JP2012025291A - インホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bに穿設した透孔が、モータハウジング一側面4aに立設したボス部11,12の先端面開口ねじ孔に整列するようキャリパ支持ブラケット6を、車幅方向外側(ホイール側)からボス部11,12の先端面にあてがった状態で、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bにおける透孔にボルト13,14を車幅方向外側(ホイール側)から挿通し、これらボルト13,14の先端をボス部11,12の先端面開口ねじ孔に螺合することにより、インホイールモータ1のモータハウジング一側面4aに対するフローティングキャリパ型ブレーキユニット2の取り付けを行う。
【選択図】図2
Description
つまり、キャリパ支持ブラケット上にスライドピンを介してディスクロータの回転軸線方向へスライド可能に浮動支持されたキャリパ本体を具え、
フローティングキャリパ型ブレーキユニットは、キャリパ支持ブラケットを介し車体側に取り付けて実用に供する。
そして、ピストンおよびディスクロータ間と、反作用端およびディスクロータ間とにブレーキパッドを介在させる。
これらピストンおよび反作用端間にブレーキパッドを介しディスクロータを挟圧してこのディスクロータを制動することができる。
ブレーキユニットを、車体側のインホイールモータに対し脱着する場合も同様に、その脱着作業をインホイールモータの車幅方向内側から行わなければならない。
この場合、サスペンション装置のバネ下質量が増大して、乗り心地の悪化を招いてしまうだけでなく、ブレーキユニット取り付けスパンの増大でブレーキユニットの取り付け剛性が低下して、大幅な補強(リブの追加等)が必要になる。
しかしこの場合、インホイールモータが車輪のホイールから大きく軸線方向内方へはみ出して、インホイールモータ収納空間の拡大により他の空間が犠牲になるという問題を生ずる。
ブレーキユニットを車幅方向外側からインホイールモータに対し脱着し得るようにして、上記の問題をことごとく解消可能にしたインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造を提供することを目的とする。
先ず、本発明の前提となるインホイールモータを説明するに、これは、
モータハウジングの軸線方向一側面から突出するモータ出力軸により車輪を駆動し、該モータ出力軸と共に回転する被制動回転体を、上記モータハウジングに取着したブレーキユニットで掴締することにより上記車輪を制動するようにしたものである。
つまり上記ブレーキユニットを、上記被制動回転体の外周縁よりも径方向外方位置において、モータハウジングの上記軸線方向一側面に取着したことを特徴とする。
ブレーキユニットを、被制動回転体の外周縁よりも径方向外方位置において、モータハウジングの上記軸線方向一側面に取着する構造であるため、
ブレーキユニットをインホイールモータに対し脱着する作業を車幅方向外側から行い得ることとなり、当該脱着のための作業スペースについて考慮する必要がなく、以下のごとくに前記の問題を回避することができる。
当該取り付けボス部の出っ張り分だけインホイールモータの最大径が制限されてモータ出力を大きくできなくなるという問題を回避することができる。
モータハウジング外周部からの取り付けボス部の出っ張り分だけ車輪のホイール径を拡大しなければならないということもなくなり、当該ホイール径の拡大によるバネ下質量の増大で乗り心地が悪化するという問題も回避することができる。
本発明のように、ブレーキユニットをインホイールモータに対し車幅方向外側から脱着可能な構造にあっては、ブレーキユニットの取り付けスパンが短くて、ブレーキユニットの取り付け剛性が低下するという問題を生ずることがなく、大幅な補強(リブの追加等)が必要になるという問題も回避し得る。
インホイールモータが車輪のホイールから大きく軸線方向内方へはみ出して、インホイールモータ収納空間の拡大により他の空間が犠牲になるという問題を回避することができる。
<構成>
図1〜3は、本発明の一実施例になるインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造を示し、図1はその要部縦断側面図、図2はその全体斜視図、図3はその要部背面図である。
インホイールモータ1は、モータハウジング4の軸線方向一側面4aから突出するモータ出力軸(図示せず)を具え、このモータ出力軸によりホイール3を介して車輪を駆動するものとする。
上記のブレーキユニット2は、該ディスクロータ5の外周部分を軸線方向両側から挟圧することによりホイール3(車輪)を制動する、以下のごときフローティングキャリパ型ブレーキユニットとする。
フローティングキャリパ型ブレーキユニット2をインホイールモータ1に取着するに際しては、
このブレーキユニット2を、ディスクロータ5の外周縁よりも径方向外方位置において、モータハウジング4の前記した軸線方向一側面4aに取着する。
これらボス部11,12の間隔は、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6b間の距離に同じとし、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bにはそれぞれ、ボス部11,12の先端面開口ねじ孔と整列する透孔(図1〜3では見えていない)を穿設する。
キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bをそれぞれ、車幅方向外側(ホイール3側)からボス部11,12の先端面にあてがって、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bに穿設した透孔をボス部11,12の先端面開口ねじ孔に整列させる。
この状態でキャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bにおける透孔にボルト13,14を車幅方向外側(ホイール3側)から挿通し、これらボルト13,14の先端をボス部11,12の先端面開口ねじ孔に螺合して緊締する。
ところで、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bをそれぞれ、対応するスライドピン7の直近に位置させ、これによりモータハウジング一側面4aに対するフローティングキャリパ型ブレーキユニット2の取り付け点(ボス部11,12およびボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点)を、フローティングキャリパ型ブレーキユニット2の対応するスライドピン7に隣接させる。
キャリパ本体8の作用端8aに内蔵させたピストン(図示せず)をディスクロータ5に向けストローク作動させるとき、その反力を受けてキャリパ本体8(反作用端8b)が反対方向へストロークされる。
これにより当該ピストンおよび反作用端8bが相互に接近する結果、これらピストンおよび反作用端8b間にブレーキパッド9,10を介しディスクロータ5を挟圧して、ディスクロータ5およびホイール3(車輪)を制動することができる。
キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bに穿設した透孔がボス部11,12の先端面開口ねじ孔に整列するようキャリパ支持ブラケット6を、車幅方向外側(ホイール3側)からボス部11,12の先端面にあてがった状態で、キャリパ支持ブラケット6の両端6a,6bにおける透孔にボルト13,14を車幅方向外側(ホイール3側)から挿通し、これらボルト13,14の先端をボス部11,12の先端面開口ねじ孔に螺合することにより、インホイールモータ1(モータハウジング一側面4a)に対するフローティングキャリパ型ブレーキユニット2の取り付けを行うことができる。
ブレーキユニット2をインホイールモータ1に対し脱着する作業を車幅方向外側から行い得ることとなり、インホイールモータ1の搭載状態でこれにブレーキユニット2を脱着し得ると共に、当該脱着のための作業スペースについて考慮する必要がなくなる。
従って、図4,5の比較例におけるようにインホイールモータ1のモータハウジング外周部4bにブレーキユニット取り付けボス部11,12を設ける必要がなくなり、取り付けボス部11,12の径方向出っ張りによりインホイールモータ1の最大径が制限されて、モータ出力を大きくできなくなるという上記の問題を回避することができる。
これらブレーキユニット取り付けボス部11,12を含めたインホイールモータ1の収納直径がかなり大きなものとなり、ブレーキユニット取り付けボス部11,12の径方向出っ張り分だけ車輪のホイール径を拡大しなければならない。
モータハウジング外周部4bからのブレーキユニット取り付けボス部の出っ張り分だけ車輪のホイール径を拡大しなければならないということもなくなり、当該ホイール径の拡大によるバネ下質量の増大で乗り心地が悪化するという上記の問題を回避することができる。
図6の比較例におけるようにモータハウジング外周部4bに設けたボス部11,12を介してブレーキユニット2を取り付ける場合に較べ、ブレーキユニット2の取り付けスパンが遙かに小さく、ブレーキユニット2の取り付け剛性が低下することがなく、ブレーキユニット取り付け部の大幅な補強(リブの追加等)が不要である。
図7の比較例に図1〜3におけると同じ符号を付して示すごとく、ブレーキユニット2とインホイールモータ1(モータハウジング一側面4a)との間に十分な軸線方向スペースLを設定し、これをブレーキユニット2の脱着作業スペースとすることが考えられる。
従って、インホイールモータ1が車輪のホイール3から図7のごとく大きく軸線方向内方へはみ出すことがなく、インホイールモータ収納空間の拡大により他の空間が犠牲になるという問題を回避することができる。
モータハウジング一側面4aに対するブレーキユニット2の取り付け点が、モータハウジング一側面4aの最外周部近傍位置であることとなり、以下の作用効果を奏し得る。
ブレーキユニット取り付けボス部11,12が倒れ変形に対して大きな抗力を持つこととなり、上記の補強が殆ど必要でないか、必要であったとしても極僅かな補強で、ブレーキユニット2からの制動反力に抗し得て、インホイールモータ1の軽量化に寄与する。
車輪制動力をFTとし、車輪有効径をrtとし、ディスクロータ回転中心からボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点までの半径をrbとした時、ボルト剪断力Fsは、
Fs=(1/2)・FT・rt/rb
で表される。
ディスクロータ回転中心からボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点までの半径rbが小さいため、小さいモーメントスパンでトルクを受けなければならず、上式における(rt/rb)が大きくなってボルト剪断力Fsが大きくなるという耐久性の問題を生ずる。
ディスクロータ回転中心からボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点までの半径rbが大きい。
ブレーキパッド9,10(キャリパ支持ブラケット6へのトルク入力点)からディスクロータ回転中心までの距離(図8におけるキャリパ有効半径BER)と、ディスクロータ回転中心からボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点までの半径rbとの差が図8のように大きくなる。
ブレーキパッド9,10(キャリパ支持ブラケット6へのトルク入力点)と、ボルト13,14によるブレーキユニット取り付け点とが略同一円周上に位置することとなる。
キャリパ支持ブラケット6が当該曲げモーメントに抗し辛く、開く方向の剛性に欠ける図3のようなコ字状であっても、このキャリパ支持ブラケット6をそれほど頑丈に造る必要がなくて、重量増やコスト高に関した上記の問題を回避することができると共に、キャリパ支持ブラケット6の鳴きを誘起する開きモード変形を抑制することができる。
2 フローティングキャリパ型ブレーキユニット
3 車輪ホイール
4 モータハウジング
4a モータハウジング一側面
4b モータハウジング外周壁
5 ディスクロータ(被制動回転体)
6 キャリパ支持ブラケット
7 スライドピン
8 キャリパ本体
8a 作用端
8b 反作用端
9,10 ブレーキパッド
11,12 ブレーキユニット取り付けボス部
13,14 ブレーキユニット取り付けボルト
Claims (4)
- モータハウジングの軸線方向一側面から突出するモータ出力軸により車輪を駆動し、該モータ出力軸と共に回転する被制動回転体を、前記モータハウジングに取着したブレーキユニットで掴締することにより前記車輪を制動するようにしたインホイールモータにおいて、
前記ブレーキユニットを、前記被制動回転体の外周縁よりも径方向外方位置において、モータハウジングの前記軸線方向一側面に取着したことを特徴とするインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造。 - 請求項1に記載された、インホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造において、
前記ブレーキユニットを、モータハウジングの前記軸線方向一側面に対し、車輪側から取り付けるよう構成したことを特徴とするインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造。 - 請求項1または2に記載された、インホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造において、
モータハウジングの前記軸線方向一側面に対する前記ブレーキユニットの取り付け点を、該モータハウジング一側面の最外周部近傍位置としたことを特徴とするインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造。 - 前記ブレーキユニットが、スライドピンを介して前記被制動回転体の回転軸線方向へスライド可能に浮動支持されたキャリパ本体を有し、該キャリパ本体の作用端におけるピストンと、該キャリパ本体の反作用端との間に前記被制動回転体を挟圧して該被制動回転体を制動するフローティングキャリパ型ブレーキユニットである、請求項1〜3のいずれか1項に記載された、インホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造において、
モータハウジングの前記軸線方向一側面に対する前記ブレーキユニットの取り付け点を、前記フローティングキャリパ型ブレーキユニットのスライドピンに隣接させたことを特徴とするインホイールモータへのブレーキユニット取り付け構造。
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