JP2012017270A - 生体内グリケーション抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用が少なく、糖尿病やその合併症を予防し得る生体内グリケーション抑制剤及びこれを含有する健康食品を提供する。
【解決手段】大豆サポニンBグループを有効成分とする生体内グリケーション抑制剤。
【選択図】図4

Description

本発明は、生体内グリケーション抑制剤に関する。
糖尿病は、腎障害や白内障などの合併症の発生を伴うため社会生活をおくる上で大きな問題となる疾患である。糖尿病の患者数の増大により、その治療にかかる費用は1兆円を超すと云われており、糖尿病合併症を抑制できれば、患者の健康な社会生活の維持だけではなく、医療費の削減などの社会的経済的効果も大きい。
糖尿病合併症は、高血糖に伴う腎臓、水晶体、神経タンパク質の非酵素的糖化反応(グリケーション)が原因であることが示されている。
グリケーションは、アミノカルボニル反応、あるいはメーラード反応として古くから知られていた褐変反応であり、前期段階と後期段階との二段階からなる。前期段階においては、タンパク質のアミノ基と還元糖のアルデヒド基やケトン基とが非酵素的に反応し、シッフ塩基を経てアマドリ転移生成物が生成される。この反応は可逆的である。後期段階においては、活性酸素の発生を含む複雑な反応を経て、終末糖化産物(Advanced Glycation Endproducts:AGE)が生成される。この反応は不可逆的である。
これらの反応は生体内でも起こっており、加齢によって徐々に生体内にAGEが蓄積され、様々な組織障害を引き起こすと言われている。さらに、生体内では、高血糖状態で活性化されたポリオール経路などで、AGEの前駆物質となるジカルボニル化合物が産生されることも知られている。
グリケーションを阻害する薬剤としては、アミノグアニジンが知られている。アミノグアニジンは、糖尿病合併症に有効であることが実験動物により証明されているが、同時に、強い副作用を有することもわかっている。また、ポリオール経路の律速酵素であるアルドースレダクターゼを阻害する薬剤も開発されているが、このような薬剤のAGE生成阻害又は蓄積阻害に関する有効性についてはよくわかっていない。
より副作用が少なく、グリケーションを阻害し、糖尿病又はその合併症を予防しうる物質は、広く自然界に存在する植物素材から見出されている。たとえば、ソバなどに含まれ、日常的に食習慣のあるフラボノイドの1つであるルチンを、糖尿病モデルラットに経口投与することにより、AGE生成の前期段階や複雑な後期段階が阻害されることも示唆されている。
本出願人は、大豆サポニンB画分について研究を行ったところ、大豆サポニンBグループには従来言われているカルボニル化蛋白質など所謂老化蛋白質を低減させる作用があることを提案(特許文献5;特許第4255432号公報)した。
大豆由来のサポニンは、大豆種子中の種皮、子葉、胚軸又は大豆植物体の葉、茎、根等に広く分布する。構造的にはグリチルリチンと類似の構造であるが、トリテルペノイド骨格に2〜5個の糖から成る糖鎖を持つ。大豆サポニンはアグリコン(非糖部)の構造によって4つのグループ(A、B、E及びDDMPグループ)に分類され、すべてのグループのサポニンが多種多様な糖鎖構造を有する。現在までにSoyasapogenol A 、B、E及びDDMPをそれぞれアグリコンとする8種類のAグループ、2種類のEグループ、5種類のBグループ、6種類のDDMPグループが同定されている(非特許文献1.Agric Biol Chem,55 315-322(1991))(非特許文献2.Agric Biol Chem,55 911-917(1991))(非特許文献3.Agric Biol Chem,57 546-550(1993))。
AグループサポニンはSoyasapogenol AのC-3とC-22位の2箇所に糖鎖が結合したビスデスモサイド型サポニンで大豆の種子胚軸にのみ分布しており不快味(苦み、収斂味)の主因である。現在Aグループサポニンに関しては2通りの命名があり、SoyasaponinA1とSoyasaponinAbは同一化合物であり、同じくA2はAf、A3はAh、A4はAa、A5はAe 、A6はAgとなっている。Ac及びAdは別名が知られていない(非特許文献4. BBB 62(12) 2291-2299,1998) 。
これに対してBグループ及びEグループサポニンは、C-3位にのみ糖鎖が1本結合したモノデスモサイド型サポニンである。DDMPグループサポニンは温和な条件下で抽出を行なうと精製できるが(非特許文献3.Agric Biol Chem,57 546-550(1993))、加熱条件下及びアルカリ条件下においてBグループサポニンに変換される。従って大豆中に存在するサポニンはそのほとんどがAグループサポニン及びDDMPグループサポニンであって、Bグループサポニンはわずかであり、Bグループサポニンはその多くが抽出の際にDDMPグループサポニンから生成するアーティファクト成分であると推定されている。Bグループサポニンは大豆胚軸や子葉に多く存在し、現在Bグループサポニンに関しては2通りの命名があり、SoyasaponinIとSoyasaponinBbは同一化合物であり、同じくIIはBc、IIIはBb’、IVはBc’、VはBaとなっている(非特許文献4. BBB 62(12) 2291-2299,1998)。
また、これまで大豆サポニンの吸収動態については不明であったが、SoyasaponinIはヒトの腸ではそのまま吸収されず、腸内細菌によってアグリコンであるSoyasapogenol Bに分解され、濃度依存的に吸収されることが推測されており、他のBグループサポニンについてもアグリコン型として吸収されることが示唆されている(非特許文献5.J Nutr 134 1687-1873 (2004) )。よって、食品としてBグループサポニンを摂取する場合、その組成(配糖体又は、アグリコン又は/及びその誘導体等)如何に関わらずアグリコン型として同様に吸収されると推定できる。
一般に、サポニンは溶血性を示すものが多い。しかし、大豆サポニンは溶血性をほとんど有しないという報告がなされている(非特許文献6. 基礎と臨床 Vol.15 No.5 1981)。また、本発明者等が大豆から得られた大豆サポニン類の家兎2%血液浮遊液に対する溶血指数を測定したところ、人参サポニンと同様100以下であり、他の報告同様溶血性を有しないことが判明した。
また、本発明者等が、大豆サポニンBグループの安全性を調べる為、変異原性及び急性毒性について試験したところ、いずれも異常なく、その安全性が高いことが証明された。また本出願人は、すでに大豆サポニンBグループが老化に伴う異常蛋白質の除去を促進することを確認し特許を取得している(特許文献5)。
特開平5−286864号公報 特許第2948818号公報 特開2000−169328号公報 特開2000−169332号公報 特許第4255432号公報
Agric Biol Chem,55 315-322(1991) Agric Biol Chem,55 911-917(1991) Agric Biol Chem,57 546-550(1993) BBB 62(12) 2291-2299(1998) J Nutr 134 1687-1873 (2004) 基礎と臨床 Vol.15 No.5 (1981)
本発明は、副作用が少なく、強いグリケーション抑制能を有し、糖尿病やその合併症を予防し得るグリケーション抑制剤及びこれを含有する健康食品を提供することを課題とする。
本発明は、大豆サポニンBグループがグリケーション抑制能を有し、AGEの産生をおさえることを新たに知見してなされたものであり、その主な特徴は、次のとおりである。
(1)大豆サポニンBグループを有効成分とする生体内グリケーション抑制剤。
(2)大豆サポニンBグループは、大豆抽出物100重量部のうち、大豆サポニンBグループを40重量部以上含有する大豆抽出物であることを特徴とする(1)に記載の生体内グリケーション抑制剤。
(3)大豆サポニンBグループが、SoyasaponinI、II、III、IV、V又はそれらのアセチル体である(1)又は(2)に記載の生体内グリケーション抑制剤。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のペット動物用グリケーション抑制剤。
(5)大豆サポニンBグループを、生体内グリケーションを抑制する有効成分とすることを特徴とする生体内グリケーション抑制組成物。
(6)コラーゲン、ゼラチン、コラーゲン加水分解物、ゼラチン加水分解物から選択されるいずれか一種以上及び/又はシリマリンを含むことを特徴とする(5)に記載の生体内グリケーション抑制組成物。
(7)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の生体内グリケーション抑制剤を含有する生体内グリケーション抑制用健康食品。
(8)前記生体内グリケーション抑制剤を0.01〜5重量%含有する(7)に記載の生体内グリケーション抑制用健康食品。
本発明は、グリケーション抑制剤を提供する。本発明は、副作用が少なく、強いグリケーション抑制能を有し、糖尿病やその合併症を予防し得る。グリケーション抑制剤及びこれを含有する健康食品を提供する。
本発明によれば、生体内でアルドースレダクターゼ抑制作用、ジカルボニル生成阻害作用を示し、強いグリケーション抑制能を有し、AGEの産生をおさえるあらたな治療剤および健康食品を提供することができる。本発明の有効成分である大豆サポニンBグループは、生体における有効成分の吸収効率が優れており、糖尿病や糖尿病合併症などに有効であり、かつ安全な飲食品、医薬品の原料として使用することができる。
試験動物の体重変化を示すグラフである 試験動物の血糖値の変化を示すグラフである 試験動物の尿中蛋白質の変化を示すグラフである 糖尿病ラット水晶体中でのグリケーション抑制効果を示すグラフである 皮膚中のAGEの測定結果を示すグラフである
本発明は、大豆サポニンBグループを高含有した大豆サポニンにグリケーション抑制作用があることを知見したことに基づく発明である。
本発明の大豆サポニンBグループを高含有した大豆サポニン(以下、「高含有大豆サポニンBグループ」と表現する場合がある)は、以下の工程で得ることが出来る。
[サポニンの抽出]
原料大豆胚軸は、有機溶媒等であらかじめ脱脂したもの、していないものいずれも使用可能であるが、サポニンの抽出効率から脱脂したものの方が有利である。原料大豆胚軸よりサポニンを抽出する方法は、室温から80℃において原料に対して5〜10倍容量の抽出溶媒を加えて攪拌するのが一般的な方法であるが、サポニンが十分に抽出できる条件であれば特に限定されない。
本発明におけるイオン交換樹脂は、3級アミンを含む弱塩基性陰イオン交換樹脂であれば特に制限はなく、粒径が不均一な樹脂、例えば、三菱化成製ダイヤイオンWA-30なども利用可能であるが、平均粒径±10%の範囲に90%以上の粒度分布をもつ均一粒径のものが好ましい。
[サポニンの溶出・精製]
上記サポニン抽出液から、蒸留操作により溶媒を溜去し、水で希釈したサポニン溶液を上記イオン交換樹脂に吸着させた後、水、アルコールあるいは含水アルコールで樹脂を洗浄した後、酸又はアルカリを使って樹脂に吸着させたサポニンを溶出する。溶出したサポニン溶液をそのまま乾燥して得られる大豆サポニン粗精製物は純度20〜50重量%と低く、サポニン以外の不純物が多く、生理活性の高い大豆サポニンBグループの比率も20〜30重量%程度と低いものである。
サポニンの純度を高めるために、溶出したサポニンをそのまま水で希釈し、無極性の合成吸着剤にサポニンを吸着させる。無極性の合成吸着剤としては、スチレン・ジビニルベンゼン型樹脂などがあり、例えば、三菱化学製、ダイヤイオンHP-20やローム・アンド・ハース社製のアンバーライトXAD−2などが使用可能である。合成吸着剤に吸着させる際に使用する含水アルコール中のアルコール濃度はアルコールの種類によって異なるが、メタノールの場合は、0〜50重量%、エタノールの場合は、0〜30重量%が好ましい。次に、水あるいは含水エタノールで樹脂を洗浄した後、洗浄時よりアルコール濃度の高い含水アルコールで溶出させてサポニン高純度溶液を得ることができる。
[後処理]
得られたサポニン高純度溶液を、必要に応じてpH調整剤を用いてpH調整した後、加熱乾燥、減圧加熱乾燥、スプレードライ、凍結乾燥などの方法で乾燥することにより高純度大豆サポニン粉末を得ることができる。
以上の工程で効率よく安価に、純度70重量%以上の高純度大豆サポニンを得ることができ、かつ、活性の高い大豆サポニンBグループを50重量%以上の濃度に濃縮できる他、総サポニン中の大豆サポニンBグループ比率を70重量%以上に高めることもできる。
樹脂による精製を行なう順序としては、陰イオン交換樹脂による処理を行なった後に、無極性の合成吸着剤による精製を行なう。合成吸着剤で先に処理した場合、低極性物質などが合成吸着剤に強く吸着され、アルカリ処理など、通常の樹脂再生処理を行なっても樹脂の劣化が起こり、樹脂の能力が徐々に低下するが、これに対して、先に陰イオン交換樹脂で大豆サポニンを粗精製することにより、大豆イソフラボンやオリゴ糖の他、低極性物質を取り除くことができ、続く無極性の合成吸着剤の処理能力が向上し、劣化が起こり難くなるのである。その際には、陰イオン交換樹脂は、アルカリによる処理により何度も繰り返し使うことができる。
大豆サポニンBグループを高濃度に調整した組成物には、生体内蛋白質のグリケーションの抑制作用があり、その結果異常蛋白質除去作用、紫外線障害予防・改善作用、抗老化作用、くすみ抑制作用、しわ抑制作用及び保湿作用など種々の作用を示す。
このような作用効果を利用する形態としては、医薬、食品、飲料、サプリメント、食品添加剤、化粧料、飼料、飼料添加剤、動物薬等である。経口あるいは非経口共提供可能である。
高純度大豆サポニンBグループは、そのままでも、様々な用途に使用できるが、目的に応じて予め様々な他の成分と混合、あるいは食品や飼料あるいは動物薬に添加することができる。
食品としては、直接、又は種々の栄養成分を添加して使用できる。例えば、澱粉、乳糖、麦芽糖、植物油脂粉末、カカオ脂末、ステアリン酸などの適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して健康補助食品、保健機能食品などとして、食用に供してもよく、また種々の食品、例えば、ハム、ソーセージなどの食肉加工食品、かまぼこ、ちくわなどの水産加工食品、パン、菓子、バター、粉乳、発酵乳製品に添加して使用してもよく、水、果汁、牛乳、清涼飲料などの飲料に添加して使用してもよい。そのような剤、食品は、通常採用されている製剤化技術により製造することができる。
化粧料としては、直接又は小麦胚芽油あるいはオリーブ油などに添加して、化粧料成分として使用し、これらを用いて化粧料を製造することができる。
医薬としての適用方法は、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。
非経口適用の組成物は、例えば水溶液、油剤、乳液、懸濁液等の液剤、ゲル、クリーム等の半固形剤、粉末、顆粒、カプセル、マイクロカプセル、固形等の固形剤の形態で適用可能である。従来から公知の方法でこれらの形態に調製し、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏、硬膏、ハップ剤、エアゾール剤、坐剤、注射剤、粉末剤等の種々の剤型とすることができる。これらを身体に塗布、貼付、噴霧等により適用することができる。特にこれら剤型の中で、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤等が皮膚外用剤に適している。化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あるいは軟膏型のファンデーション、口紅、アイカラー、チークカラーといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料等とすることができる。
増量剤と混合した組成物の状態としておくと便利に使用できる。増量剤としては、グルコース、ラクトース、マルトース、ショ糖等の糖類、ソルビトール等の糖アルコール、デキストリン、サイクロデキストリン等の加工澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ等の澱粉類、カゼイン、大豆蛋白質等の蛋白質、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、ゼラチン、ペクチン、粉末セルロース、カルボキシメチルセルロース等の高分子安定剤、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、カルシウム粉末等が使用できる。
本発明の生体内グリケーション抑制用組成物は、上記高純度大豆サポニンBグループの他に抗酸化作用を有する化合物を含有させることができる。抗酸化作用を示す化合物は、特に限定されるものではないが、例えば各種ビタミン類、シリマリン等の各種ポリフェノール類、トコトリエノール、補酵素Q10及びそれらを含有する天然成分などが挙げられる。
本発明のグリケーション抑制組成物は、上記高純度大豆サポニンBグループの他に生体コラーゲン合成促進剤を有する化合物を含有させることができる。生体コラーゲン合成促進作用を示す化合物は、特に限定されるものではないが、例えばコラーゲン及びゼラチンの分解物、N末端にグリシンを含むトリペプチドを含有するペプチド混合物などが挙げられる。
コラーゲンは、牛や豚や魚などの動物の皮膚、骨及び腱などの結合組織から抽出したもの、もしくはコラーゲンを熱変性したゼラチンなど全てのものが使用可能である。コラーゲン及び/又はゼラチンの分解物として、分子量が400以下のものを含有するポリペプチドを用いることが好ましい。より好ましくは、平均分子量が200〜300付近のものを高含有するポリペプチドが好ましい。分子量が400以下のもの、より好ましくは、平均分子量が200〜300付近のものを高含有するポリペプチドは、アミノ酸の分子量が100前後であることから、トリペプチドを高含有するポリペプチドに相当する。分子量が400以下のコラーゲン及び/又はゼラチンの分解物は精製したものでもよいが、精製しなくても差し支えない。例えば他のコラーゲン及び/又はゼラチンの分解物等の混合物でもよい。
これに対してコラーゲン及び/又はゼラチンの分解物は、特定の有効成分として分子量で約400以下のペプチドを含むことにより、その加水分解処理により、生体内でのコラーゲン合成促進活性を向上させることに寄与できる。
シリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)は、キク科マリアアザミ(別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CAS No.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの総称であり、確認されている主要成分はシリビン(Silybin;CAS No.22888−70−6)、シリジアニン(Silydianin;CAS No.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CAS No.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CAS No.72581−71−6)などがある(天然薬物事典、奥田拓男編)。シリマリンは古くからヨーロッパで肝臓疾患の予防及び治療を目的として使用されている。また、酸化防止剤として広く知られている。皮膚に対して有用な組成物として、乾癬及びアトピー性皮膚炎治療製剤(特許文献1;特開平5−286864号公報)、フラボノリグナンとリン脂質との錯体を活性成分として含み、紅斑、火傷、皮膚又は粘膜のジストロフィー状態、皮膚炎等の治療、皮膚の老化防止及び放射線、風、太陽などの外部環境からの刺激保護に有用な組成物(特許文献2;特許第2948818号公報)、表皮透過バリア強化剤(特許文献3;特開2000−169328号公報)、皮脂分泌抑制剤(特許文献4;特開2000−169332号公報)などが知られている。シリマリンは通常マリアアザミの種実からエタノール抽出し、スプレードライにより乾燥粉末として得られるエキス原料として市販されている。本発明に使用するシリマリンは市販されているシリマリンをそのまま用いることができる。また、マリアアザミからシリビン、シリジアニン、シリクリスチン、イソシリビンなどのシリマリンの構成成分を単離、精製した化合物を用いることができる。
本発明のグリケーション抑制組成物は、抗老化用、抗紫外線障害用として使用することができる。さらに、本発明のグリケーション抑制作用を示す化合物と抗酸化作用を有する化合物又は生体コラーゲン合成促進作用を有する化合物とともに含有する組成物は、抗老化作用を有し、抗老化用組成物として使用することができる。
グリケーション抑制作用を有する化合物は、化粧料として使用することができ、その化粧料は、抗老化用、抗くすみ用、抗しわ用、保湿用の用途を有する。本発明の組成物は、経口又は溶血性のないものは注射剤として投与する等、非経口で投与することができる。経口で投与する場合、健康食品、美容食品のような食品の形態で投与してもよい。
本発明の組成物は、例えば水溶液、油剤、乳液、懸濁液等の液剤、ゲル、クリーム等の半固形剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形剤の形態で適用可能である。従来から公知の方法でこれらの形態に調製し、種々の剤型とすることができる。ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾル剤等は、皮膚外用剤として適している。
本発明の化粧料には、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、抗癌剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あるいは軟膏型のファンデーション、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料等、入浴剤、毛髪化粧料とすることができる。通常、化粧料において使用される製剤化方法にしたがって、これらの剤型として製造することができる。口紅、アイカラー、チークカラーといったメイクアップ化粧料とすることができる。
本発明のグリケーション抑制組成物は、高純度大豆サポニンBグループを主要有効成分として含有する他に、必要に応じ薬学的に許容される希釈剤又は担体等の添加剤を含有することができる。また、本発明の組成物は、必要により、薬学的に活性な他の薬効成分を含有することができる。
現在、蓄積したAGEがアルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体病、トリプレットリピート病、筋萎縮性側索硬化症、白内障、動脈硬化、糖尿病性腎症皮膚の光老化、くすみ又は皮膚のしわなどの疾患に関与することが知られている。従って、本発明のグリケーション抑制組成物を摂取することにより上記疾患を予防又は治療することが可能になると考えられる。
本発明の組成物は、老化予防及び老化防止用化粧料又は健康食品、アンチエイジング化粧料又は美容食品、サビ予防及びサビ防止化粧料又は健康食品として有用である。本発明のグリケーション抑制組成物は、哺乳動物に対して、優れた作用を示し、且つ安全性が高い。
本発明の組成物は、紫外線に暴露されるあるいは暴露された生体組織、特に皮膚に対して、紫外線による傷害を予防又は改善することのできる紫外線傷害予防又は改善用組成物として有用である。さらに紫外線暴露により発生した活性酸素により産生された細胞内の変性蛋白質(異常蛋白質)の発生を予防し、紫外線暴露による細胞傷害を抑制する。
その他、用途や剤型に応じて次のようなものを添加することができる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコーンとして、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
高分子として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL等)等のビニル系高分子、等を挙げることができる。
増粘剤として、例えば、カラギーナン、トラガカントガム、クインスシード、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、グアーガム、キサンタンガム、ベントナイト等を挙げることができる。
粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、等を挙げることができる。
紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
保湿剤として、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。
薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
上記抽出物は、医薬品や医薬部外品などに添加して使用することもできる。たとえば、医薬組成物とする場合、抽出物をそのまま、あるいは常用される無機又は有機の担体又は医薬賦形剤を加えて、固形、半固形、又は液状で経口投与剤や、経腸剤、外用剤などの非経口投与剤とすることができる。
このようなグリケーション抑制作用を有する本発明の医薬品組成物の有効な投与量は、投与対象の年齢、体重、一般的な身体状態などに応じて適宜変化させることができるが、たとえば成人1日当たり総ポリフェノール含量に換算して0.01〜10g、一般的には0.05〜5g、さらに一般的には0.1〜0.5gを、経口投与することができる。
以下に本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明は何らこれらに限定されるべきものではない。
(1)大豆サポニンBグループによるグリケーションの抑制試験方法
1. 6週齢のオスSDラット(九動株式会社、鳥栖)を健常(9匹)、糖尿病(DM)コントロール(9匹)、DM+サポニン(オリエンタル酵母社製)投与群(9匹)、DM+アミノグアニジン(和光純薬、大阪)投与群(9匹)に分け、環境に慣れて体重が300gを越えるまで(およそ2週間)飼育した。
なお、上記「サポニン(オリエンタル酵母社製)」は、「大豆サポニンBグループを50%含有する大豆サポニン」である。本実施例では、この大豆サポニンを「サポニン」、「saponin」又は「Sap」と表現することがある。
2. ジエチルエーテル(和光純薬、大阪)麻酔下、50 mMクエン酸緩衝液(関東化学、東京)(pH5)に溶解したストレプトゾトシン(シグマアルドリッチジャパン、東京)(60 mg/kg BW)をフィルター滅菌後、尾静脈より注射しDMとした(0.2mL)。サポニン投与群には、サポニン混餌の摂取を開始し、2週に1回体重を測定した。
3. 尿蛋白測定:月に1回24時間蓄尿後に尿中総蛋白の測定を行う。蓄尿は代謝ケージ(シナノ製作所、東京)で飼育して行う。尿を3000回転10分遠心後、上清をPyrogallol red(シグマアルドリッチジャパン、東京)で蛋白定量を行った。
4. 血糖値測定:月に1回、一晩絶食後の空腹時血糖を測定する。ラット固定器で固定し、尾静脈より血糖測定用のフッ化ナトリウム処理キャピラリー(テルモ、東京)で採血し、3000回転10分遠心して血漿を得る。その後、血糖測定キット(Glucose CIIテストワコー)(和光純薬、大阪)で血糖値を測定した。
5. 糖尿病誘発後4ヶ月間飼育をした後、解剖を行い、肝臓、腎臓、眼球、心臓、皮膚、血液サンプルを収集した。
6. 水晶体中AGE含量の定量
グリケーションの抑制指標として、水晶体中のAGEを測定した。水晶体をホモジナイズ後、蛋白定量を行い水晶体中AGE含量を抗AGE抗体を用いたELISAで定量した。測定対象のAGEはN−ε−(Carboxymethyl)Lysine(CML)とし、OxiSelect AGE ELISAキット(コスモ・バイオ株式会社)を使用した。
7. 解剖時に得た血清中の血糖、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、尿素窒素、クレアチニン値を測定した。
8. In vitroにおけるCML生成阻害効果の測定:化合物をDMSOに溶解し2 mg/mLに調整しておく。最終濃度が30 mM ribose、2 mg/ml BSAとなるように100 mMリン酸緩衝液中に溶解したものに、上記化合物を最終濃度 0.1mg/mlになるよう加え、37℃で1週間インキュベートした。また、最終濃度5 mM GO、 2 mg/mlBSAとなるようにPBSに溶解したものに、調整しておいた化合物を加え最終濃度 0.1mg/mlとし37℃で1週間インキュベート、ELISA法にてそのCMLの生成の抑制効果を測定した。
(2)試験結果
[体重の推移]
2 週間おきに体重測定した結果を図1に示す。
Normal 群では徐々に体重が増加しているのに対し、aminoguanidine 及びsaponin 投与群では糖尿病(DM)control 群と類似した推移を示した。
[血糖値の推移]
次に一ヶ月おきに血糖値を測定した結果を図2に示す。saponin投与による血糖値の変化はみられず、既知のAGE 阻害剤であるaminoguanidine でも同様の結果となった。
[尿タンパクの推移]
一ヶ月おきに尿タンパクを測定した結果を図3に示す。アミノグアニジン、サポニン投与群において、有意な変化は認められなかった。
[AGE のレンズ中への蓄積]
摘出した水晶体をホモジナイズして蛋白定量した後、抗CML 抗体を用いたELISA 法にてCML 含量を評価した。結果を図4に示す。DM control 群に比べsaponin 投与群では顕著にCML の蓄積を抑えた。これに対し、aminoguanidine では抑制効果を示さなかった。
このことから、大豆サポニンBグループは生体内グリケーションを顕著に抑制することが明らかとなった。
[ガスクロマトグラフィー質量分析器を用いた皮膚AGE含量の測定]
ラット皮膚へ蓄積したCEL及びCMLをガスクロマトグラフィー質量分析器で測定した結果を図5に示す。DMコントロールに比較して、Aminoguanidine及びsaponin摂取群ともにCML、皮膚中の蓄積量に変化は認められなかった。
[In vitro におけるCML 生成阻害効果の測定]
30mM ribose- 2mg/ml BSA 中にサンプルを入れCML 生成の抑制効果を調べた結果、genistein でCML の抑制効果が観察できた。また、その抑制効果はサンプル濃度依存的に増加した。一方5mM GO- 2mg/ml BSA 中にサンプルを加え、ribose- BSA同様にそのCML 抑制効果を調べた結果、どのサンプル添加でもCML 生成に変化は認められなかった。
以上の試験結果から、大豆サポニンBグループは生体内のグリケーションをインビボで抑制、AGEの生成を抑えることが明らかとなった。
処方例1
[カプセル剤]
組成
大豆サポニン(大豆サポニンB 50%含有) ・・・ 50mg
トコトリエノール ・・・ 30mg
ミツロウ ・・・ 10mg
ぶどう種子オイル ・・・110mg

上記成分を混合し、ゼラチン及びグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填し、軟カプセルを得た。
処方例2
[錠剤]
組成
大豆サポニン(大豆サポニンB 50%含有) ・・・ 25mg
マリアアザミ(シリマリン65%含有) ・・・ 20mg
コラーゲン加水分解物 ・・・ 50mg
セルロース ・・・ 40mg
デンプン ・・・ 20mg
ショ糖脂肪酸エステル ・・・ 2mg

上記成分を混合、打錠し、錠剤を得た。
処方例3
[ジュース]
組成 (配合;質量%)
果糖ブトウ糖液糖 5.00
クエン酸 10.4
L−アスコルビン酸 0.20
香料 0.02
色素 0.10
ゼラチン分解物(平均分子量300) 1.00
大豆サポニン(大豆サポニンB 50%含有) 1.00
水 82.28
処方例4
[クリーム]
(1)ステアリルアルコール 6.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水添ラノリン 4.0
(4)スクワラン 9.0
(5)オクチルドデカノール 10.0
(6)POE(25)セチルアルコールエーテル 3.0
(7)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(8)ゼラチン分解物(平均分子量300) 1.00
(9)大豆サポニン(大豆サポニンB 50%含有) 1.00
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)1,3ブチレングリコール 6.0
(13)PEG 1500 4.0
(14)精製水 残余

上記成分(1)〜(11)を80℃に加熱溶解し油相とする。成分(12)〜(14)を70℃に加熱溶解し水相とする。油相に水相を徐々に加え乳化し、攪拌しながら40℃まで冷却し、さらに30℃まで攪拌冷却してクリームを得た。

Claims (8)

  1. 大豆サポニンBグループを有効成分とする生体内グリケーション抑制剤。
  2. 大豆サポニンBグループは、大豆抽出物100重量部のうち、大豆サポニンBグループを40重量部以上含有する大豆抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の生体内グリケーション抑制剤。
  3. 大豆サポニンBグループが、SoyasaponinI、II、III、IV、V又はそれらのアセチル体である請求項1又は2に記載の生体内グリケーション抑制剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペット動物用グリケーション抑制剤。
  5. 大豆サポニンBグループを、生体内グリケーションを抑制する有効成分とすることを特徴とする生体内グリケーション抑制組成物。
  6. コラーゲン、ゼラチン、コラーゲン加水分解物、ゼラチン加水分解物から選択されるいずれか一種以上及び/又はシリマリンを含むことを特徴とする請求項5に記載の生体内グリケーション抑制組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体内グリケーション抑制剤を含有する生体内グリケーション抑制用健康食品。
  8. 前記生体内グリケーション抑制剤を0.01〜5重量%含有する請求項7に記載の生体内グリケーション抑制用健康食品。
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