JP2012017668A - エンジン制御パラメータの適合方法及び適合システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン制御パラメータの適合において、全ての計測点での感度に応じた最適探索刻み幅を比較的少ない工数で設定できるようにする。
【解決手段】エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法において、前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定する。
【選択図】図4
【解決手段】エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法において、前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法及び適合システムに関する発明である。
例えば、特許文献1(特開2004−124935号公報)では、エンジン制御パラメータの適合初期値を設定し、そのときの出力値に基づいて操作パラメータ及び操作順序及び操作方向を決定し、出力値が目標値を満たすまで探索を続けるようにしている。
また、特許文献2(特開2009−220030号公報)では、適合対象のエンジン制御パラメータを順次規定量ずつ変化させ、その際の出力値の改善/悪化を判定し、各々のパラメータの探索方向を決定するようにしている。
このように、探索型自動適合において探索方向の決定に関する公知技術は幾つかあるが、それらの中でパラメータの操作量/変化量については、その決定基準が明記されていないか、固定値でよいとされている。
しかしながら、例えば、EGR装置による外部EGRにおいては、エンジン回転速度、負荷等の運転条件に対して、EGRバルブ開度変化量に対するEGR率(エンジン性能・出力値に最も寄与する物理パラメータ)の変化量の比、すなわち物理パラメータの感度が著しく変化する。このような特性は、外部EGRのみに限らず、可変バルブタイミング機構等にも言える特性である。
このようなシステムでは、制御パラメータの適合値の探索を固定の探索刻み幅で行った場合、感度の低い運転条件では、初期値から適合値を発見するまでに多くの計測点数を必要として、工数が大きくなる一方、感度の高い運転条件では、物理パラメータが急変して、例えば、外部EGRならば、燃焼安定領域から1探索ステップで失火領域に至ってしまう可能性があるという問題がある。
このような問題に対して、各計測点での感度を各計測点毎に計測し、それに基づいて最適探索刻み幅を設定することで解決可能であるが、この場合は、感度計測の工数が大幅に増加するという問題が新たに生ずる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、全ての計測点での感度に応じた最適探索刻み幅を比較的少ない工数で設定できるエンジン制御パラメータの適合方法及び適合システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法において、前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定するようにしたものである。
請求項1に係る発明では、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定するため、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度計測を行うだけで、他の計測点での感度計測を行わずに済み、感度計測の工数を大幅に削減しながら、全ての計測点での最適探索刻み幅をそれぞれの計測点での感度に応じて設定することができ、工数削減と適合精度向上とを両立させることができる。
或は、請求項2のように、エンジン運転条件によって感度が変化する制御パラメータを探索適合する場合に、基準代表点での感度の計測値に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数とに基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定するようにしても良い。このようにしても、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度計測を行うだけで、全ての計測点での最適探索刻み幅をそれぞれの計測点での感度に応じて設定することができる。
ここで、適合対象となる制御パラメータとしては、例えば、EGRバルブ開度、吸気及び/又は排気バルブタイミング、噴射時期等があり、計測する物理パラメータとしては、例えば、外部EGR率、インテークマニホールド圧(吸気管圧力)、噴霧移動距離、霧化時間等がある。
例えば、請求項3のように、適合対象となる制御パラメータがEGRバルブ開度である場合は、物理パラメータとして、外部EGR率又はインテークマニホールド圧を計測すれば良い。EGRバルブ開度が変化すると、外部EGR率やインテークマニホールド圧が変化するためである。
また、請求項4のように、適合対象となる制御パラメータが吸気及び/又は排気バルブタイミングである場合は、物理パラメータとして、インテークマニホールド圧を計測すれば良い。バルブタイミングが変化すると、インテークマニホールド圧が変化するためである。
また、請求項5のように、計測又は推定した感度から最適探索刻み幅を設定する際に、最適探索刻み幅1ステップ分の制御パラメータの変化量で物理パラメータが要求物理パラメータ変化量だけ変化するように最適探索刻み幅を設定すれば良い。これにより、要求物理パラメータ変化量に応じた最適探索刻み幅を設定することができる。
また、請求項6のように、エンジン回転速度とエンジン負荷とを引数とする二次元マップに最適探索刻み幅を格納し、各計測点の適合を開始する前に、エンジン回転速度とエンジン負荷に対応する最適探索刻み幅を前記二次元マップから読み込んで設定して探索適合するようにすれば良い。これにより、探索適合を能率良く行うことができる。
尚、請求項7,8に係る発明は、それぞれ請求項1,2に係る適合方法の発明の技術思想を、異なるカテゴリーの「適合システム」として表現した発明であり、請求項1,2と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御パラメータ適合システムの構成を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御パラメータ適合システムの構成を説明する。
エンジンベンチ11には、計測対象となるエンジン12が取り付けられ、このエンジン12に装着した各種センサで検出した冷却水温、エンジン回転速度、スロットル開度、アクセル開度、空燃比等の各種センサ信号がエンジンECU13に送信される。エンジンECU13は、受信した各種センサ信号に基づいてエンジン11の運転状態を検出して、該エンジン運転状態に応じて点火時期、燃料噴射量等のエンジン制御信号をエンジン12に出力してエンジン11の運転状態を制御する。
エンジンベンチ11を制御するエンジンベンチ制御ツール14は、燃焼解析装置15、排ガス分析計16等の各種計測装置で計測した燃焼解析データ、排気エミッション、排ガスの空燃比等のエンジン特性パラメータの計測値を取り込むと共に、計測点の変更時にエンジン回転速度とエンジン負荷を変更し、かつECU適合ツール17に対して制御パラメータ変更指示を送信し、該ECU適合ツール17からエンジンECU13にパラメータ書き込み指示を送信する。エンジンECU13からECU適合ツール17にRAM値を送信し、更に、このECU適合ツール17で受信したRAM値をエンジンベンチ制御ツール14に送信する。
エンジンベンチ制御ツール14は、自動適合ツール18に対して指示パラメータ要求を送信し、該自動適合ツール18から送信されてくるパラメータ指示を受信する。自動適合ツール18は、指示パラメータ要求を受信することで今回の計測点の計測終了を判定し、次の計測点へと進む。エンジンベンチ制御ツール14や自動適合ツール18は、パーソナルコンピュータ等で構成され、後述する図4の適合プログラムを実行することで、エンジン12の制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量である物理パラメータを計測する処理を繰り返して、評価値が最良となる制御パラメータの適合値の組み合わせを探索する。
本実施例1では、制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定するようにしている。
図2に示す比較例のように、制御パラメータであるEGRバルブ開度の適合値の探索を固定の探索刻み幅で行った場合、感度の低い運転条件Lでは、初期値から適合値を発見するまでに多くの計測点数を必要として、工数が大きくなる一方、感度の高い運転条件Hでは、物理パラメータであるEGR率が急変して、燃焼安定領域から1探索ステップで失火領域に至ってしまう可能性がある。図2の例では、感度の低い運転条件Lでは、初期値から適合値を発見するまでに11点の計測が必要であるのに対して、感度の高い運転条件Hでは、4点の計測で適合が終了する。
これに対し、本実施例1では、各計測点の感度に応じて各計測点での最適探索刻み幅を設定する。具体的には、最適探索刻み幅1ステップ分の制御パラメータの変化量で物理パラメータが規定値である要求物理パラメータ変化量だけ変化するように最適探索刻み幅を設定する。これにより、感度の異なる運転条件H,M,Lのいずれでも、各計測点の感度に応じて各計測点での最適探索刻み幅が設定されるため、初期値から適合値を発見するまでの計測点数を少ない数(図3の例では4点)で共通化することができ、計測点数を大幅に削減することができる。
この場合、各計測点での感度を各計測点毎に計測し、それに基づいて最適探索刻み幅を設定するようにすると、感度計測の工数が大幅に増加するという問題が新たに生ずる。
そこで、本実施例1では、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度を計測し、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を各計測点毎に推定する。
例えば、適合対象となる制御パラメータがEGRバルブ開度で、計測する物理パラメータがEGR率である場合の感度変化関数は、次式で表わされる。
次に、適合対象となる制御パラメータをEGRバルブ開度(外部EGR)とし、計測対象となる物理パラメータを外部EGR率としたときの適合手順について説明する。
まず、基準代表点の感度計測を行う。この基準代表点は、想定するモード走行パターンの最大頻度点等に事前に設定されており、感度が中程度となる計測点(例えば2000rpm、負荷率40%程度)が好適である。
エンジン運転条件を基準代表点のエンジン回転速度と負荷率に制御し、エンジン回転速度と負荷率が上記制御値に安定したら、EGR率が感度計測基準値になるようなEGRバルブ開度Aを求める。この際、排ガス分析計16にてEGR率を計測しつつ、EGRバルブ開度を操作する。ここで、EGR率の感度計測基準値は例えば5%程度が好ましい。これは、EGRバルブが全閉から少し開いた程度の範囲は感度が低いため、これを除外するためである。
次に、EGR率が感度計測基準値から要求物理パラメータ変化量(規定値)だけ変化した値となるようなEGRバルブ開度Bを求める。この際、排ガス分析計16にてEGR率を計測しつつ、EGRバルブ開度を操作する。ここで、要求物理パラメータ変化量は、例えば3又は4%程度が好ましい。EGR率変化量が3又は4%というのは、十分にトルクが変化しうる変化幅であると同時に、燃焼変動の値が制約値を超えたとしても1ステップで一挙に失火に至るほどの変化幅ではないという値である。従って、ここではEGR率が「感度計測基準値+要求物理パラメータ変化量」、例えば8又は9%になるようにEGRバルブ開度が制御される。
以上のようにして求めたEGR率が感度計測基準値になる時のEGRバルブ開度Aと要求物理パラメータ変化量だけ変化した時のEGRバルブ開度Bとの差「B−A」が、基準代表点におけるEGR率変化量が要求EGR率変化量(3、4%程度)となる探索刻み幅であり、これが基準代表点における最適探索刻み幅となる。このEGRバルブ開度変化量「B−A」の値を、最適探索刻み幅マップの基準代表点に対応するマスに格納する。
そして、予め定義しておいた感度変化関数を用いて基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に算出して最適探索刻み幅マップの全マスを埋める。
ここで、感度と最適探索刻み幅は、逆数の関係にあり、感度が低い場合は、探索刻み幅を大きくして素早く探索し、感度が高い場合は、探索刻み幅を小さくして、物理パラメータの急変による失火等の異常発生を防止するようにすれば良い。
感度の単位は、[EGR率変化量/EGRバルブ開度変化量]、一般的には、[物理パラメータ変化量/制御パラメータ変化量]であり、最適探索刻み幅は、規定EGR率変化量相当のEGRバルブ開度変化量であり、一般的には、規定物理パラメータ変化量相当の制御パラメータ変化量である。
最適探索刻み幅=規定EGR率変化量/EGR率感度
(=規定物理パラメータ変化量/物理パラメータ感度)
(=規定物理パラメータ変化量/物理パラメータ感度)
以上のようにして最適探索刻み幅マップが埋められたら、いよいよ探索適合を開始する。このとき、各計測点の計測前に、最適探索刻み幅マップの対応するマスを参照して各計測点での最適探索刻み幅を読み込み、最適探索刻み幅を設定して探索適合を開始する。
このようにすれば、探索の1ステップで十分なトルク感度を引き出して無駄な工数を省くとともに、燃焼変動の制約内から一挙に失火に至ってしまうようなEGR率の急増等を防止することができる。
次に、適合対象となる制御パラメータを吸気バルブタイミングとし、計測対象となる物理パラメータを内部EGR率としたときの適合手順について説明する。
吸気バルブタイミングで変化する物理パラメータの一つは、外部EGRと同様に、吸気バルブと排気バルブのオーバーラップ期間により導入される既燃ガスである内部EGRであるが、吸気バルブタイミングの場合、実圧縮比をも変化させることで、内部EGRによらずインテークマニホールド圧を変化させて、ポンピングロスを低減させる効果をもたらすことができる。この場合、内部EGRの効果もインテークマニホールド圧を上昇させることによるポンピングロス低減であるから、内部EGRよりもインテークマニホールド圧を評価する方が妥当である。実圧縮比の変化によるインテークマニホールド圧の効果は簡易的に導出が可能である。
以上は、机上計算のみでも算出できるが、実際には吸気バルブを進角させていくと、インテークマニホールド圧は前述のようにならない。排気バルブの位相は固定されており、吸気バルブを進角することでバルブオーバーラップが増加するために内部EGRが導入されるためである。従って、式で算出したインテークマニホールド圧の値と、実際のインテークマニホールド圧との差は、内部EGRによる効果と見なしてもよい。このため、吸気バルブタイミングの最遅角から進角していくと、実圧縮率の効果でインテークマニホールド圧が低下していくが、途中から内部EGRの効果が上回り、インテークマニホールド圧が上昇していく。
内部EGRの入り方は、バルブオーバーラップ時のバルブリフト量と、インテークマニホールド圧(吸気圧)とエキゾーストマニホールド圧(排気圧)との差で決まる。吸気バルブタイミング進角量とオーバーラップ時のバルブリフト量との関係は一定であるが、前記差圧は計測点によって異なる。この内部EGRの入り方は解析的に求めるのは困難であるため、基準代表点の計測によって同定する。
ただし、吸気バルブタイミング進角量とオーバーラップ時のバルブリフト量との関係を全て明確にする必要は無く、最進角側の感度さえ分かればよい。例えば、最進角値が40度クランク角の場合、35度から40度の間にインテークマニホールド圧がどれだけ上昇したかを計測する。この傾きは、インテークマニホールド圧とエキゾーストマニホールド圧との差圧に比例する。吸気バルブタイミングにおける感度は、最遅角側と最進角側のどちらか感度の大きい方の感度で代表し、それを元に最適探索刻み幅を決定する。これは、内部EGR量の急変による失火等を防止するためである。
最遅角側の値は実圧縮率の式から机上で求め、最進角側の値は基準代表点での計測と差圧との関係から算出する。そして、最進角側と最遅角側の大小を比較し、大きい方の感度から、インテークマニホールド圧の変化量が例えば2kPa相当の変化量(規定値)となるように最適探索刻み幅を決定する。
本実施例1のエンジン制御パラメータ適合作業は、自動適合ツール18によって図4の適合プログラムに従って実行される。図4の適合プログラムは、特許請求の範囲でいう探索適合手段としての役割を果たす。
本プログラムの処理が開始されると、まずステップ101で、エンジン回転速度Neと負荷を、基準感度を計測する基準代表点のエンジン回転速度Neと負荷に制御し、次のステップ102で、探索刻み幅最適化対象となる複数の制御パラメータの中から、今回の処理で最適探索刻み幅を求める制御パラメータを選択する。
次のステップ103で、基準代表点の制御パラメータの値Aを探索し、続くステップ104で、感度検出対象となる物理パラメータを規定値(例えば要求物理パラメータ変化量)だけ変化させた点の制御パラメータの値Bを探索する。
この後、ステップ105に進み、基準代表点の制御パラメータの変化量「B−A」を、当該基準代表点での最適探索刻み幅として、最適探索刻み幅マップの基準代表点に対応するマスに格納し、次のステップ106で、予め定義しておいた感度変化関数を用いて基準代表点以外の全ての計測点での感度を各計測点毎に推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に算出して最適探索刻み幅マップの全マスを埋める。
この後、ステップ107に進み、探索刻み幅最適化対象となる全ての制御パラメータの最適探索刻み幅マップの全マスを埋め終えたか否かを判定し、最適探索刻み幅を求める必要がある制御パラメータが残っていれば、ステップ102に戻り、当該制御パラメータを選択して、ステップ103〜106の処理を実行して、当該制御パラメータの最適探索刻み幅マップの全マスを埋める。
その後、探索刻み幅最適化対象となる全ての制御パラメータの最適探索刻み幅マップの全マスを埋め終えた時点で、ステップ108に進み、エンジン回転速度Neと負荷を適合対象点にセットして、次のステップ109で、適合対象となる複数の制御パラメータの中から今回適合する制御パラメータを予め決められた適合順に従って選択する。
この後、ステップ110に進み、今回適合する制御パラメータが探索刻み幅最適化対象の制御パラメータであるか否かを判定し、その結果、今回適合する制御パラメータが探索刻み幅最適化対象の制御パラメータであると判定されれば、ステップ111に進み、当該制御パラメータの最適探索刻み幅マップを参照して、適合対象点の最適探索刻み幅をセットする。
これに対し、上記ステップ110で、今回適合する制御パラメータが探索刻み幅最適化対象の制御パラメータではないと判定されれば、ステップ112に進み、予め設定された固定の探索刻み幅をセットする。
この後、ステップ113に進み、上記ステップ111又は112でセットした探索刻み幅で探索適合を行う。そして、次のステップ114で、適合対象となる全ての制御パラメータの適合を完了したか否かを判定し、適合が完了していない制御パラメータが残っていれば、ステップ109に戻り、次の適合順の制御パラメータを選択して、ステップ110〜113の処理を実行して、当該制御パラメータについて、上記ステップ111又は112でセットした探索刻み幅で探索適合を行う。
その後、ステップ114で、適合対象となる全ての制御パラメータの適合を完了したと判定された時点で、ステップ115に進み、全ての適合対象点で適合を完了したか否かを判定し、適合が完了していない適合対象点が残っていれば、ステップ108に戻り、エンジン回転速度Neと負荷を次の適合対象点にセットして、ステップ109〜113の処理を実行して、当該適合対象点で、ステップ111又は112でセットした探索刻み幅で探索適合を行う。その後、ステップ115で、全ての適合対象点で適合を完了したと判定されれば、全ての適合作業が終了する。
以上説明した本実施例1では、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度計測を行い、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定するため、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度計測を行うだけで、他の計測点での感度計測を行わずに済み、感度計測の工数を大幅に削減しながら、全ての計測点での最適探索刻み幅をそれぞれの計測点での感度に応じて設定することができ、工数削減と適合精度向上とを両立させることができる。
上記実施例1では、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数を用いて各計測点での感度を推定して、各計測点での最適探索刻み幅をそれぞれの計測点の感度に応じて設定するようにしたが、本発明の実施例2では、図5の適合プログラムを実行することで、基準代表点での感度の計測値に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数とに基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定する。
例えば、適合対象となる制御パラメータがEGRバルブ開度で、計測する物理パラメータがEGR率である場合、最適探索刻み幅=規定EGR率変化量/EGR率感度であるため、最適探索刻み幅変化関数は、前述した[数1]式の感度変化関数を変形して次式で表わされる。
本実施例2で用いる図5の適合プログラムは、前記実施例1で説明した図4のステップ106の処理をステップ106aの処理に変更しただけであり、他のステップの処理は同じである。
図5の適合プログラムでは、ステップ101〜105の処理により、基準代表点での感度の計測値「B−A」に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、ステップ106aで、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数[数2]とに基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に算出して最適探索刻み幅マップの全マスを埋める。これ以降は、前記実施例1と同様の処理を実行して探索適合を行う。
以上説明した本実施例2では、エンジン運転条件によって感度が変化する制御パラメータを探索適合する場合に、基準代表点での感度の計測値に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数とに基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を設定するようにしたので、1つの計測点(基準代表点)でのみ感度計測を行うだけで、全ての計測点での最適探索刻み幅をそれぞれの計測点での感度に応じて設定することができ、工数削減と適合精度向上とを両立させることができる。
本発明は、上記各実施例1,2に限定されず、適合対象となる制御パラメータと、当該制御パラメータの変化に応じて変化する物理パラメータを適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
11…エンジンベンチ、12…エンジン、13…エンジンECU、14…エンジンベンチ制御ツール、17…ECU適合ツール、18…自動適合ツール
Claims (8)
- エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法において、
前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定することを特徴とするエンジン制御パラメータの適合方法。 - エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合方法において、
前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、基準代表点での感度の計測値に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定することを特徴とするエンジン制御パラメータの適合方法。 - 適合対象となる制御パラメータは、EGRバルブ開度であり、
計測する物理パラメータは、外部EGR率又はインテークマニホールド圧であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御パラメータの適合方法。 - 適合対象となる制御パラメータは、吸気及び/又は排気バルブタイミングであり、
計測する物理パラメータは、インテークマニホールド圧であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン制御パラメータの適合方法。 - 計測又は推定した感度から最適探索刻み幅を設定する際に、最適探索刻み幅1ステップ分の制御パラメータの変化量で物理パラメータが要求物理パラメータ変化量だけ変化するように最適探索刻み幅を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジン制御パラメータの適合方法。
- エンジン回転速度とエンジン負荷とを引数とする二次元マップに最適探索刻み幅を格納し、各計測点の適合を開始する前に、エンジン回転速度とエンジン負荷に対応する最適探索刻み幅を前記二次元マップから読み込んで設定して探索適合することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジン制御パラメータの適合方法。
- エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合する探索適合手段を備えたエンジン制御パラメータの適合システムにおいて、
前記探索適合手段は、前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、予め制御パラメータ毎に定義した感度変化関数と、基準代表点での感度の計測値とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での感度を推定し、その推定結果に基づいて全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定することを特徴とするエンジン制御パラメータの適合システム。 - エンジンの適合対象となる制御パラメータを所定の探索刻み幅ずつ変化させて当該制御パラメータの変化に応じて変化する制御対象物理量(以下「物理パラメータ」という)を計測する処理を繰り返して当該制御パラメータを探索適合するエンジン制御パラメータの適合システムにおいて、
前記探索適合手段は、前記制御パラメータの変化量に対する物理パラメータの変化量の比(以下「感度」という)がエンジン運転条件によって変化する制御パラメータを探索適合する場合に、基準代表点での感度の計測値に基づいて当該基準代表点での最適探索刻み幅を設定し、当該基準代表点での最適探索刻み幅と、予め制御パラメータ毎に定義した最適探索刻み幅変化関数とに基づいて当該基準代表点以外の全ての計測点での最適探索刻み幅を各計測点毎に設定することを特徴とするエンジン制御パラメータの適合システム。
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JP2010154504A JP2012017668A (ja) | 2010-07-07 | 2010-07-07 | エンジン制御パラメータの適合方法及び適合システム |
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JP2020023969A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | キャタピラー インコーポレイテッドCaterpillar Incorporated | 動力システム最適化 |
-
2010
- 2010-07-07 JP JP2010154504A patent/JP2012017668A/ja active Pending
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JP2020023969A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | キャタピラー インコーポレイテッドCaterpillar Incorporated | 動力システム最適化 |
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