JP2012031797A - モデル構成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御対象のモデルのパラメータを低い演算負荷で、且つ正確に同定すること。
【解決手段】制御対象のモデル式のパラメータを同定し、パラメータの同定によって最適なパラメータ値として求められたパラメータ値をモデル式に適用することによって制御対象のモデルを構成する。そして、制御対象に関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得し、取得された制約条件式が成立する範囲内でモデル式のパラメータを同定する。
【選択図】なし
【解決手段】制御対象のモデル式のパラメータを同定し、パラメータの同定によって最適なパラメータ値として求められたパラメータ値をモデル式に適用することによって制御対象のモデルを構成する。そして、制御対象に関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得し、取得された制約条件式が成立する範囲内でモデル式のパラメータを同定する。
【選択図】なし
Description
本発明は、モデル構成装置に関する。
特許文献1に制御装置が記載されている。この制御装置は、制御されるべき複数の対象(以下これら対象を「制御対象」という)を含む内燃機関に関する予め構成されたモデルを利用して内燃機関の各制御対象の制御を行う。ここで、内燃機関の各制御対象の特性が経時的に変化する場合がある。この場合、上記予め構成されたモデルを利用して内燃機関の各制御対象の制御を行っていると、各制御対象の制御量が目標制御量に制御されず、引いては、内燃機関が所期の性能を発揮しないことがある。そこで、特許文献1に記載の制御装置では、内燃機関の運転中に得られる各制御対象の実際の制御量(以下この制御量を「実制御量」という)と上記予め構成されたモデルから得られる各制御対象の制御量(以下この制御量を「理論制御量」という)とを比較し、これら実制御量と理論制御量との間に差がある場合、この差が零になるように上記予め構成されたモデルのパラメータを再同定し、この再同定されたパラメータを上記予め構成されたモデルに適用することによって上記予め構成されたモデルを更新するようにしている。
ところで、特許文献1に記載の制御装置では、内燃機関に関する物理法則を考慮することなく、実制御量と理論制御量との間の差が零になるようにモデルのパラメータを再同定している。したがって、再同定されたパラメータが適用されたモデルには、内燃機関に関する物理法則が反映されていないことになる。
ここで、パラメータを再同定するときに内燃機関に関する物理法則を考慮しなければ、パラメータを再同定するために要する演算負荷が高くなるし、場合によっては、再同定されたパラメータの値が適切な値になっていないこともあり得る。すなわち、パラメータを再同定するときに内燃機関に関する物理法則を考慮しなければ、当然のことながら、内燃機関に関する物理法則上、制約されるべきパラメータを含め、パラメータを再同定することになる。このため、この場合、内燃機関に関する物理法則上、制約されるべきパラメータを除き、パラメータを再同定する場合に比べて、パラメータを再同定するために要する演算負荷が高くなるのである。また、パラメータを再同定するときに内燃機関に関する物理法則を考慮していないのであるから、再同定されたパラメータが内燃機関に関する物理法則上、制約されるべきパラメータであることもあり得る。このため、再同定されたパラメータの値が適切な値になっていないこともあり得るのである。
そして、このことは、1つの制御対象のモデルを構成するために同モデルのパラメータを同定する場合にも当てはまる。すなわち、制御対象のモデルのパラメータを同定するときに制御対象に関する物理法則を考慮しなければ、パラメータを同定するために要する演算負荷が高くなるし、場合によっては、同定されたパラメータの値が適切な値になっていないこともあり得る。
そこで、本発明の目的は、制御対象のモデルのパラメータを低い演算負荷でもって且つ正確に同定することにある。
本願の1番目の発明は、制御対象のモデル式のパラメータを同定し、該パラメータの同定によって最適なパラメータ値として求められたパラメータ値をモデル式に適用することによって制御対象のモデルを構成するモデル構成装置に関する。そして、本発明のモデル構成装置は、制御対象に関する物理法則上の制約を破ることがない前記モデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得し、該取得された制約条件式が成立する範囲内で前記モデル式のパラメータを同定する。
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、制御対象に関する物理法則上の制約が破られない範囲でモデル式のパラメータが同定される。言い換えれば、モデル式のパラメータが同定されるとき、制御対象に関する物理法則上の制約を破るパラメータ値が排除される。このように、制御対象に関する物理法則上の制約に基づいてパラメータ値が排除される分だけ、パラメータの同定に要する演算負荷が低くなるという効果が得られる。さらに、制御対象に関する物理法則上の制約を破るパラメータ値がモデル式のパラメータ値として採用されることがないので、最終的に適切なパラメータ値が採用されるという効果が得られる。
また、本願の2番目の発明のモデル構成装置では、上記1番目の発明において、前記制約条件式が制御対象に関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述されている。
また、本願の3番目の発明のモデル構成装置は、上記1または2番目の発明において、前記モデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得する。そして、本発明のモデル構成装置は、該取得された評価関数の最適化問題を解くことによって前記モデル式のパラメータを同定するのに並行して前記制約条件式の成立の有無を判断し、該制約条件式が成立する範囲内で前記評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適解を前記モデル式のパラメータ値として採用する。
また、本願の4番目の発明のモデル構成装置は、上記1または2番目の発明において、前記モデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得する。そして、本発明のモデル構成装置は、該取得された評価関数に前記制約条件式を加え、該制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによって前記モデル式のパラメータを同定し、前記制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適解を前記モデル式のパラメータ値として採用する。
次に、本発明のモデル構成装置の実施形態について説明する。本実施形態のモデル構成装置は、制御されるべき複数の対象(以下これら対象を「制御対象」という)を含むプラントのモデル(以下このモデルを「プラントモデル」という)を構成するものである。
ここで、例えば、プラントが内燃機関である場合、プラントモデルとは、内燃機関のモデルであり、制御対象とは、例えば、燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁、燃焼室内の燃料に点火する点火栓、燃焼室に吸入されるガスの量を制御するために吸気通路に配置されるスロットル弁、燃焼室に吸入されるガスの圧力を上昇させたり低下させたりすることができる過給機であって同ガスの圧力の上昇度合または低下度合を制御するベーンを備えた過給機、燃焼室から排気通路に排出された排気ガスを吸気通路に導入する排気再循環装置であって同吸気通路に導入される排気ガスの量を制御する排気再循環制御弁を備えた排気再循環装置等である。
また、本実施形態のモデル構成装置によってプラントモデルが構成されるプラントは、複数の物理法則が成立するプラントである。ここで、物理法則とは、例えば、運動量保存則、エネルギ保存則、熱力学第一法則、ボイルシャルルの法則等である。
また、本実施形態のモデル構成装置によって構成されるプラントモデルは、例えば、各制御対象に或る操作量(以下この操作量を「制御対象操作量」という)を入力したときの各制御対象の制御量またはプラントの制御量を算出し、この算出された制御量に基づいて各制御対象の制御量またはプラントの制御量を目標制御量とすることができる制御対象操作量を決定するのに用いられる。
ここで、例えば、プラントが内燃機関である場合、制御量とは、燃料噴射弁から燃焼室に供給される燃料の量、スロットル弁によって制御される燃焼室に吸入されるガスの量、過給機によって制御される燃焼室に吸入されるガスの圧力、排気再循環装置によって制御される吸気通路に導入される排気ガスの量、燃焼室から排出される排気ガス中のエミッションの量、内燃機関から出力されるトルク等である。
また、例えば、本実施形態のモデル構成装置によって構成されるプラントモデルが内燃機関の各制御対象に入力される制御対象操作量を決定するために用いられた場合、同プラントモデルによって内燃機関の運転状態に応じて最適な燃料噴射弁の開弁時間、点火栓の点火タイミング、スロットル弁の開度、過給機のベーンの開度、または、排気再循環制御弁の開度が内燃機関の運転状態に応じて決定され、これら決定された開弁時間、点火タイミング、スロットル弁の開度、ベーンの開度、排気再循環制御弁の開度を記憶したマップやテーブルが作成される。
次に、本実施形態(以下「第1実施形態」という)のモデル構成装置によるプラントモデルの構成方法について説明する。
上述したように、第1実施形態のモデル構成装置によってプラントモデルが構成されるプラントは、複数の物理法則が成立するプラントである。
第1実施形態のモデル構成装置は、特定の記述形式で記述されたプラントのモデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得すると共に、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得する。ここで、制約条件式は、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述されている。そして、第1実施形態のモデル構成装置は、上記評価関数の最適化問題を解くことによってモデル式のパラメータを同定するのに並行して上記制約条件式の成立の有無を判断する。そして、第1実施形態のモデル構成装置は、制約条件式が成立する範囲内で評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適解をモデル式のパラメータとして採用する。そして、第1実施形態のモデル構成装置は、採用された最適解であるパラメータ値をモデル式に適用することによってプラントモデルを構成する。なお、本明細書において「物理モデル」とは、例えば、質量、エネルギ、運動量、分子量などの関連する保存量を対象とした「保存則を満たすモデル」を意味する。
第1実施形態のモデル構成装置によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第1実施形態のモデル構成装置では、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約が破られない範囲でモデル式のパラメータが同定される。云い方を換えれば、モデル式のパラメータが同定されるとき、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破るパラメータ値が排除される。このように、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約に基づいてパラメータ値が排除される分だけ、パラメータの同定に要する演算負荷が低くなるという効果が得られる。さらに、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破るパラメータ値がモデル式のパラメータ値として採用されることがないので、最終的に適切なパラメータ値が採用されるという効果が得られる。
また、プラントから出力される実際の制御量のデータを、例えば、2つのデータ群に分け、各データ群のデータに基づいてプラントモデルのパラメータを同定した場合において、制御対象およびプラントに関する物理モデルのパラメータを考慮しないと、最適なパラメータ値であると同定された2つのパラメータ値が大きく異なる値となることがある。この場合、いずれのパラメータ値が真に最適なパラメータ値であるかを判別することができない。しかしながら、第1実施形態のモデル構成装置によれば、制御対象およびプラントに関する物理モデルのパラメータが考慮されていることから、特定の目的で、例えば、異なる2つのデータ群のデータをそれぞれ用いてプラントモデルのパラメータを同定した場合であっても、最適なパラメータ値であると同定された2つのパラメータ値が大きく異なる値となることがない。
また、第1実施形態のモデル構成装置は、制約条件式によってプラントモデルのパラメータ数やプラントモデルのパラメータのとり得る範囲を制限しつつプラントモデルのパラメータを同定する。このため、プラントモデルのパラメータの冗長性が抑えられる。
また、上述したように、第1実施形態のモデル構成装置は、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述された制約条件式を用いてプラントモデルのパラメータを同定する。このことは、別の表現をすれば、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルから推定されるパラメータ値からの同定中のパラメータの距離(または、乖離度合)が小さくなるようにプラントモデルのパラメータを同定するものとも言える。
なお、第1実施形態のモデル構成装置は、評価関数の最適化問題を解くことによってモデル式のパラメータを同定するのに並行して制約条件式の成立の有無を判断している。しかしながら、本発明は、広くは、評価関数の最適化問題を解くことによってモデル式のパラメータを同定するのに並行せずに制約条件式の成立の有無を判断するモデル構成装置にも適用可能である。別の云い方をすれば、本発明は、広くは、制約条件式が成立する範囲内でモデル式のパラメータを同定するモデル構成装置にも適用可能である。
次に、第1実施形態のモデル構成装置におけるパラメータの同定の具体例について説明する。
制御対象の出力(すなわち、制御対象の制御量)を「y」で表し、制御対象への入力(すなわち、制御対象に与えられる操作量)を「u」で表し、残差を「e」で表し、時間ステップ数を「k」で表したとき、プラントのモデル式をARXモデルによって記述すれば、プラントのモデル式は次式1のように記述可能である。なお、次式1において、「a」および「b」が同定されるパラメータであり、「n」および「m」は正の整数である。
そして、k=1からk=Nまでの出力y、入力u、および、残差eを行列式で表せば、次式5が得られる。
一方、上式8によって定義されている行列Eを用いて上式10を変換すると、次式11がえられる。ここで、上式9から行列Eは次式12によって表されるから、次式12を用いて次式11を変換すると、次式13が得られる。この式13が第1実施形態のモデル構成装置における評価関数である。
ここで、上式16が制約条件式である。この制約条件式は、パラメータの変動範囲についての関数を表現しているとも言える。したがって、上式16を制約条件式として上式13を最小化するパラメータθを同定することによって、すなわち、上式16を制約条件として上式13の最適化問題を解くことによって、プラントモデルのパラメータとして最適なパラメータθ(すなわち、最適解)が求められる。
なお、実際には、ノイズや残差を考慮する必要があるので、上式16を次式17のように変換し、次式17を制約条件式として上式13を最小化するパラメータθを同定することによって、すなわち、次式17を制約条件として上式13の最適化問題を解くことによっても、プラントモデルのパラメータとして最適なパラメータθ(すなわち、最適解)が求められる。
ところで、第1実施形態のモデル構成装置は、評価関数の最適化問題を解くことによってモデル式のパラメータを同定するのに並行して制約条件式の成立の有無を判断している。しかしながら、第1実施形態のモデル構成装置が評価関数の最適化問題を解くことと制約条件式の成立の有無を判断することとを以下のように行うようにしてもよい。
すなわち、本実施形態(以下「第2実施形態」という)のモデル構成装置は、特定の記述形式で記述されたプラントのモデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得すると共に、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得する。ここで、制約条件式は、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述されている。そして、第2実施形態のモデル構成装置は、評価関数に制約条件式を加え、この制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによってモデル式のパラメータを同定し、制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適間をモデル式のパラメータ値として採用する。そして、第2実施形態のモデル構成装置は、採用された最適解であるパラメータ値をモデル式に適用することによってプラントモデルを構成する。
第2実施形態のモデル構成装置によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第2実施形態のモデル構成装置では、第1実施形態のモデル構成装置と同様に、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約が破られない範囲でモデル式のパラメータが同定される。云い方を換えれば、モデル式のパラメータが同定されるとき、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破るパラメータ値が排除される。このように、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約に基づいてパラメータ値が排除される分だけ、プラントモデルのパラメータの冗長性が抑制され、パラメータの同定に要する演算負荷が低くなるという効果が得られる。さらに、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破るパラメータ値がモデル式のパラメータ値として採用されることがないので、最終的に適切なパラメータ値が採用されるという効果が得られる。
また、第1実施形態に関連して説明したように、プラントから出力される実際の制御量のデータを、例えば、2つのデータ群に分け、各データ群のデータに基づいてプラントモデルのパラメータを同定した場合において、制御対象およびプラントに関する物理モデルのパラメータを考慮しないと、最適なパラメータ値であると同定された2つのパラメータ値が大きく異なる値となることがある。この場合、いずれのパラメータ値が真に最適なパラメータ値であるかを判別することができない。しかしながら、第2実施形態のモデル構成装置によれば、制御対象およびプラントに関する物理モデルのパラメータが考慮されていることから、特定の目的で、例えば、異なる2つのデータ群のデータをそれぞれ用いてプラントモデルのパラメータを同定した場合であっても、最適なパラメータ値であると同定された2つのパラメータ値が大きく異なる値となることがない。
また、第2実施形態のモデル構成装置は、制約条件式によってプラントモデルのパラメータ数やプラントモデルのパラメータのとり得る範囲を制限しつつプラントモデルのパラメータを同定する。このため、プラントモデルのパラメータの冗長性が抑えられる。
また、上述したように、第2実施形態のモデル構成装置は、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述された制約条件式を用いてプラントモデルのパラメータを同定する。このことは、別の表現をすれば、制御対象およびプラントに関する物理法則を記述した物理モデルから推定されるパラメータ値からの同定中のパラメータの距離(または、乖離度合)が小さくなるようにプラントモデルのパラメータを同定するものとも言える。
次に、第2実施形態のモデル構成装置におけるパラメータの同定の具体例について説明する。
そして、上式18を最小化するパラメータθを同定することによって、すなわち、上式18の最適化問題を解くことによって、プラントモデルのパラメータとして最適なパラメータθ(すなわち、最適解)が求められる。
上述した第2実施形態のモデル構成装置におけるパラメータの同定の具体例によれば、以下の効果が得られる。すなわち、上式18の最適化問題を解くことによって、残差を零に近づける(すなわち、上式18の右辺の第一項を零に近づける)と同時に制約条件も零に近づける(すなわち、上式18の右辺の第二項を零に近づける)パラメータを同定することができる。
なお、上述した実施形態のモデル構成装置は、複数の物理法則が成立するプラントのモデルを構成する。しかしながら、本発明は、広くは、1つの物理法則のみが成立するプラントのモデルを構成するモデル構成装置にも適用可能である。
また、上述した実施形態のモデル構成装置は、複数の制御対象を含むプラントのモデルを構成する。しかしながら、本発明は、広くは、1つの制御対象のみを含むプラントのモデル(すなわち、1つの制御対象)のモデルを構成するモデル構成装置にも適用可能である。
なお、上述した実施形態のモデル構成装置は、制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を用いてプラントモデルを構成している。しかしながら、本発明は、広くは、制御対象とプラントとの少なくとも一方に関する物理法則上の制約を破ることがないモデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を用いてプラントモデルを構成するモデル構成装置にも適用可能である。
なお、上述した実施形態において「制御対象およびプラントに関する物理法則上の制約を破るパラメータ値」とは、構成されたプラントモデルから出力される制御量をプラントから実際に出力される実際の制御量に一致させるパラメータ値であるか否かに係わらず、制御対象およびプラントに関する物理法則を考慮した結果として推定されるパラメータ値からの乖離が大きいパラメータ値を意味する。
Claims (4)
- 制御対象のモデル式のパラメータを同定し、該パラメータの同定によって最適なパラメータ値として求められたパラメータ値をモデル式に適用することによって制御対象のモデルを構成するモデル構成装置において、制御対象に関する物理法則上の制約を破ることがない前記モデル式のパラメータの条件を記述した制約条件式を取得し、該取得された制約条件式が成立する範囲内で前記モデル式のパラメータを同定するモデル構成装置。
- 前記制約条件式が制御対象に関する物理法則を記述した物理モデルのパラメータを用いて記述されている請求項1に記載のモデル構成装置。
- 前記モデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得し、該取得された評価関数の最適化問題を解くことによって前記モデル式のパラメータを同定するのに並行して前記制約条件式の成立の有無を判断し、該制約条件式が成立する範囲内で前記評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適解を前記モデル式のパラメータ値として採用する請求項1または2に記載のモデル構成装置。
- 前記モデル式のパラメータを同定するための評価関数を取得し、該取得された評価関数に前記制約条件式を加え、該制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによって前記モデル式のパラメータを同定し、前記制約条件式を加えられた評価関数の最適化問題を解くことによって得られる最適解を前記モデル式のパラメータ値として採用する請求項1または2に記載のモデル構成装置。
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