JP2012025915A - 発泡体とその製造方法並びにその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点の異なる複数の軟質熱可塑性樹脂を含む発泡性樹脂組成物を押出機11の口金13から押し出して内部に連続気泡を形成しつつ、口金13から押出発泡された吐出発泡体に、ノズル14から水を噴霧して急冷して独立気泡を形成した後、未だ気泡が成長過程の発泡体に、回転ロール15の針16を侵入させて発泡体の内部のガスを放出させる。この方法により、内部の連続気泡相と、連続気泡相の周囲に形成された独立気泡相と、この独立気泡相の表面に形成されたスキン層とを備えた発泡体が得られる。
【選択図】図2
Description
(式中、Wは試験片の質量(g)、Vは試験片の体積(cm3)を示す)
なお、通常、発泡体の表面にはスキン層が形成されている。そのため、スキン層により非浸透性又は非透過性(バリア性)を確保でき、止水性及びシール性を高めることができる。
前記構造の発泡体は、前記発泡性樹脂組成物を押し出して発泡させる発泡工程と、押し出された発泡体の表面を急冷する急冷工程と、発泡体の内部に針を侵入させ(又は突き刺して)て内部のガスを逃散又は放出させるガス開放工程とを経ることにより製造できる。本発明の方法は、さらに、ガス開放工程の後、発泡体を養生させる養生工程を有していてもよい。
発泡工程では、口金からの押し出しに伴って吐出した溶融物は発泡・膨張し、気泡が成長する。その際、口金から吐出された吐出発泡体(溶融状態の発泡体)が連続気泡を形成する押出温度領域(金型温度が口金温度よりも高い条件)で押出発泡させている。金型温度は口金温度よりも高ければよく、金型温度は、樹脂の種類に応じて、例えば、60〜200℃(好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは80〜160℃)程度である。具体的には、ポリエチレンを用いる場合、金型温度は、例えば、70〜200℃、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90〜120℃程度である。金型温度と口金温度との温度差は、例えば、1〜50℃(例えば、20〜40℃)、好ましくは2〜30℃、さらに好ましくは3〜20℃(例えば、5〜10℃)程度であってもよい。
口金から押出発泡された吐出発泡体(溶融状態の発泡体)の周面を急冷することにより、融点の異なる複数の樹脂のうち高融点の樹脂が吐出発泡体の表面で固化し、スキン層が形成されるとともに、表層部では、気泡内のガスによる被膜破壊(セルの破壊)が抑制され、独立気泡が形成される。なお、吐出発泡体の内部は熱く流動性を有している(又は溶融状態である)ため、気泡が成長し、この気泡の成長過程で、吐出発泡体の内部に連続気泡が形成される。そのため、通常、口金から押し出された吐出発泡体は、気泡の成長過程でその表面が冷却又は急冷される。このような冷却又は急冷工程により、内部に主に連通気泡(又は連続気泡)の気泡構造を有する連続気泡相が形成され、この連続気泡相の周囲に主に独立気泡の気泡構造を有する独立気泡相が形成される。
前記冷却工程を経た吐出発泡体では、内部の連通気泡(連続気泡)の形成に寄与した発泡ガスが発泡体の内部に溜まり、外部に放出できないため、内部でのガス圧の上昇とともに、内部の連続気泡セルを破壊し、空洞が形成され、商品価値を損なう。
内部ガスの放出により発泡体の内部の圧力が大気圧と平衡になると、針孔が塞がれ、非透過性又は非浸透性の発泡体が得られる。針孔が塞がれる原因は明確ではないが、独立気泡相の弾力性により針孔が塞がれること、未だ発泡体の内部が熱いため、独立気泡相の針孔部が融着して針孔が塞がれることが考えられる。なお、確実に針孔を塞ぐには、発泡体の内部に針を刺した後、発泡体を養生するのが好ましい。
タンデム押出機(1段目:φ50mm、2段目:φ65mm)に下記処方の樹脂組成物を投入し、1段目の押出機の途中からブタンガス8重量部をポンプで加圧注入し、2段目の押出機内で発泡領域まで冷却して金型温度102℃>口金温度97℃の温度で口金から押出し、口金から押出した後、吐出発泡体の外周に、水の水量40g/分で水を霧状に噴霧した後、ドラム(外径100mmφ)の外周方向に等間隔に8本の針(φ1.0mm×長さ12mm)を取り付けた回転ドラムを吐出発泡体の側面に当てて針を侵入させ、内部発泡ガスを排出し、長尺の発泡体(断面の幅20mm×厚み28mm)を得た。なお、口金から吐出した直後の吐出発泡体の表面温度(A)と、口金から下流方向に距離10cm離れて位置し、ノズルからの水噴霧による急冷部での吐出発泡体の表面温度(B)と、急冷部から距離20cm離れた下流部に針を備えた回転ドラムを配設して発泡体を突き刺し、この回転ドラムから距離200cm離れた下流部(C)での発泡体の内部温度を遠赤外線温度測定装置(横河電機(株)製、53007−J)で測定した。その結果、表面温度(A)は84℃、表面温度(B)は55℃、内部温度(C)は74℃であった。
LDPE(東ソー(株),ペトロセン202)90重量部
EVA:エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)、ウルトラセン631)10重量部
収縮防止剤(ステアリン酸モノグリセライド、ベーリンガーインゲルハイムケミカルズ(株)アクティベックス325)3重量部
核剤(永和化成(株)、EE275)1.2重量部
比較例1
回転ドラムを用いることなく、実施例1と同様にして発泡体を得た。
以下の処方の樹脂組成物を用いる以外、実施例1と同様にして発泡体を得た。
LDPE(東ソー(株),ペトロセン202)100重量部
収縮防止剤(ベーリンガーインゲルハイムケミカルズ(株)アクティベックス325)3重量部
核剤(永和化成(株) EE275)1.2重量部
そして、実施例、比較例で得られた発泡体の発泡倍率、寸法、圧縮強度を測定した。なお、発泡倍率は下記式に基づいて測定した。
(式中、Wは試験片の質量(g)、Vは試験片の体積(cm3)、Zは試験片の樹脂密度を示す)
圧縮強度は、硬さ測定器((株)安田精機製作所:LR10K)を用い、長手方向の長さ5cmにカットした試験片を高さが50%になるまで圧縮(幅20mmの面に荷重を作用させて圧縮)して測定した。結果を表1に示す。
水噴霧量(単位g/分)と針(長さ12mm)の太さを変更する以外、実施例1と同様にして発泡体を製造した。なお、口金から吐出した直後の吐出発泡体の表面温度(A)、口金から下流方向に距離10cm離れた箇所に配設されたノズルからの水噴霧による急冷部での吐出発泡体の表面温度(B)を遠赤外線温度測定装置(横河電機(株)製、53007−J)で測定した。また、急冷部から距離20cm離れた下流部に針を備えた回転ドラムを配設して発泡体を突き刺し、この回転ドラムから距離200cm離れた下流部(C)での発泡体の内部温度を赤外線温度測定装置で測定した。
2…連続気泡相
3…独立気泡相
4…スキン層
14…ノズル
15…ロール
16…針
Claims (8)
- 融点の異なる複数の軟質熱可塑性樹脂を含み、連続気泡と独立気泡とを有する発泡体であって、内部に形成された連続気泡相と、この連続気泡相の周囲に形成された独立気泡相と、この独立気泡相の表面に形成されたスキン層とを備えている発泡体。
- 熱可塑性樹脂が、オレフィン系樹脂及び熱可塑性エラストマーから選択された複数の熱可塑性樹脂を含む請求項1記載の発泡体。
- ポリエチレン及びエチレン含有共重合体から選択され、かつ融点差が20〜75℃の複数のエチレン系樹脂を含む請求項1又は2記載の発泡体。
- 板状、シート状、柱状、断面半円状又は断面台形状の形態を有する請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体。
- 融点の異なる複数の軟質熱可塑性樹脂を含む発泡性樹脂組成物を口金から押出し、気泡の成長過程で、口金から押し出された発泡体の表面を急冷するとともに、発泡体の内部に針を侵入させて、内部のガスを逃散させる請求項1記載の発泡体の製造方法。
- 金型温度が口金温度よりも高い条件で発泡性樹脂組成物を押出して内部に連続気泡を形成しつつ、発泡体の表面を急冷して独立気泡を形成し、気泡成長過程で発泡体の内部に複数の針を侵入させて内部のガスを逃散させる請求項5記載の製造方法。
- 発泡体の内部に針を侵入させた後、発泡体を養生する請求項5又は6記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡体で形成された発泡シール材。
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