JP2012025199A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】急激な逆入力を受けた非常時において、要部の破損を防止しつつ、ユーザに異常発生を認知させることができる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】ラックハウジング16に設けられた取付ブラケット26をボルト29により、車体のクロスメンバ25に固定する。ボルト29が取付ブラケット26の第1のボルト挿通孔としての長孔27を挿通して、クロスメンバ25に固定される。転舵輪が縁石等と強く衝突して、ラックハウジング16に衝撃的な逆入力が負荷されたときに、長孔27及びボルト29が、左右方向X1に相対移動する。クロスメンバ25に対して、取付ブラケット26及びラックハウジング16が、左右方向X1に移動する。
【選択図】図3
【解決手段】ラックハウジング16に設けられた取付ブラケット26をボルト29により、車体のクロスメンバ25に固定する。ボルト29が取付ブラケット26の第1のボルト挿通孔としての長孔27を挿通して、クロスメンバ25に固定される。転舵輪が縁石等と強く衝突して、ラックハウジング16に衝撃的な逆入力が負荷されたときに、長孔27及びボルト29が、左右方向X1に相対移動する。クロスメンバ25に対して、取付ブラケット26及びラックハウジング16が、左右方向X1に移動する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用操舵装置に関する。
車両が前方の障害物に衝突してエンジンが後方に移動するときに、ステアリングラックを車両後方へ移動させて、衝突エネルギを吸収する潰れスペースの拡大を図るステアリングラック取付構造が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
近年のラックアンドピニオン式のステアリングギヤにおいて、操舵フィーリングを向上するために、ステアリングギヤが車体にリジッドに取り付けられる場合が多くなっている。
近年のラックアンドピニオン式のステアリングギヤにおいて、操舵フィーリングを向上するために、ステアリングギヤが車体にリジッドに取り付けられる場合が多くなっている。
ところで、転舵輪が縁石等に乗り上げる等して、路面から加わる急激な逆入力(いわゆる端当てエネルギ)によって、ラック軸とラックストッパとの当接音による異音が発生するという問題がある。また、急激な逆入力時に、ラックストッパが破損したり、ラックと噛み合うピニオンの歯が破損したり、中間軸の両端の自在継手等が破損したりするという問題がある。
特に、電動モータの出力をステアリングシャフトに付与するコラム式電動パワーステアリング装置では、ステアリングコラムに、操舵部材(ハンドル)、電動モータおよび減速機構等の回転慣性の大きい部品が配置されているため、これらの部品が回転しているときに、急激な逆入力を受けると、これらの部品が破損し易い傾向にある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、急激な逆入力を受けた非常時において、要部の破損を防止しつつ、ユーザに異常発生を認知させることができる車両用操舵装置を提供することである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、急激な逆入力を受けた非常時において、要部の破損を防止しつつ、ユーザに異常発生を認知させることができる車両用操舵装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵部材(2)の操作に応じて車両の左右方向(X1)に沿う軸方向に移動することにより転舵輪(3)を転舵する転舵軸(14)と、上記転舵軸を上記軸方向に移動可能に支持するハウジング(16)と、上記ハウジングに設けられ、第1のボルト挿通孔(27;27A)を有する取付ブラケット(26)と、上記取付ブラケットの上記第1のボルト挿通孔および車体側部材(25;25A)の第2のボルト挿通孔(28;28A)に挿通され、上記取付ブラケットを車体側部材に締結するボルト(29)と、を備え、上記第1のボルト挿通孔および上記第2のボルト挿通孔の何れか一方は、上記左右方向に延びる長孔であり、上記転舵輪が路面から所定以上の逆入力を受けた非常時に、ボルトおよび長孔が上記左右方向に相対変位することにより、上記取付ブラケットが上記車体側部材に対して上記左右方向に変位するようにしてある車両用操舵装置(1)を提供する。
本発明では、転舵輪が縁石等と強く衝突して、比較的大きな逆入力を受けたときに、ボルトおよび長孔が車両の左右方向に相対移動する。これにより、車体側部材に対して取付ブラケットを、車両の左右方向に変位させることができる。したがって、転舵輪自体のアライメントが狂うことなく、転舵輪に対する操舵部材の位置関係のみがずれた状態を達成することができる。その結果、異常が発生したことを運転者に認知させることができる。異常発生を認知した運転者は修理工場等まで、運転することが可能となる。
また、操舵部材から転舵輪に至る操舵経路において、転舵輪に比較的近い箇所を変位させて、衝撃を吸収するので、操舵経路の上流側に配置される大部分の部品に、影響を与えることがない。特に、車両用操舵装置としてのコラム式電動パワーステアリング装置では、ステアリングコラムに、操舵部材(ハンドル)、電動モータおよび減速機構等の回転慣性の大きい部品が配置されているが、これらの部品に衝撃力が負荷されないので、上記のような比較的大きな逆入力に対し、車両用操舵装置の要部を保護することができる。
また、上記長孔は、通常時に上記ボルトが嵌合する中央部(30)と、上記中央部の両側に配置され、非常時に相対変位したボルトの位置を保持する一対の非常時位置保持部(31,32)と、を有している場合がある(請求項2)。この場合、長孔の非常時位置保持部によって、非常時に相対変位したボルトの位置を保持することができる。非常時に、転舵輪に対する操舵部材の位置関係のみがずれた状態を確実に達成して、異常発生を、運転者に確実に認知させることができる。
また、上記非常時位置保持部は塑性変形可能であり、上記非常時位置保持部の幅(W1)は、上記ボルトの外径(D1)よりも小さくされている場合がある(請求項3)。この場合、非常時に、ボルトが非常時位置保持部を塑性変形させながら変位することにより、衝撃エネルギを吸収することができる。また、変位後のボルトが塑性変形した非常時位置保持部に食い込むので、変位後のボルトの位置を確実に保持することができる。
また、上記長孔の上記中央部の縁部は、ボルトを遊嵌可能な凹湾曲形状をなしている場合がある(請求項4)。この場合、組立時において、ボルトを長孔に挿通するときに、ボルトを長孔の中央部に容易に案内して挿通することができる。したがって、容易に組み立てることができる。
また、上記操舵部材および上記転舵輪の位置関係を検出する位置関係検出手段(33,34,12)と、上記位置関係検出手段による上記位置関係のずれの検出に基づいて、上記位置関係のずれの発生を運転者に報知する報知手段(35)と、を備える場合がある(請求項5)。この場合、非常時における、操舵部材および転舵輪の位置関係のずれの発生を運転車に確実に認知させることができる。
また、上記操舵部材および上記転舵輪の位置関係を検出する位置関係検出手段(33,34,12)と、上記位置関係検出手段による上記位置関係のずれの検出に基づいて、上記位置関係のずれの発生を運転者に報知する報知手段(35)と、を備える場合がある(請求項5)。この場合、非常時における、操舵部材および転舵輪の位置関係のずれの発生を運転車に確実に認知させることができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
本実施の形態では、操舵補助機構5がステアリングシャフト6にアシスト力(操舵補助力)を与える例に則して説明する。しかしながら、本発明を、操舵補助機構5が後述するピニオン軸にアシスト力を与える構造や、操舵補助機構5が後述するラック軸にアシスト力を与える構造に適用することも可能である。また、本発明をマニュアルステアリング装置に適用することも可能である。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ステアリングシャフト6の周囲に配置されたトルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に入力された操舵トルクを検出する。トルクセンサ11のトルク検出結果は、操舵補助のためのモータ制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)12に入力される。また、車速センサ90からの車速検出結果がECU12に入力される。中間軸7は、ステアリングシャフト6と転舵機構4とを連結している。
ステアリングシャフト6の周囲に配置されたトルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に入力された操舵トルクを検出する。トルクセンサ11のトルク検出結果は、操舵補助のためのモータ制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)12に入力される。また、車速センサ90からの車速検出結果がECU12に入力される。中間軸7は、ステアリングシャフト6と転舵機構4とを連結している。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン15が設けられている。
ラック軸14は、車体に固定される筒状のラックハウジング16内に、滑り軸受であるラックブッシュ17を介して、車両の左右方向X1に沿う軸方向に沿って直線往復動可能に支持されている。ラック軸14の両端部はラックハウジング16の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド18が結合されている。各タイロッド18は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪3に連結されている。
ラック軸14は、車体に固定される筒状のラックハウジング16内に、滑り軸受であるラックブッシュ17を介して、車両の左右方向X1に沿う軸方向に沿って直線往復動可能に支持されている。ラック軸14の両端部はラックハウジング16の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド18が結合されている。各タイロッド18は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪3に連結されている。
ラック軸14の軸方向の途中部には、上記ピニオン15に噛み合うラック19が形成されている。このピニオン15およびラック19によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることで、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン15およびラック19によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン15およびラック19によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ20と、電動モータ20の出力トルクを転舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構21とを含む。減速機構21は、駆動ギヤとしてのウォーム軸22と、このウォーム軸22と噛み合う被動ギヤとしてのウォームホイール23とを含む。ウォーム軸22およびウォームホイール23は、ギヤハウジング24内に収容されている。
図2は、転舵軸としてのラック軸14を収容するラックハウジング16を車体側部材としてのクロスメンバ25に取り付ける構造を示している。
ラックハウジング16の外周には、左右一対の取付ブラケット26が、例えば車両後方に向けて延設されている。各取付ブラケット26は、金属板からなり、ラックハウジング16の外周に、例えば溶接により固定されている。各取付ブラケット26には、車両の左右方向X1に沿って長い第1のボルト挿通孔としての長孔27が形成されている。
ラックハウジング16の外周には、左右一対の取付ブラケット26が、例えば車両後方に向けて延設されている。各取付ブラケット26は、金属板からなり、ラックハウジング16の外周に、例えば溶接により固定されている。各取付ブラケット26には、車両の左右方向X1に沿って長い第1のボルト挿通孔としての長孔27が形成されている。
図4に示すように、各取付ブラケット26の第1のボルト挿通孔としての長孔27およびクロスメンバ25に設けられた円孔からなる第2のボルト挿通孔28に挿通されたボルト29が、ナット40に嵌合している。ボルト29およびナット40によって、各取付ブラケット26が、クロスメンバ25に締結されている。
図3(a)を参照して、第1のボルト挿通孔としての各長孔27は、車両の左右方向X1に長い長孔である。各長孔27は、通常時に対応するボルト29が嵌合する中央部30と、中央部30の両側に配置され、非常時に長孔27に対して相対変位した対応するボルト29の位置を保持するための塑性変形可能な一対の非常時位置保持部31,32とを有している。
図3(a)を参照して、第1のボルト挿通孔としての各長孔27は、車両の左右方向X1に長い長孔である。各長孔27は、通常時に対応するボルト29が嵌合する中央部30と、中央部30の両側に配置され、非常時に長孔27に対して相対変位した対応するボルト29の位置を保持するための塑性変形可能な一対の非常時位置保持部31,32とを有している。
長孔27の非常時位置保持部31,32の幅W1は、ボルト29の外径D1よりも小さくされている(W1<D1)。したがって、通常時は、ボルト29は中央部30から両側へ移動できない。また、転舵輪3が縁石等に乗り上げて衝撃的な逆入力が負荷される非常時において、例えば図3(b)に示すように、ボルト29と第1のボルト挿通孔としての長孔27が相対移動するときには、非常時位置保持部31,32の何れか一方〔図3(b)の例では非常時位置保持部31〕が、塑性変形により拡開されるようになっている。
長孔27の中央部30の縁部は、ボルト29を遊嵌可能な凹湾曲形状をなしている。具体的には、ボルト29の周面の曲率よりも若干大きい曲率の円周の一部(すなわち、円弧形状。R形状)をなしている。
本実施の形態によれば、転舵輪3が縁石等と強く衝突して、ラック軸14を介してラックハウジング16に比較的大きな逆入力が負荷されたときに、図3(b)に示すように、ラックハウジング16に固定された取付ブラケット26の長孔27および車両のクロスメンバ25に固定されたボルト29が、車両の左右方向X1に相対移動する。これにより、クロスメンバ25に対して取付ブラケット26およびラックハウジング16を、車両の左右方向X1に変位させることができる。
本実施の形態によれば、転舵輪3が縁石等と強く衝突して、ラック軸14を介してラックハウジング16に比較的大きな逆入力が負荷されたときに、図3(b)に示すように、ラックハウジング16に固定された取付ブラケット26の長孔27および車両のクロスメンバ25に固定されたボルト29が、車両の左右方向X1に相対移動する。これにより、クロスメンバ25に対して取付ブラケット26およびラックハウジング16を、車両の左右方向X1に変位させることができる。
したがって、転舵輪3自体のアライメントが狂うことなく、転舵輪3に対する操舵部材2の位置関係のみがずれた状態を達成することができる。その結果、異常が発生したことを運転者に認知させることができる。異常発生を認知した運転者は修理工場等まで、運転することが可能となる。
また、操舵部材2から転舵輪3に至る操舵経路において、転舵輪3に比較的近い箇所である、ラックハウジング16の取付ブラケット26をクロスメンバ25に対して変位させて、衝撃を吸収するので、操舵経路の上流側に配置される大部分の部品に、影響を与えることがない。特に、本実施の形態のような、コラム式電動パワーステアリング装置1である場合、ステアリングシャフト6に関連して、操舵部材2、電動モータ20および減速機構21等の回転慣性の大きい部品が配置されているが、これらの部品に衝撃力が負荷されない。したがって、上記のような比較的大きな逆入力に対し、電動パワーステアリング装置1の要部を保護することができる。その結果、直進走行時に操舵部材2の位置がずれていることを除いて、電動パワーステアリング装置1の基本的な操舵性能を維持することができる。
また、操舵部材2から転舵輪3に至る操舵経路において、転舵輪3に比較的近い箇所である、ラックハウジング16の取付ブラケット26をクロスメンバ25に対して変位させて、衝撃を吸収するので、操舵経路の上流側に配置される大部分の部品に、影響を与えることがない。特に、本実施の形態のような、コラム式電動パワーステアリング装置1である場合、ステアリングシャフト6に関連して、操舵部材2、電動モータ20および減速機構21等の回転慣性の大きい部品が配置されているが、これらの部品に衝撃力が負荷されない。したがって、上記のような比較的大きな逆入力に対し、電動パワーステアリング装置1の要部を保護することができる。その結果、直進走行時に操舵部材2の位置がずれていることを除いて、電動パワーステアリング装置1の基本的な操舵性能を維持することができる。
さらに、長孔27が、通常時にボルト29が嵌合する中央部30の両側に、一対の位置保持部31,32が設けられ、何れか一方の非常時位置保持部31,32によって、非常時に長孔27に対して相対変位したボルト29の位置を保持することができる。したがって、非常時に、転舵輪3に対する操舵部材2の位置関係のみがずれた状態を確実に達成して、異常発生を、運転者に確実に認知させることができる。
しかも、非常時位置保持部31,32の幅W1が、ボルト29の外径D1よりも小さくされている。したがって、非常時に、ボルト29が非常時位置保持部31,32の何れか一方を塑性変形させながら変位することにより、衝撃エネルギを吸収することができる。また、変位後のボルト29が塑性変形した非常時位置保持部31,32に食い込むことになり、変位後のボルト29の位置を確実に保持することができる。
また、長孔27の中央部30の縁部が、ボルト29を遊嵌可能な凹湾曲形状をなしているので、組立時において、ボルト29を長孔27に挿通するときに、ボルトを長孔27の中央部30に容易に案内して挿通することができる。したがって、電動パワーステアリング装置1を容易に組み立てることができる。
上記の実施の形態では、図4に示すように、取付ブラケット26の第1のボルト挿通孔を長孔27とし、クロスメンバ25の第2の挿通孔28を円孔としていたが、これに代えて、図5に示すように、取付ブラケット26Aの第1のボルト挿通孔27Aを円孔とし、クロスメンバ25Aの第2のボルト挿通孔28Aを、車両の左右方向X1に長い長孔としてもよい。
上記の実施の形態では、図4に示すように、取付ブラケット26の第1のボルト挿通孔を長孔27とし、クロスメンバ25の第2の挿通孔28を円孔としていたが、これに代えて、図5に示すように、取付ブラケット26Aの第1のボルト挿通孔27Aを円孔とし、クロスメンバ25Aの第2のボルト挿通孔28Aを、車両の左右方向X1に長い長孔としてもよい。
また、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図6に示す構成を採用して、非常時における操舵部材2と転舵輪3の位置関係のずれの発生を、運転者に積極的に警告を発して報知するようにしてもよい。すなわち、操舵部材2の操舵角θh を検出する操舵角センサ33と、転舵輪3の転舵角θw を検出する転舵角センサ34とが設けられており、これら操舵角センサ33および転舵角センサ34からの信号が、ECU12に入力されるようになっている。また、ECU12には、例えば警告ランプや警告ブザー等の報知部材35が接続されている。
ECU12は、操舵角センサ33により検出された操舵角θh と転舵角センサ34により検出された転舵角θw との比較に基づいて、操舵部材2および転舵輪3の位置関係のずれを検出し、このずれの検出に応じて、報知部材35に報知動作をさせる。
その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置)、2…操舵部材、3…転舵輪、4…転舵機構、5…操舵補助機構、6…ステアリングシャフト、7…中間軸、12…ECU(位置関係検出手段)、13…ピニオン軸、14…ラック軸(転舵軸)、15…ピニオン、16…ラックハウジング、18…タイロッド、19…ラック、20…電動モータ、21…減速機構、25;25A…クロスメンバ(車体側部材)、26;26A…取付ブラケット、27;27A…長孔(第1のボルト挿通孔)、28;28A…第2のボルト挿通孔、29…ボルト、30…中央部、31,32…非常時位置保持部、33…操舵角センサ(位置関係検出手段)、34…転舵角センサ(位置関係検出手段)、35…報知部材、40…ナット、X1…車両の左右方向
Claims (5)
- 操舵部材の操作に応じて車両の左右方向に沿う軸方向に移動することにより転舵輪を転舵する転舵軸と、
上記転舵軸を上記軸方向に移動可能に支持するハウジングと、
上記ハウジングに設けられ、第1のボルト挿通孔を有する取付ブラケットと、
上記取付ブラケットの上記第1のボルト挿通孔および車体側部材の第2のボルト挿通孔に挿通され、上記取付ブラケットを車体側部材に締結するボルトと、を備え、
上記第1のボルト挿通孔および上記第2のボルト挿通孔の何れか一方は、上記左右方向に延びる長孔であり、
上記転舵輪が路面から所定以上の逆入力を受けた非常時に、ボルトおよび長孔が上記左右方向に相対変位することにより、上記取付ブラケットが上記車体側部材に対して上記左右方向に変位するようにしてある車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記長孔は、通常時に上記ボルトが嵌合する中央部と、上記中央部の両側に配置され、非常時に相対変位したボルトの位置を保持する一対の非常時位置保持部と、を有している車両用操舵装置。
- 請求項2において、上記非常時位置保持部は塑性変形可能であり、
上記非常時位置保持部の幅は、上記ボルトの外径よりも小さくされている車両用操舵装置。 - 請求項3において、上記長孔の上記中央部の縁部は、ボルトを遊嵌可能な凹湾曲形状をなしている車両用操舵装置。
- 請求項1から4の何れか1項において、上記操舵部材および上記転舵輪の位置関係を検出する位置関係検出手段と、
上記位置関係検出手段による上記位置関係のずれの検出に基づいて、上記位置関係のずれの発生を運転者に報知する報知手段と、を備える車両用操舵装置。
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