JP2012023854A - 永久磁石埋込型回転子及び回転電機 - Google Patents

永久磁石埋込型回転子及び回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができる永久磁石埋込型回転子、及び該永久磁石埋込型回転子を備える回転電機を提供する。
【解決手段】永久磁石埋込型回転子15において、ロータコア16の外周面16b寄りに、d軸に直交する方向に延びるように第1永久磁石17が埋込まれるとともにq軸に沿って延びるように第2永久磁石18が埋込まれ、さらに、第1永久磁石17からq軸側に離れて第2空隙22がロータコア16に形成されている。第2空隙22は、ロータコア16の最外周面寄りに位置する外周側形成面22aを有するとともに、ロータコア16の最内周面寄りに位置する内周側端部Yを有する。第1永久磁石17は、磁極面17aが、第2空隙22の外周側形成面22aよりロータコア16の内周面側に位置し、かつ第2空隙22の内周側端部Yよりロータコア16の外周面16b側に位置するように配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータコアの外周面側にd軸に直交する方向に延びる第1永久磁石が埋込まれるとともに、q軸に沿って延びるように第2永久磁石が埋込まれ、さらに、第1永久磁石からq軸側に離れて空隙がロータコアに形成された永久磁石埋込型回転子、及び該永久磁石埋込型回転子を備える回転電機に関する。
回転電機としては、例えば、特許文献1が挙げられる。図4に示すように、特許文献1の永久磁石式リラクタンス型回転電機90は、複数の電機子コイル91を備えた固定子92と、その固定子92の内側の回転子93とから構成されている。
回転子93は、円筒形の回転子鉄心94を備えるとともに、複数の磁極が設けられている。回転子鉄心94の各磁極軸に沿った方向には、磁極幅の間隔をあけて長方形状の第1の空洞部95が形成されている。第1の空洞部95は、各磁極を両側から挟み込む位置に形成されている。第1の空洞部95それぞれには第1の永久磁石96が埋込まれている。また、回転子鉄心94において、各磁極間には回転子鉄心94の外周に沿って長方形状の第2の空洞部97が形成されている。第2の空洞部97それぞれには第2の永久磁石98が埋込まれている。
そして、永久磁石式リラクタンス型回転電機90においては、回転子鉄心94に第1の永久磁石96と第2の永久磁石98とを設けることで、リラクタンストルクを増大させ、永久磁石式リラクタンス型回転電機90のトルクが増大されている。
特許第3597821号公報
ところで、特許文献1の永久磁石式リラクタンス型回転電機90において、第2の永久磁石98は回転子鉄心94の表面に配置されているため、この第2の永久磁石98に鎖交する交番磁界が多く、第2の永久磁石98には大きな渦電流損が発生してしまっている。この大きな渦電流損により、第2の永久磁石98の温度が上昇してしまい、第2の永久磁石98が減磁されてしまって永久磁石式リラクタンス型回転電機90のトルクが低下してしまっている。
そこで、渦電流損を低減させる方策として、第2の永久磁石98に高保磁力の磁石を採用したり、第2の永久磁石98の厚みを厚くしたり、第2の永久磁石98を複数に分割する等が挙げられるが、いずれも第2の永久磁石98のコストアップに繋がり好ましくない。
このため、第2の永久磁石98に鎖交する交番磁界を減らすため、第2の永久磁石98を回転子鉄心94の表面から離すべく、図4の2点鎖線に示すように、第2の永久磁石98の埋込位置(第2の空洞部97の形成位置)を、回転子鉄心94の内周面側へ移動させることが考えられる。しかし、第2の永久磁石98の埋込位置を、回転子鉄心94の中心部側へ移動させると、第2の永久磁石98と第1の永久磁石96とが近付いて短絡磁束が増加してしまい、固定子92に渡る磁束が減少して、永久磁石式リラクタンス型回転電機90のトルクが低下してしまう。
本発明は、トルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができる永久磁石埋込型回転子、及び該永久磁石埋込型回転子を備える回転電機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、固定子内側のロータコアの外周面寄りに、d軸に直交する方向に延びるように第1永久磁石が埋込まれるとともに、前記第1永久磁石の両側にq軸に沿って延びるように第2永久磁石が埋込まれ、さらに、前記第1永久磁石の両端から前記q軸側に離れて空隙が前記ロータコアに形成された永久磁石埋込型回転子に関する。そして、前記空隙は、前記ロータコアの最外周面寄りに位置する外周側端部を有するとともに、前記ロータコアの最内周面寄りに位置する内周側端部を有し、前記第1永久磁石は、該第1永久磁石の磁極面が、前記空隙の外周側端部より前記ロータコアの内周面側に位置し、かつ前記空隙の内周側端部より前記ロータコアの外周面側に位置するように配置されているものである。
また、請求項6に記載の発明は、固定子と、該固定子内側のロータコアの外周面寄りに、d軸に直交する方向に延びるように第1永久磁石が埋込まれるとともに、前記第1永久磁石の両側にq軸に沿って延びるように第2永久磁石が埋込まれ、さらに、前記第1永久磁石の両端から前記q軸側に離れて空隙が前記ロータコアに形成された永久磁石埋込型回転子と、からなる回転電機に関する。そして、前記永久磁石埋込型回転子が、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の永久磁石埋込型回転子であるものである。
これによれば、ロータコアでの第1永久磁石の配置位置を設定することにより、第1永久磁石がロータコアの外周面寄りに配置されていても、第1永久磁石が外周面に近付き過ぎることが防止され、第1永久磁石の表面に発生する渦電流損を抑えることができる。また、第1永久磁石に鎖交する交番磁界を減らすため、第1永久磁石をロータコアの外周面から離し、第1永久磁石をロータコアの内周面側に配置したとき、第1永久磁石が第2永久磁石に近付き過ぎることが防止され、第1永久磁石から固定子に渡る磁束が減少してしまうことが防止される。その結果として、回転電機のトルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができる。
また、前記固定子は、環状のステータコアの内周に複数配列されたティースを備え、前記ステータコアの径方向に沿って延び、かつ前記ティースの幅方向の中間点を通過する直線を前記ティースの中心軸とし、隣り合うティースの前記中心軸間のピッチをPとしたとき、前記d軸に沿った前記ロータコアの外周面から前記磁極面までの前記第1永久磁石の埋込深さが、1/10P<埋込深さ<2/3Pを満たすように第1永久磁石が配置されていてもよい。
これによれば、第1永久磁石の埋込深さの範囲を設定することにより、回転電機のトルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができるという効果を好適に発揮させることができる。
また、前記第1永久磁石は、前記d軸に直交する方向に細長に延びる平板形状であり、前記第1永久磁石の長辺方向への長さは、前記ピッチの1〜3倍に設定されていてもよい。
これによれば、第1永久磁石の長辺方向への長さを設定することで、第1永久磁石が短くなりすぎることに起因した磁束の減少を防止しつつ、磁極における空隙及び第2永久磁石の配置を好適に設定することができる。
また、前記第2永久磁石と前記空隙との間隔は、前記ピッチの0.3〜2倍に設定されていてもよい。
これによれば、間隔を設定することで、回転電機のトルクの低下を抑えつつ、トルクリプルの増加を抑えることができる。
また、前記第2永久磁石は、前記ロータコアの内周面側から外周面側に向かって拡がるV字状、又はロータコアの外周面側から内周面側に向かって凹む円弧状に配置されていてもよい。
これによれば、q軸を通る磁束を増加させることができ、回転電機のリラクタンストルクを増加させることができる。
本発明によれば、トルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができる。
実施形態の永久磁石埋込型回転電機を示す平面図。 永久磁石埋込型回転子における磁極を示す部分拡大図。 第2永久磁石の別例を示す部分拡大図。 背景技術を示す平面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図2にしたがって説明する。
図1に示すように、永久磁石埋込型回転電機Mは、環状の固定子10と、この固定子10内に回転可能に設けられた永久磁石埋込型回転子15(以下、単に回転子15と記載する)とから形成されている。固定子10は、環状のステータコア11を備えるとともに、このステータコア11は磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板を積層して構成されている。
ステータコア11の内周には複数配列されたティース13が形成されている。また、ステータコア11の周方向に隣り合うティース13の間にはスロット12が形成されている。固定子10は、複数のスロット12に組み込まれた複数のコイル30を備えている。ここで、図2に示すように、ステータコア11の径方向に直交する方向に沿ったティース13の長さを、ティース13の幅とした場合、そのティース13の幅の中間点を通過し、かつステータコア11の径方向に延びる直線をティース13の中心軸TLとする。このようにした場合、隣り合うティース13の中心軸TL間の幅をティース13間のピッチPとする。ピッチPは、ティース13の先端から基端に向かうに従い徐々に大きくなるため、本実施形態では、ピッチPは、ティース13先端での中心軸TL間の幅とし、中心軸TL間の幅が最も小さい値とする。
次に、回転子15について説明する。図1に示すように、回転子15は、円環状のロータコア16を備え、このロータコア16は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板161を積層して構成されている。また、ロータコア16の中心部には軸孔16aが貫設されるとともに、この軸孔16aには永久磁石埋込型回転電機Mの出力軸(図示略)が通されて固定される。
ロータコア16を周方向に等分割(本実施形態では8分割)した各仮想領域Wそれぞれには、1つの第1永久磁石17、及び2つの第2永久磁石18が埋込まれている。第1永久磁石17及び第2永久磁石18それぞれは、平板形状をなし、ロータコア16の中心軸Cに直交する断面が矩形状に形成されている。
そして、各仮想領域Wにおいて、1つの第1永久磁石17、及び2つの第2永久磁石18の1組の磁石群により、ロータコア16には1つの磁極が設けられている。本実施形態では、磁石群がロータコア16の周方向に沿って8箇所に配設されることで、回転子15は8つの磁極を備えるとともに、複数の磁極はロータコア16の周方向に交互に異なる磁極となるように設けられている。なお、図1に示すd軸26は、各磁極が作る磁束の方向(第1永久磁石17の長辺方向に直交し、かつ2つの第2永久磁石18間を通過する軸)を表し、q軸27は、d軸26と電気的、磁気的に直交する軸を表し、円弧状に延びている。
図2に示すように、各仮想領域Wにおいて、ロータコア16の外周面16b寄りには、第1埋込孔19がロータコア16の中心軸Cと平行な方向に貫設されるとともに、この第1埋込孔19はロータコア16の周方向にほぼ沿って延びる細長に形成されている。詳述すると、第1埋込孔19は、第1埋込孔19の長辺に対しd軸が直交するように形成されている。そして、この第1埋込孔19に第1永久磁石17が嵌入されている。
また、第1埋込孔19は、長辺側の形成面のうちロータコア16の外周面16bに近い方の外側形成面19aと、この外側形成面19aに対向し、かつロータコア16の内周面に近い方の内側形成面19bとを有している。そして、第1埋込孔19に嵌入された第1永久磁石17においては、ロータコア16の外周面16bに近い方の端面であり、外側形成面19aに対向する面が磁極面17aとなっており、ロータコア16の内周面に近い方の端面であり、内側形成面19bに対向する面が反磁極面17bとなっている。さらに、第1永久磁石17において、両短辺側の端面が磁石端面17cとなっている。
各仮想領域Wには、矩形状をなす2つの第2埋込孔20が、その長辺がロータコア16の内周面側から外周面側に向かって延びるようにロータコア16に形成されるとともに、中心軸Cと平行な方向に延びるように貫設されている。各仮想領域Wにおいて、2つの第2埋込孔20は、ロータコア16の内周面側から外周面側に向かうに従い互いに離れるように配置され、V字状をなすように配置されている。各仮想領域Wにおいて、2つの第2埋込孔20は、q軸27の一部に対して平行をなすように(沿うように)長辺が延びて形成されている。そして、各第2埋込孔20に、第2永久磁石18が嵌入されている。また、各第2埋込孔20は、長辺側の形成面のうち第1埋込孔19に近い方の第1形成面20aと、この第1形成面20aに対向し、かつ隣りの磁極の第2埋込孔20に近い方の第2形成面20bを有している。
各仮想領域Wにおいて、2つの第2永久磁石18は、同じ側(例えば、ロータコア16の外周面16b側)が同極となるように配置されている。また、隣り合う磁極に配置された第2永久磁石18は、ロータコア16の外周面16b側が異なる極となるように配置されている。例えば、ある一組の第2永久磁石18が、ロータコア16の外周面16b側がS極となるように配置されると、隣りの磁極に配置される一組の第2永久磁石18は、ロータコア16の外周面16b側がN極になるように配置される。本実施形態では、回転子15が正逆両方向へ回転可能とするため、d軸26に対し、2つの第2永久磁石18が線対称となる位置に配置されている。
ロータコア16には、第1埋込孔19の両短辺に連続するように第1空隙21が形成されている。また、ロータコア16には、第1永久磁石17からq軸27側に離れて第1空隙21とは別の略扇形状の第2空隙22が形成されている。第1空隙21及び第2空隙22それぞれは、中心軸Cと平行な方向に延びるようにロータコア16に貫設されている。そして、本実施形態では、この第1空隙21と第2空隙22とから1つの空隙部23が構成されている。
第1空隙21は、第1永久磁石17の両短辺の端面から第1永久磁石17からq軸27側へ離れるに従い徐々に細くなるように形成されている。第1空隙21の形成面は、第1埋込孔19の外側形成面19aに連続してロータコア16の内側へ向かって延びる第1形成面21aと、磁石端面17cからロータコア16の内側へ向かって延びる第2形成面21bと、から構成されている。
また、第2空隙22の形成面は、ロータコア16の外周面16bに沿って円弧状に延びる外周側形成面22aと、この外周側形成面22aの両端縁のうちd軸26側の端縁から延びるd軸側形成面22bと、q軸27側の端縁から延びるq軸側形成面22cとから構成されている。第2空隙22のd軸側形成面22bとq軸側形成面22cは、ロータコア16の外周面16b側から内周面に向かうに従い互いに近付くように形成され、d軸側形成面22bとq軸側形成面22cの交点により、ロータコア16の最内周面寄りに位置する内周側端部Yが形成されている。また、本実施形態では、第2空隙22の外周側形成面22aが、第2空隙22においてロータコア16の最外周面寄りに位置する外周側端部を構成している。
ロータコア16において、その外周面16bと第2空隙22の外周側形成面22aとの間が外周側ブリッジ24となっており、外周側ブリッジ24の第2空隙22側の側面は、第2空隙22の外周側形成面22aとなっている。外周側ブリッジ24は、ロータコア16の周方向に沿って一定幅で延びるように形成されている。
また、ロータコア16において、第1空隙21と第2空隙22の間が補強ブリッジ25となっている。補強ブリッジ25の第1空隙21側の側面は、第1空隙21の第1形成面21aによって形成され、補強ブリッジ25の第2空隙22側の側面は、第2空隙22のd軸側形成面22bによって形成されている。補強ブリッジ25は一定幅で延びるとともに、外周側ブリッジ24と同じ幅に形成されている。そして、外周側ブリッジ24及び補強ブリッジ25の幅は、コア板161の厚みの2倍以上に設定されるのが好ましい。
第1永久磁石17は、その磁極面17aが第2空隙22の外周側形成面22a(外周側端部)よりロータコア16の内周面側に位置し、かつ第2空隙22の内周側端部Yよりロータコア16の外周面側に位置するように配置されている。ここで、ロータコア16の外周面16bからd軸26に沿った磁極面17aまでの距離を、第1永久磁石17の埋込深さFとする。この場合、埋込深さFは、ティース13間のピッチPを基準とすると、1/10P<埋込深さF<2/3Pに設定されるのが好ましい。
埋込深さFが2/3Pより大きくなると、第1永久磁石17がロータコア16の内周面に近付く。このとき、2つの第2永久磁石18は、ロータコア16の内周面に向かうに従い互いの間隔を狭めるように配置されているため、第1永久磁石17がロータコア16の内周面に近付くと、第1永久磁石17の磁石端面17cが第2永久磁石18に近付いてしまい、第2永久磁石18との短絡磁束が増えてしまい好ましくない。一方、埋込深さFが1/10Pより小さくなると、第1永久磁石17がロータコア16の外周面16bに近付くこととなり、第1永久磁石17に鎖交する交番磁界が増加してしまい、第1永久磁石17表面での渦電流損が増えて好ましくない。そして、第1永久磁石17の埋込深さFの範囲を設定することで、第1永久磁石17は一対の第2空隙22の間に位置するように配置される。
第1永久磁石17の長辺方向への長さNは、ピッチPを基準とすると、ピッチPの1〜3倍に設定されるのが好ましい。第1永久磁石17の長さNがピッチPの1倍より短くなると、第1永久磁石17が小型化して磁力が低下し、第1永久磁石17から発生する磁束が減少してしまい好ましくない。一方、第1永久磁石17の長さNがピッチPの3倍より長くなると、第1永久磁石17が長くなりすぎて、磁極における第2空隙22(空隙部23)及び第2永久磁石18の配置を好適に設定することが困難になり好ましくない。
また、各磁極において、各第2空隙22(空隙部23)と、その第2空隙22のq軸側に隣り合う第2永久磁石18との間隔H(第2空隙22のq軸側形成面22cと、第2埋込孔20の長辺側形成面20aとの間隔)は、ピッチPを基準とすると、ピッチPの0.3〜2倍に設定されるのが好ましい。この間隔HがピッチPの0.3倍より短くなると、第2永久磁石18と空隙部23(第2空隙22)の間を通過する磁束が減少し、トルクの低下を招いて好ましくない。一方、間隔HがピッチPの2倍より長くなると、第2永久磁石18と空隙部23(第2空隙22)の間を通過する磁束を増加させることができるが、トルクリプルが増加してしまい好ましくない。
次に、回転子15を備える永久磁石埋込型回転電機Mの作用を説明する。
コイル30への通電によって固定子10に回転磁界が発生するとともに、回転子15に回転磁界が作用する。そして、回転磁界と第1永久磁石17及び第2永久磁石18との間の磁気的な吸引力及び反発力により回転子15が回転する。このとき、ロータコア16に第1永久磁石17と、第2永久磁石18とが設けられているため、例えば、第1永久磁石17又は第2永久磁石18のみがロータコア16に設けられる場合と比べると、第1及び第2永久磁石17,18によりリラクタンストルクが増大され、永久磁石埋込型回転電機Mのトルクが増大される。
ロータコア16において、第1永久磁石17の埋込深さFが、1/10P<埋込深さF<2/3Pの範囲内となるように、第1永久磁石17のロータコア16での埋込み位置が設定されている。このため、第1永久磁石17がロータコア16の外周面16bに近すぎず、かつ内周面に近すぎない位置に配置される。よって、第1永久磁石17の表面に発生する渦電流損を抑えることができるとともに、第1永久磁石17と第2永久磁石18との間での短絡磁束が低減される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)回転子15のロータコア16には、第1永久磁石17がロータコア16の外周面16b寄りに細長に延びるように配置されている。また、ロータコア16には、第1永久磁石17を挟むように2つの第2永久磁石18が配置されている。そして、第1永久磁石17は、ロータコア16の外周面16b側の磁極面17aが、第2空隙22における、ロータコア16の外周面16b側の外周側形成面22aよりもロータコア16の内周面側に位置し、かつ第2空隙22の内周側端部Yよりロータコア16の外周面側に位置するようにロータコア16に埋込まれている。このように、第1永久磁石17の埋込み位置を設定することにより、第1永久磁石17がロータコア16の外周面16b寄りに配置されていても、第1永久磁石17が外周面16bに近付き過ぎることが防止され、第1永久磁石17の表面に発生する渦電流損を抑えることができる。さらには、第1永久磁石17がロータコア16の内周面に近付き過ぎることが防止され、第1永久磁石17と第2永久磁石18との間での短絡磁束が低減される。
したがって、渦電流損による第1永久磁石17の温度上昇を小さく抑えることができ、第1永久磁石17の減磁を防止することができるとともに、短絡磁束の増加を防止することができる結果、永久磁石埋込型回転電機Mのトルク低下を防止することができる。そして、第1永久磁石17の渦電流損を抑えることができるため、第1永久磁石17に高保磁力の磁石を採用したり、厚みを厚くしたり、複数に分割する必要が無くなり、トルク低下防止のための第1永久磁石17のコストアップを避けることができる。
(2)第1永久磁石17の埋込深さFの範囲を、1/10P<埋込深さF<2/3Pに設定したため、永久磁石埋込型回転電機Mのトルクを低下させることなく渦電流損を低減させることができるという効果を好適に発揮させることができる。
(3)第1永久磁石17の長辺方向への長さNは、ティース13間のピッチPを基準とした場合、ピッチPの1〜3倍に設定されるのが好ましい。このように第1永久磁石17の長さNを設定することで、第1永久磁石17が短くなりすぎることによる磁束の減少を防止しつつ、磁極における第2空隙22及び第2永久磁石18の配置を好適に設定することができる。
(4)第2空隙22と、隣り合う第2永久磁石18との間隔Hは、ピッチPを基準とした場合、ピッチPの0.3〜2倍に設定されるのが好ましい。このように間隔Hを設定することで、永久磁石埋込型回転電機Mのトルクの低下を抑えつつ、トルクリプルの増加を抑えることができる。
(5)各磁極には、1つの第1永久磁石17を挟むように2つの第2永久磁石18がV字状に配置されている。このため、各磁極では、q軸27を通る磁束を増加させることができ、リラクタンストルクを増加させることができる。
(6)第1永久磁石17の両磁石端面17c側には空隙部23が設けられるとともに、各空隙部23は、第1永久磁石17と第2永久磁石18の間に配置されている。このため、空隙部23により、第1永久磁石17の第2永久磁石18への短絡磁束を減らすことができる。
(7)外周側ブリッジ24及び補強ブリッジ25の幅がコア板161の2倍以上に設定されることで、コア板161の打ち抜きの際の強度を確保することができ、打ち抜きの際の外周側ブリッジ24及び補強ブリッジ25の形成部位の変形を防止することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図3に示すように、ロータコア16に形成する第2埋込孔20を、q軸27に沿って延び、ロータコア16の外周面側から内周面側に凹む円弧状に形成するとともに、第2埋込孔20に嵌入される第2永久磁石18を断面円弧状となる一枚の永久磁石によって形成してもよい。
○ 実施形態では、ロータコア16に2つの第2埋込孔20を形成し、各第2埋込孔20に第2永久磁石18を嵌入したが、ロータコア16に一繋がりのV字状をなす第2埋込孔20を形成し、その第2埋込孔20にV字状に一体成形された1枚の第2永久磁石18を嵌入してもよいし、複数に分割した第2永久磁石18を嵌入してもよい。
○ 実施形態では、第2空隙22を略扇形状に形成したが、第2空隙22の形状は適宜変更してもよい。
○ 実施形態では、永久磁石埋込型回転子15が正逆両方向へ回転するように、第1永久磁石17及び2つの第2永久磁石18をd軸26に対し線対称となるように配置したが、永久磁石埋込型回転子15が一方向にのみ回転される場合には、第1永久磁石17及び2つの第2永久磁石18をd軸26に対し非線対称となるように配置してもよい。
○ 実施形態では、磁極数を8極にしたが、変更してもよい。
F…埋込深さ、H…間隔、M…回転電機としての永久磁石埋込型回転電機、N…長さ、P…ピッチ、TL…中心軸、Y…内周側端部、10…固定子、11…ステータコア、13…ティース、15…永久磁石埋込型回転子(回転子)、16…ロータコア、16b…外周面、17…第1永久磁石、17a…磁極面、18…第2永久磁石、22…空隙としての第2空隙、22a…外周側端部としての外周側形成面、26…d軸、27…q軸。

Claims (6)

  1. 固定子内側のロータコアの外周面寄りに、d軸に直交する方向に延びるように第1永久磁石が埋込まれるとともに、前記第1永久磁石の両側にq軸に沿って延びるように第2永久磁石が埋込まれ、さらに、前記第1永久磁石の両端から前記q軸側に離れて空隙が前記ロータコアに形成された永久磁石埋込型回転子において、
    前記空隙は、前記ロータコアの最外周面寄りに位置する外周側端部を有するとともに、前記ロータコアの最内周面寄りに位置する内周側端部を有し、
    前記第1永久磁石は、該第1永久磁石の磁極面が、前記空隙の外周側端部より前記ロータコアの内周面側に位置し、かつ前記空隙の内周側端部より前記ロータコアの外周面側に位置するように配置されている永久磁石埋込型回転子。
  2. 前記固定子は、環状のステータコアの内周に複数配列されたティースを備え、前記ステータコアの径方向に沿って延び、かつ前記ティースの幅方向の中間点を通過する直線を前記ティースの中心軸とし、隣り合うティースの前記中心軸間のピッチをPとしたとき、前記d軸に沿った前記ロータコアの外周面から前記磁極面までの前記第1永久磁石の埋込深さが、
    1/10P<埋込深さ<2/3P
    を満たすように第1永久磁石が配置される請求項1に記載の永久磁石埋込型回転子。
  3. 前記第1永久磁石は、前記d軸に直交する方向に細長に延びる平板形状であり、前記第1永久磁石の長辺方向への長さは、前記ピッチの1〜3倍に設定される請求項2に記載の永久磁石埋込型回転子。
  4. 前記第2永久磁石と前記空隙との間隔は、前記ピッチの0.3〜2倍に設定される請求項2又は請求項3に記載の永久磁石埋込型回転子。
  5. 前記第2永久磁石は、前記ロータコアの内周面側から外周面側に向かって拡がるV字状、又はロータコアの外周面側から内周面側に向かって凹む円弧状に配置されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の永久磁石埋込型回転子。
  6. 固定子と、
    該固定子内側のロータコアの外周面寄りに、d軸に直交する方向に延びるように第1永久磁石が埋込まれるとともに、前記第1永久磁石の両側にq軸に沿って延びるように第2永久磁石が埋込まれ、さらに、前記第1永久磁石の両端から前記q軸側に離れて空隙が前記ロータコアに形成された永久磁石埋込型回転子と、からなる回転電機であって、
    前記永久磁石埋込型回転子が、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の永久磁石埋込型回転子である回転電機。
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