JP2012025562A - 固定構造とそれを用いたリール - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤を用いることなく、発泡樹脂製である複数の部材を、容易にかつ確実に一体に固定できるようにした固定構造を備えるリールを提供する。
【解決手段】発泡樹脂製である円筒状のコア部材1の端面4に発泡樹脂製である側板部材3の端面を固定してリールAとするときの固定構造であって、コア部材1の端部4には、端面同士の接触面Lからの距離が回動方向に向けて次第に大きくなる傾斜面12と傾斜面12の終端部に形成した凹陥部13を持つ第1係止部10が形成され、側板部材3の端面(裏面)7には、回転方向の先端側に第1係止体10に形成した凹陥部13に嵌入する突起23を持つ第2係止部20が形成される。そして、前記傾斜面12の凹陥部13直前での端面同士の接触面Lからの距離daは、突起23の上面24と端面同士の接触面Lとの間の距離dbよりも大きくされている。
【選択図】図7
【解決手段】発泡樹脂製である円筒状のコア部材1の端面4に発泡樹脂製である側板部材3の端面を固定してリールAとするときの固定構造であって、コア部材1の端部4には、端面同士の接触面Lからの距離が回動方向に向けて次第に大きくなる傾斜面12と傾斜面12の終端部に形成した凹陥部13を持つ第1係止部10が形成され、側板部材3の端面(裏面)7には、回転方向の先端側に第1係止体10に形成した凹陥部13に嵌入する突起23を持つ第2係止部20が形成される。そして、前記傾斜面12の凹陥部13直前での端面同士の接触面Lからの距離daは、突起23の上面24と端面同士の接触面Lとの間の距離dbよりも大きくされている。
【選択図】図7
Description
本発明は、発泡樹脂製である2つの部材を、端面同士を接触させた姿勢で一体に固定するのに好適な固定構造に関する。また、その固定構造を用いたリールに関する。
発泡樹脂製である2つの部材を、端面同士を接触させた姿勢で一体に固定した構造を備えた物品は種々存在する。その一例として、特許文献1、2には、発泡樹脂製のリールが記載されている。このリールでは、発泡樹脂製である複数の部材を接着剤により接着一体化して作られており、リール自体の軽量化を図りながら、光ファイバーケーブルのように精巧な物品の巻き取り用シールとしても有効に用いられている。
発泡樹脂製である複数の部材を接着剤により接着一体化して製造された物品は、それが予定された使用環境下で使用される限り、何の問題もなく使用される。しかし、船積みして海外に輸送することが求められるような場合、当該物品が、過度に高温な環境下に長時間にわたって置かれることが予測される。そのような場合、例えば接着剤としてホットメルト系の接着剤を使用した物品においては、接着能力が低下してしまい、物品を移動するときなどに接着箇所で分離が生じる可能性を完全に否定することはできない。
また、接着剤を用いて複数の部材を接着一体化するときに、本来塗布すべき場所以外の場所に接着剤が塗布されてしまうと、その物品の商品価値が低下することから、製造時での接着剤の塗布作業に慎重さが求められている。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、接着剤を用いることなく、発泡樹脂製である複数の部材を、容易にかつ確実に、一体に固定できるようにした、固定構造を提供することを課題とする。
本発明による固定構造は、発泡樹脂製である第1係止体を備えた第1部材と発泡樹脂製である前記第1係止体と係合する第2係止体を備えた第2部材とを端面同士を接触させた姿勢で一方を他方に対して回動することで前記第1と第2の係止体が非係合状態から係合状態となり前記第1と第2の部材が互いに固定されるようになっている固定構造であって、いずれか一方の係止体は、前記端面同士の接触面からの距離が前記回動方向に向けて次第に大きくなる傾斜面と、前記傾斜面の該接触面からの距離が大きい側である傾斜面終端部に形成した凹陥部を有し、他方の係止体は前記回転方向の先端側に前記一方の係止体に形成した凹陥部に嵌入する突起が形成されており、前記突起の上面と前記端面同士の接触面との間の距離は、前記傾斜面終端部と前記端面同士の接触面との間の距離よりも小さく形成されていることを特徴とする。
上記の固定構造では、2つの部材(第1部材と第2部材)を一体に固定するに際して、両者の端面同士を衝接させた状態で、一方を他方に対して回動させる。回動により、2つの部材に形成した2つの係止体(第1係止体と第2係止体)は非係合状態から係合状態となり、2つの部材は一体に固定される。
すなわち、例えば、第2部材の一端面に凸部が形成され、第1部材の一端面には第2部材の凸部を収容される凹部が形成される。この第2部材の凸部が第1部材の凹部に収容されて端面同士が接触された状態で、第1部材と第2部材とが相対的に回転移動されることによって第2部材と第1部材とが固定される。この固定状態を果たすために、第2部材の凸部状の外周面の少なくとも一部に沿って外側に突出した第2係止体(第2突条部)が形成され、第1部材の凹部状の内周面の少なくとも一部に沿って内側に突出した第1係止体(第1突条部)が成形される。そして、一方の係止体(一方の突条部)の一端には凹陥部が形成され、他方の係止体(他方の突条部)の一端には該凹陥部に嵌入せられる突起が形成される。凹陥部が形成された、前記係止体(前記一方の突状部)は、前記第1部材の端面および前記第2部材の端面同士が接触された状態での接触面からの距離が回動方向に向かうに従って連続的に大きくなる傾斜面が形成される。
非係合状態から係合状態になる過程において、いずれか一方の係止体に形成した突起が他方の係止体に形成した斜面部に沿って移動し、該斜面部の終端部を超えて凹陥部内に嵌入することとなる。本発明による固定構造では、前記突起の上面と前記接触面との距離は、凹陥部が形成された係止体(突条部)の凹陥部が形成された側の端部(以下、終端部という)と接触面との距離よりも小さく形成される。前記傾斜面の終端部と2つの部材の端面同士の接触面との間の距離daよりも、前記突起の上面と前記端面同士の接触面との間の距離dbが小さくされているので、2つの部材が完全に剛体の場合には、突起は傾斜面の終端部である頂部を乗り越えて凹陥部内に入り込むことはできない。しかし、本発明において2つの部材(第1部材と第2部材)は発泡樹脂製であり、発泡樹脂は加圧されることで一時的に圧縮変形し、圧が開放されるとほぼ原形状に復帰する。そのために、乗り越え時には、傾斜面と突起との間に(db−da)分の変形が生じることで「乗り越え」が可能となり、乗り越えた直後に傾斜面と突起はほぼ原形に復帰することから、凹陥部と突起との嵌合状態は確実に維持される。
また、突起が傾斜面を移動する過程で、2つの部材(第1部材と第2部材)は互いに接近する方向に引き寄せられるので、端面同士の接触面は次第に圧着された状態となり、その後、凹陥部内に突起が嵌入するので、突起の上面高さと凹陥部の底面高さを適切に設定することで、2つの部材(第1部材と第2部材)を、両者の端面同士が所要に圧接した状態で固定することも可能となる。そのために、2つの部材(第1部材と第2部材)を端面同士が密着した状態でしっかりと固定することが可能となる。
固定後は、第1係合体と第2係合体の衝接面が、2つの部材(第1部材と第2部材)を分離する方向の力に対する抵抗面(荷重支持面)となる。従って、2つの部材において、周方向に等間隔で2つ以上の係合体が形成されることは好ましい。また、第1係合体と第2係合体との衝接面の面積は、2つの部材(第1部材と第2部材)を分離する方向の力を分散させることができ、加重の集中により破壊が生じるのを回避することができる。上記した態様では、突起の上面の面積が2つの部材を分離する方向の力に対する抵抗面となるので、より広い上面面積を持つ突起を形成することが望ましい。
しかし、突起は前記斜面部の終端部を乗り越えることが必要であり、そのことから、突起の上面面積の広さも制限がある。そのために、本発明による固定構造の好ましい態様では、前記した他方の係止体における突起よりもその回転方向と反対の側は、前記第1と第2の係止体が係合状態となった姿勢で、一方の係止体に形成した前記傾斜面と面接触する傾斜面とされる。すなわち、本発明による固定構造では、たとえば、前記一端に突起が形成された係止体(突条部)は、前記第1部材の端面および前記第2部材の端面同士が接触された状態での接触面からの距離が回動方向に向って連続的に小さくなる傾斜面が形成され、該突起は前記係止体(突条部)の該接触面からの距離が小さい側の傾斜面の端部に形成される。この態様では、突起の上面に加えて前記傾斜面も分離する方向の力に対する抵抗面(荷重支持面)となるので、分離する力に対してより高い抵抗性を持つ固定構造となる。
さらに、本発明による固定構造では、発泡樹脂製である2つの部材(第1部材と第2部材)を固定するのに、固定しようとする部位に接着剤を塗布する作業を必要せず、2つの部材をその端面同士を接触させた姿勢とした後、一方を他方に対して回動させるだけでよい。そのために、固定時での作業も簡略化できる。
固定時での前記突起の移動をより滑らかにするために、突起の上面と他方の係止体に形成された前記傾斜面の双方またはいずれか一方に、発泡樹脂同士が面接触して移動するときに生じる摩擦力を低減することのできる摩擦低減剤または材をコーティングするようにしてもよい。摩擦低減剤の例として潤滑コーティング剤等を挙げることができ、摩擦低減材の例としてアクロス社のコート材等を挙げることができる。
本発明による固定構造は、発泡樹脂製である2つの部材を固定して構成される任意の部材に対して採用することができる。その一例として、発泡樹脂製である円筒状のコア部材とコア部材の両端に位置する発泡樹脂製である側板部材とを有するリールであって、いずれか一方または双方の側板部材とコア部材とは別部材として形成されているリールが挙げられる。そこにおいて、別部材である側板部材とコア部材との固定構造として上記した固定構造が用いられる。
上記のリールは、素材として発泡樹脂製を用いることで軽量化を図りながら、各部材をリールとして組み付けるときに接着剤を使用しないので、組み付け時の作業を簡略化することができる。さらに、接着剤を使用しないので、リールが置かれる環境(例えば過度の高温環境)によって、組み付けが不安定になるようなことはない。そのために、光ファイバーケーブルのように精巧な物品の巻き取り用シールとして用い、それを船積みして海外に搬送するような場合でも、不都合が生じることはない。
本発明によれば、接着剤を用いることなく、発泡樹脂製である複数の部材を、容易にかつ確実に一体に固定することができる、固定構造が得られる。また、その固定構造を採用した発泡樹脂製のリールは、軽量であるとともに、リールが置かれる環境によって組み付けが不安定になるようなことはないので、光ファイバーケーブルのような精巧な物品を船積みして海外に搬送するときの巻き取りリールとして好適なものとなる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態では、2つの部材を本発明による固定構造を用いて一体に組み付けて発泡樹脂製のリールを構成するようにしているが、これは一例であって、本発明による固定構造は、発泡樹脂製の2つの部材をその端面同士を接触させた姿勢で一体に組み付けて作られる任意の物品、例えば、密閉した保温容器のような物品を組み付けるのに採用することができる。
図に示すリールAは、円筒状のコア部材1と、該コア部材1の両端に位置する側板部材2、3とで構成されており、それらの部材はいずれも発泡樹脂製である。各部材は、任意の樹脂材料で作ることができるが、ビーズ発泡成形による合成樹脂発泡体は、成形のし易さ、軽量でありながら所要の強度を備えること、などの理由から好ましい。中でも、発泡状態での粒子径が1mm前後のポリスチレン系樹脂発泡ビーズによる発泡体で、発泡倍率が数倍から40倍程度の発泡体が、リールが例えば光ファイバーケーブルのような部品を巻き込むリールの場合には、好適に用いられる。発泡体を形成する発泡性樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂粒子からなる粒子に発泡剤を含浸させたものを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、または、これらを含む複合樹脂が挙げられる。もちろん、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などであってもよい。なかでも、ポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む混合樹脂を用いることが好ましい。
コア部材1は内周面が円筒面であればよく、外周面は多角形状であってもよい。側板部材2、3は円盤状であってもよく、多角形状のものであってもよい。通常、側板部材2、3は同じ形状とされるが、異なる形状であってもよい。
図示の例において、コア部材1と一方の側板部材2は一体物として成形されており、コア部材1の側板部材2と反対側の端面4は、円筒体であるコア部材1の中心軸線に垂直な面とされている。この例において、コア部材1と側板部材2とが一体となった部材5が本発明でいう第1部材に相当する。他方の側板部材3は少なくとも裏面7は平坦面であり、本発明でいう第2部材に相当する。以下の説明では、この裏面7を側板部材3の端面7ということとする。
第1部材である部材5におけるコア部材1の前記端面4には、内周面6から内側に軸(径)方向へ突出した弧状をなす突条の2つの第1係止体10が対称となる位置に一体成形されている。図5(a)は第1係止体10の正面図を平面に展開した状態で示し、図5(b)は図5(a)のb−b線での断面を示す。各第1係止体10はコア部材1の内周面6から距離c(図5(b)参照)だけ内側に張り出た状態で、周方向90度の角度にわたって弧状に延在している。そして、第1係止体10の内周面11はコア部材1の内周面6と同心円をなしている。図5(a)に示すように、第1係止体10の円筒体1の前記端面4から図で下方に向けた距離は、周方向の一方端位置p1が距離dsで最も小さく、そこから矢印s1方向に向けて次第に大きくなり、他方端近傍位置p2では距離da(>ds)となっている。すなわち、位置p1と位置p2との間は、前記端面4に対して図で矢印s1方向に次第に傾斜する右下がりの傾斜面12となっている。
第1係止体10における前記位置p2の図で右側には所要深さeの凹陥部13が形成されており、第1係止体10における前記凹陥部13の右側の部分14は、円筒体1の端面4からの距離dfが距離daと等しいか、またはそれよりも大きくされている。
他方の側板部材3の裏面である前記端面7には、円柱21の外周面から外方へ突出した2つの弧状をなす突条の第2係止体20が対称となる位置に一体成形されている。図6(a)は弧状をなす第2係止体20の正面図を平面に展開した状態で示し、図6(b)は図6(a)のb−b線での断面を示す。図示の例では、側板部材3の前記端面7には、前記したコア部材1に形成した第1係止体10の内周面11に内接する直径の円柱21が側板部材3の中央位置に一体成形されており、図6(b)にも示すように、該円柱21の下端部において、そこから距離gだけ外側に張り出すようにして前記第2係止体20が一体成形されている。第2係止体20の外周面22は円弧をなしており、前記張り出し距離gは、第1係止体10のコア部材1の内周面から張り出し距離cに等しい。
図6(a)に示すように、第2係止体20は、図で矢印s2の方向の端部近傍に突起23を有している。好ましくは、突起23の形状は、第1係止体10に形成した凹陥部13の内面形状と同じとされる。前記突起23の上面24と側板部材3の前記端面7との間の距離dbは、前記した第1係止体10の他方端近傍位置p2での円筒体1の端面4との間の距離daよりは小さく、第1係止体10の前記した周方向の一方端位置p1での距離dsよりは大きくされている。
突起23の図で左側端位置p3から第2係止体20の左側端部位置p4までは左上がりの傾斜面25とされており、前記傾斜面25の位置p3での側板部材3の前記端面7との間の距離dhは、前記第1係止体10の他方端近傍位置p2での円筒体1の端面4との間の距離daとほぼ等しい。また、前記傾斜面25の位置p4での側板部材3の裏面すなわち端面7との間の距離diは、前記第1係止体10の前記位置p1での円筒体1の端面4との間の距離dsとほぼ等しい。それにより、前記傾斜面25の側板部材3の前記端面7がなす平面となす傾斜角度は、傾斜の方向は逆方向となるが、第1係止体10に形成された傾斜面12の傾斜角度と等しくなっている。なお、第2係止体20に形成した前記傾斜面25は、その全部または一部を省略することもできる。
側板部材3における前記第2係止体20に対向する箇所には弧状の開口26が形成されており、側板部材3をコア部材1の端面に固定するときの覗き窓として用いられる。なお、開口26の位置および形状は任意であり、開口26を省略することもできる。
次に、コア部材1と側板部材2とが一体となった部材5へ側板部材3を取り付ける方法を説明する。以下の説明では、図3に示すように、平坦面上に、コア部材1と側板部材2とが一体となった部材5を側板部材2が下側になった姿勢で固定し、垂直姿勢にあるコア部材1の端面4に他方の側板部材3を固定する場合を例として、説明する。
最初に、図3に示すように、コア部材1の真上に側板部材3を持っていき、前記した開口26で下方を覗き込みながら、側板部材3の2つの第2係止体20がコア部材1の端面4に形成した第1係止体10,10の間の位置にくるように位置決めする。位置決め途中の状態が図7(a)に示される。位置決め後に、コア部材1に向けて側板部材3を落とし込む。落とし込んだ後の状態が図7(b)に示されており、落とし込んだ状態で、コア部材1の端面4と側板部材3の裏面である前記端面7とは衝接した状態となる。本発明では、その衝接面を「端面同士の接触面L」ということとする。また、落とし込んだ状態で、第2係止体20の外周面22は、コア部材1の内周面6に接した状態にあり、第1係止体10の内周面11は、側板部材3に形成した円柱21の外周面に接した状態にある。そのために、側板部材3は、前記端面同士の接触面Lを移動面として安定して、周方向に安定した状態で回動することができる。
また、前記したように、距離ds<距離db<距離daの関係にあるので、図7(b)に示すように、側板部材3を落とし込んだ状態で、第2係止体20の突起23の上面24は、第1係止体10の傾斜面12における厚さの薄い方の端面位置、すなわち位置p1での傾斜面12の位置よりも下方に位置することとなる。
側板部材3を落とし込んだ後、側板部材3を、図2で矢印T方向、すなわち時計方向に回動する。それにより、図7では、第1係止体10が固定した状態で、第2係止体20は右方向に移動することとなり、第2係止体20の突起23は、第1係止体10の傾斜面12の下を図で右方向に移動していく。移動の途中で、突起23の上面24は第1係止体10の傾斜面12の下面と接触した状態となり、さらに側板部材3を回動させると、側板部材3およびコア部材1はともに発泡樹脂製であることから、突起23と傾斜面12とがともに圧縮変形しながら、前記突起23は傾斜面12の下面に沿ってさらに右方向に移動することができる。その状態が図7(c)に示される。そして、その圧縮変形とともに、前記した端面同士の接触面Lでの接触面圧(押圧)も高くなっていく。
側板部材3をさらに時計方向に回動させると、突起23は、第1係止体10の傾斜面12での前記端面同士の接触面Lからの距離が最も大きくなった場所、すなわち距離daである前記位置p2の場所を乗り越えて、第1係止体10に形成した凹陥部13内に嵌入する。この状態が固定作業終了の状態であり、図2,図4および図7(d)に示される。凹陥部13内に突起23が入り込むことにより、突起23と傾斜面12は押圧から解放されるので、ほぼ原形状に復帰し、図7(d)に示すように、突起23は凹陥部13内の空間をほぼ充満した状態となる。また、第1係止体10における凹陥部13の側板部材3の回動方向には、前記した高さの高い部分14が形成されており、突起23が部分14に衝接することで、それ以上の回動は阻止される。さらに、図示の例では、図7(d)に示すように、突起23が凹陥部13内に嵌入した状態では、双方の傾斜面12,25はその全面が面接触した状態となる。
固定された状態で、側板部材3に上に向けた力が作用すると、その力は、第2係止体20の突起23の上面24および傾斜面25を上方に移動させる力として発現するが、第2係止体20の突起23の上面24および傾斜面25は、コア部材1の端面に形成した第1係止体10の下面側に形成されている凹陥部13の底面および傾斜面12に衝接した状態となっており、第2係止体20の上方への移動は、第1係止体10によって阻止される。すなわち、側板部材3が一旦コア部材1の端面側に固定されてしまえば、側板部材3がそこから分離するのは確実に阻止される。
上記の固定構造において、コア部材1と側板部材3とを分離しようとする方向の力は、第1係止体10と第2係止体20とが衝接している領域によって受け止められるので、衝接面が広ければ広いほど分離に対いる抵抗力が大きくなる。従って、図示の実施の形態のように、第1係止体10と第2係止体20とが全面積で互いに衝接する態様は、最も好ましい。しかし、予想される分離力が小さい場合には、第2係止体20の傾斜面25の一部または全部を省略することもできる。
また、図示のものでは、2つの第1係止体10と2つの第2係止体20を設けるようにしたが、ともに円周方向に等間隔に設けられることを条件に、それぞれ3つ以上を形成するようにしてもよい。また、凹陥部13を第2係止体20側に形成し、突起23を第1係止体10側に形成するようにしてもよい。
図示のものでは、第1係止体10をコア部材1の端面4に形成したが、端面4よりも内方側においてコア部材1の内周面6に形成してもよい。但し、その場合には、側板部材3に形成する前記円柱21の長さがそれに相応して長いものとなる。また、図示のものでは、コア部材1と一方の側板部材2とを一体成形品として説明したが、コア部材1と一方の側板部材2をも、本発明による固定構造で固定するようにしてもよい。
A…本発明による固定構造を採用する物品の一例としてのリール、
1…コア部材、
2,3…側板部材、
4…コア部材の端面、
5…コア部材と側板部材とが一体となった部材、
6…コア部材の内周面、
7…コア部材に固定される側板部材の端面(裏面)、
10…第1係止体、
11…第1係止体の内周面、
12…第1係止体の傾斜面、
13…第1係止体の凹陥部、
20…第2係止体、
21…円柱、
22…第2係止体の外周面、
23…第2係止体の突起、
24…突起の上面、
25…第2係止体の傾斜面。
1…コア部材、
2,3…側板部材、
4…コア部材の端面、
5…コア部材と側板部材とが一体となった部材、
6…コア部材の内周面、
7…コア部材に固定される側板部材の端面(裏面)、
10…第1係止体、
11…第1係止体の内周面、
12…第1係止体の傾斜面、
13…第1係止体の凹陥部、
20…第2係止体、
21…円柱、
22…第2係止体の外周面、
23…第2係止体の突起、
24…突起の上面、
25…第2係止体の傾斜面。
Claims (3)
- 発泡樹脂製である第1係止体を備えた第1部材と発泡樹脂製である前記第1係止体と係合する第2係止体を備えた第2部材とを端面同士を接触させた姿勢で一方を他方に対して回動することで前記第1と第2の係止体が非係合状態から係合状態となり前記第1と第2の部材が互いに固定されるようになっている固定構造であって、
いずれか一方の係止体は、前記端面同士の接触面からの距離が前記回動方向に向けて次第に大きくなる傾斜面と、前記傾斜面の該接触面からの距離が大きい側である傾斜面終端部に形成した凹陥部を有し、
他方の係止体は前記回転方向の先端側に前記一方の係止体に形成した凹陥部に嵌入する突起が形成されており、
前記突起の上面と前記端面同士の接触面との間の距離は、前記傾斜面終端部と前記端面同士の接触面との間の距離よりも小さく形成されていることを特徴とする固定構造。 - 前記他方の係止体における前記突起よりも前記回転方向と反対の側は、第1と第2の係止体が係合状態となった姿勢で、一方の係止体に形成した前記傾斜面と面接触する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
- 発泡樹脂製である円筒状のコア部材とコア部材の両端に位置する発泡樹脂製である側板部材とを有するリールであって、いずれか一方または双方の側板部材とコア部材とは別部材として形成されており、別部材である側板部材とコア部材との固定構造として請求項1または2に記載の固定構造が用いられていることを特徴とするリール。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010167330A Pending JP2012025562A (ja) | 2010-07-26 | 2010-07-26 | 固定構造とそれを用いたリール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012025562A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014058395A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Showa Marutsutsu Co Ltd | フランジ付き巻芯 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58114270U (ja) * | 1982-01-26 | 1983-08-04 | 株式会社特電 | ボビン |
JPH0211053U (ja) * | 1988-07-07 | 1990-01-24 | ||
JPH06183449A (ja) * | 1992-10-19 | 1994-07-05 | Suzuno Kasei Kk | 緩み止め付きネジキャップ及びその製造方法。 |
JPH0681954U (ja) * | 1993-04-30 | 1994-11-25 | 東罐興業株式会社 | キャップの螺着装置 |
JP2009040557A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Dainippon Printing Co Ltd | リボン巻付装置 |
-
2010
- 2010-07-26 JP JP2010167330A patent/JP2012025562A/ja active Pending
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