JP2012022835A - 蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】大気中の水分に対しても安定であり、なおかつキャリアイオンであるAg濃度を高めた固体電解質を有し、また、負極と固体電解質間の界面抵抗を抑制した蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】Li、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Al、Cu、Hg、Au、Agのうち少なくとも1つが伝導イオンとなる固体イオン電解質層と、固体イオン電解質層を挟む一対の電極とからなり、一対の電極の少なくとも1つが固体電解質層の伝導イオンと同じ金属元素からなる電極であり、金属電極と固体イオン電解質層とは、電気化学的に接合されていることを特徴とする蓄電デバイス。
【選択図】図1
【解決手段】Li、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Al、Cu、Hg、Au、Agのうち少なくとも1つが伝導イオンとなる固体イオン電解質層と、固体イオン電解質層を挟む一対の電極とからなり、一対の電極の少なくとも1つが固体電解質層の伝導イオンと同じ金属元素からなる電極であり、金属電極と固体イオン電解質層とは、電気化学的に接合されていることを特徴とする蓄電デバイス。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電デバイスにおいて電解質の劣化を抑制し、負極と電解質との接触抵抗を低減する技術に関する。
電池等の蓄電デバイスには、液体電解質が広く用いられているが、電解質が液体であるために、腐食による液漏れや変形といった問題がある。そのため、従来、電解質として固体状のイオン導電性材料を用いた数多くの種類の固体電解質電池が開発されている。
そのような固体電解質電池の一つとして、負極に銀(以下、Ag)を用い、固体電解質として主にヨウ化銀(以下、AgI)を用いる銀ヨウ素電池が知られている。この電池においては、AgIを含む銀イオン導電性固体電解質の導電率を高めるため、Ag+イオンの一部をルビジウムイオン(Rb+)、アンモニウムイオン(NH4 +)、第4級アンモニウムイオン等のカチオンで置換したり、また、I−イオンの一部をWO4 2−、VO3 −、S2−などのアニオンで置換したりする等の技術が知られている。
しかしながら、従来の銀ヨウ素電池においては、大気中の水分の存在によって、固体電解質が分解を起こしてしまう。そのため、素子の材料保存や製造を乾燥雰囲気下で行う必要があったり、製造後も素子の固体電解質が大気に接触しないように電解液を用いた場合と同様に厳重に封止しなければならないという問題があった。
この問題に対して、銀イオン導電性固体電解質層と、固体電解質層を介して配される少なくとも一対の電極を有する電気化学素子において、少なくとも一つの電極として銀と遷移金属酸化物(V酸化物、Mo酸化物またはW酸化物)よりなる複合酸化物を用い、固体電解質層としてAgIにAg2Oを添加し、さらにW、Mo、Si、Cr、PまたはBの酸化物を添加したものを用いた電気化学素子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上記各種の酸化物を含む固体電解質によって大気中の水分に対して安定させているが、本来イオン伝導に寄与するのはAgIのみであるため、酸化物と混合することで、その分AgIの活量が低下してしまう。すなわち、伝導に寄与するキャリアイオンであるAg+の濃度が低下してしまい十分な電池の充放電特性が発揮できない。
また、固体電解質と電極界面との接触の状態はイオンの移動度に影響を及ぼすが、従来の固体電解質と電極との界面は物理的な接触によるものなので、接触が良好ではなく移動度が低いためイオンの移動量は小さく、移動速度は遅い。また、接触面での抵抗が大きく、そのエネルギー障壁によりイオンが界面に金属として析出しショートなど劣化の原因になることがある。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、大気中の水分との接触が抑制され、なおかつキャリアイオンであるAg等の金属イオン濃度を高めた固体電解質を有し、また、負極と固体電解質間の界面抵抗を抑制した蓄電デバイスを提供することを目的としている。
本発明の蓄電デバイスは、Li、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Al、Cu、Hg、Au、Agのうち少なくとも1つが伝導イオンとなる固体イオン電解質層と、固体イオン電解質層を挟む一対の電極とからなり、一対の電極の少なくとも1つが固体電解質層の伝導イオンと同じ金属元素からなる電極であり、金属電極と固体イオン電解質層とは、電気化学的に接合されていることを特徴としている。
本発明においては、固体イオン電解質層を内部に保持するとともに一対の電極層を両端に保持するベース部材を備え、ベース部材には、電極の積層方向に貫通する複数の孔が設けられており、孔内に金属電極及び固体イオン電解質層の接合面が存在することを好ましい態様としている。
本発明においては、伝導イオンがAgイオンまたはMgイオンであることを好ましい態様としている。
本発明にあっては、固体電解質と金属電極が物理的な接触ではなく、電気化学的接合(ヘテロ接合)による接合なので、接触抵抗が低減され、金属電極から電解質へのイオンの移動がスムーズになる。
また、ベース部材内に固体電解質層が保持されているので、空気中の水分が電解質に接触することを抑制する。このため、水分による固体電解質の劣化が防止され、充放電サイクルを重ねてもエネルギー密度等の電池特性を維持することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
蓄電デバイスの構造
図1は、本発明の実施形態に係る蓄電デバイス1を示し、上部が平面図、下部が斜視図である。また、図2は、蓄電デバイス1の断面図の一部を拡大した模式図である。図1および2に示すように、蓄電デバイス1は、固体電解質14と、固体電解質14の保持部材であるベース部材11と、ベース部材11の両端に形成された負極13および正極15とから構成されている。ベース部材11の厚さBは、1〜100μmが好ましく、特に、20μm程度が好ましい。また、負極13の形成厚さCは、100〜50000nmが好ましく、特に、500nm程度が好ましい。
蓄電デバイスの構造
図1は、本発明の実施形態に係る蓄電デバイス1を示し、上部が平面図、下部が斜視図である。また、図2は、蓄電デバイス1の断面図の一部を拡大した模式図である。図1および2に示すように、蓄電デバイス1は、固体電解質14と、固体電解質14の保持部材であるベース部材11と、ベース部材11の両端に形成された負極13および正極15とから構成されている。ベース部材11の厚さBは、1〜100μmが好ましく、特に、20μm程度が好ましい。また、負極13の形成厚さCは、100〜50000nmが好ましく、特に、500nm程度が好ましい。
ベース部材11には、Agからなる負極13が形成される端面と正極15が形成される端面とを貫通する、ナノコラムと呼ばれる微小柱状構造の孔12が多数形成されており、これらナノコラム12内にAgIからなる固体電解質14が充填されている。ナノコラム12の径Aは、製造条件により5〜500nmとし、特に、50nm程度が好ましい。
負極13はAg以外にも選択が可能である。具体的にはLi、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Al、Cu、Hg、Au等イオン伝導のキャリアになりうる元素である。このとき固体電解質14は選ばれたイオン伝導キャリア元素で構成させるハロゲン化物(フッ素化物、塩化物、ヨウ化物)または硫化物となる組み合わせであればよい。
ベース部材11の一端面には、負極13が形成されている。負極13は、ベース部材11の端面からナノコラム12内に入り込んで形成されており、破線で囲むようにナノコラム12内にて固体電解質14と接合されている。ここで、固体電解質14と負極13との界面は、塗布や押圧といった単なる物理的な接触ではなく、電気化学的なヘテロ接合、すなわち接合する固体電解質14と負極13の結晶の格子定数がほぼ同じで、結晶格子整合性を保った接合である。固体電解質14部分の長さは、ベース部材11の厚さBおよび固体電解質14を充填する際の反応条件によって決定され、1〜50μmが好ましい。
また、ベース部材の他端面には、硫黄(以下、S)、導電助剤およびバインダ等からなる正極15が形成されている。正極15は、負極13とは異なり、塗布等の手段によって形成されている。導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ワイヤーカーボン等が好ましく、バインダとしては、PVDF、PAA、CMC等が好ましい。
蓄電デバイスの製造方法
図3は、本発明の蓄電デバイスの製造工程を模式的に示したものである。まず、(a)のアルミニウム(以下、Al)薄板等からなるベース部材10は、公知の陽極酸化に供される。ここで、図4は、当該製造工程における陽極酸化装置2を示したものであり、反応容器20内に反応液21が充填され、陽極23にベース部材10が設けられ、対極(陰極)24を浸漬し、陽極23と陰極24が電源22に接続されて、ベース部材10の酸化が行われる。
図3は、本発明の蓄電デバイスの製造工程を模式的に示したものである。まず、(a)のアルミニウム(以下、Al)薄板等からなるベース部材10は、公知の陽極酸化に供される。ここで、図4は、当該製造工程における陽極酸化装置2を示したものであり、反応容器20内に反応液21が充填され、陽極23にベース部材10が設けられ、対極(陰極)24を浸漬し、陽極23と陰極24が電源22に接続されて、ベース部材10の酸化が行われる。
陽極酸化によって、ベース部材10は、酸化部分がベース部材10の厚さ方向に多数成長し、微細な柱状の酸化アルミニウム(アルミナナノコラム体)が金属Al内に多数形成された構造となる。続いて、ベース部材11を溶解液に浸漬することにより、金属Al部分を溶解除去し、アルミナナノコラム体部分のみを残存させたベース部材11を得る。図3(b)に示すように、金属Alであった部分は、多数のアルミナナノコラム体(符号11)どうしの空隙(ナノコラム)12となる。
多数のナノコラム12を有するベース部材11の一方の端面には、スパッタリング等の公知の方法で、図3(c)に示すように負極13としてAgが蒸着される。続いて、図3(d)に示すように、硝酸銀(以下、AgNO3)等の反応液中で、ベース部材11に蒸着されたAgと、対極とに電圧を印加して、ナノコラム12中にAgを析出・成長させる(以下、ナノコラム12に充填されたこの柱状のAgをナノヘテロワイヤーと称する場合がある)。ナノコラム内にAgを完全充填するためには、電流は−0.3mA程度とし10分以上、好ましくは20分の任意時間印加し反応させる。このとき充填されたAgは単結晶もしくは配向結晶となっている。
ナノコラム12内にAgのナノヘテロワイヤーが充填されたベース部材11は、続いて、反応液をヨウ化カリウム(以下、KI)等のI−を有するものに交換されて、電圧の印加を継続すると、反応液のI−が負極13と反対側の面からナノコラム12中に入り込んでAgと反応し、AgIを形成していく。このとき、ナノコラム12中心部へ向かってI−が電気化学的に拡散し、図3(e)に示すように、AgIをナノコラム12中心部まで形成する。電流は同様に0.3mA程度とし10分以上、好ましくは20分以上の任意時間電圧を印加して反応させる。元々Agの単結晶もしくは配向結晶がナノコラム12内に充填されているので、I−が一番奥深くまで拡散したAgI部分と負極13のAg部分との界面は結晶格子整合性を保ち、ヘテロ接合面となる。
最後に、図3(f)に示すように、ベース部材11の負極13と反対側の端面に、正極15が形成される。正極は、Sと、導電助剤、バインダを混合したペーストを塗布することで形成される。
以上説明した本発明の蓄電デバイスによれば、ベース部材に形成されたナノコラム内に固体電解質が充填されるため、ケース内に単に電解質を封止した従来の蓄電デバイスと比較して、大気中の水分と電解質の接触が防止される。そのため、たとえ大気中の水分との反応が激しい物質であっても劣化が抑制されるため、水分に対する安定剤を電解質に配合する必要がなく、電解質中のキャリアイオン濃度を電解質として最大に出来る。このため、イオンの移動量が多くなり十分な充放電特性が発揮でき、電池の容量や出力の低下を防ぐことが出来るという効果を奏する。
負極と電解質間が結晶格子整合性に優れたヘテロ接合を有するため、両者の接合面の接触抵抗が極めて低い良好な状態となり、イオンの移動量が大きく、移動速度は速い。この場合接触面での抵抗が低いので、エネルギー障壁によりイオンが界面に金属として析出することもなくショートを防止することができるという効果をも奏する。
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明する。
下記に示す方法により、本発明の実施例の蓄電デバイスを作製した。
1)Agの場合
[実施例1]
<Alの陽極酸化>
厚さ0.25mmのアルミニウム薄板を直径φ22.5mmの形状に切り出し、白金を対極とし、(COOH)2・2H2O(0.3M)を満たした電気化学セル中で電気的に酸化処理を行なった。処理条件は溶液温度4℃、DC40Vの定電圧を360分間印加することにより、Al薄板中に微小な柱状のアルミナナノコラム体を多数形成させた。
下記に示す方法により、本発明の実施例の蓄電デバイスを作製した。
1)Agの場合
[実施例1]
<Alの陽極酸化>
厚さ0.25mmのアルミニウム薄板を直径φ22.5mmの形状に切り出し、白金を対極とし、(COOH)2・2H2O(0.3M)を満たした電気化学セル中で電気的に酸化処理を行なった。処理条件は溶液温度4℃、DC40Vの定電圧を360分間印加することにより、Al薄板中に微小な柱状のアルミナナノコラム体を多数形成させた。
<Al除去によるアルミナナノコラム体作製>
SnCl4・5H2O、H3PO4(5wt%)にて十分に長時間の浸漬処理を行なってアルミナナノコラム体以外の金属Al部分を除去することにより、アルミナ薄板に柱状空隙であるナノコラムが多数形成された絶縁基材を作製した。なお、以上の工程は、ナノコラム構造を持つ絶縁基材を別手法で準備して使う場合は、省略することも可能である。
SnCl4・5H2O、H3PO4(5wt%)にて十分に長時間の浸漬処理を行なってアルミナナノコラム体以外の金属Al部分を除去することにより、アルミナ薄板に柱状空隙であるナノコラムが多数形成された絶縁基材を作製した。なお、以上の工程は、ナノコラム構造を持つ絶縁基材を別手法で準備して使う場合は、省略することも可能である。
<負極の蒸着>
プラズマスパッタ装置を用いてAgをアルミナナノコラム体の片面に蒸着した。厚みは約500nmとした。
プラズマスパッタ装置を用いてAgをアルミナナノコラム体の片面に蒸着した。厚みは約500nmとした。
<Agナノヘテロワイヤーの形成>
アルミナナノコラム体に前工程で蒸着したAgと白金を対極に、AgNO3を反応液とした電気化学セル中で電気化学的にAgをナノコラムに充填した。電流は約−0.3mAで、ナノコラム中に完全にAgが充填されるまで電圧を20分間印加した。
アルミナナノコラム体に前工程で蒸着したAgと白金を対極に、AgNO3を反応液とした電気化学セル中で電気化学的にAgをナノコラムに充填した。電流は約−0.3mAで、ナノコラム中に完全にAgが充填されるまで電圧を20分間印加した。
<ナノコラム内でのAgナノヘテロワイヤーの部分的なAgIへの置換>
その後、反応液をAgNO3からKIに交換し、同様に電流を約0.3mAとし10分間反応させた。
その後、反応液をAgNO3からKIに交換し、同様に電流を約0.3mAとし10分間反応させた。
<正極塗工>
S、導電助剤としてワイヤーカーボンと、バインダとしてPVDFとを混合した正極ペーストを作製し、これを出来上がったAgI充填済みナノコラム体のAg電極と反対側に厚さ10μmとなるように塗布した。
S、導電助剤としてワイヤーカーボンと、バインダとしてPVDFとを混合した正極ペーストを作製し、これを出来上がったAgI充填済みナノコラム体のAg電極と反対側に厚さ10μmとなるように塗布した。
実施例1の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表1に示した。各値の算出方法は、下記の通りとした。
空隙率:電子顕微鏡の視野観察で単位体積辺りの空孔密度を算出。
エネルギー密度:充放電測定装置(Ivium社製)を用い、定電流状態で電圧の時間変化を測定し、電流×電圧×時間/重さで算出。
面抵抗:上記実験の電流/電圧から算出。
空隙率:電子顕微鏡の視野観察で単位体積辺りの空孔密度を算出。
エネルギー密度:充放電測定装置(Ivium社製)を用い、定電流状態で電圧の時間変化を測定し、電流×電圧×時間/重さで算出。
面抵抗:上記実験の電流/電圧から算出。
[実施例2〜10]
上述の方法において、陽極酸化における浸漬時間を調整して、ナノコラムの形成割合(空隙率)を表1に示す値に変化させた以外は同様にして、実施例2〜10の蓄電デバイスを作製した。実施例2〜10の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
上述の方法において、陽極酸化における浸漬時間を調整して、ナノコラムの形成割合(空隙率)を表1に示す値に変化させた以外は同様にして、実施例2〜10の蓄電デバイスを作製した。実施例2〜10の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
[比較例]
比較例として、ナノコラムを有さず、単にケース内に固体電解質を充填した構造の従来の蓄電デバイスを作製した。なお、固体電解質としては、AgIを70%と、電解質の劣化防止添加剤としてWO3を30%としたものを使用し、正極:S、負極:Agとした。比較例の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
比較例として、ナノコラムを有さず、単にケース内に固体電解質を充填した構造の従来の蓄電デバイスを作製した。なお、固体電解質としては、AgIを70%と、電解質の劣化防止添加剤としてWO3を30%としたものを使用し、正極:S、負極:Agとした。比較例の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
実施例および比較例における面抵抗とエネルギー密度のグラフを図5に示す。実施例は固体電解質が充填されているナノコラムの量に違いのある10の例である。空隙率はナノコラムの量と比例しており、値が高いほどナノコラムが多く、すなわちAgIが多く充填されている。また、各実施例は、電解質に添加剤等の混合なしにAgIのみで構成されている。そのためAgイオン輸率が比較例に比べて高い。このため高輸率を生かした新電池構成が可能となり、性能指標であるエネルギー密度が飛躍的に向上する。一方、比較例は電池構成は一般的な固体電池の構成であり、電解質に劣化防止用の添加剤を含んでいるためAgイオンの輸率が低い。このため性能指標であるエネルギー密度が低い。また、劣化防止剤が入っていても大気中の水分との接触は不可避なため多少の劣化を伴う。比較例の性能と比べ、特に、実施例1〜8が高く、有効である。
また、実施例1および比較例における充放電サイクル数とエネルギー密度のグラフを図6に示す。このサイクル試験結果から分かるように、比較例では大気中の水分との接触があるため劣化を伴うが、実施例1ではアルミナの隔壁(ベース部材11)が存在し大気の水分との接触がないため性能劣化もしない。
2)Mgの場合
[実施例11]
<Alの陽極酸化>
実施例1と同様にして、アルミニウム薄板に電気的な酸化処理を行ない、Al薄板中に微小な柱状のアルミナナノコラム体を多数形成させた。
[実施例11]
<Alの陽極酸化>
実施例1と同様にして、アルミニウム薄板に電気的な酸化処理を行ない、Al薄板中に微小な柱状のアルミナナノコラム体を多数形成させた。
<Al除去によるアルミナナノコラム体作製>
実施例1と同様にして、アルミナ薄板に柱状空隙であるナノコラムが多数形成された絶縁基材を作製した。
実施例1と同様にして、アルミナ薄板に柱状空隙であるナノコラムが多数形成された絶縁基材を作製した。
<負極の蒸着>
プラズマスパッタ装置を用いてMgをアルミナナノコラム体の片面に蒸着した。厚みは約500nmとした。
プラズマスパッタ装置を用いてMgをアルミナナノコラム体の片面に蒸着した。厚みは約500nmとした。
<Mgナノヘテロワイヤーの形成>
アルミナナノコラム体に前工程で蒸着したMgと白金を対極に、Mg(NO3)2を反応液とした電気化学セル中で電気化学的にMgをナノコラムに充填した。電流は約−0.36mAで、ナノコラム中に完全にMgが充填されるまで電圧を60分間印加した。
アルミナナノコラム体に前工程で蒸着したMgと白金を対極に、Mg(NO3)2を反応液とした電気化学セル中で電気化学的にMgをナノコラムに充填した。電流は約−0.36mAで、ナノコラム中に完全にMgが充填されるまで電圧を60分間印加した。
<ナノコラム内でのMgナノヘテロワイヤーの部分的なMgI2への置換>
その後、反応液をMg(NO3)2からKIに交換し、同様に電流を約0.3mAとし15分間反応させた。
その後、反応液をMg(NO3)2からKIに交換し、同様に電流を約0.3mAとし15分間反応させた。
<正極塗工>
実施例1と同様にして、正極ペーストを作製し、これを出来上がったMgI2充填済みナノコラム体のMg電極と反対側に塗布した。
実施例1と同様にして、正極ペーストを作製し、これを出来上がったMgI2充填済みナノコラム体のMg電極と反対側に塗布した。
実施例11の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に示した。各値の算出方法は、下記の通りとした。
空隙率:電子顕微鏡の視野観察で単位体積辺りの空孔密度を算出。
エネルギー密度:充放電測定装置(Ivium社製)を用い、定電流状態で電圧の時間変化を測定し、電流×電圧×時間/重さで算出。
面抵抗:上記実験の電流/電圧から算出。
空隙率:電子顕微鏡の視野観察で単位体積辺りの空孔密度を算出。
エネルギー密度:充放電測定装置(Ivium社製)を用い、定電流状態で電圧の時間変化を測定し、電流×電圧×時間/重さで算出。
面抵抗:上記実験の電流/電圧から算出。
[実施例12〜14]
上述の方法において、陽極酸化における浸漬時間を調整して、ナノコラムの形成割合(空隙率)を表2に示す値に変化させた以外は同様にして、実施例12〜14の蓄電デバイスを作製した。実施例12〜14の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
上述の方法において、陽極酸化における浸漬時間を調整して、ナノコラムの形成割合(空隙率)を表2に示す値に変化させた以外は同様にして、実施例12〜14の蓄電デバイスを作製した。実施例12〜14の蓄電デバイスの面抵抗、エネルギー密度、空隙率を表2に併記した。
本発明は、大気中の水分等との接触を嫌う固体電解質を有する蓄電デバイスに適用して極めて有望である。
1…蓄電デバイス、
10…ベース部材(陽極酸化前)、
11…ベース部材(陽極酸化後のナノコラム体)、
12…ナノコラム(微小柱状構造)、
13…負極、
14…固体電解質、
15…正極、
2…陽極酸化装置、
20…反応容器、
21…反応液、
22…電源、
23…陽極、
24…陰極、
25…冷媒出口、
26…冷媒入口、
A…ナノコラム径、
B…ベース部材厚さ、
C…負極厚さ。
10…ベース部材(陽極酸化前)、
11…ベース部材(陽極酸化後のナノコラム体)、
12…ナノコラム(微小柱状構造)、
13…負極、
14…固体電解質、
15…正極、
2…陽極酸化装置、
20…反応容器、
21…反応液、
22…電源、
23…陽極、
24…陰極、
25…冷媒出口、
26…冷媒入口、
A…ナノコラム径、
B…ベース部材厚さ、
C…負極厚さ。
Claims (4)
- Li、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、Mg、Al、Cu、Hg、Au、Agのうち少なくとも1つが伝導イオンとなる固体イオン電解質層と、前記固体イオン電解質層を挟む一対の電極とからなり、
前記一対の電極の少なくとも1つが固体電解質層の伝導イオンと同じ金属元素からなる電極であり、前記金属電極と前記固体イオン電解質層とは、電気化学的に接合されていることを特徴とする蓄電デバイス。 - 前記固体イオン電解質層を内部に保持するとともに前記一対の電極層を両端に保持するベース部材を備え、前記ベース部材には、前記電極の積層方向に貫通する複数の孔が設けられており、前記孔内に前記金属電極及び固体イオン電解質層の接合面が存在することを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
- 前記伝導イオンがAgイオンであることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
- 前記伝導イオンがMgイオンであることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
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---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-07-13 JP JP2010158605A patent/JP2012022835A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016521902A (ja) * | 2013-07-03 | 2016-07-25 | シオン・パワー・コーポレーション | 再充電式リチウム電池を含む電気化学電池における電極保護用のセラミック/ポリマーマトリックス |
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