JP2012030740A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りラジアルタイヤ10は、2層のベルト層22と、このベルト層22の最上層上に少なくとも1層設けられたベルト補助補強層24とを備える。ベルト層22の少なくとも1層は、アラミド繊維とナイロン繊維からなる複合繊維コードを備えるものである。ベルト補助補強層24は、有機繊維コードを備えるものであり、かつ各ベルト補助補強層24は、それぞれ1層でベルト層22全域を一重に覆うように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト層を2層備え、そのうち少なくとも1層がアラミド繊維とナイロン繊維との複合繊維をコードに用いたベルト層である空気入りラジアルタイヤに関し、特に、耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能を向上させた空気入りラジアルタイヤに関する。
近年、車両の一層の低燃費化が強く要望されるようになり、空気入りラジアルタイヤの軽量化も大きな技術課題としてクローズアップされている。空気入りラジアルタイヤの軽量化策の一つとして、補強コードとしてスチールコードを有するベルト層について、このスチールコードを、より軽量なアラミドコードに置換することがなされている。スチールコードよりも軽量な有機繊維をベルト層に用いた空気入りラジアルタイヤが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、異なる弾性率を持つ2種類の有機繊維フィラメントをそれぞれ撚り合わせた1×N構造(N=2〜5)を有する有機繊維複合コードをタイヤの2層の交差層よりなるベルト層に用いた空気入りラジアルタイヤが開示されている。この特許文献1の空気入りラジアルタイヤでは、上記2種類の有機繊維フィラメントのうち、高弾性率の有機繊維フィラメントにアラミド繊維が用いられ、低弾性率の有機繊維フィラメントに脂肪族ポリアミド(ナイロン)が用いられる。
特開平7−149109号公報
上述のように、タイヤの軽量化のために、ベルト層にアラミドコードを用いた場合、アラミドコード単体では疲労性が悪く、耐久性能が悪化してしまうという問題がある。さらには、特許文献1のように、アラミド繊維と脂肪族ポリアミド(ナイロン)との有機繊維複合コードをベルト層に単に用いただけでは転がり抵抗が小さくならないという問題があった。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、2層のベルト層と、このベルト層の最上層上に少なくとも1層設けられたベルト補助補強層とを備える空気入りラジアルタイヤであって、前記ベルト層の少なくとも1層は、アラミド繊維とナイロン繊維からなる複合繊維コードを備えるものであり、前記ベルト補助補強層は、有機繊維コードを備えるものであり、かつ各ベルト補助補強層は、それぞれ1層で前記ベルト層全域を一重に覆うように設けられていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
この場合、前記ベルト層の前記複合繊維コードは、強度S(cN/dtex)が9.0≦Sであり、2.0cN/dtexでの伸び率Eが2.5≦E≦5.0であり、かつ総繊度D(dtex)が2000≦D≦5000であることが好ましい。
また、前記ベルト補助補強層の前記有機繊維コードは、断面積(mm)、前記有機繊維コードの2%伸張時の弾性率(N/mm)、および前記ベルト補助補強層における前記有機繊維コードの打ち込み本数(本/50mm)の積により表される引張剛性G(N・本/50mm)が、20000≦G≦180000であることが好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、上記構成により、突起乗り越し耐久性能および高速耐久性能等の耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図である。 (a)は、図1に示す空気入りラジアルタイヤのベルト層とベルト補助補強層の配置を示す模式図であり、(b)は、空気入りラジアルタイヤのベルト層とベルト補助補強層の配置の他の例を示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の空気入りラジアルタイヤを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図である。
図1に示す空気入りラジアルタイヤ(以下、単にタイヤという)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の構成を有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。さらに、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわちタイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。
タイヤ10は、カーカス層20と、ベルト層22と、ベルト補助補強層24と、サイド補強層26と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッドゴム層32と、サイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、インナーライナゴム38層とを主に有する。上述したように、図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の構成を有するのはもちろんである。
トレッド部12には、タイヤ外側のトレッド面12aを構成する陸部12bと、トレッド面12aに形成されるトレッド溝12cとが設けられ、陸部12bは、トレッド溝12cによって区画される。トレッド溝12cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)を有する。トレッド面12aには、トレッド溝12cと陸部12bとによりトレッドパターンが形成される。
カーカス層20は、タイヤ幅方向に、トレッド部12に対応する部分から、ショルダー部14及びサイドウォール部16に対応する部分を経てビード部18まで延在してタイヤの骨格をなすものである。カーカス層20は、有機繊維からなる補強コードを一定間隔で一方向に向かって、例えば、タイヤ幅方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆した構成である。カーカス層20は、後述する左右一対のビードコア28にタイヤ内側からタイヤ外側に折り返され、サイドウォール部16の領域で端部Aを成しており、ビードコア28を境とする本体部20aと折り返し部20bとから構成されている。図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の端部を有する。
ベルト層22は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層20を補強するための補強層である。このベルト層22は、トレッド部12に対応する部分に設けられ、内側ベルト層40及び外側ベルト層42を有する2層構造である。
本実施形態においては、内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、それぞれ補強コードがコードコーティングゴムで被覆して構成されている。
内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が、例えば、24〜35°であり、好ましくは27〜33°である。これにより、高速耐久性と耐フラットスポット性とをバランスよく向上させることができる。
ベルト層22の内側ベルト層40及び外側ベルト層42のうち、少なくとも1層は、補強コードが、アラミド繊維とナイロン繊維からなる複合繊維コードにより構成される。
本実施形態においては、内側ベルト層40の補強コードがスチールコードにより構成され、外側ベルト層42の補強コードが上述の複合繊維コードにより構成されている。
なお、内側ベルト層40の補強コードが上述の複合繊維コードにより構成され、外側ベルト層42の補強コードがスチールコードにより構成されてもよい。また、内側ベルト層40および外側ベルト層42のいずれの補強コードも上述の複合繊維コードにより構成されてもよい。
また、複合繊維コードを構成するアラミド繊維には、例えば、芳香族ポリアミド繊維が用いられ、同じく複合繊維コードを構成するナイロン繊維には、例えば、ナイロン66繊維、ナイロン46繊維が用いられる。
タイヤ10には、ベルト層22の最上層である外側ベルト層42上に、ベルト層22の補強を行うベルト補助補強層24がタイヤ周方向に配置されている。
このベルト補助補強層24は、補強コードとして有機繊維コードが、タイヤ周方向に螺旋状に配置されており、これらの有機繊維コードがコードコーティングゴムで被覆して構成されている。
ベルト補助補強層24は、図1に示すように、模式的に示せば図2(a)に示すように、例えば、1層でベルト層22全域を一重に覆うように設けられている。ベルト補助補強層24は、いわゆるフルカバーと呼ばれるものである。
ベルト補助補強層24は、1層だけ設けられていれば、全体が単層構造であり、タイヤ幅方向における端部24aが折り曲げられるものではなく、端部24aも1層構造で局所的に多層になることはない。このため、例えば、ベルト補助補強層24が1層の場合、ベルト層22の端部βを2重に覆うことはない。このようにベルト補助補強層24は、1層でベルト層22全域を一重に覆っている。
なお、ベルト補助補強層24は、ベルト層22の全域を覆うように、少なくとも1層設けられていればよく、その層の数については、特に限定されるものではない。ベルト補助補強層24を複数層構成とした場合、後述するように、各層が、それぞれベルト層22全域を一重に覆うように配置される。
ベルト補助補強層24において、有機繊維コードとして、例えば、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)繊維、アラミド繊維、アラミド繊維とナイロン66繊維とからなる複合繊維(アラミド/ナイロン66ハイブリッドコード)、PEN繊維、POK(脂肪族ポリケトン)繊維、耐熱PET繊維、およびレーヨン繊維等が用いられる。
ビード部18には、カーカス層20を折り返し、タイヤ10をホイールに固定するために機能するビードコア28と、ビードコア28に接するようにビードフィラー30が設けられている。そのため、ビードコア28及びにビードフィラー30は、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとで挟み込まれている。
また、ビード部18には、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コードを含むサイド補強層26が埋設されている。
本実施形態においては、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとの間に配置され、ビードコア28から折り返し部20bの端部Aよりもタイヤ径方向に沿って,ショルダー部14側の端部Bまで延在している。
なお、サイド補強層26の他端部Cは、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー6との間の、ビードコア28近傍に存在する。なお、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の折り返し部20bとビードコア28及び/又はビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、本体部20aと折り返し部20bとの間に配置されていても良いし、ビード部18では、折り返し部20bのタイヤ幅方向外側に、サイドウォール部16では、本体部20aの外側に配置されていても良い。さらに、これらを組み合わせて配置しても良い。
サイド補強層26は、スチールコードからなる補強コードを一定間隔でタイヤ周方向に対して傾斜した方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆して構成されている。このサイド補強層26の補強コードは、スチールコード以外にも、例えば、ポリエステル、ナイロンもしくは芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等が用いられる。
サイド補強層26は、タイヤ10のサイド(側面)、すなわち、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の補強を行うことができれば、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の全部又は一部のみに設けられるものであってもよく、端部の位置も、限定されるものではない。例えば、サイド補強層26の端部をショルダー部14のベルト層22と接する領域まで延在させて、ビード部18及びサイドウォール部16の全部に対して設けられても良いし、ビード部18のみ、又はサイドウォール部16のみに対して設けられても良いし、例えば、ビード部18とサイドウォール部16とに分割するなど、複数に分割して設けられていても良い。
さらに、サイド補強層26を設ける領域を補強コードの種類に応じて変えても良い。例えば、サイド補強層26の補強コードとして、従来公知のスチールコードを用いる場合には、ビードフィラー30とカーカス層20の折り返し部20bとの間にサイド補強層26を配置するのが好ましく、有機繊維コードを用いる場合には、ビードコア28及びビードフィラー30を包み込むようにサイド補強層26を配置するのが好ましい。
タイヤ10は、この他にゴム材として、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34、リムクッションゴム層36、及びタイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38を有する。
本実施形態においては、ベルト層22の複合繊維コードは、強度S(cN/dtex)が9.0≦Sであることが好ましく、より好ましくは、9.5≦S≦13.0である。また、ベルト層22の複合繊維コードは、2.0cN/dtexでの伸び率E(%)が2.5≦E≦5.0であり、かつ総繊度D(dtex)が2000≦D≦5000であることが好ましい。
ベルト層22の複合繊維コードにおいて、強度Sが9.0(cN/dtex)未満である場合、タイヤ性能を維持するためには、コードの打ち込み本数を増やしたり、複合繊維コードを太くする必要がある。しかし、打ち込み本数が多すぎると、ベルト層22の端部βでの接着破壊が起こりやすくなり、耐久性能が低下する。また、複合繊維コードが太すぎると、ベルト層22が厚くなり、転がり抵抗低減の効果が小さくなる。
一方、ベルト層22の複合繊維コードにおいて、13.0(cN/dtex)を超える強度Sにするためには、コードの撚り数を少なくしたり、複合繊維コードを太くする必要がある。しかし、コードの撚り数が少なすぎると、コード疲労性が低下することもあり、耐久性能が低下することがある。また、複合繊維コードが太すぎると、ベルト層22が厚くなることもあり、転がり抵抗低減の効果が小さくなることがある。
なお、強度Sは、JlS L1017化学繊維タイヤコード試験法に準拠して測定する。強度Sを測定する場合、タイヤ10のベルト層22から採取した複合繊維コードが吸湿しないように、採取後すぐに、例えば、1分以内に測定を行う。
また、ベルト層22の複合繊維コードにおいて、2.0cN/dtexでの伸び率E(%)が2.5(%)未満の場合、コードモジュラスが大きくなり圧縮疲労性が低下するため、耐久性能が低下する。
一方、ベルト層22の複合繊維コードにおいて、2.0cN/dtexでの伸び率E(%)が5.0(%)より大きい場合、ベルト層22の端部βでのタガ効果が小さくなるため、耐久性能が低下する。
本発明において、2.0cN/dtexでの伸び率E(%)は、タイヤ10のベルト層22から採取した複合繊維コードが吸湿しないように、採取後すぐに、例えば、1分以内に、JIS L 1017,8.7一定荷重時伸び率a)標準時試験に準拠して測定したものである。
ベルト層22の複合繊維コードにおいて、総繊度Dが2000(dtex)未満である場合、タイヤ性能を維持するためには、コードの打ち込み本数を増やす必要があるが、打ち込み本数が多すぎると、ベルト層22の端部βでの接着破壊が起こりやすくなり、耐久性能が低下する。
一方、ベルト層22の複合繊維コードにおいて、総繊度Dが5000(dtex)より大きい場合、ベルト層22が厚くなり、転がり抵抗低減の効果が小さい。
また、ベルト補助補強層24において、有機繊維コードの断面積をa(mm)とし、有機繊維コードの2%伸張時の弾性率をM(N/mm)とし、ベルト補助補強層における有機繊維コードの打ち込み本数をh(本/50mm)とするとき、これらの積、すなわち、G=a×M×hで表される有機繊維コードの引張剛性G(N・本/50mm)が、20000≦G≦180000であることが好ましい。
なお、本発明において、2%伸張時の弾性率M(N/mm)は、タイヤ10のベルト層22から採取した複合繊維コードが吸湿しないように、採取後すぐに、例えば、1分以内に、JIS L 1017準拠した測定により求めた応力−歪曲線において、歪が0%の点と2%の点とを直線で結び、その直線の傾きから求めた弾性率とした。
ベルト補助補強層24において、有機繊維コードの引張剛性Gが20000(N・本/50mm)未満である場合、タイヤ周方向の剛性が維持されず、コーナリングパワーの低下、タイヤ外径成長が抑制されず耐久性能が低下する。
一方、ベルト補助補強層24において、有機繊維コードの引張剛性Gが180000(N・本/50mm)より大きい場合、トレッド部の剛性が大きくなりすぎ、接地形状が丸くなるため、転がり抵抗が大きくなる。
本実施形態においては、ベルト層22の補強コードをアラミド繊維とナイロン繊維との複合繊維コードとしている。この複合繊維コードは、スチールコードに匹敵する高強度、高弾性率を有するとともに、スチールコードに比べて低比重であるため、タイヤ10を軽量化することができる。また、ベルト層22のうち、少なくとも1層について複合繊維コードを用いたものとすることによって、コードの疲労性を向上させ、突起乗り越し耐久性能および高速耐久性能等の耐久性能を向上させることもできる。
更には、補強コードに有機繊維コードを用いたベルト補助補強層24を少なくとも1層、ベルト層22全域を覆うようにして設けることによって、曲げ剛性の低下(コーナリングパワーの低下)を抑制し、更なる剛性の確保とトレッド部全域での剛性差をなくして、転がり抵抗を小さくすることができる。
また、本実施形態においては、ベルト補助補強層24の構成は、図1、図2(a)に示す形態に限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すベルト補助補強層50のように、第1のプライ52と、第2のプライ54と積層されてなる2層構造としてもよい。第1のプライ52および第2のプライ54は、いずれもベルト層22の全域を覆う構成、いわゆるフルカバーと呼ばれるものである。
第1のプライ52および第2のプライ54においても、各端部52a、54aはベルト補助補強層24の端部24aと同様に折り曲げられることがなく、各端部52a、54aは、それぞれ局所的に多層になることはない。ベルト補助補強層50は、各層毎に、すなわち、第1のプライ52および第2のプライ54が、それぞれベルト層22全域を一重に覆うように配置されている。
なお、第1のプライ52および第2のプライ54には、ベルト補助補強層24と同じ有機繊維コードが用いられる。
また、図2(b)に示すベルト補助補強層50のように2層構造の場合、例えば、内側ベルト層40および外側ベルト層42は、いずれも補強コードが上述の複合繊維コードにより構成される。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の空気入りラジアルタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の空気入りラジアルタイヤの実施例について、具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1に示す構成の実施例1〜6、比較例1および比較例2のタイヤを作製し、各タイヤについて、転がり抵抗性能、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能を評価した。転がり抵抗性能、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能の結果を下記表1に示す。なお、各タイヤのタイヤサイズは195/65R15である。
下記表1の「構造図」の欄は、ベルト層とベルト補助補強層の配置を示すものである。実施例1、実施例2、実施例4〜6および比較例1は、図1および図2(a)に示す構成と同じである。実施例3は、図2(b)に示す構成と同じである。比較例2は、ベルト補助補強層が、1層のエッジカバーからなる。
下記表1の「ベルト層」の欄において「SHA」は、ベルト層が、スチールコードの層と、アラミドとナイロンの複合繊維コードの層の構成であることを示し、「SA」は、ベルト層が、スチールコードの層と、アラミドコードの層の構成であることを示す。
なお、実施例1〜6、比較例1および比較例2においては、下側、すなわち、ベルト側がスチールコードの層である。
また、下記表1の「ベルト層」の欄において「JF」はベルト補助補強層の構成がフルカバー単層であることを示し、「2JF」はベルト補助補強層の構成がフルカバー2層であることを示し、「JE」はベルト補助補強層の構成がエッジカバーであることを示す。
下記表1の「コード構造」の欄において、「A1670」は、繊度が1670dtexのアラミド繊維を示し、「A1100」は、繊度が1100dtexのアラミド繊維を示し、「N940T」は、繊度が940dtexのナイロン66繊維を示し、「N1400T」は、繊度が1400dtexのナイロン66繊維を示す。
また、下記表1の「コード構造」の欄において、「A1670/2」は、繊度が1670dtexのアラミド繊維を双撚りしたものを示す。
下記表1の「コード構造」の欄において、「/1×2」は、片撚りのものを2本撚ったものを示し、「/1×3」は、片撚りのものを3本撚ったものを示す。
なお、下記表1の「強度S(cN/dtex)」は、タイヤから採取したベルト層の各コードが吸湿しないように採取後、1分以内に、JlS L1017化学繊維タイヤコード試験法に準拠して測定したものである。
下記表1の「2.0cN/dtexでの伸び率E(%)」は、タイヤから採取したベルト層の各コードが吸湿しないように採取後、1分以内に、JIS L 1017,8.7一定荷重時伸び率a)標準時試験に準拠して測定したものである。
下記表1の「コードの2%弾性率M(N/mm)」は、上述の2%伸張時の弾性率M(N/mm)と同じである。この下記表1の「コードの2%弾性率M(N/mm)」は、タイヤから採取したベルト層の各コードが吸湿しないように採取後、1分以内に、JIS L 1017準拠した測定により求めた応力−歪曲線において、歪が0%の点と2%の点とを結んだ直線の傾きから求められた弾性率のことである。
本実施例において、転がり抵抗性能は、以下のようにして測定したものである。
まず、実施例1〜6、比較例1および比較例2の各タイヤを、リムサイズが15×6JJのリムに組み込み、試験内圧230kPaでインフレートさせる。その後、各タイヤについて、ドラム表面が平滑な鋼性で、かつ直径1707mmの室内ドラム式タイヤ転動抵抗試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、各タイヤに荷重4kNを与え、速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗値を測定した。
なお、下記表1に示す「転がり抵抗性能」の欄の数値は、比較例1を100とする指数で示しており、この数値が小さいほど転がり抵抗性能が優れていることを示す。
また、突起乗り越し耐久性能は、以下のように測定したものである。
まず、実施例1〜6、比較例1および比較例2の各タイヤを、サイズが15×6JJのリムに組み込み、試験内圧350kPaでインフレートさせる。その後、ドラム表面に3本の突起が付いた直径1707mmのドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、各タイヤについて、JATMAで規定された最大荷重150%の荷重を与え、速度60km/hでタイヤが破壊するまでドラム走行を続けた。
なお、下記表1に示す「突起乗り越し耐久性能」の欄の数値は、比較例1を100とする指数で示し、数値が大きいほど耐久性能が向上していることを示す。
高速耐久性能は、以下のように測定したものである。
まず、実施例1〜6、比較例1および比較例2の各タイヤを、サイズが15×6JJのリムに組み込み、試験内圧260kPaでインフレートさせる。その後、ドラム表面が平滑な鋼性でかつ直径1707mmのドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、各タイヤについて、JATMAで規定された最大荷重80%の荷重を与え、速度170km/hで1時間走行させる。以降10分毎に速度を10km/hずつステップアップさせながらタイヤが破壊するまでドラム走行を続けた。
なお、下記表1に示す「高速耐久性能」の欄の数値は、比較例1を100とする指数で示し、数値が大きいほど耐久性能が向上していることを示す。
Figure 2012030740
上記表1に示すように、実施例1〜4は、転がり抵抗が小さく、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能が優れているものであり、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能等の耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能が優れる。
また、実施例5および実施例6は、実施例2に比して引張剛性Gが好ましい範囲から外れている。このため、実施例5は、転がり抵抗が実施例2によりも若干大きくなった。しかしながら、実施例5は、比較例1および比較例2よりも転がり抵抗が小さく、しかも突起乗越し耐久性能および高速耐久性能が優れている。このように、実施例5は、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能等の耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能が高いものであった。
実施例6は、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能が実施例2によりも若干悪くなったものの、比較例1および比較例2よりも突起乗越し耐久性能および高速耐久性能は優れており、しかも転がり抵抗が小さい。このように、実施例6は、突起乗越し耐久性能および高速耐久性能等の耐久性能を維持しつつ、転がり抵抗性能が高いものであった。
一方、比較例1は、評価の基準としたものであって、ベルト層がスチールコードと、アラミド繊維単体の構成である。ベルト層にアラミド繊維単体の層を有する比較例1は、実施例1〜6のいずれよりも突起乗越し耐久性能および高速耐久性能が悪く、しかも転がり抵抗が大きい。
比較例2は、ベルト層補助補強層の構成がフルカバーではない。このため、曲げ剛性の低下(コーナリングパワーの低下)を抑制することができず、実施例1〜6のいずれよりも転がり抵抗が大きく、しかも突起乗越し耐久性能および高速耐久性能が悪い。
10 空気入りラジアルタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
24、50 ベルト補助補強層
26 サイド補強層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
40 内側ベルト層
42 外側ベルト層
52 第1のプライ
54 第2のプライ

Claims (3)

  1. 2層のベルト層と、このベルト層の最上層上に少なくとも1層設けられたベルト補助補強層とを備える空気入りラジアルタイヤであって、
    前記ベルト層の少なくとも1層は、アラミド繊維とナイロン繊維からなる複合繊維コードを備えるものであり、
    前記ベルト補助補強層は、有機繊維コードを備えるものであり、かつ各ベルト補助補強層は、それぞれ1層で前記ベルト層全域を一重に覆うように設けられていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト層の前記複合繊維コードは、強度S(cN/dtex)が9.0≦Sであり、2.0cN/dtexでの伸び率Eが2.5≦E≦5.0であり、かつ総繊度D(dtex)が2000≦D≦5000である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ベルト補助補強層の前記有機繊維コードは、断面積(mm)、前記有機繊維コードの2%伸張時の弾性率(N/mm)、および前記ベルト補助補強層における前記有機繊維コードの打ち込み本数(本/50mm)の積により表される引張剛性G(N・本/50mm)が、20000≦G≦180000である請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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