JP2012032533A - 光偏向板、面光源装置及び透過型画像表示装置 - Google Patents

光偏向板、面光源装置及び透過型画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】点状光源からの光に適用可能であり、輝度ムラを抑制可能な光偏向板、面光源装置及び透過型画像表示装置を提供する。
【解決手段】光拡散板21は、第1の方向に延在し第一主面21aに形成された複数のプリズム部30及び第2の方向に延在し第二主面21bに形成された複数の光学要素部40を有する。プリズム部の一対の側面33a,33bの各々は、板厚方向とのなす角度が先端部側より裾側で小さい。光学要素部は、第2の方向に直交する面内での出射光の強度分布が、出射光の最大強度の90%〜10%にかけて一次関数的に変化する領域51を有するように、形成されている。上記強度分布は、光偏向板から100mm離して測定用光源22eaxmを配置して出射光を測定した場合に、第1の方向での上記光源位置を基準としそこからの距離に対する出射光の強度の分布であり、強度分布の上記領域は最大強度の50%の位置に対して点対称である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光偏向板、面光源装置及び透過型画像表示装置に関するものである。
液晶表示装置などの透過型画像表示装置では、液晶表示部のバックライトを出力する光源の一例として直下型の面光源装置が使用されている。例えば図39に示すように、透過型画像表示装置(70)として、透過型画像表示部(10)の背面側に光源(80)が配置されたものが広く用いられている。透過型画像表示部(10)は、液晶表示パネルであり、液晶セル(11)の両面に直線偏向板(12,13)が配置されている。光源(80)は、直管型の冷陰極線管などのような線状光源が用いられる。光源(80)は、複数本、互いに平行に配置されて用いられている。
透過型画像表示装置(70)では、光源(80)からの光を均一に分散させて透過型画像表示部(10)を均一に照明できることが望ましい。このため、透過型画像表示装置(70)では、光源(80)と透過型画像表示部(10)との間に、光偏向板の一例としての光拡散板(90)が配置されている。この光拡散板(90)は、光源側(80)から入射した光を、その向きを変えて反対側の透過型画像表示部(10)側から出射させる機能を有している。
図40は、従来の光拡散板の一例を模式的に示す図である。図40に示す従来の光拡散板(90)では、光源(80)側の主面(90a)及び透過型画像表示部(10)側の主面(90b)に、複数の凸状部(100,110)が設けられている。また、凸状部(100,110)の側面は平面で構成されており、複数の凸状部(100,110)は、断面形状が三角形を成している。複数の凸状部(100,110)は、光源(80)側の主面(90a)では図40に示すx方向に延在し、透過型画像表示部(10)側の主面(90b)では図40に示すy方向に延在している(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−198913号公報
近年、直管型冷陰極線管に代えて、省エネルギーの観点から、発光ダイオードを光源として用いることが検討されている。発光ダイオードは通常、点状光源であり、これを離散的に配置して用いられる。
しかし、従来の光拡散板は、発光ダイオードのような点状光源と組み合わせて透過型画像表示装置に用いると、点状光源からの光を十分に均一なものとすることができず、透過型画像表示部により表示される画像は、点状光源の近傍と、これから離れた位置とで明るさが異なるものになるという輝度ムラの発生が問題となっていた。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、点状光源からの光に対して適用可能であり、輝度ムラを抑制可能な光偏向板、面光源装置及び透過型画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明による光偏向板は、板状を成し、第一主面から入射した光を第一主面と対向する第二主面から出射する光偏向板であって、第1の方向に延在しており、第一主面に形成されている複数のプリズム部と、第1の方向に略直交する第2の方向に延在しており、第二主面に形成されている複数の光学要素部と、を有し、複数のプリズム部は、第2の方向において並列に配置されており、プリズム部が有する一対の側面の各々は、板厚方向とのなす角度が先端部側より裾側で小さくなっており、光学要素部は、第1の方向において並列に配置されており、第2の方向に直交する面内における第二主面側からの出射光の強度分布が、出射光の最大強度の90%から10%にかけて一次関数的に変化する領域を有するように、形成されており、上記強度分布は、光偏向板から100mm離して測定用光源を配置して出射光を測定した場合に、第1の方向における測定用光源の位置を基準点とし基準点からの距離に対する出射光の強度の分布であり、上記強度分布が有する上記領域は、最大強度の50%の位置に対して点対称である、ことを特徴とする。
上記構成では、第一主面から入射された光が第二主面から出射される。この場合、光は、第一主面に形成された複数のプリズム部を介して光偏向板に入射され、第二主面に形成されている複数の光学要素部を介して出射される。プリズム部の延在方向(第1の方向)と光学要素部の延在方向(第2の方向)とは略直交しているので、例えば、第一主面側に点状光源を配置したとしても面状の光を出射することができる。
また、上記構成では、例えば、複数の光源に対して光偏向板を配置した場合、光源からの光はプリズム部を介して主に偏向板に入射される。第1の方向に直交する断面内において、隣接する2光源間の中央部上付近のプリズム部に入射する場合には、プリズム部が有する一対の側面の先端部側からより多く光が入射する。この際、側面への光の入射角は、光源側の面にプリズム部が形成されておらず光源側の面が平坦な面の場合の入射角より小さいことから、入射時の透過率がより大きくなっている。よって、隣接する2光源の中央部上の付近に伝搬してくる光を効率的に利用可能である。
一方、光源上では、板厚方向に平行な方向に光が伝搬してくるため、プリズム部の側面のほぼ全面に光が到達することになる。上記構成では、プリズム部の裾側では側面と板厚方向の法線方向とのなす角度が先端部側よりも小さくなっているため、例えば、プリズム部の側面が、上記法線方向に対して先端部側と同じ角度で一様に傾斜している平面である場合よりも、プリズム部の裾側における光の入射時の透過率が低減している。その結果、前述したように、複数の光源に対して光偏向板を配置した際、プリズム部の延在方向に直交する断面内において、その断面内を伝搬する光の成分に基づく輝度ムラを抑制することが可能である。
また、光偏向板は、第二主面に複数の光学要素部を有する。これにより、光偏向板に対して一つの光源から光を供給した場合において、第2の方向に直交する断面での強度分布は、出射光の最大強度の50%に対して点対称であると共に、最大強度の90%から10%にかけて一次関数的に変化する領域を有する。例えば、複数の光源に対して光偏向板を配置した場合、第2の方向に直交する断面での複数の光源からの光の成分による強度分布は、主に隣接する2つの光源からの光の強度分布の重ね合わせになる。各光源からの光の強度分布が上述した特性を有し、特に一次関数的に変化する領域を有するので、第2の方向に直交する断面内を伝搬する隣接する2つの光源からの光の成分による光偏向板からの出射光の強度の均一化を図ることができる。従って、第2の方向に直交する断面においても、光を十分に均一化することができる。
このように、光偏向板では、第1及び第2の方向に直交する断面内を伝搬してくる光の成分に基づく輝度ムラを抑制できるので、例えば点状光源からの光を面状に変換しながら、輝度ムラの抑制を図ることが可能である。
更にまた、本発明に係る光偏向板では、一対の側面の各々は、プリズム部の先端部側に第1の平面部と、プリズム部の裾側に第2の平面部と、を有し、第2の平面部と板厚方向とのなす角度が、第1の平面部と板厚方向とのなす角度より小さい、とすることができる。
また、本発明の光偏向板では、上記強度分布において、第1の方向における最大強度の50%の位置までの基準点からの距離をwとしたとき、第1の方向における最大強度の50%の位置と最大強度の90%又は10%の位置との間の距離はw/10以上である、ことが好ましい。これにより、例えば、複数の光源に対して光偏向板を配置した場合、第2の方向に直交する断面での、隣接する2つの光源から出力され光偏向板を通過した光の強度分布において、一次関数的に変化する領域の重なりがより生じやすい。
更に、本発明に係る光偏向板では、上記強度分布のうち基準点における出射光の強度から出射光の強度が略0になるまでの間の領域は、最大強度の50%の位置に対して点対称であることが好適である。これにより、例えば、複数の光源に対して光偏向板を配置した場合、第2の方向に直交する断面での、隣接する2つの光源から出力され光偏向板を通過した光の強度分布において、隣接する2つの光源間の強度が均一になりやすい。また、光偏向板と光源との配置関係や複数の光源間の距離が変化したとしても、第2の方向に直交する断面において、隣接する2つの光源間の強度の減少が更に抑制されるため、輝度ムラをより安定して抑制することが可能である。
また、本発明に係る光偏向板では、光学要素部は凸状部であり、凸状部の第2の方向に直交する断面において、当該凸状部の第1の方向に対する両端をとおる軸線をx軸とし、x軸上において両端の中心をとおりx軸に直交する軸線をz軸とし、凸状部のx軸方向の長さをwとしたとき、上記断面での凸状部の輪郭形状が、−0.5w×0.95≦x≦0.5w×0.95において下記式(1)を満たすz(x)で表されることが好ましい。
Figure 2012032533

ただし、上記式(1)において、
Figure 2012032533

(式(2)中、hは0.4825w〜0.521wの範囲から選択される数、kは−0.232〜−0.227の範囲から選択される数)。
上述したような構成では、凸状部が上記z(x)で表される断面形状を有することから、凸状部から出射される光の正面方向の強度分布において、強度分布の頂部から裾部にかけて強度がリニア的に(一次関数的に)変化する領域を有する。従って、第2の方向に直交する断面において、光偏向板から出射される光の輝度ムラをより安定して低減できる。
また、本発明に係る光偏向板では、光学要素部は凸状部であり、凸状部の第2の方向に直交する断面において、当該凸状部の第1の方向に対する両端をとおる軸線をx軸とし、x軸上において両端の中心をとおりx軸に直交する軸線をz軸とし、凸状部のx軸方向の長さをwとしたとき、上記断面での凸状部の輪郭形状が、−0.5w×0.95≦x≦0.5w×0.95において下記式(3)を満たすz(x)で表されることも好適である。
Figure 2012032533

ただし、上記式(3)において、
Figure 2012032533

(式(4)中、hは0.5966w〜0.6837wの範囲から選択される数、kは−0.075〜−0.069の範囲から選択される数)。
上述したような構成でも、凸状部が上記z(x)で表される断面形状を有することから、凸状部から出射される光の正面方向の強度分布において、強度分布の頂部から裾部にかけて強度がリニア的に(一次関数的に)変化する領域を有する。従って、第2の方向に直交する断面において、光偏向板から出射される光の輝度ムラをより安定して低減できる。
また、本発明による面光源装置は、離散的に配置された複数の点状光源と、複数の点状光源上に設けられており、複数の点状光源からの光が照射される本発明に係る光偏向板と、を備えることを特徴とする。
前述したように、本発明に係る光偏向板では、点状光源からの光を面状の光に変換することができ、その際、点状光源からの光を十分により均一に分散させることが可能である。上記面光源装置の構成によれば、点状光源からの光を、上記光偏向板を通して出射するため、点状光源からの光を十分に均一に分散させて出射可能である。その結果、輝度ムラの抑制された面状の光を出射することができる。
また、本発明による透過型画像表示装置は、離散的に配置された複数の点状光源と、複数の点状光源上に設けられており、複数の点状光源からの光が照射される本発明に係る光偏向板と、光偏向板上に設けられており、光偏向板を透過した光が照射される透過型画像表示部と、を備えることを特徴とする。
前述したように、本発明に係る光偏向板では、点状光源からの光を面状の光に変換することができ、その際、点状光源からの光をより十分に均一に分散させることが可能である。上記透過型画像表示装置の構成によれば、点状光源からの光を、上記光偏向板を通して出射するため、点状光源からの光を十分に均一に分散させて出射可能である。従って、本発明に係る透過型画像表示装置では、十分に均一に分散させられた光で透過型画像表示部を照射できるので、輝度ムラの抑制された画像を表示することが可能である。
本発明の光偏向板は、点状光源からの光を、輝度ムラの抑制された面状にして出射することができる。従って、この光偏向板を点状光源と組み合わせて面光源装置に用いると、点状光源からの光を輝度ムラの抑制された面状の光として出力可能である。更に、光偏向板を点状光源と組み合わせて透過型画像表示装置に用いると、透過型画像表示部により表示される画像は、点状光源の位置に拘わらず、均一な明るさで表示することができる。このように本発明によれば、点状光源に適用でき、輝度ムラを抑制可能な光偏向板、それを備えた面光源装置及び透過型画像表示装置を提供することができる。
本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示した透過型画像表示装置が有する光拡散板の一例を模式的に示す断面図である。 図2に示した光拡散板の第1の方向に直交する断面形状を示す図面である。 第一凸状部の概略構成図である。 図4に示した第一凸状部の先端部近傍を拡大した模式図である。 図4に示した第一凸状部の裾部近傍を拡大した模式図である。 図2に示した光拡散板の第2の方向に直交する断面形状を示す図面である。 第二凸状部からの出射光の所望の強度分布の一例を模式的に示す図面である。 強度分布の測定方法の一例を示す図面である。 第二凸状部の設計のためのシミュレーションモデルを示す図面である。 第二凸状部の設計の一工程を示す図面である。 第二凸状部の延在方向に直交する断面形状の一例を示す図面である。 図12に示した第二凸状部の断面形状を示す輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第二凸状部の形状例1の輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第二凸状部の形状例2の輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第二凸状部の延在方向に直交する断面形状の他の例を示す図面である。 図16に示した第二凸状部の断面形状を示す輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第二凸状部の形状例3の輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第二凸状部の形状例4の輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を示す図面である。 第1の方向に隣接する2つの点状光源間の中央部真上近傍でのプリズム部に入射する光の光線経路の模式図である。 点状光源の真上及びその近傍でプリズム部に入射する光の光線経路の模式図である。 第1の方向に隣接する2つの光源間の強度分布の一例を示す図面である。 第1の方向に隣接する2つの光源間の強度分布の他の例を示す図面である。 第1の方向に隣接する2つの光源間の強度分布の更に他の例を示す図面である。 実施例1〜4のシミュレーションモデルを示す模式図である。 実施例1のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。 実施例2のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。 実施例3のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。 実施例4のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。 実施例1〜4の第二凸状部の断面形状を示す図面である。 実施例1におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。 実施例1におけるシミュレーション2の結果示す図面である。 実施例2におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。 実施例2におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。 実施例3におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。 実施例3におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。 実施例4におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。 実施例4におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。 従来の光偏向板を用いた透過型画像表示装置の一例を模式的に示す図である。 従来の光偏向板の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同一または相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図1は、透過型画像表示装置を分解して示している。
透過型画像表示装置1は、透過型画像表示部10と、図1において透過型画像表示部10の背面側に配置された面光源装置20とを備えている。
透過型画像表示部10としては、例えば液晶セル11の両面に直線偏光板12,13が配置された液晶表示パネルが挙げられる。この場合、透過型画像表示装置1は液晶表示装置(又は液晶テレビ)である。液晶セル11,偏光板12,13は、従来の液晶表示装置等の透過型画像表示装置1で用いられているものを用いることができる。液晶セル11としてはTFT型、STN型等の公知の液晶セルが例示される。
面光源装置20は、いわゆる直下型のものである。面光源装置20は、光偏向板としての光拡散板21と、図1においてその背面側に配置された複数の点状光源22とを含む。図1では、点状光源22を模式的に示している。点状光源22としては、例えば発光ダイオードが挙げられる。複数の点状光源22は、面光源装置20及び透過型画像表示部10の配列方向に略直交する2方向に対してそれぞれ離散的に配置されており、各方向において例えば互いに等間隔Lとなるように配置されて用いられる。
光拡散板21は、点状光源22から透過型画像表示部10側に離間して配置されている。光拡散板21は、光が透過可能な板状体であり、光を均一に分散させるためのものである。光拡散板21の平面視形状は、例えば長方形や正方形といった四角形状が挙げられる。光拡散板21では一方の主面を第一主面21aとし、他方の主面を第二主面21bとする。光拡散板21は、第一主面21aが点状光源22側となり、第二主面21bが透過型画像表示部10となるように配置されている。この配置では、第一主面21aから入射した光は、反対側の第二主面21bから出射される。光拡散板21の厚さhz1は約0.3mm〜約6mmが例示される。
光拡散板21は透明材料からなる。透明材料の屈折率は通常1.49〜1.62であり、透明材料としては、透明樹脂、透明ガラスが例示できる。また、透明樹脂としては、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)(屈折率:1.49)、シクロオレフィン樹脂(屈折率:1.51〜1.55)、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.59)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)(屈折率:1.49〜1.59)、ポリスチレン樹脂(屈折率:1.59)などが例示される。
透明材料として透明樹脂材料を用いる場合、この透明樹脂材料に紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、加工安定剤、難燃剤、滑剤等の添加剤を添加することもできる。これらの添加剤はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤である。
透明樹脂材料は、通常、添加剤として光拡散剤を添加することなく用いられるが、本発明の目的を損なわない僅かな量であれば、光拡散剤を添加して用いても良い。
光拡散剤として、通常は、光拡散板21を主に構成する上述したような透明材料とは屈折率が異なる粉末が用いられ、これを透明材料中に分散させて用いられる。かかる光拡散剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子などの有機粒子、炭酸カルシウム粒子、シリカ粒子等の無機粒子が用いられ、その粒子径は通常0.8μm〜50μmである。
光拡散板21は、単独の透明材料で構成された単層板であってもよいし、互いに異なる透明材料で構成された層が積層された構造の多層板であってよい。光拡散板21が多層板である場合、光拡散板21の片面又は両面は、通常10μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μmの厚みのスキン層が形成された構造とし、このスキン層を構成する透明材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いることが好ましい。かかる構成とすることにより、点状光源22や外部からの光に含まれる可能性のある紫外線による光拡散板21の劣化を防止することができる。特に点状光源22として紫外線の占める割合が比較的大きいものを用いた場合には、紫外線による劣化を防止できることから、点状光源22側の面にスキン層が形成されていることが好ましく、このとき透過型画像表示部10(例えば、液晶パネル)側の面には、スキン層が形成されていないことが、コストの面で更に好ましい。スキン層を構成する透明樹脂材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いる場合、その含有量は、透明樹脂材料を基準として通常0.5質量%〜5質量%、好ましくは1質量%〜2.5質量%である。
光拡散板21には、片面又は両面に帯電防止剤が塗布されていてもよい。帯電防止剤を塗布することにより、静電気によるホコリの付着等を防止して、ホコリの付着による光線透過率の低下を防止することができる。
図2を参照して、光拡散板21の構成について説明する。図2は、図1に示した光拡散板の一例を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、光拡散板21の第一主面21aには、複数の第一凸状部30が形成されており、第二主面21bには、第二凸状部40が形成されている。第一凸状部(プリズム部)30及び第二凸状部(光学要素部)40は、互いに反対側、すなわち、外側に凸である。また、第一凸状部30及び第二凸状部40は互いに異なる方向に延在している。第一凸状部30の延在方向と第二凸状部40の延在方向とは、互いに略直角に交わっている。具体的には、第一凸状部30の延在方向と第二凸状部40の延在方向とは、80°〜100°、好ましくは85°〜95°の角度範囲で交わっており、理想的には90°の角度で交わっている。本明細書では、第一凸状部30の延在方向をx方向(第1の方向)とも称し、第二凸状部40の延在方向をy方向(第2の方向)とも称する。また、光拡散板21の板厚方向をz方向とも称する。
[第一凸状部]
図3を利用して第一凸状部について説明する。図3は、光拡散板を第一凸状部の延在方向(x方向)に対して垂直な方向で切断した断面図である。図3では、第二凸状部40の頂部を含むような断面を示している。以下、特に断らない限り、x方向に対して垂直な方向で切断した断面図は、第二凸状部40の頂部を含むような断面を示しているものとする。また、以下の説明において、第一凸状部30に対する光の伝搬について説明する際には、第一凸状部30の延在方向に直交する断面内の光の成分に着目しているものとする。
図3に示すように、各第一凸状部30は、プリズム形状を有するプリズム部である。複数の第一凸状部30は、y方向に並列に形成されており、例えば図3に示すように鋸歯状になっている。この場合、光拡散板21の第一主面21aには、点状光源22に向けて凸である複数の線状プリズムからなる線状プリズム群が構成されていることになる。
複数の第一凸状部30のうち隣り合う第一凸状部30,30同士は互いに接している。すなわち、隣り合う第一凸状部30,30の端31,31は、y方向において同じ位置である。この構成では、隣接する第一凸状部30,30間には、端31を底部とするx方向に延在した第一溝部が形成されていることになる。複数の第一凸状部30は、互いに同一の断面形状を有しており、各第一凸状部30の断面形状は、延在方向(x方向)において均一である。
複数の第一凸状部30のプリズム頂部32は同一の平面上に位置する。本実施形態のように、点状光源22側に凸の各第一凸状部30が形成されている場合、光拡散板21と複数の点状光源22との離間距離Dは、第一凸状部30のプリズム頂部32と、点状光源22との間のz方向の距離とする。
図4は、第一凸状部の概略構成図であり、一つの第一凸状部30を拡大して示している。
第一凸状部30は、一対の側面33a,33bを有している。この側面33a,33bは、点状光源22からの光の入射面になる。一対の側面33a,33bは、プリズム頂部32をとおるz方向に平行な直線に対して対称である。
各側面33a,33bは、図4に示すように、プリズム頂部32側から端31にかけて順に第1の領域(第1の平面部)33a,33b、第2の領域33a,33b及び第3の領域(第2の平面部)33a,33bを有する。各領域33a,33b,33a,33b,33a,33bは、略平面であって、それらがそれぞれz方向とのなす角度β,β,βは、第一凸状部30の先端部側から裾側にかけて小さくなっている。すなわち、第一凸状部30は、裾側で側面33a,33bがより急峻になっている。
一対の側面33a,33bの各々が有する第1の領域33a,33bによりプリズム頂部32が形成されており、一対の第1の領域33a,33bがなす角度αがプリズム頂角である。また、側面33a,33bの第3の領域33a,33bが、z方向に直交する平面となす或いはy方向となす角度γが第一凸状部30のプリズム底角である。この場合、β=0.5αであり、β=0.5π−γである。
プリズム頂角αが満たしている条件を、図5を参照して説明する。図5は、第一凸状部の先端部近傍(図4において一点鎖線で囲んでいる領域A)を拡大した模式図である。図5では、説明のために、複数の点状光源22のうち第一凸状部30が有する一方の側面33aにより近い側の点状光源22を便宜的に示している。
プリズム頂角αは、第一凸状部30が、y方向に隣接する2つの点状光源22,22間の中央部上に位置している場合に、側面33aに近い方の点状光源22からの光Fが第1の領域33aに入射すると、他方の側面33bの第1の領域33bによってz方向に全反射されるように規定された角度である。すなわち、第一凸状部30を構成する材料の屈折率をnとし、入射側屈折率をnとし、図5に示すように、点状光源22から光Fの第1の領域33aへの入射位置までのy方向の距離を近似的にL/2とし、y方向の距離を近似的にDとした場合、プリズム頂角αは、下記式(5)を満たす角度である。
Figure 2012032533
通常、光拡散板21と点状光源22間の媒質は空気であるため、n=1である。本実施形態でも、特に断らない限り、n=1とする。また、前述したように、プリズム頂角αを規定する際には、第一凸状部30は、y方向に隣接する2つの点状光源22,22間の中央部上に位置していることを仮定している。よって、厳密にはプリズム頂部32と点状光源22との間のy方向の距離がL/2となり、プリズム頂部32と点状光源22とのz方向の距離がDとなる。しかしながら、第一凸状部30の大きさ、特に、プリズム頂部32近傍の大きさは、上記LやDに比べて微小である。よって、図5で示すと共に、上記式(5)から理解されるように、光Fの第1の領域33aへの入射位置の点状光源22からのy方向及びz方向の距離をそれぞれL/2及びDと表しても、誤差は無視できる範囲のものである。
次に、プリズム底角γが満たしている条件を、図6を参照して説明する。図6は、図4に示した第一凸状部の裾部近傍(図4に示した二点鎖線で囲んだ領域B)を拡大した模式図である。プリズム底角γが満たす条件は、点状光源22の真上近傍において光拡散板21から照射される光の輝度を低減するためのものであり、プリズム底角γは、z方向に進行してくる光Fが第一凸状部30へ入射する時の透過率Tが約70%以下となる角度となっている。より詳細に説明する。
図6に示すように、z方向に伝搬してくる光Fが第3の領域33aを介して第一凸状部30に入射して第一凸状部30内へ出射されるときの出射角をδとする。また、光Fの入射時のs偏光透過振幅係数及びp偏光透過振幅係数をそれぞれt,tとする。このとき、プリズム底角γは、以下の関係式(6)を満たしている。
Figure 2012032533

ただし、δ、t、tは、以下の式(7),式(8),式(9)を満たす。
Figure 2012032533

Figure 2012032533

Figure 2012032533
図4に示した第一凸状部30は、上記式(5)並びに式(6)〜式(9)で示すと共に、図5及び図6を利用して説明した条件を満たすようにプリズム頂角α及びプリズム底角γを有している。換言すれば、プリズム頂角α及びプリズム底角γを有するように、第1の領域33a,33b及び第3の領域33a,33bがy方向(或いはz方向)に対して傾斜しており、第1の領域33a,33b及び第3の領域33a,33bを繋ぐように第2の領域33a,33bが形成されている。そして、上記プリズム頂角α及びプリズム底角γの条件を満たすとき、図4に示すように、z方向と第1の領域33a,33bがなす角度βより第3の領域33a,33bがなす角度βの方がより小さくなっている。すなわち、平面状の第3の領域33a,33bが平面状の第1の領域33a,33bより急峻になっている。
角度β,β,βとしては、例えば、30°,20°,10°が例示される。また、図4に示すように第1の領域33a、第2の領域33a及び第3の領域33aのy方向の長さ、詳細には、各領域をy方向に投影した長さをy,y,yとしたとき、y,y,yは、例えば、20μm、15μm、12.5μmである。或いは、y,y,yは、例えば、25μm、12.5μm、10μmである。ここでは、側面33a側について説明したが、側面33bにおいても同様である。
上記第一凸状部30は、例えば次のようにして設計することができる。光拡散板21においてx方向に直交する断面形状では、第二主面21bは、実質的に平坦であるとして取り扱うことができる。そのため、第一凸状部30の断面形状を設計する際には、第二凸状部40が形成されていない光拡散板において第一凸状部30を設計する場合と同様に設計することが可能である。従って、以下の説明では、上記仮定の下での第一凸状部30の断面形状の決定方法の一例について説明する。
先ず、L/Dを予め所望の数値(例えば、3.5)に設定し、式(5)及び式(6)〜式(9)を満たすように、プリズム頂角α及びプリズム底角γを規定する。これにより、平面状の第1及び第3の領域33a,33b,33a,33bとz方向とのなす角度が規定されることになる。第1及び第3の領域33a,33b,33a,33bのy方向の長さy,yは、光拡散板21の大きさに応じて決定する。そして、第1及び第3の領域33a,33b,33a,33bを第2の領域33a,33bで繋いで第一凸状部30を設計する。
〔第二凸状部〕
図7を利用して第二凸状部について説明する。図7は、第二凸状部をその延在方向(y方向)に対して垂直な方向で切断した断面である。図7では、第一凸状部30の頂部32を含むような断面を示している。以下、特に断らない限り、y方向に対して垂直な方向で切断した断面図は、第一凸状部30のプリズム頂部32を含むような断面を示しているものとする。また、以下の説明において、第二凸状部40に対する光の伝搬について説明する際には、第二凸状部40の延在方向に直交する断面内の光の成分に着目しているものとする。
図7に示すように、各第二凸状部40は、一方向に延在している線状の光学要素である。光学要素としては、レンズやプリズムが例示される。複数の第二凸状部40は、x方向に並列に形成されている。隣り合う第二凸状部40,40同士は互いに接している。すなわち、隣り合う第二凸状部40,40の端41,41は、x方向において同じ位置となる。この構成では、隣接する第二凸状部40間には、端41を底部とするy方向に延在した第二溝部が形成されていることになる。複数の第二凸状部40の各々は、互いに同一の断面形状を有しており、各第二凸状部40の断面形状は、延在方向(y方向)において均一である。
第二凸状部40は、光拡散板21をy方向に対して垂直な断面内を伝搬する光の成分に基づく強度分布が所望の強度分布を実現する断面形状を有する。具体的には、光拡散板21の下方に配置された点状光源22から出力された光を、複数の第二凸状部40が形成された第二主面21b上に配置した検出器で測定した際に、y方向に対して垂直な面における強度分布が図8に示すような強度分布50を実現する断面形状を第二凸状部40は有している。図8は、第2の方向(y方向)に直交する断面での第二凸状部からの出射光の所望の強度分布を示す図面である。
図8を参照して強度分布50が満たす条件について説明する。x方向に平行な方向をX軸方向とし、X軸方向における点状光源22の位置を原点(基準点)Oとする。図8において横軸はX軸方向における点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は強度を示している。
強度分布50は次の条件を満たす。以下では、X≧0の領域を例にして説明するが、X≦0の領域に対しても同様である。
(a)最大強度Imaxの90%〜10%にかけて強度が一次関数的に変化する線形変化領域51を有する。
(b)線形変化領域51は、強度分布上における最大強度Imaxの50%の強度(0.5Imax)の点Pに対して点対称である。すなわち、最大強度Imaxの50%の強度となるX軸上の位置をX0.5とすれば、P(X0.5,0.5Imax)に対して点対称である。
強度分布50は上記(a)及び(b)の条件を満たしていれば良いが、更に、次の条件(c)及び(d)を満たすことが好ましい。ここでも、X≧0の領域を例にして説明する。
(c)最大強度Imaxの50%の強度となるX軸方向の原点Oからの距離をw(=X0.5)とし、最大強度Imaxの90%の強度となるX軸方向の原点Oからの距離をwとし、最大強度Imaxの10%の強度となるX軸方向の原点Oからの距離をwとしたとき、wとwとの差の絶対値又はwとwとの差の絶対値wは、所定の長さl以上である。ここで、所定の長さlは、w/10が例示され、好ましくはw/8、更に好ましくはw/6である。
(d)強度分布50において最大強度Imaxから裾部にかけての領域は、点P(X0.5,0.5Imax)に対して点対称である。
条件(d)を有することで条件(b)は満たされることになる。前述したように、強度分布50は上記(a)及び(b)の条件を満たしていれば良いが、以下の説明では、第二凸状部40は、特に断らない限り、条件(a)〜(d)を満たす強度分布を実現するものである。図8では、強度分布50は、台形状、換言すれば、頂部側が平坦な山型の形状を例示しているが、これに限定されない。例えば、強度分布50は、頂部側に向けて先細りした山型といった三角形状であってもよい。更に、図8では、強度分布50は、原点Oの位置に対して左右対称であるが、原点Oに対してXが正及び負の領域それぞれにおいて上記条件(a),(b)又は条件(a)〜(d)を満たしていればよい。
図9を参照して、図8に示した強度分布50を光拡散板21が実現しているか否かを検証するための強度分布の測定方法の一例を説明する。図9は強度分布の測定方法の一例を示す図面である。
図9に示したように、測定用の点状光源22examを光拡散板21から所定の距離D離して配置する。点状光源22examとしては、LEDが例示できる。距離Dは、複数の第一凸状部(プリズム部)30のプリズム頂部32と点状光源22examとの間のz方向の距離であり、100mmとすることができる。そして、点状光源22examから光を出力し、光拡散板21内を伝搬して第二主面21bから出射された光を、第二主面21b側に配置した光検出器(不図示)で検出する。この際、光検出器は、z方向に出射される光を検出するように配置する。光検出器は、例えば、受光角が2.5°以下の挟角光検出器であることが好ましい。以下の説明では、z方向に沿った方向を正面方向とも称する。より確実に、y方向に垂直な断面における強度分布の測定とするためには、例えば、第二主面21b上にx方向に延在するスリットを設け、そのスリットを通過した光を検出するようにすることも好ましい。
透過型画像表示装置1(例えば、液晶表示装置)において、点状光源22と光拡散板21との距離Dは通常3mm〜50mmである。一方、第二凸状部40の幅は通常800μm以下、好ましくは10μm以上800μm以下である。このように、透過型画像表示装置1等に光拡散板21を適用する際、第二凸状部40の大きさに対して距離Dは十分大きい。従って、上記のように距離Dを100mmと十分長い距離に点状光源22examを配置して検証用の強度分布を測定することで、実際の面光源装置20や透過型画像表示装置1の配置においても同様の強度分布を実現できていると考えることができる。そのため、光拡散板21は、上記測定方法で検出して得られる強度分布が、条件(a)〜(d)を満たしていれば良い。
上述した条件(a)〜(d)を満たす第二凸状部40の断面形状は、光線追跡法に基づくシミュレーションを利用して、所望の強度分布を得るように設計可能である。光拡散板21においてy方向に直交する断面形状では、第一主面21aは、実質的に平坦であるとして取り扱うことができる。そのため、第二凸状部40の断面形状を設計する際には、第一凸状部30が形成されていない光拡散板において第二凸状部40を設計する場合と同様に設計することが可能である。従って、以下の説明では、上記仮定の下での第二凸状部40の断面形状の決定方法の一例について説明する。また、シミュレーションのために、次の3つの近似を採用する。
・y方向に直交する面内においてシミュレーションを実施する。
・点状光源22は理想的な点光源、すなわち、点状光源22の直径は0とする。
・直接透過光のみを考慮する。
シミュレーションでは、図10に示すようなシミュレーションモデルを採用する。すなわち、第二凸状部40が形成される前の光拡散板の断面形状モデルを長方形60で表し、長方形60の第1の辺60aから所定の距離Dの位置に点状光源22があるものとする。所定の距離Dは、例えば光拡散板の適用を想定している面光源装置20及び透過型画像表示装置1に応じて決定する。距離Dは、前述したように例えば3mm〜50mmから選択することができる。
上記近似及びモデルの下、例えば次のようにして第二凸状部40の断面形状を決定する。
(ステップ1)
図11に示すように、点状光源22からの距離の関数として、長方形60の直接透過光を正面方向に向けるように、長方形60が有する第2の辺60bの各出射位置での斜度をそれぞれ求める。この斜度の決定方法は、フレネルレンズの設計方法で用いられる方法と同様のものとすることができる。斜度は、第2の辺60bの単位線要素61に対して決定する。図11では、斜度を計算する過程の一部を模式的に示している。
(ステップ2)
長方形60への光の入射位置での単位線要素61あたりの入射光量、透過率、出射位置での透過率を求め、各斜度に対する単位線要素61あたりの出射光量を求める。
(ステップ3)
各斜度に対する単位線要素61の大きさを調整して、正面強度分布が所望の強度分布になるように決める。
上記ステップ1〜3により、正面方向に対して所望の強度分布を実現可能な第二凸状部40の断面形状が設計できる。
人間の目などは一定の大きさを有するので、通常は、図11の第1の辺60aの法線方向(図2のz方向)を基準とした所定の角度幅(例えば±2.5°)内の光を検出している。従って、第二凸状部40の断面形状の設計においても、例えば、上記ステップ1〜3で断面形状を設計した後、所定の角度幅内の強度を積算して得られる強度分布が所望の強度分布になるように、第二凸状部40の形状を修正することが好ましい。また、上記第二凸状部40の断面形状の設計では、ステップ1〜3で例示した設計工程で得られた断面形状の輪郭線に対して、例えば楕円近似といった曲線近似をしてもよい。
第二凸状部40の第一の実施形態について具体的に説明する。この第一の実施形態における第二凸状部40を第二凸状部40Aと称す。
図12は第二凸状部の延在方向に直交する断面形状の一例を示す図面であり、一つの第二凸状部を拡大して示している。第二凸状部40Aの断面形状を、図12に示すように設定した局所的なxz座標系を用いて説明する。xz座標系を構成するx軸は複数の第二凸状部40Aの配列方向(第1の方向)に平行な軸線であり、z軸は板厚方向(第1及び第2の方向に直交する方向)に平行な軸線である。
このxz座標系のxz面において、第二凸状部40の断面形状の輪郭線は下記式(10)を満たすz(x)で表される。
Figure 2012032533

ただし、上記式(10)において、
Figure 2012032533

式(11)中、wは第二凸状部40Aのx軸方向の長さであり、端41,41間の長さである。また、hは0.4825w≦h≦0.521wの範囲から選択される定数であり、kは−0.232≦k≦−0.227の範囲から選択される定数である。h,kの一例は、h=0.521w、k=−0.227である。hは、第二凸状部40Aをz(x)で表される形状とした場合における第二凸状部40Aの両端41,41間のz軸方向の最大高さに対応する。また、kは、第二凸状部40Aのとがり方を示すパラメータである。図12では、h=0.521w、k=−0.227の場合であって、式(10)を満たす範囲内でz(x)をz方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状を例示している。この場合、第二凸状部40Aの断面形状は、両端41,41がx軸上に位置し、頂部42がz軸上に位置している。そして、第二凸状部40Aの断面形状の輪郭線は、z軸に対して対称である。
第二凸状部40Aの輪郭線は、z(x)をz方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状に限定されず、式(10)を満たしていればよい。従って、z(x)は、図13に示すように、ある幅wに対してz(x)を決定した際に、0.95z(x)で表される輪郭線と、1.05z(x)で表される輪郭線の間の領域をとおる輪郭線であればよい。
第二凸状部40Aの幅wとしては、w=410μm、w=400μm又はw=325μmが例示できる。ただし、wの値はこれに限定されない。
図14及び図15に、第一の実施形態における輪郭線の例を、形状例1及び形状例2として更に具体的に示す。図14及び図15において横軸は原点に対する位置(μm)を示しており、縦軸は高さ(μm)を示している。
図14は形状例1における輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を説明するための図面である。形状例1では、w=400μm、h=0.521w、k=−0.227とする。これらの数値で決まるz(x)を、便宜的にz1(x)と称す。図14では、z(x)=z1(x)の場合の輪郭線形状を示している。図14に示したz1(x)を輪郭線形状とした場合、図14及び図12に示した輪郭線形状は同一である。
図14では、上記z1(x)に基づいた輪郭線が満たす条件について説明するために、z1(x)で表される輪郭線とともに、0.95z1(x)で示される輪郭線(図中の破線)及び1.05z1(x)で示される輪郭線(図中の一点鎖線)も示している。そして、上記z1(x)に基づいた輪郭線が満たす条件は、輪郭線が式(10)を満たせばよいので、0.95z1(x)で表される輪郭線と、1.05z1(x)で表される輪郭線との間の領域を通るものであればよい。
図15は形状例2における輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を説明するための図面である。形状例2では、w=400μm、h=0.4825w、k=−0.232としている。形状例1の場合と区別するために形状例2で設定するz(x)をz2(x)と称す。図15では、z(x)=z2(x)の場合の輪郭線形状を示している。
図15では、上記z2(x)に基づいた輪郭線が満たす条件について説明するために、z2(x)で表される輪郭線とともに、0.95z2(x)で示される輪郭線(図中の破線)及び1.05z2(x)で示される輪郭線(図中の一点鎖線)も示している。そして、上記z2(x)に基づいた輪郭線が満たす条件は、輪郭線が式(10)を満たせばよいので、0.95z2(x)で表される輪郭線と、1.05z2(x)で表される輪郭線との間の領域を通るものであればよい。
上記形状例1,2では、w=400μmとしたがこれに限定されないことは前述したとおりである。
第二凸状部40の第二の実施形態について具体的に説明する。第二の実施形態における第二凸状部40を第二凸状部40Bと称す。
図16は第二凸状部の延在方向に直交する断面形状の他の例を示す図面であり、一つの第二凸状部40Bを拡大して示している。第二凸状部40Bの断面形状を、図12の場合と同様に、図16に示すように設定した局所的なxz座標系を用いて説明する。xz座標系を構成するx軸は複数の第二凸状部40Bの配列方向(第1の方向)に平行な軸線であり、z軸は板厚方向(第1及び第2の方向に直交する方向)に平行な軸線である。
このxz座標系のxz面において、第二凸状部40Bの断面形状の輪郭線は下記式(12)を満たすz(x)で表される。
Figure 2012032533

ただし、上記式(12)において、
Figure 2012032533

式(13)中、wは、第二凸状部40の第一の実施形態の場合と同様に、第二凸状部40Bのx軸方向の長さである。第二凸状部40の第二の実施形態では、式(13)において、hは0.5966w≦h≦0.6837wの範囲から選択される定数であり、kは−0.075≦k≦−0.069の範囲から選択される定数である。h,kの一例は、h=0.5966w、k=−0.075である。hは、第二凸状部40Bをz(x)で表される形状とした場合における第二凸状部40Bの両端41,41間のz軸方向の最大高さに対応する。また、kは、第二凸状部40Bのとがり方を示すパラメータである。図16では、h=0.5966w、k=−0.075の場合であって、式(12)を満たす範囲内でz(x)をz方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状を例示している。この場合、第二凸状部40Bの断面形状は、両端41,41がx軸上に位置し、頂部42がz軸上に位置する。また、第二凸状部40Bの断面形状は、z軸に対して対称な輪郭線を有する。
第二凸状部40Bの輪郭線は、z(x)をz方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状に限定されず、式(12)を満たしていればよい。式(12)においてz(x)は、図17に示すように、ある幅wに対してz(x)を決定した際に、0.95z(x)で表される輪郭線と、1.05z(x)で表される輪郭線の間の領域をとおる輪郭線であればよい。
第二凸状部40Bの幅wとしては、w=410μm、w=400μm又はw=325μmが例示できる。ただし、wの値はこれに限定されない。
図18及び図19に、第二の実施形態における輪郭線の例を、形状例3及び形状例4として具体的に示す。図18及び図19において横軸は原点に対する位置(μm)を示しており、縦軸は高さ(μm)を示している。
図18は形状例3における輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を説明するための図面である。形状例3では、w=400μm、h=0.5966w、k=−0.075である。これらの数値で決まるz(x)をz3(x)と称す。図18ではz(x)=z3(x)の場合の輪郭線形状を示している。図18に示したz3(x)を輪郭線形状とした場合、図18及び図16に示した輪郭線形状は同一である。
図18では、上記z3(x)に基づいた輪郭線が満たす条件について説明するために、z3(x)で表される輪郭線とともに、0.95z3(x)で示される輪郭線(図中の破線)及び1.05z3(x)で示される輪郭線(図中の一点鎖線)も示している。そして、上記z3(x)に基づいた輪郭線が満たす条件は、輪郭線が式(12)を満たせばよいので、0.95z3(x)で表される輪郭線と、1.05z3(x)で表される輪郭線との間の領域を通るものであればよい。
図19は形状例4における輪郭線及びその輪郭線が満たす条件を説明するための図面である。形状例4では、w=400μm、h=0.6837w、k=−0.069である。形状例3の場合と区別するために形状例4で設定するz(x)をz4(x)と称す。図19では、z(x)=z4(x)の場合の輪郭線形状を示している。
図19には、上記z4(x)に基づいた輪郭線が満たす条件について説明するために、z4(x)で表される輪郭線とともに、0.95z4(x)で示される輪郭線(図中の破線)及び1.05z4(x)で示される輪郭線(図中の一点鎖線)も示している。そして、上記z4(x)に基づいた輪郭線が満たす条件は、輪郭線が式(12)を満たせばよいので、0.95z4(x)で表される輪郭線と、1.05z4(x)で表される輪郭線との間の領域を通るものであればよい。
上記形状例3,4では、w=400μmとしたがこれに限定されないことは前述したとおりである。
なお、第二凸状部40の第一及び第二の実施形態では、第二凸状部40A,40Bの断面形状が式(10),(12)を満たすz(x)で表されるとした。ただし、第二凸状部40の両端部近傍での製造誤差及び強度分布に与える影響を考慮すれば、第二凸状部40の断面形状は、−0.5w×0.95≦x≦0.5w×0.95において式(10),(12)を満たすz(x)で表されていればよく、−0.5w≦x≦0.5wにおいて式(10),(12)を満たすz(x)で表されていることがより好ましい。
上述した第一凸状部30及び第二凸状部40を有する光拡散板21の厚みhz1は、第一凸状部30の頂部32から第二凸状部40の頂部42までのz方向の距離である。光拡散板21の厚みhz1は、0.3mm〜6mmが例示され、好ましくは0.5mm〜3mmである。また、光拡散板21の最小厚みhz2は、第一凸状部30の端31と第二凸状部40の端41とのz方向の距離であり、第一主面21aに形成された第一溝部の底部と第二主面21bに形成された第二溝部の底部とのz方向の距離である。光拡散板21の最小厚みhz2は、0.1mm〜5mmが例示され、好ましくは0.5mm〜2.5mmである。
光拡散板21は、第一凸状部30及び第二凸状部40の断面形状をそれぞれ設計し、設計結果に基づいて、例えば透明材料から削り出す方法により製造することができる。また、透明材料として透明樹脂材料を用いる場合は、例えば射出成形法、押出成型法、プレス成形法などの方法により製造することができる。
次に、光拡散板21が有する作用効果について、光拡散板21を面光源装置20及び透過型画像表示装置1に適用した場合について説明する。
点状光源22から光を出力すると、点状光源22からの光は、光拡散板21の第一主面21aに形成された第一凸状部30の側面33a,33bを介して光拡散板21内に入射する。光拡散板21に入射された光は、光拡散板21内を進行し、第二主面21bに形成された第二凸状部40の表面43を介して出射する。光拡散板21では、x方向に延在する第一凸状部30とy方向に延在する第二凸状部40とが略直交するように形成されていることから、点状光源22から出力された光を面状の光に変換することができる。
具体的には、点状光源22から出力される光において、x方向(第1の方向)に直交する断面内を伝搬する光の成分は、その進行方向が、主に第一凸状部30の側面33a,33bによって正面方向側に、すなわち、正面方向とのなす角度がより小さくなるように向けられる。また、y方向(第2の方向)に直交する断面内を伝搬する光の成分は、その進行方向が、主に第二凸状部40の表面43によって正面方向側に向けられる。このように、x,y方向にそれぞれ直交する断面内を伝搬する光の成分がそれぞれ正面方向側に向けられるので、点状光源22からの光を面状の光として出射することが可能である。
本実施形態の光拡散板21では、第一主面21aに第一凸状部30が形成されていることから、y方向において隣接する2つの点状光源22,22間の中央部真上及びその近傍での光拡散板21に対する透過率の向上が図られている一方、点状光源22の真上及びその近傍での光拡散板21に対する光Fの透過率が抑制されている。
この点について、光拡散板21のx方向(第1の方向)に直交する断面での光の伝搬に基づいて図20及び図21を利用して説明する。光拡散板21では、第二主面21bに第二凸状部40が形成されているが、光拡散板21のx方向に直交する断面での光の伝搬に対する第一凸状部30の作用効果に関しては、第二主面21bが平坦な場合と実質的に同じである。そこで、説明の便宜のため、第二主面21bは平坦、すなわち、第二凸状部40が形成されていない場合を例として第一凸状部30の作用効果について説明する。
図20は、y方向に隣接する2つの点状光源間の中央部真上近傍での第一凸状部に入射する光の光線経路の模式図である。図20では、側面33aに近い方の点状光源22からの光Fが入射する場合を示している。
隣接する2つの点状光源22,22間の中央部真上及びその近傍に位置する第一凸状部30は、点状光源22からy方向に約L/2(mm)及びz方向に約D(mm)ほど離れていることから、側面33aに近い方の点状光源22からの光Fは、z方向に対して傾斜して第一凸状部30に向けて伝搬する。そのため、光Fは、第一凸状部30の先端部から主に第一凸状部30内に入射する。側面33a,33bにおいて先端部の領域は、平面状の第1の領域33aであるため、点状光源22から離れるにつれて第一凸状部30への入射角はより小さくなる。例えば、L/Dが約3.5であり、プリズム頂角αが約60°である場合、図20に示すように、第1の領域33aへの点状光源22からの入射角はほぼ0°に近くなる。よって、第一凸状部30への入射の際の透過率が向上する傾向にある。
そして、光拡散板21が有する第一凸状部30では、第一凸状部30の先端部において第1の領域33aから入射した光Fは、その光Fの入射側と反対側の側面33bの第1の領域33bでz方向に全反射するため、前方に光が向く。このように前方に光Fの経路が変更されることで、隣接する2つの点状光源22,22の中央部の真上近傍の光拡散板21の部分から光Fがより多く出射され輝度の向上が図られる。
なお、図20に示すように、第1の領域33aのうち側面33aの第2の領域33a側で光Fが入射する場合もある。この場合は、入射光は、入射側と反対側の側面33bにおいて反射されて第二主面21b側に向かい、出射されることになる。
図21は、点状光源の真上及びその近傍でプリズム部に入射する光の光線経路の模式図である。
図21に示すように、点状光源22真上及びその近傍では、主にz方向に沿って進行してくる光Fが第一凸状部30に側面33a,33bを介して入射する。この場合、図21に示すように、入射時の屈折又は入射した側と反対側の側面での反射により、第一凸状部30内に入射した光Fは、前方に向けて伝搬する。よって、点状光源22真上及びその近傍においても光拡散板21から光Fは出射される。ただし、第3の領域33a,33bにおいては、z方向との為す角度βが小さく急峻であることから、光Fが入射しにくい。また、第3の領域33a,33bは、第一凸状部30への入射の際の透過率が前述したように約70%以下となっている。よって、点状光源22真上及びその近傍での光拡散板21からの光Fの量が抑制され、結果として、輝度の増加が抑制されることになる。
一般に複数の光源に対して光拡散板を配置した場合、光源直上から出力される光量が多く、隣接する2つの光源間、特にその中央部直上から出力される光量が低減する傾向にある。その結果、輝度ムラが生じることになる。そして、この傾向は、L/Dが大きくなるにつれて顕著になりやすい。
これに対して、光拡散板21では、前述したように、第一凸状部30を図4に示した形状とすることで、x方向に直交する断面を伝搬する光に対して、隣接する2つの点状光源22,22間の中央部真上及びその近傍上で光拡散板21からより多くの光を出射することができる。また、点状光源22真上及びその近傍の領域の光量が低減し、輝度の抑制が図られている。その結果、x方向に直交する断面を伝搬する光の成分に基づく輝度ムラを抑制することが可能である。
また、側面33a,33bが複数の平面領域から構成されていることから、側面33a,33bへの光の入射により光がより分散されやすく、この点でも、輝度ムラを抑制可能である。
また、本実施形態では、光拡散板21が有する複数の第一凸状部30の断面形状をほぼ同じ形状としており、複数の第一凸状部30を密に配置している。そのため、組立て時の組立誤差や、使用時などの熱膨脹などで、複数の点状光源22に対して光拡散板21の位置がずれたとしても、輝度ムラ低減への影響が低減されており、より汎用性を有する構成となっている。
また、光拡散板21では、第二主面21bに第二凸状部40が形成されていることから、y方向に直交する断面内を伝搬する光の成分をより均一に分散させ、輝度ムラをより好適に抑制することができる。この点について、光拡散板21のy方向(第2の方向)に直交する断面での強度分布に基づいて説明する。光拡散板21では、第一主面21aに第一凸状部30が形成されているが、光拡散板21のy方向に直交する断面での強度分布に関しては、第一主面21aが平坦な場合と実質的に同じである。そこで、説明の便宜のため、第一主面21aは平坦、すなわち、第一凸状部30が形成されていない場合を例として第二凸状部40の作用効果について説明する。
複数の点状光源22上に光拡散板21を配置した場合(図1参照)、各点状光源22からの光に対しては、図8に示したような線形変化領域51を有する強度分布50がそれぞれ形成される。そして、隣接する2つの点状光源22間上の領域では、主に2つの点状光源22から出力され光拡散板21を通過した光の強度分布が重なりあって2つの点状光源22による強度分布が形成される。
各点状光源22からの強度分布は条件(b)を満たす線形変化領域51を有することから、隣接する2つの点状光源22間では、各点状光源22の強度分布50が有する線形変化領域51が主に重なる。その結果、隣接する2つの点状光源22間の強度の均一化を図ることができると共に、y方向に直交する面内でのL/Dの変化に対する強度分布への影響を低減できる。従って、例えば、面光源装置20や透過型画像表示装置1に光拡散板21を適用した場合、温度などの環境変化や、薄型化に伴う点状光源22と光拡散板21との間の距離や点状光源22の配置といった設計変更の影響が小さく、より安定した輝度均斉度を実現できる。図22、図23及び図24を参照して具体的に説明する。説明の簡略化のために、複数の点状光源22のうちx方向に並んで配置された点状光源22に着目して説明する。
図22は、x方向に隣接する2つの点状光源間の強度分布の一例を示す図面である。図中の横軸は一方の点状光源22の位置を基準とした場合のX軸方向(第1の方向)の位置を示している。図22では、X=0,50にそれぞれ点状光源22が配置されており、x方向における2つの点状光源22間の距離Lは50mmとしている。縦軸は、一つの点状光源22からの強度分布50における最大強度Imaxに対して規格化した規格化強度を示している。また、図中の実線I,IIはX=0,50に配置した各点状光源22による強度分布を示している。図中の破線は、2つの点状光源22の強度分布の重ね合わせの結果を示している。
図22に実線I,IIで示した各点状光源22による強度分布は、線形変化領域51を有する強度分布50であり、それぞれの強度分布では、最大強度Imax(図中の規格化強度1)から強度0までのX軸方向の距離は2つの点状光源22間の距離に等しい。従って、複数の点状光源22による強度分布は、隣接する2つの点状光源22の各々の強度分布の重ね合わせになる。また、2つの点状光源22間の距離Lは、各点状光源22の強度分布50において、最大強度Imaxから0.5ImaxになるまでのX軸方向の距離の2倍に等しい。この場合、線形変化領域51が条件(b)又は(d)を有することから、一つの点状光源22に対するX軸方向の位置での最大強度Imaxからの強度減少分を他方の点状光源22からの光の強度が補う。その結果、図22に示したように、x方向において隣接する2つの点状光源22による強度分布としてほぼ一定の強度分布を実現可能であり、輝度ムラを抑制できる。
図23は、x方向において隣接する2つの点状光源22間の強度分布の他の例を示す図面である。図23において横軸及び縦軸は図22の場合と同様である。図23では、X=0,40にそれぞれ点状光源22が配置されており、2つの点状光源22間の距離Lを40mmとしている。また、図中の実線I,IIは、X=0,40に配置された点状光源22のそれぞれの強度分布を示している。実線IIIは、X=40に配置された点状光源22から更に隣の点状光源22、すなわち、X=80(不図示)に配置された点状光源22による強度分布の一部を示している。同様に、実線IVは、基準とした点状光源22の更に隣の点状光源22、すなわち、X=―40に配置した点状光源22による強度分布の一部を示している。破線は、隣接する2つの点状光源22間の強度分布を示している。
図23において、各点状光源22による強度分布は、図22に示した強度分布と同様の強度分布である。よって、隣接する2つの点状光源22間の距離Lより、最大強度Imaxから強度0になるまでの長さの方が長くなる。そのため、隣接する2つの点状光源22間の強度分布には、実線III,IVに示すように、X=0,40に配置した各点状光源22の更に隣の点状光源22による強度分布も寄与する。更に、2つの点状光源22間の距離Lが図22の場合より短いので、隣接する2つの点状光源22のそれぞれによる強度分布の線形変化領域51の重なりが大きくなる。従って、隣接する2つの点状光源22間の強度は、図22の場合に比較して増加する傾向にある。図23では、X方向に連続した4つの点状光源22の強度分布がX=0〜40の間の強度分布に寄与することになるが、X=0,40に配置された点状光源22の強度分布の重なりがより支配的であり、これらの強度分布の重なりでは線形変化領域51が重なり合う。そのため、図22の場合と同様に、強度は隣接する2つの点状光源22間でほぼ一定になりやすい。
図24は、x方向において隣接する2つの点状光源22間の強度分布の更に他の例を示す図面である。図24において横軸及び縦軸は図22の場合と同様である。図24では、X=0,60にそれぞれ点状光源22が配置されており、2つの点状光源22間の距離Lは60mmとしている。図中の実線I,IIは、隣接する2つの点状光源22による強度分布をそれぞれ示している。破線は、隣接する2つの点状光源22間の強度分布を示している。
図24において、各点状光源22による強度分布は、図22に示した強度分布と同様の強度分布である。よって、隣接する2つの点状光源22間の距離Lより、最大強度Imaxから強度0になるまでの長さの方が短い。この場合、隣接する2つの点状光源22間で各点状光源22の強度分布の重なりが小さくなるため、隣接する2つの点状光源22間では、各点状光源22の直上に比べて強度が減少する。しかしながら、線形変化領域51の重なりにより、一方の点状光源22による強度の減少を他方の点状光源22による強度で補うことができるので、非線形的に強度が急激に減少する場合より、強度減少を抑制することができる。
以上説明したように、強度分布50を実現できる第二凸状部40を備えた光拡散板21に対しては、x方向におけるL/Dを調整することによって、x方向において隣接した2つの点状光源22間でほぼ均一な強度分布を実現可能である(図22参照)。また、そのようにして調整したL/Dからずれた場合であっても、強度分布の変化を抑制することが可能である(図23及び図24参照)。このように、光拡散板21では、少なくともy方向に直交する断面内を伝搬する光の成分に対してL/Dの変化に対する強度分布(又は輝度分布)への影響が小さい。その結果、光拡散板21は、少なくともy方向に直交する断面における輝度ムラの抑制により汎用性を有することになる。
また、面光源装置20は、上記の光拡散板21、及びこの光拡散板21に光を照射する点状光源22を備える構成であることから、面光源装置20では、輝度ムラが抑制された面状の光を出射することができる。また、光拡散板21が、x方向及びy方向に直交する断面における輝度ムラの抑制に対して、より汎用性を有することから、点状光源22の配置や点状光源22と光拡散板21の距離Dの変更等に応じて光拡散板21を新たに準備する必要性が低減する。従って、光拡散板21を利用した面光源装置20では、より高い輝度均斉度を実現しながら、面光源装置20の製造コストの低減を図ることも可能ある。
また、透過型画像表示装置1は、上記の面光源装置20、及びこの面光源装置20から出射された光が照射される透過型画像表示部10を備える構成である。面光源装置20からは前述したように、輝度ムラが抑制された面状の光を出射できる。そして、透過型画像表示装置1では、面光源装置20から出射された光で透過型画像表示部10を照明するので、透過型画像表示装置1では、輝度ムラが抑制された画像を表示することができる。また、光拡散板21が前述したように、x方向及びy方向に直交する断面における輝度ムラの抑制に汎用性を有しているので、面光源装置20の場合と同様に、点状光源22の配置や点状光源22と光拡散板21の距離Dの変更等に応じて光拡散板21を新たに準備する必要性が低減する。その結果、画質の良い画像の表示を実現しながら、透過型画像表示装置1の製造コストの低減を図ることも可能ある。
次に、実施例1〜4を参照して、光拡散板(光偏向板)21の第二凸状部40の断面形状と、光拡散板21から所定距離Dとして100mm離した点状光源22からの光による強度分布との関係について、より具体的に説明する。以下の実施例1〜4では、説明の便宜のため、上記実施形態の要素に対応する要素には同じ符号を付すものとする。
実施例1〜4では、それぞれ異なる第二凸状部40の断面形状に対して光線追跡法によるシミュレーションを実施して強度分布を求めた。
[シミュレーション方法]
図25は、シミュレーションモデルを示す模式図である。図25に示すように、シミュレーションでは、点状光源22上に光拡散板21を配置し、点状光源22から出力され光拡散板21を通過した光の強度を観測するとした。図25では、光拡散板21を模式的に示している。また、実施例1〜4では、第2の方向に直交する断面を伝搬する光の成分に基づく強度分布を検討することから、第二凸状部40の延在方向に直交する断面においてシミュレーションを実施する。この場合、実施するシミュレーションは、実質的に第一主面21aが平坦な場合のシミュレーションに対応する。シミュレーションでは、前述した近似、すなわち、(i)y方向に直交する面内においてシミュレーションを実施すること、(ii)点状光源22に直交する面内においてシミュレーションを実施すること、(iii)点状光源22を理想的な点光源、すなわち、点状光源22の直径は0とすること、及び、(iii)直接透過光のみを考慮すること、を採用して、光線追跡法でシミュレーションを行った。
実施例1〜4の全てのシミュレーションにおいて、光拡散板21の屈折率は1.59とした。また、光拡散板21の厚さhz1は1.5mmとした。
また、実施例1〜4のそれぞれのシミュレーションでは、光拡散板21の第二主面21bに実施例1〜4例で設定した断面形状を有する第二凸状部40が形成されているとした。
上記シミュレーションモデルを利用して、実施例1〜4に対してシミュレーョン1,2を実施した。
(シミュレーション1)
光拡散板21から所定の距離Dの位置に配置した一つの点状光源22から出力された光に対する正面方向の強度分布を計算した。
(シミュレーション2)
光拡散板21から100mmの位置に配置した一つの点状光源22から出力された光に対する正面方向の強度分布を計算した。
[第二凸状部の形状]
実施例1〜4では、点状光源22と光拡散板21との間の距離Dを所定の距離に設定し、所望の強度分布となるように第二凸状部40の断面形状を設計した。所定の距離は、実施例1ではD=13.82mm、実施例2ではD=12mm、実施例3ではD=9.375mm、実施例4ではD=8.0mmである。
実施例1〜4では、上記条件でステップ1〜3を実施して第二凸状部40の断面形状を算出した後、所定の補間処理を行って第二凸状部40の断面形状を得た。
図26は、実施例1のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。図27は、実施例2のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。図28は、実施例3のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。図29は、実施例4のシミュレーションで使用した第二凸状部の設計段階での設計データを示す図表である。
図26〜図29において、xは、図12及び図16に示した第二凸状部40の第一及び第二の実施形態におけるx軸上の位置(μm)を示している。図26〜図29において、zは、図12及び図16に示した第二凸状部40の第一及び第二の実施形態におけるz軸上の位置(μm)を示しており、第二凸状部40の高さ(μm)に対応する。実施例1〜4の幅は同じである。
図26〜図29に示すように、ステップ1〜3による設計段階では、第二凸状部40の半分の形状を設計している。図26〜図29に示すx,zの組で示される各データ点は、ステップ1〜ステップ3において離散化した隣接する線要素の交点の位置を示している。
実施例1〜4のシミュレーションは、図26〜図29に示した各データ点を頂点として3次スプライン補間を実施して得られた第二凸状部40の断面形状に対して実施した。3次スプライン補間は、図26〜図29の各図において、第二凸状部40の左端、すなわち、(x,z)=(−200,0)では2回微分が0、第二凸状部40の頂部位置、すなわち、x=0の位置では、1回微分が0の条件で行っている。
図30に、シミュレーションに使用した第二凸状部40の断面形状を示す。図30は、実施例1〜4の第二凸状部の断面形状を示す図面である。図30の横軸は、第二凸状部40の第一及び第二の実施形態におけるx軸に対応し、第二凸状部40の幅方向の位置を示している。図30中の縦軸は、第二凸状部40の第一及び第二の実施形態におけるz軸に対応し、高さを示している。実施例1〜4の第二凸状部40の幅は同じである。そして、図25において横軸及び縦軸の長さは、第二凸状部40の両端の幅の半分の長さを基準として規格化して示している。
図30に示した実施例1〜4の第二凸状部40の断面形状は、式(8)又は式(10)においてh,kを表1に示すように設定した場合のz(x)で表される形状に対応する。表1においてwは400μmである。
Figure 2012032533
[シミュレーション結果]
以下、実施例1〜4のシミュレーション1,2のシミュレーション結果について説明する。シミュレーション結果の説明において、第二凸状部40の配列方向、すなわち第2の方向は、図8の場合と同様にX軸方向と称す。
(実施例1)
図31は、実施例1におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。図31では、D=13.82(mm)とした場合の、点状光源22からの光に対する正面方向強度分布を示している。図31の横軸は、X軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は強度(任意単位)を示している。図32は、実施例1におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。図32の横軸は、X軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は最大強度で規格化した規格化強度を示している。
図31及び図32に示すように、実施例1の第二凸状部40の断面形状では、強度分布の頂部から裾部にかけて線形変化領域51を有することが分かる。また、図32より、本実施例1では、シミュレーション2の条件下において、強度分布は、条件(a)及び(b)と共に、条件(c),(d)も満たしている。また、条件(c)において、wはw/6以上を満たしているといえる。
(実施例2の結果)
図33は、実施例2におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。図33では、D=12(mm)とした場合の、点状光源22からの光に対する正面方向強度分布を示している。図33の横軸はX軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は強度(任意単位)を示している。図34は、実施例2におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。図34の横軸はX軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は最大強度で規格化した規格化強度を示している。
図33及び図34に示すように、実施例2の第二凸状部40の断面形状では、強度分布の頂部から裾部にかけて線形変化領域51を有することが分かる。また、図34より、本実施例2では、シミュレーション2の条件下において、強度分布は、条件(a)及び(b)と共に、条件(c),(d)も満たしている。また、条件(c)において、wはw/6以上を満たしているといえる。
(実施例3の結果)
図35は、実施例3におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。図35では、D=9.375(mm)とした場合の、点状光源22からの光に対する正面方向強度分布を示している。図35の横軸はX軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は強度(任意単位)を示している。図36は、実施例3におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。図36の横軸はX軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は最大強度で規格化した規格化強度を示している。
図35及び図36に示すように、実施例3の第二凸状部40の断面形状では、強度分布のうち強度減少領域において線形変化領域51を有することが分かる。また、図36より、本実施例3では、シミュレーション2の条件下において、強度分布は、条件(a)及び(b)と共に、条件(c)も満たしている。また、条件(c)において、wはw/8以上を満たしているといえる。
(実施例4の結果)
図37は、実施例4におけるシミュレーション1の結果を示す図面である。図37では、D=8.0(mm)とした場合の、点状光源22からの光に対する正面方向強度分布を示している。図37の横軸は、X軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は強度(任意単位)を示している。図38は、実施例4におけるシミュレーション2の結果を示す図面である。図38の横軸はX軸方向での点状光源22に対する位置を示しており、縦軸は最大強度で規格化した規格化強度を示している。
図37及び図38に示すように、実施例4の第二凸状部40の断面形状では、強度分布のうち強度減少領域において線形変化領域51を有することが分かる。また、図38より、本実施例4では、シミュレーション2の条件下において、強度分布は、条件(a)及び(b)と共に、条件(c)も満たしている。また、条件(c)において、wはw/10以上を満たしているといえる。
(実施例1〜4の比較)
実施例1〜4では、シミュレーション1,2の結果に示したように、一つの点状光源22に対する強度分布が線形変化領域51を有する。更に、実施例1〜4のそれぞれにおけるシミュレーション1,2の結果の比較から理解できるように、点状光源22と光拡散板21との間の距離が変わっても、強度分布は同様の特性を有する。従って、光拡散板21から例えば100mm離れた位置に点状光源22を配置して測定した強度分布が一定の条件(例えば、条件(a),(b))を満たしている場合、光拡散板21に対して所定の距離Dで配置された一つの点状光源22に対する強度分布も同様の条件を満たすものとなる。従って、光拡散板21から100mm離して点状光源22を配置して、第二凸状部40の形状を検査してもよいことが分かる。
以上、本発明をその実施の形態及び実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、隣接する第一凸状部30の端31,31は接しているとしたが、隣接する第一凸状部30,30間、より具体的には、一方の第一凸状部30の端31と、他方の第一凸状部30の端31との間に平坦な領域が形成されていてもよい。これは、第二凸状部40,40に対しても同様である。
図3及び図4に示した第一凸状部(プリズム部)30では、一対の側面33a,33bの第1の領域33a,33bが鋭角に交わってプリズ頂部32が形成されているが、製造誤差などにより、第一凸状部30の先端が若干丸まっていてもよい。この場合、湾曲領域を除いた一対の第1の領域33a,33bの平面領域を仮想的に延ばして形成される角度がプリズム頂角αに対応するとすればよい。また、側面33a,33bは、それぞれ第1〜第3の領域33a,33b,33a,33b,33a,33bを有するとしたが、第1の領域(第1の平面部)33a,33b及び第3の領域(第2の平面部)33a,33bを有していればよく、第一凸状部30の大きさによっては、第2の領域33a,33bを備えていなくても良い。逆に、第2の領域33a,33bの部分は更に複数の平面領域を有していても良い。また、第2の領域33a,33bは平面状としたが、第2の領域33a,33bは湾曲していてもよい。
また、上記実施形態では、式(5)及び図5を利用して説明したように、プリズム頂角αは、隣接する2つの点状光源22,22の中央部上の第一凸状部32に光Fが入射した場合に、第一凸状部30の先端部内での全反射により、光Fがz方向に経路変更される角度である。しかしながら、これに限定されず、例えば、上記条件で既定した頂角より±15°程度ずれていてもよい。この場合は、式(5)及び図5を利用して説明した場合のプリズム頂角に対応する角度を角度αとして、式(5)に対応する以下の式(14)により、角度αを算出する。
Figure 2012032533

そして、次の関係式を満たすプリズム頂角αを規定すればよい。
Figure 2012032533
更に、プリズム頂角αは、隣接する2つの点状光源22,22の中央部上の第一凸状部30に光Fが入射した場合に、第一凸状部30の先端部内での全反射により、光Fがz方向に限定されず第二主面21b側に向けて全反射されるという角度であってもよい。この場合でも、先端部での全反射により第一凸状部(プリズム部)30内に入射した光を有効に利用できるからである。
また、式(6)を利用して規定するプリズム底角γは、第3の領域33a,33bにおいてz方向に進行してくる光が入射するときの透過率が70%以下としたが、この透過率の上限は70%に限定されない。透過率の上限値は、L/Dの大きさなどに応じた輝度ムラが低減するように設定することもできる。
上記実施形態では、プリズム頂角α及びプリズム底角γを規定し、図4に示したように、第1〜第3の領域33a,33b,33a,33b,33a,33bがy軸方向となす角度β,β,βが順に小さくなっているとしたが、これに限定されない。
また、複数の点状光源22に対して離間して配置される光偏向板としての光拡散板21が有する複数の第一凸状部(プリズム部)30は、複数の点状光源22側に凸であり、複数の第一凸状部(プリズム部)30の各々は、z方向となす角度が、第一凸状部(プリズム部)30の裾側において第一凸状部(プリズム部)30の先端部側より小さくなっている一対の側面33a,33bを有しており、一対の側面33a,33bで形成される第一凸状部(プリズム部)30のプリズム頂角αは、第一凸状部(プリズム部)30が複数の点状光源22のうち隣接する2つの点状光源22,22間の中央部上に位置するとした場合に、第一凸状部(プリズム部)30の先端部に入射した点状光源22からの光の少なくとも一部が第一凸状部(プリズム部)30内で第二主面21b側に全反射する角度である、ものであればよい。
また、第一凸状部(プリズム部)30は、少なくとも側面33a,33bにおいて第一凸状部(プリズム部)30の裾側が先端部側よりも急峻になっているものとすることもできる。これにより、点状光源22の真上及びその近傍において、光が側面33a,33bにおける第一と凸状部30の裾側から光が入射する際の入射角が大きくなる。その結果、透過率が低下する等によって、上記裾側からの光の入射が抑制されるので、点状光源22の真上及びその近傍での輝度の抑制を図ることができ、結果として、x方向に直交する断面における輝度ムラを抑制することができるからである。このように、単に、側面が先端部側よりも急峻になっている第一凸状部(プリズム部)30では、側面が出射面に略直交する方向とのなす角度が先端部側より裾側で小さくなるように側面が湾曲しているものとすることもできる。
透過型画像表示装置1は、光拡散板21と透過型画像表示部10との間に配置された別の光拡散板(以下、第2光拡散板と称す)を備えていてもよい。この第2光拡散板としては、透明材料中に光拡散剤が分散されたものを使用することができる。また、透明材料からなる板の片面または両面に細かな凹凸を設けたものも使用することができる。第2光拡散板の厚みは、通常0.05mm〜1mmであり、フィルム状であってもよい。かかる第2光拡散板を備えることにより、光拡散板21の第二主面21bから出射した光を更に拡散させて、より均一に透過型画像表示部10を照明することができ、点状光源22近傍とそれ以外の場所との明るさの差がより少ない画像を表示することができる。
光学要素部は第二凸状部40として説明したが、光学要素部は図8に示した強度分布を実現できる形状であれば特に限定されない。また、光学要素部の断面形状は同一としが、必ずしも同一でなくても良い。ただし、同一であることにより、製造コストの低減などが図れることができるので好適である。
光偏向板として光拡散板21を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の光源から出力された光の、複数の光源が配置される平面に平行な平面内での輝度の均一性を調整する光部品であればよい。例えば、光偏向板は、透明材料からなる板の光の出射側に、上述した第一凸状部(プリズム部)30や第二凸状部(光学要素部)40をそれぞれ両面に複数有する、プリズムシートやレンズシートなどの光学シート又は光学フィルムといった輝度調整板とすることもできる。
面光源装置20や透過型画像表示装置1は、点状光源22から出力された光を光拡散板21側に反射する反射板といった反射手段を例えば備えていても良い。反射手段は、図1に示した模式図において、点状光源22に対して光拡散板21と反対側に設ければよく、例えば、点状光源22を保持するための保持部材の光源載置面を反射面とすることができる。
これまでの説明では、複数の点状光源22は、x方向及びy方向において間隔Lでほぼ等間隔に配置されているとしたが、隣接する2つの点状光源22間の距離は異なっていても良い。この場合は、隣接する2つの点状光源22間の間隔の平均距離Lを使用して、点状光源22間の距離と、点状光源22と光拡散板21との間の距離の比を定義することができる。また、複数の点状光源22は、x方向及びy方向にそれぞれ配置されている、すなわち碁盤目状に配置されているとしたが、複数の点状光源22の配置は碁盤目状でなくてもよい。
1…透過型画像表示装置、10…透過型画像表示部、20…面光源装置、21…光拡散板(光偏向板)、21a…第一主面、21b…第二主面、22…点状光源、22eaxm…測定用光源、30…第一凸状部(プリズム部)、31…第一凸状部の端、32…第一凸状部の頂部(プリズム頂部)、33a,33b…第一凸状部の側面(プリズム部の一対の側面)、33a,33b…第1の領域(第1の平面部)、33a,33b…第2の領域、33a,33b…第3の領域(第2の平面部)、40…第二凸状部(光学要素部)、42…第二凸状部の頂部、50…強度分布(第二主面からの出射光の強度分布)、51…線形変化領域(一次関数的に変化する領域)。

Claims (8)

  1. 板状を成し、第一主面から入射した光を前記第一主面と対向する第二主面から出射する光偏向板であって、
    第1の方向に延在しており、前記第一主面に形成されている複数のプリズム部と、
    前記第1の方向に略直交する第2の方向に延在しており、前記第二主面に形成されている複数の光学要素部と、
    を有し、
    複数の前記プリズム部は、前記第2の方向において並列に配置されており、
    前記プリズム部が有する一対の側面の各々は、板厚方向とのなす角度が先端部側より裾側で小さくなっており、
    前記光学要素部は、前記第1の方向において並列に配置されており、前記第2の方向に直交する面内における前記第二主面側からの出射光の強度分布が、前記出射光の最大強度の90%から10%にかけて一次関数的に変化する領域を有するように、形成されており、
    前記強度分布は、当該光偏向板から100mm離して測定用光源を配置して前記出射光を測定した場合に、前記第1の方向における前記測定用光源の位置を基準点とし前記基準点からの距離に対する前記出射光の強度の分布であり、
    前記強度分布が有する前記領域は、前記最大強度の50%の位置に対して点対称である、
    ことを特徴とする光偏向板。
  2. 一対の前記側面の各々は、
    前記プリズム部の先端部側に第1の平面部と、
    前記プリズム部の裾側に第2の平面部と、
    を有し、
    前記第2の平面部と前記板厚方向とのなす角度が、前記第1の平面部と前記板厚方向とのなす角度より小さいことを特徴とする請求項2に記載の光偏向板。
  3. 前記強度分布において、前記第1の方向における前記最大強度の50%の位置までの前記基準点からの距離をwとしたとき、前記第1の方向における前記最大強度の50%の位置と前記最大強度の90%又は10%の位置との間の距離はw/10以上である、請求項1又は2に記載の光偏向板。
  4. 前記強度分布のうち前記基準点における前記出射光の強度から前記出射光の強度が略0になるまでの間の領域は、前記最大強度の50%の位置に対して点対称である、請求項1〜3の何れか一項に記載の光偏向板。
  5. 前記光学要素部は凸状部であり、
    前記凸状部の前記第2の方向に直交する断面において、当該凸状部の前記第1の方向に対する両端をとおる軸線をx軸とし、前記x軸上において前記両端の中心をとおり前記x軸に直交する軸線をz軸とし、前記凸状部のx軸方向の長さをwとしたとき、
    前記断面での前記凸状部の輪郭形状が、−0.5w×0.95≦x≦0.5w×0.95において下記式(1)を満たすz(x)で表されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光偏向板。
    Figure 2012032533

    ただし、上記式(1)において、
    Figure 2012032533

    (式(2)中、hは0.4825w〜0.521wの範囲から選択される数、kは−0.232〜−0.227の範囲から選択される数)
  6. 前記光学要素部は凸状部であり、
    前記凸状部の前記第2の方向に直交する断面において、当該凸状部の前記第1の方向に対する両端をとおる軸線をx軸とし、前記x軸上において前記両端の中心をとおり前記x軸に直交する軸線をz軸とし、前記凸状部のx軸方向の長さをwとしたとき、
    前記断面での前記凸状部の輪郭形状が、−0.5w×0.95≦x≦0.5w×0.95において下記式(3)を満たすz(x)で表されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光偏向板。
    Figure 2012032533

    ただし、上記式(4)において、
    Figure 2012032533

    (式(4)中、hは0.5966w〜0.6837wの範囲から選択される数、kは−0.075〜−0.069の範囲から選択される数)
  7. 離散的に配置された複数の点状光源と、
    複数の前記点状光源上に設けられており、複数の前記点状光源からの光が照射される請求項1〜6の何れか一項に記載の光偏向板と、
    を備えることを特徴とする面光源装置。
  8. 離散的に配置された複数の点状光源と、
    複数の前記点状光源上に設けられており、複数の前記点状光源からの光が照射される請求項1〜6の何れか一項に記載の光偏向板と、
    前記光偏向板上に設けられており、前記光偏向板を透過した光が照射される透過型画像表示部と、
    を備えることを特徴とする透過型画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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