JP2012027370A - 現像剤劣化の検知システム、及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤劣化の検知システム、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】現像装置内の現像剤の状態を簡易的に検知し作像条件を変更することで、安定した画像を提供すること。
【解決手段】現像剤収容部42の現像剤の挙動に応じた信号を逐次に出力可能な現像剤残量検知手段と、現像剤収容部42内の現像剤攪拌部材47を中にして配設されている2つの電極部材44、70と、この2つの電極部材の一方の電極部材44に振動電圧を印加し他方の電極部材に誘起される電気信号から2つの電極部材の間の静電容量を検知する静電容量検知手段と、所定の時間内において検知される静電容量の最大値、最小値、積分平均値を演算する演算機能部と、を備え、演算された静電容量の最大値、最小値、積分平均値、及び現像剤残量検知手段により検知された現像剤残量から現像剤の劣化(現像剤の状態)を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式などの画像形成装置に搭載される現像装置における現像剤劣化の検知システム、及び画像形成装置に関する。
例えば、複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真画像形成装置は、画像データに対応した光を電子写真感光体(感光体)に照射して静電像(潜像)を形成する。そして、この静電像に対して、現像装置から現像剤(トナー)を供給して、現像剤像として顕像化する。この現像剤像は、転写装置によって感光体から記録紙などの記録材へ転写する。この現像剤像を、定着装置で記録材上に定着することで記録画像が形成される。
現像装置には現像剤収容部が連結しており、現像剤収容部の現像剤は、現像剤搬送攪拌部材によって現像室内に搬送され、潜像の現像に消費されていく。
<現像剤残量検知の説明>
このような画像形成装置では、使用者は、現像剤が無くなった時点でカートリッジを交換する、または現像剤を補充することで、再び画像を形成することができる。そのため、このような画像形成装置は、現像剤が消費された場合にそれを検知し、使用者に報知する手段、即ち、現像剤残量検知手段を備えていることがある。
この現像剤残量検知手段として、少なくとも一対の入力側及び出力側の電極を備え、両電極間の静電容量を測定することによって現像剤量を検出する静電容量測定方式がある。その一方式として、プレートアンテナ方式が知られている(特許文献1)。この方式は、例えば、現像装置が備える現像剤担持体に交流バイアスを印加する現像方式を採用する場合において、電極となる板金を現像剤担持体に対向する箇所に設ける。この板金と現像剤担持体との間の静電容量が、絶縁性トナーなどの現像剤量に応じて変化することを利用したものである。即ち、この板金と現像剤担持体との間が現像剤で埋まっていれば、その間の静電容量は大きくなり、現像剤が減るにつれて両者の間の空間を空気が占める率が増え、静電容量は小さくなっていく。従って、この板金と現像剤担持体との間の静電容量と現像剤量の関係を予め参照テーブルとして求めておけば、静電容量を測定することによって現像剤残量レベルを検知することができる。
<現像剤の劣化状態の説明>
現像剤が消費されていき現像装置内の現像剤量が減少すると、現像剤は長期に渡って現像装置内で循環し続けることになる。そして、現像剤は現像装置内で長期的に摺擦、撹拌を繰り返され、形状が不規則になったり、粒径の分布に偏りを生じたりする。また、現像剤に様々な目的で添加されている外添剤が現像剤に埋め込まれたりしていく。即ち、いわゆる現像剤の劣化を生じる。その結果、現像剤の流動性に低下が生じ、画像濃度低下や凝集物によるスジなどの様々な画像弊害が発生し、所望の画質の画像が得られないことがある。
一方、現像剤の状態を判断する手段としては、設定時間を超過した時の現像剤濃度検出値を比較して、現像剤の状態を判断する装置(特許文献2)や、現像スリーブに光を当てたときの反射率を測定し、現像剤の状態を判断する(特許参考3)などの方法がある。
特開2003−255688号公報(第2頁記載及び第13項の図4) 特許第2689984号公報(第3,4貢、図5) 特開2007−256447号公報
しかしながら、上述のような、現像剤の劣化状態を判断する方法では、次のような問題があった。現像剤量だけでは、プロセスカートリッジの使用環境が変化した場合や、様々な使用履歴により、現像剤の劣化状態を判断するのに限界があった。また、現像剤収容部の現像剤の状態を直接測定できないという問題点があった。
従って、本発明の目的は、現像剤収容部内の現像剤の状態を簡易的に検知し作像条件を変更することで、安定した画像を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る現像剤劣化の検知システムの代表的な構成は、潜像が形成された像担持体に前記潜像を現像するための現像剤を適用する現像剤担持体を有する現像室と、前記現像室に連設されていて前記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の内部に回転可能に配設された攪拌部材であって、前記現像剤収容部の現像剤を回転により攪拌しながら前記現像室に搬送する前記攪拌部材と、を有する現像装置における現像剤劣化の検知システムであって、前記現像装置における現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段であって、前記現像剤収容部の現像剤の挙動に応じた信号を逐次に出力可能な現像剤残量検知手段と、前記攪拌部材を中にして配設されている2つの電極部材と、前記2つの電極部材の一方の電極部材に振動電圧を印加し他方の電極部材に誘起される電気信号から前記2つの電極部材の間の静電容量を検知する静電容量検知手段と、所定の時間内において検知される前記静電容量の最大値、最小値、積分平均値を演算する演算機能部と、を備え、前記演算された静電容量の最大値、最小値、積分平均値、及び前記現像剤残量検知手段により検知された現像剤残量から現像剤の劣化を検知することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な方法で現像剤収容部内の現像剤の状態を検知し、現像剤の状態に合わせたプロセス条件に変更することができるので、画像の安定性を向上させることができる。
実施例1における現像剤の状態検知シーケンスのフローチャートである。 実施例2における現像剤の状態検知シーケンスのフローチャートである。 (a)は画像形成装置例の概略構成図、(b)はプロセスカートリッジ部分の拡大図である。 制御系統のブロック図である。 検出値の撹拌周期の変化図である。 検出値の平均値の変化量と振幅の関係図である。 流動性に差のある現像剤の、撹拌周期の静電容量の推移図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に則して詳しく説明する。
[実施例1]
<画像形成装置例の全体構成及び動作>
図3の(a)は本実施例の画像形成装置50の概略構成図、(b)はプロセスカートリッジ部分の拡大図である。この装置50は転写式電子写真プロセスを利用した、プロセスカートリッジ着脱方式のレーザービームプリンタである。即ち、ホストコンピューター・ネットワーク・イメージリーダー等のホスト装置60から装置50側の制御部(コントローラ部)51に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pに画像形成を行う。制御部51はホスト装置60や装置50の操作部52との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、制御部51は装置50の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
装置50は、潜像が形成される像担持体としての、回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)1を有する。及び、このドラム1に作用するプロセス手段としての、帯電手段2、画像露光手段3、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段6などを有する。ドラム1は所定の制御信号に基づいて矢印R1の時計方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電手段2はドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する手段であり、本実施例では帯電ローラを用いている。帯電ローラ2は導電性弾性ローラであり、ドラム1に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、ドラム1の回転に従動して回転する。本実施例においては、帯電ローラ2に帯電バイアス電源部(不図示)から所定の帯電バイアスを印加する。これにより、回転するドラム1の周面が所定の極性・電位に一様に帯電される。本実施例においては、ドラム1は負極性の所定電位に一様に帯電される。
画像露光手段3はドラム1の表面に静電潜像を形成する手段であり、本実施例ではレーザー光学装置(レーザースキャナユニット)を用いている。装置3は装置60から制御部51に入力する電気的画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力して回転するドラム1の帯電処理面を主走査露光する。これによりドラム1の面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
現像手段4はドラム面に形成された静電潜像を所定の極性に帯電された現像剤(トナー)により現像剤像として可視像化する手段である。本実施例における現像手段4は、現像剤として、負極性を正規帯電極性とする絶縁性磁性一成分トナー(ネガトナー)Tを用い、ドラム1に形成された静電潜像を反転現像する非接触−反転現像装置(ジャンピング現像装置)である。即ち、現像剤がドラム1の露光された部分に付着することで静電潜像が現像される。装置4は、現像室41とこの現像室41に連設された現像剤収容部42を有する。現像室41と現像剤収容部42は開口部43を介して連通している。
現像室41は、静電潜像が形成されたドラム1に静電潜像を現像するための現像剤Tを適用する現像剤担持体としての非磁性材製の回転可能な現像ローラ(現像スリーブ)44を有する。ローラ44の内部には磁界発生手段としての非回転のマグネットローラ45が挿入されている。また、基部を固定し先端部をローラ44に当接させた現像剤規制部材としての弾性現像ブレード46を有する。ローラ44はドラム1に対して並行に、かつ所定の僅少な隙間を存して対向して配列されており、矢印R44の反時計方向にローラ45の外回りを所定の速度で回転駆動される。
現像剤収容部42の内部には現像剤Tが収容されている。また、現像剤収容部42の内部には回転して現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部材47が配設されている。部材47は、現像剤収容部42の対向側壁間に回転可能に軸受されて保持され、ローラ44に並行に配列された回転軸47aと、この軸47aに基部側を固定して設けられた可撓性を有する現像剤攪拌翼部材47bと、を有する。部材47は矢印R47の時計方向に所定の速度で回転駆動される。現像剤収容部42の内底面42aは1つの凹形状になっている。部材47はその凹形状の内底面42aに対応している。部材47が回転駆動されることで現像剤収容部42の内部の現像剤Tはほぐされ、開口部43から現像室41側に搬送されて現像ローラ44に供給される。部材47bの回転半径は現像剤収容部42の凹形状の内底面42aの半径よりも大きく、先端部は内底面42aを擦っている。これによって、現像剤収容部42の内底面42aに現像剤Tを残すことなく、現像剤収容部42側から現像室41側への現像剤Tの横搬送を行なっている。
ローラ44に供給された現像剤はロ−ラ45の磁界により磁気ブラシ層としてローラ44の表面に担持される。そして、ローラ44の回転に伴いローラ44とブレード46との当接ニップ部を通過することで層厚が薄く規制されると共にブレード46との摩擦により現像剤が所定の正規極性(本実施例では負極性)に摩擦帯電される。層厚が薄く規制された現像剤層は引き続くローラ44の回転によりドラム1とローラ44との対向部である現像部領域に搬送される。現像時には、ローラ44には現像バイアス電源部48から所定電位の直流電圧と所定振幅Vppの交流電圧とを重畳した所定の現像バイアスが印加される。この振動現像バイアスにより現像部領域のドラム1とローラ44との間で現像剤粒子を往復させる電界が形成されて、ローラ44に薄層に塗布された現像剤がドラム1の静電潜像に飛翔、付着して、潜像が反転現像された現像剤像として可視化される。潜像の現像に供されなかった現像剤はローラ44の引き続く回転により現像室41に戻し搬送され、ローラ45の剥離用磁極の磁界によりローラ44の面から剥離されて現像室41内の現像剤に混入する。また、現像剤が剥離されたローラ44の面には現像室41内の現像剤が再び供給される。電源部48は制御部51により制御される。
転写手段5はドラム面に形成された現像剤像を記録材Pに転写する手段であり、本実施例では転写ローラを用いている。ローラ5は導電性弾性ローラであり、ドラム1に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されて転写ニップ部Nを形成している。ローラ5は、ドラム1の回転に従動して回転する、或いはドラム1の回転に順方向にドラム1の速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ7が駆動されて、カセット8内に積載されて収納されている記録材Pが一枚分離給送され、搬送路9を通ってレジストローラ対10に搬送される。記録材Pはローラ対10によって、ドラム1に対する現像剤像形成と同期取りされた所定の制御タイミングにてニップ部Nに導入される。ローラ5には、記録材Pがニップ部Nを挟持搬送される間、転写バイアス電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、ドラム1側の現像剤像が記録材Pの面に順次に転写される。
記録材Pはニップ部Nを通過するとドラム1の面から分離されて搬送路11を通って定着装置12に導入され、定着部材である定着ローラ(熱ヒートローラ)12aと加圧部材である加圧ローラ12bとの圧接部である定着ニップ部で挟持搬送される。記録材Pは定着ニップ部を挟持搬送されていく過程で加熱加圧されて、未定着の現像剤像が固着像として記録材上に定着される。装置12を出た記録材Pは搬送路13を通って画像形成物として排出トレイ14上に排出される。また、ニップ部Nにて記録材Pが分離された後のドラム表面はクリーニング手段6により転写残り現像剤等の付着残留物が除去されて、繰り返して画像形成に供される。本実施例においてクリーニング手段6はクリーニング部材として弾性クリーニングブレード6aを用いている。ドラム表面の転写残現像剤などの付着残留物はブレード6aにより掻き取られてクリーニング容器(廃現像剤容器)6b内に収納される。
本実施例の装置50においては、ドラム1と、ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2・現像装置4・クリーニング装置6を一体的にカートリッジ化してある。すなわち、プロセスカートリッジAとしてある。このカートリッジAは装置本体(カートリッジAを除く画像形成装置部分)53のカートリッジ装着部54に対して所定の要領にて取り外し可能に装着される。
カートリッジAが装着部54に装着された状態において、カートリッジ上面の露光開口部が装置3に対して所定に対向して位置する。また、ドラム1の下面がローラ5に対して所定に接触してニップ部Nが形成される。また、カートリッジAが装置本体53に対して機械的・電気的に接続した状態になる。即ち、装置本体53側の駆動手段(不図示)によりドラム1、ローラ44、部材47の駆動が可能となる。また、装置本体53側の給電手段(不図示)により、ローラ2への帯電バイアスの印加、ローラ44への現像バイアスの印加などが可能となる。また、カートリッジA側の後述する現像剤量検知部材70などの電気的センサと装置本体53側の制御部51とが電気的に導通状態になる。
カートリッジAにはカートリッジメモリ(記憶手段:読み書き可能なRAMなどの半導体メモリ)49が配設されている。カートリッジAが装置本体53の装着部54に所定に装着されている状態において、メモリ49側の情報伝達部49aが装置本体53側の情報伝達部55と所定に対向している。これにより、制御部51とメモリ49との間で通信手段である情報伝達部55・49aを介して電気的な情報の授受が可能となる。メモリ49はカートリッジAの使用状態や装置50の使用状態に関する情報を記憶する。制御部51のデータ書き込み・読み出し機能部はメモリ49に対して情報伝達部55・49aを介して情報の読み書きをする。
カートリッジAは工場から出荷された未使用新品の状態においては、開口部43がシール部材(不図示)で封止されている。即ち、現像室41と容器42とはシール部材で隔離されていて、現像剤Tは現像剤収容部42内だけに存在し、現像室41内には存在していない状態に保持されている。そこで、使用者は、未使用新品のカートリッジAを装置本体53に装着する際には、シール部材を除去して開口部43を開封する操作をしてから、カートリッジAを装置本体53に装着する。あるいは、装置本体側にシール部材を自動開封する装置が搭載されている画像形成装置の場合には、未使用新品のカートリッジAを装置本体53に装着することで、シール部材の自動開封が実行される。
<現像剤残量検知システム>
装置50に装着されて画像形成に使用されているカートリッジAは、画像形成に使用されるにつれて現像装置4に収容されている現像剤Tが消費されていく。そこで、カートリッジAの現像剤残量を検知する現像剤残量検知手段を設ける。そして、制御部51において、検知手段によって検知した現像剤残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、現像剤残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤量が減少したらカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
現像剤残量検知手段は、現像剤収容部42内の現像剤Tの挙動に応じた信号を逐次に出力可能でその信号に基づいて装置4における現像剤の残量を検知する手段を採用することができる。本実施例においては、現像剤量検知部材としてプレートアンテナ70を用いた現像剤残量検知システムを採用している。アンテナ70は導電部材である金属板(板金)であり、現像剤収容部42の内底面42aに凹部形状に沿うように長手全域(現像ローラ軸線方向)に形成されている。より詳しくは、部材47の作用領域の一部をローラ44との間に挟むように内底面42aに沿って配設されている。本実施例においては、ローラ44とアンテナ70を部材47を中にして配設されている2つの電極部材としている。その2つの電極部材の一方の電極部材44に振動電圧を印加し他方の電極部材70に誘起される電気信号から2つの電極間の静電容量を検知する静電容量検知手段を具備させている。本実施例において、現像剤残量検知手段は静電容量検知手段で検知される静電容量に基づいて現像剤残量を検知する。
本実施例における、アンテナ70を用いたカートリッジA内の現像剤残量検知システムは、図4のブロック図に示すように、カートリッジA側に現像剤量検知部材としてアンテナ10、及び、前記のメモリ49が設置されている。装置本体53側には、電源部35、及び、制御部51が設置されている。制御部51は、演算制御手段(演算機能部)31、現像剤残量検知手段32、流動性検知手段33、本体メモリ(記憶手段)34などを有する。演算制御手段31は、ホスト装置60や装置50の操作部52との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、装置50の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
カートリッジAが装置50に装着されている状態において、ローラ44と電源部35が電気的に導通している。アンテナ70と現像剤残量検知手段32が電気的に導通している。メモリ49側の情報伝達部49aと装置本体53側の情報伝達部55とが所定に対向している。制御部51は所定の制御タイミングにおいて電源部35からローラ44に所定のACバイアスを印加する。すると、ローラ44とアンテナ70との間の静電容量に対応した電流(電気信号)が発生し、これを現像剤残量検知手段32で電圧値に変換する。この電圧値を演算制御手段31を介してメモリ34に一時的に記憶し、それが現像剤攪拌翼部材47bの撹拌1周期のデータ数になったら演算制御手段31で平均値を算出し、その値を基にトナー残量を算出する。即ち、ローラ44を入力側電極(一方の電極部材)とし、アンテナ70を出力側電極(他方の電極部材)とする。そして、ローラ44に振動電圧を印加しアンテナ70に誘起される電気信号から両電極部材間の静電容量を測定(検知)することによって現像剤残量を検出する静電容量測定方式である。この両電極部材間の空間が現像剤Tで埋まっていれば、その間の静電容量は大きくなり、現像剤Tが減るにつれて両電極部材間の空間を空気が占める率が増え、静電容量は小さくなっていく。従って、ローラ44とアンテナ70との間の静電容量と現像剤量の関係を予め参照テーブルとして求めておけば、静電容量を測定することによって現像剤残量レベルを検知することができる。
上記において、アンテナ70を入力側電極とし、ローラ44を出力側電極とした構成にしてもよい。また、ローラ44を電極部材に兼用せずに、それに代わる専用の電極部材を配設した構成にしてもよい。要するに、現像剤残量を検出する静電容量測定方式は、現像剤収容部ないしは現像室に攪拌部材を中にして2つの電極部材を配置する。そして、一方の電極部材に振動電圧を印加し他方の電極部材に誘起される電気信号から両電極部材間の静電容量を測定(検知)する。その検知される静電容量に基づいて現像剤残量を検知する構成である。
本実施例においては、制御部51は、検知された現像剤残量情報をカートリッジメモリ49に書き込む。また、制御部51は、検知された現像剤残量情報を操作部52の表示手段52a又はホスト装置60の表示手段60aに表示して、使用者に通知する。また、制御部51は、検知された現像剤残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、現像剤残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤量が減少したらカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促す。
<現像剤劣化の検知システム>
アンテナ70を用いた現像剤劣化の状態(本実施例においては現像剤の流動性の状態)を検知する方法について述べる。現像剤残量検知手段32による検知情報が流動性検知手段(現像剤の状態検知手段)33に入力する。そして、手段33と手段31において、現像剤Tの状態(流動性)が検知される。
図5は、現像装置4内の現像剤残量が変化した場合の、現像剤残量検知手段32による検出値の部材47の撹拌周期の変化を表している。現像剤量が多い時(現像剤残量−大)や十分少な時(現像剤残量−小)は、アンテナ70とローラ44の間の現像剤が撹拌周期(約2.5s)でほとんど変動しない。これに対し、中間状態(現像剤残量−中)では、部材47の回転によってアンテナ70とローラ44との間の現像剤が大きく動くため、検出値が撹拌周期で大きく変化する。
図6は、検出値の変化量と撹拌周期の振幅を表しており、横軸が白抜けまでの現像剤残量[%]、縦軸が検出値の変化量[%]である。実線は検出値の積分平均値の変化量、破線は撹拌周期の振幅(最大値−最小値)を表しており、現像剤残量が少ない35%〜15%で振幅値が大きいことがわかる。
図7は、検出値の最大値と最小値が同じで、状態(流動性)が異なる2種類の現像剤T1とT2による検出値の推移であり、横軸は時間[s]、縦軸は検出値を表している。現像剤T1は流動性が良くない現像剤、現像剤T2は流動性が現像剤T1よりも良い現像剤である。太い破線は流動性が良くない現像剤T1の場合の撹拌周期の出力値の変化を表している。太い実線は流動性が現像剤T1よりも良い現像剤T2の場合の撹拌周期の出力値の変化を表している。この図から、現像剤の流動性が低下することで撹拌周期の出力波形に差が生じ、撹拌周期の最大値と最小値がほぼ同じでも、積分平均値が異なることが分かる。細い破線が現像剤T1の積分平均値、細い実線が現像剤T2の積分平均値である。これは、現像剤の流動性が低くなることで、現像剤は撹拌されにくくなり、その結果、出力最大値付近(現像剤が部材47により持ち上げられている状態)の傾きが急になり、最大値と最小値が同じでも積分平均値としては減少する。このことから、現像剤の流動性によって、振幅が同じでも(積分平均値−最大値)もしくは(積分平均値−最小値)が変化することが分かり、これらの値を用いて流動性の比較をすることが可能となる。
実際には、図5に示すような現像剤残量による検出値の振幅値の変化があり、その影響を除去する必要がある。その為、(積分平均値−最大値)と(積分平均値−最小値)、(又は、振幅)との比を用いることで、振幅値が異なる場合でも、トナーの流動性の比較を行うことができる。よって、本実施例においては、閾値α=(最大値−積分平均値)/(積分平均値−最小値)の値から、現像剤の状態(流動性)を検知する。つまり、前記積分平均値と前記最大値の差、及び、前記積分平均値と前記最小値の差の少なくとも1以上の演算値と、前記現像剤残量検知手段により検知された現像剤残量から、現像剤の劣化を検知する。この検知は手段33と手段31においてなされる。即ち、手段33と手段31は、所定の時間内において手段32で検知される静電容量の最大値、最小値、積分平均値、及び現像剤残量検知手段32により検知された現像剤残量から現像剤の劣化を検知する。現像剤の劣化は現像剤の状態、本実施例においては現像剤の流動性である。
図7から、流動性の良くない現像剤T1はα≒2、流動性の良い現像剤T2はα≒1となる為、その中間に劣化の判断となる閾値(アンテナ70と部材74の位置関係や構成によって変化する値)を設けることができる。ただし、閾値の値を、本実施例では1.5とする。ここで、現像剤残量検知システムの現像剤残量の誤差は±5%程度であることを考慮すると、次のようになる。制御部51により算出された撹拌1周期の静電容量(所定の時間内において検知される静電容量)の積分平均値、最大値、最小値を用いて手段33・31により算出された値から、現像剤残量が30%〜20%の場合の現像剤の劣化状態を検知することが可能となる。
<現像剤の状態検知シーケンス>
本実施例の特徴を図1のフローチャートを用いて説明する。まず、電源ON(ステップS101)などにより、現像剤残量検知制御がスタートする。制御部51は、カートリッジメモリ49に記憶されている現像剤残量検知情報を読み込む。そして、メモリ34へ記録し、表示残量(%)が記録されていた場合には表示手段52aや60aにトナー残量を表示させてプリント待機状態へ移行する(S102)。プリントが開始されると(S103)、制御部51は、現像剤残量に対応した現像剤残量検知システムの出力を検出値として検知し(S104)、それを部材47による撹拌1周期の間繰り返す。検出された検出値から、出力平均値、出力最大値、出力最小値をそれぞれ算出する(S105)。現像剤残量検知システムから算出した現像剤残量が、ある所定の値N%以下の場合、本実施例では25%以下の場合はS110へ進む。そして、S110において、(最大値−積分平均値)/(積分平均値−最小値)が閾値α=1.5以上の場合、現像剤劣化が一定以上進行したと判断する。そして、画像安定化(濃度低下の抑制)の目的で、現像バイアスの振幅VppをVpp1から、Vpp2(>Vpp1)に変更する(S112)。ここで、S111の「現像Vpp変更済み」とは前回までのプリントにおいて既に現像Vppを変更している場合である。そして、プリント(画像形成)を実行した後、プリントを終了する(S113)。
また、S109において、値N(=25)%以下ではない場合、S110においては閾値α=1.5未満の場合、S111で現像Vpp変更済みの場合は、プリント(画像形成)を実行した後、プリントを終了する(S113)。
ここで、請求項1に係る発明の発明特定事項と図4のブロック図との対応において、「現像剤残量検知手段」は図4の現像剤残量検知手段32、「静電容量検知手段」は図4の流動性見地手段、「演算機能部」は図4の演算制御部31が対応している。本実施例1では、現像剤残量と流動性の検知を共に静電容量の検知で行っているが、現像剤残量は光学残量検知などの異なる手段でも行うことが可能である。よって、請求項1では、現像剤量検知手段と静電容量検知手段とを分けて記載している。
[実施例2]
実施例1(図1)においては、S110において閾値α=1.5以上の場合、即ち、現像剤劣化の検知結果に応じて、画像安定化(濃度低下の抑制)のために、プロセス条件(作像条件)の変更として、現像バイアスのVppを変更(S111、S112)した。同様の作用効果、即ち画像安定化(濃度低下の抑制)の作用効果があれば、プロセス条件(作像条件)の変更は現像バイアスのVppの変更に限らない。図2にその場合のフローチャートを示した。
ここで、図2のS112において、「現像バイアスの振幅Vpp」の変更以外の「プロセス条件(作像条件)の変更」の「プロセス条件(作像条件)」は、具体的には、現像周波数の変更が挙げられる。耐久劣化した現像剤は、保持している電荷量や粒径の分布が異なり、電界に対する応答性が低くなる傾向にある。よって、現像周波数を低くすることで、応答性が低い状態でも、像担持体に現像剤をより現像させることが可能となる。その他、現像バイアスのDCを変更することでも、現像性を高めることは可能である。
[その他の事項]
(1)現像剤の流動性検知部材は、プレートアンテナに限らない。
(2)本発明では、(最大値−平均値)/(平均値−最小値)の値から、現像剤の劣化状態を判断したが、判断手法はこれに限定されない。
(3)実施例においては、現像剤残量検知部材の入力側電極部材を現像ローラ44としたが、入力側電極部材はこれに限定されない。
(4)また、流動性の閾値αは1段階でなくても良く、流動性と閾値αの大小関係によっては、プロセス条件(作像条件)を戻す可能性もある。
(5)現像装置4は画像形成装置の装置本体に対して取り外し可能に装着される現像カートリッジとされていてもよい。また、現像装置4は装置本体に対して作り付けの装置であり現像剤補給機構部から現像剤が逐次補給される構成の装置であっつてもよい。現像剤は非磁性トナーであってもよい。現像装置4は接触現像方式の装置であってもよい。
(6)画像形成装置は電子写真画像形成装置に限られない。像担持体として静電記録誘電体を用いた転写方式または直接方式の静電記録画像形成装置、像担持体として磁気記録磁性体を用いた転写方式または直接方式の磁気記録画像形成装置などであってもよい。
1・・像担持体、4・・現像装置、41・・現像室、42・・現像剤収容部、44・・現像剤担持体、T・・現像剤、47・・攪拌部材、70・・電極部材

Claims (5)

  1. 潜像が形成された像担持体に前記潜像を現像するための現像剤を適用する現像剤担持体を有する現像室と、前記現像室に連設されていて前記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の内部に回転可能に配設された攪拌部材であって、前記現像剤収容部の現像剤を回転により攪拌しながら前記現像室に搬送する前記攪拌部材と、を有する現像装置における現像剤劣化の検知システムであって、
    前記現像装置における現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段であって、前記現像剤収容部の現像剤の挙動に応じた信号を逐次に出力可能な現像剤残量検知手段と、
    前記攪拌部材を中にして配設されている2つの電極部材と、
    前記2つの電極部材の一方の電極部材に振動電圧を印加し他方の電極部材に誘起される電気信号から前記2つの電極部材の間の静電容量を検知する静電容量検知手段と、
    所定の時間内において検知される前記静電容量の最大値、最小値、積分平均値を演算する演算機能部と、
    を備え、前記演算された静電容量の最大値、最小値、積分平均値、及び前記現像剤残量検知手段により検知された現像剤残量から現像剤の劣化を検知することを特徴とする現像剤劣化の検知システム。
  2. 前記積分平均値と前記最大値の差、及び、前記積分平均値と前記最小値の差の少なくとも1以上の演算値と、前記現像剤残量検知手段により検知された現像剤残量から、現像剤の劣化を検知することを特徴とする請求項1に記載の現像剤劣化の検知システム。
  3. 前記現像剤残量検知手段は、前記静電容量検知手段で検知される静電容量に基づいて現像剤残量を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤劣化の検知システム。
  4. 前記2つの電極部材の1つが前記現像剤担持体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の現像剤劣化の検知システム。
  5. 静電潜像が形成された像担持体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の現像剤劣化の検知システムと、を備えた画像形成装置であって、前記検知システムによる現像剤劣化の検知結果に応じて、作像条件を変えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018136422A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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