JP2012024092A - Bacilluscoagulansによる病原体の阻害 - Google Patents

Bacilluscoagulansによる病原体の阻害 Download PDF

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Abstract

【課題】急性処置の状況において機能し、かつヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐性病原体を移動させるように予防的に機能する、高度に有効で、非抗生物質ベースの治療養生法を提供する。
【解決手段】新規乳酸産生細菌株、Bacillus coagulans、またはその細胞外産物が、病原細菌増殖および/またはコロニー形成の速度を緩和および妨害するにおいて、ならびにこれらの病原体による感染の有毒な生理学的効果を緩和するにおいて阻害的活性を示す能力を有する、組成物、治療系および使用方法。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、プロバイオティック(probiotic)生物の新規株および/または治療組成物中にその細胞外産物を用いた処置および組成物に関する。
より詳細には、本発明は、抗生物質耐性種を含む、胃腸管病原体の制御のためのプロバイオティック細胞の1つ以上の種もしくは株および/またはその細胞外産物の利用に関する。
(発明の背景)
胃腸管叢は、胃腸肝機能および全身の生理的健康状態を維持するにおいて重要な多数の役割を果たすことが示されている。例えば、胃腸管内に生息する多くの個々の細菌種の増殖および代謝は、主に、そのほとんどが食餌に由来する、そのような細菌種に対して利用可能な基質に依存する。例えば、以下を参照のこと:
Gibson et al.,1995.Gustroenterology I06:975−982;
Christ,et al.,1992.Gut 33:1234−1238;
Gorbach,1990.Ann.Med.22:37−41;
Reid et al,1990.Clin.Microhiol.Rev.3:335−344。これらの知見により、生きた微生物食物サプリメントである、主にプロバイオティックスを伴う食餌を通じて、菌集合の構造および代謝の活動を改変する試みが行われた。最もよく知られるプロバイオティックスは乳酸産生細菌(すなわち、LactobacilliおよびBifiaohacteria)である。これらは、ヨーグルトおよび他の乳製品において広汎に利用されている。これらのプロバイオティックス生物は、非病原性でありかつ非毒素産生性であり、保存の間生存能を維持し、そして胃および小腸を通じた経路でも生存する。プロバイオティックスは、宿主に恒常的にコロニー形成するわけではないことから、それらは、任意の健康増進特性が継続するために定期的に摂取される必要がある。市販のプロバイオティックス調製物は、一般に、LactobacilliおよびBifidobacteriaの混合物を含むが、酵母種(例えば、Saccharontyces)もまた利用されてきた。
急性処置の状況において機能し、かつヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐性病原体(例えば、抗生物質耐性腸球菌)を移動させるように予防的に機能する、高度に有効で、非抗生物質ベースの治療養生法の開発に対する必要性が残っている。
Gibson et al.,1995.Gustroenterology I06:975−982 Christ,et al.,1992.Gut 33:1234−1238 Gorbach,1990.Ann.Med.22:37−41 Reid et al,1990.Clin.Microhiol.Rev.3:335−344
(発明の要旨)
本発明は、この新規乳酸産生細菌株(例えば、本明細書において開示されたBacillus coagulans)、またはその細胞外産物が、病原細菌(特に、抗生物質耐性病原性細菌種(Enterococccus,Clostridium,Escherichia,Klebsiella,Cumpvlobacter,Peptococcus,Heliobacter,Hemophylus,Staphylococcus,Yersinia.Vibrio,Shigella,Salmonella,Streptococcus,Proteus,Pseudomonas,Toxoplasmosis,およびRotovirusの種が挙げられるがそれらに限定されない)のような胃腸病原体)増殖および/またはコロニー形成の速度を緩和および妨害するにおいて、ならびにこれらの病原体による感染の有毒な生理学的効果を緩和するにおいて阻害的活性を示す能力を有するという発見を利用する、組成物、治療系および使用方法を提供する。現在定義されるように、プロバイオティック微生物とは、特定の微少環境中で増殖するときに、利益を付与する微生物であり、これは、例えば、同じ微少環境内で他の生物の増殖を直接阻害または妨害することによる。プロバイオティック生物としては、胃腸管内で増殖し、少なくとも一過的に病原体生物を移動または破壊し、そして宿主に対して他の利益を提供する能力を有する細菌が挙げられるがそれらに限定されない。例えば、以下を参照のこと:Salminen et al.1996.Antonie Van Leeuwenhoek 70:347−358;Elmer et al,1996.JAMA 275:870−876;Rafter,1995.Scand.J.Gastroenterol.30:497−502;Perdigon et al,1995.J.Dairv Sci.78:1597−1606;Gandi,Toxvnsenal Lett.Doctors & Patients,pp.108−110,Jan.1994;Lidbeck et al,1992.Eur.J.Cancer Prev.1:341−353。
さらに、本明細書において開示されたBacillus coagulansは、以下の生化学的および生理学的特性を有するが、これらに限定されない:(i)乳酸(プロピオン酸)の(L)+光学異性体の産生;(ii)20−44℃の間の至適増殖温度を有する;(iii)特定の誘導(例えば、熱ショックまたは他の環境因子)なしにヒトまたは動物の体内で繁殖し得る、約90℃までの温度に対して抵抗性の胞子の産生;(iv)細菌、酵母、真菌、ウイルスまたはそれらの任意の組合せの増殖を阻害するプロバイオティック活性を示す1つ以上の細胞外産物の産生;および/または(v)増殖のために広汎なスペクトルの基質を利用する能力。好ましくは、Bacillus coagulansの純化集団は、45℃未満の至適増殖温度を有する。例えば、Bacillus coagulansの純化集団は、20℃の、より好ましくは30℃の、より好ましくは35℃の、より好ましくは36℃の、そして最も好ましくは37℃の至適増殖温度を有する。対照的に、以前に同定された集団のBacillus coagulansは、37℃を超える至適増殖温度(例えば、45℃の至適増殖温度)を有する。この株は、哺乳動物の胃腸管において見出されるpH(例えば、pH2−5)のような低いpHで増殖する。
細胞株の純化または分離された調製物とは、その調製物が特定の温度で調製物の複製を妨害するに十分な量で、別の細菌種または株を含まないことを意味する。純化または分離された細胞株の調製物は、標準的な方法(例えば、限定希釈および温度選択)で作製される。
本発明の1つの実施形態において、ヒトまたは動物の胃腸管への経口投与に適した薬学的に受容可能なキャリア中にBacillus coagulansを含む治療組成物が開示される。別の実施形態において、Bacillus coagulans株は、胞子の形態で治療組成物に含まれる。別の実施形態において、Bacillus coagulans株は、乾燥または凍結乾燥した細胞塊の形態で組成物に含まれる。
本発明のある実施形態は、1日当たり約1×103〜1×1014CFUの、より好ましくは約1×105〜1×1011CFUのBacillus coagulansの生存する栄養細菌または胞子、好ましくは約5×108〜1010CFUの、Bacillus coagulansの生存する栄養細菌または胞子の投与を包含する。処置されるべき条件が抗生物質耐性消化病原体であり、そして患者が成人である場合、代表的な投薬量は、1日当たり。約1×102〜1×1014CFUの、生存する栄養細菌または胞子、好ましくは、約1×108〜1×1010CFUの、そしてより好ましくは、約2.5×108〜1×1010CFUの、生存する栄養細菌または胞子である。
本発明の別の局面において、ヒトまたは動物に対して経口投与のために適切な薬学的に受容可能なキャリア中においてBacillus coagulansの細胞外産物を含む組成物が開示される。1つの実施形態において、細胞外産物は、純化したBacillus coagulans株の培養物の上清または濾液である。別の実施形態において、細胞外産物は、半純化または純化した、分離したBacillus coagulans株の培養物の凍結乾燥上清または濾液である。好ましい実施形態において、その細胞外産物は、抗微生物性活性を有する活性因子である。これは、分離したBacillus coagulans株の培養物の上清または濾液から分離または精製される。
細胞外産物は、約1%から90%の範囲のBacillus coagulans細胞外産物の総濃度比を含み、のこりがキャリアまたは送達成分を含む組成物中で被検体に投与される。被検体は、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)である。その細菌および/またはその細菌に由来する産物はまた、獣医学的用途に適切である(例えば、イヌおよびネコのような動物を処置するため)。好ましい実施形態は、組成物を包含し、この組成物は、Bacillus coagulansの細胞外産物の総濃度が約10%から75%の範囲の細胞外産物を含み、残りがキャリアまたは送達成分を含む。
本発明は、本明細書において開示された治療成分の経口投与のみには限定されない。皮膚および/または粘膜は、Bacillus coagulans栄養細胞または栄養細胞により産生される細胞外組成物を含む組成物を用いて処置される。例えば、Bacillus coagulans株および/またはその細胞外産物の投与は、膣内病原体の軽減を補助し、これらのプロバイオティック乳酸産生細菌での膣の再集団化により再発の発症率を減少させるのに役立つ。この組成物は、膣内の乳酸産生細菌の減少または非存在により特徴づけられる状態を処置するために使用される。この状態は、膣の酵母感染および細菌性膣疾患(vaginosis)の両方の共通の病因である。さらに、そのようなプロバイオティック細胞株の使用は、1つ以上の抗生物質に対して抵抗性である病原体の軽減または予防において有効である。皮膚クリーム、ローション、ジェルなどであって、本明細書において開示されたBacillus coagulansおよび/またはその細胞外産物を含むものは、皮膚、粘膜および角皮組織における病原性生物の軽減または予防において有効であり、そしてさらに抗生物質耐性病原体の発生を減少させる。局所および経口の投与に加えて、その組成物は、膣内、眼内、鼻内、耳内または頬(口腔)に投与される。
本発明のさらなる実施形態は、バンコマイシンおよびゲンタマイシンのような抗生物質が健康および体重増加の促進のために一般的に使用される家畜の生産におけるプロバイオティック生物の利用を包含する。すべてはないにしてもほとんどのプロバイオティック生物は、これらの2つの抗生物質に対して感受性であり、そしてこの事実は、家畜産業におけるそのような微生物の可能な使用を限定してきた。さらに、家畜生産における抗生物質の使用に関連する多くの環境に関連する問題が存在する。例えば、抗生物質が負荷された動物の排泄物は、非常に遅く分解し、そしてその抗生物質の残留物は残り続け得、さらに生分解を遅らせる。バンコマイシン、ゲンタマイシンおよび他の抗生物質に耐性の細菌の種が増加するにつれ、生分解が増強される。
本発明は、動物の胃腸管および糞便における病原体および/または寄生生物を阻害するための組成物、治療経および使用法を記載する。本発明に従って、動物の消化管への経口投与に適切な薬学的または栄養学的に受容可能なキャリア中に、Bacillus coagulansの栄養細胞または胞子を含む組成物が提供される。別の実施形態において、Bacillus coagulans培養物からの細胞外産物が、Bacillus coagulans栄養細胞または胞子とともにまたはそれなしで利用される。
1つの実施形態において、その細菌は、約1×103−1×1014コロニー形成単位(CFU)/gの、好ましくは、約1×105−1×1012の、CFU/gの濃度で組成物中に存在する。他方、別の好ましい実施形態において、その濃度は、約1×109−1×1013CFU/gであり、約1×105−1×107CFU/g、または約1×108−1×109CFU/gである。
一つの実施形態において、細菌は、動物への経口投与に適切な薬学的に受容可能なキャリア中に存在し、好ましくは、粉末食用サプリメント、種々のペレット化処方物または液体処方物として存在する。
本発明はまた、動物の胃腸管および/または糞便において病原体および/または寄生生物の増殖を阻害するための治療系を記載する。これは、標識および本明細書において記載される組成物を備える容器を含む。ここで、その標識は、病原体および/または寄生生物の増殖を阻害するための組成物の使用のために指示書を備える。
そのような非抗生物質性のプロバイオティック細菌ベースの治療養生法の利点としては以下が挙げられるがそれらに限定されない:(i)その組成物の投与は、胃腸管内の腸球菌(Enterococcus)のコロニー形成速度の減少を生じる;(ii)抗生物質耐性の発生に寄与しない;(iii)この組成物は、院内で腸球菌の溜まり場を予防的に減少させるために使用され得、これは、同時に、後天性VREからの高い危険性の患者の機会を減少させる;(iv)その組成物の投薬は、患者の年齢などに応じて変動し得る;ならびに(v)この組成物は、さらなる抗生物質耐性の発生を減少させるために、食用動物において利用され得る。
そうでないと定義しない限り、本明細書において使用されるすべての科学的および技術的な用語は、関連する分野において当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。そうではないと言及しない限り、本明細書において使用または企図される技術は、当業者にとって周知の標準的な方法論である。上記一般的な説明および以下の詳細な説明は、請求される本発明の例示および説明のためのみのものであり、そしてそれらを限定するものではないことが理解されるべきである。
本発明は、以下を提供する。
(項目1) 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株は:
(a)乳酸を生成し、
(b)20−44℃の範囲の至適増殖温度を有し、そして
(c)2−5のpH範囲で増殖する、
組成物。
(項目2) 上記株は、L(+)右旋性乳酸を生成し、そして約90℃までの温度に耐性の胞子を生成する、項目1に記載の組成物。
(項目3) 上記株は、Bacillus coagulans、Bacillus stereothermophilus、Bacillus thermoacidurans、Lactobacillus sporogenes、Bacillus smithii、Bacillus dextrolacticus、Lactobacillus cereale、および Bacillus recemilacticusからなる群より選択される、項目1に記載の組成物。
(項目4) 上記株は、Bacillus coagulansである、項目1に記載の組成物。
(項目5) 上記株は、Bacillus coagulans GBI−1、Bacillus coagulans GBI−20、Bacillus coagulans GBI−30およびBacillus coagulans GBI−40からなる群より選択される、項目1に記載の組成物。
(項目6) 項目1に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
(項目7) 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株は、乳酸を産生し、そして20−25℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成物。
(項目8) 上記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃までの温度に抵抗性の胞子を産生する、項目7に記載の組成物。
(項目9) 上記株は、Bacillus coagulans、Bacillus stereothermophilus、Bacillus thermoacidurans、Lactobacillus sporogenes、Bacillus smithii、Bacillus dextrolacticus、Lactobacillus cerealeおよびBacillus recemilacticusからなる群より選択される、項目7に記載の組成物。
(項目10) 上記株は、Bacillus coagulansである、項目7に記載の組成物。
(項目11) 上記株は、Bacillus coagulans GBI−20である、項目7に記載の組成物。
(項目12) 項目7に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
(項目13) 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株は、乳酸を産生し、25−35℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成物。
(項目14) 上記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃までの温度に対して抵抗性の胞子を産生する、項目13に記載の組成物。
(項目15) 上記株は、Bacillus coagulans、Bacillus stereothermophilus、Bacillus thermoacidurans、Lactobacillus sporogenes、Bacillus smithii、Bacillus dextrolacticus、Lactobacillus cereale、およびBacillus recemilacticusからなる群より選択される、項目13に記載の組成物。
(項目16) 上記株は、Bacillus coagulansである、項目13に記載の組成物。
(項目17) 上記株は、Bacillus coagulans GBI−30である、項目13に記載の組成物。
(項目18) 項目13に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
(項目19) 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株は、乳酸を産生し、そして35−40℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成物。
(項目20) 上記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃までの温度に対して抵抗性の胞子を産生する、項目19に記載の組成物。
(項目21) 上記株は、Bacillus coagulans、Bacillus stereothermophilus、Bacillus thermoacidurans、Lactobacillus sporogenes、Bacillus smithii、Bacillus dextrolacticus、Lactobacillus cereale、およびBacillus recemilacticusからなる群より選択される、項目19に記載の組成物。
(項目22) 上記株は、Bacillus coagulansである、項目19に記載の組成物。
(項目23) 上記株は、Bacillus coagulans GBI−40である、項目19に記載の組成物。
(項目24) 項目19に記載の組成物に由来する細胞外産物。
(項目25) 病原性細菌感染を阻害する方法であって、項目1に記載の組成物に感染部位を接触する工程を包含する、方法。
(項目26) 病原性細菌感染を阻害する方法であって、Bacillus coagulans組成物に感染部位を接触させる工程を包含する、方法。
(項目27) 上記感染部位は、胃腸管である、項目26に記載の方法。
(項目28) 上記感染部位は、皮膚または粘膜である、項目26に記載の方法。
(項目29) 上記組成物は、生存する栄養細菌細胞を含む、項目26に記載の方法。
(項目30) 上記組成物は、細菌胞子を含む、項目26に記載の方法。
(項目31) 上記組成物は、Bacillus coagulansの細胞外産物を含む、項目26に記載の方法。
(項目32) 上記組成物は、10mg−10g/日の用量で投与される、項目26に記載の方法。
(項目33) 上記組成物は、1×10 2 −1×10 14 の生存する栄養細菌細胞/日の用量で投与される、項目29に記載の方法。
(項目34) 上記組成物は、1×10 2 −1×10 14 の胞子/日の用量で投与される、項目30に記載の方法。
(項目35) 上記組成物は、経口、経頬、局所、経膣、経鼻、経眼または経耳で投与される、項目26に記載の方法。
トリプチカーゼダイズブロス(TSA)またはグルコース酵母抽出物(GYE)の培地の何れかにおける、Bacillus coagulans 1%分離体(GBI−1);ATCC−99%分離体(ATCC第31284号);5937−20℃分離体(GBI−20);および5937−30℃(GBI−30)についての、最小培養温度および至適培養温度を示す棒グラフである。 図2は、1% Bacillus coagulans株(GBI−1)の末端点の反応速度論を示す棒グラフである。 図3は、ATCC−99% Bacillus coagulans株(ATCC第31284号)の末端点の反応速度論を示す棒グラフである。 図4は、5937−20℃ Bacillus coagulans株(GBI−20)および5937−30℃ Bacillus coagulans株(GBI−30)のTSBおよびGYEの培地との末端点の反応速度論を示す棒グラフである。 図5は、5937−20℃ Bacillus coagulans株(GBI−20)および5937−30℃ Bacillus coagulans株(GBI−30)のNBおよびBUGMBの培地との末端点の反応速度論を示す棒グラフである。 図6は、Bacillus coagulans ATCC−99%分離体(ATCC第31284号)についての、他のBacillus種との整列、近接結合系統樹および簡略な整列分析の結果を示す図である。 図7は、Bacillus coagulans 20℃分離体(GBI−20).についての、他のBacillus種との整列、近接結合系統樹および簡略な整列分析の結果を示す図である。 図8は、Bacillus coagulans 30℃分離体(GBI−30).についての、他のBacillus種との整列、近接結合系統樹および簡略な整列分析の結果を示す図である。 図9は、Bacillus coagulans ATCC−99%分離体(ATCC第31284号)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒グラフである。 図10は、Bacillus coagulans ATCC−1%分離体(GBI−1)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒グラフである。 図11は、Bacillus coagulans ATCC−30℃分離体(GBI−30)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒グラフである。 図12は、Bacillus coagulans ATCC−20℃分離体(GBI−20)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒グラフである。
(発明の詳細な説明)
乳酸産生細菌種(例えば、Lactobacillus,BifidiobacteriumおよびBacillusの大部分)は、一般に、胆汁(特にヒト胆汁)の過酷な(すなわち酸性の)pH環境下においてそれらが不安定であることに起因して、腸のコロニー形成のためには不適切であると考えられてきた。しかし、Bacillus coagulans(本明細書において開示される新規株を含む)は、胆汁のような胃腸管で生存およびコロニー形成し、そしてこの低いpH範囲において増殖することが見出された。特に、このヒト胆汁環境は、動物モデルの胆汁環境とは異なり、それゆえ、ヒト胃腸管モデルにおけるBacillus coagulansの精確な説明は今まで全くなかった。
1つ以上の抗生物質に耐性を示す細菌株の現在の劇的な数の増加にともない、非抗生物質ベースの治療養生法の開発は非常に重要になっている。本発明の開示の前に、急性治療状況において、ならびに治療的に機能する高度に有効な生体合理的な治療、ならびにヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐性病原体(例えば、抗生物質耐性腸球菌)を緩和するために予防的におよびベクター制御適用における開発について必要性が残っていた。これは、プロバイオティック微生物での胃腸管のコロニー形成(または再コロニー形成)による。このコロニー形成は、抗生物質耐性消化管病原体のコロニー形成に起因して、コロニー形成速度および可能な生理学的有害効果の両方を減少または予防するように働く。
乳酸産生細菌は、グラム陽性であり、そしてその形態は、長くスレンダーな桿形から短い球桿形まで変動し、これは、しばしば「鎖」を形成する。その代謝は、発酵性であり、いくらかの種は、酸素耐性(すなわち、酵素フラボタンパク質オキシダーゼを介して酸素を利用し得る)であるが、他方他の種は、非常に嫌気性である。胞子形成乳酸産生細菌は、条件的嫌気性菌であるが、他方残りのものは嫌気性である。これらの細菌の増殖は、pH5−5.5で至適である、そしてこの生物は、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド塩基、ビタミン、ミネラル、脂肪酸および炭水化物について複雑な栄養要求性を有する。この乳酸細菌は、発酵可能な糖から乳酸を産生する特性を有する。Lactobacillus.Leuconostoc.、PediococcusおよびStreptococcusの属は、この群の重要なメンバーである。乳酸産生細菌の分類学は、グラム反応および種々の発酵可能な炭水化物から乳酸の産生に基づく。これらの群は、以下を含む。
ホモ発酵性(Homofermentative):グルコースから85%を超える乳酸を産生する。
ヘテロ発酵性(Heterofermentative):50%しか乳酸を産生せず、そしてかなりの量のエタノール、酢酸および二酸化炭素を産生する。DL−乳酸、酢酸および二酸化炭素を産生するヘテロ発酵性種は周知である。これらの種としては、以下が挙げられる:Lactobacillus acidophilus、Lactobacillns plantarum、Lactobacillacs casei、Lactobacillus brevis、Lactobncillzss lelbruekii、およびLactobacillus lactis。
他のプロバイオティック調製物は、最初は、1900年代初頭に健康および寿命に対するそれらの効果について(例えば、以下を参照のこと:Metchinikoff,Prolongation of Life,Willaim Heinermann,London 1910)系統的に評価され、それらの利用は、1950年代における病原性微生物を処置するための抗生物質の出現以来顕著に限定されていた。例えば、以下を参照のこと:Winberg,et al,1993.Pediatr.Nephrol.7:509−514;Malin et al,Aiiii.Nutr.Metab.40:137−145;および米国特許第5,176,911号。不幸なことに、プロバイオシスに関するこれらの初期研究の大部分は、その性質が機構的というよりは観察的であり、従って、多くのプロバイオティック現象を担うプロセスは、定量的に示されなかった。
腸の微生物叢とそのヒト宿主の健康に対する効果との間の関連についての関心は増加しつつある。ヒト胃腸管の生態系は、500種を超える細菌によりコロニー形成されており、そして非常に複雑な微少環境を表す。腸の微生物叢の組成物は、常に変化しており、例えば、食餌、ストレス、年齢ならびに抗生物質および他の薬物での処置のような因子によって影響を受ける。
乳酸産生細菌の有利な効果を提供するために、多くの製造業者が種々のプロバイオティック調製物を市場に出してきた。これらの調製物の報告された保健効果は、種々の障害の処置における効力を包含する。それらとしては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:腸炎、便秘、下痢、(腹部)膨満、胃酸過多、胃腸炎、歯肉炎、抗コレステロール血症、肝臓脳障害、および腫瘍形成、ならびに抗生物質での処置の後の有利な叢での腸の再コロニー形成。しかし、これらの報告は、胃腸管内に移植された叢の生存性における相違のような因子に起因して非常に問題が多い。首尾よい利用は、以下の因子に依存する:(i)投薬形態への製造および続いての保存の間高度の計数の生存する生物;(ii)一旦摂取されたときの、酸性の胃分泌物およびそれらの腸への経路におけるこれらの乳酸産生細菌の生存性;ならびに(iii)病原体に対するアンタゴニスト性の代謝物(例えば、L(+)右旋性乳酸およびバクテリオシン)を十分量産生すること。
これまで、以下を含むがそれらに限定されない多くの種のLactobacillusが試験されてきた:Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillts aciclophilus、Lactobacillles casei、およびLactobacillus brevis。しかし、興味深いことに、長い間治療用途に最もよい候補とみなされてきたLactobacillus acidophilusは、胃腸管の再コロニー形成のためのプロバイオティック生物としておよび胃腸障害の緩和においてまったく無効であることがその後示された。さらに、この細菌種は、D(−)(左旋性)乳酸を生成する。この乳酸は、有効なアンタゴニスト剤ではなく、そして代謝性障害を誘導する可能性があり得る。この事実に鑑み、世界保健機関(WHO)は、成人についてD(−)乳酸の摂取の制限を、および乳児栄養において完全な回避を推奨してきている。
今や、プロバイオティック細菌が、競合阻害のプロセスにより、腐敗微生物または病原性微生物の増殖を減少または予防することが分かった。このことは、非生理学的に誘導される酸性環境(すなわち、乳酸または他の生物学的酸の産生を通じる)を介するか、および/または細菌の抗微生物効果を担う抗生物質様物質(すなわちバクテリオシン)の産生による。例えば、以下を参照のこと:Klaenhammer,1993.FEMS Microbiol.Rev.12:39−85;Barefoot et al.,1993.J.Diarv Sci.76:2366−2379。例えば、抗生物質を産生する選択されたLactobacillus株は、感染、静脈洞炎、痔核、歯科炎症および種々の他の炎症状態の処置について有効であることが実証されている。例えば、以下を参照のこと:米国特許第5,439,995号。同様に、Lactobacillus reuteriは、グラム陰性およびグラム陽性の細菌、酵母ならびに種々の原生動物に対して抗微生物活性を有する抗生物質を産生することが示された。例えば、米国特許第5,413,960号および同第5,439,678号。さらに、プロバイオティック細菌のタンパク質分解、脂質分解およびガラクトシダーゼの活性もまた、消化された栄養物の消化性および同化を改善することが示されており、これにより、これら細菌が、回復期/老人の栄養においておよび抗生物質治療の補助物としての評価がなされている。
プロバイオティックスはまた、抗変異原性特性を有することも示されている。例えば、グラム陽性およびグラム陰性の細菌は、高温での調理の間に生成する変異原性の熱分解生成物に結合することが実証された。乳酸産生細菌で行った研究により、これらの細菌は、そのプロセスが細菌細胞壁に存在する炭水化物ポリマーに対する変異原性熱分解生成物の吸収により生じるという事実に起因して、生きているかまたは死んでいるかのいずれかであり得る。例えば、以下を参照のこと:Zang,et al.,1990.J.Dairy Sci.73:2702−2710。Lactobacillusもまた、粘膜表面のレベルで続いてそのプロセスが生じることが見出される場合に重要な役割を果たし得る発癌物質(例えば、N−ニトロソアミン)を分解することが示されている。例えば、以下を参照のこと:Rowland and Grasso,1986.Appl.Microbiol.29:7−12。さらに、発癌物質アゾオキシメタンが注射されたラットへのラクツロースおよびBifidobacteria longumの共投与は、異常な腸陰窩病巣を減少することが実証された。この病巣は、一般に、前新生物マーカーであると考えられている。例えば、以下を参照のこと:Challa,et al.,1997.Cuncinogenesis 18:5175−21。Bifidobacteriaの精製した細胞壁はまた、Bifidobacteria infantisの細胞壁が増殖中の腫瘍細胞を破壊する食細胞の活性化を誘導するという点で抗腫瘍原性活性を有し得る。例えば、以下を参照のこと:Sekine,et al.,1994.Bifidobacteria and Microflora l3:65−77。Bifidobacteriaプロバイオティックスはまた、フルクトオリゴサッカリド(FOS;例えば、Koo and Rao,1991.Nlltrit.Rev.51:137−146を参照のこと)と同時投与されるときに、マウスにおいて、1,2−ジメチルヒドラジンによって誘導される結腸発癌性を減少すること、ならびにラットにおける肝臓および乳腺の腫瘍を阻害すること(例えば、Reddy and Rivenson,1993.Caslcer Res.53:3914−3918を参照のこと)が示された。興味深いことに、結腸癌について高い危険性にある集団は、腸叢を有することが示された。腸叢は、ステロイドを効率よく代謝し、そしてグルクロナイドを加水分解し、他方、同時に発癌物質(例えば、ニトロソアミン)を産生する。高濃度の生存する乳酸産生細菌を含む食餌は、そのような個体においてこれらの有害な細菌媒介性活動を有意に低くすることが見出された。
胃腸管の微生物叢が宿主内の粘膜免疫および全身性免疫に影響を与えることもまた実証された。例えば、以下を参照のこと:Famularo,et al.,Stimulation of Immunity by Probiotics.In:Probiotics:Therapeutic and Other Beneficial Effects.pg.133−161.(Fuller,R.,ed.Chapman and Hall,1997)。腸上皮細胞、血液白血球、Bリンパ球、Tリンパ球、および免疫系のアクセサリ細胞は、すべて、上記免疫における相関関係が示された。例えば、以下を参照のこと:Schiffrin,et al.,1997.Anl.J.Clin.Nutr.66 (suppl):5−20S。免疫調節特性を有する、他の細菌代謝産物としては、エンドトキシン性脂質ポリサッカリド、ペプチドグリカンおよびリポテイコ酸が挙げられる。例えば、以下を参照のこと:Standiford,1994.Infect.Linmun.62:119−125。従って、プロバイオティック性生物は、以下を含むがそれらに限定されない多くのレベルで免疫系と相互作用すると考えられる:サイトカイン産生、単核細胞増殖、マクロファージ食細胞作用および殺傷、自己免疫の調節、細菌および原生動物病原体に対する免疫など。例えば、以下を参照のこと:Matsumara,et al.,1992.Animal Sci.Technol.(Jpn)63:1157−1159;Solis−Pereyra and Lemmonier,1993.Nutr.Res.13:1127−1140。Lactobacillus株はまた、炎症性応答および免疫学的応答における顕著な変化をもたらすことが示された。これらには、Bリンパ球およびTリンパ球の数における類似の減少を惹起することなく、結腸炎症浸潤の減少が含まれるがそれらに限定されない。例えば、以下を参照のこと:De Simone,et al.,1992.Immunopharmacol.Immunotoxicol.14:331−340。
胃腸上皮に対するプロバイオティックスの付着が宿主免疫反応性を改変するそれらの能力の重要な決定因子であるが、他方、これは、LactobacillusまたはBifidobacteriumの一般的な特性ではなく、しかも、首尾よいプロバイオシスに必須でもない。例えば、以下を参照のこと:Fuller,1989.J.Appl.Bacteriol.66:365−378。例えば、Lactobacillus acidophilusおよびBifidobacteriaのヒト腸細胞様CACO−2細胞への接着は、腸毒素産生性および腸病原性のEscherichia coliならびにSalmonella typhimuriumおよびYersinia pseudotuberculosisの結合を妨害することが実証された。例えば、以下を参照のこと:Bernet,et al.,1994.Gut 35:483−489;Bernet,et al.,1993.Appl.Environ.Microbiol.59:4121−4128。
胃腸の微生物叢は、侵入する生物に対する微生物ベースのバリアを提示するが、病原体は、その微少生物相の統合性がストレス、疾患、抗生物質処置、食餌変化または胃腸管の生理的変更によって損傷されるときにしばしば確立される。例えば、Bifidobacteriaは、大腸における病原体のコロニー形成に対向することに関与することが知られている。例えば、以下を参照のこと:Yamazaki,et al.,1982.Bifidobacteria and Microflora 1:55−60。同様に、Bifidobacteria breveを胃腸炎の小児へ投与することにより、原因性病原性細菌(すなわち、Campylobacter jejuni)をその糞便から排除し(例えば、以下を参照のこと:Tojo,1987.Acta Pediatr.Jpn.29:160−167)、そして乳児の処方ミルクにBifidobacteria bifidiiniおよびStreptococcus thermophilusを補充すると、入院した小児においてロタウイルス下痢および下痢の症状を減少することが見出された(例えば、以下を参照のこと:Saavedra,1994.The Laizcet 344 1046−109)。
さらに、乳酸産生細菌はまた、皮膚および粘膜にコロニー形成し得、そして細菌感染を制御するために予防的または治療的のいずれかで使用され得る。例えば、乳酸産生細菌は、膣上皮細胞中のグリコーゲンを利用して乳酸を産生し得、これは、この環境を4.0−4.5の範囲のpHに維持する。この産生環境は、膣感染を担うCandida albicans、Gardnerella vaginalis、および種々の非特異的な細菌のような病原体の増殖について実施可能ではない。これらの乳酸産生細菌の枯渇が真菌および細菌の婦人科疾患における原因および効果の関係であると実証された大量の定性的な証拠が存在する。
(抗生物質投与および多剤抗生物質耐性病原体細菌株)
抗生物質は、ヒトおよび動物の両方における病原性微生物を制御するために使用される。不幸なことに、抗微生物剤(特に広スペクトル抗生物質)の広汎な使用により、多数の深刻な臨床的結果を生じた。例えば、抗生物質は、胃腸管内における消化機能および健康に寄与する有益で病原性ではない微生物(すなわち、叢)をしばしば殺傷する。従って、再発(感染およびそれに関連する症状の戻り)および二次日和見感染はしばしば、胃腸管内の乳酸産生叢および他の有益な叢の枯渇から生じる。
不幸なことに、すべてではなくてもほとんどの乳酸産生すなわちプロバイオティック細菌は、一般の抗生物質化合物に非常に感受性である。従って、通常の抗生物質値用の経過の間に、多くの個体は、多数の有害な生理学的副作用を生じる。これらには、以下が挙げられる:下痢、腸痙攣、およびときに下痢。これらの副作用は、主に、抗生物質の非選択的な作用に起因する。なぜなら、抗生物質は、有益で非病原性の細菌と病原性の細菌との間を識別する能力を有しないからであり、両方の細菌型がこれらの因子によって殺傷されるからである。従って、抗生物質を摂取した個体は、しばしば、通常胃腸管にコロニー形成する有益な微生物(すなわち、腸叢)が殺傷または重篤に弱体化される結果として胃腸管の問題に苦しむ。腸叢の組成物において生じた変化は、ビタミン産生腸細菌が殺傷されるときはビタミン欠損を、病原生成物が過剰増殖し、そして残りの有益な胃腸細菌に置き換わる場合下痢および脱水より重症の場合疾患を生じ得る。
抗微生物剤の無差別の使用の別の有害な結果は、多剤抗生物質耐性病原性細菌株の発生である。例えば、以下を参照のこと:Mitchell,1998.The Lancet 352:462−463。例えば、メチシリン耐性Staphylococcts aureus(MRSA)株は、豪州の単一の病院における50を超える死亡例の原因であった。以下を参照のこと:Shannon,1998.Lancet 352:490−491。しかし、これらのMRSA感染の初期の報告は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含む、腸球菌の多剤耐性(MDR)株のより最近の蔓延によって存在が薄くなった。バンコマイシンは、一般に、「最後の手段」の抗生物質とみなされている。そのような耐性の発生は、従来の抗生物質治療では処置不可能なままである全身性感染の多くの報告をもたらした。
(多剤耐性腸球菌)
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、過去10年間において重要な院内感染病原体として出現した。最初に米国で報告されたのは1989年であり、これらの生物は、迅速に米国中へと拡散した。特にEnterococcus jaecium株のVREは、しばしば、受容性の腸球菌の処置に有効なすべての抗生物質に対して耐性である。この状況により、VRE感染を処置する臨床医は、至適ではない殺菌剤(例えば、クロラムフェニコール)または治療上の選択肢がないという状況になった。感染制御手段およびバンコマイシンの使用の減少を通じたVREの蔓延を抑える努力はあまり効果を上げていない。
VREがコロニー形成した腸は、これらの生物の拡散について最も重要な供給源である。VREを有するほとんどの患者は、無症状腸コロニー形成を有する。これは、数カ月継続し得る。これらの患者はVRE感染を発症する危険にあり、そして医療機関従事者、環境および他の患者への拡散の可能な供給源である。VREの拡散を最小限にすることを実施する感染制御手段は、高価であり、患者、家族構成員および医療機関従事者にとって不便である。
最近の研究によって、乳酸産生Bacillus coagulans種、本明細書において開示される特にBacillus coagulansの新規株について、抗生物質耐性消化病原体の予防または治療の処置のために生物合理的な治療において使用するための深い可能性が実証された。急速に出現する疾患および抗生物質耐性の現在の状況に鑑み、新たな治療および病原体を制御することに関する新たな考え方が要求される。いくつかの適用において、抗生物質は、医療機関の状況における抗生物質の誤用および家畜生産における「成長因子」としての誤用から生じた、新規および抗生物質耐性株の大量リザーバを考えるときそれらの有用性が過去のものとなった。
院内菌血症、手術創傷感染および尿管感染の主要な原因である腸球菌は、多くのおよびときにすべての標準的な治療に対して耐性となりつつある。新たな迅速な評価方法は、種レベルでの腸球菌単離体を試験することの重要性が注目されつつある。ほとんどの腸球菌感染は、Enterococcus faecalisによる生じる。これはおそらく、明白な毒性に関連する特性を発現するようであるが、少なくとも現在の所、これはまた、少なくとも1つの有効な抗生物質に対して感受性を保持するようである。のこりの感染は、ほとんど、Ertterococcus faeciumにより生じる。これは、公知の明白な病原特性が実質的にない種であるが、最後の手段の抗生物質でさえ耐性であるようである。多剤耐性腸球菌の有効な制御は以下を必要とする:(i)腸球菌、環境およびヒトの間の相互作用のよりよい理解;(ii)はるかにより賢明な抗生物質の使用;(iii)病院内および他の患者ケア環境におけるよりよい接触隔離;(iv)改善された調査;および最も重要なことに、(v)新たな治療パラダイムの開発(例えば、非抗生物質ベース)であって、薬物導入と薬物耐性とのサイクルがあまり脆弱ではないもの。
2つの型の腸球菌が感染を生じる:(i)患者のネイティブの叢に由来するものであって、その属に固有であるものを超えた耐性を有するようではなく、そして感染しないようである型。および(ii)多剤耐性抗生物質耐性特性を有し、そして院内感染し得る単離体。多剤耐性(MDR)腸球菌(すなわち、2つ以上の抗生物質(しばしばバンコマイシンを含むがそれに限定されない)に対して有意な耐性を有する株)の治療チャレンジは、より鋭い視点に重要な院内感染病原体としてのそれらの役割をもたらした。
最近の10年間の間、腸球菌は、院内感染菌血症、手術創傷感染、および尿管感染の主要な原因として認知されるようになった。2つの型の腸球菌が一般的に、原因感染に関連することが見出されている:(i)患者のネイティブ叢に由来し、その属に固有の耐性を超えた耐性を有するようではなく、かつ床間の拡散をしないようである型、および(ii)多剤抗生物質耐性特性を有し、そして院内感染し得る分離体。多剤耐性(MDR)腸球菌(すなわち、2つ以上の抗生物質(しばしばバンコマイシンを含むがそれに限定されない)に対して有意な耐性を有するそれらの株)の治療チャレンジは、移住様な院内感染病原体をより鋭い視点へともたらした。
腸球菌は、通常腸(bowel)に棲息し、そしてゴキブリからヒトにいたるまで、ほとんどすべての動物の腸(intestine)において見出され得る。ヒトにおいて、糞便中の代表的な濃度の腸球菌は、108CFU/gまでである。例えば、以下を参照のこと:Rice,ei al.,1995.Occurrence of high−level aminoglycoside resistance in environmental isolates of enterococci.Appl.Envinon.Microbiol.61:374−376。腸に棲息する主要な種は、変動する。欧州、米国および極東において、Enterococcus faecalisがいくつかの症例において主要であり、そして他の場合ではEnterococcus faeciumが主要である。さらに、4つ以上の公知の腸球菌種のうち(例えば、以下を参照のこと:Devriese,et al.,1993.Phenotypic identification of the genus Enterococcus and differentiation of phylogenetically distinct enterococcal species and species groups.J.Appl.Bacteriol.75:399−408)、Enterococcacs faecalisおよびEnterococcus faeciumのみが、検出可能な数でヒトにコロニー形成し、そして感染する。ここで、Enterococcus faecalisは、ヒト感染のおよそ80%から分離され、そしてEnterococcus faeciumはのこりの個体から分離される。
腸球菌は、非常に強固で、そして広汎な種々の増殖条件に寛容であり、この条件は10℃から45℃の温度、および低張性、高張性、酸性またはアルカリ性の環境を包含する。アジ化ナトリウムおよび濃胆汁酸塩は、ほとんどの微生物を妨害または殺傷するが、腸球菌はこれに対し寛容であり、そして実際、観点ベースの培地では選択剤として使用されている。条件的生物として、腸球菌は、還元または酸化の条件で増殖するが、腸球菌は通常、厳格な発酵体とみなされる。なぜなら、それらは、クレブスサイクルおよび呼吸鎖を欠如するからである。しかし、Enterococcus faecalisは、例外である。なぜなら、外因性のヘミンを使用してd、bおよびo型のシトクロムを産生し得るからである。Enterococcus jaecalisのシトクロムは、外因性ヘミンの存在下でのみ嫌気性条件下で発現され、そしてそれ故不適切な部位のコロニー形成を促進し得る。
腸球菌はまた、多くの抗生物質に対して本質的に耐性である。通常トランスポゾンまたはプラスミドによりコードされる、獲得した耐性およびビルレンス特性とは異なり、内因性耐性は、染色体遺伝子に基づき、これは、代表的に転移不可能である。ペニシリン、アンピシリン、ピペラシン、イミペネムおよびバンコマイシンは、とりわけ、一致して阻害性を示す数少ない抗生物質であるが、Enterococcus faecalisに対しては細菌殺傷活性を示さない。Enterococcus faeciumは、βラクタム抗生物質に対してEnterococcus faecalisほどは感受性ではない。なぜなら、前者のペニシリン結合タンパク質は、抗生物質に対して顕著により低い親和性を有するからである。ペニシリンに対して高度に耐性の株の最初の報告は、1980年代に初めて登場し始めた。例えば、以下を参照のこと:Bush,et al.,1989.High−level penicillin resistance among isolates of enterococci:implications for treatment of enterococcal infections.Ann.Intern.Med.110:515−520;Sapico,et al.,1989.Enterococci highly resistant to penicillin and ampicillin an emerging clinical problem.J.Clin.Microbiol.27:2091−2095。
以下により詳細に考察するが、腸球菌は、しばしば、接合トランスポゾン、フェロモン応答性プラスミドおよび他の広汎な宿主範囲のプラスミドにおいて行われる耐性コード遺伝子の交換を通じて、抗生物質耐性を獲得する。過去20年間に、MDR腸球菌の迅速な出現を見た。高レベルのゲンタマイシン耐性は1979年に初めて報告され(例えば、以下を参照のこと:Horodniceanu,et al.,1979.High−level,plasmid−borne resistance to gentamicin in Streptococcus faecalis sub−sp.zymogenes.Antimicrob.Agents Chemother.16:686−689)、そして1980年代に、院内感染の多数の報告が直ぐ続いた(例えば、以下を参照のこと:Zervos,et al.,1987.Nosocomial infection by gentamicin−resistant Streptococcus faecalis:an epidemiologic study.Ann.Intern.Med.106:687−691)。同時に、院内のEnterococcus faecalisおよびEuterococcus faciurnの感染の散発性蔓延は、ペニシリン耐性をともなうようであり、これは、βラクタマーゼ産生に起因する。しかし、そのような分離体は、比較的まれなままである。最後に、バンコマイシンに対する感受性を喪失したMDR腸球菌は、欧州および米国において報告された。例えば、以下を参照のこと:Sahm,et cil.,1989.In−vitro susceptibility studies of vancomycin−resistant Enterococcus faecalis.Antimicrob.Agents Chemother.33:1588−1591。
バンコマイシン耐性腸球菌に関するいくつかの表現型の中で、VanA(バンコマイシンおよびタイコプラニン(teicoplanin)に対して耐性である)およびVanB(バンコマイシン単独に対して耐性である)が最も一般的である。米国において、VanAおよびVanBは、それぞれ、約60%および40%のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)分離体を湿る。例えば、以下を参照のこと:Clark,et al.,1993.Characterization of glycopeptide−resistant Enterococci from U.S.hospitals.Aiitiniicrob.Agents Chemother.37:2311−2317。これらの表現型をコードする誘導可能な遺伝子は、細胞壁合成を変更し、そして株を糖ペプチドに対して耐性にさせる。研究室において、これらの遺伝子は、腸球菌から他の細菌に移り得ることが実証された。例えば、以下を参照のこと:Arthur,et al.,1993.Genetics and mechanisms for glycopeptide−resistance in Enterococci.Antimicrob.Agents Chentother.37:1563−1571。例えば、Staphylococcus aureusは、Enterococcus faecalisからの耐性の転移を通じてバンコマイシン耐性になった。
以前に考察したように、ほとんどの腸球菌は、天然に生じるか、または固有に、種々の薬物に対して耐性を有し、これには、セファロスポリンおよび飯ごう性のペニシリナーゼ耐性ペニシリン(例えば、オキサシリン)ならびに臨床的に達成可能な濃度のクリンダマイシンおよびアミノグリコシド系が含まれる。ストレプトコッカスに比較して、ほとんどの腸球菌は、ペニシリン、アンピシリンおよびプソイドペニシリンに対して比較的耐性である。多くの腸球菌はまた、細胞壁活性剤(例えば、アンピシリン、バンコマイシンなど)の殺傷効果に対して寛容であるが;最近のデータは、この特性は固有ではないかもしれず、抗生物質への暴露後に獲得されたかもしれないことを示唆する。例えば、トリメトプリム−スルファメトキサゾールに対するEnterococcus faecalisの固有のインビボ耐性は、動物モデルにおける有効性を欠如することを説明し得る。さらに、Enterococcus faecalisに対する最近殺傷活性は、信頼性がないようであり、そしてまさに方法に依存する。動物モデルにおいて、この組合せは、よい活性を示さず、そして一般に、特に全身性感染について有効な抗腸球菌治療として一般には受容されていない。
多くの薬剤に対する天然の耐性に加え、腸球菌はまた、プラスミド媒介性およびトランスポゾン媒介性のテトラサイクリン(例えば、ミノサイクリンおよびドキシサイクリン);エリスロマイシン(例えば、アジスロマイシンおよびクラリスロマイシン);クラムフェニコール;高レベルのトリメトプリム;および高レベルのクリンダマイシンに対する耐性を発生した。Enterococcus faecalisが多剤抗生物質耐性特性を獲得する傾向は、接合についての種々の顕著に異なる機構から生じ得る。
接合の最もよく特徴づけられた系は、フェロモンであるオリゴペプチドおよびフェロモン応答性プラスミドを包含する。例えば、以下を参照のこと:Clewell and Keith,1989.Sex pheromones and plasmid transferin Enterococcus faecalis.Plasmid 21:175−184。この接合系において、Enterococcus faecalisの株は、代表的に、培養培地中に多数の異なる低オリゴペプチド性フェロモンを分泌する。このフェロモンは、異なる型のプラスミドに対して特異的である。フェロモン応答性プラスミドを含む細胞(すなわち、可能なドナー細胞)がその対応するフェロモンと接触するとき、プラスミド上の遺伝子の転写がスイッチオンとなり、その細胞膜の表面上の凝集物質の合成を生じる。次いで、そのドナーが別のEnterococcus faecalis細菌と接触するとき、その凝集物質(これは、2つのArg−Gly−Aspモチーフを含む)は、ほとんどのEntenococcus faecalis細胞の表面上の結合物質に接着し、それら細胞を凝集させる。次いで、いまだによく特徴づけられていないプロセスによって、フェロモン応答性プラスミドは、ドナー細菌から他の(レシピエント)細菌へと移入し得る。一旦そのレシピエント細胞がこの特定プラスミドを獲得すると、その対応する性フェロモンの合成がシャットオフされて、自己凝集が妨害される。この接合系は、Entenococcus faecalisにおいて主に生じるが、プラスミド移入の高度に効率的な手段である。
これもまたよく特徴づけられていない接合の別の系は、腸球菌および他のグラム陽性生物(例えば、連鎖球菌およびブドウ球菌)の種の間を移入し得る広汎な宿主範囲のプラスミドを包含する。例えば、以下を参照のこと:Clewell,1981.Plasmids,drug resistance,and gene transfer in the genus Streptococcus.Microbiol.Rev.45:409−436。この頻度は、一般に、フェロモン系よりも遙かに低い。ブドウ球菌、連鎖球菌および腸球菌は、多数の耐性遺伝子を共有することから、これらの広汎な宿主範囲のプラスミドは、これらの耐性遺伝子のいくつかが異なる属の間に拡散した機構であり得る。
第三の型の接合は、接合トランスポゾンを包含し、これはまた、多くの異なる種に対する耐性遺伝子の拡散を説明し得る。例えば、以下を参照のこと:Clewell,1986.Conjugative transposons and the dissemination of antibiotic resistance in streptococci.Atinii.Rev.Microbial.40:635−659。あるDNA位置から別の位置へと細胞内でジャンプし得る、通常のトランスポゾンとは逆に、接合トランスポゾンはまた、異なる細菌細胞の間の接合を生じる能力をコードする。プラスミドは、代表的に複製についてかなり複雑な機構を獲得し(しばしば、宿主タンパク質と首尾よい相互作用に依存する)、そして表面排除および不適合成のさらなる問題に直面せざるを得ないことから、接合トランスポゾン(これは、複製しないが、代わりに染色体中または新たな宿主のプラスミド中へ挿入する)は、耐性遺伝子を散在するさらにより効率よくかつ遠くに送達する方法であるようである。これは、接合トランスポゾンTn916のtetM遺伝子はグラム陽性種を越えてグラム陰性の生物(淋菌および髄膜炎菌を含む)ならびにマイコプラズマおよびウレアプラズマ(ureaplasma)へと拡散する理由を説明し得る。例えば、以下を参照のこと:Roberts,1990.Characterization of the TetM determinants in urogenital and respiratory bacteria.Antimicrob.Agetits Clieniother.34:476−478。他の耐性遺伝子(エリスロマイシンおよびカナマイシンに対する耐性をコードするものを含む)もまた、接合トランスポゾンにおいて発見された;これらは、頻繁に、Tn916を含むかまたはそれに関連する。そのようなトランスポゾンは、Tn916の祖先から進化したかもしれない。これらの出現は、グラム陽性生物の間の耐性のさらなる拡散の可能性を示唆する。特に不吉なことは、接合トランスポゾンに少なくとも機能的に類似するようである、大きな接合染色体エレメント中のvanB遺伝子クラスターの報告である。
(多剤耐性腸球菌の疫学)
MDR腸球菌のコロニー形成および感染は世界的に生じている。書記の報告では、米国において、VREによって生じた院内感染の比率は、1989年と1993年の間に20倍を超えて(すなわち、0.3%から7.9%)増加した。このことは、迅速な拡散を示す。あらたなデータベース技術(例えば、The Surveillance Network(TSN)Database USA)は今や、種による耐性プロフィールの評価を可能にする。TSN Databaseは、100を超える米国内の臨床研究所から毎日データを収集しそしてコンパイルしており、可能な研究所試験誤差を同定し、そして公衆衛生を脅かす耐性プロフィールおよび機構(例えば、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)の出現を検出する。1995年と1997年9月1日との間にTSN Databaseにより収集されたデータを分析して、バンコマイシン耐性の初期増加がバンコマイシンに特有であるかどうか、それが連続的な傾向を表したかどうか、および種分化がこの傾向を分析するにおいて定性的に重要であるかどうかを決定した。耐性拡散において1995年から1997年にはほとんど変化が生じなかった。対照的に、Enterococcus faeciumのバンコマイシンおよびアンピシリン耐性は、警鐘を鳴らす程度に増加した。例えば、1997年には、1482のEnterococcus faecium 分離体のうち771(52%)がバンコマイシン耐性を示し、そして1474の分離物のうち1220(83%)がアンピシリン耐性を示した。Enterococci faecum耐性にもかかわらず、Enterococci faecalisは、TSN Databaseにおける2つのEnterococcus種が断然最も一般的に遭遇したままであった。Enterococcus faecalis対Enterococcus faeciumの総合分離体は、約4:1であり、血液分離体は3:1であり、そして尿分離物は5:1であった。この観察は、生存戦略および治療上の成功の確率における重要な相違を過小評価すり、重要な因子が通常、これらの生物をEnterococcus種または腸球菌と一緒にすることによってあいまいになる。
Enterococcus faecalisにおけるアンピシリンおよびバンコマイシンの耐性の広汎な出現および拡散は、現在の治療ジレンマかなり混乱させる。バンコマイシンおよびアンピシリンの耐性が種faeciumについての選択的利点を提供するだけで種faecaliusについては提供しないことが予測される理由はほとんどない。Enterococcus faecalisにおけるこれらの耐性が比較的ないことは、浸透率の現状での欠如およびその特性の平衡を単に反映し得る。2つの種の間のこれらの重要な相違のために、Enterococcus耐性の意味のある評価は、種の同定を含まねばならない。
腸球菌は、米国において年間約110,000の尿管感染の原因であり、25,000例の菌血症の原因であり、40,000例の創傷感染の原因であり、そして1,100例の心内膜炎の原因であることが実証されている。コレラの感染のほとんどは、院内で起こる。腸球菌感染関連の死は、重篤な同時疾患が共通する事実に起因して確定することが困難である。しかし、腸球菌敗血症は、致死症例の50%までに相関づけられている。しかし、いくつかの最近の症例制御および歴史的コホート研究により、抗生物質耐性腸球菌に関連する死の危険は、感受性腸球菌菌血症よりも顕著により高いことが示された。この傾向は、MDR分離体がより拡散するようになるにつれ増加することが予測される。
MDR腸球菌についての院内伝染の正確な態様は、確定することが困難であるが、分子微生物学的証拠および疫学的な証拠は、患者間の拡散(おそらく、医療機関提供者または医療デバイスの手を介する)、および長期の腸コロニー形成を有する患者による病院間の拡散を強力に示唆する。多くのMDR腸球菌の大発生が報告されている。そして、2例を除きすべてがEnterococctls faeciumに起因していた。臨床Enterococcus faecalis分離体のより多い数に特に鑑みるとこの格差は、Enterococcus faeciumにおいて生じる耐性の組合せの新規性に起因して、報告の偏向を反映し得る。MDR腸球菌の大発生からの分離体がDNA配列決定により分析されたとき、半数を超えるものが、クローン的に関連する分離体を包含することが実証された。
抗生物質での以前の処置は、MDR腸球菌がコロニー形成したかまたは感染したほとんどすべての患者において共通している。例えば、以下を参照のこと:Montecalvo,et al.,1994.Outbreak of vancomycin−,ampicillin−,and aminoglycoside−resistant Enterococcus faecium bacteremia in an adult oncology unit.Antimicrob.Agents Chemother.38:1363−1367。他の危険因子としては、長期入院;疾患スコアの高い重症度;腹内手術;腎不全;腸管摂食(feeding);および特定の病院ユニット、看護師、または患者ケア領域内の汚染した物体および表面への暴露が挙げられる。
抗生物質は、少なくとも2つの機構によりMDR腸球菌でのコロニー形成および感染を促進し得る。まず、多くの広スペクトルの抗生物質は、ほとんどまたは全く抗腸球菌活性を有せず、そして投与は一般的に、感染についての危険な部位での感受性(または耐性)の腸球菌の増殖をもたらす。第二に、ほとんどの抗生物質は、実質的に、外因性生物によるコロニー形成に対する腸管の通常の耐性を減少する。コロニー形成耐性は、主に、通常の嫌気性叢の「限定作用」から生じ、そしてより少ない程度でインタクトな粘膜、胃酸分泌物、腸un銅製および腸関連免疫から生じる。抗生物質が誘導する腸の保護叢における変化は、MDR腸球菌のような外因性病原体のコロニー形成のための触媒として働く。抗生物質制限プログラムは、それらが単に一つの薬剤(例えば、バンコマイシン)だけでなくすべての抗生物質の賢明な処方を含むときに、より有効である。例えば、このアプローチの使用は、バンコマイシン、セフォタキシムおよびクリンダマイシンの使用を制限したある病院薬局においてVREの腸コロニー形成を実質的に減少させた。例えば、以下を参照のこと:Quale,et al.,1996.Manipulation of a hospital antimicrobial formulary t control an outbreak of vancomycin−resistant enterococci.Clin.Infect.Dis.23:1020−1025。
(バンコマイシン耐性遺伝エレメント)
近年になって、後天的なバンコマイシン耐性の腸球菌における警告的な発生があった。バンコマイシンは、1950年から臨床で使用されているが、これは、1970年代後半および特に1980年代まではそれほど顕著には使用されていなかった。複数の細菌遺伝子がバンコマイシン耐性の発生に関与することから、そのような耐性の発生は、簡単でもなく、最近のことでもなかった。
腸球菌におけるバンコマイシン耐性は、多くのレベルで異種性である。3つの表現型のバンコマイシン耐性(VanA、VanBおよびVanC)(各々は、異なるリガーゼに関連する)は、今や十分に記載されている。4つ目のVanD型が最近報告された。例えば、以下を参照のこと:Noble,et al.,1992.Co−transfer of vancomycin and other resistance genes from Enterococcus faecalis NCTC 12201 to Staphlococcts aureus.FEMS Microbiol.Lett.93:195−198。VanA型およびVanB型の耐性は、獲得され(すなわち、腸球菌の通常のゲノムの一部ではない)およびしばしば転移可能な遺伝子クラスターによってコードされる。VanA型の株は、代表的にバンコマイシンに対して高度に耐性であり、そしてタイコプラニンに対して中程度から高度に耐性である。この表現型はしばしば、プラスミドまたはトランスポゾンに媒介され、そして誘導性である(すなわち、バンコマイシンに対する最近の暴露は、一緒に耐性を付与するいくつかのタンパク質の合成の誘導を生じる)。例えば、以下を参照のこと:Hiramatsu,et al.,1997.Methicillin−resistant Staphylococcus aureus clinical strain with reduced vancomycin susceptibility.J.Antimicrob.Chemother.40:135−146。VanA遺伝子クラスターは、小さなTn3様トランスポゾンであるTn1546において見出されており、そして密接に関連する様であるエレメント(例えば、Tn1546内の挿入配列(IS1251)を有するTn5488)において見出されている。例えば、以下を参照のこと:Eliopoulos,et al.,1994.In vitro activities of two glycylcyclines against gram−positive bacteria.Antimicrob.Agents Chemother.38:534−541。次いで、これらのエレメントは、転移可能および転移不可能なプラスミドの両方において、ならびに宿主株の染色体において見出された。
VanB型の耐性は、転移可能であるとは当初見出されていなかったが、少なくともいくつかの症例において、VanB遺伝子クラスターは、大きな(すなわち、90kbから250kb)染色体に位置する転移可能なエレメントに見出され、これらのうちの秘湯は、64kbの複合トランスポゾン(すなわち、Tn1547)をその中に含む。VanB含有64kbトランスポゾンは、1つの腸球菌の染色体から移動し、そして別のものの染色体へと挿入されたことが示された250kbの移動性エレメントの部分である。実証されてはいないが、大きな移動性エレメントを含むvanBの環状化は、1つの株の染色体から切り出され得、環状化され得、ある腸球菌からべつの腸球菌から転移し得、そしてレシピエントの染色体へと再挿入され得る接合トランスポゾンについて記載された機構に類似する。64kbのこのトランスポゾンはまた、宿主腸球菌内で別のプラスミドへとジャンプし得、そして次いでそのプラスミドは、他の最近へと接合によって転移し得、VanB耐性遺伝子をそれに取り込み得る。
対照的に、VanC1およびVanC2は通常存在する遺伝子であって、それぞれ.gaiiitarttmおよびF.casseliflavusの内因性の種の特性である遺伝子であり、転移可能ではない。
(治療アプローチ)
MDR腸球菌感染(例えば、心内膜症または菌血症)を処置するために適切な抗生物質はしばしば、好中球減少症の存在下では利用可能ではない。ペニシリンとバンコマイシンとの組合せ、シプロフロキサシンとアンピシリンとの組合せ、またはノボビオシンとドキシサイクリンとの組合せがとりわけ使用されてきたが、予測不可能であり得、そして臨床的に実証されないままである。広スペクトルアプローチの実質的な欠点は、より多くの生物が感染し(すなわち、保護的プロバイオティック生物および病原体の両方)、より多くの耐性が進化する機会が増えることである。広スペクトル抗生物質は、特定の診断の非存在下で経験的治療を可能とし、そして短期での投資に対してより実質的な見返りを生成する。しかし、広スペクトルの抗生物質は、疾患発生生物のみならず、まれな変異または遺伝子交換事象により耐性を発生するに十分大きな数で存在するプロバイオティック生物にも影響を与える。
医療および薬学の学界が広スペクトル治療の使用および開発を主要な治療様相として依存することを継続する限り、開発中の他の治療剤の様相(例えば、標的化治療)が存在するが、薬物導入、続く耐性の出現のサイクルは、疑いなく継続する。
1つ以上の抗生物質に対する耐性を示す細菌株の数の現在の劇的な増加にともなって、非抗生物質ベースの治療養生法の開発が特に重要である。本発明の開示前は、プロバイオティック微生物を用いた胃腸管のコロニー形成(または再コロニー形成)(これは、抗生物質耐性消化病原体のコロニー形成に起因して、コロニー形成速度および可能な生理学的有害効果の両方を減少または予防するように機能する)によって、急性処置シナリオにおいて治療的に機能し、そして予防的およびベクター制御適用において、ヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐性病原体(例えば、抗生物質耐性腸球菌)の発生を抑えるかまたは遅延させるように機能する高度に有効な生物合理的な治療の開発に対する必要性が残存する。
腸球菌に加えて、本発明のプロバイオティック組成物は、以下を含むがそれらに限定されない病原体の他の一般または抗生物質耐性株に対して有効である:Candicla、Clostridimn、Escherichia.Klebsiella、Cantpylobactej−、Peptococcus、Heliobacter、Hemophylus、Staphylococcus、Yersinia、Vibrio、Shigella、Salmonella、Streptococcus、Proteus、Pseudomonus、Toxoplasmosis、およびRotovirtss の種。そのような非抗生物質のプロバイオティック細菌ベースの治療養生法の利点としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:(i)この組成物の投与は、胃腸管における腸球菌のコロニー形成速度の減少を生じる;(ii)抗生物質耐性の発生に寄与しない;(iii)この組成物は、院内の腸球菌のリザーバを予防的に減少させるために使用され得、これは、高危険性の患者がVREを獲得する機会を同時に減少させる;(iv)この組成物の投薬量は、患者、状態などに依存して変動し得る;および(v)その組成物は、食用動物において利用されて、さらなる抗生物質耐性の発生を減少させ得る。
さらなる実施形態において、皮膚クリーム、ローション、ジェルであって、本明細書において開示されるBacillus coagulansの新規株および/またはその細胞外産物を含むものは、皮膚、粘膜および角皮組織における病原性生物の軽減または予防において有用であり、そしてさらに抗生物質耐性病原体の出現を減少させる。例として、そして限定ではないが、これらの新規Bacillus coagulans株からの細胞、胞子および/または細胞外産物は、この明示の目的のための皮膚産物中に組み込まれ得る。例えば、Pseudomorzas、Staphylococcusおよび/またはEnterococcus病原性抗生物質耐性株は、しばしば、重症やけどの感染に関連する。従って、唾液、ローション、ジェルなどは、本発明において開示されるようなBacillus coagulans株および/またはその細胞外産物と組み合わせて、これらの病原性生物を軽減または予防するにおいて有効である。さらに、これらのプロバイオティック細菌の投与は、やけどの症例における皮膚の適切な生物多様性の状態を達成する助けとなる。なぜなら、一般的にそのような生物多様性は、病原性の過剰増殖に関連しない。
(プロバイオティック乳酸産生細菌株) 本明細書において利用される「プロバイオティック(共生;probiotic)」とは、一過性または内因性の叢の少なくとも一部を形成し、それにより宿主生物に対する有利な予防および/または治療効果を示す微生物をいう。プロバイオティックスは、一般的に当業者により臨床的に安全である(すなわち、非病原性)であることが知られる。例として、そして任意の特定の機構に限定されないが、本発明の酸産生細菌の予防および/または治療の効果は、以下に起因して部分的に病原体の増殖の競合阻害から生じる:(i)その卓越したコロニー形成能;(ii)所望されない微生物の寄生;(iii)酸(例えば、乳酸化合物、酢酸化合物および他の酸化合物)の産生および/または抗微生物活性を有する他の細胞外産物;ならびに(iv)それらの種々の組合せ。本発明の酸産生細菌の上記の産物および活性は、相乗的に作用して本明細書において開示される有利なプロバイオティック効果を生成することに留意されるべきである。
本発明の方法および組成物において使用するために適切なプロバイオティック細菌は、以下である:(i)酸化合物(例えば、乳酸、酢酸など)を産生および分泌する能力を有する;(ii)胃腸管内での有利な機能を実証する;および(iii)非病原性である。例示であるが限定ではなく、多くの適切な細菌が同定され、そして本明細書において開示されるが、本発明は、開示される目的および対象である限り現在分類される細菌種に限定されないことが留意されるべきである。乳酸のインビボ産生による生理化学的結果は、本発明のプロバイオティック乳酸産生細菌の有効性にとって重要である。乳酸産生は、局所的な微生物叢環境内でのpHを顕著に減少させ(すなわち、酸性度が増加する)、そして多くの所望されない生理学的に有害な細菌および真菌の増殖に寄与しなくなる。従って、乳酸産生の機構により、プロバイオティックは、競合する病原制裁金の増殖を阻害する。
本発明のプロバイオティックとして有用である代表的な乳酸産生細菌は、Bacillus属の非病原性メンバーを包含する、有効な乳酸産生体であり、これは、病原性生物の増殖を阻害するバクテリオシンまたは他の化合物を生産する。
Bacillus種、特に胞子を形成する能力を有するそれらの種(例えば、Bacillus coagulans)は、本発明の好ましい実施形態である。胞子形成能力は、これらの細菌種を熱および他の条件に対して比較的耐性とし、製品処方物における長期寿命を提供し、そして胃腸管内のpH、塩などの条件下で組織の生存およびコロニー形成にとって処置である。さらに、多くのBacillus種のさらなる有用な特性は、非病原性であること、嫌気性であること、条件的であることおよび異種栄養性であることを包含し、従って、これらの細菌種を安全とし、かつ、胃腸管に容易にコロニー形成することを可能にする。
本明細書において開示される好ましい方法および組成物は、Bacillus coagulansの新規株および/またはその細胞外産物をプロバイオティックとして利用する。本発明前は、一般に、種々の「古典的な」Luctobacillusおよび/またはBifidobacteriumの種は、胃腸管の高度に酸性環境において、特にヒト胃腸管においてそれが不安定であることに起因して腸のコロニー形成に不適切である。本発明の純化されたBacillus coagulans株は、胃腸管で生存し得、そしてコロニー形成し得る。なぜなら、増殖のための至適温度は、Bacillus coagulansの標準的な公知の株よりも低いからである。さらに、プロバイオティックBacillus coagulansは、非病原性であり、そして概して、米国連邦医薬品局(FDA)および米国農務省(USDA)によりおよび当業者により安全である(すなわち、GRAS分類)とみなされる。
Bacillus coagulansは、熱耐性胞子を精製する能力を有することから、これは、その製造において熱および圧力を必要とする薬学的組成物を製造するために特に有用である。従って、処方物は、薬学的に受容可能なキャリアにおける生存するBacillus coagulans胞子の利用は、本発明において開示される組成物を製造および使用するために特に好ましい。
これらの種々のBacillus種の細胞培養物、細胞ペーストおよび胞子調製物を形成するための増殖は、一般に当該分野において周知である。さらに、本発明は、Bacillus coagulansの培養物によって生成される細胞外産物の分離および部分精製のための方法を開示する。
(Bacillus coagulansの伝統的な株の商業的供給源) Bacillus coagulansのグラム陽性桿菌は、1.0μmより大きな直径の細胞を有し、胞子嚢の変動する膨張を伴い、副芽胞結晶生成を伴わない。Bacillus coagulansは、非病原性のグラム陽性の胞子形成細菌であり、L(+)乳酸(右旋性)をホモ発酵条件下で生成する。これは、天然の供給源(例えば、栄養培地に接種された熱処理された土壌サンプル)から分離された(例えば、以下を参照のこと:Bergey’s Manual of Systemic Bacteriology,Vol.2,Sneath,P.H.A.et al.,eds.,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,1986)。純化されたBacillus coagulans株は、エンドヌクレアーゼ(例えば、米国特許第5,200,336号);アミラーゼ(米国特許第4,980,180号);ラクターゼ(米国特許第4,323,651号)およびシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(米国特許第5,102,800号)を含む酵素の供給源として働いてきた。Bacillus coagulansはまた、乳酸を産生するために利用されてきた(米国特許第5,079,164号)。Bacillus coagulansの株(これはまた、Lactobacillus sporogenesとしても言及された;Sakaguti & Nakayama,ATCC 第31284号)は、他の乳酸産生細菌および蒸したダイズから発酵した食品を生成するBacillus nattoと組み合わされた(米国特許第4,110,477号)。Bacillus coagulans株はまた、疾患を減少し、そして食餌利用を改善し、それゆえ動物の成長速度を増強するために家禽および家畜のための動物飼料添加物として使用されてきた(国際PCT特許出願第WO9314187号および同第WO 9411492号)。特に、Bacillus coagulans株は、一般的な栄養サプリメントおよび薬剤としてヒトおよび動物における便秘および下痢を制御するために使用されてきている。
Bacillus coagulansの培養物は、以下の主な国際培養物収集機関において寄託されている:Agricultural Research Service Culture Collection;Russian Collection of Microorganisms;Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures,VKM DSMZ);American Type Culture Collection(ATCC);Finnish Microorganism Collection(University of Goteborg,Sweden);日本理研微生物系統保存施設(JCM);および 日本培養物収集機関連合(Japan Federation for Culture Collection)。
上記寄託物から、合計8つの乳酸産生細菌種が存在し、これらは、以下の何れかであった:(i)過去にはBacillus coagulansとして分類および寄託されていたが、別の関連するBacillus種に再分類されたか;または(ii)別の密接に関連する種として寄託されていたが最近Bacillus coagulansに再分類された。これらの関連する種としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:Bacillus coagulans、Bacillus stereothermophilus.、Bacillus thermoacidurans、Lactobacillus sporogenes、Bacillus smithii、Bacillus dextrolacticus,Lactobacillus cereale、およびBacillus recemilacticus。しかし、これらの関連する細菌株の分類に関して現在ある程度の混乱が存在する。なぜなら、最適な、または適切な増殖パラメータについてでさえ、類似の株の間においてでさえ規定された規則が存在しないからである。例えば、Bacillus stereothermophilusは、約55℃の至適増殖を有することが知られる。
種々のBacillus coagulans細菌株が現在American Type Culture Collection (ATCC,Rockville,MD)から市販されており、これらには、以下の受託番号が含まれる:Bacillus coagulans Hammer NRS 727 (ATCC第11014号);Bacillus coagulans Hammer strain C(ATCC第11369号);Bacillus coagulans Hammer(ATCC第31284号);およびBacillus coagulans Hammer NCA 4259(ATCC第15949号)。純化されたBacillus coagulans細菌はまた、 Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkuturen GmbH(Braunschweig,Germany)からも以下の受託番号を用いて入手可能である:Bacillus coagulans Hammer 1915 (DSM第2356号);Bacillus coagulans Hammer 1915(DSM第2383号、 ATCC第11014号に対応);Bacillus coagulans Hammer(DSM第2384号、ATCC第11369号に対応);およびBacillus coagulans Hammer(DSM第2385号、ATCC第15949号に対応)。Bacillus coagulans細菌はまた、Sabinsa Corporation(Piscataway,NJ)または K.K.Fermentation(日本、京都)のような商業供給源から入手され得る。
これらの上記のBacillus coagulans株およびその増殖要件は、以前に記載されている(例えば、以下を参照のこと:Baker.D.et al,1960.Cai.J.Alicrobiol.6:557−563;Nakamura.H.et al,1988.Iiit.J Sist.Bacteriol.38:63−73)。さらに、種々の株のBacillus coagulansはまた、天然の供給源(例えば、熱処理された土壌サンプル)から、周知の手段(例えば、以下を参照のこと:Bergey’s Manual of Systemic Bacteriology,Vol.2,p.1117,Sneath,P.H.A.et al.,eds.,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,1986)分離され得る。
Bacillus coagulansは、元々記載されるように、この細菌がLactobacillus sporogenesと標識されている事実からも明らかなようにもともとLactobacillusと誤って特徴づけられていた(以下を参照のこと:Nakamura et al.1988.Vint.J.Last.Bacteriol.38:63−73)。しかし、初期の分類は、Bacillus coagulansが胞子を形成し、そして代謝を通じてL(+)乳酸を分泌するという事実に起因して不正確であった。これらの両方の局面は、その有用性にとって重要な特徴を提供する。その代わり、これらの発生および代謝的側面は、その細菌が乳酸Bacillusとして分類され、それゆえ再度命名されることが必要となった。
(Bacillus coagulansの生化学的特徴付け)
Bacillus coagulansは、Bacillus属のメンバーであり、胞子形成性であり、これは、胃の酸性環境で活性化され、腸の中で,出芽および増殖し得、好ましい乳酸のL(+)光学異性体を生成し、そして多くの細菌および真菌の病原体の増殖を有効に妨害し得る。以下の表1は、乳酸産生細菌およびその類似物の生化学的属性を示す比較チャートである。
Figure 2012024092

公知のLactobacillus種は、一般的に消化管の過酷な(すなわち酸性)pH環境(例えば、胆汁、特にヒト胆汁の存在下)における不安定性のため腸の集落形成に不適切と考えられている。この不安定性は、プロバイオティック物として乳酸産生細菌株の使用がより活発に探求されない主な理由の1つである。
これらの前記細菌種と対照的に、Bacillus coagulansは胃腸管において生存、コロニー形成、および増殖可能である。特に、ヒト胆汁環境は、動物モデルの胆汁環境とは異なり、そしてヒト胃腸管モデルにおけるBacillus coagulansの増殖は、記載されていない。以下の増殖特性は、乳酸産生細菌の他の種以上のBacillus coagulansの強さとして以下が挙げられるが、これらに限定されないことを示している:
通性好気性生物:Bacillus coagulansは、遊離酸素を含む環境または偏性嫌気性環境のいずれかにおいて十分に増殖する能力を有する。このことは、LactobacilliおよびBifidobacteriaが好気性耐性でないという事実のため重要である。従って、本質において、これらの上記の細菌種は、偏性嫌気性であり、そして遊離酸素を含む環境においては十分に増殖しない。Bacillus coagulansは、遊離酸素環境において生存可能であるため、表面活性処方(例えば、皮膚粉末、クリーム、軟膏など)において使用され、病原体の過剰増殖に対して予防的に作用し得る。
熱耐性:Bacillus coagulansの休止期の細胞は、65℃と同じくらい高い温度で増殖する能力を有し、ところが内生胞子は、100℃を越える温度に耐え得る。実際、Bacillus stereothermophilusと共にBacillus coagulansは、オートクレーブにおける品質管理目的のために使用される。この事実は、全てのLactobacillusおよびBifidobacteriaの短所のため重大である。商業的生存力を有する細菌について、包装の時間で安定および生存可能でなければならない。この生存力は、消費者に効能のある産物を送達するために維持されなければならない。
耐塩性:Bacillus coagulansは、7%NaClまたは10%苛性ソーダを含む高いアルカリ性環境において成長する能力を有する。
Bergey’s Manual(第7版)に引用されるBacillus coagulansの特徴として以下が挙げられる:サイズとして約0.9μm×3.0〜5.0μmのグラム陽性胞子形成桿体、好気性〜微好気性、ホモ発酵様式においてL(+)(右旋性)乳酸の生成。Bacillus coagulansが、LactobacillusおよびBacillusの両方の典型的な特性を有する事実のため、LactobacillaceaeファミリーとBacillaceaeファミリーとの間のその分類学位置は、しばしば議論される。
2つの種の細菌の間で分類することは、しばしば非常に難しい。この2つの種は、形態学的に同様で、そして同様の生理学的および生物学的特性を有する。DNA相同性分析は、この困難さを解決する有用な技術である。塩基組成物(すなわちGC含有%)および細菌性DNAの特異的ヌクレオチド配列は、一般的に細菌種と亜種との間で異なる。さらに、密接に関連した細菌由来のDNAは、互いにより効果的にハイブリダイズする。本発明において、これらの前述した方法論は、効果的に使用され、区別し、そしてBacillus coagulansとLactobacillus属のメンバーとの間の本質的な類似を理解し、そしてBacillus属のもとでのその分類学上の位置を確認する。
下の表2は、Bacillus coagulansのコロニー形態学を考察する。
Figure 2012024092

下の表3は、Bacillus coagulansを利用する炭水化物発酵のメカニズムを考察する。
Figure 2012024092

(4.Bacillus coagulansの生物学的「安全性」)
Bacillus coagulansは、ほとんどの一般的なLactobacillusおよびBifidobacterium種の使用より長い安全の歴史を享受する。LactobacillusおよびBifidobacterium種は、健康食品店で一般に「栄養性補助」として販売されているか、または培養された乳製品の生成において使用される。
生物学的安全性の一般的な認識は、科学的訓練および直接または非直接食品に添加される物質の安全性を評価する経験によって資格を与えられた熟練者の視点のみに基づき得る。このような視点の基礎は、以下を介して得られ得る:
(1)科学的手順。
(2)食品における一般的使用に基づく経験を介する1985年1月1日より前の食品に使用される物質の場合。安全性の一般的認識は、食品に直接または非直接添加される物質の安全性について見識のある科学的共同体中の物質についての一般的な知識を必要とする。
(3)科学的手順に基づく安全性の一般的な認識は、成分のための食品添加剤規制の許可を得るために必要とされる同じ量および質の科学的証拠を必要とすることになっている。科学的手順を介する安全性の一般的な認識は、通常、発表されていない研究および他のデータおよび情報によって確証され得る発表された研究に基づくこととなっている。
(4)1958年1月1日より前の食品における一般的使用に基づく経験を介する安全性の一般的な認識は、食品添加剤規制の許可を必要とする科学的手順の量または質なしに決定され得る。1958年1月1日より前の食品における一般的使用に基づく経験を介する安全性の一般的な認識は、単独で1958年1月1日より前の物質の食品使用に基づくこととなっており、そして通常に一般的に利用可能なデータおよび情報に基づくこととなっている。
乳酸産生細菌は、発酵された乳製品において必要な成分である。Bacillus coagulansが、1932年に最初に分離され、1958年1月1日より前の食品産物の生成において使用され、そしてその分離以来任意の病原体または日和見疾患に連坐しなかった事実より、GRAS(一般的な安全と考えられる)一覧表について米国連邦登録の9つのセクションおよびサブセクションほどのもとで許可を受けている。GRAS一覧表は、単純に、食品添加物が、不正な任意の毒素原性または病原性応答と考えられず、そして食品科学、生化学、および微生物学の当業者によって安全を考慮されることを示す。
Bacillus coagulans、亜種Hammer(ATCC−31284)は、Nakayamaによって1933年Yamanashi Universityで土壌分離として始めに分離された。Bacillus coagulans種は、通常土壌分離である。Bacillus cereusおよびBacillus anthraicesを除いて、Bacillus種は、環境において優しいことが公知である。現在まで、病原性または日和見疾患に関与するBacillus coagulansの任意の種の参考文献はなかった。同様に、発表されたデータの分析において、乳酸産生細菌による病因のために危険にさらされる臨床試験もまたなかった。関連する科学的分野で議論されないこれらの事実を考慮して、Bacillus coagulansは、治療組成物として安全である。
(抗体に対するBacillus coagulansの感受性)
GRASに列挙された生物は、「正常な」免疫応答性個体において使用のため安全であるが、感受性の高い個体(例えば、免疫抑制、免疫無防備状態、器官移植など)は、生物学的に安全であると考えられる細菌生産物の摂取を介して菌血症または敗血症になるために危険な状態であり得る。Lactobacilliが激しい全身性感染(すなわち、日和見病因)に連坐する仲間による評価論文があるが、Bacillus coagulans媒介病因を示す報告はない。前述にもかかわらず、研究は、Bacillus coagulansのこれらの新規の株が、このような日和見病因に対して任意に強力であるかどうかを決定するために免疫無防備状態マウス/ラットにおいて最近進行中である。
Bacillus coagulans亜種Hammer(ATCC31284)の抗生物感受性の分析は、Kirby−Bauer(プレート上のコロニー計数)およびVitek(培養物の吸光度)高感受性試験方法論を使用して実施され、必要な場合、合理性にかかわらずBacillus coagulans集落形成の誘発において有効な特異的抗生物化合物を確かめた。Kirby−Bauer試験を使用して、Bacillus coagulansは、アンピシリン;シプロフロキサシン;トリメトプリム−スルファメトキサゾール;リファンピン;エリスロマイシン;バンコマイシン;ゲンタマイシン;オキサシリンに対して感受性が高いことが見出され、そしてテトラサイクリンに対して中間の感受性を有した。Vitek試験を使用して、Bacillus coagulansは、ペニシリン;バンコマイシン;ゲンタマイシン(500μg/ml);ストレプトマイシン(2,000μg/ml);ニトロフラントイン;ノルフロキサシン;クロラムフェニコールに対して感受性が高いことが見出され、そしてテトラサイクリンに対して耐性であった。さらに、Nitrocefin試験は、実施され、そしてBacillus coagulansが低レベルβラクタマーゼ生成に対して陽性であることを示した。
(Bacillus coagulansによる抗微生物物質の生成)
バクテリオシンは、プロデューサー細菌に密接に関連する種に対する殺菌性活性を有するタンパク質またはタンパク質粒状複合体である。腐敗性生物に対する乳酸産生細菌(例えば、Bacillus coagulans)の阻害活性は、特にバクテリオシンの生成に起因することが考えられる。
下の表4は、種々のバクテリオシンのいくつかを列挙している。このバクテリオシンは、乳酸産生細菌種から分離され、そして特徴付けられた。
Figure 2012024092

さらに、乳酸産生細菌はまた、他の代謝産物(例えば、過酸化水素、二酸化炭素、およびジアセチル)を介して病原性/腐敗性微生物の増殖を阻害する。
病原性細菌に対する拮抗作用を発揮する乳酸産生細菌の代謝産物は、下の表5に要約する。
Figure 2012024092

生成された乳酸の光学異性体形態のレベルは、細菌の特定の種に依存する。これらの異性体の構造的立体配置は、以下のとおりである:
Figure 2012024092

ヒトにおいて、両方の異性体は、腸管から吸収される。L(+)乳酸は、グリコーゲン合成において完全かつ迅速に代謝されるが、それに対してD(−)乳酸はより低速で代謝され、そして代謝されない酸は、尿中に排出される。代謝されない乳酸の存在は、胎児において代謝性アシドーシスを生じる。Lactobacillus acidophilusは、D(−)形態を生成し、従って、臨床的利益は疑わしい。対照的に、Bacillus coagulansは、L(+)乳酸のみを生成し、従って、D(−)形態を生成する乳酸産生細菌の他の種より好ましい。
(純化されたBacillus coagulansの新規な株)
乳酸産生細菌の以前に利用可能であった株(Bacillus coagulans ATCC型株#31284を含む)は、種々の因子に起因して、プロバイオティックスとして効果的でなかった。これらの因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:それらの高い最適増殖温度(すなわち>40℃)要件およびそれらの芽胞発芽のための80℃「芽胞ショック」の要件。これらの要件は、プロバイオティックスとして、(例えば、抗生物質耐性胃腸病原体の処置における)治療的組成物などにおけるこれらの以前に利用可能であったBacillus coagulansの株の使用とは適合しない。
本明細書中に記載のBacillus coagulansは、生化学的および生理学的特徴を有する。これらの特徴としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)乳酸(プロピオン酸)の(L)+光学異性体の生成;(ii)45℃未満の最適増殖温度を有する;(iii)特定の誘導(例えば、芽胞ショックまたは他の環境因子)なく、ヒトまたは動物の身体において発芽し得る、約90℃までの温度に耐性の芽胞の生成;(iv)細菌、酵母、真菌、ウイルス、またはこれらの任意の組み合わせの増殖を阻害するプロバイオティックス活性を示す1以上の細胞外産物の生成;および/あるいは(v)増殖のために広範囲の基質を利用する能力。これらの新規な株は、以下でより十分に議論される。
実験室の発酵条件下で乳酸および他の細胞外産物を生成する能力をなお有すると同時に、顕著に低い増殖温度最適条件を有する、これまでに特徴づけされていない3つのBacillus coagulansの株を本明細書中で開示する。これらの新規の株は、ATCC型株(ATCC−31284)といくつかの特徴を共有するが、これらは、プロバイオティックスとして使用するためのそれらの有効性が増加した差異(例えば、より低い増殖温度最適条件)を有する。
これらの新規の株は、本来は、Bacillus coagulansコロニーの混合した微生物叢中で発見された。このコロニー中で、これらの株は、Bacillus coagulans ATCC型株(本明細書中以降、「ATCC−31284」または「ATCC−99%」)とはコロニー形態および最適増殖温度の両方において、差異を示した。これらの新規な株は、以下のように特徴付けられる:
Bacillus coagulans 1%分離物−GBI−1と示す
Bacillus coagulans 20℃分離物−GBI−20と示す
Bacillus coagulans 30℃分離物−GBI−30と示す
Bacillus coagulans 40℃分離物−GBI−40と示す。
Bacillus coagulans 1%分離物株(本明細書中以降「GBI−1」と示す);20℃の最適増殖温度を有するBacillus coagulans株(本明細書中以降「GBI−20」と示す);30℃の最適増殖温度を有するBacillus coagulans株(本明細書中以降「GBI−30」と示す);および40℃の最適増殖温度を有するBacillus coagulans株(本明細書中以降「GBI−40」と示す)のこれらの新規な株。Bacillus coagulansのこれらの新規な株の生化学的、生理学的、および形態学的特徴は、以下の具体的実施例の節において十分に議論される。
(抗生物質耐性細菌の胃腸感染の処置)
本発明は、本明細書中に開示される治療的組成物または治療システムを用いて、抗生物質耐性細菌の胃腸感染を処置、低減または制御する方法を意図する。開示された処置方法は、胃腸の感染と関連する病原性細菌の増殖を阻害し、そしてこれらの病原性細菌感染の有害な生理学的影響/症状を付随して緩和するように機能する。
本明細書中に開示されるBacillus coagulansの新規な株は、一般に、当業者に安全であるとみなされ(すなわち、FDAにより承認されたGRAS)、従って、食品における直接摂取のために、または栄養補助食品(food supplement)として適切である。本発明の方法は、細菌感染を処置または予防するために、1以上のBacillus coagulans株および/またはその細胞外産物を含む治療的組成物を、ヒトまたは動物の胃腸管に投与することを包含する。投与は、好ましくは、液体、散剤、固形食品などの経口投与に適合性の処方物(当該分野で周知の方法を用いることにより本発明の治療的組成物を含むように処方される)を用いて行われる。
本発明の方法は、胃腸管に対して抗生物質耐性病原体のコロニー形成を処置または予防するように、以下の1以上を含む組成物をヒトまたは動物に投与することを包含する:Bacillus coagulans細菌細胞(すなわち、栄養性細菌細胞);芽胞;および/または分離されたBacillus coagulans細胞外産物(抗生物質様特性を有する代謝産物を含む)。特に、VRE、VISA、PRP、および他の病原体に関しては、この方法は、患者に、例えば、食品中でまたは栄養補助食品としてBacillus coagulansを投与する工程を包含する。経口投与は、水性懸濁液、乳濁液、散剤もしくは固体(既に食品中に処方されているか、または使用者により消費する前に食品に添加される組成物としてのいずれか)においてである。胃腸管への投与はまた、肛門坐剤の形態で(例えば、ゲルまたは半固体処方物で)であり得る。全てのこのような処方物は、標準的方法論を用いて行われる。
治療的組成物の投与は、好ましくは、本発明の治療的組成物(全て、当該分野で周知の方法を用いて処方される)を含むゲル、懸濁液、エアロゾルスプレー、カプセル剤、錠剤、散剤、半固体処方物(例えば、坐剤)を用いて、胃腸管に対して行われる。
病原性細菌の感染を予防または処置することにおいて有効な、活性なプロバイオティック乳酸産生細菌を含む組成物の投与は、一般に、1日〜1ヶ月の範囲の期間にわたって、投薬量あたり約10mg〜10gの治療的組成物の1〜10回の投薬からなる。投与は、(一般に)12時間に1回および4時間に1回までである。好ましい実施形態は、1用量あたり約0.1g〜5gを1〜7日間にわたり、1日あたり2〜4回の治療的組成物の投与である。この好ましい用量は、病原性細菌の感染を予防または処置するために十分である。当然のことながら、特定の経路、投薬量および投与のタイミングは、一部分は、特定の病原体および/または処置される状態、ならびにこの状態の程度に依存する。
本発明の実施形態は、1日あたり約1×103〜1×1010CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞、より好ましくは1日あたり約1×105〜1×1010CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞、およびもっとも好ましくは、1日あたり約5×108〜1×109CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞の投与を含む。処置される状態が、抗生物質耐性の消化管の病原体を含み、そして患者が成体である場合、代表的な投薬量は、1日あたり約1×102〜1×1014CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞、好ましくは、1日あたり約1×108〜1×1010CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞、およびより好ましくは、1日あたり約2.5×108〜1×1010CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞である。
本発明の別の実施形態は、総濃度比約1%〜90%の範囲のBacillus coagulans細胞外産物および残りがキャリアまたは送達成分を含む組成物の投与を開示する。好ましい実施形態は、総濃度比約10%〜75%の範囲のBacillus coagulans細胞外産物および残りがキャリアまたは送達成分を含む組成物を含む。
本発明は、病原性細菌感染を処置、減少および/または制御するための治療システムをさらに意図する。代表的には、このシステムは、本発明の治療的組成物を含む包装の形態であるか、または包装材料との組み合わせである。この包装材料は、包装の成分の使用のための表示または指示を含む。この指示は、本発明の方法または組成物について本明細書中に記載されるように、包装された成分の意図された使用を示す。
例示であって限定ではないが、システムは、本発明に従う治療的組成物の1以上の単位投薬量を含み得る。あるいは、このシステムは、代わりにバルク量の治療的組成物を含み得る。この表示は、適切な場合、単位用量またはバルク形態のいずれかで治療的組成物を用いるための指示を含み、そして組成物の貯蔵に関する情報、適応症、投薬量、経路、および投与態様などの情報を含み得る。
さらに、特定の意図された使用に依存して、このシステムは、必要に応じて、組み合わされた包装または別々の包装のいずれかで、1以上の以下の成分を含み得る:ビフィズス菌栄養性(bifidogenic)オリゴサッカリド、矯味矯臭剤、キャリアなどの成分。1つの特に好ましい実施形態は、治療方法において使用するための処方物とプロバイオティックスとを組み合わせるための指示とともに、従来の液体製品と組み合わせて使用するためのBacillus coagulans芽胞の単位用量包装を含む。
(動物における病原体および寄生生物の阻害)
本発明はまた、動物の胃腸管における寄生生物および/または抗生物質耐性病原性生物の増殖を阻害するための組成物および使用方法を開示する。本明細書中で使用される場合、用語「病原体」および「寄生生物」は、動物の胃腸管および/または糞便中で増殖する有害な生物の状況で交換可能に用いられるが、これらの用語が異なる意味を有することは理解される。
本発明は、動物の胃腸管における病原体の増殖を阻害または予防するための組成物および使用の方法を記載しており、この方法は、この動物の胃腸管に、以下の1つ以上の本発明の組成物を投与して、胃腸管での抗生物質耐性病原体のコロニー形成を処置または防止する工程を包含する:Bacillus coagulans細菌細胞(すなわち、増殖型細菌細胞);胞子;および/または分離されたBacillus coagulans細胞外産物(代謝保有抗生物質様特性を含む)。詳細には、VRE、VISA、PRP、および他の病原体について、この方法は、例えば、食物中のBacillus coagulansまたは食物補給として、動物に投与する工程を包含する。経口投与は、好ましくは、水性懸濁液、エマルジョン、粉末または固体中であるか、すでに食物中に処方されているか、または組成物(消費の前にユーザーによって食物中に添加される)としてである。胃腸管に対する投与はまた、座剤の形態(例えば、ゲルまたは半固体処方物)でもあってもよい。このような処方物の全てが標準的方法論を用いて作成される。
本発明の方法は、栄養的な結果を得るために、本明細書に記載のような種々の投薬レジメンで、動物に、活性成分を含む本発明の組成物の投与を包含する。腸および糞便において寄生虫の増殖を阻害するのに効果的な活性成分を含む組成物の投与は、体重約100kgの動物について1日から1ヶ月まで、この組成物の1投与あたり10mg〜10gの1〜10投与単位から一般に構成される。投与単位は一般に、12時間ごとに1回〜4時間ごとに1回まで投与される。1日〜7日までの、1日あたりこの組成物の好ましくは2〜4投与(それぞれ、1投与あたり約0.1〜50gを含む)が、所望の結果を得るのに十分である。
好ましい方法は、1日あたり1×102〜1×1010の生存細菌または胞子、ある実施形態では、1日あたり、1×103〜1×106、他の実施形態では1×106〜1×109、そしてより好ましくは、およそ5×108〜1×109の生存細菌または胞子の消化管への投与を包含する。代表的な投与範囲は、1日あたりおよそ1×103〜1×106の生存細菌にわたるか、または1日あたりおよそ1×106〜1×109の生存細菌にわたる。
本発明の別の実施形態は、キャリアまたは送達成分を含む残渣に対して約1%〜90%の細胞外産物の範囲にわたるBacillus coagulans細胞外産物の総濃度比を含む組成物の投与を開示する。好ましい実施形態は、キャリアまたは送達成分を含む残渣に対して約10%〜75%の細胞外産物の範囲にわたるBacillus coagulans細胞外産物の総濃度比の組成物を含む。
本方法は、病原体または寄生生物の阻害が所望される任意の動物で代表的に実施される。この動物は、寄生生物/病原体のこのような阻害が経済的および健康的な利点を提供する、任意の家畜または動物学的種であり得る。任意の動物が特許請求の範囲の方法によって有利であり得る。この動物としては、鳥類、爬虫類、哺乳動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜)、または動物学的に関心のある任意の種々の動物が挙げられる。栄養吸収、食物利用、およびバイオアベイラビリティーの当業者には、他の目的も容易に明白である。
本発明はさらに、病原細菌感染を処置、減弱、および/または制御する治療システムを包含する。代表的には、このシステムは、本発明の治療用組成物を含むパッケージの形態、またはパッケージング材料との組み合わせである。パッケージング材料は、パッケージの内容物の使用のためのラベルまたは説明書を含む。この説明書(指示書)は、本発明の方法または組成物について本明細書に記載されるパッケージング組成物の意図される用途を示す。
例えば、限定はしないが、システムは、本発明に従う治療用組成物の単位用量以上を含み得る。あるいは、このシステムは、代わりに治療用組成物のバルク量を含み得る。このラベルは、適切な場合、単位用量またはバルク形態のいずれかで治療用組成物を用いるための説明書(指示書)を含み、そしてまた組成物の保管に関する情報、疾患効能、投与量、経路および投与の様式などの情報を含み得る。
さらに、特定の意図される用途に依存して、このシステムは以下の成分の1つ以上を組み合わせてか、または別々のパッケージでのいずれかで必要に応じて含み得る:ビフィドジェニック(bifidogenic)オリゴサッカライド、香料、キャリアなどの組成物。特定の好ましい実施形態の1つは、治療方法における使用のための処方を用いるプロバイオティック細菌と組みあわせた説明書とともに、従来の液体製品と組み合わせて使用するためのBacillus coagulans胞子の単位用量パッケージを含む。
糞便が所望されない生物に増殖および繁殖の土壌を提供する限り、糞便中の寄生生物および病原生物の増殖を制御および/または阻害することは、糞便が産生され、蓄積され、そして/または貯蔵される領域においてこれらの所望されない寄生生物の増殖および繁殖を阻害する。例えば、納屋または家畜小屋において、動物のケージにおいて、フィードロットにおいて、動物展示囲いにおいて、および動物が飼育され糞便が溜まる同様の領域において、寄生生物/病原体が、他の宿主を刺激し、それに伝播し、増殖し、そして/または感染する機会が存在する。これらの環境によってもたらされる種々の所望されない問題は、本発明によって解決される。例えば、寄生生物または病原体が、宿主に伝播し、そしてさらに感染することは所望されない。そして複数の動物をケージで一緒にしている場合、感染の伝播を制御するなんらかの手段は非常に有利である。さらに、寄生生物または飛翔する昆虫により宿主動物が咬まれる多くの状況では、動物を刺激するか、そして/またはイライラさせ、過剰に蹴ったり、噛んだり、そして関連の行動を含む行動上の問題をもたらし、これは近くにいる動物および動物を取り扱う人に危険である。
別の実施形態において、本発明は、動物が飼育される動物のケージ/オリ/囲いにおいて飛んでいる昆虫の集団を減少および/または制御するための方法を意図する。この方法は、ケージに入れられた動物の胃腸管に本発明の組成物を投与する工程を包含する。
本発明は、多くの種類の寄生生物および病原性生物を制御するのに有用であり、従って本発明は生物体の任意の特定の属または種を阻害することに限定される必要はない。例えば、この組成物の有効性について本明細書に記載された機構に基づき、動物寄生生物として作用し得る全ての昆虫種が本発明の方法によって標的され得ることが理解される。寄生生物は任意の種々の動物(哺乳動物、爬虫類、鳥類などを含む)に感染し得、従って本発明は任意の特定の動物に限定されないとみなされる。周知の寄生生物または重要な寄生生物の例は、本発明の例示のために本明細書に記載されているが、本発明を限定するとはみなされない。代表的な寄生生物ならびに動物および/またはヒト宿主は、「Merck’s Veterinary Manual」および「Cecils’Human Diseases」のような種々の獣医文献に非常に詳細に記載されている。ウマの寄生生物としては、Gasterophilus種(例えば、G.intestinalis、G.haemorrhiodalis、およびG.nasalis)により生じるウマウシバエ(horse bots)、唇ウシバエ(lip bots)または喉ウシバエ(throat bots)、Habronema種(例えば、H.muscaeまたはH.microstoma mulus)により生じるか、もしくはCrascia種(例えば、C.mepastoma)により生じるか、もしくはTrichostrongvlus種(例えば、T.axei)により生じる胃寄生虫、Parascaris種(例えば、P.eciuorum)により生じる回虫(白色寄生虫)、Stroncrvlus種(例えば、S.vulcraris,S.epuinusまたはS.edentatus)により生じる血中寄生虫(柵状寄生虫(palisada worms)赤色寄生虫、またはスクレロストーマ属)、Triodontophorus種(例えば、T.tenuicollis)により生じる盲腸および結腸の小円虫、Oxvuris種(例えば、O.eaui)により生じる蟯虫、Stroncivloides westeriにより生じる腸の糞線虫属感染、Anonlocephala種(例えば、A.macmaおよびA.perfoliata)、ならびにParanonlocephala mamillanaにより生じるにより生じるサナダムシが挙げられる。
種々の他の寄生生物(Haemonchus種により生じる線虫(wire worm)(すなわち床屋の看板虫(barber’s pole worm)または大胃虫(large stomach worm))を含む)が、反芻動物、代表的にはウシにおいて疾患を生じる。反芻動物、代表的にはブタにおいて生じる寄生生物としては、Hvostroncmulus種により生じる胃寄生虫が挙げられる。
さらなる寄生生物が種々の動物宿主に感染することが公知であり、従って、本発明の方法による処置のための標的である。例えば、胃腸寄生生物は、種々の動物に感染し、そしてイヌにおいて食道寄生虫を生じるSpirocerca種(例えば、S.lupi)、ならびにイヌおよびネコにおいて胃寄生虫を生じるPhysoloptera種を含み得る。
動物が球粒化された食物または顆粒食物を給餌される場合、この組成物は、球粒化された食物または顆粒食物中に含まれ得るか、あるいは本発明の球粒化された組成物と組み合わせて球粒化された食物の混合物を含み得る。本発明の組成物の球粒化された処方物と球粒化された食物との混合は、これが市販の食餌を用い、同時に投与されるべき本発明の組成物の量を調節する、従来のシステムを提供する限り、本発明の実施に特に好ましい方法である。
治療用組成物の投与は、本発明の栄養組成物を含む、ゲル、懸濁液、エアロゾルスプレー、カプセル、錠剤、顆粒、ペレット、ウエーハ、粉末または半固体処方物(例えば、座剤)(全て当該分野で周知の方法を用いて処方された)を用いて、腸に好ましい。
本発明はさらに、動物の胃腸管におけるまたは動物の糞便における寄生生物および/または病原体の増殖を阻害するシステムを意図する。これは、ラベルおよび本発明による組成物を含む容器を含み、ここでこのラベルは、病原体/寄生生物の増殖を阻害するための組成物の使用のための指示書(説明書)を含む。
代表的には、このシステムは、本発明の組成物を含むパッケージの形態で、またはパッケージング材料と組み合わせて、存在する。このパッケージング材料は、このパッケージの組成物の使用のためのラベルまたは指示書を含む。この指示書は、本発明の方法または組成物について本明細書に記載されたパッケージング組成物の意図された用途を示す。
例えば、システムは、本発明による治療用組成物の1つ以上の単位用量を含み得る。あるいは、このシステムはバルク量の組成物を含み得る。このラベルは、適切な場合、単位用量またはバルク形態のいずれかでこの組成物を用いるための指示書を含み、そして組成物の保管に関する情報、給餌の説明、健康および食事の指示、投与量、投与経路、あらかじめ選択した食物とのこの組成物の混合の方法などの情報を含み得る。
(A.Bacillus coagulansの培養)
Bacillus coagulansは、好気性かつ通性であり、そして代表的には2重量%までのNaClを含有する栄養ブロス中で、pH5.7〜6.8で培養されるが、NaClもKClも増殖には必要ない。約4.0〜7.5のpHが、胞子形成(すなわち、胞子の形成)の開始に至適である。本明細書において開示されたBacillus coagulansの新規な株は、20℃〜40℃で至適に増殖し、そして胞子は低温殺菌に耐え得る。さらに、この細菌は、硝酸供給源または硫酸供給源を利用することにより通気性および有機栄養の増殖を示す。
Bacillus coagulansは、種々の培地中で培養され得るが、
特定の増殖条件がより効率的であり、ここで高レベルの胞子形成を生じる培養物を生成することが実証されている。例えば、胞子形成は、培養培地が10mg/lのMgSO4サルフェートを含む場合に強化されることが実証されている。ここでは、増殖細胞に対する胞子の比が約80:20で生成される。さらに、特定の培養条件は、代謝酵素のスペクトルが特に本発明に適している(すなわち、強化されたプロバイオティック活性および生分解性に関する乳酸および酵素の産生)細菌胞子を産生する。これらの前述の培養条件により産生される胞子が好ましいが、生存しているBacillus coagulans胞子を産生する種々の他の適合する条件が、本発明の実施において利用され得る。
Bacillus coagulansの培養の適切な培地としては、以下が挙げられる:PDB(ジャガイモデキストロースブロス);TSB(トリプシンダイズブロス);およびNB(栄養ブロス)(これらは全て、当該分野で周知であり、種々の供給業者から入手可能である)。本発明の1つの実施形態において、家禽および/または魚の組織の酵素消化物を含む、そして食物酵母を含む、培地補充物が特に好ましい。好ましい培地補充物により、少なくとも60%のタンパク質、約20%の複合炭水化物、および約6%の脂質を含む培地を生じる。培地は、種々の商業的供給業者、とりわけ、DIFCO(Newark、NJ);BBL(Cockeyesville,MD);Advanced Microbial Systems(Shakopee,MN);およびTroy Biologicals(Troy,MD)から入手し得る。Bacillus coagulansの有効な増殖培地は、Glucose Ysast抽出物(GYE)培地である。GYEの処方は以下の表6に示す。
Figure 2012024092

次いで、この培地のpHを約6.3に調節し、次に120℃で15分間、1.2kg/cm2で蒸気滅菌した。
本発明のBacillus coagulans細菌株の分析に利用した微量ミネラル溶液の処方は、以下の表7に示す。
Figure 2012024092

(i)スモールスケールの培養
Bacillus coagulansのスモールスケールの培養は、上述のグルコース酵母エキス(GYE)培地を用いることにより達成し得る。この培地に播種し、そして細胞密度が約1×108〜1×109細胞/mlになるまで増殖させた。この細菌を標準的なエアリフト発酵槽を利用して30℃で培養した。胞子形成のために受容可能なMnSO4の範囲を、1.0mg/l〜1.0g/lに見出した。この栄養細菌細胞は、65℃まで活性を有して繁殖し得、そして胞子は90℃まで安定である。
培養後、このBacillus coagulansの細菌細胞または胞子を、標準的な方法(例えば、濾過、遠心分離)を用いて回収し、そしてその後この回収された細胞および胞子を凍結乾燥、噴霧乾燥、風乾または凍結し得る。本明細書に記載されるように、細胞培養物からの上清を回収して、そして本発明の処方物においてBacillus coagulansにより分泌された有用な抗菌活性を有する細胞外物質として使用し得る。
上述の培養の方法から得られる代表的な収量は、約1×109〜1×1013の範囲の生存胞子であり、そしてより代表的には乾燥前の1gあたりで約10〜15×1010細胞/胞子である。Bacillus coagulansの胞子は、乾燥工程後、室温で保存する場合に少なくとも90%の生存性を7年間まで維持することにも注目される。故に、Bacillus coagulansのハンマー(Hammer)胞子を含む組成物の室温での有効な保存期間は、約10年間である。
(ii)ラージスケールの培養
Bacillus coagulansのラージスケールのバッチ発酵は、上述のグルコース酵母エキス(GYE)培地を用いて達成され得る。発酵槽は、次のものを備え得る:60psiの圧力等級を有する500リットル314シリーズのステンレスエアリフト発酵槽;インプロセスの電極を備えたHanna duel設定pH値制御システム;滅菌空気の供給のために0.2μmのインラインフィルターを備えた高圧タービン送風機;10kwプロセス温度制御装置;および適切な高バースト圧用ステンレススチールの衛生ホースおよび金具。
バッチ発酵は、次の手順を含む。Bacillus coagulansのシングルコロニーを、滅菌した曲管を用いてペトリ皿のコロニーから選択した。次いでこのシングルコロニーを用いて、GYE培地、デキストロース、および無機物を含む2リットルのエルレンマイアーフラスコに播種した。この培養物を、オービタルシェーカー(2”軌道を有する)で35℃、約18時間インキュベートした。この2リットルの培養物を用いて、GYE培地、デキストロース、および無機物を含む500リットルの滅菌されたバッチ発酵槽に播種した。このバッチ発酵槽を、高通気下(36〜38LPM)で35℃、約30時間稼動させた。このインキュベーションの後、このバッチ発酵槽の通気を止め、そして4時間の間温度を20℃まで下げ、含有される細菌細胞の沈降を促進した。この発酵ブロスを、10℃、12,000rpmでAlpha−Laval Sharples連続供給遠心分離を用いて収菌し、そして細菌の沈殿物をその後の凍結乾燥のために回収した。
(Bacillus coagulansの胞子の調製)
Bacillus coagulansの胞子の乾燥培養物を、例えば、次のようにして調製し得る。約1×107個の胞子を、30g(wt/vol)のGYE培地、デキストロース、および無機物を含む1リットルの培養培地に播種した。この培養物を、37℃で72時間、高酸素環境下で保持し、約15×1010個の細胞/g(培地)を有する培養物を生成した。次いでこの培養物を濾過して液体培養培地を除去し、得られた細菌のペレットを水で再懸濁し、そして凍結乾燥した。この凍結乾燥した細菌を、標準的で優れた製造実験(cGMP)の方法を用いて細かい「粉末」にした。
(Bacillus coagulansの細胞外生成物の調製)
Bacillus coagulansの培養物を、具体的な実施例A(i)〜(ii)に記載されるように調製した。記載されるように、培養物を5日間保持した。この培養物をまず250°Fで30分間オートクレーブし、次いで4000r.p.m.で15分間遠心分離した。得られた上清を回収し、そして未使用の0.8μmのフィルターを備えたブフナー漏斗によるミクロン以下濾過に供した。次いで濾液を回収し、0.2μmのNalge真空フィルターを通してさらに濾過した。次いで得られた濾液を回収した(培養培地1リットルあたり約900mlの容量)。これは細胞外生成物を含有する液体からなり、定量的に分析され、そしてその後の阻害実験に用いられた。
以下の方法は、この上清を特徴付けるために用いられた。
(タンパク質の液体クロマトグラフィー)
20mlの培養上清を、バッファーA(0.25M Tris HCl;pH8.0)で平衡化した分析用Mono9クロマトグラフィーカラム(Pharmacia)にロードし、BioCAD Sprintクロマトグラフィーシステム(Perseptive Biosystems、Inc.)を用いて2ml/mmで稼動させた。このカラムを15mlのバッファーAで洗浄し、そして12分間の時間枠に渡って、0%B(すなわち、バッファーBは、3MのNaCl水溶液である)〜40%Bの範囲の直線勾配で溶出した。次いでこのカラムを100%Bで5分間洗浄した。続いてこのカラムを、バッファーAで再度平衡化した。吸光度を280nmでモニターして、細菌のタンパク質中に見出される芳香族アミノ酸(すなわち、チロシン)の溶出を検出した。
この結果は、タンパク質混合物の大部分が0.1M〜0.8MのNaClで溶出し、そして無機物の小さなフラクションが3.0MのNaCl濃度で溶出したことを実証する。フラクションを収集して保存し、そしてその後の分析を容易にするためにSpectrapor透析用メンブレン(MW約1,000ダルトンで「切り捨て」られる)で水に対して透析した。
(紫外分光法および可視分光法)
Uvikon930走査分光光度計(Kontron Instruments)を用い、1cmの石英キュベットに入れて、200nmおよび600nmの波長の間で異なる吸光スペクトルを決定した。基準線は、水または培養培地を用いて決定した。
水(ブランク)での結果は、290nm〜305nmでのBacillus coagulansについての吸収ピークと、210nmと400nmとの間で見出される有意な量の付加的な吸収物質を示す。また、UV波長において主にタンパク質の存在に起因する有意な吸収があることも示した。
(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)
電気泳動を、Laemmliの方法(Laemmli、1970、Nature 227:680−685を参照のこと)により実施した。アクリルアミドゲルを1mmのカセット(Novex)に流し込み、そして市販品供給者の推奨(すなわち、120ボルト、90分間[12%ゲル]および2時間[16%])に従い実行した。次いでこのゲルを、Blumらの方法(Blumら、1987.Electrophoresis 8:93−99)により銀染色した。16%のアクリルアミドが、最もBacillus coagulansのタンパク質を分離することが見出された。全てのサンプルを電気泳動のための調製の前に水に対して透析し、塩が結合した電気泳動の人為的産物を改善した。広範囲のタンパク質マーカー(BioRad)を、タンパク質の分子量決定のために用いた。
この電気泳動の結果は、Bacillus coagulansについて4,000以下から30,000ダルトンの範囲で有意な数のタンパク質のバンドを実証した。
(高圧液体クロマトグラフィー)
5mlの培養上清を、2mlのアセトニトリル、ベンゼンまたは24:1(v/v)のクロロホルム:イソアミルアルコールを用いて約2時間抽出した。この相は4時間で分離が可能となり、これをさらに5,000×gで10分間遠心分離した。次いで有機相を0.2μmのPVDFフィルター(Gehnan Acrodisc LC−13)を通して濾過し、そして20mM Tris−HCl(pH7.5)の移動相中のEconosil C−18 10U HPLCカラム(Altech)にロードした。計5分後に溶出を開始した(水中で60%アセトニトリル(ACN)までの15分間の直線勾配)。60%ACNで5分間溶出を続け、次いでカラムを20mM Tris−HCl(pH7.5)で洗浄し、そして再度平衡化した。
ACN抽出されたBacillus coagulansの上清についての逆相HPLCの結果は、溶媒の有機的特性が増大するにつれて、HPLCの「有機的な性質」(すなわち、より高い割合のACNで溶出する物質の増大)および色素性分子(すなわち、可視光を吸収する分子)の捕捉における増大を導くことを示した。上述のこれらの分子を分離して、さらに特徴付けた。
上述のこれらの分析方法の結果は、Bacillus coagulansからの培養上清は、自然状態では非常に不均一で、複数のタンパク質分子および有機分子を含有することが実証された。しかし、この分子の中で優勢なのはタンパク質であり、それぞれのサンプルで合計20の異なる種類が存在する。これらのタンパク質種を、イオン交換クロマトグラフィーの使用によりさらに細分化し得、それ故にさらなる特徴付けが可能になる。さらに、(高波長での吸収に基く)高度に複合化された、および(非極性溶媒およびC−18 HPLCカラムでの保持についてのこれらの優先度に基く)疎水性の両方である多数の色素性分子(すなわち、可視光を吸収する分子)も存在する。
本発明の実施形態において、細胞外生成物を含有する液体は、経皮組織、角質組織、または粘膜組織での直接の適用についての使用のための液体オイントメント組成物に処方され得る。
(新規のBacillus coagulans株の分離および特徴付け)
(生存細菌コロニーの分離および特徴付け)
(希釈および熱処理)
約1gの凍結乾燥したBacillus coagulansのサンプルを、表面が滅菌されたホモジナイズ用容器に置いた。約200mlの滅菌生理食塩水の希釈溶液(1リットルあたり、8.5mgの塩化ナトリウムおよび25mgのラウリル硫酸ナトリウムを含む)を加え、そしてこの混合物を12,000〜15,000rpmで5分間ホモジナイズした。
1mlのホモジナイズした懸濁液を、次いでスクリューキャップ付チューブ(25mm×150mmの大きさ)中の9.0mlの生理食塩水に移し、そして完全に混合した。この連続的な希釈を、最終2×10-8倍希釈まで繰り返し、「希釈因子」と命名されるものを得た。次いで最終の希釈チューブを70℃の水槽で30分間熱処理し、その後直ちに45℃まで冷却した。
(プレーティング)
グルコース酵母エキス(GYE)寒天培地を溶解し、次いで水槽中で45℃まで冷却した。サンプル1つあたり、合計5つのペトリ皿を用いた。熱処理した最終希釈チューブの1mlを、各ペトリ皿に加え、次いで上述の溶解されたGYE寒天培地5mlをペトリ皿に加えそして完全に混合した。固まったら、このプレートを逆さにした位置で、40℃で合計48時間インキュベートした。
(細菌の生存コロニーのカウント)
30〜300のコロニーを示すプレートをカウントのために選択した。コロニーの合計数でほとんど変化のないプレートをカウントし、次いでプレートあたりの平均数を計算した。プレートあたりのカウントされたコロニーの平均数に希釈因子の逆数をかけることにより、サンプル1グラムあたりの生存細胞数を得た(例えば、プレートあたりの平均コロニー数が90であり、そして最終希釈因子が2×10-6である場合、その時の生存胞子数は、1グラムあたり90×(2×106)または1.8×1010個の生存胞子であった)。
後で議論するが、その後のガスクロマトグラフィー脂肪酸メチルエステル(GC−Fame)およびBiologTM分析は、これらの細菌が、これまでに特徴付けられていなかったBacillus coagulans株であることを示した。以下の表8は、本明細書中で記載される新規のBacillus coagulans株(すなわち、20℃ Bacillus coagulans分離体(5937−20℃);30℃ Bacillus coagulans分離体(5937−30℃);ATTC 99% Bacillus coagulans分離体(ATCC99%);およびATTC 1% Bacillus coagulans分離体(ATCC1%)、ここで(−)は、増殖しないことを示し;(+)は、少しのまたは最小の増殖を示し;ならびに(++)かなりのまたは最適な増殖を示す)間の相違を説明する。グルコース酵母エキス(GYE)培地およびトリプチカーゼダイズブロス(TSB)培養培地を用いた。
Figure 2012024092

図1は、棒グラフの形式で、トリプチカーゼダイズブロス(TSA)培地かまたはグルコース酵母エキス(GYE)培地のいずれかでの、Bacillus coagulans 1%分離体(GBI−1);ATCC−99%分離体;5937−20℃分離体(GBI−20);および5937−30℃分離体(GBI−30)の最小培養温度および最適培養温度を説明する。
(pH変動の研究)
(材料および方法)
合計4つのBacillus coagulans株の培養物を、pH変動試験、有機栄養プレートカウント、およびトリプチックダイズブロス(TSB)培地で28時間の間の4時間間隔の培養増殖物の光学的な透過率(%)での光学密度(OD)により分析した。これらの株として、以下が挙げられる:20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20℃);30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30℃);ATTC 99% Bacillus coagulans分離体(ATCC99%);および1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)。
上述の細菌株をそれぞれ、20mlのTSB培地を含む50mlのエルレンマイアーフラスコに加えた。7つのフラスコを、各々の4つの分離体(28時間のそれぞれ4時間間隔での研究のための分離体)のために準備した。最初の播種用培養物は、試験管中のブロス培養物であり、これは10%の透過率(%)を有する。1.0mlのこの培養物を次いで合計28個のフラスコ(それぞれの株に対する7個のフラスコを意味する)のそれぞれに加えた。この播種されたフラスコを、ロータリーインバイアロンメンタル(environmental)シェーカーで45℃、28時間インキュベートした。4時間ごとにシェーカーを停止し、そして新しい培養物を評価のために回収した。光学的な透過率(%)についてのODの読みとり、pH、および3M ペトリフィルムスプレッドプレート法による総有機栄養プレートカウントを実施し、異なる時間間隔での細菌細胞密度およびpHの変化をモニターした。pHの評価、透過率(%)についてのOD、および総有機栄養プレートカウントをそれぞれ表9、表10、および表11に示す。
Figure 2012024092
Figure 2012024092
Figure 2012024092

(実験結果)
表9〜11から確認され得るように、異なる間隔でのL(+)乳酸産生に関して、すべての分離体の間に顕著な変化がある。細胞密度に対応するこの間隔を、Vitek機を540nmまたは680nmのいずれかで稼動させて、光透過率を用いて、およびTSBでの標準のプレートカウントを用いて決定した。20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20℃)および30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30℃)は、1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)およびATTC 99% Bacillus coagulans分離体よりも、高増殖速度を提供し、それは8時間の間隔およびその後の発酵ブロスの低下したpHにおいてより顕著に有効であった(TSBを発酵基質として用いた)。これらの結果は、上述のこれらの株が、1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)およびATTC 99% Bacillus coagulans分離体のいずれかよりも、Escherichia、Campylobacter、Candida、ClostridiumおよびStaphylococcusのようなpH特異的な疾患を和らげることについて有効であることを示すようだ。
(増殖/終点の速度論的研究)
(GBI−1およびATCC−99% Bacillus coagulans分離体)
Bacillus coagulans種の2つの培養物を増殖/終点の速度論的試験を用いて分析した。これらの種として:1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)およびATCC−99% Bacillus coagulans分離体が挙げられる。
速度論的アッセイ番号1において、1% Bacillus coagulans種(GBI−1)を試験した。速度論的アッセイ番号2において、ATCC−99% Bacillus coagulans種を試験した。試験するBacillus coagulansの特定の種をトリプチカーゼダイズブロス(TSB)培地中で全部で48時間、45℃で増殖させた。インキュベーションに続いて、培養物を約40〜50%T(濁度)の濁度になるまで滅菌生理食塩水中に懸濁した。希釈した培養物を以下の1つを含む特定の増殖培地を含む96ウエルのマイクロタイタープレートウエルに置いた:TSB、グルコース酵母エキス(GYE)培地、またはさらに酸素添加するかまたは酸素添加しないかのいずれか。増殖培地に酸素添加するために、各培地の100mlを4l/分の流速の酸素コンセントレーターに全部で15分間置いた。さらに、各マイクロプレートウエルはまた、テトラゾリウム色素/酸化還元指示薬システムを含む。細菌の増殖(すなわち、代謝呼吸または炭素源の酸化)を、分光光度マイクロプレートリーダーにおいて590nmで測定されるテトラゾリウム還元によりモニターした。
32℃で22時間の全インキュベーションの間、細菌の増殖を20分毎に測定した。速度論的データをプロセスし、そしてバックグラウンドのブランク値を差し引きした。
上記に参照した速度論的増殖アッセイの完了に続いて、マイクロプレート中で590nmで測定したテトラゾリウムの還元を終点速度論的アッセイとして読む。図2および図3は、それぞれ1% Bacillus coagulans種(GBI−1)およびATCC−99% Bacillus coagulans種の両方の終点速度論を示す。
(5937−20℃および5937−30℃ Bacillus coagulans分離体)
Bacillus coagulans種の2つの培養物を増殖/終点の速度論的試験を用いて分析した。これらの種として:20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20)および30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30)が挙げられる。
速度論的アッセイ番号3において、20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20)を試験した。速度論的アッセイ番号4において、30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30)を試験した。試験するBacillus coagulansの特定の種をグルコース酵母エキス(GYE)培地中で全部で48時間、35℃で増殖させた。インキュベーションに続いて、培養物を約40〜50%T(濁度)の濁度になるまで滅菌生理食塩水中に懸濁した。希釈した培養物を以下の1つを含む特定の増殖培地を含む96ウエルのマイクロタイタープレートのウエルに置いた:GYEまたはトリプチカーゼダイズブロス、栄養ブロス(NB)またはバイオログユニバーサル増殖培地(Biolog Universal Growth Medium(BUGMB))、またはさらに酸素添加するかまたは酸素添加しないかのいずれか。増殖培地に酸素添加するために、各培地の100mlを4l/分の流速の酸素コンセントレーターに全部で15分間置いた。さらに、各マイクロプレートウエルはまた、テトラゾリウム色素/酸化還元指示薬システムを含む。細菌の増殖(すなわち、代謝呼吸または炭素源の酸化)を、分光光度マイクロプレートリーダーにおいて590nmで測定されるテトラゾリウム還元によりモニターした。
32℃で18時間の全インキュベーションの間20分毎に、細菌の増殖を測定した。速度論的データをプロセスし、そしてバックグラウンドのブランク値を差し引きした。
上記に参照した速度論的増殖アッセイの完了に続いて、マイクロプレート中で590nmで測定したテトラゾリウムの還元を終点動態アッセイとして読む。図4および図5は、それぞれ5937−20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20)および5937−30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30)の終点速度論のヒストグラムを表す。
(Bacillus coagulans分離体のBiologTM分析)
ATCC型の種であるBacillus coagulans Hammer(ATCC番号31284)と本明細書中で開示されたBacillus coagulansの新種を区別するために、炭素源認識パターンによる微生物の同定および特徴付けのためにバイオログマイクロプレートシステムTM(Biolog Microplate SystemTM)を使用した。ATCC型の種(ATCC番号31284)の接種物を3個のトリプチカーゼダイズブロスの入ったフラスコに入れた。次に、温度に起因する任意の細菌選択に関して補正するために、これらのフラスコを異なる温度でインキュベーションした。30時間のインキュベーション後、各ブロスフラスコからの一定分量をラミナーフローバイオロジカルキャビネット中で無菌的に移し、予め調製して乾燥させたペトリ皿中のTSA培地にプレートした。30℃、35℃および40℃で24時間および48時間のインキュベーション後、コロニー形成単位(CFU)に関する調査を行う。
本発明において開示されたBacillus coagulans種の炭素源認識パターンによる微生物の同定および特徴付けのためにバイオログマイクロプレートシステムTMを使用した。上述したマイクロプレート技術は、95の異なる分析方法の使用により微生物の特徴付けを可能にする。従って、1つのマイクロプレートから作製される全部で4×1028の可能なパターンが得られる。各微生物の種に対して識別可能なパターンが得られ、そして細菌の異なる種は異なるパターンの「科」を与え、このパターンはバイオログマイクロログTM(Biolog MicrologTM)ソフトウエアにより認識されそして区別され得る。バイオログマイクロログTMシステムのためのマイクロプレート分析は、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、乳酸産生細菌、およびE.coli/Salmonellaの分析に対して利用可能である。さらに、さらなる選択培地の使用によりさらなる分析がまた行われ得る。
簡単には、多数の微生物の増殖および成長を支える栄養培地(例えば、GYEまたはTSA)上に生物体を画線接種することにより所定の微生物分離体の特徴付けを行う。しかし、より好みの難しい生物体は増殖にチョコレートまたはBIER寒天を必要とし得、一方、多くの「環境的な」は、より最小の培地でより良好に増殖することが見出された。培養プレートを4〜18時間、28℃〜35℃でインキュベーションした。
インキュベーションに続いて、生理食塩水で湿らせた綿棒の使用により培養プレートから細菌コロニーを取り除いた。次に、既知の標準濁度と比較することによって、0.85%の生理食塩中で均一な濁度の懸濁液を調製した。細菌懸濁液をマイクロプレートウエル(150μl/ウエル)に接種し、このプレートを対応するマイクロプレートのふたでカバーした。次に、カバーしたプレートを4時間または一昼夜(16〜24時間)、28℃〜35℃でインキュベーションした。
次に、マイクロプレートリーダーを590nmで使用してマイクロプレートを読んだ。各ウエルにおける吸光度および透過度(すなわち、色)を陰性コントロールウエル(A−1)に対して参照し、このコントロールレベル以上に記録された任意の紫色を特定の炭素源の利用が陽性であるとして読めるようにした。以下の式を使用してウエルA−1と比較した場合のパーセント色変化(Percent Color Change)としてデータを報告した:
Figure 2012024092

一般的に、パーセント色変化が40と等しいかもしくはそれより大きい値であると見出された場合、所定のウエル内の反応を「陽性」と考えた。しかし、各基質が異なり得、そして40より小さい値の陽性試験が可能であり得るパラメーターとしてこの値を経験的に決定しなければならない。使用されたコンピュータアルゴリズムは、再現性およびオペレーターによる偏りの回避を確実にする標準化設定を提供する。使用されたすべての炭素源の名前は、応答とは関係なしに結果として提供される。
以下の表12は、本明細書中で開示された新規なBacillus coagulans種に関するトリプチカーゼダイズ寒天(TSA)を使用する全従属栄養プレート計数を示す。
Figure 2012024092

以下の表13は、本明細書中で開示された新規なBacillus coagulans種と比較する各サンプルにおける好気性型種のおおよそのパーセンテージを示す。
Figure 2012024092

(GC−FAMEプロセシング)
細菌種をトリプチカーゼダイズ寒天(TSA)プレートに画線接種した。次に24時間のインキュベーションに続いて、TSAプレートを刊行された標準的なGC−FAME方法論によりガスクロマトグラフィー脂肪酸メチルエステル(GC−FAME)分析のために調製した。続いて、細菌種を好気性菌(TSBA)および臨床的好気性菌(CLIN)コンピュータデータベースの両方に対して調べた。GC−FAME分析の結果を以下の表14に示す。
Figure 2012024092

(16SリボソームRNA(rRNA)配列分析)
(材料および方法)
16SリボソームRNA(rRNA)配列分析を、Bacillus coagulans菌株:GBI−1;ATCC−99%;GBI−40;GBI−30;およびGBI−20に関して実施した。
16S rRNA遺伝子配列データを作成するために使用したプロトコールを、以下に示す。16S rRNA遺伝子を、細菌コロニーから分離したゲノムDNAからPCR増幅した。増幅に使用されたプライマーは、500bpパッケージに関してE.coli位置005および531に対応した。過剰のプライマーおよびdNTPを、続いて、Microcon 100TM(Amicon)分子量カットオフ膜の使用によって増幅産物から除去した。次いで、PCR増幅産物を、アガロースゲル電気泳動分析に供して、これらの産物の質および量の両方を確認した。
16S rRNA増幅産物のサイクル配列決定を、AmpliTaq FSTM DNAポリメラーゼおよびdローダミン色素ターミネーターを用いて実施した。過剰の色素−標識ターミネーターを、Sephadex G−50スピンカラムを用いて配列決定反応物から除去した。次いで、増幅産物を、遠心分離によって回収し、真空下で乾燥させ、そして使用するまで−20℃で貯蔵した。これらの産物を、ホルムアミド/青色デキストリン/ETDAの溶液中に再懸濁し、そして電気泳動する前に熱変性させた。サンプルを、予め注がれた(pre−poured)5% Long RangerTM(RMC)ポリアクリルアミド/尿素ゲルを用いて、ABI Prism 377 DNA Sequencer上で約6時間、電気泳動した。得られた配列データを、PE/Applied Biosystems DNAの編集およびアセンブリーのソフトウェアを用いて分析した。
指定される細菌の同定は、16S rRNA遺伝子配列相同性に基づいた。このサンプル配列を、MicroSeqTM配列分析ソフトウェアを用いるPE Applied Biosystem’s MicroSeqTMデータベースに対して比較することによって同定した。最も高い程度の配列相同性を提供する配列整列を、遺伝的距離形式のパーセント(すなわち、2つの整列した配列間の差異のパーセント)で示す。この形式において、低いパーセンテージが高い程度の配列相同性を示すことに注意すべきである。図6〜図8は、本発明に開示される新規Bacillus coagulans菌株の種々の他のBacillus種との整列、およびNeighbor Joining Tree and Concise Alignment分析によって得られた結果を提供する。ATCC−99%分離物に関する結果を図6に示し;GBI−20に関する結果を図7に示し;そしてGBI−30に関する結果を図8に示す。
最も近い隣接物(SaitouおよびNei,1987.Mol.Biol.Evol.4:406−425を参照のこと)および/またはUPGMA(Waterman,1995,Introduction to Computational Biology 360−365(ChapmanおよびHall Publishing)を参照のこと)もまた、本明細書中に提供される。同様に「系図」を、最も高い程度の配列相同性を提供する整列配列一致を用いて作製した。
(実験結果)
全ての実験結果を、遺伝的距離形式(これは、本質的に相同性パーセントと正反対である)で示すことに注意すべきである。
種レベル:これは、種レベルの一致を示す。99%よりも大きい16S rRNA配列相同性は、種レベルの一致の指標である(StaekebrandtおよびGoebel,1994.Taxonomic Note:A Place for DNA−DNA Reassociation and 16S rRNA Sequence Analysis in the Present Species Definition in Bacteriology.Int.J.Syst.Bacteriol.44:846−849を参照のこと)。
属レベル:これは、サンプルは特定の属内にグループ化するようであるが、整列は種レベルの一致を生成しなかったことを示す。属レベルの一致は、サンプル種がMicroSeqデータベース中に含まれないことを示す。
一致なし:これは、サンプルが、MicroSeqデータベース中で見出される任意の特定の属内に十分にグループ化しなかったことを示す。このような場合に、サンプル配列を用いたGenBankおよびリボソームデータベースプロジェクト(RDP)データベースの両方の検索を、より近い一致を得るために引続いて実施した。サンプル配列が、これらのデータベースのいずれの内にも十分に一致しない場合、これは、その16S rRNA遺伝子配列がデータベース中のいずれにも存在しない新規な種を示し得る。
以下の表15は、表形式でのパーセント遺伝子差異研究の結果を提供する。
(表15)
Figure 2012024092

16S rRNA配列相同性は、99%よりも大きく、そして種レベルの一致の指標であることを見出された。
(アミノペプチダーゼプロファイリング)
アミノペプチダーゼのプロファイリングまたは活性を使用して、細菌および真菌を種および亜種に区別し(例えば、Hughesら、1988、LacZY gene modified peptidase activity inPseudomonas aureofaciens.Phytopathology 78:1502;Hughesら、1989、Identification of immobilized bacteria by aminopeptidase profiling.Anal.Chem.61:1656−1660を参照のこと)、ならびに寄生虫の生態学的地位を規定し、そして選好性生物のための培地を開発した。時間決定の(time−resolved)96ウェルプレート蛍光計の近年の開発は、細菌同定のためのペプチダーゼプロファイルを得るための迅速かつ高感度な方法を提供する。Mossmanら、1997.Aminopeptidase profiling using a time−resolved,96−well plate filter fluorometer.Appl.Spectroscopy 51:1443−1446を参照のこと。
アミノペプチダーゼのプロファイリングは、本明細書中に開示されるBacillus coagulansの新規な菌株と以前に公知で特徴付けられた菌株(例えば、ATCC型菌株)との識別に関して効果的な手順であることが示された。
(材料および方法)
開示されたアミノペプチダーゼのプロファイリング分析は、Mossmanら、1997、Appl.Spectroscopy 51:1443−1446によって示されたような方法論に従う。各Bacillus coagulans分離物を、Tryptic Soy Broth(TSB)寒天プレート上で、このプレートを10mM pH7のリン酸緩衝液から洗浄する前に、24時間、最初に培養した。以下の表16は、本発明に使用された種々のBacillus coagulans菌株の培養条件を示す。
(表16)
Figure 2012024092

培養後、96ウェルの平底で黒色のポリスチレンプレート(FluoroNunc;Nalge−Nunc,Naperville,IL)の各セルに0.5mlを置く前に、細胞密度を、540nm(85% 透過率)での分光測光法によって2.5×106細胞/mlに調整した。各ウェルは、20個の非蛍光L−アミノ酸−β−ナフチルアミド基質(Sigma Chemical CO.,St.Louis,MI)のうちの1つを、1×10-4Mの終濃度で含んだ。300μlのマイクロプレートウェル容積の平衡は、250μlの10mM リン酸緩衝液からなった。
このプロファイルを生成するために使用した20個の異なるペプチダーゼ基質は、以下のアミノ酸のβ−ナフチルアミドを含む:L−アラニン(ALA)、L−アルギニン(ARG)、L−アスパラギン(ASN)、L−アスパラギン酸(ASP)、L−システイン(CYS)、グリシン(GLY)、L−グルタミン酸(GLU)、L−ヒスチジン(HIS)、L−イソロイシン(ILE)、L−ロイシン(LEU)、L−リジン(LYS)、DL−メチオニン(MET)、L−フェニルアラニン(PHE)、L−プロリン(PRO)、L−セリン(SER)、トランスヒドロキシ−L−プロリン(HPR)、L−トリプトファン(TRP)、L−チロシン(TYR)、およびL−バリン(VAL)。β−ナフチルアミン単独をまた、ポジティブコントロールとして使用した。細菌ブランク、基質ブランク、および緩衝液ブランクをまた、ネガティブコントロールとしてアッセイ手順に含めた。各細菌分離物の4つの複製を、4時間のインキュベーション期間の後に泳動した。
アミノペプチダーゼのプロファイルを、非蛍光βナフチルアミド基質由来の、酵素的に加水分解した蛍光βナフチルアミド生成物の、時間決定のレーザー蛍光計アッセイから得たデータを用いて構築した。時間決定96ウェルプレート蛍光計は、密封されたチューブ、ブランクにガイドされる窒素レーザー、二又の光ファイバーの励起部分を介した平底FluoroNunc 96ウェルプレートからなる。蛍光を、二又の光ファイバーの発光部分を用いて励起光線に対して00の角度で収集した。389nmのカット−オンフィルターを使用して、931A光電子増倍管を用いて検出する前に、所望の発光波長を選択した。総数25の蛍光減衰を、Tektronix DSA 602デジタルオシロスコープによって平均化し、そしてIEEE−488インターフェースカードを介してPCコンピューターに移し、ブランクの差引き後の相対的な蛍光の読み取りを得た。
(実験結果)
有意な差異を、これらのBacillus coagulans菌株の酵素プロファイルに検出し、これは、16S rRNA配列決定、GC−FAME、およびBiolog同定に関する他の方法では同一である。このデータを、以下に列挙される各々のアミノペプチダーゼ酵素活性に関する蛍光強度をプロットするヒストグラム形式で、4つのBacillus coagulans菌株の各々に関して示す。図9は、Bacillus coagulans 99%ATCC分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度のヒストグラムプロットを示し;図10は、Bacillus coagulans GBI−1分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度のヒストグラムプロットを示し;図11は、Bacillus coagulans GBI−30分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度のヒストグラムプロットを示し;そして図12は、Bacillus coagulans GBI−20分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度のヒストグラムプロットを示す。図9〜図12に示されるように、特定のアミノペプチダーゼ各々およびコントロールを、番号1〜24を用いて同定する。これらの番号は以下である:
Figure 2012024092

番号12(リジンアミノペプチダーゼ)および番号22(β−ナフチルアミン、100%コントロール)に対する活性は、「オフスケール(off−scale)」であることが見出された場合、プロットしない。全ての細胞密度を、85%Tで標準化した。
図9〜図12に示される結果は、これらのBacillus coagulans分離体のアミノペプチダーゼプロファイルに存在する差異を、このプロフィール内の全般的な類似性に関わらず、示す。例えば、20℃の分離体GBI−20(図12を参照のこと)は、プロリンアミノペプチダーゼの相対量における劇的な逸脱を伴って、99%分離体(図9を参照のこと)に最も類似し;一方、30℃の分離体GBI−30(図11を参照のこと)は、1%分離体GBI−1(図10を参照のこと)のパターンに非常に近接して類似するが、フェニルアラニンアミノペプチダーゼの相対量が逸脱する。従って、この方法論は、これらBacillus coagulans菌株を迅速かつ効果的の両方で識別するために使用され得る。
(胃腸のVREの阻害におけるBacillus coagulansの使用)
Bacillus coagulans栄養細菌および胞子のバンコマイシン耐性Enterococci(VRE)コロニー形成を阻害する能力を試験した。本発明の開示の前に、VREによる腸コロニー形成の量または持続期間のいずれかの減少に利用可能な、有効な治療はなかった。例えば、多くの抗生物質は、VREコロニー形成に対する非常に一過性の効果のみを有することを示している。従って、VREコロニー形成の改善のために安全かつ有効な治療薬の開発は、VRE感染の潜在的に致命的な結果、患者間のVRE感染、病院費、ならびに患者および保健医療者の不便さを有意に軽減する役割を果たす。
(材料および方法)
マウスモデル(VRE腸コロニー形成の持続に対する種々の抗生物質の効果を研究するために初めに開発した)を、これらの実験に用いた。総計33匹のマウスを用いる、実験の2つのセットを行った。約5×108VREを経口強制飼養により投与する一方で、クリンダマイシンを毎日、5日間、同時に皮下投与することにより、高レベルのVREコロニー形成を33匹全てのマウスにおいて確立させた。この方法は、一貫して、マウスにおける高レベルのVREの致死的コロニー形成の発生を生じる(平均=9log10CFU/1gの糞)。
次いで、これらのマウスを、3つの実験群に分け、そして以下の薬剤を投与した:群1=生理食塩水、経口強制飼養により、4日間(総計11匹のコントロールマウス);群2=Bacillus Coagulans一晩の培養、約1×107の栄養細菌生物、経口強制飼養により、4日間(総計17匹のコントロールマウス);および群3=Bacillus Coagulans胞子、約1×107の生物、経口強制飼養により、4日間(総計5匹のコントロールマウス)。糞サンプルを、実験の間、3〜5日間隔で収集して、VREおよびBacillus coagulansのレベルを決定した。糞サンプルをホモジナイズし、生理食塩水中で連続希釈し、そしてVREの定量のためのenterococcosel選択寒天またはBacillus coagulansの定量のための6μg/mlのアズトレオナムおよび6μg/mlのナイスタチンを含むBHI寒天上にプレートした。VREがサンプル中で検出されない場合、検出の下限を割り当てた。
(予備的な微生物学の結果)
Kirby−Bauer抗菌性感受性試験:
以下に対する感受性:
アンピシリン、シプロフロキサシン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、リファンピン、エリトロマイシン、バンコマイシン、ゲンタミシン、およびオキサシリン以下に対する中間の感受性:テトラサイクリン
Vitek機器(Machine)に基づく感受性試験:
以下に対する感受性:
ペニシリン、バンコマイシン、ゲンタマイシン(500μg/ml)、ストレプトマイシン(2,000μg/ml)、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン、およびクロラムフェニコール
以下に対する耐性:
テトラサイクリン
ニトロセフィン(nitrocefin)試験:
陽性の低レベルのβラクタマーゼ産生
(マウスのコロニー形成)
Bacillus coagulansを8匹のマウスに与えて、引き続く正式な実験において用いる用量を決定した。全てのマウスを、Bacillus coagulansの投与の前に、高レベルのVRE(>9log10CFU/糞1g)を用いてコロニー形成させた。コントロールマウスは処置を受けなかった。Bacillus coagulansを、胃強制飼養により、以下の3つの異なる用量で、毎日投与した:1.5×106CFU/kg=通常のヒト用量、2.5×108CFU/kg、および3.5×109CFU/kg。糞におけるVREのレベルを、5日後に決定した。これらの予備研究の結果を以下の表17に示す。
Figure 2012024092

*VREのレベルを5×108CFU Bacillus coagulans/kg/日を用いて処置した2/3マウスについて、検出のレベルより下(<1.7log10CFU/g)だった。
前述のコロニー形成方法論の使用により、高レベルのVREコロニー形成をマウスの全てにおいて確立した(すなわち、7.1〜10.2log10VRE/糞1g)。生理食塩水コントロールマウスおよびBacillus coagulansマウスに存在するVREの初期レベルは、有意に異ならなかった。VREのレベルは、クリンダマイシンを中止した後の生理食塩水コントロールマウスの全てにおいて漸進的に下降した(以前の実験と一致する)。
生理食塩水コントロールと比較して、VREのレベルは、Bacillus coagulansを与えたマウスにおいてより急速に下降した。クリンダマイシンを中止した5日後(Bacillus coagulans治療の4日後)に、VREの平均レベルが、生理食塩水コントロールにおける6.7log10VRE/1gの糞と比較して、5.3log10VRE/1gの糞であることを見出した。これは、VREレベルにおける25倍の低下を示した(p<0.05)。クリンダマイシンを中止した8日後(Bacillus coagulans治療を完了した4日後)に、VREの平均レベルが、生理食塩水コントロールにおける4.3log10VRE/1gの糞と比較して、2.9log10VRE/1gの糞であることを見出した。これは、VREレベルにおける28倍の低下を示した(p<0.05)。Bacillus coagulans処置したマウスの35%(6/17動物)は、クリンダマイシンを中止した8日後にVREのレベルを検出できなかった一方、生理食塩コントロールは、この時点でVREのレベルを全く検出できなかった(p<0.05)。Bacillus coagulans胞子を与えた5匹のマウスの糞に存在するVREの平均レベルもまた、生理食塩水コントロールマウスにおけるレベルよりも有意に低かった(p<0.05)が、これら5匹のマウスはVREレベルを検出できなかった。
Bacillus coagulansを与えたマウスの全ては、4日の治療(範囲3.1〜6.4log10CFU/1gの糞)の1日後のこれらの糞におけるBacillus coagulansのレベルを検出できず、そしてこれらのマウスの全ては、治療の完了の4日後のそれらの糞において検出可能な、低レベルのBacillus coagulansをまだ有した。
これらの研究は、Bacillus coagulansの経口投与(栄養細菌および胞子の両方の形態)が、生理食塩水コントロールと比較して、コロニー形成マウスの糞におけるVREのレベルの有意な低下を生じたことを実証した。この結果(これを、このマウスモデルの使用により得た)は、VREコロニー形成ヒト患者を試験した種々の研究における知見と十分に相関する。従って、この確立したマウスモデルは、VREコロニー形成を排除するように設計した薬剤の効果を研究する手段を提供する。Bacillus coagulansを与えたマウスの35%は、治療の完了の4日後のVREのレベルを検出できなかった。比較として、生理食塩水を与えたマウスの全ては、VREを含まなかった。生理食塩水処置マウスと比較して、Bacillus coagulans処置マウスで、平均で、VREのレベルの25〜28倍の低下を観察した。さらに、Bacillus coagulansを与えた65%のマウスは、本来の接種の約50倍に等しいVREの減少を有した。従って、試験マウスの全ては、有意なVRE負荷の低下(2−logVRE減少を示すマウスの60%、ならびにマウスの糞におけるVREの統計的に0%の回復を有するEnterococciの完全な根絶を有する40%を伴う)を有した。これらの結果は、Bacillus coagulans治療が、ヒト患者におけるVREコロニー形成のレベルおよび持続の両方を改善するのに有効な手段であることを示唆する。
Bacillus coagulansによるVREの阻害は、Bacillus coagulansのようなプロバイオティック(probiotic)細菌を用いるにもかかわらず、伝統的な阻害の機構のいずれも関与しないように見える。以前に議論したように、微生物の排除のための酸産生Bacillusを用いた2つの主な機構が存在する。これらの機構、以下である:
競合的阻害または排除:これは、ほとんどのBacillusが、基質および微量鉱物についての他の生物を凌ぐ競合の能力である。
微小環境改変(Micro−Enviroment Modification):これは、酸(例えば、乳酸、酢酸など)の産生または抗菌特性を有する他の薬剤による細菌の細胞膜の、物理学的もしくは生化学的特性または活性を変化させるように通常働く。
VREレベルの劇的な低下(すなわち、60%の有効な群および総根絶群の40%における2−log)が存在したが、結果は、処置群のBacillus coagulans濃度に対応する増加が存在しなかったことを示す(1gのマウス糞あたりのCFUで示した)。1つの実験群が、別の成功した実験群よりもよい結果を実質的に示したと考えられる(しかし、それを正当化するような対応するBacillusの計数を伴わなかった)。従って、これらの結果は、Bacillus coagulansによる競合的阻害が、この研究におけるVREレベルの軽減を生じる機構ではないことを示唆する。
さらに、Enterococciがこの微小環境(micro−enviroment)のpHにおける変化により阻害されないこともまた、公知である。例えば、Enterococcus faecium(これは、ほとんど(全てではないとしても)VREの輸送および感染の原因となるEnterococcus種である)は、動物生産工業においてプロバイオティックとして使用される。この生物体、それ自身は、乳酸のD−光学異性体を産生し、LactobacillusおよびBifidiobacteriumとともに一般に同時投与され、これらは、乳酸のL−光学異性体を生じる。従って、Enterococcus faeciumは、乳酸産生生物体(乳酸の光学異性体を問わず産生する)により影響されない。従って、細菌のコロニー形成を阻害するためにプロバイオティック細菌(微小環境が変化する)により使用される第2の方法が、Bacillus coagulansによるVREの阻害において役割を果たすとは考えられない。上述の実験結果に起因して、Bacillus coagulansによるVREの改善が、Bacillusによる1つ以上の抗細菌試薬の産生に起因すると考えられている。この抗細菌試薬は、有機分子(単数または複数)および/または熱耐性タンパク質(単数または複数)であり得る。
VREの増殖を阻害するための組成物は、未精製または半精製形態(semi−purified form)のいずれかの中での培養培地(上清)との組み合せにおける、Bacillus coagulans栄養細菌および/または胞子の広い濃度(すなわち、1×109〜1×1011CFU)を含む。これは、である。Bacillus coagulans栄養細胞および/または胞子とともにある場合、この培養培地はまた、FDAによりGRAS分類と名付けられた。全容積を減少させるために、この培地は部分的にまたは全体的に凍結乾燥され得る。従って、この栄養細菌/胞子およびいくつかの型の上清の構成成分の両方の併用投与は、全ての可能性のあるプロバイオティック阻害機構(すなわち、抗生作用、寄生、競合阻害および微小環境/pH変更)が、上述の治療的組成物の投与により包含されたことを保証するために役立つ。
先に前出で議論されるように、Bacillus coagulans培養培地は、細胞外産物(単数または複数)を含むことが示された。この産物は、細菌により産生され、そして分泌される。これは、細菌、真菌、酵母、およびウイルスに対する顕著な抗菌特性を持つ。これらの抗菌特性を担う1つ以上の試薬の精製のための方法論はまた、現在開発中である。従って、本発明の好ましい実施形態は、これらの細胞外産物(単数または複数)の未精製または半精製形態のいずれかのとの組み合せにおける、Bacillus coagulans栄養細菌および/または胞子の広い濃度(すなわち、1×109〜1×1011CFU)を含む。
Bacillus coagulans治療はまた、VREのほかの株を阻害するために有用である。同様に、Bacillus coagulansを、使用して、病原性生物体(例えば、Candida種、Salmonella、凝固酵素陰性のStaphylococci、および多耐性グラム陰性桿体(例えば、Klebsiella種およびEscherichia coli.))のコロニー形成のレベルを阻止または改善する。
(等価物)
本発明の特定の実施形態の前述の詳細な説明から、胃腸管内病因およびそれらに関連する疾患の予防および処理のための、乳酸産生細菌(好ましくは、Bacillus coagulans)の利用のための独特な方法論が、開示されていることが容易に明らかであるべきである。特定の実施形態が、本明細書中に詳細に開示されているが、これは、例示のみの目的ために実施例としてなされており、そして添付された特許請求の範囲に関する制限として意図されない。特に、種々の置換、変更および改変が、特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明に対してなされ得ることが、本発明者らにより意図される。例えば、本発明の治療組成物に利用される特定の抗生物質の選択は、本明細書中に記載される実施形態の知見を鑑みて、当業者に慣用的な事項であると考えられる。
他の実施形態は添付の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (15)

  1. 分離されたBacillus coagulans株であって、該株は:
    (a)Bacillus coagulans Hammer株(ATCC第31284号)よりも多くのリジンアミノペプチダーゼを産生する株;
    (b)Bacillus coagulans Hammer株(ATCC第31284号)よりも多くのリジンアミノペプチダーゼを、かつ株(a)よりも多くのフェニルアラニンアミノペプチダーゼを産生する株;および
    (c)Bacillus coagulans Hammer株(ATCC第31284号)、株(a)および株(b)よりも多くのプロリンアミノペプチダーゼを産生する株
    からなる群より選択される、株。
  2. Bacillus coagulans株(a)である、請求項1に記載の分離されたBacillus coagulans株。
  3. Bacillus coagulans株(b)である、請求項1に記載の分離されたBacillus coagulans株。
  4. Bacillus coagulans株(c)である、請求項1に記載の分離されたBacillus coagulans株。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離されたBacillus coagulans株に由来する細胞外産物であって、該細胞外産物は、精製された該分離されたBacillus coagulans株の培養物の上清または濾液である、細胞外産物。
  6. 病原性細菌感染を阻害するためのBacillus coagulans組成物であって、該組成物は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離されたBacillus coagulans株を含み、該組成物は感染部位と接触されるものである、組成物。
  7. 前記感染部位は、胃腸管である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記感染部位は、皮膚または粘膜である、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記組成物は、生存する栄養細菌細胞を含む、請求項6に記載の組成物。
  10. 前記組成物は、細菌胞子を含む、請求項6に記載の組成物。
  11. 前記組成物は、Bacillus coagulansの細胞外産物を含む、請求項6に記載の組成物。
  12. 前記組成物は、10mg−10g/日の用量で投与されるものである、請求項6に記載の組成物。
  13. 前記組成物は、1×10 2 −1×10 14 の生存する栄養細菌細胞/日の用量で投与されるものである、請求項9に記載の組成物。
  14. 前記組成物は、1×10 2 −1×10 14 の胞子/日の用量で投与されるものである、請求項10に記載の組成物。
  15. 前記組成物は、経口投与、経頬投与、局所投与、経膣投与、経鼻投与、経眼投与または経耳投与されるものである、請求項6に記載の組成物。
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