JP2012030549A - 平版印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Mスクリーンにより画像形成された平版印刷版を用いて印刷するに当たり、印刷物におけるドットゲインを抑え、網点再現性を良好に且つ簡便に管理し、長時間印刷した際にも、印刷品質を安定させる方法を提供する。
【解決手段】網点がFMスクリーンで形成されている平版印刷版を用いて平版印刷を行なう印刷方法であって、印刷に用いる湿し水が、2個のOH基を有し総炭素数が9である非環状炭化水素化合物を含有する湿し水であることを特徴とする平版印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、FMスクリーンにより画像形成された平版印刷版を用いて印刷する方法に関する。本発明は、より詳しくは、FMスクリーンにより形成された微小な網点を高い再現性をもって印刷するこのできる、平版印刷方法に関する。
平版印刷は水と油が本質的に混じり合わない性質を利用した印刷方式であり、印刷版面は水を受容し油性インキを反撥する非画像領域と、水を反撥し油性インキを受容する画像領域からなる。非画像領域を湿し水が湿潤することで画像領域との界面化学的な差が拡大し、非画像領域のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性とを増大する。
平版印刷機は通常、オフセット印刷方式になっており、版上にインキと湿し水が供給され、画像部にインキが付着し、非画像部に湿し水が付着することによって画像が形成され、その版上の画像がブランケットに転移し、更にブランケットから紙に転移することによって印刷されている。
平版印刷の技術において、湿し水の観点から様々な工夫が提案されている。湿し水として、従来、イソプロピルアルコールを約20〜25%加えた水溶液を用いるダールグレン方式や、イソプロピルアルコールを含有しない湿し水として、特定のプロピレングリコール系化合物を含有する湿し水(例えば特許文献1参照)、ジエチレントリアミンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物を含む湿し水(例えば特許文献2参照)などが知られている。また、特定のジオール系非環状炭化水素化合物を湿し水に添加することで、インキ成分や紙成分がブランケット上の非画像部分に堆積することに起因する所謂“ブランケットパイリング”の問題を低減することが提案されている(例えば特許文献3参照)。
平版印刷においては、印刷物の画像は一般に網点と言われるドットの集合によって表現され、画像濃度は小点集合の面積をコントロールすることによって調整される。網点には幾つかの種類があり、従来は格子状の網目中に作成された小点の大小で諧調を表現するAMスクリーン(Amplitude Modulation Screening)が主流であった。最近は、一定領域内の微細な点の分布を変化させ、その数の合計により階調を表現するFMスクリーン(frequency modulation screening)と言われる網点方式が、階調が滑らかでモアレの発生がないとして用いられるようになってきた。ただし、微小なドットを管理するための高度な印刷技術や印刷装置を必要とする。
一般的に、刷版の網点の大きさは、印刷物の網点の方が大きくなり、この現象を「ドットゲイン」と呼んでいる。印刷物においてドットゲインをできるだけ限り小さくして、スクリーン上の網点の状態を忠実に再現し、良好な印刷再現を得ることが求められる。FMスクリーン方式においては、とりわけ、印刷物における網点のドットゲインを管理することが難しい。特に、印刷スタート時の網点形状と何枚も刷り込んでいった時との網点形状を一定に保つことは、高度の技術を必要とする。
近年、FMスクリーン方式による画像形成が広汎に使用されるようになる中、上述のドットゲインをできる限り低く管理する手段が求められている。
特開2001−138655号公報 特開2007−55182号公報 特開2009−96177号公報
本発明の目的は、FMスクリーンにより画像形成された平版印刷版を用いて印刷するに当たり、印刷物におけるドットゲインを抑え、網点再現性を良好に且つ簡便に管理し、長時間印刷した際にも印刷品質を安定させる方法を提供することである。
発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、特定のジオール系化合物を湿し水に添加することで、FMスクリーン方式で製版された刷版によるドットゲインを良好に管理することができ、すなわち網点再現性の高い印刷方法が提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、網点がFMスクリーンで形成されている平版印刷版を用いて平版印刷を行なう印刷方法であって、印刷に用いる湿し水が、2個のOH基を有し総炭素数が9である非環状炭化水素化合物を含有する湿し水であることを特徴とする平版印刷方法である。
本発明の好ましい実施態様として、湿し水中の該非環状炭化水素化合物が、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び/又は2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールである態様がある。
本発明の別の好ましい実施態様として、湿し水がさらに、下記一般式(I)で表される化合物を含有する態様がある。
1-O−(CH2CHR2O)m−H (I)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表し、R2は水素原子またはメチル基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
本発明の平版印刷方法によれば、FMスクリーンで刷版に画像形成された微細な網点が、長時間印刷した際にも、そのドットゲインが明らかに少なく、網点形状を維持することができ、その印刷品質を安定させることができる。本発明の平版印刷方法によれば、さらに、湿し水の供給量の調節なども簡便で、給水ローラー汚れなどの悪化も見られず、良好な印刷性能が得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷方法に用いる湿し水に含める非環状炭化水素化合物は、2個のOH基を有し、総炭素数が9であるジオール系化合物である。ここで総炭素数が9であることで、溶解性が良好であり本発明が目的とする効果が達成される。
本発明で使用する湿し水に用いるジオール系化合物において、該2個のOH基間の最短の炭素数の好ましい範囲は2〜6であり、さらに好ましい範囲は3〜5である。
該ジオール系化合物の具体例(1)〜(15)を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012030549
Figure 2012030549
該ジオール系化合物の上記具体例のうち、(7)2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと(10)2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが、ドットゲインを低くする観点から優れている。特に、2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが優れている。
本発明で使用する湿し水において、該ジオール系化合物を1種単独又は2種以上含めてもよい。
本発明で使用する湿し水の例として、該ジオール系化合物を2種以上含み、該ジオール系化合物の総質量において、2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが1質量%以上を占める湿し水組成物がある。この例において、2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが好ましくは該ジオール系化合物の総質量の3質量%以上、より好ましくは10質量%以上を占める。具体的に、2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが該ジオール系化合物の総質量の50質量%以上を占める態様がある。
該ジオール系化合物を2種以上含む湿し水組成物において、2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと併用するジオール系化合物として、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが特に挙げられる。
本発明で使用する湿し水においてジオール系化合物の添加量は、使用時の湿し水において0.001〜2.0質量%が適当であり、この範囲にあると、本発明の効果が十分に得られるとともに溶解不良や給水ローラー汚れなどが発生せず、好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.7質量%、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。
湿し水は、通常先ず濃縮液として調製しておき、使用時に該濃縮液を適宜希釈し使用することが好ましく、希釈率は30〜100倍程度が特に好ましい。濃縮率は高すぎると濃縮液中での析出、液分離などの問題が発生しやすい。
本明細書中において、湿し水における各種成分の含有量は、特に記載しないかぎり、上記ジオール化合物で述べたように、使用時の湿し水における含有量を意味する。
湿し水には、その濃縮液を作成する際に使用する可溶化剤として、下記一般式(I)の化合物を少なくとも1種が含まれていてもよく、これらの化合物により本発明の効果が相乗的に高まる。
一般式(I)の化合物
1-O−(CH2CHR2O)m−H (I)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表し、R2は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
一般式(I)の化合物において具体的には、式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基があり、ジオール系化合物の溶解性を高め、かつブランケットパイリングを抑制する観点から、水素原子、n−ブチル基あるいはt−ブチル基が特に好ましい。また、mは1〜5の整数を表し、1〜3の整数が好ましく、1が特に好ましい。
一般式(I)の化合物は、R1がアルキル基であるときの具体例として、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテルなどがある。中でも、プロピレングリコール又はエチレングリコールのn−ブチル、又はt−ブチルエーテルが好ましく使用できる。
一般式(I)のR1が水素原子の具体例は、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール及びペンタプロピレングリコールなどがある。中でも、ジオール系化合物の溶解性を高めるために、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが好ましく、プロピレングリコールが最も好ましい。
一般式(I)で示される化合物は上記の化合物を複数併用することが好ましく、特にR1がアルキル基の化合物とR1が水素原子である化合物とを併用すると、FMスクリーンによる網点のドットゲインを小さくする観点から好ましく、また、ブランケットパイリングやローラストリップを防止できる。
一般式(I)で示される化合物の添加量は、本発明の目的とする効果を十分に得るために、湿し水において0.05〜5.0質量%が適当であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%の範囲である。
本発明で用いる湿し水にはまた、湿潤溶剤として、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン等を用いることができる。これらの溶剤は、湿し水の0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜2質量%の範囲で使用するのがよい。
本発明に用いる湿し水はさらに、水溶性高分子化合物を含むことが好ましい。湿し水に使用する水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、澱粉誘導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエチレングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸及びその共重合体の合成物が挙げられる。上記水溶性高分子化合物の中でも、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましく使用できる。
これらの水溶性高分子化合物の分子量は、好ましくは300〜500,000、より好ましくは300〜100,000、特に好ましくは500〜30,000のものである。
水溶性高分子化合物の含有量は、湿し水の0.0001〜0.1質量%が適しており、より好ましくは、0.0005〜0.05質量%である。
本発明に用いる湿し水はさらに、pH調整剤によってpHを好ましい値に調整することが好ましい。pH値は3〜7の範囲の酸性領域で用いることが好ましいが、pH7〜11のアルカリ性領域で用いることもできる。上記pH調整剤としては、水溶性の有機酸、無機酸又はそれらの塩が使用できる。
好ましい有機酸としては、酢酸、クエン酸、蓚酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、ヒドロキシ酢酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル酸、p−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙げられ、無機酸としては、リン酸、硝酸、硫酸、ポリリン酸が挙げられ、更にこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニウム塩、有機アミン塩も好適に用いられる。これらは2種以上の混合物として使用してもよい。これらpH調整剤の本発明に用いる湿し水への添加量は0.001〜0.3質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いる湿し水はさらに、濡れ性向上の助剤として、ピロリドン誘導体やアセチレングリコール/アセチレンアルコール類を含んでもよい。ピロリドン誘導体としては、エチルピロリドン、ブチルピロリドン、ペンタピロリドン、ヘキサピロリドン、オクチルピロリドン、ラウリルピロリドンがあげられ、アセチレングリコール/アセチレンアルコール類としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、及びそれらの酸化エチレン及び/又は酸化プロピレン付加物などが挙げられる。上記化合物のうち、特にオクチルピロリドン、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレンが4〜10個付加した化合物が好ましく挙げられる。これらは、湿し水の0.0001〜1.0質量%で用いられるのがよく、より好ましくは0.001〜0.1質量%である。
本発明に用いる湿し水組成物にはまた、動的表面張力の調節、可溶化、又は印刷インキの混入率(乳化率)を適度な範囲に抑えるなどのために、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールの酸化エチレン及び/又は酸化プロピレン付加物、トリメチロールプロパンの酸化プロピレン付加物、グリセリンの酸化プロピレン付加物、ソルビトールの酸化プロピレン付加物、テトラヒドロフルフリルアルコールなどを加えてもよく、特に好ましいのが2−エチル−1,3−ヘキサンジオールであり、また可溶化剤としてテトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
これらの化合物は、湿し水の0.01〜7質量%で用いられるのが適当であり、より好ましくは0.05〜5質量%である。
本発明に用いる湿し水のその他の成分として、例えば、さらに、エチレンジアミンもしくはジエチレントリアミンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物を含有させることができ、このような化合物は、印刷機停止時に版上に残った水滴が放置により水が蒸発し、濃縮されて残ったときでも、画像領域にダメージを与えることがない。
これらにおいてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの付加モル数比率は、5:95〜50:50の範囲が適当であり、より好ましくは20:80〜35:65の範囲である。各共重合鎖はブロック構造でも、ランダム構造でもよい。本発明の印刷方法に用いる湿し水で使用される、上記付加化合物の重量平均分子量は、好ましくは500〜5000、より好ましくは800〜1500であり、最適なのは重量平均分子量1000付近のもので、分子量やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率は、例えば水酸基価及びアミン価の測定、NMR測定などにより決定することができる。
上記化合物を湿し水において0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%含有させることによって、イソプロピルアルコールを代替しても、良好な印刷適性を発揮する。
本発明に用いる湿し水としては、さらに、界面活性剤を濡れ性向上の助剤として使用することができる。界面活性剤のうち、例えばアニオン型界面活性剤としては、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましく用いられる。
界面活性剤を使用する場合、発泡の点を考慮すると、その含有量は湿し水の1.0質量%以下、好ましくは0.001〜0.5質量%が適当である。
本発明に用いる湿し水には、糖類を含ませてもよい。糖類の含有量は湿し水の0.01〜1質量%が適当であり、好ましくは0.1〜0.8質量%である。
本発明に用いる湿し水にはまた、キレート化剤を添加することできる。好ましいキレート化剤としては、下記酸のカリウム塩、そのナトリウム塩があげられる。酸としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。使用時の湿し水組成物中のキレート化合物の含有量としては、0.001〜0.5質量%が適当で、好ましくは0.002〜0.25質量%である。
本発明に用いる湿し水には、防錆剤を含めてもよく、例えばベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、チオサリチル酸、ベンゾイミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
また、消泡剤として例えばシリコン消泡剤を含めてもよく、その中で乳化分散型及び可溶化型等いずれも使用することができる。
本発明に用いる湿し水の成分として残余は、水である。湿し水は、通常商業ベースとするときは濃縮化して商品化するのが一般的である。従って、水、好ましくは脱塩水、即ち、純水を使用して、上記の各種成分を溶解した水溶液として濃縮液を得ることができる。
このような濃縮液を使用するときに、通常使用時に水道水、井戸水等で30〜100倍程度に希釈し、使用時の湿し水とする。
本発明で使用する平版印刷版、すなわち網点がFMスクリーンで形成されている平版印刷版は、特定の版に限定されるものではない。本発明の印刷方法を適用する平版印刷版は、常法に従って、平版印刷版原版にFMスクリーンを用いて画像形成され、製版されたものでよい。平版印刷版原版の種類、FMスクリーンの種類、CTPセッター、露光手段、現像処理、不感脂化処理など、適宜選択して平版印刷版を製版することができる。
このように製版された平版印刷版を印刷機の印刷胴にセットし、インキと上述の湿し水を供給して印刷することで、高品質の印刷物を多数枚得ることができる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、%は特に指定のない限り質量%を示す。
[実施例1〜10及び比較例1〜6]
ジオール系化合物を下記の表1のように変更した以外は等質量用いて、全く同様にして、以下の処方で各種湿し水を調製した。
該処方において単位はグラムであり、最後に水を加えて100グラムに調整した場合の添加量であり、質量%と同意である。
使用時の湿し水(使用液)の処方成分 添加量
プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 0.5g
プロピレングリコール 0.5g
表1のジオール系化合物(前記具体例の符号で表す) 0.3g
カルボキシメチルセルロース 0.01g
硝酸アンモニウム 0.05g
クエン酸 0.02g
2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール 0.002g
2-メチル-5-クロロ-4-イソチアゾリン-3-オン 0.002g
ベンゾトリアゾール 0.001g
水を加えて 100gとする
版の製版条件を以下に示す。
幅1030mm、厚さ0.3mmのアルミウェブWについて、表面処理した後、下地塗布乾燥部で下地を施し、下層乾燥処理を行った。下層液としては、アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂と溶剤とを含有するものを塗布し、温度90℃〜200℃、湿度8RH%〜70RH%の水蒸気含有熱風で乾燥処理を行った。

評価には、アルミウェブWを、幅1030mm×長さ800mmに切断したポジ型感光性平版印刷版を得て、富士フイルムのセッターLuxcelT-9000HS、FMスクリーンはTAFFETA20を用いた。50%平網を出力、DT-2(1:8)を仕込んだLP-1300HIIで現像した。
また、同様のポジ型感光性平版印刷版に対して、富士フイルムのセッターLuxcelT-9000HS、AMスクリーンは175lpiを用いた。50%平網を出力、DT-2(1:8)を仕込んだLP-1300HIIで現像した。
各種湿し水を用いて、(株)小森コーポレーション製のLithron26 印刷機により、東洋インキ(株)のインキ:スーパーレオエコーSOY墨L、王子製紙(株)の微塗工紙:OKトップコート+、富士フイルム(株)の版:HP-Fにて、印刷を行って、以下の評価を行った。
AM(175lpi)による平版印刷版、及びFM(TAFFETA20)による平版印刷版、それぞれにおいて、印刷スタート時と10000枚印刷時の50%での網点のドットゲインを測定した。ドットゲインの測定方法は、グレタグマクベス社の反射濃度計SpectroEyeを用いて、未印刷物(コート紙)を基準白色点として、網点面積をマレイ・デイビスの公式で算出した。
印刷スタート時のドットゲインと10000枚印刷時のドットゲインとの変化率を数値化し、FM(TAFFETA20)による平版印刷版においてドットゲインの変化率が最も少なかった実施例5(ジオール系化合物として2-ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いた)の変化率を1とした時の各実施例及び比較例の変化率の相対値を算出し、これをドットゲイン指数とし、以下の表1に示す。
この値が低いほど、ドットゲインが抑えられていて、安定した印刷ができ、また、網点再現性が高いといえる。
Figure 2012030549
表1の結果から、本発明に従って湿し水に特定のジオール系化合物を添加することによって、比較例と比べて、FMスクリーンで画像形成した網点のドットゲインの変化率が小さいことが判る。このことから、本発明の平版印刷方法により、長時間の印刷によっても安定した印刷品質を提供できることが判る。
また、発明で使用するジオール系化合物のなかでも、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが好ましいことが判る。

Claims (3)

  1. 網点がFMスクリーンで形成されている平版印刷版を用いて平版印刷を行なう印刷方法であって、印刷に用いる湿し水が、2個のOH基を有し総炭素数が9である非環状炭化水素化合物を含有する湿し水であることを特徴とする平版印刷方法。
  2. 該非環状炭化水素化合物が、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び/又は2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールである、請求項1記載の平版印刷方法。
  3. 湿し水がさらに、下記一般式(I)で表される化合物を含有する、請求項1又は2に記載の平版印刷方法。
    1-O−(CH2CHR2O)m−H (I)
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表し、R2は水素原子またはメチル基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
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