JP2012028117A - 蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法 - Google Patents

蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫黄を含むものにおいて、充放電サイクル特性及び容量をより高める。
【解決手段】
本発明の蓄電デバイスは、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備えている。この正極活物質は、芳香族環が3以上連結した構造を有する多環化合物であり、この連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有し、2以上の基本構造同士が複素環構造を形成して結合している多環化合物である。この3以上連結した芳香族環は、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1つを含むものとしてもよい。また、3以上の芳香族環及び基本構造同士が結合する複素環構造のうち少なくとも1以上には、環構造に硫黄を含むものとしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法に関する。
従来、蓄電デバイスとしては、1672Ah/kgという極めて高い理論容量密度を有する硫黄を電極活物質に用いるものが高容量電池として期待されている。硫黄を用いた蓄電デバイスの基本構成は比較的単純で、正極に硫黄と導電助材カーボンとバインダーを混練したものを用い、負極には金属Liもしくはそれを含む材料を用い、電解液にはLiPF6などの支持塩を溶かしたエーテル系有機電解液が用いられる。蓄電デバイスでは、正極活物質である硫黄や反応生成物であるポリスルフィドイオンの電解液中への溶解度が高いため、それらの溶出・負極との反応(以下シャトル効果ともいう)に伴う、容量低下や充放電効率の低下が問題となっている。これに対する防止法として、例えば、特許文献1では、炭素と硫黄とを主な構成元素とし、炭素鎖にジスルフィドを結合させ硫黄の重量比率をできるだけ高めることで容量及び充放電サイクルにおける容量維持率を向上するものが提案されている。また、特許文献2では、硫黄の比率が67重量%以上であり炭素と硫黄の合計が95重量%以上であるポリ硫化カーボンを活物質とし、サイクル特性をより高めたものが提案されている。また、非特許文献1では、導電性のポリアニリンの主鎖をジスルフィドでつないだ梯子状ポリマーが提案されている。また、非特許文献2では、芳香族を含まない直鎖状ポリマーであるポリアクリロニトリルと硫黄とを反応させ、その後、炭素鎖の環状化を図ることにより、硫黄を固定化するものが提案されている。
特開2002−154815号公報 特開2003−123758号公報
ジャーナルオブ・エレクトロケミカル・ソサエティ(Journal of Electrochemical Society)144巻、L173、1997年 ジャーナルオブ・エレクトロアナリティカル・ケミストリー(Journal of Electroanalytical Chemistry)572巻、121−128頁、2004年
しかしながら、単体の硫黄を用いた場合には酸化還元時に2電子の授受が起きるのに対し、上述の特許文献1,2及び非特許文献1,2の蓄電デバイスでは、いずれも硫黄が炭素と結合しているため、酸化還元時に1電子の授受しか起きず、容量が小さくなるということがあった。また、炭素鎖など、酸化還元反応、即ちエネルギー貯蔵に直接関係ない部分が増えるため、単位重量当たりの容量が小さくなる問題があった。例えば、特許文献1,2では、硫黄成分を更に増量し、硫黄同士でスルフィド結合を形成し、炭素と結合しない硫黄成分を増やす試みもされているが、これらは、還元が進むと本質的に硫黄単体を用いた場合と同様、活物質の溶解の問題が生じ、充放電効率の低下、サイクル時の容量低下の原因となることが考えられた。また、非特許文献1において、ポリ(2,2’−ジチオジアニリン)では、ポリアニリン部分の酸化還元を利用しても理論容量は330Ah/kg、実験結果の容量では活物質当たり270Ah/kgにとどまっており、硫黄単体の理論容量1672Ah/kg、50重量%の硫黄正極例での670Ah/kgに比して著しく低い。また、非特許文献2では、高容量の材料が作製できるとあるが、硫黄濃度も最も特性のよいもので、35重量%にとどまっている。これは、硫黄と結合し得ない、窒素元素が15重量%含まれているためであり、このため、容量も十分ではなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、硫黄を含むものにおいて、充放電サイクル特性及び容量をより高めることができる蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者は、芳香族環が3以上連結した構造を有し、且つこの2以上の構造が平面的に結合し、硫黄を固定化した多環化合物を用いると充放電サイクル特性及び容量をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の蓄電デバイスは、芳香族環が3以上連結した構造を有する多環化合物であり、該連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有し、2以上の該基本構造同士が複素環構造により結合している前記多環化合物を電極活物質とするものである。
あるいは、本発明の蓄電デバイスは、芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合し加熱して得られた多環化合物を電極活物質とするものである。
本発明の電極活物質の製造方法は、蓄電デバイスの電極に用いられる電極活物質を製造する製造方法であって、炭素系芳香族環を含む芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合して加熱して多環化合物を合成する合成工程、を含むものである。
本発明の蓄電デバイス及び電極活物質の製造方法は、充放電サイクル特性及び容量をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、硫黄元素は多環芳香族に結合しているため、硫黄単体使用時に問題となっているシャトル効果を防止可能であり、容量低下や充放電効率低下をより抑制した状態で繰り返し充放電を行うことができる。この硫黄が結合している多環化合物は、電子伝導性を有し、硫黄元素の酸化還元の電子輸送に寄与する。また、多環化合物は、ファンデルワールス力、π−π相互作用等の分子間相互作用により、分子間が積層した構造をとっていると推察されるが、アニオンの生成などにより多環化合物間の距離が広がった場合には、電気二重層キャパシタ的な、もしくはLiインターカレーション的な大きな静電容量を発現するものと推察される。硫黄が固定化されている場合には1電子の酸化還元しか起こり得ず、低容量化が課題となるが、本発明では、芳香族環が3以上連結しており、多環化合物の静電容量を重畳させることが可能である。このため、多環化合物に結合した硫黄の酸化還元に伴う容量に加えて、硫黄の酸化還元による多環化合物の静電容量の増減を重畳させるという、従来なかった新規な機構により、大幅に容量を向上すると共に、充放電サイクル特性をより高めることができたものと推察される。なお、この3以上連結した芳香族環は、炭素系芳香族であってもよいし、少なくとも1以上の芳香族環に硫黄、窒素及び酸素などを含有する複素環を含むものとしてもよい。
評価セル10の説明図。 実施例1〜6及び比較例1の多環化合物のラマンスペクトル。 実施例1のサイクリックボルタンメトリー。 比較例3のサイクリックボルタンメトリー。
本発明の蓄電デバイスは、多環化合物を電極活物質としている。この多環化合物は、芳香族環が3以上連結した構造を有する。また、多環化合物は、この連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有している。また、多環化合物は、2以上の基本構造同士が複素環構造を形成して結合している。この蓄電デバイスは、例えば、電極活物質とする多環化合物を正極活物質としてもよいし、負極活物質としてもよい。即ち、本発明の蓄電デバイスは、上記多環化合物を正極活物質として有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備えたものとしてもよい。また、本発明の蓄電デバイスは、正極活物質を有する正極と、上記多環化合物を負極活物質として有する負極と、正極と負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものとしてもよい。伝導するイオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムなどの第1族元素のイオンやマグネシウム及びカルシウムなどの第2族元素のイオンとしてもよい。このうち、エネルギー密度の観点から、リチウムイオンが好ましい。ここでは、上記多環化合物を正極活物質として用い、イオン伝導媒体がリチウムイオンを伝導する場合を主として説明する。
本発明の蓄電デバイスにおいて、多環化合物は、芳香族環が3以上連結した構造を有している。この多環化合物は、連結した芳香環は、芳香族環が10以下連結した構造を有していてもよく、芳香族環が6以下連結した構造を有していることが好ましく、芳香族環が4以下連結した構造を有していることがより好ましい。芳香族環の連結数は、より小さい方が入手や取り扱いがより容易であり、好ましい。ここで、多環化合物は、平面的であり、ファンデルワールス力、π−π相互作用等の分子間相互作用により、分子間が積層した構造をとっていると推察される。そして、アニオンの生成などにより多環化合物間の距離が広がった場合には、電気二重層キャパシタ的な、もしくはLiインターカレーション的な大きな静電容量を発現するものと推察される。このため、電池容量をより高めることができる。この芳香族環としては、五員環を含むものとしてもよいし、六員環を含むものとしてもよい。また、この芳香族環には、炭素系芳香族環(例えばベンゼン環)を含むものとしてもよいし、硫黄、窒素及び酸素のうち1以上をその環構造に含有する複素環(例えばチオフェン環)を含むものとしてもよい。この芳香族環としては、例えば、六員環では、アントラセン構造及びフェナントレン構造を有するもの、テトラセン構造、ピレン構造、トリフェニレン構造、テトラフェン構造及びクリセン構造を有するもの、ペンタセン構造、ピセン構造及びペリレン構造を有するものなどが挙げられる。なお、例えば「アントラセン構造を有するもの」とは、アントラセン、アントラセンに置換基が結合したアントラセン誘導体及びアントラセンに五員環化合物が結合したものなどを含むものをいう。置換基としては、アルキル基やヒドロキシル基、ハロゲンなどが挙げられる。このうち、芳香族環は、取り扱いや入手の容易さを考慮すると、ナフタレンとチオフェンとが連結した構造、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1つを含むものであることが好ましい。即ち、この多環化合物の基本構造は、芳香族環が連続して3つ以上連なったポリアセン状芳香環構造を含むものであることが好ましい。ポリアセン状芳香環は、芳香族環が3環以上一次元的に連なった構造を有し、それは炭素のみにより構成されていてもよいし、炭素以外の元素(例えば、硫黄、窒素及び酸素など)を含むものとしてもよい。ポリアセン状芳香環が炭素のみからなる場合、アントラセンより長い場合には炭素に結合した硫黄が不安定になることが予想されることから、その構造単位をペンタセンの5つの環より短く、さらに好ましくはアントラセンより短くすることが好ましい。このとき、端部にはチオフェンやピロール、ピリジンといった芳香族複素環があることが好ましい。即ち、ポリアセン状芳香環が炭素からなる場合、その炭素からなる芳香族構造単位をペンタセンの5つの環より短く、さらに好ましくはアントラセンより短いものとし、その端部がチオフェンやピロールといった芳香族複素環で繋がった構造とすることが好ましい。この場合、平面性をより確保可能であるため、静電容量の変化を大きくし、且つ、導電性をより高めることができる。また、チオフェンやピロールといった五員環が存在する場合には、構造体の直線性を高める上で、硫黄もしくは窒素が互い違いに結合した2量体構造であるとさらに好ましい。芳香族環に結合した硫黄の安定性を向上させる意味では、炭素からなる芳香環が2列に連なった化合物、例えばナフトピレン構造も好ましい。なお、基本構造にナフタレン構造を含む場合には、その端部に五員環(例えばチオフェン環)が結合することにより芳香族環が3環以上となっているものとしてもよい。
本発明の蓄電デバイスにおいて、多環化合物は、連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有している。例えば、芳香族環の外周の水素がより多くの硫黄に置換されたものがより好ましい。こうすれば、固定化された硫黄の含有量がより多くなるため、硫黄による酸化還元反応の進行や導電性の向上などを図ることができ、好ましい。この炭素系芳香族環に結合した硫黄は、隣接する芳香族環に結合した硫黄(隣り合う硫黄)と結合しているものとしてもよい。
本発明の蓄電デバイスにおいて、多環化合物は、炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有し、この2以上の基本構造同士が複素環構造を形成して結合している。この複素環構造としては、例えば、硫黄、酸素及び窒素のうち1以上をその環構造に含有する構造が挙げられ、このうち環構造に硫黄を含むものとするのが好ましい。この複素環構造としては、例えば、チオフェン構造やチアゾール構造などの五員環式複素環構造としてもよいし、硫黄を2個含む飽和複素六員環であるジチアン構造などの六員環式複素環構造としてもよい。このように、基本構造が複素環構造により結合しているため、隣り合う基本構造がねじれにくく平面性をより確保可能であり、静電容量を高めると共に、導電性をより高めることができる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、多環化合物は、全体に対する硫黄の重量割合である硫黄濃度が45重量%以上62重量%以下の範囲であることが好ましく、50重量%以上60重量%以下であることがより好ましい。硫黄濃度が45重量%以上では、硫黄量がより十分であり、より容量を高めることができ好ましい。また、硫黄濃度が62重量%以下の範囲では、より確実に硫黄と多環化合物と結合させることが可能であり、電池性能をより安定なものとすることができる。また、本発明の蓄電デバイスにおいて、多環化合物は、硫黄に対する炭素の元素比C/Sが1.5以上4.0以下の範囲であることが好ましく、1.6以上2.1以下であることがより好ましい。元素比C/Sが1.5以上では、より確実に硫黄と多環化合物と結合させることが可能であり、電池性能をより安定なものとすることができる。また、元素比C/Sが4.0以下の範囲では、硫黄量がより十分であり、より容量を高めることができ好ましい。また、多環化合物は、炭素と硫黄との含有量の合計が85重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。即ち、炭素と硫黄の元素以外に窒素や酸素の含有量が少ないことが望ましいともいえる。こうすれば、硫黄の含有量が比較的大きくなるため、より容量を高めることができる。
本発明の蓄電デバイスは、芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合し加熱して得られた多環化合物を電極活物質とするものとしてもよい。こうすれば、上述した蓄電デバイスと同様に、充放電サイクル特性及び容量をより高めることができる。このとき、芳香族化合物としては、ナフタレンとチオフェンとが連結した構造、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1以上などが挙げられる。こうすれば、ナフタレン構造、アントラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1以上を含む芳香族化合物が基本構造となり、上述した多環化合物とすることができる。また、芳香族ビニレンポリマーとしては、ポリフェニレンビニレン構造を含むポリマーやポリナフタレンビニレン構造を含むポリマーなどが挙げられる。こうすれば、ポリフェニレンビニレン構造やポリナフタレンビニレン構造を含むポリマーが基本構造となり、上述した多環化合物とすることができる。なお、この「ポリフェニレンビニレン構造」とは、上述した「アントラセン構造」と同様に、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンビニレンに置換基が結合したポリフェニレンビニレン誘導体などを含むものをいう。置換基は上述したものなどが挙げられる。
ここで、蓄電デバイスの多環化合物の具体例について説明する。本発明の多環化合物としては、例えば、外周に硫黄が結合したアントラセン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてジチアン構造を有する次式(1)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したアントラセン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてチオフェン構造を有する次式(2)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したテトラセン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてジチアン構造を有する次式(3)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したペンタセン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてジチアン構造を有する次式(4)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したナフトピレン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてチオフェン構造を有する次式(5)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したナフタレン構造及びチオフェン構造を基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてチオフェン構造を有する次式(6)に示すものが挙げられる。また、多環化合物として、外周に硫黄が結合したベンゼン構造及びチオフェン構造を含む基本構造とし、基本構造同士を結合する複素環構造としてチオフェン構造を有する次式(7)に示すものが挙げられる。なお、式(1)〜(4),式(6),(7)のnは、任意の整数である。
Figure 2012028117
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質は、上述した硫黄を結合した多環化合物とする。
本発明の蓄電デバイスにおいて、負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質は、金属または金属イオンを含むものであることが好ましい。負極活物質は、リチウムを吸蔵放出する材料を含むものとしてもよい。ここで、リチウムを吸蔵放出する材料としては、例えば金属リチウムやリチウム合金のほか、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、リチウムを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えば、アルミニウムやシリコン、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。金属硫化物としては、例えばスズ硫化物やチタン硫化物などが挙げられる。金属窒化物としては、例えば窒化リチウムなどが挙げられる。リチウムを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。この負極は、正極と同様に適宜、集電体や導電材、結着材を用いることができる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極及び負極に用いられる導電材は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばエタノール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、イオン伝導媒体は、溶媒に支持塩を溶解した溶液であってもよい。支持塩としては、通常のリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(LiTFSI)、Li(C25SO22N、LiPF6,LiClO4,LiBF4,などの公知の支持塩を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。イオン伝導媒体の溶媒としては、特に限定されないが、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)及びプロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類、ジメトキシエタン(DME)、トリグライム及びテトラグライムなどのエーテル類、ジオキソラン(DOL)、テトラヒドロフランなどの環状エーテル及び、それらの混合物が好適である。また、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどのイオン液体を用いることもできる。イオン伝導媒体は、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子類又はアミノ酸誘導体やソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてゲル化されていてもよい。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコインセル型、巻電池型、ラミネート型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
本発明の蓄電デバイスは、初期充放電において、Li電位基準で0.5V以下の範囲のエージング処理を、電極活物質を備えた電極に施すものとすることが好ましい。こうすると、容量をより高めることができる。
次に、上述した硫黄が結合された多環化合物を含む電極活物質の製造方法について説明する。本発明の電極活物質の製造方法は、炭素系芳香族環を含む芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合して加熱して多環化合物を合成する合成工程、を含むものである。こうすれば、芳香族環に含まれる炭素系芳香族環のうち少なくとも1つの水素を硫黄に置換した基本構造とすると共に、2以上の基本構造同士を複素環構造により結合させて、上述した多環化合物を作製することができる。この合成工程の原料としては、芳香族化合物として、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1つを含む化合物や、芳香族ビニレンポリマーとして、ポリフェニレンビニレン構造及びポリナフタレンビニレン構造のうちいずれか1つを含むポリマーを用いることができる。具体的には、芳香族化合物として、例えば、アントラセン及びフェナントレンなどの3環化合物、テトラセン、ピレン、トリフェニレン、テトラフェン及びクリセンなどの4環化合物、ペンタセン、ピセン及びペリレンなどの5環化合物などが挙げられる。このうち、アントラセン、テトラセン及びペンタセンのうちいずれか1つを含む芳香族化合物を用いることが好ましい。こうすれば、ポリアセン状芳香環構造を含む多環化合物を作製することができる。このほかに、ナフトピレンを原料として用いることができる。また、芳香族ビニレンポリマーとして、例えば、ポリナフタレンビニレン及びポリフェニレンビニレンなど、1以上の芳香族環とビニレン構造とを有するポリマーを原料として用いることができる。この合成工程において、芳香族環が3環以上連結した基本構造を有する物質と過剰量の硫黄とを不活性雰囲気下、硫黄の融点以上の温度、例えば、300℃の高温で反応させ、硫化水素を除去しながら、炭素硫黄結合を形成するものとしてもよい。処理温度は、例えば、200℃以上450℃以下の範囲とすることが好ましい。処理温度が200℃以上では炭素硫黄結合を形成しやすく、450℃以下では、硫黄の揮発を抑制することができる。不活性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気などが挙げられる。
本発明の電極活物質の製造方法において、この合成工程のあと、過剰な硫黄を除去する硫黄量適正化工程を行うものとしてもよい。この工程では、硫黄の含有量と元素比C/Sが上述した範囲となるように、上記多環化合物と硫黄とを混合し、硫黄の沸点付近の450℃に加熱して余剰の硫黄を揮発させて除去するものとしてもよい。この加熱処理は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、合成工程及び硫黄量適正化工程の少なくとも一方では、硫黄の含有量が45重量%以上62重量%以下、より好ましくは50重量%以上60重量%以下となるよう硫黄の混合条件や、処理温度及び処理時間等の加熱条件などを設定するのが好ましい。また、合成工程及び硫黄量適正化工程の少なくとも一方では、硫黄に対する炭素の元素比C/Sが1.5以上4.0以下、より好ましくは1.6以上2.1以下となるよう、硫黄の混合条件や、加熱条件などを設定することが好ましい。あるいは、この工程において、硫黄の含有量と元素比C/Sが上記範囲となるように、上記結合体を、二硫化炭素等の硫黄良溶媒と混合し、硫黄を溶出させて余剰の硫黄を除去するものとしてもよい。こうして、電極活物質としての、硫黄が結合した多環化合物を得ることができる。なお、その他の作製法としては、例えば、3環以上の芳香環に塩素等のハロゲンが結合した化合物と、硫化ナトリウムや硫化リチウム等とを反応させ、ハロゲンと硫黄を置換することにより、本発明の多環化合物を作製することができる。
ここで、本発明の蓄電デバイスの電極活物質の容量発現機構について考察する。本発明の電極活物質である多環化合物は、例えば、ファンデルワールス力、π−π相互作用等の分子間相互作用により、分子間が積層した構造をとるものと推察される。したがって、この状態では、比表面積は小さく、いわゆる電気二重層キャパシタとしての容量は小さい。ここで、本発明の電極活物質を正極に用いた場合、放電時の硫黄置換基の還元により、硫黄はスルフィドアニオンになる。このとき、アニオンは結合している多環化合物に非局在化し、多環化合物の分子間距離が静電反発によって広がり、溶媒やLiイオンが層間に入り込めるようになり、比表面積が一気に増大すると考えられる。したがって、硫黄原子の還元によりキャパシタとしての静電容量が大幅に増大し、これが、硫黄由来の放電容量に重畳されるため、大きな容量が発現するものと推察される。また、硫黄の酸化還元電位はLi電極基準で約2V付近であるのに対し、カーボンでは3V強である。したがって、2V付近で一気に静電容量が大きくなった場合には、カーボンの開放電圧3V強から硫黄の還元電位約2Vの差分の電圧に相当する容量が、2V付近で一気に発現することになり、電池に似た定電圧放電(キャパシタとしては負に帯電する充電)が起きることになる。充電時にはその逆の現象が可逆的に起きる。したがって、本発明の蓄電デバイスは、硫黄含有量から予想される容量に比べ遙かに大きな容量の発現が可能となり、従来無い機構の画期的な蓄電デバイスとなると考えられる。
また、ここで、他の構造についても考察する。例えば、ナフタレン構造をジチアン構造で繋げる、即ち、2環以下の芳香族環が連結した多環化合物である場合には、導電性が十分でなく、容量は低いものとなる。参考文献1(第47回電池討論会予稿集、p.558(2006))にはナフタレン骨格がジチアン構造でつながった例が示されているが、導電性が低いためか、その容量は120mAh/g と低く、本発明のキャパシタ機能を併せ持つことによる高容量化は起きていないものと推察される。したがって、導電性を向上できるよう、芳香族環が3つ以上連結した構造が必要であることがわかる。また、硫黄を外周に結合したアントラセン同士を一本鎖でさらに結合させたポリマーを電極活物質に利用する、即ち、複素環構造で基本構造を結合しない場合には、ポリアセン状芳香環がねじれることにより、静電容量を発現しにくく、その容量は低いものとなる。参考文献2(Electrochem.Communications,5,903(2003))には、硫黄が6個結合したアントラセン同士を一本鎖でさらに結合させたポリマーを作製し、正極活物質に用いた例が示されている。しかしながら、その容量は高くても300mAh/gであり、硫黄の一価の酸化還元が起きた場合の理論容量447mAh/g以下である。したがって、ポリアセン状芳香環がねじれないよう、複素環でつながり、平面性が確保された本発明の構造が、容量の大幅な増大に効果的であることが明らかである。なお、ポリアセン状芳香環が3環以上あり且つ比較的短い場合(6環以下など)には、芳香環同士が大きくねじれないようジチアン構造等の複素環でつながった構造が望ましい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の蓄電デバイスを具体的に作製した例を実施例として説明する。
[実施例1]
アントラセン(アルドリッチ製)1gに硫黄粉末(75μm以下、99.99%、高純度化学製)5gを加えよく混合したものを、試験管内に投入した。その試験管を窒素気流中の管状炉内に入れ、300℃まで1時間かけて昇温した。3時間加熱したあと、温度を450℃まで30分かけて昇温し、3時間放置した。室温まで冷却後、黒色固形物(多環化合物)を得た。これを以下ANS450と称する。このANS450を70重量%、カーボン(ECP600JD,ライオン社製)を20重量%、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10重量%となるよう配合し、餅状になるまで乳鉢でよく混練し、シート状に成型した。このシートを直径12mmの円形状に切り出し、真空乾燥して正極材とした。この正極材と、負極としてのLi金属と、セパレータとしての多孔質ポリエチレンと、電解液(1M−LiPF6を含むエチレンカーボネートEC+ジエチルカーボネートDEC(体積比3:7))とを用い、図1の評価セルを作製した。この得られた評価セルを実施例1とした。なお、Li金属は厚さ0.4mm、直径18mmのLi板を用い、正極材の重量は3mg、電極面積は1.3cm2で評価した。
図1は評価セル10の説明図であり、図1(a)は評価セル10の組立前の断面図、図1(b)は評価セル10の組立後の断面図である。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で評価セル10を作製した。評価セル10を組み立てるにあたり、まず、外周面にねじ溝が刻まれたステンレス製の円筒基体12の上面中央に設けられたキャビティ14に、負極16と、ポリエチレン製セパレータ18(微多孔性ポリエチレン膜、東燃化学(株)製)と、正極20とを、この順に、適量の非水系電解液をキャビティ14に注入しながら積層した。さらに、ポリプロピレン製の絶縁リング29を入れ、次いで絶縁性のリング22の穴に液密に固定された導電性の円柱24を正極20の上に配置し、導電性のコップ状の蓋26を円筒基体12にねじ込んだ。さらに、円柱24の上に絶縁用樹脂リング27を配置し、蓋26の上面中央に設けられた開口26aの内周面に刻まれたねじ溝に貫通孔25aを持つ加圧ボルト25をねじ込み、負極16とセパレータ18と固体電解質膜18と正極20とを加圧密着させた。このようにして、評価セル10を作製した。なお、円柱24は、リング22の上面より下に位置し絶縁用樹脂リング27を介して蓋26と接しているため、蓋26と円柱24とは電気的に非接触な状態となっている。また、キャビティ14の周辺にはパッキン28が配置されているため、キャビティ14内に注入された電解液が外部に漏れることはない。この評価セル10では、蓋26と加圧ボルト25と円筒基体12とが負極16と一体化されて全体が負極側となり、円柱24が正極20と一体化されると共に負極16と絶縁されているため正極側となる。このようにして評価セルを作成した。
(元素分析)
得られた試料(多環化合物)に対して、元素分析を行った。CHNの元素分析は、全自動元素分析装置(エレメンタール社製、VarioEL)による燃焼法によって行った。硫黄の分析は、フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフィーにより分析した。硫黄分析のシステムは、Dionex社製DX320を用い、カラムをIonPacAS12Aとし、移動相をNa2CO3(2.7mmol/L)/NaHCO3(0.3mmol/L)とした。得られた硫黄量(重量%)及び炭素量(重量%)から、硫黄に対する炭素の元素比C/Sを求めた。
(ラマンスペクトル分析)
得られた試料(多環化合物)に対して、ラマン分光測定を行った。ラマンスペクトル分析は、レーザラマン分光システム(日本分光(株)製、NRS−3300)を用いて測定した。波長532nmの励起光でラマン分光測定を行い、芳香族環骨格振動に由来する1200cm-1近傍から1600cm-1近傍までのピーク、及び1020cm-1近傍から1050cm-1近傍にみられる硫黄を含む複素環に由来するピークを観察した。
(電気化学特性の評価)
得られた評価セルの電気化学特性の評価を行った。電気化学特性の評価では、電極活物質としての多環化合物の単位重量あたりの容量(mAh/g)、充放電効率(%)、5−100サイクルでの容量維持率(%)、硫黄の単位重量あたりの容量(mAh/g−S)について検討した。まず、評価セルを25℃の恒温槽内に設置し、この温度で初期エージングとして3.0Vから0.5Vまでの領域で0.5mAの定電流充放電を2回行った。そのあと、充放電試験として、1.0V〜3.0Vの領域で0.5mAの定電流充放電を行った。この定電流充放電を100サイクル繰り返すサイクル試験を行い、初回、5サイクル目、100サイクル目の活物質の単位重量あたりの放電容量(mAh/g)を求めた。なお、ここで示した各電圧値(V)は、Li電位基準の値である。また、5サイクル目の充電容量及び放電容量を用いて、放電容量を充電容量で除算し100を乗じて充放電効率を求めると共に、硫黄の単位重量あたりの放電容量を算出した。また、100サイクル目の放電容量(mAh/g)を5サイクル目の放電容量で除した値に100を乗じて容量維持率(%)を求めた。
[実施例2]
アントラセンの代わりにベンゾ[b]アントラセン(アルドリッチ製)の0.25gに硫黄粉末1gを加えた以外は実施例1と同様の工程を経て固形物(多環化合物)を得た。これを以下、TENS450と称する。得られたTENS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを実施例2とした。
[実施例3]
アントラセンの代わりにペンタセン(アルドリッチ製)の0.5gに硫黄粉末2gを加えた以外は実施例1と同様の工程を経て固形物(多環化合物)を得た。これを以下、PENS450と称する。得られたPENS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを実施例3とした。
[実施例4]
アントラセンの代わりにナフト[2,3−a]ピレン(アルドリッチ製)の0.5gに硫黄粉末2gを加えた以外は実施例1と同様の工程を経て固形物(多環化合物)を得た。これを以下、NPYS450と称する。得られたNPYS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを実施例4とした。
[実施例5]
アントラセンの代わりにポリナフタレンビニレン(アルドリッチ製)の0.25gに硫黄粉末1gを加えた以外は実施例1と同様の工程を経て固形物(多環化合物)を得た。これを以下、PNVS450と称する。得られたPNVS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを実施例5とした。
[実施例6]
ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム−クロリド)を0.25重量%含む水溶液100ml(アルドリッチ製)へ、エタノールに懸濁した硫黄粉末2gを加え、よく攪拌したのち、ロータリーエバポレータにて濃縮し、硫黄分散ポリマーを得た。これを、窒素気流下、315℃にて3時間熱処理し、その後、450℃まで昇温し2時間保持し、黒色固形物を得た。これを以下、PPVS450と称する。得られたPPVS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを実施例6とした。
[比較例1]
アントラセンの代わりに2−ナフタレンチオール(アルドリッチ製)の0.5gに硫黄粉末2gを加えた以外は実施例1と同様の工程を経て固形物(多環化合物)を得た。これを以下、NAS450と称する。なお、アントラセンに代わりにナフタレンを用いて同様の処理を行ったが熱処理物は得られなかった。得られたNAS450を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを比較例1とした。
[比較例2]
アントラセンの代わりにペンタセンヘキサスルフィドを用意した。これを以下、PENS6と称する。このPENS6を用いて、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを比較例2とした。
[比較例3]
硫黄を50重量%とし、それにPTFEを10重量%、カーボン(ECP600JD,ライオン社製)を40重量%として混合した。この混合物をそれぞれ正極材に用い、実施例1と同様の工程を経て得られた評価セルを比較例3とした。評価について、硫黄単体が含まれていると上記電解液(EC+DEC)では動作しないことから、硫黄単体が含まれていても評価セルが動作するように、比較例11の電解液は、1M−LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホン酸イミド)のジメトキシエタン+ジオキソラン(体積比9/1)液とした。
実施例1〜6及び比較例1〜2の多環化合物について、用いた原料の構造と、元素分析結果及びラマン分光分析結果より推定した各多環化合物の構造を表1に示す。図2は、実施例1〜6及び比較例1の多環化合物のラマンスペクトルである。ラマン測定の結果を考察すると、いずれの多環化合物においても1200cm-1以上1600cm-1以下の間に芳香族環骨格に由来する複数のピークが観察されている。また、実施例1〜3及び比較例1の多環化合物においては、1020cm-1以上1050cm-1以下の範囲(図中、一点鎖線で囲んだ)に硫黄を含む複素環に由来するピークが観察された。即ち、実施例1〜3及び比較例1の多環化合物は、硫黄を含む複素環を有しているものと推察された。なお、実施例4〜6の多環化合物では、1020cm-1以上1050cm-1以下の範囲にピークは観察されなかった。また、実施例5,6の多環化合物においては、1450cm-1付近(図中、破線で囲んだ)にチオフェン骨格に由来するピークが観察された。また、実施例1の多環化合物においても、この範囲にわずかながらショルダーピークが観察された。このため、実施例5,6及び実施例1の一部の多環化合物には、チオフェン構造が含まれているものと推察された。一方、実施例4では、上記の特徴的なピークは観察されなかった。これは、おそらく、基本構造の繰り返し数が小さい(例えば2以下など)ことや、大きな芳香族骨格に少ない複素環がつながった構造であることなどから、ラマンでは観察できなかったものと推察された。
このラマン分光分析結果及び元素分析結果より推定した各多環化合物の構造を以下に説明する。ANS450は、炭素原子と硫黄原子のモル比である元素比C/Sが14/8.4であり、硫黄濃度が58.5重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、ANS450は、構造の元素比C/Sは14/8が主であると推察され、ジチアン骨格により芳香族環がつながった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。また、ANS450は、構造の元素比C/Sが14/7であるものも含まれていると推察され、炭素からなる芳香族環がチオフェン構造で連なった、表1に示す基本構造をその一部に含むものであると推察された。TENS450は、元素比C/Sが18/9.3であり、硫黄濃度が54.0重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、TENS450は、構造の元素比C/Sが18/10であると推察され、ジチアン骨格により芳香族環がつながった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。PENS450は、元素比C/Sが22/12であり、硫黄濃度が57.2重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、PENS450は、構造の元素比C/Sが22/12であると推察され、ジチアン骨格により芳香族環がつながった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。NPYS450は、元素比C/Sが24/11.5であり、硫黄濃度が49.8重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、NPYS450は、構造の元素比C/Sが24/12であると推察され、ジチアン骨格により芳香族環がつながった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。PNVS450は、元素比C/Sが12/5.8であり、硫黄濃度が52.6重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、PNVS450は、構造の元素比C/Sが12/6であると推察され、炭素からなる芳香族環がチオフェン構造で連なった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。PPVS450は、元素比C/Sが8/4.1であり、硫黄濃度が54.5重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、PPVS450は、構造の元素比C/Sが8/4であると推察され、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。NAS450は、元素比C/Sが10/6.9であり、硫黄濃度が63.2重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、NAS450は、構造の元素比C/Sが10/6であると推察され、ジチアン骨格により芳香族環がつながった、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。PENS6は、元素比C/Sが22/5.4であり、硫黄濃度が41.0重量%であった。原料構造や上記結果を総合すると、PENS6は、構造の元素比C/Sが22/6であると推察され、表1に示す基本構造を有しているものと推察された。なお、表1において、実施例1〜3、比較例2では硫黄が連なった結合状態を便宜上描いているが、実際には2量体であるジスルフィド結合を形成するか、二本とも芳香族間に結合したチオカルボニル(チオキノン)構造をとっていると推察される。また、炭素に結合した硫黄は、還元状態ではアニオンになると推察される(参考文献2:Electrochem.Communications,5,903(2003)参照)。
Figure 2012028117
次に、実施例1〜6及び比較例1〜2の評価セルについて、充放電試験の結果を表2に示す。表2には、充放電サイクルでの初回、5回目、100回目の活物質あたりの放電容量(mAh/g)、充放電サイクル5回目の充放電効率(%)、充放電サイクル5回目及び100回目の放電容量から求めた容量維持率(%)、硫黄濃度(重量%)、硫黄の単位重量あたりの放電容量(mAh/g−S)を示した。表2に示すように、比較例1は、硫黄当たりの容量が初回で831mAh/g−Sと、硫黄の一価の酸化還元容量である836mAh/g−Sより小さかった。また、比較例2は芳香族環が5つつながっているが、複素環でつながっていない構造であり、充放電効率も悪く、容量低下が著しいことがわかった。また、硫黄単体を用いた比較例3においても、充放電効率が83%、容量維持率が37%と低かった。これに対して、実施例1〜6の評価セルでは、充放電効率、容量維持率及び硫黄の単位重量あたりの放電容量いずれもがより高く、電池性能が向上していることがわかった。また、硫黄濃度について考察すると、硫黄濃度が41重量%である比較例2では、充放電効率が低く、容量も小さかった。一方、硫黄濃度が63.2重量%である比較例1では、容量も小さく容量維持率も低かった。これらのことから、硫黄濃度は、45重量%以上、62重量%以下、更に望ましくは、50重量%以上60重量%以下が望ましいことが明らかとなった。
図3は、実施例1のサイクリックボルタンメトリーの測定結果であり、図4は、硫黄単体を用いた比較例3のサイクリックボルタンメトリーの測定結果である。このサイクリックボルタンメトリーは、3Vまで充電後2.2V〜3Vの領域、もしくは2.5〜3Vの領域で測定し、1Vまで放電後1V〜2Vの領域で測定した結果である。これらを比較すると、充電後、及び放電後のキャパシタとしての静電容量の変化がわかる。硫黄単体を用いた比較例3では、両領域のキャパシタ成分はほとんど差が無く、且つ小さいのに対し、実施例1では、放電後の1V〜2V域のキャパシタ成分が非常に大きく、充電後の2.2V〜3V域の約9倍の静電容量であることが分かった。これは、これまで報告例のない新しい現象であり、この結果、極めて高性能な活物質が実現できたのである。表1の実施例1〜6の多環化合物では、芳香族環が3以上連結し、連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有し、2以上の該基本構造同士が硫黄を含む複素環構造を形成して結合している構造を有している。このような構造を有していると、充放電効率や容量維持率がより高く、硫黄の単位重量あたりの放電容量をより高めることができるものと推察された。特に、アントラセンを用いて作製した実施例1が、初期容量及び100サイクル時の放電容量及び容量維持率がより高く、より好ましいことがわかった。
Figure 2012028117
10 評価セル、12 円筒基体、14 キャビティ、16 負極、18 セパレータ、20 正極、22 リング、24 円柱、25 加圧ボルト、25a 貫通孔、26 蓋、26a 開口、27 絶縁用樹脂リング、28 パッキン、29 絶縁リング。

Claims (6)

  1. 芳香族環が3以上連結した構造を有する多環化合物であり、該連結した芳香族環のうち少なくとも1つの水素が硫黄に置換された炭素系芳香族環を1以上含む基本構造を有し、2以上の該基本構造同士が複素環構造により結合している前記多環化合物を電極活物質とする、蓄電デバイス。
  2. 前記3以上連結した芳香族環は、ナフタレンとチオフェンとが連結した構造、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1つを含む、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記3以上連結した芳香族環及び前記基本構造同士が結合する複素環構造のうち少なくとも1以上には、環構造に硫黄を含む、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス。
  4. 芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合し加熱して得られた多環化合物を電極活物質とする、蓄電デバイス。
  5. 蓄電デバイスの電極に用いられる電極活物質を製造する製造方法であって、
    炭素系芳香族環を含む芳香族環が3以上連結した構造を有する芳香族化合物及び1以上の芳香族環が連結した構造を有する芳香族ビニレンポリマーのうち少なくとも一方と、硫黄と、を混合して加熱して多環化合物を合成する合成工程、を含む電極活物質の製造方法。
  6. 前記合成工程では、前記芳香族化合物としては、アントラセン構造、テトラセン構造及びペンタセン構造のうちいずれか1つを含む化合物を用い、前記芳香族ビニレンポリマーとしては、ポリフェニレンビニレン構造及びポリナフタレンビニレン構造のうちいずれか1つを含むポリマーを用いる、請求項5に記載の電極活物質の製造方法。
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