JP2012026937A - 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム - Google Patents

送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2012026937A
JP2012026937A JP2010167531A JP2010167531A JP2012026937A JP 2012026937 A JP2012026937 A JP 2012026937A JP 2010167531 A JP2010167531 A JP 2010167531A JP 2010167531 A JP2010167531 A JP 2010167531A JP 2012026937 A JP2012026937 A JP 2012026937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
liquid
target pressure
flow rate
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010167531A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Egawa
浩司 江川
Akira Sezaki
明 瀬崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
Arkray Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkray Inc filed Critical Arkray Inc
Priority to JP2010167531A priority Critical patent/JP2012026937A/ja
Publication of JP2012026937A publication Critical patent/JP2012026937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Abstract

【課題】従来の装置を流用しつつ分析に要する時間を短縮する。
【解決手段】記憶されている目標圧力を目標として送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くして送液し(S101)、目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する(S103)。送液開始時の流量が比較的多くなるため、圧力が速やかに上昇する。また、目標圧力に達した後に流量を減少させることで、圧力が過剰に高くなることがない。
【選択図】図3

Description

本発明は、送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラムに関する。
液体クロマトグラフィ装置では、溶離液を一定の流量でカラムへ送液し、カラムで分離された成分を吸光度計などで検出している。ここで、検出結果を早く得るためには、溶離液の流量を多くすることが有効であるが、この流量に追従して分離可能なカラムが必要となる。また、溶離液の流量の増加に伴い該溶離液の圧力も上昇するため、溶離液が流通する箇所では、この圧力に耐えることが要求される。
ここで、試料、吸着液、溶離液等を予めガスを用いて加圧して加圧タンクに蓄え、加圧タンクの流出路上に流量調整弁と流量検出器を配置しておき、流量が設定値となるように流量調整弁を調整する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、低流量送液用ポンプの加圧用プランジャと安定送液用プランジャとを、流路切り替えバルブを介して直列に接続し、この流路切り替えバルブにより、加圧用プランジャと安定送液用プランジャとの接続、分離を行なうと共に送液圧力を制御して、ピークパーキングを行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
これらの従来技術は、ポンプまたは調整弁を追加する必要があり、溶離液などの流路も専用のものが必要となる。また、装置が高圧に耐える必要があるため、高価になると共に装置が大型化する虞もある。
ところで、溶離液の送液時に脈動が発生することにより、検出器による検出結果にノイズが現れることがある。この脈動を軽減するためには、ダンパーを設けることが有効である。しかし、溶離液を一定流量で送液した場合には、脈動の軽減効果が大きいダンパーほど、圧力が安定するまでに時間を要する。この圧力が安定するまでの時間が長くなると、分析に要する時間が長くなる。これにより、溶離液の消費量が多くなる。
特開2000−146933号公報 特開2007−127562号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の装置を流用しつつ分析に要する時間を短縮することにある。
上記課題を達成するために本発明による送液方法は、
記憶されている目標圧力を目標として送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くして送液する開始時送液ステップと、
前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時送液ステップと、
を含む。
そうすると、送液開始時の流量が比較的多くなるため、液体の圧力を速やかに上昇させることができる。このため、液体の圧力を目標圧力に速やかに到達させることができる。また、送液開始時の流量を多くして、その後に流量を減少させることで、圧力が過剰に高くなることを抑制できる。なお、「流量」は、たとえば、単位時間当たりにカラムに対して送出する送液量としてもよい。
また、本発明においては、前記通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力を次回以降の目標圧力として記憶する目標圧力記憶ステップを含んでもよい。
ここで、液体の供給先の経年変化や個体差により、同じ条件で送液を行っても圧力が安定するときの該圧力は変化する。このため、目標圧力を固定値とすると、実際に安定する圧力と目標圧力との差が大きくなる場合がある。また、目標圧力に達した後の流量を目標圧力に達する前の流量よりも少なくしても、圧力が一定となるまでに時間を要する場合がある。圧力が一定となる前の圧力を目標圧力に設定すると、実際に安定する圧力と目標圧力との差が大きくなる場合がある。そして、実際に安定する圧力と目標圧力との差が大きくなると、目標圧力に向かって送液を開始して目標圧力となっても、その後に圧力が安定するまでにかかる時間が長くなってしまう。これに対し、「通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力」は、経年変化や固体差などの影響が反映された圧力であるため、実際に安定する圧力に近い圧力である。このため、「通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力」を次回以降の目標圧力として設定すれば、次回以降は速やかに目標圧力に合わせることができる。
なお、圧力が一定とは、圧力の変動がないとき、または圧力の変動が許容範囲内となっているときを意味する。
また、液体の圧力が一定となった後の圧力を次回以降の目標圧力として記憶するため、送液開始時には、前回の送液時に記憶された圧力を目標圧力としてもよく、それ以前の送液時に記憶された圧力を目標圧力としてもよい。
また、前記目標圧力は、送液終了時の圧力であってもよい。すなわち、液体の圧力が一定となった後の圧力であって前回の送液終了時の圧力であれば、そのときのシステムの状態が反映されていると考えられる。このため、このときの圧力を次回以降の目標圧力とすることで、次回以降の送液時に実際に一定となる圧力に近い圧力を目標とすることが可能となるので、圧力を速やかに安定させることができる。
また、上記課題を達成するために本発明による液体クロマトグラフィ装置の制御方法は、
前記送液方法を、溶離液をカラムへ送液する方法として含む。
すなわち、前記送液方法を、溶離液をカラムへ送液する液体クロマトグラフィ装置の制御方法に適用することで、溶離液の圧力を速やかに上昇させることができるため、試料の分離を速やかに開始及び完了することができる。これにより、試料の分析に要する時間を短縮することができる。そうすると、溶離液の使用量を減少させることができる。
なお、溶離液の圧力が目標圧力に達した後であって該溶離液の圧力が一定となってから、試料をカラムへ供給してもよい。溶離液の圧力が一定となるまえに試料をカラムへ導入しても、精度の高い分析は望めないため、溶離液の圧力が一定となった後に試料をカラムへ供給することで、分析精度を向上させることができる。また、溶離液の圧力が一定とな
るまでの時間が短縮されているため、試料をカラムへ速やかに供給することが可能である。
また、前記目標圧力は、試料の分離が完了した後の圧力であってもよい。すなわち、試料の分離は、溶離液の送液開始から十分に時間が経って圧力が一定となっているときに行われるため、このときの圧力を次回以降の目標圧力として記憶しておけば、次回以降の送液時に溶離液の圧力を速やかに安定させることができる。
また、上記課題を達成するために本発明による送液装置は、
送液部と、
記憶されている目標圧力を目標として前記送液部により送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くする開始時制御部と、
前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時制御部と、
を備える。
また、本発明においては、前記送液部により送液された液体の圧力を測定する測定部を備えることができる。
また、本発明においては、前記通常時制御部によって送液が行なわれているときであって、液体の圧力が一定となっているときの圧力を次回以降の目標圧力として記憶する記憶部を備えることができる。
なお、前記目標圧力は、送液終了時の圧力であってもよい。
また、上記課題を達成するために本発明による液体クロマトグラフィ装置は、
前記送液装置と、
試料を分離するカラムと、
を備え、
前記送液装置は、溶離液をカラムへ送液する。
なお、溶離液の圧力が目標圧力に達した後であって該溶離液の圧力が一定となってから、試料をカラムへ供給してもよい。
また、前記目標圧力は、試料の分離が完了した後の圧力であってもよい。
また、上記課題を達成するために本発明によるプログラムは、
記憶されている目標圧力を目標として送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くして送液する開始時送液ステップと、
前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時送液ステップと、
をコンピュータに実行させる。
また、本発明においては、前記通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力を次回以降の目標圧力として記憶する目標圧力記憶ステップをコンピュータに実行させてもよい。
また、前記目標圧力は、送液終了時の圧力であってもよい。
本発明によれば、従来の装置を流用しつつ分析に要する時間を短縮することができる。
実施例に係る液体クロマトグラフィ装置の一例を示している。 流路内の圧力の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係る制御フローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、及びプログラムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る液体クロマトグラフィ装置の一例を示している。液体クロマトグラフィ装置1は、カラム2、検出器3、送液ポンプ4、インジェクションバルブ5、吸引ポンプ6、圧力センサ7、及び流路8を備えている。この液体クロマトグラフィ装置1は、移動相である溶離液Aを用いて試料Bを分離して成分分析を行う。
カラム2は、導入された試料Bを吸着させるための充填材を収容している。充填材に試料Bを吸着させた後に、カラム2に溶離液Aを導入すると、吸着された試料Bは溶離液Aによって脱着される。さらに、脱着された試料Bと溶離液Aは脱着液として検出器3へ向けて排出される。
検出器3は、流路8を介してカラム2の下流側に接続されている。たとえば、カラム2内を流れる脱着液の吸光度を測定することにより試料Bの成分を分析する。なお、試料Bの分析方法については、吸光度を測定するものに限定されない。
送液ポンプ4は、溶離液Aが収容された溶離液容器11に流路8を介して接続されている。そして、送液ポンプ4は、溶離液Aを溶離液容器11からカラム2へ送り出すように構成されている。また、この送液ポンプ4は、インジェクションバルブ5内の試料Bをカラム2に送り込む際にも使用される。送液ポンプ4は、吐出量を変更可能に構成されている。送液ポンプ4は、たとえばプランジャポンプであるが、吐出量を変更可能な他のポンプ(たとえばシリンジポンプ)であってもよい。送液ポンプ4の出口側は、流路8を介してインジェクションバルブ5に接続されている。なお、本実施例においては送液ポンプ4が、本発明における送液部に相当する。
インジェクションバルブ5は、送液ポンプ4、カラム2、試料Bを収容する試料容器12、及び吸引ポンプ6とそれぞれ流路8を介して接続されており、送液ポンプ4が溶離液Aをカラム2へ送り出す際や、試料Bをカラム2に送り出す際に、前記各要素と適宜の連結態様をとる。
インジェクションバルブ5は、吸引ポンプ6と共働して一定量の試料Bを採取するとともに、この試料Bをカラム2に導入することができる。
圧力センサ7は、送液ポンプ4とインジェクションバルブ5との間の流路8内の圧力を測定する。すなわち、圧力センサ7は、送液ポンプ4から吐出される溶離液Aの圧力を測定する。なお、圧力センサ7は、インジェクションバルブ5とカラム2との間の流路8内の圧力を測定してもよい。また、カラム2またはインジェクションバルブ5内の圧力を測定してもよい。さらに、送液ポンプ4とカラム2との間に溶離液Aの脈動を抑えるダンパ
ーが接続される場合には、該ダンパー内の圧力を測定してもよい。なお、本実施例においては圧力センサ7が、本発明における測定部に相当する。
また、液体クロマトグラフィ装置1には、制御装置10が備えられている。制御装置10は、検出器3、送液ポンプ4、インジェクションバルブ5、及び吸引ポンプ6を制御する。また、制御装置10には、圧力センサ7からの信号が入力される。制御装置10にはコンピュータ及び記録媒体が備わり、該記録媒体には各種プログラムが記録されている。
このように構成された液体クロマトグラフィ装置1では、分析開始の指示が確認された場合には、インジェクションバルブ5に対して溶離液Aが供給される。溶離液Aは、送液ポンプ4の動力により、溶離液容器11から流路8を介してインジェクションバルブ5に供給される。
インジェクションバルブ5に供給された溶離液Aは、流路8を介してカラム2に供給される。その後、インジェクションバルブ5の切替操作を行うことにより、試料Bが溶離液Aとともにカラム2に導入される。試料Bの導入開始から一定時間経過した場合には、インジェクションバルブ5の切替操作を行うことにより、カラム2に対して引き続き溶離液Aを供給する。
一方、カラム2においては、試料Bが導入されることにより、充填剤に試料B中の成分が吸着する。充填剤に試料B中の成分を吸着させた後においては、カラム2に供給する溶離液Aの種類を適宜切り替え、充填剤に吸着した試料B中の成分を脱着させる。
カラム2から排出される試料B中の成分を含む脱着液は、流路8を介して検出器3に供給される。検出器3では、たとえば脱着液の吸光度を測定することにより試料Bの成分を分析する。
そして本実施例に係る制御装置10は、試料Bの成分分析の終了時に圧力センサ7により得られる圧力を記憶する。なお、記憶される圧力は、圧力が安定しているときの圧力、または圧力が一定となっているときの圧力としてもよい。また、送液ポンプ4が停止される直前の圧力、または送液終了時の圧力としてもよい。また、たとえば10秒間の圧力変動が所定の値以下となっているときに圧力が一定になっているとみなして、このときに測定される圧力を目標圧力としてもよい。
ここで、送液ポンプ4を作動させてから圧力が安定するまでには時間を要し、この間に成分分析を行なっても精度が低くなるため、この間はカラム2へ試料Bを導入していない。すなわち、溶離液Aの圧力が安定した後に、カラム2へ試料Bを導入する。このため、試料Bの成分分析の終了時には、溶離液Aの圧力が安定していることになる。この成分分析の終了時の圧力は、カラム2や、他の装置の個体差や経年変化によって変化するため、たとえば、試料の成分分析を行うたびに終了時の圧力を記憶してもよい。また、経年変化による影響が無視できないほど大きくなる回数の成分分析を行った後の圧力を記憶してもよい。さらには、所定の回数の成分分析を行った後の圧力を記憶してもよい。
このようにして記憶されている圧力を、次回の成分分析の開始時、すなわち送液ポンプ4からの送液開始時の目標圧力に設定する。そして、成分分析の開始時には、通常よりも送液ポンプ4の吐出量を増加させる。すなわち、通常よりも溶離液Aの流量を増加させる。ここでいう通常とは、目標圧力に達した後の状態を指し、カラム2へ試料Bを導入しているとき、または、カラム2にて試料Bを分離させるときとしてもよい。また、溶離液Aの圧力が一定となっているときとしてもよい。このように、溶離液Aの圧力が目標圧力となる前は、目標圧力となった後よりも、溶離液Aの流量を増加させている。
なお、以前の成分分析の終了時の圧力を目標圧力とすることに代えて、以前の成分分析の終了時の圧力と相関のある値を目標圧力としてもよい。たとえば、以前の成分分析の終了時の圧力に対して、所定値もしくは所定割合だけ大きい値または小さい値としてもよい。また、成分分析の開始時において送液ポンプ4の吐出量を通常よりも増加させる度合いは、例えば、適正値をポンプの物理的な動作限界等により求めることができるが、これには限定されない。
また、送液ポンプ4の吐出量の増加は、たとえばプランジャポンプの場合には、単位時間あたりのストローク数を増加させたり、ストローク長を増加させたりすることにより行なわれる。また、目標圧力に達した後は、予め設定してあるストローク数及びストローク長で固定することで、圧力を一定に維持する。目標圧力に達した後のストローク数及びストローク長は、カラム2における試料Bの分離に適した値に設定される。
成分分析の開始時、すなわち、通常よりも送液ポンプ4の吐出量を増加させているときには、圧力センサ7を用いて圧力を監視する。なお、目標圧力まで上昇させるときに、溶離液Aの圧力が目標圧力と一致するように、送液ポンプ4の吐出量をフィードバック制御してもよい。また、送液ポンプ4の吐出量を増加させる期間には、上限値を設定してもよい。たとえば、送液ポンプ4にプランジャポンプを採用している場合には、送液ポンプ4の吐出量を増加させるときのストローク数に上限値(たとえば90ストローク)を設けてもよい。
そして、流路8内の圧力が目標圧力となった後は、送液ポンプ4の吐出量を減少させて、通常の吐出量とする。しかし圧力が安定するまでには時間を要するため、圧力が安定しているか否かを圧力センサ7を用いてさらに監視する。そして、圧力の変動が許容範囲内となれば、圧力が安定したとみなす。なお、溶離液Aの圧力が目標圧力となった後、圧力が安定するまでに待つ時間には上限値を設定してもよい。
そして、溶離液Aの圧力が安定すればカラム2において分離が可能となるため、制御装置10は、試料Bをカラム2へ充填する動作を開始する。すなわち、インジェクションバルブ5の切替操作により、試料Bがカラム2へ導入される。その後、カラム2にて分離された試料Bが、検出器3において分析される。
なお、新品状態で初めて溶離液Aを送液するときや、液体クロマトグラフィ装置1のリセット後など、制御装置10に目標圧力が記憶されていない場合には、通常の流量にて送液を開始してもよく、予め設定しておいた規定値を目標圧力としてもよい。この規定値は、圧力が過剰に高くならないように目標圧力が変化し得る範囲で比較的小さな値としてもよく、この範囲よりもさらに小さな値としてもよい。
ここで、図2は、流路8内の圧力の推移を示したタイムチャートである。なお、実線は、成分分析の開始時に送液ポンプ4の吐出量を通常よりも増加させた場合を示し、一点鎖線は、成分分析の開始時から送液ポンプ4の吐出量を通常の量で一定とした場合を示している。
時刻が0のときに、送液ポンプ4が作動を開始し、送液が開始される。本実施例では、このときに、以前の成分分析の終了時の圧力を目標圧力とし、さらに、送液ポンプ4の吐出量が通常よりも増加される(実線)。このため、送液ポンプ4の吐出量を通常の量で一定とした場合(一点鎖線)よりも、溶離液Aの圧力の上昇率が高い。
そして、本実施例に係る液体クロマトグラフィ装置1では、T1で示される時刻のとき
に溶離液Aの圧力が目標圧力に達し、同時に、送液ポンプ4の吐出量が通常の量とされる。このときに、溶離液Aの圧力は目標圧力を超えているため、圧力が安定するまでにある程度の時間を要する。そして、たとえば10秒間の圧力変動が所定の値以下ときに圧力が安定しているとみなされる。圧力が安定したとみなされる時刻はT2で示される。すなわち、本実施例ではT2で示される時刻において圧力が安定する。そして、圧力が安定することにより、カラム2において試料Bの分離が可能となる。このときに、送液ポンプ4の吐出量を通常の量で一定とした場合(一点鎖線)では、まだ分離に必要な圧力に達していないため、カラム2において試料Bを分離させることができない。すなわち、成分分析の開始時に送液ポンプ4の吐出量を通常よりも増加させた場合(実線)には、成分分析の開始時から送液ポンプ4の吐出量を通常の量で一定とした場合(一点鎖線)よりも、早期にカラム2へ試料Bを導入することができる。
そして本実施例では、T2で示される時刻の後、試料Bの充填が開始され、T3で示される時刻に試料Bの分離が完了する。そして、このT3で示される時刻において圧力センサ7により測定される圧力が、次回の目標圧力として制御装置10に記憶される。なお、目標圧力は、T3で示される時刻以降で且つ送液ポンプ4が停止される前の圧力であってもよい。また、T2で示される時刻以降で且つT3で示される時刻よりも前の圧力であってもよい。このように、カラム2において試料Bを分離可能な圧力で安定するまでの時間が従来よりも短縮されるため、試料Bの分析を速やかに完了させることができる。
次に、図3は、本実施例に係る制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、ユーザがたとえば液体クロマトグラフィ装置1に備わる分析開始ボタンを押したときに制御装置10により実行される。このプログラムは制御装置10に備わる記録媒体に記録されている。
ステップS101では、通常よりも吐出量を増加させて送液ポンプ4の作動が開始される。すなわち、送液開始時の溶離液Aの流量が通常よりも増加される。なお、本実施例においてはステップS101が、本発明における開始時送液ステップに相当する。また、本実施例においてはステップS101を処理する制御装置10が、本発明における開始時制御部に相当する。
ステップS102では、圧力センサ7により測定される圧力が、記憶されている目標圧力以上であるか否か判定される。すなわち、溶離液Aの圧力が目標圧力に達したか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS102を再度実行する。
ステップS103では、送液ポンプ4の吐出量を減少させて通常の量とする。すなわち、目標圧力に達した後の溶離液Aの流量が通常の量とされる。なお、本実施例においてはステップS103が、本発明における通常時送液ステップに相当する。また、本実施例においてはステップS103を処理する制御装置10が、本発明における通常時制御部に相当する。
ステップS104では、圧力センサ7により測定される圧力が安定しているか否か判定される。たとえば、10秒間の圧力変動が所定の値以下であるか否か判定される。すなわち、試料Bをカラム2へ供給可能な状態であるか否か判定される。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS104を再度実行する。
ステップS105では、インジェクションバルブ5を操作して、試料Bの充填が開始される。
ステップS106では、カラム2にて試料Bの分離が完了したか否か判定される。たとえば、試料Bの充填が開始されてから規定の時間が経過したか否か判定される。この規定の時間は、試料Bの分離に要する時間として予め実験等により求めて制御装置10に記憶させておく。ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS106を再度実行する。
ステップS107では、圧力センサ7により測定される圧力が次回の目標圧力として記憶される。なお、本実施例においてはステップS107が、本発明における目標圧力記憶ステップに相当する。また、本実施例においてはステップS107を処理する制御装置10が、本発明における記憶部に相当する。
以上説明したように本実施例によれば、ユーザが特別な操作を行うことなく、成分分析をより短時間で行うことができる。また、各装置内の圧力が目標圧力近傍に抑えられるため、各装置に対して耐圧対策を行う必要がない。このため、装置の小型化が可能となる。また、従来の装置に対して、制御装置10のみを交換すればよく、従来の流路などをそのまま用いることができる。そのため、簡単且つ安価に成分分析にかかる時間を短縮することが可能となる。また、溶離液Aの送液時に安定する圧力が経年変化などにより変化した場合であっても、それに合わせて目標圧力を変化させることができるため、目標圧力を適切に設定することができる。
また、脈動軽減効果の高いダンパーを流路8に備えたとしても、圧力が安定するまでの時間を短縮することができるので、成分分析の精度を向上させることができる。
さらに、圧力が安定するまでの時間を短縮することができるため、溶離液Aの消費量も少なくなるので、ランニングコストを軽減することができる。
1 液体クロマトグラフィ装置
2 カラム
3 検出器
4 送液ポンプ
5 インジェクションバルブ
6 吸引ポンプ
7 圧力センサ
8 流路
10 制御装置
11 溶離液容器
12 試料容器
A 溶離液
B 試料

Claims (16)

  1. 記憶されている目標圧力を目標として送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くして送液する開始時送液ステップと、
    前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時送液ステップと、
    を含む送液方法。
  2. 前記通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力を次回以降の目標圧力として記憶する目標圧力記憶ステップを含む請求項1に記載の送液方法。
  3. 前記目標圧力は、送液終了時の圧力である請求項1または2に記載の送液方法。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の送液方法を、溶離液をカラムへ送液する方法として含む液体クロマトグラフィ装置の制御方法。
  5. 溶離液の圧力が目標圧力に達した後であって該溶離液の圧力が一定となってから、試料をカラムへ供給する請求項4に記載の液体クロマトグラフィ装置の制御方法。
  6. 前記目標圧力は、試料の分離が完了した後の圧力である請求項4または5に記載の液体クロマトグラフィ装置の制御方法。
  7. 送液部と、
    記憶されている目標圧力を目標として前記送液部により送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くする開始時制御部と、
    前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時制御部と、
    を備える送液装置。
  8. 前記送液部により送液された液体の圧力を測定する測定部を備える請求項7に記載の送液装置。
  9. 前記通常時制御部によって送液が行なわれているときであって、液体の圧力が一定となっているときの圧力を次回以降の目標圧力として記憶する記憶部を備える請求項7または8に記載の送液装置。
  10. 前記目標圧力は、送液終了時の圧力である請求項7から9の何れか1項に記載の送液装置。
  11. 請求項7から10の何れか1項に記載の送液装置と、
    試料を分離するカラムと、
    を備え、
    前記送液装置は、溶離液をカラムへ送液する液体クロマトグラフィ装置。
  12. 溶離液の圧力が目標圧力に達した後であって該溶離液の圧力が一定となってから、試料をカラムへ供給する請求項11に記載の液体クロマトグラフィ装置。
  13. 前記目標圧力は、試料の分離が完了した後の圧力である請求項10から12の何れか1項に記載の液体クロマトグラフィ装置。
  14. 記憶されている目標圧力を目標として送液を開始すると共に、前記目標圧力に達する前の流量を該目標圧力に達した後の流量よりも多くして送液する開始時送液ステップと、
    前記目標圧力に達した後の流量を該目標圧力に達する前の流量よりも少なくして送液する通常時送液ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 前記通常時送液ステップにおいて液体の圧力が一定となった後の圧力を次回以降の目標圧力として記憶する目標圧力記憶ステップをコンピュータに実行させるための請求項14に記載のプログラム。
  16. 前記目標圧力は、送液終了時の圧力である請求項14または15に記載のプログラム。
JP2010167531A 2010-07-26 2010-07-26 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム Pending JP2012026937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010167531A JP2012026937A (ja) 2010-07-26 2010-07-26 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010167531A JP2012026937A (ja) 2010-07-26 2010-07-26 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012026937A true JP2012026937A (ja) 2012-02-09

Family

ID=45780022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010167531A Pending JP2012026937A (ja) 2010-07-26 2010-07-26 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012026937A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63176681A (ja) * 1987-01-17 1988-07-20 Japan Spectroscopic Co 往復ポンプ
JPH0618504A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Kyoto Daiichi Kagaku:Kk 高速液体クロマトグラフィーによる測定値の安定化方法
JP2007057539A (ja) * 2006-10-02 2007-03-08 Hitachi High-Technologies Corp 液体クロマトグラフ装置
JP2007127562A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Hitachi High-Technologies Corp 送液ポンプ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63176681A (ja) * 1987-01-17 1988-07-20 Japan Spectroscopic Co 往復ポンプ
JPH0618504A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Kyoto Daiichi Kagaku:Kk 高速液体クロマトグラフィーによる測定値の安定化方法
JP2007127562A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Hitachi High-Technologies Corp 送液ポンプ
JP2007057539A (ja) * 2006-10-02 2007-03-08 Hitachi High-Technologies Corp 液体クロマトグラフ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5152406B2 (ja) 液体クロマトグラフ
US9618485B2 (en) HPLC-system with variable flow rate
US7670480B2 (en) Solvent supply with correction of piston movement
JP4377900B2 (ja) 液体クロマトグラフ装置
JP2006017590A (ja) 送液システム
JP5154756B2 (ja) 溶剤供給システム、溶剤を供給する方法、及び、そのソフトウェアプログラム
KR102450258B1 (ko) 디스펜싱 제어 장치 및 그에 의한 접착제 토출 제어 방법
US8182680B2 (en) Primary piston correction during transfer
US20150285239A1 (en) Determination of a fluid loss of a piston pump based on evacuation time variation
JP2009085897A (ja) 液体クロマトグラフ装置および液体クロマトグラフ分析方法
US20200278329A1 (en) Liquid feeding device and fluid chromatograph
JP6439881B2 (ja) 送液装置
CN110621878B (zh) 送液装置
JP4077674B2 (ja) ナノ/ミクロ液体クロマトグラフのグラジエント送液装置および送液方法
JP2010276350A (ja) 送液装置および液体クロマトグラフ装置
JP4577280B2 (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置
JP2012026937A (ja) 送液方法、液体クロマトグラフィ装置の制御方法、送液装置、液体クロマトグラフィ装置、及びプログラム
JP4597841B2 (ja) 送液ポンプ
JP2009031113A (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置
CN108469476B (zh) 色谱仪
JP2011179962A (ja) 高速液体クロマトグラフ装置及び高速液体クロマトグラフ装置の液体送液方法
US20030019816A1 (en) Apparatus and a method for treating a sample by planar separation using controlled pressurized flow
JP5957973B2 (ja) 微小流量送液方法および前記方法を利用した装置
JP2008070125A (ja) 液体クロマトグラフにおける試料注入方法及び液体クロマトグラフ
JP2006126089A (ja) 送液ポンプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150623