JP2012023892A - すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置 - Google Patents

すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】センサレス誘導モータの制御装置におけるすべり周波数の推定値を適切に修正してモータの出力を改善する。
【解決手段】理想電圧指令演算部30において速度指令ωrcmdの値とQ相電流指令IQcmdの値から理想電圧指令ノルムVrefを算出し、電圧指令ノルム計算部32において計算される実電圧指令ノルムVcmdの値が理想電圧指令ノルムVrefよりも小さければ、すべり推定部20において推定される推定値をより小さい値に補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、速度センサを用いてモータの速度を検出する代わりに、モータの巻線に流れる電流からすべり周波数を推定し、それを用いてモータの速度を推定することにより制御を行うセンサレス誘導モータの制御装置に関する。
速度センサを持たない誘導モータの制御手法については、各種方法が提案されているが(例えば、下記特許文献1)、その制御では、モータの巻線に流れる電流の値からすべりを推定し、それを使って推定速度を計算し、フィードバック制御を行っている。その制御によって作られる電圧指令は、速度フィードバックデータが正しい場合には所望の指令値になっている。
しかしながら、高速領域で、この速度推定値に誤差があると、所望の位相で電流が流せず、出力が低下するという問題がある。
したがって本発明の目的は、速度推定値に誤差が生じていることを検出し、すべり周波数の推定値を適切に修正してモータの出力を改善することができる、すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置を提供することにある。
本発明によれば、誘導モータの巻線に流れる電流からすべり周波数を推定することによって該誘導モータを制御する誘導モータの制御装置であって、該すべり周波数の推定値から算出される速度推定値と外部から与えられる速度指令との差に基づいてQ相電流指令が算出され、該Q相電流指令を用いて該誘導モータに印加される電圧を制御するD相電圧指令とQ相電圧指令が算出される、誘導モータの制御装置において、前記速度指令と前記Q相電流指令とを用いて理想電圧指令を決定する理想電圧指令決定部と、前記D相電圧指令と前記Q相電圧指令とから実際の電圧指令を算出する実電圧指令算出部と、前記理想電圧指令決定部が決定した理想電圧指令の値と前記実電圧指令算出部が算出した実電圧指令の値とを比較して、実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、前記すべり周波数の推定値をより小さい値に補正するすべり周波数補正部とを具備する、すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置が提供される。
前記すべり周波数補正部は、前記実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、例えば、(補正後のすべり周波数)=(補正前のすべり周波数)×(実電圧指令)/(理想電圧指令)によりすべり周波数を補正する。
また、前記すべり周波数補正部は、前記誘導モータの速度が前記速度指令と一致しているとみなすことができるときのみすべり周波数を補正する。
或る速度において、所望の出力を得るために必要な電圧(理想電圧指令)はあらかじめわかっており、それは速度(≒速度指令)とQ相電流(≒Q相電流指令)から決定することができる。そして、必要な電圧に対して、電圧指令が小さい場合には、速度推定値がずれていると判断することができる。このとき「すべり」の推定値を補正することで、速度推定値が実際に近い値になり、出力が改善される。
従来技術としてのすべり周波数補正機能を持たないセンサレス誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るすべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明による改善効果を説明するグラフである。 本発明の方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態を説明する前に、従来技術としての、センサレス誘導モータの制御装置の一例を図1を参照して説明する。図1の制御装置は、トルク指令(IQ指令)と、励磁指令(ID指令)を独立に制御するベクトル制御となっている。誘導モータ10からの三相電流フィードバックに対して、3相→2相変換部12において、DQ変換を行い、電流フィードバックIDfb,IQfbを作成する。電圧指令計算部14においてD相、Q相の電流フィードバック、電流指令および、励磁周波数指令ω1cmdから電圧指令VDcmd,VQcmdを作成する。励磁周波数指令ω1cmdは、電流補償器16において、IQ指令とIQフィードバックの偏差から作成し、そのω1cmdを積分して励磁位相θを算出する。2相→3相変換部18において、VDcmd,VQcmdとθを用いて、逆DQ変換を行うことで、3相電圧指令を生成し、モータを駆動する。誘導モータ10におけるすべりは、すべり推定部20において、ωs^=K(定数)×IQfb/IDfbの形で推定ができ、減算器22において、ω1cmdとの差を取ることで、モータ速度をωr^として推定することができる。速度補償器24における速度制御は、速度指令ωrcmdと速度推定値ωr^に基づいて行う。
ここにおいて、高速になるとすべり推定値が真値から乖離してしまうことある。その結果として、速度推定値ωr^、励磁周波数指令ω1cmdが真値から乖離して、電圧指令が理想値より低下して、モータが所望の出力を出せなくなる。
図2は本発明の第1の実施形態に係るすべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置を示すブロック図である。図1と同一の構成には同一の参照番号を付してその説明を省略する。
ベクトル制御において、すべり周波数ωsとD相電流ID,Q相電流IQの間には以下の関係がある。
ωs=R2/L2・IQ/ID (1)
ただし、R2は二次抵抗、L2は二次リアクタンスである。また、モータ速度をωrとすると励磁周波数ωlは
ωl=ωr+ωs (2)
であり、D相電圧VDおよびQ相電圧VQは、ID,IQ,ωlとの間に
VD=R1・ID−σ・L1・ωl・IQ (3)
VQ=R1・IQ+L1・ωl・ID (4)
の関係が成立する。ただし、R1は一次抵抗、L1は一次リアクタンス、σは漏れ係数である。そして、印加電圧のノルムVref
ref=√(VD2+VQ2) (5)
で計算される。
モータ速度ωrがモータ速度指令ωrcmdに等しく、Q相電流IQがQ相電流指令IQcmdに等しければ、(1)(2)(3)(4)式は
ωs=R2/L2・IQcmd/ID (1)’
ωl=ωrcmd+ωs (2)’
VD=R1・ID−σL1・ωl・IQcmd (3)’
VQ=R1・IQcmd+L1・ωl・ID (4)’
と書くことができる。ここでD相電流値IDはモータ速度ωr(モータ速度指令ωrcmd)との間に、モータ速度ωrがベース速度以下であるとき一定でベース速度を超えるとモータ速度ωrに反比例して減少するという関係があり、その関係はモータ毎に異なる。
そこで、モータ速度ωrとD相電流IDとの関係をテーブルの形、またはベース速度および比例定数の形で、モータ回路定数L1,L2,R1,R2,σと共に格納しておけば、モータ速度指令ωrcmdとQ相電流指令IQcmdの値から(1)’−(4)’および(5)式に従って、現在のモータの速度、すなわちモータの出力に見合った電圧指令、すなわち理想電圧指令Vrefを算出することができる。図2の理想電圧指令演算部30はこの考えに基づいて、速度指令ωrcmdの値とI相電流指令IQcmdとから理想電圧指令Vrefを算出する。
一方、モータに実際に与えられている電圧指令のノルムVcmdは電圧指令計算部14が出力するD相電圧指令VDcmdとQ相電圧指令VQcmdとから、
cmd=√(VDcmd 2+VQcmd 2) (6)
により算出することができる。図2の電圧指令ノルム計算部32はこれに基づいて実電圧指令ノルムVcmdを計算する。
実電圧指令ノルムVcmdが理想電圧指令ノルムVrefよりも小さいということはすべり推定部20における推定値が正しくないことを意味している。そこで、電圧指令比較部34は理想電圧指令演算部30が算出した理想電圧指令ノルムVrefを電圧指令ノルム計算部32が算出した実電圧指令ノルムVcmdと比較し、Vcmdの方が小さければ、例えば
(変更後の推定値)=(現在の推定値)×(Vcmd/Vref
という計算によりすべり推定部20におけるすべり推定値を変更する。
図2からわかるように、すべり推定値ωs^が変更されることで、速度推定値ωr^も変化し、その結果、励磁周波数指令ωlcmdにも影響を与え、所望の電圧指令VDcmd,VQcmdを出力できるようになる。
無負荷・軽負荷時には、誘導モータ10のすべりは小さいため励磁周波数と実速度の差は小さく、推定速度のずれも小さい。負荷が増えるとすべりは大きくなるので、すべりを適正に推定できないと推定速度に影響する。D相電流(励磁電流)はベース速度以上になると速度と共に減少する特性を持っていて、すべりにも関係する。そのため、高速回転の負荷時には、すべり推定値のずれに起因する出力低下の傾向が大きくなる。
すべり推定値がずれて所望の出力が出ない場合、すべりが過大になって電圧が低くなっている。すべり周波数推定値を小さくすることにより、励磁周波数指令が下がって、すべり過ぎの状態から適正状態へ移行してすべり推定値が改善されるため、その結果、電圧指令も所定値となり出力が出るようになる。
図3はモータ速度と出力の関係を、すべり推定値を補正しない従来方法と本発明の方法について示す。
前述した手法において、モータ速度ωrがモータ速度指令ωrcmdに等しいことが仮定されている。速度指令が或る時定数のもとで徐々に変化するように与えられるシステムにおいてはこの仮定が成立すると考えて良い。しかしながら、時定数なしで速度指令が与えられるシステムにおいては、加減速中には速度指令と実速度が一致せずこの仮定は成立しない。
そこで、図4のフローチャートに示すように、速度指令が或る時定数のもとで与えられる場合には推定値の補正の処理を実行し(ステップ1000,1002,1004,1006)、速度指令に時定数がなく、かつ、加減速中である場合には推定値の補正の処理を実行しないものとする。
図5は本発明の第2の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示す実施例とは理想電圧指令演算部30が理想電圧指令テーブル40に置き換わっている点において異なる。理想電圧指令テーブル40は、モータ速度とQ相電流の値により定まる格納位置にモータの電圧値を格納するものであり、速度指令値ωrcmdの値とQ相電流指令値IQcmdを用いて参照することにより理想電圧指令ノルムVrefの値を読み出すことができる。
理想電圧指令テーブル40には、誘導モータ10に速度センサを取り付け、速度センサによるモータ速度の実測値とQ相電流値の様々な組み合わせにおける印加電圧の実測値を格納するものである。或いはまた、第1の実施形態において説明した計算により得られた理想電圧指令ノルムVrefを格納するものであっても良い。
本発明は、速度センサを用いてモータの速度を検出する代わりに、モータの巻線に流れる電流からすべり周波数を推定し、それを用いてモータの速度を推定することにより制御を行うセンサレス誘導モータの制御装置に関する。
速度センサを持たない誘導モータの制御手法については、各種方法が提案されているが(例えば、下記特許文献1)、その制御では、モータの巻線に流れる電流の値からすべりを推定し、それを使って推定速度を計算し、フィードバック制御を行っている。その制御によって作られる電圧指令は、速度フィードバックデータが正しい場合には所望の指令値になっている。
しかしながら、高速領域で、この速度推定値に誤差があると、所望の位相で電流が流せず、出力が低下するという問題がある。
特許第3067659号公報
したがって本発明の目的は、速度推定値に誤差が生じていることを検出し、すべり周波数の推定値を適切に修正してモータの出力を改善することができる、すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置を提供することにある。
本発明によれば、誘導モータの巻線に流れる電流からすべり周波数を推定することによって該誘導モータを制御する誘導モータの制御装置であって、該すべり周波数の推定値から算出される速度推定値と外部から与えられる速度指令との差に基づいてQ相電流指令が算出され、該Q相電流指令を用いて該誘導モータに印加される電圧を制御するD相電圧指令とQ相電圧指令が算出される、誘導モータの制御装置において、前記速度指令と前記Q相電流指令とを用いて理想電圧指令を決定する理想電圧指令決定部と、前記D相電圧指令と前記Q相電圧指令とから実際の電圧指令を算出する実電圧指令算出部と、前記理想電圧指令決定部が決定した理想電圧指令の値と前記実電圧指令算出部が算出した実電圧指令の値とを比較して、実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、前記すべり周波数の推定値をより小さい値に補正するすべり周波数補正部とを具備する、すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置が提供される。
前記すべり周波数補正部は、前記実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、例えば、(補正後のすべり周波数)=(補正前のすべり周波数)×(実電圧指令)/(理想電圧指令)によりすべり周波数を補正する。
また、前記すべり周波数補正部は、前記誘導モータの速度が前記速度指令と一致しているとみなすことができるときのみすべり周波数を補正する。
或る速度において、所望の出力を得るために必要な電圧(理想電圧指令)はあらかじめわかっており、それは速度(≒速度指令)とQ相電流(≒Q相電流指令)から決定することができる。そして、必要な電圧に対して、電圧指令が小さい場合には、速度推定値がずれていると判断することができる。このとき「すべり」の推定値を補正することで、速度推定値が実際に近い値になり、出力が改善される。
従来技術としてのすべり周波数補正機能を持たないセンサレス誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るすべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明による改善効果を説明するグラフである。 本発明の方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態を説明する前に、従来技術としての、センサレス誘導モータの制御装置の一例を図1を参照して説明する。図1の制御装置は、トルク指令(IQ指令)と、励磁指令(ID指令)を独立に制御するベクトル制御となっている。誘導モータ10からの三相電流フィードバックに対して、3相→2相変換部12において、DQ変換を行い、電流フィードバックIDfb,IQfbを作成する。電圧指令計算部14においてD相、Q相の電流フィードバック、電流指令および、励磁周波数指令ω1cmdから電圧指令VDcmd,VQcmdを作成する。励磁周波数指令ω1cmdは、電流補償器16において、IQ指令とIQフィードバックの偏差から作成し、そのω1cmdを積分して励磁位相θを算出する。2相→3相変換部18において、VDcmd,VQcmdとθを用いて、逆DQ変換を行うことで、3相電圧指令を生成し、モータを駆動する。誘導モータ10におけるすべりは、すべり推定部20において、ωs^=K(定数)×IQfb/IDfbの形で推定ができ、減算器22において、ω1cmdとの差を取ることで、モータ速度をωr^として推定することができる。速度補償器24における速度制御は、速度指令ωrcmdと速度推定値ωr^に基づいて行う。
ここにおいて、高速になるとすべり推定値が真値から乖離してしまうことある。その結果として、速度推定値ωr^、励磁周波数指令ω1cmdが真値から乖離して、電圧指令が理想値より低下して、モータが所望の出力を出せなくなる。
図2は本発明の第1の実施形態に係るすべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置を示すブロック図である。図1と同一の構成には同一の参照番号を付してその説明を省略する。
ベクトル制御において、すべり周波数ωsとD相電流ID,Q相電流IQの間には以下の関係がある。
ωs=R2/L2・IQ/ID (1)
ただし、R2は二次抵抗、L2は二次リアクタンスである。また、モータ速度をωrとすると励磁周波数ωlは
ωl=ωr+ωs (2)
であり、D相電圧VDおよびQ相電圧VQは、ID,IQ,ωlとの間に
VD=R1・ID−σ・L1・ωl・IQ (3)
VQ=R1・IQ+L1・ωl・ID (4)
の関係が成立する。ただし、R1は一次抵抗、L1は一次リアクタンス、σは漏れ係数である。そして、印加電圧のノルムVref
ref=√(VD2+VQ2) (5)
で計算される。
モータ速度ωrがモータ速度指令ωrcmdに等しく、Q相電流IQがQ相電流指令IQcmdに等しければ、(1)(2)(3)(4)式は
ωs=R2/L2・IQcmd/ID (1)’
ωl=ωrcmd+ωs (2)’
VD=R1・ID−σL1・ωl・IQcmd (3)’
VQ=R1・IQcmd+L1・ωl・ID (4)’
と書くことができる。ここでD相電流値IDはモータ速度ωr(モータ速度指令ωrcmd)との間に、モータ速度ωrがベース速度以下であるとき一定でベース速度を超えるとモータ速度ωrに反比例して減少するという関係があり、その関係はモータ毎に異なる。
そこで、モータ速度ωrとD相電流IDとの関係をテーブルの形、またはベース速度および比例定数の形で、モータ回路定数L1,L2,R1,R2,σと共に格納しておけば、モータ速度指令ωrcmdとQ相電流指令IQcmdの値から(1)’−(4)’および(5)式に従って、現在のモータの速度、すなわちモータの出力に見合った電圧指令、すなわち理想電圧指令Vrefを算出することができる。図2の理想電圧指令演算部30はこの考えに基づいて、速度指令ωrcmdの値とI相電流指令IQcmdとから理想電圧指令Vrefを算出する。
一方、モータに実際に与えられている電圧指令のノルムVcmdは電圧指令計算部14が出力するD相電圧指令VDcmdとQ相電圧指令VQcmdとから、
cmd=√(VDcmd 2+VQcmd 2) (6)
により算出することができる。図2の電圧指令ノルム計算部32はこれに基づいて実電圧指令ノルムVcmdを計算する。
実電圧指令ノルムVcmdが理想電圧指令ノルムVrefよりも小さいということはすべり推定部20における推定値が正しくないことを意味している。そこで、電圧指令比較部34は理想電圧指令演算部30が算出した理想電圧指令ノルムVrefを電圧指令ノルム計算部32が算出した実電圧指令ノルムVcmdと比較し、Vcmdの方が小さければ、例えば
(変更後の推定値)=(現在の推定値)×(Vcmd/Vref
という計算によりすべり推定部20におけるすべり推定値を変更する。
図2からわかるように、すべり推定値ωs^が変更されることで、速度推定値ωr^も変化し、その結果、励磁周波数指令ωlcmdにも影響を与え、所望の電圧指令VDcmd,VQcmdを出力できるようになる。
無負荷・軽負荷時には、誘導モータ10のすべりは小さいため励磁周波数と実速度の差は小さく、推定速度のずれも小さい。負荷が増えるとすべりは大きくなるので、すべりを適正に推定できないと推定速度に影響する。D相電流(励磁電流)はベース速度以上になると速度と共に減少する特性を持っていて、すべりにも関係する。そのため、高速回転の負荷時には、すべり推定値のずれに起因する出力低下の傾向が大きくなる。
すべり推定値がずれて所望の出力が出ない場合、すべりが過大になって電圧が低くなっている。すべり周波数推定値を小さくすることにより、励磁周波数指令が下がって、すべり過ぎの状態から適正状態へ移行してすべり推定値が改善されるため、その結果、電圧指令も所定値となり出力が出るようになる。
図3はモータ速度と出力の関係を、すべり推定値を補正しない従来方法と本発明の方法について示す。
前述した手法において、モータ速度ωrがモータ速度指令ωrcmdに等しいことが仮定されている。速度指令が或る時定数のもとで徐々に変化するように与えられるシステムにおいてはこの仮定が成立すると考えて良い。しかしながら、時定数なしで速度指令が与えられるシステムにおいては、加減速中には速度指令と実速度が一致せずこの仮定は成立しない。
そこで、図4のフローチャートに示すように、速度指令が或る時定数のもとで与えられる場合には推定値の補正の処理を実行し(ステップ1000,1002,1004,1006)、速度指令に時定数がなく、かつ、加減速中である場合には推定値の補正の処理を実行しないものとする。
図5は本発明の第2の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示す実施例とは理想電圧指令演算部30が理想電圧指令テーブル40に置き換わっている点において異なる。理想電圧指令テーブル40は、モータ速度とQ相電流の値により定まる格納位置にモータの電圧値を格納するものであり、速度指令値ωrcmdの値とQ相電流指令値IQcmdを用いて参照することにより理想電圧指令ノルムVrefの値を読み出すことができる。
理想電圧指令テーブル40には、誘導モータ10に速度センサを取り付け、速度センサによるモータ速度の実測値とQ相電流値の様々な組み合わせにおける印加電圧の実測値を格納するものである。或いはまた、第1の実施形態において説明した計算により得られた理想電圧指令ノルムVrefを格納するものであっても良い。

Claims (5)

  1. 誘導モータの巻線に流れる電流からすべり周波数を推定することによって該誘導モータを制御する誘導モータの制御装置であって、該すべり周波数の推定値から算出される速度推定値と外部から与えられる速度指令との差に基づいてQ相電流指令が算出され、該Q相電流指令を用いて該誘導モータに印加される電圧を制御するD相電圧指令とQ相電圧指令が算出される、誘導モータの制御装置において、
    前記速度指令と前記Q相電流指令とを用いて理想電圧指令を決定する理想電圧指令決定部と、
    前記D相電圧指令と前記Q相電圧指令とから実際の電圧指令を算出する実電圧指令算出部と、
    前記理想電圧指令決定部が決定した理想電圧指令の値と前記実電圧指令算出部が算出した実電圧指令の値とを比較して、実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、前記すべり周波数の推定値をより小さい値に補正するすべり周波数補正部とを具備する、すべり周波数補正機能を有するセンサレス誘導モータの制御装置。
  2. 前記理想電圧指令決定部は、前記速度指令と前記Q相電流指令とモータ回路定数とから演算により前記理想電圧指令を決定する請求項1記載の制御装置。
  3. 前記理想電圧指令決定部は、前記誘導モータの速度の実測値と前記Q相電流の値により定まる格納位置に誘導モータの電圧の実測値を格納するテーブルを前記速度指令と前記Q相電流指令の値を用いて参照することにより前記理想電圧指令を決定する請求項1記載の制御装置。
  4. 前記すべり周波数補正部は、前記実電圧指令の値が理想電圧指令の値よりも小さいとき、(補正後のすべり周波数)=(補正前のすべり周波数)×(実電圧指令)/(理想電圧指令)によりすべり周波数を補正する請求項1〜3のいずれか1項記載の制御装置。
  5. 前記すべり周波数補正部は、前記誘導モータの速度が前記速度指令と一致しているとみなすことができるときのみすべり周波数を補正する請求項1〜4のいずれか1項記載の制御装置。
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