JP2012027329A - 光学モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】送信デバイスや受信デバイスのパッケージとWDMユニットとを、等角度に配置された3点で溶接することが可能な光学モジュールを提供する。
【解決手段】光学モジュール1Aは、軸Zの方向に延びており、光路L1を内部に有するWDMユニット10と、WDMユニット10の側面10a,10bにそれぞれ接合された送信デバイス30及び受信デバイス40と、光路L1と送信デバイス30及び受信デバイス40とを互いに光結合させるWDMフィルタ11,12とを備える。WDMユニット10は、WDMフィルタ11,12を搭載する斜面15,16を有する。斜面15,16は、送信デバイス30が設けられたWDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分15a,16aを有しており、該段差部分15a,16aが側面10aに達している。
【選択図】図2
【解決手段】光学モジュール1Aは、軸Zの方向に延びており、光路L1を内部に有するWDMユニット10と、WDMユニット10の側面10a,10bにそれぞれ接合された送信デバイス30及び受信デバイス40と、光路L1と送信デバイス30及び受信デバイス40とを互いに光結合させるWDMフィルタ11,12とを備える。WDMユニット10は、WDMフィルタ11,12を搭載する斜面15,16を有する。斜面15,16は、送信デバイス30が設けられたWDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分15a,16aを有しており、該段差部分15a,16aが側面10aに達している。
【選択図】図2
Description
本発明は、WDMフィルタを搭載する光学モジュールに関する。
従来の一般的な光学モジュールとして、スリーブ(WDMユニット)に平面を形成してWDMフィルタ等の光学部品を搭載するものがある。特許文献1には、GE−PONなどのOLT/ONU用の一心双方向光デバイス(デュプレクサ)が記載されている。この文献に記載されたデバイスは、送信デバイスや受信デバイス、或いはピグテールなどを接合するWDMユニットを備える。このWDMユニットの内部には、光ファイバ端面から延びる空洞状の光通過孔が形成されている。更に、WDMユニットは、この光通過孔と交差する平らな斜面と、斜面により反射した光の光軸に交差する平面とを有する。そして、斜面上にWDMフィルタが搭載され、平面上にカットフィルタが搭載される。
WDMフィルタが搭載される斜面は、光通過孔に対する傾斜角度の精度や加工性を考慮し、カットソーを用いてWDMユニットの母材を切り通すことによって形成される。WDMフィルタは、該斜面上において、光通過孔から挿入された治具により位置決めされ、該斜面に接着される。
また、特許文献2には、一つの送信デバイス及び2つの受信デバイスを備えるG−PON用の一心双方向光デバイス(トリプレクサ)が記載されている。このデバイスにおいても特許文献1と同様に、WDMフィルタを搭載する2つの斜面がカットソーを用いて形成されている。
また、特許文献3に示される光モジュールでは、光通過孔と連通してテーパ状に拡径する孔の側面(曲面)上に、WDMフィルタの4つの角を点で接触させて固定している。
また、特許文献4に記載された光モジュールのように、スリーブとは別に用意されたブロック状の部材にWDMフィルタを貼り付けた後、この部材をスリーブに嵌め込む方法もある。
光学モジュールにおいては、上述したような構造のスリーブ(WDMユニット)の側面に、送信デバイスや受信デバイスが接合される。送信デバイスや受信デバイスはいわゆるCANパッケージといった金属製のパッケージを有しており、このような金属製のパッケージをWDMユニットに強固に固定する為に、YAG溶接技術が用いられる場合がある。すなわち、円筒状のパッケージの一端面を、WDMユニット側面に形成された平面に対してYAG溶接により固定する。その際、接合強度の観点から、パッケージの縁に等角度に配置された3点で溶接することが望ましい。しかし、WDMユニットの形状によっては、当該3点のうち一点において溝が形成されていることにより、3点での溶接が困難な場合がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、送信デバイスや受信デバイスのパッケージとWDMユニットとを、等角度に配置された3点で溶接することが可能な光学モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による光学モジュールは、所定の軸方向に延びており、該所定の軸方向に沿った光路を内部に有するユニットと、ユニットの所定の軸方向に沿う側面に接合された第1の光デバイスと、第1の光デバイスとは反対側のユニットの側面に接合された第2の光デバイスと、ユニットに設置され、光路と第1の光デバイスとを互いに光結合させる第1の光学部品と、ユニットに設置され、光路と第2の光デバイスとを互いに光結合させる第2の光学部品とを備え、ユニットは、第1の光学部品を搭載する第1の斜面、及び第2の光学部品を搭載する第2の斜面を有し、第1及び第2の斜面は、光路と交差しており、且つ第1及び第2の光学部品に向けてそれぞれ傾斜しており、第1及び第2の斜面が、第1の光デバイスが設けられたユニットの側面と光路との間に凸状の段差部分を有しており、該段差部分が該側面に達していることを特徴とする。
また、光学モジュールは、第1及び第2の光デバイスが円筒状の金属製パッケージを有しており、金属製パッケージとユニットの側面とが、等角度に位置する3点でレーザ溶接されていることを特徴としてもよい。
また、光学モジュールは、段差部分の側面の平面形状が円弧状の部分を含み、光学部品の平面形状が矩形状であり、光学部品の2つの角が段差部分の側面に当接していることを特徴としてもよい。
また、光学モジュールは、第1及び第2の光学部品がWDMフィルタであることを特徴としてもよい。
また、光学モジュールは、ユニットにおいて光路上に設置された光学アイソレータを更に備え、ユニットは、光路と交差しており光学アイソレータを搭載する第3の斜面を更に有し、第3の斜面が、第1の光デバイスが設けられたユニットの側面と光路との間に凸状の段差部分を有しており、該段差部分が該側面に達していることを特徴としてもよい。
また、光学モジュールは、光学アイソレータが第1の光学部品と第2の光学部品との間に配置されていることを特徴としてもよい。
また、光学モジュールは、第1及び第2の斜面は、一本の溝をカットソーを用いて形成し、該一本の溝に沿って該一本の溝より深い有限の溝をエンドミルを用いて形成することにより形成されたことを特徴としてもよい。
本発明による光学モジュールによれば、送信デバイスや受信デバイスのパッケージとスリーブとを、等角度に配置された3点で溶接することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光学モジュールの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、光学モジュールの光ファイバが取り付けられる端を上端といい、反対側の端を下端ということがある。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学モジュール1Aの構成を示す側面図である。この光学モジュール1Aは、例えば10G−EPONのOLT用光デバイス等に適用される。光学モジュール1Aは、集光レンズ(図示せず)及び光ファイバ3によって集光光学系が構成された筐体としてのWDMユニット10と、それぞれの集光点に対して調芯固定された二つの送信デバイス20,30及び一つの受信デバイス40とを備える。WDMユニット10は、光ファイバ3の光軸方向と一致する所定の軸Zの方向に延びており、該所定の軸Zの方向に沿った光路を内部に有する。光ファイバ3は、軸Zの方向におけるWDMユニット10の一端に取り付けられる。
送信デバイス20,30及び受信デバイス40は、いわゆるCANパッケージといった金属製の円筒状パッケージを各々有する。送信デバイス20,30には送信用のレーザダイオードが内臓され、受信デバイス40には受信用のフォトダイオードが内臓されている。送信デバイス20は、軸Zの方向におけるWDMユニット10の他端に接合されている。送信デバイス20のレーザダイオードは、送信デバイス20に内臓されるレンズ等を介してWDMユニット10の光路と光学的に結合されている。送信デバイス30は、本実施形態における第1の光デバイスである。送信デバイス30は、WDMユニット10の所定の軸Zに沿う側面10aに接合されている。送信デバイス30のレーザダイオードは、送信デバイス30に内臓されるレンズ等を介してWDMユニット10の光路と光学的に結合されている。受信デバイス40は、送信デバイス30とは反対側のWDMユニット10の側面10bに接合されている。受信デバイス40のレーザダイオードは、受信デバイス40に内臓されるレンズ等を介してWDMユニット10の光路と光学的に結合されている。
図2は、WDMユニット10の内部構造を示す切欠斜視図である。図2に示されるように、WDMユニット10は、軸Zに沿った光路L1を内部に有する。また、WDMユニット10には、光路L1と交差する斜面15(第1の斜面)及び斜面16(第2の斜面)が形成されている。斜面15及び16には、WDMフィルタ11及び12がそれぞれ載置される。斜面15は送信デバイス30に向けて傾斜しており、斜面16は受信デバイス40に向けて傾斜している。
WDMフィルタ11は、本実施形態における第1の光学部品であり、光路L1と送信デバイス30とを互いに光結合させる。WDMフィルタ12は、本実施形態における第2の光学部品であり、光路L1と受信デバイス40とを互いに光結合させる。斜面15が光路L1に対して角度45°でもって形成されていることにより、WDMフィルタ11の光反射面と光路L1とは45°の角度を成す。一方、斜面16が光路L1に対して角度−45°(すなわち、斜面15とは反対側に45°)でもって形成されていることにより、WDMフィルタ12の光反射面と光路L1とは−45°の角度を成す。したがって、送信デバイス30から出力された送信光(光路L2)は、WDMフィルタ11によって直角に反射され、光路L1を通って光ファイバ3へ出力される。また、光ファイバ3から光路L1を通って入力された受信光は、WDMフィルタ12によって直角に反射され、光路L3を通って受信デバイス40に入射する。
また、WDMユニット10には、光路L3と交差するようにカットフィルタ搭載面17が形成されている。カットフィルタ搭載面17には、カットフィルタ13が載置される。カットフィルタ13の直径は、例えば1.0mmである。
また、WDMユニット10の内部には光通過孔18が形成されている。光通過孔18は、光ファイバ3(図1)先端の保持部材が挿入固定される第1の部分18aと、第1の部分18aに対して下端側に形成され、第1の部分18aと連通する第2の部分18bと、第2の部分18bに対して下端側に形成され、第2の部分18bと連通する第3の部分18cとを有する。これらの部分18a〜18cは、軸Zを中心とする円筒状に形成されており、第1の部分18aの内径が最も大きく、第3の部分18cの内径が最も小さい。第2の部分18bの内部の軸Z上(光路L1上)には、集光レンズ19が設置されている。
斜面15は、WDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分15aを有する。段差部分15aは、斜面15の途中から側面10aに達しており、その端面15bは斜面15のフィルタ搭載面15cに対して垂直である。WDMフィルタ11は、この端面15bに当接することにより位置決めされる。
斜面16は、WDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分16aを有する。段差部分16aは、斜面16の途中から側面10aに達しており、その端面16bは斜面16のフィルタ搭載面16cに対して垂直である。WDMフィルタ12は、この端面16bに当接することにより位置決めされる。
ここで、斜面15及び16について更に詳しく説明する。図3は、斜面15及び16が形成される様子を概略的に示す側断面図である。図3(a)に示されるように、まず、斜面16の段差部分16aのための斜面51が形成される(矢印A1)。この斜面51は、WDMフィルタ12が設置されるフィルタ載置面16c(後に形成)と平行に、フィルタ載置面16cから所定の距離h1だけ離れた位置に形成される。この斜面51は、例えばカットソーを用いて一本の溝として形成され、WDMユニット10の側面10bから側面10aにわたって直線的に形成される。次に、WDMフィルタ12が設置される斜面(フィルタ載置面16c)が形成される(矢印A2)。このフィルタ載置面16cは、例えばエンドミルを用いて加工され、WDMユニット10の側面10bからWDMユニット10内部の所定の位置(端面16b)にわたる有限の溝として形成される。この溝は、斜面51を形成する一本の溝に沿って、該一本の溝より深く形成される。また、上記所定の位置は、WDMユニット10の光路L1とWDMユニット10の側面10aとの間に設定される。すなわち、WDMユニット10の側面10bから側面10aへエンドミルで切り通すのではなく、WDMユニット10の側面10a側においては段差部分16aを残すように加工することにより、段差部分16aとフィルタ載置面16cとの間に端面16bを設ける。
続いて、斜面15も斜面16と同様の手順により形成される。すなわち、図3(b)に示されるように、まず、斜面15の段差部分15aのための斜面52が形成される(矢印A3)。この斜面52は、WDMフィルタ11が設置されるフィルタ載置面15c(後に形成)と平行に、フィルタ載置面15cから所定の距離h2だけ離れた位置に形成される。この斜面52は、例えばカットソーを用いて一本の溝として形成され、WDMユニット10の側面10bから側面10aにわたって直線的に形成される。次に、WDMフィルタ11が設置される斜面(フィルタ載置面15c)が形成される(矢印A4)。このフィルタ載置面15cは、例えばエンドミルを用いて加工され、WDMユニット10の側面10bからWDMユニット10内部の所定の位置(端面15b)にわたる有限の溝として形成される。この溝は、斜面51を形成する一本の溝に沿って、該一本の溝より深く形成される。また、上記所定の位置は、WDMユニット10の光路L1とWDMユニット10の側面10aとの間に設定される。すなわち、WDMユニット10の側面10bから側面10aへエンドミルで切り通すのではなく、WDMユニット10の側面10a側においては段差部分15aを残すように加工することにより、段差部分15aとフィルタ載置面15cとの間に端面15bを設ける。
なお、上述したフィルタ載置面15c,16cの形成において、加工の最初(WDMユニット10の側面10b)からエンドミルを用いると時間が掛かるので、加工の途中までカットソーを用い、仕上げにエンドミルを用いる手法も有効である。また、斜面51,52を形成する際にエンドミルを用いてもよい。
本実施形態の光学モジュール1Aによる第1の作用効果について、従来の光学モジュールの課題とともに説明する。図4は、従来の光学モジュールが有する課題を説明するための図であり、WDMユニット100の側面101と、該側面101に接合される光デバイス102の輪郭とを示している。また、溝103は、光デバイス102とは反対側に配置される光デバイス(図示せず)と光結合されるWDMフィルタを載置する斜面を含む溝であり、カットソーにより形成される。
従来の光学モジュールでは、WDMユニット100と光デバイス102の金属製パッケージとをYAG溶接により接合する際、溝103が接合の妨げとなる。すなわち、溝103の底面(光デバイス載置面)は、カットソーによってWDMユニット100の一方の側面から他方の側面101にかけて平坦に形成され、且つ、側面101側が深くなるように傾斜して形成される。従って、光デバイス102が接合される側面101では、図4に示されるように、溝103が光デバイス102の設置範囲を超えて形成されてしまう(図のB部分)。このため、光デバイス102とWDMユニット100との接触領域が制限されてYAGレーザLYAGを2点にしか照射できず、均等な角度(120°間隔)での3点溶接が困難となる。しかし、特に光デバイス102が送信デバイスである場合等には、TOSAと同様に2μm程度の光軸固定精度が要求されるので、等角度の3点での溶接が望ましい。
図5(a)は、本実施形態のWDMユニット10が有する斜面15,16にWDMフィルタ11,12が設置された様子を概略的に示す断面図である。また、図5(b)は、このWDMユニット10の側面10aに送信デバイス30が接合される様子を概略的に示す図であり、送信デバイス30の輪郭を一点鎖線で示している。
図5に示されるように、本実施形態によれば、送信デバイス30の金属製パッケージ及びWDMユニット10の側面10aに対し、等角度(120°間隔)に配置された3点C1〜C3においてYAG溶接を行うことが可能となる。更に、加工時間の短縮も可能となる。
なお、本実施形態において、フィルタ載置面15c,16cがカットソーにより加工された場合には、端面15b,16bの平面形状は矩形となる。一方、フィルタ載置面15c,16cがエンドミルにより加工された場合には、端面15b,16bの平面形状は円弧形を含む。ミル径が大きい場合には端面15b,16bの全体が半円形となり、ミル径が小さい場合には端面15b,16bの角部のみ円弧状(いわば面取形状)となる。加工時間を短縮するためには、光学系や光デバイスの組み立てが難しくならない範囲でミル径を大きくすることが好ましい。
次に、本実施形態の光学モジュール1Aによる第2の作用効果について説明する。WDMフィルタやアイソレータ等の光学部品の価格は光学部品の面積に依存し、面積が小さいほど光学部品の価格を低くすることができる。光学部品に必要な面積(光学的面積)を小さくするためには、光学部品を光路のビームウェストの位置に精度良く配置することが好ましい。しかし、従来の光学モジュールでは、専用の治具を用いて光学部品を設置するので、光学部品を精度良く位置決めできるが、作業時間が長くなり作業効率が低く抑えられてしまう。
このような課題に対し、本実施形態の光学モジュール1Aでは、斜面15,16に形成された端面15b,16bにWDMフィルタ11,12の縁を当接させて位置決めすることによって、治具を用いることなく簡易に且つ精度良くWDMフィルタ11,12を位置決めすることができる。したがって、WDMフィルタ11,12の取り付け作業が容易となり、作業時間を短縮できる。図6は、エンドミル110、斜面16の端面16b、及びWDMフィルタ12の相互の位置関係を示す図である。図6(a)には端面16b及びWDMフィルタ12が示されており、図6(b)にはエンドミル110が示されている。図6に示されるように、エンドミル110の直径Deと、端面16bの最深部の位置(すなわちWDMユニット10の側面10aからエンドミル停止位置までの距離)Laは、WDMフィルタ12の幅Wf、及び側面10aからWDMフィルタ12の一端までの距離Dfに基づいて算出される。
なお、前述した第1の作用効果は、斜面16に段差部分16a及び端面16bが形成されることによって好適に得られるが、本実施形態のように、斜面16だけでなく斜面15にも段差部分15a及び端面15bが形成されることによって、WDMフィルタの設置工程を簡便化できるという上述した第2の作用効果を斜面15においても得ることができる。なお、斜面15においては、端面15bは連続的な円弧とはならず、その中央部が斜面16により除去された形状となる。
本実施形態による光学モジュール1Aの一実施例として、斜面15,16の寸法、及びWDMフィルタ11,12の寸法の例を以下に示す。
斜面15:カットソー幅2.0mm、エンドミル幅(De)2.0mm
斜面16:カットソー幅1.6mm、エンドミル幅(De)1.6mm
WDMフィルタ11:幅(Wf)2.0mm
WDMフィルタ12:幅(Wf)1.2mm
斜面15:カットソー幅2.0mm、エンドミル幅(De)2.0mm
斜面16:カットソー幅1.6mm、エンドミル幅(De)1.6mm
WDMフィルタ11:幅(Wf)2.0mm
WDMフィルタ12:幅(Wf)1.2mm
上記のように、斜面15,16のそれぞれにおいて、カットソー幅とエンドミル幅とは互いに等しい。しかしながら、斜面15,16を構成する溝の深さ、及びそれらの端面15b、16bの位置(加工終端位置)は、斜面15,16で互いに異なる。斜面15について、その中央部には斜面16による矩形状のエッジ(カットソー加工によるエッジ)を有するスリットが形成されており、当該スリットの左右に各々幅0.2mmの平坦面が形成される。WDMフィルタ11は、この平坦面上に搭載される。
また、斜面16の中央には、光通過孔18の光学開口(アパーチャ)が、楕円状の端面をもって形成されている。すなわち、光通過孔18の光軸(軸Z)に垂直な断面は円形であるが、斜面16が光軸に対して45°の角度でもって傾斜しているので、光通過孔18の一端は楕円状の開口となる。該開口の短軸の長さは例えば1.2mmであり、長軸の長さは例えば1.414〜2.2mmである。従って、短軸側に片側0.2mmの平坦面が形成され、当該平坦面上にWDMフィルタ12が搭載される。なお、WDMフィルタ12の横幅Wf及び光通過孔18の短軸長さは互いに同程度である場合には、WDMフィルタ12の搭載精度が要求される。WDMフィルタ12が何れか一方に寄った状態で上記平坦面上に搭載された場合、他方側では光通過孔18がWDMフィルタ12から露出することとなり、漏洩光の原因となる。
続いて、本実施形態の光学モジュール1Aによる第3の作用効果について説明する。光学モジュール1Aを作製する際には、斜面15,16のフィルタ載置面15c,16c上に樹脂(UV硬化型、熱硬化型、またその併用型の樹脂)を塗布し、その上にWDMフィルタ11,12を実装することができる。従来の光学モジュールでは、樹脂が硬化するまでは樹脂の粘度が小さいのでWDMフィルタが所定の位置から動いてしまうことがある。
このような課題に対し、本実施形態の光学モジュール1Aでは、端面15b、16bの平面形状が円弧状の部分を含み、またWDMフィルタ11,12の平面形状が矩形状であり、WDMフィルタ11,12の2つの角が端面15b、16bに当接している。このような構成により、端面15b,16bに当接したWDMフィルタ11,12の側面と端面15b,16bとの間に空隙(ギャップ)が形成されるので、このギャップが樹脂溜まりとして機能する。また、このギャップに溜まった樹脂は、端面15b,16bとの表面張力によって端面15b,16b側に引っ張られるので、WDMフィルタ11,12の位置を安定させる作用もある。このように、本実施形態の光学モジュール1Aによれば、WDMフィルタ11,12の位置が安定するので、WDMフィルタ11,12の外形寸法を小さくすることができ、WDMフィルタ11,12をより低コストにできる。
(変形例)
図7は、上記実施形態の一変形例として、WDMユニット60の構成を示す切欠き斜視図である。また、図8は、WDMユニット60の側断面図である。本変形例に係るWDMユニット60が上記実施形態のWDMユニット10と相違する点は、斜面15,16に加えて斜面61(第3の斜面)を有する点である。斜面61は光路L1と交差しており、この斜面61上において、光学アイソレータ62(例えば、マグネット不要型の自己保持型のもの)が光路L1と交差するように載置される。斜面61は軸Zに対してわずかに傾斜している。なお、斜面61の構成は、斜面15,16の構成と同様である。すなわち、斜面61は、WDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分61aを有し、この段差部分61aは側面10aに達している。また、光学アイソレータ62は、段差部分61aの端面61bに当接することによって位置決めされている。斜面61は、斜面15と斜面16との間に形成されている。換言すれば、光学アイソレータ62は、WDMフィルタ11とWDMフィルタ12との間に配置される。本実施形態のWDMユニット60によれば、上述した実施形態による作用効果に加えて、更に光学アイソレータ62を精度よく位置決めすることができる。
図7は、上記実施形態の一変形例として、WDMユニット60の構成を示す切欠き斜視図である。また、図8は、WDMユニット60の側断面図である。本変形例に係るWDMユニット60が上記実施形態のWDMユニット10と相違する点は、斜面15,16に加えて斜面61(第3の斜面)を有する点である。斜面61は光路L1と交差しており、この斜面61上において、光学アイソレータ62(例えば、マグネット不要型の自己保持型のもの)が光路L1と交差するように載置される。斜面61は軸Zに対してわずかに傾斜している。なお、斜面61の構成は、斜面15,16の構成と同様である。すなわち、斜面61は、WDMユニット10の側面10aと光路L1との間に凸状の段差部分61aを有し、この段差部分61aは側面10aに達している。また、光学アイソレータ62は、段差部分61aの端面61bに当接することによって位置決めされている。斜面61は、斜面15と斜面16との間に形成されている。換言すれば、光学アイソレータ62は、WDMフィルタ11とWDMフィルタ12との間に配置される。本実施形態のWDMユニット60によれば、上述した実施形態による作用効果に加えて、更に光学アイソレータ62を精度よく位置決めすることができる。
本変形例による光学モジュールの一実施例として、斜面15,16,及び61の寸法、並びにWDMフィルタ11,12、及び光学アイソレータ62の寸法の例を以下に示す。
斜面15:カットソー幅2.2mm、エンドミル幅2.2mm
斜面16:カットソー幅1.4mm、エンドミル幅1.4mm
斜面61:カットソー幅1.8mm、エンドミル幅1.8mm
WDMフィルタ11:幅2.0mm
WDMフィルタ12:幅1.2mm
光学アイソレータ62:幅1.6mm、軸Zに垂直な平面に対する角度7°
斜面15:カットソー幅2.2mm、エンドミル幅2.2mm
斜面16:カットソー幅1.4mm、エンドミル幅1.4mm
斜面61:カットソー幅1.8mm、エンドミル幅1.8mm
WDMフィルタ11:幅2.0mm
WDMフィルタ12:幅1.2mm
光学アイソレータ62:幅1.6mm、軸Zに垂直な平面に対する角度7°
本発明による光学モジュールは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では第1及び第2の光学部品としてWDMフィルタを例示したが、本発明における第1及び第2の光学部品としては、例えば光学アイソレータや他の様々な光学部品を適用できる。
また、上記実施形態では光学モジュールが2つのWDMフィルタを備える場合を例示したが、3つ以上のWDMフィルタを備える場合であっても、本発明の構成を適用することにより、上記実施形態で述べた作用効果を好適に得ることができる。
本発明の光学モジュールは、例えば10G−EPONのOLT用光学モジュールとして利用することができる。
ここで、10G−EPONのOLT用光学モジュールに要求される性能は、次のとおりである。
・第1の送信デバイス:10Gbps(1.575μm〜1.580μm)及び1Gbps(1.48μm〜1.50μm)のうち一方の送信
・第2の送信デバイス:10Gbps及び1Gbpsのうち他方の送信
・受信デバイス:10Gbps(1.26μm〜1.28μm)及び1Gbps(1.26μm〜1.36μm)のうち一方の受信、10G/1Gデュアル受信、あるいは2.5Gbps受信
・第1の送信デバイス:10Gbps(1.575μm〜1.580μm)及び1Gbps(1.48μm〜1.50μm)のうち一方の送信
・第2の送信デバイス:10Gbps及び1Gbpsのうち他方の送信
・受信デバイス:10Gbps(1.26μm〜1.28μm)及び1Gbps(1.26μm〜1.36μm)のうち一方の受信、10G/1Gデュアル受信、あるいは2.5Gbps受信
なお、PONシステムのOLT側の受信は、各ONUからの上り信号についてバースト信号での受信となる。特に、10G−EPONシステムにおいては、各ONUからのバースト信号の速度が10Gbps及び1Gbpsの間で切り替わる場合にも、これらのバースト信号を受信できることが要求される。
また、本発明の光学モジュールは、40Gbps(10Gbps×4波)通信や100Gbps(25Gbps×4波)の通信に用いられるCPF用光デバイスとして、4波合波系にも適用可能である。すなわち、4個の光デバイス全てが送信デバイスあるいは受信デバイスである場合であって、これらが一の光学モジュールに組み付けられる場合にも、上記構成の光学モジュールを適用できる。
1A…光学モジュール、3…光ファイバ、10,60…WDMユニット、10a,10b…側面、11,12…WDMフィルタ、13…カットフィルタ、15,16…斜面、15a,16a…段差部分、15b,16b…端面、15c,16c…フィルタ載置面、17…カットフィルタ搭載面、18…光通過孔、19…集光レンズ、20,30…送信デバイス、40…受信デバイス、51,52…斜面。
Claims (7)
- 所定の軸方向に延びており、該所定の軸方向に沿った光路を内部に有するユニットと、
前記ユニットの前記所定の軸方向に沿う側面に接合された第1の光デバイスと、
前記第1の光デバイスとは反対側の前記ユニットの側面に接合された第2の光デバイスと、
前記ユニットに設置され、前記光路と前記第1の光デバイスとを互いに光結合させる第1の光学部品と、
前記ユニットに設置され、前記光路と前記第2の光デバイスとを互いに光結合させる第2の光学部品と
を備え、
前記ユニットは、前記第1の光学部品を搭載する第1の斜面、及び前記第2の光学部品を搭載する第2の斜面を有し、
前記第1及び第2の斜面は、前記光路と交差しており、且つ前記第1及び第2の光学部品に向けてそれぞれ傾斜しており、
前記第1及び第2の斜面が、前記第1の光デバイスが設けられた前記ユニットの前記側面と前記光路との間に凸状の段差部分を有しており、該段差部分が該側面に達していることを特徴とする、光学モジュール。 - 前記第1及び第2の光デバイスが円筒状の金属製パッケージを有しており、
前記金属製パッケージと前記ユニットの前記側面とが、等角度に位置する3点でレーザ溶接されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学モジュール。 - 前記段差部分の端面の平面形状が円弧状の部分を含み、
前記光学部品の平面形状が矩形状であり、
前記光学部品の2つの角が前記段差部分の前記端面に当接していることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学モジュール。 - 前記第1及び第2の光学部品がWDMフィルタであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学モジュール。
- 前記ユニットにおいて前記光路上に設置された光学アイソレータを更に備え、
前記ユニットは、前記光路と交差しており前記光学アイソレータを搭載する第3の斜面を更に有し、
前記第3の斜面が、前記第1の光デバイスが設けられた前記ユニットの前記側面と前記光路との間に凸状の段差部分を有しており、該段差部分が該側面に達していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学モジュール。 - 前記光学アイソレータが前記第1の光学部品と前記第2の光学部品との間に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の光学モジュール。
- 前記第1及び第2の斜面は、一本の溝をカットソーを用いて形成し、該一本の溝に沿って該一本の溝より深い有限の溝をエンドミルを用いて形成することにより形成されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学モジュール。
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JP2010167354A JP2012027329A (ja) | 2010-07-26 | 2010-07-26 | 光学モジュール |
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KR20150015614A (ko) * | 2013-07-31 | 2015-02-11 | 주식회사 오이솔루션 | 리셉터클 조립체 및 이를 포함하는 광모듈 |
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2010
- 2010-07-26 JP JP2010167354A patent/JP2012027329A/ja active Pending
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KR101686601B1 (ko) | 2013-07-31 | 2016-12-29 | 주식회사 오이솔루션 | 리셉터클 조립체 및 이를 포함하는 광모듈 |
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