JP2012026981A - テトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法 - Google Patents

テトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを、短時間に感度良く検出できるテトラフルオロホウ酸イオン検出剤を提供する。
【解決手段】水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出剤であって、下記一般式(I)で表される化合物と、平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物と、を含む〔R、R、及びRのうち1つ:Rに対してメタ位又はパラ位にあるR;R,R:下記複素環置換基;R、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残り:水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基(少なくとも1つは水酸基);R、R:水素原子又はメチル基;A:窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基]。

【選択図】なし

Description

本発明は、テトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法に関する。
テトラフルオロホウ酸イオン(BF )は、半導体製造工程やめっき工程等の廃液に含まれるイオンである。
テトラフルオロホウ酸イオンを含む廃液の処理方法、即ち、廃液中からテトラフルオロホウ酸イオンを除去する除去方法は、テトラフルオロホウ酸イオンをフッ素とホウ素とに分解し、得られたフッ素とホウ素とを個別に処理する方法が主流となっている。
例えば、テトラフルオロホウ酸イオンを含有する廃液に硫酸アルミニウムを添加し、50℃以上の温度で反応させてテトラフルオロホウ酸イオンを分解し、更に、炭酸カルシウムを添加してpH4以下でフッ素をフッ化カルシウムとして固定し、更に、水酸化カルシウム又は(及び)塩化カルシウムを添加してpH4以下でフッ化カルシウムを熟成し、更に、50℃以下の温度で水酸化カルシウムを添加してpHを9以上にしてホウ素およびフッ素を不溶性化合物に変換した後、固液分離する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、テトラフルオロホウ酸イオンを含有する廃液を酸性条件下に調整し、常温・常圧下でフッ化ホウ素分解材(水酸化ジルコニウムや水酸化チタニウム等)と接触させて、テトラフルオロホウ酸イオンをフッ素イオンとホウ酸イオンとに分解すると同時に、フッ素イオンをフッ化ホウ素分解材に吸着除去し、ホウ素イオンをイオン交換樹脂等を用いて吸着除去する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、テトラフルオロホウ酸イオンをフッ素とホウ素とに分解する方法に代えて、液体試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを捕捉カプセル分子に取り込んで沈殿させ、生じた沈殿を液体試料中から除去する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許2912934号公報 特開2007−222817号公報 特開2010−022886号公報
しかしながら、水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出する方法としては、より短時間に、より感度良く検出する方法が望まれている。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを、短時間に感度良く検出できるテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法を提供することである。
前記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
<1> 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出剤であって、
下記一般式(I)で表される化合物と、
平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物と、
を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
[式中、R、R、及びRのうち1つは、Rに対してメタ位又はパラ位にあるRであり、R及びRは互いに独立して下記の複素環置換基を表し、
、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。但し、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
前記複素環置換基のうち、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Aは、窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基を表す。]
<2> 前記金属塩又はその水和物が、硫酸銅(CuSO)及び塩化第二銅(CuCl)の少なくとも一方又はその水和物である<1>記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
<3> 前記金属塩又はその水和物が、塩化第二銅(CuCl)又はその水和物である<1>又は<2>記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
<4> 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.1〜2.0である<1>〜<3>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
<5> 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5〜1.5である<1>〜<4>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
<6> 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出キットであって、
下記一般式(I)で表される化合物と、平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物と、を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
[式中、R、R、及びRのうち1つは、Rに対してメタ位又はパラ位にあるRであり、R及びRは互いに独立して下記の複素環置換基を表し、
、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。但し、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
前記複素環置換基のうち、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Aは、窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基を表す。]
<7> 前記金属塩又はその水和物が、硫酸銅(CuSO)及び塩化第二銅(CuCl)の少なくとも一方又はその水和物である<6>記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<8> 前記金属塩又はその水和物が、塩化第二銅(CuCl)又はその水和物である<6>又は<7>記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<9> 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.1〜2.0である<6>〜<8>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<10> 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5〜1.5である<6>〜<9>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<11> 更に、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物と前記水系試料とを接触させるための試験容器を含む<6>〜<10>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<12> 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出キットであって、
<1>〜<5>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤と、
前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物と前記水系試料とを接触させるための試験容器と、
を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
<13> <1>〜<5>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤又は<6>〜<12>のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットを用いて水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出する方法であって、
前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記水系試料と、を接触させ、水系試料の色の変化によりテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出方法。
本発明によれば、水系試料中からテトラフルオロホウ酸イオンを、短時間に感度良く検出できるテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法を提供することができる。
本実施例1において、硫酸銅及び例示化合物(a)を含む水系試料に、テトラフルオロホウ酸ナトリウム溶液を滴下していったときの紫外可視吸収スペクトルである。
まず、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法に用いられる、一般式(I)で表される化合物及び金属塩又はその水和物について説明し、引き続き、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、テトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及びテトラフルオロホウ酸イオン検出方法について説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及び本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出方法では、下記一般式(I)で表される化合物を用いる。
[一般式(I)中、R、R、及びRのうち1つは、Rに対してメタ位又はパラ位にあるRであり、R及びRは互いに独立して下記の複素環置換基を表し、
、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。但し、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
前記複素環置換基のうち、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Aは、窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基を表す。]
前記一般式(I)で表される化合物は、水系試料中で、BF と平面四配位又は正八面体配位可能な金属イオンとに接触すると、4分子集まって前記金属イオン2個とともに、BF 1分子を取り込んでカプセル分子を形成する(自己集積化反応)。本発明においては、BF 1分子を取り込んだカプセル分子を、「捕捉カプセル型分子」という。上記接触により捕捉カプセル型分子が形成される理由は、BF のサイズが、前記一般式(I)で表される化合物4分子と前記金属イオン2個とで形成されるカプセル骨格の内部空間(捕捉空間)のサイズよりも小さく、かつ、BF が前記内部空間から離脱しにくいため、と考えられる。
本発明における捕捉カプセル型分子の構造は、例えば単結晶構造解析及び紫外・可視分光スペクトル等により確認することができる。
なお、本発明における捕捉カプセル型分子の構造は、配位子となる一般式(I)で表される化合物の種類以外は特開2010−22886号公報の段落0024及び図1と同様の構造である。
本発明における一般式(I)で表される化合物は、分子中に水酸基を少なくとも1つ有しているため、水に対する溶解性が高い。これにより、水系試料中に容易に溶解されるとともに、より短時間で捕捉カプセル型分子を形成できる。
更に、形成された捕捉カプセル型分子自体も水酸基を有しているため、捕捉カプセル型分子自体も水への溶解性が高い。このため、該捕捉カプセル型分子の形成に伴い、水系試料の色が該捕捉カプセル型分子に由来する色(例えば紫色)に変化する。
従って、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記水系試料と、を接触させて、BF を捕捉した捕捉カプセル型分子を形成させ、該捕捉カプセル型分子の形成に伴う水系試料の色の変化を確認することにより、水系試料中のBF を、短時間に感度良く検出できる。
一方、特開2010−22886号公報の段落0017〜0041、0063〜0065に記載されている化合物(例えば、1,4−ビス(イミダゾール−1−イル−メチル)2,3,5,6−テトラメチルベンゼン;bitb))も、本発明における捕捉カプセル型分子と同様の捕捉カプセル型分子を形成できる化合物である。上記公報に記載の化合物は、水系試料中のBF を捕捉カプセル型分子に取り込んで沈殿させることにより、水系試料中からBF を除去する用途に有用な化合物である。
しかしながら、上記公報に記載の化合物をBF の検出の用途に用いた場合、捕捉カプセル型分子の形成に伴う水系試料の色の変化がおこるまでの時間が長く(例えば、0.5時間よりも長い時間)、また、低濃度(例えば、10mM以下)のBF に対しては呈色効率が悪かった。
これに対し、本発明における一般式(I)で表される化合物は、分子中に水酸基を少なくとも1つ有しているため、親水性が向上し、水系試料中における捕捉カプセル型分子形成反応の進行が速いことがわかった。
例えば、本発明における一般式(1)で表される化合物によるBF の検出では、検出に要する時間は、例えば、30分以内とすることができ、更には10分以内とすることができ、更には10秒以内とすることができる。
また、一般式(1)で表される化合物によるBF の検出では、水系試料中におけるBF の濃度は、例えば10mM以下とすることができ、更には1mM以下とすることもでき、更には0.1mM以下とすることもできる。
次に、前記一般式(I)における各置換基の詳細について説明する。
前記一般式(I)において、RとRは同一の複素環置換基であることが、生成する捕捉カプセル型分子の異性体の数を制限でき、生成物の同定を行いやすい観点から好ましい。
及びRにおいて、R及びRは、芳香族環の他の置換基と立体障害を起こすことなく、捕捉カプセル型分子を形成しうる観点から、共に水素原子であることが好ましい。
また、前記一般式(I)において、RがRに対してパラ位にあること、即ち、RがRであることが、テトラフルオロホウ酸イオンを選択的に捕捉する観点から好ましい。
また、前記一般式(I)において、RがRに対してメタ位にあること、即ち、R又はRがRであることが、合成容易性の観点から好ましい。
また、前記一般式(I)において、R、R、R、R及びRからRを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。
ここで、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、水酸基の総数は、テトラフルオロホウ酸イオンを捕捉したカプセルを安定に形成させる観点から、1個〜4個であることが好ましく、1個又は2個であることがより好ましい。
また、R、R、R、R及びRから、R及び水酸基を除いた残りは、いずれも、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の炭化水素基であることが、カプセル骨格内からのテトラフルオロホウ酸イオンの離脱を防ぐ観点から好ましい。
また、R、R、R、R及びRから、R及び水酸基を除いた残りにおいて、隣り合う基が互いに結合して脂肪族環を形成してもよい。
、R、R、R及びRで表される炭化水素基の炭素数としては、合成容易性の観点や、一般式(I)で表される化合物同士が立体的に障害となることなくカプセルを形成し、またカプセル骨格内からのテトラフルオロホウ酸イオンの離脱を防ぐ観点から、1〜10が好ましく、1〜2がより好ましい。
及びRにおいて、Aで表される複素環基は、炭素数1〜6のアルキル基やスルホン酸基等の置換基で置換されていてもよい。また、前記複素環基中には、窒素原子の他に、酸素原子や硫黄原子が含まれていてもよい。
Aで表される複素環基としては、前記金属イオンに配位可能な複素環基が挙げられる。このような複素環基としては、ピロール−1−イル基以外のピロリル基、2H−ピロール−1−イル基以外の2H−ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾール−1−イル基以外のイソチアゾリル基、イソオキサゾール−1−イル基以外のイソオキサゾリル基、ピロリジン−1−イル基以外のピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピリジン−1−イル基以外のピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピペリジン−1−イル基以外のピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリン−4−イル基以外のモルホリニル基、下記構造式で表される基が好ましい。
前記の中でも、合成容易性と金属イオンに対する配位性との観点からは、ピロール−1−イル基以外のピロリル基、イミダゾリル基、ピリジン−1−イル基以外のピリジル基、下記構造式で表される基がより好ましい。
前記の中でもイミダゾリル基が特に好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物の合成方法としては、国際公開第2008/029804号パンフレットに記載されている方法に準じた方法や、C.-H. Zhou, R.-G. Xie, and H.-M. Zhao, Organic. Preparations and Procedures Int., 1996, 28(3), 345 に記載されている方法に準じた方法を用いることができる。
合成方法について、具体的には、1〜3個の水酸基で置換された芳香族化合物と、1,3,5−トリオキサンと、ハロゲン化水素と、を酸性条件下で反応させて、一旦ハロゲン置換された芳香族化合物を合成しておき、その後、一般式(I)中のAに相当する化合物を反応させて、ハロゲン原子をAで置換する方法、等が挙げられる。
以下、一般式(I)で表される化合物の例示化合物を示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
<金属塩又はその水和物>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及び本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出方法では、平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物を用いる。
ここで、平面四配位又は正八面体配位可能な金属イオンは、BF を含む水系試料中では、前述の捕捉カプセル型分子の構成要素となるイオンである。
平面四配位又は正八面体配位可能な金属イオンとしては、例えば、Zn2+、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、Ag、Pd2+、及びPt2+が挙げられる。
中でも、捕捉カプセル型分子の形成性の観点等からは、Zn2+、Cu2+、Ni2+、Co2+が好ましく、Cu2+が特に好ましい。
また、前記金属塩における陰イオンとしては、BF 以外の陰イオンを用いることができる。
BF 以外の陰イオンとしては、例えば、OH、SO 2−、CO 2−、NO 、CHCOO、C 2−、HCOO、Cl、Br、F、PF 、アセチルアセトナト(C )、SiF 2−、等が挙げられる。
中でも、BF が検出された場合の水系試料の色と、BF が検出されなかった場合の水系試料の色と、の差をより区別し易い点で、NO 、Cl、SO 2−、OH、CO 2−が好ましく、Cl、SO 2−がより好ましく、Clが特に好ましい。
以下、BF が検出された場合の水系試料の色と、BF が検出されなかった場合の水系試料の色と、の差の区別し易さを、単に「BF の検出性」ともいう。
この差を区別し易い程、BF の検出性に優れている。
前記金属塩又はその水和物としては、CuSO、CuCl、Cu(NO、Cu(OH)、CuCO、又はこれらの水和物を挙げることができる。
その中でも、捕捉カプセル型分子の形成性の観点、及びBF の検出性の観点から、硫酸銅(CuSO)及び塩化第二銅(CuCl)の少なくとも一方又はその水和物であることが好ましく、塩化第二銅(CuCl)又はその水和物であることが特に好ましい。
<水系試料>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット、及び本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出方法において、BF を検出する対象となる水系試料は、水を主たる溶媒とする試料を指す。
水系試料は、本発明の効果を損なわない範囲で水以外の溶媒(例えば、アルコール等)を含んでいてもよい。但し、本発明の効果をより顕著に得る観点からは、水系試料において、全溶媒中における水の比率が、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
水系試料には、例えば、上水、下水、各種廃水(工業廃水等)、液状の中間生成物、工業用水、飲料水、各種水溶液、コロイド溶液、食品や土壌等を含む懸濁液、等が含まれる。
<テトラフルオロホウ酸イオン検出剤>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤は、水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出剤であって、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、を含む。
前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、の好ましい範囲については前述のとおりである。
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤の形態としては、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物とを含む混合物が、粉末状又は錠剤状等の固体である形態が挙げられる。また、別の形態としては、前記固体が水などの溶媒に溶解されてなる溶液の形態が挙げられる。
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤と水系試料と接触させることにより、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、水系試料と、を接触させることができる。
このとき、水系試料にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれている場合には、前記捕捉カプセル型分子が形成され、水系試料の色が前記捕捉カプセル型分子に由来する色に着色する。一方、水系試料にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれていない場合には、前記捕捉カプセル型分子は形成されず、水系試料の色が前記金属塩に含まれる金属イオンの色に着色する。
従って、水系試料の色の違いにより、水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれているか否かを判定することができる。
色の違いは、目視により判別してもよいし、分光スペクトル等の手段により判別してもよい。
また、水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれているか否かの判定は、例えば、色の見本を用意し、この見本に基づいて行うことができる。
また、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤においては、BF の検出性の観点より、前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕を以下で説明する範囲とすることが好ましい。
即ち、前記捕捉カプセル型分子は前述のとおり、前記一般式(I)で表される化合物4分子と、前記金属イオン2個と、BF 1分子と、により構成されているため、該捕捉カプセル型分子においては、前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5となっている。
そこで、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤においても、前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5を含む範囲とすることが考えられる。
例えば、テトラフルオロホウ酸イオン検出剤における前記モル比は、0.1〜2.0とすることが好ましい。
前記モル比が0.1以上であれば、BF が検出されない場合の水系試料の色(金属イオンの色)をより濃くすることができるので、BF が検出された場合の水系試料の色(捕捉カプセル型分子の色)との区別がより容易となり、BF の検出性がより向上する。
前記モル比が2.0以下であれば、捕捉カプセル型分子の色に金属イオンの色が混ざる現象をより抑制でき、BF の検出性がより向上する。
更に、本発明者等による検討の結果、テトラフルオロホウ酸イオン検出剤における前記モル比が0.5以上であるときに、BF の検出性がより向上することが判明した。
この理由は明らかではないが、BF が検出されない場合の水系試料(捕捉カプセル型分子が形成されず、金属イオンが単体で存在している水系試料)の色をより濃くできることにより、BF が検出された場合の水系試料(捕捉カプセル型分子が形成されている水系試料)の色との差をより区別し易くなるため、と推測される。
従って、BF の検出性を特に向上させる観点からは、テトラフルオロホウ酸イオン検出剤における前記モル比を0.5〜1.5とすることがより好ましく、0.7〜1.3とすることが特に好ましい。
<テトラフルオロホウ酸イオン検出キット>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットの一形態は、水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出剤であって、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、を含む。
本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットは、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物との混合物である本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤とは異なり、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物との組み合わせであるキット(セット)である。
本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットを用い、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤を用いる場合と同様に、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、水系試料と、を接触させることができ、水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれているか否かを判定することができる。
本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットにおいても、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤と同様の理由により、前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕は、0.1〜2.0が好ましく、0.5〜1.5がより好ましく、0.7〜1.3が特に好ましい。
本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットのより具体的形態としては、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、を個別に容器(例えば、ポリマー容器やガラス容器等)に入れた状態で組み合わせたキットの形態が挙げられる。
この形態において、前記一般式(I)で表される化合物及び前記金属塩又はその水和物は、それぞれ使用時に容器から出して用いることができる。
また、本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットは、前記一般式(I)で表される化合物及び前記金属塩又はその水和物に加え、更に、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物と前記水系試料とを接触させるための試験容器を含んでいてもよい。
前記試験容器としては、例えば、ポリマー容器やガラス容器を用いることができる。
前記試験容器を含む本形態のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットによれば、前記一般式(I)で表される化合物及び前記金属塩又はその水和物を、BF を検出したい液体試料に直接添加しなくて済むというメリットがある。即ち、BF を検出したい液体試料のうちの一部を採取し、採取された一部に含まれるBF を検出することができる。
前記試験容器には、水系試料を分析に必要な量(例えば、3mL)だけ注入できるように評線が記されていたり、分析に必要な量(例えば、3mL)以上を吸い取れないような工夫が施されていることが好ましい。
また、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットの別の形態としては、前記本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤と、前記試験容器と、を含むキットが挙げられる。
前記試験容器の好ましい形態については前述のとおりである。
<テトラフルオロホウ酸イオン検出方法>
本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出方法は、本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤又は本発明のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットを用いて水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出する方法であって、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記水系試料と、を接触させ、水系試料の色の変化によりテトラフルオロホウ酸イオンを検出する方法である。
水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれている場合には、上記接触によりテトラフルオロホウ酸イオンを捕捉した捕捉カプセル型分子が形成され、水系試料の色は前記捕捉カプセル型分子に由来する色に着色する。一方、水系試料にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれていない場合には、上記接触によっても前記捕捉カプセル型分子は形成されず、水系試料の色は前記金属塩に含まれる金属イオンの色に着色する。
従って、水系試料の色の違いにより、水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれているか否かを判定することができる。
色の違いは、目視により判別してもよいし、分光スペクトル等の手段により判別してもよい。また、水系試料中にテトラフルオロホウ酸イオンが含まれているか否かの判定は、例えば、色の見本を用意し、この見本に基づいて行うことができる。
水系試料中で、一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記テトラフルオロホウ酸イオンと、を接触させる方法については特に限定はない。
例えば、水系試料が入っている容器(例えば、前述の試験容器)に前記一般式(I)で表される化合物及び前記金属塩又はその水和物を添加することにより行ってもよいし、逆に、前記一般式(I)で表される化合物及び前記金属塩又はその水和物が入っている容器(例えば、前述の試験容器)に水系試料を添加してもよい。
本検出方法では、前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記水系試料と、の接触頻度を高め、捕捉カプセル型分子形成反応の反応性を向上させる観点からは、水系試料を加熱してもよい。
加熱の温度としては、前記一般式(I)で表される化合物の種類等によっても異なるが、0〜100℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。
本検出方法では、前記接触後、水系試料を撹拌してもよく、撹拌せずにそのまま放置してもよいが、接触頻度を高め、捕捉カプセル型分子形成反応の反応性を向上させる観点からは、撹拌することが好ましい。
撹拌には、攪拌器、容器の振とう、加熱による対流、などの手段を用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、溶液の調製、または測定に用いた水はすべて超純水を用いた。
〔参考例1〕
<例示化合物(a)(3,5−ビス(イミダゾール−1−イル−メチル)−2,4,6−テトラメチルフェノール)の合成>
下記反応スキーム1に従って例示化合物(a)の合成を行った。

反応スキーム1の詳細を以下に説明する。
まず、2,4,6−トリメチルフェノール(上記化合物1)(13.6g,0.10mol)と、1,3,5−トリオキサン(9.00g,0.10mol)と、を30%HBr/CHCOOH溶液(141ml)の中に入れ、80℃で2時間還流した。その後、室温で冷やし、700mlの氷水に注ぎ、出てきた生成物を濾過して集め、真空乾燥した(生成物の収量:31.43g)。
生成物は、3,5−ビス(ブロモメチル)−2,4,6−トリメチルフェノール(上記化合物2)と、3,5−ビス(ブロモメチル)−2,4,6−トリメチルフェニルエタノエート(上記化合物3)と、の混合物であった。
上記で得られた化合物2と化合物3との混合物(2.06g)と、イミダゾール(4.29g,0.063mol)と、をメタノール(51ml)中で、65℃で16時間還流した。その後、炭酸ナトリウム(6.30g,0.059mol)を加え、さらに2時間還流を続けた。氷冷した後濾過し、瀘液を濃縮した。濃縮したものをジクロロメタンと水で分液し、ジクロロメタン層を抽出した。そこに硫酸マグネシウムを入れて残った水を除去した後、硫酸マグネシウムを濾過して除き、ジクロロメタンを濃縮した。濃縮したものをヘキサンに滴下したところ、白色の固体(例示化合物(a)の粗生成物)が析出した。
この白色固体(例示化合物(a)の粗生成物)をメタノールに溶かし水を加えて再結晶して、例示化合物(a)を得た(収量:0.600g)。例示化合物(a)の化合物1からの収率は29%であった。
得られた例示化合物(a)の構造は、元素分析及びNMRにより同定した。測定結果は以下のとおりである。
〜元素分析結果(%)〜
Calcd for C17H20N4O : C, 68.89; H, 6.80; N, 18.90.
Found: C, 68.89; H, 7.01; N, 18.65.
〜NMR結果〜
1H NMR (CDCl3)δ7.22 (s, 2H), 7.03 (s, 2H), 6.79 (s, 2H), 5.17 (s, 4H), 2.25(s, 6H), 2.18 (3H)
〔実施例1〕
<テトラフルオロホウ酸イオンの呈色>
硫酸銅と例示化合物(a)とを1:2の比(モル比)で含む水/アセトニトリル溶液に、テトラフルオロホウ酸ナトリウム溶液を滴下していき、紫外可視吸収スペクトルの変化を観測した(図1)。
ここで、紫外可視吸収スペクトルは、日本分光(株)製のV570 UV-Vis.NIR supectrometerにて測定した。
図1に示すように、テトラフルオロホウ酸ナトリウム溶液の滴下前では、620nm付近に吸収極大が観測された(波形A)。ここで、波形Aは銅イオンの吸収を示す波形であり、このときの溶液の色は青色であった。
テトラフルオロホウ酸ナトリウムを滴下し、その滴下量を増加させるに従ってスペクトルの波形が除々に変化していき(破線の矢印)、吸収極大が550nm付近までシフトした波形(波形B)に収束した。ここで、波形Bは捕捉カプセル型分子の吸収を示す波形であり、このときの溶液の色は紫色であった。
以上のように、テトラフルオロホウ酸イオンを取り込んだ捕捉カプセル型分子の形成に伴い、溶液の色が青色から紫色に変化することが確認された。
以上により、例示化合物(a)及び硫酸銅を用い、水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンの検出を行うことができることが確認された。また、例示化合物(a)と硫酸銅との混合物がテトラフルオロホウ酸イオンの検出剤として有効であり、また、例示化合物(a)と硫酸銅との組み合わせがテトラフルオロホウ酸イオンの検出キットとして有効であることが確認された。
〔実施例2〕
<例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)を用いたBF4−の検出>
(試料1−1(ブランク)の調製)
3.6mg(1.2×10−5mol)の例示化合物(a)をサンプル瓶に量りとり、そこに、4mM(6×10−6mol)の硫酸銅(CuSO)を1.5ml滴下した。
更に、水1.5mlを滴下して試料1−1(ブランク)とした。
(試料1−2〜試料1−5の調製)
試料1−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(0.5mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料1−1の調製と同様にして、試料1−2(0.5mM NaBF)を調製した。
また、試料1−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(1mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料1−1の調製と同様にして、試料1−3を調製した。
また、試料1−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(2mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料1−1の調製と同様にして、試料1−4を調製した。
また、試料1−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(3mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料1−1の調製と同様にして、試料1−5を調製した。
前記試料1−1〜試料1−5の調製において、それぞれ、水1.5mlまたはテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液1.5mlの滴下から5分後の試料の色を目視で観察した。
試料1−1〜試料1−5の色を表1に示す。
また表1には、試料1−1〜試料1−5におけるモル比〔Cu2+:例示化合物(a):BF4−〕及びモル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕を併記した。
表1に示すように、NaBF濃度が1.0mM以下である試料1−1〜試料1−3では、試料の色は、Cu2+の色である青色であった。
これに対し、NaBF濃度が2.0mM以上である試料1−4及び試料1−5では、試料の色は捕捉カプセル型分子の色である紫色であった。
試料1−4及び試料1−5では、モル比〔Cu2+:例示化合物(a):BF4−〕がそれぞれ2:4:1及び2:4:1.5であることから、Cu2+2個と、例示化合物(a)4分子と、BF 1分子と、により捕捉カプセル型分子が形成され、この形成に伴い、捕捉カプセル型分子の色である紫色を呈することが確認された。
以上のように、本実施例2の系では、2.0mM以上の濃度のBF -を検出できることが確認された。
ここで、例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)の量を調整することで、検出したいBF の濃度(検出下限)を変更することもできる。例えば、例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)の量を1/2とすることで、1.0mM以上の濃度のBF -を検出することができる。また、未知のBF -濃度の溶液に対し、例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)を少しずつ添加していき、溶液の色が変化したときの例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)の量から、BF -濃度を定量することもできる。
〔実施例3〕
<例示化合物(a)及び塩化銅(II)(CuCl)を用いたBF4−の検出>
(試料2−1(ブランク)の調製)
3.6mg(1.2×10−5mol)の例示化合物(a)をサンプル瓶に量りとり、そこに、4mM(6×10−6mol)の塩化銅(II)(CuCl)を1.5ml滴下した。
更に、水1.5mlを滴下して試料2−1(ブランク)とした。
(試料2−2〜試料2−5の調製)
試料2−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(0.1mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料2−1の調製と同様にして、試料2−2(0.1mM NaBF)を調製した。
また、試料2−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(0.5mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料2−1の調製と同様にして、試料2−3を調製した。
また、試料2−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(1mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料2−1の調製と同様にして、試料2−4を調製した。
また、試料2−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(2mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料2−1の調製と同様にして、試料2−5を調製した。
また、試料2−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(3mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料2−1の調製と同様にして、試料2−6を調製した。
前記試料2−1〜試料2−6の調製において、それぞれ、水1.5mlまたはテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液1.5mlの滴下から5分後の試料の色を目視で観察した。
試料2−1〜試料2−6の色を表2に示す。
また表2には、試料2−1〜試料2−6におけるモル比〔Cu2+:例示化合物(a):BF4−〕及びモル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕を併記した。
表2に示すように、NaBF濃度が0.5mM以下である試料2−1〜試料2−3では、試料の色は、Cu2+の色である青色であった。
これに対し、NaBF濃度が1.0mM以上である試料2−4〜試料2−6では、試料の色は捕捉カプセル型分子の色である紫色であった。
表1及び表2に示すように、硫酸銅(CuSO)を用いた実施例2の検出下限は2.0mMであるのに対し、塩化銅(II)(CuCl)を用いた実施例3の検出下限は1.0mMであり、硫酸銅(CuSO)に代えて塩化銅(II)(CuCl)を用いることにより検出下限を下げる(即ち、検出感度を上げる)ことができることがわかった。
この原因については以下のことが考えられる。
即ち、目視による観察の結果、塩化銅(II)(CuCl)を用いた試料2−1(ブランク)の青色は、硫酸銅(CuSO)を用いた試料1−1(ブランク)の青色よりも濃い青色であり(具体的には、ブランク水溶液の吸収極大位置が、CuSOを用いた場合は577nm付近であったのに対し、CuClを用いた場合は587nm付近にシフトした)、これにより、色の判別をより行いやすくなったためと推測される。
〔実施例4〕
<例示化合物(a)及び硫酸銅(CuSO)を用いたBF4−の検出2>
実施例2に対し、硫酸銅(CuSO)の濃度を2倍(8mM(1.2×10−5mol))にしたこと以外は実施例2と同様の実験を行った。
試料の詳細を以下に説明する。
(試料3−1(ブランク)の調製)
3.6mg(1.2×10−5mol)の例示化合物(a)をサンプル瓶に量りとり、そこに、8mM(1.2×10−5mol)の硫酸銅(CuSO)を1.5ml滴下した。
更に、水1.5mlを滴下して試料3−1(ブランク)とした。
(試料3−2〜試料3−5の調製)
試料3−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(0.5mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料3−1の調製と同様にして、試料3−2(0.5mM NaBF)を調製した。
また、試料3−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(1mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料3−1の調製と同様にして、試料3−3を調製した。
また、試料3−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(2mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料3−1の調製と同様にして、試料3−4を調製した。
また、試料3−1の調製において、水1.5mlに代えてテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液(3mM)1.5mlを滴下したこと以外は試料3−1の調製と同様にして、試料3−5を調製した。
前記試料3−1〜試料3−5の調製において、それぞれ、水1.5mlまたはテトラフルオロホウ酸ナトリウム水溶液1.5mlの滴下から5分後の試料の色を目視で観察した。
試料3−1〜試料3−5の色を表1に示す。
また表1には、試料3−1〜試料3−5におけるモル比〔Cu2+:例示化合物(a):BF4−〕及びモル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕を併記した。
表3に示すように、NaBF濃度が0.5mM以下である試料3−1及び試料3−2では、試料の色は、Cu2+の色である青色であった。
これに対し、NaBF濃度が1.0mM以上である試料3−3〜試料3−5では、試料の色は捕捉カプセル型分子の色である紫色であった。
表1及び表3に示すように、モル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕が0.5である実施例2の検出下限は2.0mMであるのに対し、モル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕が1.0である実施例4の検出下限は1.0mMであり、モル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕を1.0とすることにより、モル比〔Cu2+/例示化合物(a)〕を0.5とした場合と比較して、検出下限を下げる(即ち、検出感度を上げる)ことができることがわかった。
この原因については、前述の実施例3の場合と同様に、ブランクの色の濃度を濃くすることによって、色の判別をより行いやすくなったためと推測される。

Claims (13)

  1. 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出剤であって、
    下記一般式(I)で表される化合物と、
    平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物と、
    を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。

    [式中、R、R、及びRのうち1つは、Rに対してメタ位又はパラ位にあるRであり、R及びRは互いに独立して下記の複素環置換基を表し、

    、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。但し、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
    前記複素環置換基のうち、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Aは、窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基を表す。]
  2. 前記金属塩又はその水和物が、硫酸銅(CuSO)及び塩化第二銅(CuCl)の少なくとも一方又はその水和物である請求項1記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
  3. 前記金属塩又はその水和物が、塩化第二銅(CuCl)又はその水和物である請求項1又は請求項2記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
  4. 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.1〜2.0である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
  5. 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5〜1.5である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤。
  6. 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出キットであって、
    下記一般式(I)で表される化合物と、
    平面四配位若しくは正八面体配位可能な金属イオンを含む金属塩又はその水和物と、
    を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。

    [式中、R、R、及びRのうち1つは、Rに対してメタ位又はパラ位にあるRであり、R及びRは互いに独立して下記の複素環置換基を表し、

    、R、R、R及びRのうち、Rを除いた残りは、それぞれ独立に、水酸基、水素原子、炭素数1〜30の置換若しくは未置換の脂肪族基、又はスルホン酸基を表す。但し、R、R、R、R及びRからRを除いた残りのうち、少なくとも1つは水酸基である。
    前記複素環置換基のうち、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Aは、窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環基を表す。]
  7. 前記金属塩又はその水和物が、硫酸銅(CuSO)及び塩化第二銅(CuCl)の少なくとも一方又はその水和物である請求項6記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  8. 前記金属塩又はその水和物が、塩化第二銅(CuCl)又はその水和物である請求項6又は請求項7記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  9. 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.1〜2.0である請求項6〜請求項8のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  10. 前記一般式(I)で表される化合物に対する前記金属イオンのモル比〔前記金属イオンのモル数/前記一般式(I)で表される化合物のモル数〕が0.5〜1.5である請求項6〜請求項9のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  11. 更に、前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物と前記水系試料とを接触させるための試験容器を含む請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  12. 水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出キットであって、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤と、
    前記一般式(I)で表される化合物と前記金属塩又はその水和物と前記水系試料とを接触させるための試験容器と、
    を含むテトラフルオロホウ酸イオン検出キット。
  13. 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出剤又は請求項6〜請求項12のいずれか1項記載のテトラフルオロホウ酸イオン検出キットを用いて水系試料中のテトラフルオロホウ酸イオンを検出する方法であって、
    前記一般式(I)で表される化合物と、前記金属塩又はその水和物と、前記水系試料と、を接触させ、水系試料の色の変化によりテトラフルオロホウ酸イオンを検出するテトラフルオロホウ酸イオン検出方法。
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