リポソームは、イオン性物質および極性物質に対して低い透過性を示し得るが、上昇した温度で相転移を起こし、リポソームの透過性が顕著に変化する。相転移は、ゲル状態として公知のきっちり詰まった整列した構築物から、流動状態として公知のゆるく詰まったより整列していない構築物への変化を含む。これは特徴的な相転移温度で起こり、そしてイオン、糖および薬物に対する透過性の増加を生じる。
温度に加えて、タンパク質への曝露がリポソームの透過性を変化し得る。特定の可溶性のタンパク質(チトクロムcなど)は結合し、変形し、そして二重膜を透過することにより透過性の変化を生じる。コレステロールは、リン脂質をよりきつく詰めることにより明らかにタンパク質の浸透を阻害する。抗生物質の送達およびインヒビターの送達のための最も有用なリポソーム処方物は、コレステロールを含むことが企図される。
溶質を捕捉する能力は、異なるリポソームの型の間で変化する。例えば、MLVは溶質の捕捉においてで中程度の効率であるが、SUVは非常に非効率的である。SUVは大きさの分布において均一性および再現性の利点を提供する。しかし、大きさと捕捉する効率の間の妥協点は大きな単層の小胞(LUV)により提供される。これらはエーテルエバポレーションにより調製され、そして溶質の捕捉においてMLVよりも3から4倍効率的である。
リポソームの特徴に加えて、化合物を捕捉することにおける重要な決定因子は、化合物自身の物理科学的性質である。極性化合物は水性の空間に捕捉され、そして非極性の化合物は小胞の脂質二重層に結合する。極性化合物は、透過により、または二重層が破壊された場合に放出されるが、非極性化合物は温度または脂質タンパク質への曝露により二重層が破壊されない限り二重層に付着したままである。両方の型は、相転移温度で最大流出速度を示す。
4つの異なるメカニズムを介してリポソームと細胞が相互作用する:細網内皮系の食細胞(マクロファージおよび好中球など)によるエンドサイトーシス;非特異的な弱い疎水性の力もしくは弱い静電気的な力、または細胞表面の成分との特定の相互作用のいずれかによる細胞表面への吸着;原形質膜へのリポソームの脂質二重膜の挿入による原形質細胞膜との融合、続いて細胞質へのリポソームの内容物の同時放出;そして、リポソームの内容物の結合のないリポソーム脂質の細胞膜または細胞成分膜(subcellular membrane)への転移による(逆も同様)。どのメカニズムが作用するか決定すること、および1より多くを同時に操作し得ることは、しばしば難しい。
静脈内に注射されたリポソームの運命および性質は、それらの物理的性質(大きさ、流動性、および表面の電荷など)に依存する。これらはその組成物に依存して、時間または日単位で組織中で持続し得、そして血中半減期は分から数時間の範囲である。MLVおよびLUVなどの大きいリポソームは、細網内皮系の食細胞により迅速に取りこまれるが、生理学的な循環系は、ほとんどの部位でこのような大きな種の流出を抑制する。これらは、毛質状の内皮(肝臓または脾臓の洞様毛細血管など)に存在する大きな開口または大きな孔のある場所にしか流出できない。従って、これらの器官は取りこみの主な部位である。一方、SUVは広範な組織分布を示すが、なお肝臓および脾臓に大きく離されている。一般的に、インビボでのこの挙動は、リポソームの標的化の能力を、これらの大きいサイズが利用し易いこれらの器官および組織のみに限定する。これらとして、血液、肝臓、脾臓、骨髄、およびリンパ様器官が挙げられる。
標的化は、一般的に、本発明において限定されない。しかし、特定の標的化が所望される場合、このことを達成するための方法が利用可能である。抗体をリポソーム表面と結合させ、方向付けるために抗体が使用され得、そして、特定の抗原レセプターに対する組成物の薬物の内容物は、特定の細胞の型の表面上に位置する。糖質の決定因子(細胞−細胞の認識、相互作用および接着において役割を果たす糖タンパク質または糖脂質の細胞表面成分)もまた、特定の細胞型へリポソームを方向付ける能力を有する認識部位として使用され得る。リポソームの調製物はほとんど、静脈内注射が使用されることが企図されるが、他の投与経路もまた考えられる。
あるいは、本発明は、本発明の組成物の薬学的に受容可能なナノカプセル処方物を提供する。ナノカプセルは、一般的に安定かつ再生可能な様式で化合物を捕らえる(Henry−Michellandら、1987;Quintanar−Guerreroら、1998;Douglasら、1987)。細胞内の重合体の過剰負荷に起因する副作用を回避するために、このような超微細粒子(約0.1μmのサイズ)は、インビボで分解可能なポリマーを用いて設計されるべきである。これらの要求に合う生分解性ポリアルキルシアノアクリレートナノ粒子が、本発明における使用に意図される。このような粒子は、記載される(Couvreurら、1980;1988;zur Muhlenら、1998;Zambauxら、1998;Pinto−Alphandryら、1995、および米国特許第第5,145,684号(これらは、その全体において本明細書中に詳細に参考として援用される))ように、容易に作製され得る。
(ワクチン)
本発明の特定の好ましい実施形態においては、ワクチンが提供される。このワクチンは、一般的に、免疫賦活剤と組み合わせて、上記で考察されるような1つ以上の薬学的組成物を含む。免疫賦活剤は、外来性の抗原に対する免疫応答(抗体媒介性および/または細胞媒介性)を向上または増強させる任意の物質であり得る。免疫賦活剤の例としては、アジュバント、生分解性ミクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ガラクチド)およびリポソーム(この中に化合物が組み込まれる;例えば、Fullerton、米国特許第4,235,877号を参照のこと)が挙げられる。ワクチン調製物は、一般的に、例えば、PowellおよびNewman(編)、Vaccine Design(the subunit and adjuvant approach)(1995)に記載される。本発明の範囲内の薬学的組成物およびワクチンはまた、他の化合物に含まれ得、この化合物は、生物学的に活性であっても不活性であってもよい。例えば、他の腫瘍抗原の1つ以上の免疫原性部分が、融合ポリペプチドに組み込まれてか、または別個の化合物としてのいずれかで、この組成物またはワクチン中に存在し得る。
例示的なワクチンは、上記のようなポリペプチドのうちの1つ以上をコードするDNAを含み得、その結果、このポリペプチドは、インサイチュで産生される。上記のように、このDNAは、当業者に公知の種々の送達系(核酸発現系、細菌およびウイルス発現系を含む)のいずれかにおいて存在し得る。多数の遺伝子送達技術が当該分野において周知であり、例えば、Rolland,Crit.Rev.Therap.Drug Carrier Systems 15:143−198(1998)およびそこに引用される参考文献に記載される技術がある。適切な核酸発現系は、患者における発現のために必要なDNA配列(例えば、適切なプロモーターおよび終止シグナル)を含む。細菌送達系は、その細胞表面上でこのポリペプチドの免疫原性部分を発現するか、またはこのようなエピトープを分泌する細菌(例えば、Bacillus−Calmette−Guerrin)の投与を含む。好ましい実施形態においては、DNAは、ウイルス発現系(例えば、ワクシニアウイルスまたは他のポックスウイルス、レトロウイルス、またはアデノウイルス)を用いて導入され得、これは非病原性(欠損)の複製コンピテントなウイルスの使用を含み得る。適切な系は、例えば、以下に開示される:Fisher−Hochら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:317−321(1989);Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86−103(1989);Flexnerら、Vaccine 8:17−21(1990);米国特許第4,603,112号、同第4,769,330号、および同第5,017,487号;WO89/01973;米国特許第4,777,127号;GB2,200,651;EP0,345,242;WO91/02805;Berkner,Biotechniques 6:616−627(1988);Rosenfeldら、Science 252:431−434(1991);Kollsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215−219(1994);Kass−Eislerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11498−11502(1993);Guzmanら、Circulation 88:2838−2848(1993);およびGuzmanら、Cir.Res.73:1202−1207(1993)。DNAをこのような発現系に組み込むための技術は、当業者に周知である。DNAはまた、例えば、Ulmerら、Science 259:1745−1749(1993)に記載され、そしてCohen,Science 259:1691−1692(1993)により概説されるように、「裸(naked)」であり得る。裸のDNAの取込みは、このDNAを生分解性ビーズにコーティングすることによって増加され得、これは、細胞中に効率的に輸送される。ワクチンは、ポリヌクレオチド成分およびポリペプチド成分の両方を含み得ることは明らかである。このようなワクチンは、増強された免疫応答を提供し得る。
ワクチンは、本明細書中で提供されるポリヌクレオチドおよびポリペプチドの薬学的に受容可能な塩を含み得ることが明らかである。このような塩は、薬学的に受容可能な非毒性の塩基(有機塩基(例えば、一級アミン、二級アミンおよび三級アミンならびに塩基性アミノ酸の塩))および無機塩基(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩)を含む)から調製され得る。
当業者に公知の任意の適切なキャリアは、本発明のワクチン組成物において使用され得るが、キャリアの型は、投与の様式に依存して変化する。本発明の組成物は、任意の適切な投与の様式(例えば、局所投与、経口投与、鼻腔内投与、静脈内投与、頭蓋内投与、腹腔内投与、皮下投与または筋内投与を含む)のために処方され得る。非経口投与(例えば、皮下注射)のためには、キャリアは、好ましくは、水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ロウまたは緩衝液を含む。経口投与のためには、上記のキャリアまたは固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石粉、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウム)が使用され得る。生分解性ミクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ポリグリコレート)はまた、本発明の薬学的組成物のためのキャリアとして使用され得る。適切な生分解性ミクロスフェアは、例えば、米国特許第4,897,268号;同第5,075,109号;同第5,928,647号;同第5,811,128号;同第5,820,883号;同第8,853,763号;同第5,814,344号;および同第5,942,252号に開示される。米国特許第5,928,647号に記載される粒子状タンパク質複合体を含むキャリアもまた使用され得、これは、宿主においてクラスI−制限細胞障害性Tリンパ球応答を誘導し得る。
このような組成物はまた、緩衝液(例えば、中性緩衝化生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸(例えば、グリシン)、抗酸化剤、静菌剤、キレート剤(例えば、EDTAまたはグルタチオン)、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、この処方物を、レシピエントの血液と等張、低浸透圧または弱高浸透圧にする溶質、懸濁剤、濃化剤および/または保存剤を含み得る。あるいは、本発明の組成物は、凍結乾燥剤として処方され得る。化合物はまた、周知の技術を用いてリポソームにカプセル化され得る。
任意の種々の免疫賦活剤が、本発明のワクチンに使用され得る。例えば、アジュバントが含まれ得る。ほとんどのアジュバントは、抗原を急速な異化作用から保護するように設計された物質(例えば、水酸化アルミニウムまたは鉱油)、および免疫応答の刺激因子(例えば、リピドA、Bortadella pertussisまたはMycobacterium属またはMycobacterium誘導タンパク質)を含む。例えば、脱脂された、脱糖脂質化されたM.vaccae(「pVac」)が使用され得る。別の実施形態においては、BCGがアジュバンドとして使用され得る。さらに、このワクチンは、予めBCGに暴露された被験体に投与され得る。適切なアジュバントは、例えば、以下として市販されている:フロイント不完全アジュバントおよびフロイント完全アジュバント(Difco Laboratories,Detroit,MI);Merck Adjuvant 65(Merck and Company,Inc.,Rahway,NJ);AS−2およびその誘導体(SmithKline Beecham,Philadelphia,PA);CWS、TDM、Leif、水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)またはリン酸アルミニウムのようなアルミニウム塩;カルシウム、鉄、または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性懸濁液;アシル化された糖類;カチオン性またはアニオン性に誘導体化された多糖類;ポリホスファゼン;生分解性ミクロスフェア;モノホスホリルリピドAおよびクイルA。サイトカイン(例えば、GM−CSFまたはインターロイキン−2、インターロイキン−7もしくはインターロイキン−12もまた、アジュバントとして使用され得る。
本明細書中で提供されるワクチンにおいて、アジュバント組成物は、好ましくは、主にTh1型の免疫応答を誘導するように設計される。高レベルのTh1型サイトカイン(例えば、IFN−γ、TNFα、IL−2およびIL−12)は、投与された抗原に対する細胞媒介性免疫応答の誘導を助ける傾向がある。対照的に、高レベルのTh2型サイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6およびIL−10)は、体液性免疫応答の誘導を助ける傾向がある。本明細書中で提供されるようなワクチンの適用後に、患者は、Th1型およびTh2型応答を含む免疫応答を支持する。応答が主にTh1型である好ましい実施形態においては、Th1型サイトカインのレベルは、Th2型サイトカインのレベルを大いに超えるまで増加する。これらのサイトカインのレベルは、標準的なアッセイを用いて容易に評価され得る。サイトカインのファミリーの概説については、MosmannおよびCoffman,Ann.Rev.Immunol.7:145−173(1989)を参照のこと。
Th1型応答を主に誘発する際の使用のための好ましいアジュバントとしては、例えば、モノホスホリルリピドA、好ましくは3−脱−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)とアルミニウム塩との組合せが挙げられる。MPLアジュバントは、Corixa Corporation(Seattle,WA;米国特許第4,436,727号;同第4,877,611号;同第4,866,034号;および同第4,912,094号を参照のこと)より入手可能である。CpG含有オリゴヌクレオチド(ここで、CpGジヌクレオチドはメチル化されていない)はまた、主にTh1応答を誘導する。このようなオリゴヌクレオチドは周知であり、例えば、WO96/02555、WO99/33488ならびに米国特許第6,008,200号および同第5,856,462号に記載される。免疫刺激性DNA配列はまた、例えば、Satoら、Science 273:352(1996)により記載される。別の好ましいアジュバントは、サポニン(例えば、Quil Aまたはその誘導体(QS21およびQS7(Aquila Biopharmaceuticals Inc.,Framingham,MA)を含む);エスシン(Escin);ジギトニン;あるいはGypsophilaまたはChenopodium quinoaサポニン)を含む。他の好ましい処方物は、本発明のアジュバントの組合せにおける1つよりも多いサポニン(例えば、QS21、QS7、Quil A、β−エスシンまたはジギトニンからなる群の少なくとも2つの組合せ)を含む。
あるいは、サポニン処方物は、キトサンまたは他のポリカチオンポリマー、ポリ乳酸およびポリ乳酸−co−グリコシド粒子、ポリ−N−アセチルグルコサミンベースのポリマーマトリックス、多糖類または化学的に改変された多糖類から構成される粒子、リポソームおよび脂質ベースの粒子、グリセロールモノエステルにより構成される粒子などにより構成されるワクチンビヒクルと組合され得る。サポニンはまた、コレステロールの存在下で処方されて、リポソームまたはISCOMのような粒子構造を形成し得る。さらに、サポニンは、非粒子状溶液もしくは懸濁液中、または小層状(paucilamelar)リポソームまたはISCOMのような粒子構造中のいずれかで、ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステルとともに処方され得る。サポニンはまた、Carbopol(登録商標)のような賦形剤とともに処方されて粘度を増加させ得るか、またはラクトースのような粉末賦形剤とともに乾燥粉末形態で処方され得る。
1つの好ましい実施形態においては、アジュバント系は、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体との組合せ(例えば、WO94/00153に記載されるようなQS21と3D−MPL(登録商標)アジュバント)との組合せ、またはWO96/33739に記載されるような、QS21がコレステロールでクエンチされたより反応発生性(reactogenic)の低い組成物)を含む。他の好ましい処方物は、水中油エマルジョンおよびトコフェロールを含む。水中油エマルジョン中のQS21、3D−MPL(登録商標)アジュバントおよびトコフェロールを使用する、別の特に好ましいアジュバント処方物は、WO95/17210に記載される。
別の増強されたアジュバント系は、CpG含有オリゴヌクレオチドとサポニン誘導体との組合せ(特に、WO00/09159に記載されるようなCpGとQS21との組合せ)を含む。好ましくは、この処方物はさらに、水中油エマルジョンおよびトコフェロールを含む。
他の好ましいアジュバントとしては、以下が挙げられる:Montanide ISA 720(Seppic,France)、SAF(Chiron,California,United States)、ISCOMS(CSL)、MF−59(Chiron)、アジュバントのSBASシリーズ(例えば、SBAS−2、AS2’、AS2’’、SBAS−4またはSBAS6(SmithKline Beecham,Rixensart,Belgiumより入手可能))、Detox(Corixa,Hamilton,MT)、RC−529(Corixa,Hamilton,MT)、および係属中の米国特許出願第08/853,826号および同第09/074,720号(これらの開示は、本明細書中にその全体が参考として援用される)に記載されるような、他のアミノアルキルグルコサミニド4−ホスフェート(AGP)、およびWO99/52549 A1に記載されるような、ポリオキシエチレンエーテルアジュバント。
他の好ましいアジュバントとしては、一般式(I):HO(CHCHO)−A−Rのアジュバント分子が挙げられ、ここでnは、1〜50であり、Aは、結合または−C(O)−であり、Rは、C1−50アルキルまたはフェニルC1−50アルキルである。
本発明の1つの実施形態は、nが、1と50との間、好ましくは4〜24、最も好ましくは9であり;R成分が、C1−50、好ましくはC−C20アルキル、最も好ましくはC12アルキルであり、そしてAが結合である、一般式(I)のポリオキシエチレンエーテルを含むワクチン処方物からなる。ポリオキシエチレンエーテルの濃度は、0.1〜20%の範囲、好ましくは0.1〜10%、最も好ましくは0.1〜1%の範囲であるべきである。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群より選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−9−ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン−8−ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。ポリオキシエチレンラウリルエーテルのようなポリオキシエチレンエーテルは、Merck index(第12版:エントリー7717)に記載される。これらのアジュバント分子は、WO99/52549に記載される。
上記の一般式(I)に従うポリオキシエチレンエーテルは、所望の場合、別のアジュバントと組合され得る。例えば、好ましいアジュバントの組合せは、好ましくは、係属中のUK特許出願GB9820956.2に記載されるようなCpGとの組合せである。
本明細書中で提供される任意のワクチンは、抗原、免疫応答エンハンサーおよび適切なキャリアまたは賦形剤の組合せを生じる周知の方法を使用して調製され得る。本明細書中に記載される組成物は、持続放出処方物(すなわち、投与後に化合物の緩徐な放出を行うカプセル、スポンジまたはゲル(例えば、多糖類で構成される)のような処方物)の一部として投与され得る。このような処方物は、一般的に、周知の技術(例えば、Coombesら、Vaccine 14:1429−1438(1996)を参照のこと)を用いて調製され得、そして例えば、経口、直腸もしくは皮下移植により、または所望の標的部位への移植により投与され得る。持続放出処方物は、キャリアマトリックス中に分散され、そして/または速度制御膜に囲まれたレザバに含まれた、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体を含み得る。
このような処方物における使用のためのキャリアは生体適合性であり、そしてまた生分解性であり得;好ましくは、この処方物は、比較的一定のレベルの活性成分の放出を提供する。このようなキャリアとしては、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリアクリレート、ラテックス、スターチ、セルロース、デキストランなどの微粒子が挙げられる。他の遅延放出キャリアとしては、超分子バイオベクターが挙げられ、これは、非液体親水性コア(例えば、架橋多糖またはオリゴ糖)、および必要に応じて、両親媒性化合物(例えば、リン脂質)を含む外部層を含む(例えば、米国特許第5,151,254号およびPCT出願WO94/20078、WO94/23701およびWO96/06638を参照のこと)。持続放出処方物に含まれる活性化合物の量は、移植の部位、放出の速度および予測される持続時間ならびに処置されるかまたは予防されるべき状態の性質に依存する。
任意の種々の送達ビヒクルが、薬学的組成物およびワクチンにおいて使用され、腫瘍細胞を標的化する抗原特異的免疫応答の生成を容易にし得る。送達ビヒクルとしては、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞、マクロファージ、B細胞、単球および有効なAPCであるように操作され得る他の細胞)が挙げられる。このような細胞は、必須ではないが、抗原を提示する能力を増加させるため、T細胞応答の活性化および/もしくは維持を向上させるため、それ自体で抗腫瘍効果を有するように、ならびに/またはレシーバーと免疫学的に適合性である(すなわち、一致したHLAハプロタイプ)であるように、遺伝的に改変され得る。APCは、一般的に、任意の種々の生物学的流体および器官(腫瘍および腫瘍周囲の組織を含む)から単離され得、そして自己細胞、同種異系細胞、同系細胞または外因性細胞であり得る。
本発明の特定の好ましい実施形態は、抗原提示細胞として樹状細胞またはその前駆細胞を用いる。樹状細胞は、非常に強力なAPCであり(BanchereauおよびSteinman,Nature 392:245〜251(1998))、そして予防的または治療的な抗腫瘍免疫を惹起するための生理学的なアジュバントとして有効であることが示されている(TimmermanおよびLevy,Ann.Rev.Med.50:507〜529(1999)を参照のこと)。一般には、樹状細胞は、その典型的な形状(インサイチュで星状(インビトロで可視の顕著な細胞質性突起(樹状突起)を有する))、その取り込み能、高い効率のプロセシングおよび抗原提示、ならびにナイーブなT細胞応答を活性化する能力に基いて同定され得る。当然ながら、樹状細胞は、インビボまたはエキソビボで樹状細胞に通常見出されない特定の細胞表面レセプターまたはリガンドを発現するように操作され得、そしてこのような改変された樹状細胞が、本発明によって意図される。樹状細胞の代替として、分泌型小胞抗原負荷樹状細胞(serected vesicles antigen−loaded dendritic cells)(エキソソーム(exoxome)と呼ばれる)をワクチン内で用い得る(Zitvogelら、Nature Med.4:594〜600(1998))。
樹状細胞および前駆体は、末梢血、骨髄、腫瘍浸潤細胞、腫瘍周囲組織浸潤細胞、リンパ節、脾臓、皮膚、臍帯血、または任意の他の適切な組織もしくは体液から得ることができる。例えば、樹状細胞は、GM−CSF、IL−4、IL−13および/またはTNFαのようなサイトカインの組合せを、末梢血から収集した単球の培養物に添加することにより、エキソビボで分化し得る。あるいは、末梢血、臍帯血、または骨髄から収集したCD34陽性細胞は、GM−CSF、IL−3、TNFα、CD40リガンド、LPS、flt3リガンド、および/または他の化合物(樹状細胞の分化、成熟、および増殖を誘導する)の組み合わせを、培養培地に添加することにより、樹状細胞に分化し得る。
樹状細胞は、2つの十分特徴付けされた表現型の間の識別を簡単に行うため、「未成熟」細胞、および「成熟」細胞と、簡便に分類される。しかし、この命名法は、全ての可能性のある中間段階の分化を除くと解釈されるべきではない。未成熟の樹状細胞は、高い能力の抗原取り込みおよびプロセシングを有するAPCとして特徴付けられる。この細胞は、Fcγレセプターおよびマンノースレセプターの高い発現に関連する。成熟表現型は、代表的にこれらのマーカーの発現がより低いが、T細胞活性化を担う細胞表面分子(例えば、クラスIおよびクラスIIMHC、接着分子(例えば、CD54およびCD11)ならびに同時刺激分子(例えば、CD40、CD80、CD86および4−1BB))の発現が高いことにより特徴付けられる。
APCは、一般にタンパク質(またはその部分もしくは他の改変体)をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされ得、その結果、この細胞の表面上でこのポリペプチドまたはその免疫原性部分を発現する。このようなトランスフェクションは、エキソビボで生じ得、次いで、このようなトランスフェクトされた細胞を含む組成物またはワクチンは、本明細書に記載のように、治療目的に用いられ得る。あるいは、樹状細胞または他の抗原提示細胞を標的化する遺伝子送達ビヒクルが、患者に投与され得、インビボで生じるトランスフェクションを生じる。例えば、インビトロおよびエキソビボでの樹状細胞のトランスフェクションは、一般的に、当該分野で公知の任意の方法(例えば、WO97/24447に記載のような方法)、またはMahviら、Immunology and Cell Biology 75:456〜460(1997)に記載の遺伝子銃アプローチを用いて実施され得る。樹状細胞の抗原ローディングは、ポリペプチド、DNA(裸のDNAまたはプラスミドベクター中のDNA)、またはRNA;あるいは抗原を発現する組換え細菌もしくはウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘、アデノウイルスまたはレンチウイルスベクター)とともに樹状細胞または前駆細胞をインキュベートすることによって達成され得る。ローディングの前、このポリペプチドは、T細胞の助けを提供する免疫学的パートナー(例えば、キャリア分子)と共有結合的に結合体化され得る。あるいは、樹状細胞は、結合体化されない免疫学的パートナーで、別々にまたはポリペプチドの存在下で、パルスされ得る。
ワクチンおよび薬学的組成物は、密閉アンプルまたはバイアルのような、単位用量または複数用量の容器で提供され得る。このような容器は、好ましくは、密閉してシールされ、使用時までその処方物の滅菌性を保持する。一般に、処方物は、懸濁液、溶液、または油性もしくは水性ビヒクル中のエマルジョンとして貯蔵され得る。あるいは、ワクチンまたは薬学的組成物は、使用の直前に滅菌液体キャリアの添加しか要さない凍結乾燥状態で貯蔵され得る。
(診断キット)
本発明は上記の任意の診断方法における使用のためのキットをさらに提供する。このようなキットは、代表的に、診断アッセイを実施するのに必要な2つ以上の成分を含む。成分は、化合物、試薬、容器、および/または備品であり得る。例えば、キット内の1つの容器は、タンパク質に特異的に結合する、モノクローナル抗体またはそのフラグメントを含み得る。このような抗体またはフラグメントは、上記のような、支持材料に接着され得る。1つ以上のさらなる容器が、このアッセイで用いられるべき、試薬または緩衝液のような、要素を含み得る。このようなキットはまた、あるいは、上記のような検出試薬を含み、この試薬は、抗体結合の直接検出または間接検出に適切なレポーター基を含む。
あるいは、キットは、生物学的サンプル中のタンパク質をコードするmRNAのレベルを検出するように設計され得る。このようなキットは一般に、上記のように、タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズする、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを含む。このようなオリゴヌクレオチドは、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーションアッセイにおいて用いられ得る。このようなキット中に存在し得るさらなる成分としては、本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの検出を容易にするための第二オリゴヌクレオチド、および/または診断試薬または容器が挙げられる。
本明細書に引用される全ての刊行物および特許出願は、各々の個々の刊行物または特許出願が、参考として援用されることが特別にかつ個々に示されているように、本明細書において参考として援用される。
前述の発明は、ある程度詳細に、例示のためにそして理解の明確化のために記載してきたが、本発明の教示に照らして、ある変化および改変が、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく本明細書においてなされ得ることが当業者に容易に明白である。
以下の実施例は、限定の目的ではなく例示の目的のみで示される。当業者は、本質的に類似の結果を得るために、変更または改変され得る様々な重要ではないパラメーターを容易に認識する。
(実施例1:MTB72F融合タンパク質および個々の抗原を含む組成物を用いるモルモットのワクチン接種)
モルモットを、アジュバントのみ(SBAS1、SBAS2またはASAS7およびA1(OH)3)、アジュバント中のMTB72F融合タンパク質、またはTbH9およびRa36抗原組成物で免疫した。
方法:
群:1)SBAS1
2)SBAS2
3)SBAS7+A1(OH)3
4)TbH9+Ra35+SBAS1
5)TbH9+Ra35+SBAS2
6)TbH9+Ra35+SBAS7(Al(OH)3)
7)MTB72F(SBAS1中)
8)MTB72F(SBAS2中)
9)MTB72F(SBAS7+Al(OH)3中)
10)PBS
11)BCG。
投薬量:それぞれ4μgのTbH9およびRa35
8μgのMTB72F
プロトコル:一回目の免疫、約3週間後の二回目の免疫、約2週間半後の三回目の免疫。
プレチャレンジ:DTH(遅延型過敏性、抗原性を測定するために使用;10μgの抗原)
チャレンジ:約30cfuのErdman株を含むエアロゾル
チャレンジ後のモニタリング:体重の減少
死亡(チャレンジ後約6ヶ月)。
結果:
1.DTH
免疫抗原に対するポジティブな反応。個々の抗原または融合タンパク質に対する反応は、比較可能であった。PPDに対する皮膚試験反応性は、BCGで免役した群を用いた場合にのみ観察された。
2.保護:MTB72F融合タンパク質でワクチン接種したモルモットは、抗原の混合物で免役したモルモットと比較して、保護を与えた(図1を参照のこと)。
(実施例2:MTB72F融合タンパク質および個々の抗原を含む組成物を用いるマウスのワクチン接種)
上記のように、マウスを、アジュバントのみ(SBAS2、SBAS2’、SBAS2’’またはASAS6)、アジュバント中のMTB72F融合タンパク質、MTB72F DNA、アジュバント中のMTB59F融合タンパク質、またはTbH9、Ra35、およびRa12抗原組成物で免疫した。
方法:
群:1)MTB72F+SBAS2
2)MTB72F+SBAS2’
3)MTB72F+SBAS2’’
4)MTB72F+SBAS6
5)Ra12+TbH9+Ra35(SBAS2中)
6)MTB59F(SBAS2中)
7)SBAS2
8)MTB72F+脱脂、脱糖脂質化したM.vaccae
9)MTB72F DNA
10)MTB72F+IFA
11)MTB72F+BCG
12)脱脂、脱糖脂質化したM.vaccae
13)BCG
14)生理食塩水
15)MTB72F+SBAS2(実験室内処方)。
1群あたり8匹の動物。
免疫スケジュール:一回目の免疫、約3週間後の二回目の免疫、約3週間後の三回目の免疫。
一回目の投薬の約3ヶ月後にエアロゾルチャレンジ。
脾臓細胞または肺細胞を単離し、そして培養した;プレーティングの約3週間後に培養物中のCFUをカウントした。
用量:8μgのMTB72F、6.56μgのMTB59F、またはそれぞれ、1.52、4.3および2.24μgのRa12、TbH9およびRa35(混合)
結果:
ASアジュバントのうち、AS2’’+MB72Fは、このセットの実験における脾臓および肺の両方において最も良好な保護を示した(図2Aおよび2Bを参照のこと)。MTB72Fは、このセットの実験における脾臓および肺の両方において、MTB59Fよりも約1log良好な保護を示した。このことは、Ra12がさらなる利点を提供することを示す。12/H9/35+AS2の混合物は、この実験においてMTB72Fよりも良好な保護を示した。MTB72F
DNAは、この実験において、特に脾臓において最も良好な保護を示した(>2log)。肺における保護は、この実験において、MTB72Fタンパク質+AS2’’を用いた場合に観察された保護に匹敵した。
(実施例3:MTB72F融合タンパク質および個々の抗原を含む組成物を用いるモルモットのワクチン接種)
上記のように、モルモットを、アジュバントのみ(SBAS2、SBAS2’、SBAS2’’またはASAS6)、アジュバント中のMTB72F融合タンパク質、MTB72F DNA、アジュバント中のMTB59F融合タンパク質、またはTbH9、Ra35およびRa12抗原組成物で免疫した。
方法:
群:1)MTB72F+SBAS2
2)MTB72F+SBAS2’
3)MTB72F+SBAS2’’
4)MTB72F+SBAS6
5)Ra12+TbH9+Ra35(SBAS2中)
6)MTB59F(SBAS2中)
7)SBAS2
8)MTB72F+pvac
9)MTB72F DNA
10)MTB72F+IFA
11)MTB72F+BCG
12)BCG
13)生理食塩水
14)脱脂、脱糖脂質化したM.vaccae
抗原:抗原は、1モル当量で処方した。
1群あたり5匹の動物。
1投薬あたりの注射容量は、250μl(IM)であり、以下を含む:
MTB72F 20μg
Ra12、TBH9、Ra35 3.8、10.8および5.6μg
MTB59F 16.4μg
スケジュール:一回目の免疫、約3週間後の二回目の免疫、約3週間後の三回目の免疫。
チャレンジ:最初の免疫から約1ヶ月半後
結果:
チャレンジの約38週間後
Figure 2012034695
チャレンジの50週間後までに、BCG+Mtb72Fで免疫したモルモットのうちの80%(5匹のうち4匹)がなお生存していたが、BCG単独で免疫したモルモットのうち20%(5匹のうち1匹)のみが生存していた。85週目には、BCG+Mtb72Fで免疫した5匹のモルモットのうち4匹が、なお生存し、かつ健康であった(図7を参照のこと)。
(実施例4:長期保護)
上記のように、モルモットを、アジュバント単独(AS2またはAS2”)、アジュバント中のMTB72F融合タンパク質、TbH9、Ra35およびRal2抗原組成物、またはアジュバント中の種々の個々の抗原で免疫した。
(方法)
Figure 2012034695
(実施例5:MTB72F融合タンパク質および個々の抗原を含む組成物でのサルのワクチン接種)
上記のように、サルを、SBAS2アジュバント中のMTB72F融合タンパク質、またはアジュバント中のMTB8.4抗原組成物、またはMTB72FおよびMTB8.4の混合物で免疫した。
方法:

1.生理食塩水
2.BCG
3.MTB8.4/AS2
4.MTB72F/AS2
5.MTB72F/AS2(一方の腕)+MTB8.4/AS2(他方の腕)
各抗原40μg。
結果:
チャレンジの8週間後に、BCGで免疫したサルは、感染の徴候を見せている。
チャレンジの16週間後についての現在のデータによって、以下の傾向が明らかになっている:
MTB72Fで免疫した群(4および5)は、体重を維持し、群3(MTB8.4免疫)と比較して低いESR値を有する(表1および2)。
Figure 2012034695
Figure 2012034695
(実施例6:サルにおけるBCGプライミング実験)
4つの群(5匹/群)をBCGで免疫し、休ませ、次いで上記のように免疫し、そしてチャレンジする。以下のプロトコルを使用する:
Figure 2012034695
全ての抗原を、AS2中に処方する。
群4および5は、各4匹の動物を有する。BCG免疫したサルのうち2匹が死亡した。
Figure 2012034695
(実施例7:Ra35MutSAおよびMTB72FMutSAの構築)
代表的に、Mtb72fの発現は、いくつかの破損した産物を生じする。さらに、E.coliにおけるRa35(Mtb32A)の成熟または全長形態の全長配列の発現は、困難である。発現された産物は、低レベルのタンパク質発現を示すポリクローナルウサギ抗Ra35Abを用いた免疫ブロット後にのみ、可視化できた。その際さえも、組換え抗原の自己触媒破損(分解)を示す複数の特定の種(バンド)が検出された。これは、生物学的に活性な形態としてのE.coliにおけるRa35FLの発現に起因すると推定された。
N末端の半分(Ra35N末端、Ra35と称される)およびC末端の半分(Ra35C末端、Ra12と称される)を含む2つの重複する半分のものとしてRa35FLを発現することが可能であったことが、以前に示された。Ra35分子全体の発現を増強および安定化するために、単一点変異を、3つ組活性部位内の残基のうちの1つに導入した(SerからAlaの置換、図6を参照のこと)。そうするとこの変異誘発した形態のMtb32Aを、安定形態で高レベルで簡単に発現させることができた。さらに、Mtb72Fの発現を安定化させるために、単一ヌクレオチド置換(融合タンパク質の710位にSerからAlaの変更を生じる、TからGへの置換)を、Mtb72F配列中のヌクレオチド2128位に導入した(図5を参照のこと)。
この安定化はまた、Ra35FL、Ra35、もしくはMtb72FまたはRa35を含む他の融合タンパク質中の3つ組活性部位を含む3つの残基(His、Asp、またはSer)のうちの任意の1つ、任意の2つ、または3つ全てを変異誘発することによって、容易に達成される。変異誘発は、当業者に公知の任意の技術を使用して実行され得る。
(実施例8:Ra35FLMutSA−TbH9およびMTB72FMutSAを用いたマウスの免疫)
1群につき8匹のマウスを、以下に列挙する組成物(アジュバントAS2Aを含む)で免疫した。次いで、このマウスをMycobacterium tuberculosisでチャレンジし、そしてマウスの生存を測定した。
Figure 2012034695

Claims (16)

  1. 結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32A抗原またはそれと少なくとも95%の同一性を有する該MTB32A抗原の変異体を含むポリペプチドをコードする核酸であって、該MTB32A抗原(配列番号2または配列番号4)および該変異体の三つ組活性部位内の少なくとも1つのアミノ酸が、異なるアミノ酸によって置換されている、上記核酸。
  2. 三つ組活性部位内の少なくとも1つのアミノ酸が、異なるアミノ酸によって置換されているMTB32A抗原(配列番号2または配列番号4)を含むポリペプチドをコードする、請求項1に記載の核酸。
  3. 配列番号4の183位のアミノ酸または配列番号2の208位のアミノ酸に対応するセリン残基が、別のアミノ酸によって置換されている、請求項1または2に記載の核酸。
  4. セリン残基がアラニン残基で置換されている、請求項3に記載の核酸。
  5. 前記核酸が、配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項4に記載の核酸。
  6. 請求項1に記載の核酸を含有する、医薬組成物。
  7. 請求項1に記載の核酸を含む融合ポリペプチドをコードする、核酸。
  8. 結核菌群のMycobacterium種由来のMTB32Aポリペプチドを含むポリペプチドであって、該MTB32A抗原(配列番号2または配列番号4)の三つ組活性部位内の少なくとも1つのアミノ酸が、異なるアミノ酸によって置換されている、上記ポリペプチド。
  9. 配列番号4の183位のアミノ酸または配列番号2の208位のアミノ酸に対応するセリン残基が、別のアミノ酸によって置換されている、請求項8に記載のポリペプチド。
  10. セリン残基がアラニン残基で置換されている、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項10に記載のポリペプチド。
  12. 請求項8に記載のポリペプチドを含有する、医薬組成物。
  13. 請求項8に記載のポリペプチドを含有する、融合ポリペプチド。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の核酸、医薬組成物またはポリペプチドと、アジュバントをさらに含む、ワクチン組成物。
  15. 前記アジュバントが、QS21および3D−MPLを含む、請求項14に記載のワクチン組成物。
  16. 哺乳動物において免疫応答を誘発するための医薬の製造における、請求項1〜14のいずれか1項に記載のワクチン組成物、核酸、医薬組成物またはポリペプチドの使用。
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