JP2012028895A - 分波器 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入損失を低く抑えつつ,マルチバンド信号を3以上の周波数帯域に分離出来る分波器の提供。
【解決手段】分波器100は、第1と第2の分波回路を備えて、第1の分波回路140は、第1の通過帯域の第1のフィルタ110と、第2の通過帯域の第2のフィルタ112と、を含み、第2の分波回路160は、第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側に第3の通過帯域の第3のフィルタ114を含む。第1の分波回路の入力インピーダンスは、第1の通過帯域で誘導性又は容量性の第1リアクタンス成分を有して第2の通過帯域で第1リアクタンス成分と逆極性の第2リアクタンス成分を有し、第2の分波回路の入力インピーダンスは、第1リアクタンス成分が誘導性の時に第1の通過帯域において容量性で、且つ第2の通過帯域において誘導性であり、第1リアクタンス成分が容量性の時に第1の通過帯域において誘導性で且つ第2の通過帯域において容量性である。
【選択図】図1

Description

本発明は分波器に関する。
複数の通信方式を利用して通話やデータ送受信を行うことができるマルチバンド対応の携帯電話機が普及している。マルチバンド対応の携帯電話機は、複数の周波数帯の信号が重畳されたマルチバンド信号を周波数帯ごとに分離する分波器を備える。移動通信の分野では、より多くの周波数を分離できる小型で低損失の分波器が望まれている。
3つ以上の周波数帯の信号を分波する分波器(マルチプレクサ)は、ダイプレクサと比較して回路構成が複雑である。分離する周波数の数が増えると、全ての通過帯域において低損失であり、全ての阻止域において高減衰であるように回路を設計することが困難になる。
マルチバンド信号を3つ以上の周波数帯に分離する分波器についての開示例がある(特許文献1)。この開示例では、多段に配置された分布定数線路を用いて受信信号を3つ以上の周波数帯に分離している。
特開2007−266897号公報
本発明の様々な実施態様は、挿入損失を低く抑えつつマルチバンド信号を3以上の周波数帯域に分離することができる分波器を提供する。その他の課題は、下記の詳細な説明、添付図面等の記載から理解される。
本発明の一実施態様にかかる分波器は、アンテナからの受信信号を入力する入力端子と、前記入力端子と第1及び第2の出力端子との間に配置される第1の分波回路と、
前記入力端子と第3の出力端子との間に配置される第2の分波回路と、を備え、前記第1の分波回路は、前記入力端子と前記第1の出力端子との間に配置され、第1の通過帯域を有する第1のフィルタと、前記入力端子と前記第2の出力端子との間に配置され、第2の通過帯域を有する第2のフィルタと、を含み、前記第2の分波回路は、前記入力端子と前記第3の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側に第3の通過帯域を有する第3のフィルタを少なくとも含み、前記第1の分波回路の入力インピーダンスは、前記第1の通過帯域において誘導性または容量性の第1リアクタンス成分を有するとともに前記第2の通過帯域において前記第1リアクタンス成分と逆の極性の第2リアクタンス成分を有し、前記第2の分波回路の入力インピーダンスは、前記第1リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第1の通過帯域において容量性であるとともに第2の通過帯域において誘導性であり、前記第1リアクタンス成分が容量性である場合に前記第1の通過帯域において誘導性であるとともに第2の通過帯域において容量性である。
本発明の様々な実施態様によって、挿入損失を低く抑えつつマルチバンド信号を3以上の周波数帯域に分離することができる分波器が提供される。
本発明の一実施形態にかかる分波器を示す回路図 本発明の一実施形態にかかる低周波側分波回路の入力インピーダンスを示すスミスチャート 本発明の一実施形態にかかる高周波側分波回路の入力インピーダンスを示すスミスチャート 本発明の一実施形態にかかる分波器を示す回路図 本発明の一実施形態にかかる分波器を示す回路図 本発明の実施形態にかかる分波器の等価回路図 本発明の一実施形態にかかる分波器の入力インピーダンスを示すスミスチャート 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ 本発明の一実施形態にかかる分波器の減衰特性を表すグラフ
本発明の様々な実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる分波器100を表す回路図である。この分波器100は、例えば携帯電話機に搭載され、図示しないアンテナから入力端子102を介して入力されたマルチバンド信号を個別の周波数帯の信号に分離し、分離した信号を各出力端子116、118、120から図示しない受信機等に出力する。入力端子102及び各出力端子116、118、120に接続される伝送線路または回路はそれぞれ50Ωの特性インピーダンスに整合されている。
入力端子102と出力端子116及び出力端子118との間には入力信号のうち低周波側の信号を伝送する低周波側分波回路140が設けられ、入力端子102と出力端子120との間には入力信号のうち高周波側の信号を伝送する高周波側分波回路160が設けられる。低周波側分波回路140は、例えば、分布定数線路104と、整合回路108と、弾性表面波(SAW)フィルタ110、112とを備える。高周波側分波回路160は、例えば、分布定数線路106と、SAWフィルタ114とを備える。
SAWフィルタ110、112、114は、互いに異なる周波数帯に通過帯域を有し、通過させた信号を対応する出力端子116、118、120にそれぞれ出力する。例えば、SAWフィルタ110の通過帯域はUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のバンドVの受信用に割り当てられている869−894MHzであり、SAWフィルタ112の通過帯域はGPS(Global Positioning System)のL1バンドに割り当てられている1574−1576MHzである。また、SAWフィルタ114の通過帯域は、例えば、UTMSのバンドIの受信用に割り当てられている2110−2170MHzである。本明細書において、SAWフィルタ110、112、114の通過帯域を、それぞれ「第1の通過帯域」、「第2の通過帯域」、「第3の通過帯域」と称することがある。アンテナから受信されるマルチバンド信号には、これら第1から第3の通過帯域に相当する周波数帯の信号が重畳されている。
SAWフィルタ114は、第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側に通過帯域を有するように設計される。つまり、SAWフィルタ114の通過帯域は、第1の通過帯域の下限である869MHzを低周波端とし第2の通過帯域の上限である1576MHzを高周波端とする869MHzから1576MHzの周波数帯域の外側に存在する。SAWフィルタ114の通過帯域の一例として示したUTMSのバンドIは、2110−2170MHzに通過帯域を有しており、この通過帯域は869MHzから1576MHzの外側の高周波側に位置している。
本発明の他の実施形態として、高周波側分波回路160に代えて、または、高周波側分波回路160に加えて、低周波側分波回路140の通過帯域よりもさらに低周波側の信号を伝送する分波回路を設けることができる。かかる分波回路には、第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の低周波側に通過帯域を有する単数または複数のフィルタが備えられる。
低周波側分波回路140において、SAWフィルタ110、112の前方には、単数または複数の集中定数型のリアクタンス素子からなる整合回路108が配置され、この整合回路108と入力端子102との間には、分布定数線路104が配置される。分布定数線路104は線路長L1を有する。分布定数線路104は、その線路長L1に応じた移相量だけ通過信号の位相を遅らせる。分布定数線路104の線路長L1は、入力端子102側から見た低周波側分波回路140の入力インピーダンスが第3の通過帯域において十分に高いインピーダンスになるように決められる。第3の通過帯域の信号が低周波側分波回路140に漏洩しない限り、分布定数線路104は省略することができる。
整合回路108は、集中定数素子型のリアクタンス素子であるキャパシタ、インダクタ、またはこれらの組み合わせから構成される。整合回路108を構成するリアクタンス素子の配置及び素子値は、高周波側分波回路160による影響が無いと仮定して(つまり、低周波側分波回路140が高周波側分波回路160から電気的に分離されたと仮定して)、入力端子102側から見た低周波側分波回路140の入力インピーダンスのリアクタンス成分が第1の通過帯域と第2の通過帯域において互いに逆の極性を持つように定められる。以下に説明されるように、低周波側分波回路140の入力インピーダンスは、高周波側分波回路160に接続された状態において高周波側分波回路160に含まれるリアクタンス素子による影響を受けて変化するが、この高周波側分波回路160による影響をインピーダンスの計算から除外して整合回路108の設計が行われる。このようにして、低周波側分波回路140の入力インピーダンスは、低周波側分波回路140を単体として評価する場合に、第1の通過帯域におけるリアクタンス成分と第2の通過帯域におけるリアクタンス成分とが互いに逆の極性を持つように調整される。低周波側分波回路140が分布定数線路104を備える場合には、分布定数線路104による移相回転が加わった状態で第1の通過帯域におけるリアクタンス成分と第2の通過帯域におけるリアクタンス成分とが互いに逆の極性を持つように設計される。
このようにして整合回路108を設計することにより、低周波側分波回路140の入力インピーダンスは、第1の通過帯域においてその抵抗成分(実部)が伝送線路の特性インピーダンスとほぼ同じ50Ωであるとともにリアクタンス成分(虚部)が誘導性または容量性である一方、第2の通過帯域において抵抗成分がほぼ50Ωであるとともにリアクタンス成分が第1の通過帯域におけるリアクタンス成分と逆の極性となるように調整される。例えば、低周波側分波回路140の入力インピーダンスの第1の通過帯域におけるリアクタンス成分(以下、本明細書において「第1リアクタンス成分」と称することがある。)が容量性であれば第2の通過帯域におけるリアクタンス成分(以下、本明細書において「第2リアクタンス成分」と称することがある。)は誘導性になる。一方、第1リアクタンス成分が誘導性であれば第2リアクタンス成分は容量性になる。第1の通過帯域及び第2の通過帯域における低周波側分波回路140の入力インピーダンスは複素共役の関係にあってもよい。
高周波側分波回路160において、入力端子102とSAWフィルタ114との間には分布定数線路106が配置される。この分布定数線路106における位相回転によって、高周波側分波回路160が第1及び第2の通過帯域の信号に対してインダクタまたはキャパシタとして機能するように高周波側分波回路160の入力インピーダンスが調整される。高周波側分波回路160がインダクタ、キャパシタのいずれとして機能するかは、第1及び第2リアクタンス成分の極性に応じて定められる。例えば、第1リアクタンス成分が容量性で第2リアクタンス成分が誘導性になるように低周波側分波回路140が設計されている場合、第1の通過帯域において高周波側分波回路160がインダクタとして機能し、且つ、第2の通過帯域においてキャパシタとして機能するように、分布定数線路106によって入力信号の位相が回転される。一方、第1リアクタンス成分が誘導性で第2リアクタンス成分が容量性になるように低周波側分波回路140が設計されている場合には、高周波側分波回路160が第1の通過帯域においてキャパシタとして機能するとともに第2の通過帯域においてインダクタとして機能するように、高周波側分波回路160の入力インピーダンスが調整される。
このように構成された高周波側分波回路160が低周波側分波回路140と接続されることにより、低周波側分波回路140の第1の通過帯域における入力インピーダンスは未接続時における容量性の領域から誘導性の領域に向かって回転され、第2の通過帯域における入力インピーダンスは未接続時の誘導性の領域から容量性の領域に向かって回転される。この結果、第1及び第2リアクタンス成分はそれぞれ“0”に近づき、低周波側分波回路140のインピーダンスマッチングが精度良く実現される。
上述した本発明の一実施形態に係る分波器100は、広帯域に分布する複数の周波数帯域の信号を分波する場合や、各信号が広帯域の場合にも用いることができる。広帯域に分布する周波側分波回路140の通過信号(第1及び第2の通過帯域の信号)のそれぞれにおいて高周波側分波回路160の入力インピーダンスを完全開放にすることは困難であるため、第1及び第2の通過帯域の信号は高周波側分波回路160へ漏洩する。そこで、本発明の一実施形態においては、高周波側分波回路160が低周波側分波回路140の整合状態に与える影響を相殺するように、低周波側分波回路140単体のインピーダンスが調整される。これにより、通過帯域が広帯域に亘る場合であっても、整合状態を保って通過信号を伝送することができる。
また、上述した本発明の一実施形態に係る分波器100は、分布定数線路を多段に設ける上記特許文献1に記載の分波器と比較して入力信号の移相量を少なくすることができるので、通過信号の挿入損失を低く抑えることができる。また、分布定数線路104、106の線路長を短くし、分波器100を小型化することができる。以上述べたように、本発明の一実施形態にかかる分波器100は、挿入損失を低く抑えつつマルチバンド信号を3つの周波数帯域に分離することができる。
続いて図4を参照し、本発明の他の実施形態に係る分波器について説明する。図4は、本発明の他の実施形態にかかる分波器400を示す回路図である。分波器400の構成要素のうち図1の分波器100の構成要素と実質的に同じものについては、図1と同じ参照符号を用い、その説明は適宜省略される。分波器400において、分布定数線路106の後段にはSAWフィルタ114とSAWフィルタ404とが並列接続される。SAWフィルタ404及びSAWフィルタ114と分布定数線路106との間には、キャパシタやインダクタ等の集中定数型のリアクタンス素子からなる整合回路402が配置される。SAWフィルタ404を通過した信号は出力端子406から後段の受信機等に出力される。
SAWフィルタ404は、第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側の第3の通過帯域と同じ側に通過帯域を有する。SAWフィルタ404の通過帯域は、例えば、2400−2480MHzである。2400−2480MHzは、Bluetooth(「Bluetooth」は、Bluetooth SIG,INC.の登録商標である。)に割り当てられた周波数帯域である(以下、SAWフィルタ404の通過帯域を「第4の通過帯域」と称することがある。)。この第4の通過帯域は、第1の通過帯域である869−894MHzと第2の通過帯域である1574−1576MHzを含む周波数帯域の外側の高周波側にある(つまり、第1の通過帯域の下限である869MHzを低周波端とし第2の通過帯域の上限である1576MHzを高周波端とする869MHzから1576MHzの周波数帯域の外側の高周波側に存在する)ので、SAWフィルタ404は同じく高周波側に通過帯域を有するSAWフィルタ114と並列に接続される。
整合回路402は、集中定数素子型のリアクタンス素子であるキャパシタ、インダクタまたはこれらの組み合わせから構成される。整合回路402を構成するリアクタンス素子の配置及び素子値は、例えば、整合回路108の場合と同様の方針に拠って定められる。すなわち、整合回路402は、低周波側分波回路140に含まれるリアクタンス素子による影響が無いと仮定して、高周波側分波回路460の入力インピーダンスのリアクタンス成分が第3の通過帯域と第4の通過帯域において互いに逆の極性を持つように設計される。この整合回路402の機能により、高周波側分波回路460の入力インピーダンスは、第3の通過帯域においてその抵抗成分が伝送線路の特性インピーダンスとほぼ同じ50Ωであるとともにリアクタンス成分が誘導性または容量性であり、第4の通過帯域の抵抗成分がほぼ50Ωであるとともにリアクタンス成分が第3の通過帯域におけるリアクタンス成分と逆の極性となる。つまり、第3の通過帯域における高周波側分波回路460のインピーダンスのリアクタンス成分(第3リアクタンス成分)が容量性であれば、第4の通過帯域におけるリアクタンス成分(第4リアクタンス成分)は誘導性になる。一方、第3リアクタンス成分が誘導性であれば、第4リアクタンス成分は容量性になる。このように、第3及び第4の通過帯域における高周波側分波回路460単独のインピーダンスは、整合状態から等コンダクタンス円に実質的に沿ってキャパシティブ領域またはインダクティブ領域に回転した位置にある。
分布定数線路104は、分布定数線路106と同様に、第3及び第4リアクタンス成分の極性に応じて、第3及び第4の通過帯域において低周波側分波回路140が高周波側分波回路460に対してインダクタまたはキャパシタとして機能するように入力端子102からの入力信号の位相を回転させる。例えば、第3リアクタンス成分が容量性で第4リアクタンス成分が誘導性になるように低周波側分波回路140が設計されている場合、低周波側分波回路140が第3の通過帯域においてインダクタとして機能するとともに第4の通過帯域においてキャパシタとして機能するように、入力信号が位相回転される。このように構成された低周波側分波回路140を高周波側分波回路460と組み合わせることにより、第3及び第4リアクタンス成分はともに“0”に近づく。このようにして、本発明の一実施形態における分波器400は、高周波側分波回路460単独の場合と比較してより精度良くインピーダンスマッチングを行うことができる。
SAWフィルタ404として、上述した2400−2480MHz以外の帯域を通過帯域とするSAWフィルタを用いることができる。例えば、バンドIに相当する第3の通過帯域と近接する周波数帯域を通過帯域とするフィルタを用いることができる。この場合、高周波側分波回路460の入力インピーダンスのリアクタンス成分が第3の通過帯域と第4の通過帯域とで同じ極性を持つように、整合回路402が構成される。これにより、高周波側分波回路460の入力インピーダンスは、第3及び第4の通過帯域においてその抵抗成分が伝送線路の特性インピーダンスとほぼ同じ50Ωであるとともにリアクタンス成分がいずれも誘導性または容量性となる。また、分布定数線路104は、第3及び第4の通過帯域の信号に対して、低周波側分波回路140がインダクタまたはキャパシタとして機能するように入力端子102からの入力信号の位相を回転させる。インダクタ、キャパシタのいずれとして機能するかは、第3及び第4リアクタンス成分の極性に応じて定められる。例えば、第3及び第4リアクタンス成分が容量性の場合、第3及び第4の通過帯域において低周波側分波回路140がインダクタとして機能するように入力信号の位相が回転される。逆に、第3及び第4リアクタンス成分が誘導性の場合には、第3及び第4の通過帯域において低周波側分波回路140がキャパシタとして機能するように入力信号の位相が回転される。このように構成された低周波側分波回路140を高周波側分波回路460と組み合わせることにより、第3及び第4リアクタンス成分はともに“0”に近づく。このようにして、本発明の一実施形態における分波器400は、高周波側分波回路460単独の場合と比較してより精度良くインピーダンスマッチングを行うことができる。
高周波側分波回路460の第4の通過帯域における入力インピーダンスを、抵抗成分がほぼ50Ωでリアクタンス成分がほぼ“0”となるように調整してもよい。この場合、第4の通過帯域の信号が低周波側分波回路140に漏洩することを防止するため、低周波側分波回路140の第4の通過帯域におけるインピーダンスは分布定数線路106により完全開放に調整される。他の実施例において、高周波側分波回路460の第3の通過帯域における入力インピーダンスを、抵抗成分がほぼ50Ωでリアクタンス成分がほぼ“0”となるように調整し、低周波側分波回路140の第3の通過帯域におけるインピーダンスを分布定数線路106により完全開放に調整してもよい。
以上述べたように、本発明の一実施形態にかかる分波器400は、挿入損失を低く抑えつつマルチバンド信号を4つの周波数帯域に分離することができる。
続いて図5を参照し、本発明の他の実施形態に係る分波器について説明する。図5は、本発明の他の実施形態における分波器500を示す。分波器500の構成要素のうち、図1または図4の構成要素と実質的に同一のものについては、図1または図4の対応する構成要素と同じ参照符号を付し、その説明は適宜省略される。分波器500において、高周波側分波回路560にはSAWフィルタ114、204、504が並列に配置される。SAWフィルタ504は、例えば、1930−1990に通過帯域を有する。1930−1990MHzは、UMTSのバンドIIの受信用に割り当てられた周波数帯域(以下、「第5の通過帯域」と称することがある。)である。SAWフィルタ504を通過した信号は出力端子506から後段の受信機等に出力される。SAWフィルタ504は、第1の通過帯域である869−894MHzと第2の通過帯域である1574−1576MHzを含む周波数帯域の外側の高周波側に通過帯域を有する。
SAWフィルタ114、204、504と分布定数線路106との間には、集中定数型のリアクタンス素子からなる整合回路502が配置される。整合回路502を構成するリアクタンス素子の配置及び素子値は、整合回路402の場合と同様の方針に拠って定められる。本発明の一実施形態において、UMTSのバンドIIに相当する第5の通過帯域は、バンドIに相当する第3の通過帯域と近接している。この場合、高周波側分波回路560の入力インピーダンスに関しては、そのリアクタンス成分が第3の通過帯域と第5の通過帯域とで同じ極性を持たせ、第3の通過帯域と第4の通過帯域において互いに逆の極性を持つように調整される。この整合回路502の機能により、高周波側分波回路560の入力インピーダンスは、第3及び第5の通過帯域においてその抵抗成分が伝送線路の特性インピーダンスとほぼ同じ50Ωであるとともにリアクタンス成分がいずれも誘導性または容量性であり、第4の通過帯域の抵抗成分がほぼ50Ωであるとともにリアクタンス成分が第3及び第5の通過帯域におけるリアクタンス成分と逆の極性となる。本明細書において、高周波側分波回路560の第5の通過帯域における入力インピーダンスのリアクタンス成分を第5リアクタンス成分と称することがある。
分布定数線路104は、第3、第4、及び第5の通過帯域の信号に対して、低周波側分波回路140がインダクタまたはキャパシタとして機能するように入力端子102からの入力信号の位相を回転させる。インダクタ、キャパシタのいずれとして機能するかは、第3、第4、及び第5リアクタンス成分の極性に応じて定められる。例えば、第3及び第5リアクタンス成分が容量性で第4リアクタンス成分が誘導性になるように高周波側分波回路560が設計されている場合、低周波側分波回路140が第3及び第5の通過帯域においてインダクタとして機能するとともに第4の通過帯域においてキャパシタとして機能するように、入力信号の位相が回転される。このように構成された低周波側分波回路140を高周波側分波回路560と組み合わせることにより、高周波側分波回路560単独の場合と比較してより精度良くインピーダンスマッチングを行うことができる。
このように設計された分波器500における低周波側分波回路140の入力インピーダンスの周波数特性を図2のスミスチャートに例示する。図2は、低周波側分波回路140単体の入力インピーダンスを示す。同図において、マーカM1、M2は、第1、第2の通過帯域の中心周波数をそれぞれ表す。同図に示されるように、低周波側分波回路140の入力インピーダンスは、分布定数線路104及び整合回路108によって、第1の通過帯域の中心周波数(M1)においてほぼ50Ωの抵抗成分と容量性のリアクタンス成分とを有し、第2の通過帯域の中心周波数(M2)においてほぼ50Ωの抵抗成分と誘導性のリアクタンス成分とを有するように調整されている。このように、第1及び第2の通過帯域における低周波側分波回路140単独のインピーダンスは、整合状態(スミスチャートの中心)から等レジスタンス円に実質的に沿ってキャパシティブ領域またはインダクティブ領域に回転した位置にプロットされる。
分波器500におけるにおける高周波側分波回路560の入力インピーダンスの周波数特性を図3に例示する。図3は、低周波側分波回路140の入力インピーダンスが図2に示されるように第1の通過帯域において容量性である場合における高周波側分波回路560の入力インピーダンスの例を示す。同図において、マーカM1、M2は、第1、第2の通過帯域の中心周波数をそれぞれ表す。高周波側分波回路560は、図3におけるインダクタンス条件領域302に含まれる周波数帯域の信号に対してインダクタとして機能する。インダクタンス条件領域302は、図3のインダクティブ領域の比較的高インピーダンス側に位置する。図3に示す例においては、第1の通過帯域に相当する周波数帯域がインダクタンス条件領域302に含まれているので、低周波側分波回路140を伝送される第1の通過帯域の信号に対して高周波側分波回路560がインダクタとして機能する。一方、高周波側分波回路560は、図3におけるキャパシタンス条件領域304に含まれる周波数帯域の信号に対してキャパシタとして機能する。キャパシタンス条件領域304は、図3のキャパシティブ領域の比較的高インピーダンス側に位置する。図3に示す例においては、第2の通過帯域に相当する周波数帯域がキャパシタンス条件領域304に含まれているので、低周波側分波回路140を伝送される第2の通過帯域の信号に対して高周波側分波回路560がキャパシタとして機能する。
このように構成された高周波側分波回路560を低周波側分波回路140と組み合わせることにより、高周波側分波回路560は第1の通過帯域の信号に対してインダクタとして機能する。そして、このインダクタの機能により、図2にM1で示される第1の通過帯域のインピーダンスは、等コンダクタンス円に沿ってインダクティブ領域方向へ、スミスチャートの中心付近まで移動する。また、高周波側分波回路560が第2の通過帯域の信号に対してキャパシタとして機能するため、図2にM2で示される第2の通過帯域のインピーダンスは、等コンダクタンス円に沿ってキャパシタンス領域方向へ、スミスチャートの中心付近まで移動する。このように、高周波側分波回路560を低周波側分波回路140と組み合わせることにより、低周波側分波回路140単独の場合と比較してより精度良くマッチングを行うことができる。分波器100、400についても、同様の原理により、それぞれの低周波側分波回路と高周波側分波回路とを組み合わせることにより精度良くマッチングを行うことができる。
続いて、高周波側分波回路560の第5の通過帯域におけるインピーダンス調整の別の例を説明する。高周波側分波回路560の第5の通過帯域における入力インピーダンスは、抵抗成分がほぼ50Ωで、リアクタンス成分がほぼ“0”となるように調整してもよい。この場合、第5の通過帯域の信号が低周波側分波回路140に漏洩することを防止するため、低周波側分波回路140の第5の通過帯域におけるインピーダンスは分布定数線路106により完全開放に調整される。第5の通過帯域は第3の通過帯域と第4の通過帯域の間に位置するため、低周波側分波回路140の入力インピーダンスを第3の通過帯域において誘導性に調整し第4の通過帯域において容量性に調整するとともに、第5の通過帯域において無限大に近い高インピーダンス(完全開放)に調整することができる。このように構成された低周波側分波回路140を高周波側分波回路560と接続することにより、第5の通過帯域における整合状態を劣化させることなく第3及び第4リアクタンス成分をそれぞれ“0”に近づけることができ、第3、第4、第5の通過帯域のそれぞれにおいて高周波側分波回路560のマッチングが精度良く実現される。
図6は、分波器500の等価回路図である。同図に示されるように、整合回路108は、SAWフィルタ110とSAWフィルタ112との接続点P1とSAWフィルタ110との間に配置されるキャパシタ604と、接続点P1とキャパシタ604との接続点と接地との間に配置されるインダクタ602と、を備える。これらのキャパシタやインダクタの素子値は、低周波側分波回路140の入力インピーダンスのリアクタンス成分が第1の通過帯域と第2の通過帯域において互いに逆の極性を持つように定められる。例えば、インダクタ602のインダクタンス値は3nH、キャパシタ604の容量は4pFである。また、分布定数線路106の線路長は例えば16.25mmである。
整合回路502は、SAWフィルタ114、204、504の接続点P2とSAWフィルタ114との間に配置されるキャパシタ606と、接続点P2とSAWフィルタ204との間に配置されるキャパシタ612と、接続点P2とSAWフィルタ504との間に配置されるキャパシタ618と、キャパシタ606とSAWフィルタ114との接続点と接地との間に配置されるインダクタ608と、キャパシタ612の両側の端子と接地との間にそれぞれ配置されるインダクタ610、614と、キャパシタ618の両側の端子と接地との間にそれぞれ配置されるインダクタ616、620と、を備える。これらのキャパシタやインダクタの素子値は、高周波側分波回路560の入力インピーダンスのリアクタンス成分が第3の通過帯域と第4の通過帯域において互いに逆の極性を持ち、第3の通過帯域と第5の通過帯域において互いに同じ極性を持つように定められる。例えば、キャパシタ606、612、618の容量はそれぞれ3pF、4pF、3pFであり、インダクタ608、610、614、616、620のインダクタンス値はそれぞれ3nH、6.5nH、15nH、2nH、8nHである。また、分布定数線路104の線路長は15.25mmである。
SAWフィルタ110,114、504は、入力される不平衡信号を平衡信号に変換して出力するように構成されている。例えば、SAWフィルタ114は一組の平衡出力端子634、636を備えており、これらの端子間にSAWフィルタ114側から平衡出力端子634、636を見たインピーダンスを整合させるインダクタ622が配置される。同様に、SAWフィルタ504は一組の平衡出力端子640、642を備え、これらの端子間にはインピーダンス整合用のインダクタ626が配置される。インダクタ622、626のインダクタンス値は例えばそれぞれ8nH、10nHである。図5及び図6の比較から明らかなように、出力端子120は平衡出力端子634、636からなり、出力端子506は平衡出力端子640、642からなる。平衡出力端子間にインダクタを設けることは必ずしも必要ではない。例えば、SAWフィルタ110は一組の平衡出力端子628、630を備えるが、これらの端子間にはインダクタが配置されていない。
SAWフィルタ204と出力端子638との接続点と接地との間にはインダクタ624が配置されている。インダクタ624は、出力端子638からSAWフィルタ204を見たインピーダンスを整合させる。インダクタ624のインダクタンス値は例えば10nHである。
図7は、本発明の一実施形態にかかる分波器300の入力端子102から見たインピーダンスを示すスミスチャートである。図7に示されるインピーダンスは、周波数を500MHzから3GHzまで掃引して測定された。第1から第5の通過帯域にそれぞれ相当するマーカM1−M5は、図7から明らかなようにいずれも50Ω近辺に分布しており、第1から第5の通過帯域のそれぞれにおいてインピーダンスが整合していることが確認された。
図8ないし図12は、図6の等価回路図で表される分波器500の減衰特性のシミュレーション結果を表すグラフである。図13は、図8ないし図12に表されるシミュレーション結果の一部を拡大して表すグラフである。これらの減衰特性は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を有するAgilent Technologies, Inc.の回路シミュレータADSを用いてシミュレートされたものである。図8ないし図13において、横軸は周波数をGHz単位で表し、縦軸は減衰特性を示すSパラメータ(S21)の大きさをdB単位で表す。図8において曲線801は入力端子102・出力端子116間の減衰特性を表し、図9において曲線901は入力端子102・出力端子118間の減衰特性を表し、図10において曲線1001は入力端子102・出力端子120間の減衰特性を表し、図11において曲線1101は入力端子102・出力端子406間の減衰特性を表し、図12において曲線1201は入力端子102・出力端子506間の減衰特性をそれぞれ表す。
図8及び図13から明らかなように、入力端子102・出力端子116間の減衰量は、UMTSのバンドVに割り当てられている869−894MHzにおいておよそ2.8dBと十分に小さく、これ以外の帯域において十分に大きい。また、図9及び図13から明らかなように、入力端子102・出力端子118間の減衰量は、GPSのL1バンドに割り当てられている1574−1576MHzにおいておよそ1.6dBと十分に小さく、これ以外の帯域において十分に大きい。図10及び図13から明らかなように、入力端子102・出力端子120間の減衰量は、UMTSのバンドIに割り当てられている2110−2170MHzにおいておよそ3.2dBと十分に小さく、これ以外の帯域において十分に大きい。図11及び図13から明らかなように、入力端子102・出力端子206間の減衰量は、Bluetoothに割り当てられている2400−2480MHzにおいておよそ3.8dBと十分に小さく、これ以外の帯域において十分に大きい。最後に、図12及び図13から明らかなように、入力端子102・出力端子506間の減衰量は、UMTSのバンドIIに割り当てられている1930−1990MHzにおいておよそ3.2dBと十分に小さく、これ以外の帯域において十分に大きい。このように、分波器500を用いてUMTSのバンドI、バンドII、バンドV、GPS、Bluetoothの信号が重畳されたマルチバンド信号を5分波する際の挿入損失は、携帯電話機の分波器として十分に小さい。
図1、図4、または図5に表された分波器の回路構成は適宜変更することができる。例えば、各図に明示的に示されてSAWフィルタに加えて、適宜単数または複数のSAWフィルタを追加することができる。例えば、分波器500の低周波側分波回路140において、SAWフィルタ110、112と並列にもう1つのSAWフィルタを配置することにより、受信信号を6つの周波数帯域に分波することができる。例えば、925−960MHzに通過帯域(以下、「第6の通過帯域」と称することがある。)を有するSAWフィルタをSAWフィルタ110、112と並列に配置することができる。925−960MHzは、UMTSのバンドVIIIの受信用に割り当てられている周波数帯域に相当する。第1の通過帯域と第6の通過帯域が比較的近接しているため、低周波側分波回路140の第6の通過帯域におけるインピーダンスは、第1の通過帯域のインピーダンスと同じ極性を持つように調整することができる。この場合、低周波側分波回路140の入力インピーダンスは、第1及び第6の通過帯域においてその抵抗成分が伝送線路の特性インピーダンスとほぼ同じ50Ωであるとともにリアクタンス成分がいずれも誘導性または容量性であり、第2の通過帯域の抵抗成分がほぼ50Ωであるとともにリアクタンス成分が第1及び第6の通過帯域におけるリアクタンス成分と逆の極性となる。
第6の通過帯域のインピーダンス調整の別の例において、第6の通過帯域における低周波側分波回路140の入力インピーダンスを、抵抗成分がほぼ50Ωで、リアクタンス成分がほぼ“0”となるように調整してもよい。この場合、高周波側分波回路560の第6の通過帯域におけるインピーダンスは、分布定数線路106により完全開放に調整される。このように、第6の通過帯域は第1の通過帯域と第2の通過帯域の間に位置するため、第1の通過帯域を誘導性に調整し第2の通過帯域を容量性に調整する際に、その間に位置する完全開放に調整することができる。
本発明の実施形態は、以上において明示的に述べた態様に限られず、様々な変更を行うことができる。例えば、本明細書において明示的に指摘した以外にも適宜SAWフィルタを追加することができる。一例として、UMTSのバンドIIIを通過帯域とするSAWフィルタを高周波側分波回路160、460、560に追加することができ、UMTSのバンドXIを通過帯域とするSAWフィルタを低周波側分波回路140に追加することができる。このようにして、受信信号を7つまたは8つの異なる周波数帯域に分離することができる。SAWフィルタの通過帯域は本明細書で明示したものに限られず、分波する信号の周波数帯域に応じた通過帯域を有するフィルタが適宜使用される。
本明細書において説明した各分波器の構成は例示であり、その回路構成は適宜変更され得る。例えば、分布定数線路104、106に代えて、分布定数素子からなる整合回路を設け、この整合回路によって入力信号の位相を調整し、高周波側分波回路160を低周波側分波回路140に対してインダクタまたはキャパシタとして機能させてもよい。また、分布定数線路104、106を省略し、整合回路108、402、502を入力端子に直接接続してもよい。
SAWフィルタ110、112、114、404、504は、誘電体フィルタであってもよい。本発明にかかる分波器は、携帯電話機以外の様々な無線通信装置に搭載され得る。本発明にかかる分波器は、LTCC(低温同時焼成セラミックス)多層回路基板に作りこむことで小型化することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態に対して様々な変更を行うことができる。
100、400、500 分波器
140 低周波側分波回路
160、460、560 高周波側分波回路
104、106 分布定数線路
108、402、502 整合回路
110、112、114、404、504 SAWフィルタ
604、606、612、618 キャパシタ
602、608、610、614、616、620、622、624、626 インダクタ

Claims (15)

  1. アンテナからの受信信号を入力する入力端子と、
    前記入力端子と第1及び第2の出力端子との間に配置される第1の分波回路と、
    前記入力端子と第3の出力端子との間に配置される第2の分波回路と、
    を備え、
    前記第1の分波回路は、
    前記入力端子と前記第1の出力端子との間に配置され、第1の通過帯域を有する第1のフィルタと、
    前記入力端子と前記第2の出力端子との間に配置され、第2の通過帯域を有する第2のフィルタと、
    を含み、
    前記第2の分波回路は、前記入力端子と前記第3の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側に第3の通過帯域を有する第3のフィルタを含み、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスは、前記第1の通過帯域において誘導性または容量性の第1リアクタンス成分を有するとともに前記第2の通過帯域において前記第1リアクタンス成分と逆の極性の第2リアクタンス成分を有し、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスは、前記第1リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第1の通過帯域において容量性であるとともに第2の通過帯域において誘導性であり、前記第1リアクタンス成分が容量性である場合に前記第1の通過帯域において誘導性であるとともに第2の通過帯域において容量性である、
    分波器。
  2. 前記第2の分波回路が、
    前記入力端子と第4の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側の前記第3の通過帯域と同じ側に第4の通過帯域を有する第4のフィルタをさらに含み、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第3の通過帯域において誘導性または容量性の第3リアクタンス成分を有するとともに前記第4の通過帯域において前記第3リアクタンス成分と逆の極性の第4リアクタンス成分を有し、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第3リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第3の通過帯域において容量性であるとともに第4の通過帯域において誘導性であり、前記第3リアクタンス成分が容量性である場合に前記第3の通過帯域において誘導性であるとともに第4の通過帯域において容量性である、
    請求項1に記載の分波器。
  3. 前記第2の分波回路が、
    前記入力端子と第4の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側の前記第3の通過帯域と同じ側に第4の通過帯域を有する第4のフィルタをさらに含み、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第3の通過帯域において誘導性または容量性の第3リアクタンス成分を有するとともに前記第4の通過帯域において前記第3リアクタンス成分と同じ極性の第4リアクタンス成分を有し、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第3及び第4リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第3及び第4の通過帯域において容量性であり、前記第3及び第4リアクタンス成分が容量性である場合に前記第3及び第4の通過帯域において誘導性である、
    請求項1に記載の分波器。
  4. 前記第2の分波回路が、前記入力端子と第4の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側の前記第3の通過帯域と同じ側に第4の通過帯域を有する第4のフィルタをさらに含み、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第3の通過帯域において誘導性または容量性の第3リアクタンス成分を有するとともに、前記第4の通過帯域において前記入力端子及び前記第4の出力端子の特性インピーダンスと整合し、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第4の通過帯域において無限大に近い高インピーダンスであり、かつ、前記第3リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第3の通過帯域において容量性であり、前記第3リアクタンス成分が容量性である場合に前記第3において誘導性である、
    請求項1に記載の分波器。
  5. 前記第2の分波回路が、前記入力端子と第5の出力端子との間に配置され、前記第3及び第4の通過帯域の間に第5の通過帯域を有する第5のフィルタをさらに備え、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第5の通過帯域において前記入力端子及び前記第5の出力端子の特性インピーダンスと整合し、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第5の通過帯域において無限大に近い高インピーダンスである、
    請求項2ないし4のいずれか1項に記載の分波器。
  6. 前記第2の分波回路が、前記入力端子と第5の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域を含む周波数帯域の外側の前記第3及び第4の通過帯域と同じ側に第5の通過帯域を有する第5のフィルタをさらに備え、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第5の通過帯域において前記第3のリアクタンス成分と同じ極性の第5リアクタンス成分を有し、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第5リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第5の通過帯域において容量性であるとともに、前記第5リアクタンス成分が容量性である場合に前記第5の通過帯域において誘導性である、
    請求項2ないし4のいずれか1項に記載の分波器。
  7. 前記第1の分波回路が、前記入力端子と第6の出力端子との間に配置され、前記第1及び第2の通過帯域の間に第6の通過帯域を有する第6のフィルタをさらに備え、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第6の通過帯域において前記入力端子及び前記第6の出力端子の特性インピーダンスと整合し、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第6の通過帯域において無限大に近い高インピーダンスである、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の分波器。
  8. 前記第1の分波回路が、前記入力端子と第6の出力端子との間に配置され、前記第3及び第4の通過帯域を含む周波数帯域の外側の前記第1及び第2の通過帯域と同じ側に第6の通過帯域を有する第6のフィルタをさらに備え、
    前記第1の分波回路の入力インピーダンスが、前記第6の通過帯域において前記第1のリアクタンス成分と同じ極性の第6リアクタンス成分を有し、
    前記第2の分波回路の入力インピーダンスが、前記第6リアクタンス成分が誘導性である場合に前記第6の通過帯域において容量性であるとともに、前記第6リアクタンス成分が容量性である場合に前記第6の通過帯域において誘導性である、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の分波器。
  9. 前記第1の分波回路が前記入力端子に接続された第1の分布定数線路を有する請求項1ないし8のいずれか1項記載の分波器。
  10. 前記第2の分波回路が前記入力端子に接続された第2の分布定数線路を有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の分波器。
  11. 前記第1及び第2のフィルタの接続点と前記第1のフィルタとの間に配置された第1のキャパシタと、
    前記第1のキャパシタの前記入力端子側の端子と接地との間に配置された第1のインダクタと、
    を備える請求項1ないし10のいずれか1項に記載の分波器。
  12. 前記第3、第4、及び第5のフィルタの接続点と前記第3のフィルタとの間に配置された第2のキャパシタと、
    前記第3、第4、及び第5のフィルタの接続点と前記第4のフィルタとの間に配置された第3のキャパシタと、
    前記第3、第4、及び第5のフィルタの接続点と前記第5のフィルタとの間に配置された第4のキャパシタと、
    前記第2のキャパシタと前記第3のフィルタとの接続点と接地との間に配置された第2のインダクタと、
    前記第4のキャパシタの両側の端子と接地との間にそれぞれ配置された第3及び第4のインダクタと、
    前記第5のキャパシタの両側の端子と接地との間にそれぞれ配置された第5及び第6のインダクタと、
    を備える請求項5ないし11のいずれか1項に記載の分波器。
  13. 前記第1ないし第6のフィルタの少なくとも1つが弾性表面波フィルタである請求項7ないし12のいずれか1項に記載の分波器。
  14. 前記第1ないし第6のフィルタの少なくとも1つが誘電体フィルタである請求項7ないし12のいずれか1項に記載の分波器。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の分波器を備える無線通信装置。
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