JP2012016182A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、補助ヨークと永久磁石の周方向位置を正確に確保し、かつ永久磁石を補助ヨークを介して円筒部に押圧させ、コギングトルクの発生とトルク特性の低下を抑制できる回転電機を得ることを目的とする。
【解決手段】一対のエンドリング25が軸方向に離間して配置され、補助ヨーク保持部材26が両端を一対のエンドリング25に固定されて、周方向に等角ピッチで配列され、永久磁石保持部材27が両端を一対のエンドリング25に固定されて、補助ヨーク保持部材の内周側に周方向に等角ピッチで配列されている。永久磁石22が永久磁石保持部材27間に配設され、補助ヨーク21が補助ヨーク保持部材26間に配設される。そして、ヨーク2の円筒部2aに圧入される際に、補助ヨーク21が径方向内方に移動して永久磁石22を径方向内方に移動させ、補助ヨーク保持部材26と永久磁石保持部材27から作用する反力により円筒部2aに保持される。
【選択図】図2

Description

この発明は、回転電機に関し、特に回転電機の固定子構造に関するものである。
永久磁石が円筒状のヨークの内周面に周方向に複数配置された従来の回転電機では、複数の永久磁石により構成される磁極の間に設けた隙間部分に隣接するヨークの肉厚を厚くして、磁極の間の隙間部分に隣接するヨークの部分での磁気飽和を緩和し、トルク特性を向上させていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載された従来の回転電機では、ヨークの肉厚部が円筒状のヨークの外側に配置されているので、回転電機の寸法が大きくなってしまうという不具合があった。
このような状況を鑑み、周方向中央において円筒状のヨークと当接し、周方向の端部において円筒状のヨークと離間させる切り欠き部を形成した永久磁石を、互いに周方向に隙間をあけて円筒状のヨークの内周面に複数配設し、隣り合う永久磁石の向かい合う切り欠き部をつなぐように、補助ヨークを円筒状のヨークと切り欠き部との間に配設してなる従来の回転電機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載された従来の回転電機では、磁極の間の隙間部分に隣接するヨークの部分の内周に補助ヨークが配設されているので、回転電機の寸法の増大を抑えて、磁気飽和を緩和することができる。
特開2007−288903号公報 特開2009−303362号公報
しかし、特許文献2に記載された従来の回転電機では、樹脂などの非磁性の弾性体で作製された磁石ホルダの柱状部分を隣り合う永久磁石間に圧入し、永久磁石および補助ヨークを円筒状のヨーク内に保持している。そこで、永久磁石間の柱状部分は周方向に関して均等に弾性変形しにくく、永久磁石の周方向の位置を精度よく確保できない。したがって、向かい合う切り欠き部をつなぐように配設されている補助ヨークの周方向の位置も精度よく確保できない。このように、永久磁石および補助ヨークの周方向位置が正確にならないので、コギングトルクが発生するという不具合がある。
また、補助ヨークの周方向の両端部は、永久磁石に形成された切り欠き部と円筒状のヨークとの間のスペースに挿入されているので、永久磁石および補助ヨークの寸法公差により、径方向に関して、永久磁石とヨークとの間、或いは補助ヨークと永久磁石との間に隙間が形成される。つまり、永久磁石および補助ヨークの寸法公差により、切り欠き部と円筒状のヨークとの間のスペースに挿入された補助ヨークの部分が永久磁石とヨークとに接すると、永久磁石とヨークとの間に隙間が生じる。一方、永久磁石がヨークに接すると、補助ヨークは柱状部材の復元力によりヨークに当接し、補助ヨークと永久磁石との間に隙間が生じる。したがって、隣り合う永久磁石の間の磁気抵抗が大きくなり、トルク特性が低下するという不具合があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、磁石ホルダに装着された補助ヨークおよび永久磁石をヨークの円筒部に圧入する際に、補助ヨークおよび永久磁石を径方向内方に移動させつつ径方向外方に押圧する反力を発生するように磁石ホルダを構成し、補助ヨークおよび永久磁石の周方向位置を正確に確保し、かつ永久磁石を補助ヨークを介して円筒部に押圧させ、コギングトルクの発生、およびトルク特性の低下を抑制できる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、円筒部、および底部とからなる有底円筒状のヨークと、それぞれ断面円弧形の短冊状に作製され、上記円筒部の内周面に接して、かつ互いに離間して周方向に配列された複数の補助ヨークと、それぞれ断面円弧形の短冊状に作製され、上記補助ヨークの内周面に接して、かつ互いに離間して周方向の等角ピッチで配列された複数の永久磁石と、非磁性材料で作製され、上記円筒部内に軸心方向に離間して配置された一対のエンドリング、両端を上記一対のエンドリングに固定されて、周方向に隣り合う上記補助ヨーク間のそれぞれに位置するように配置され、該補助ヨークの周方向の移動を規制するとともに、該補助ヨークに径方向外方への押力を作用させて該補助ヨークを上記円筒部の内周面に当接させる複数の補助ヨーク保持部材、および非磁性材料で作製され、両端を上記一対のエンドリングに固定されて、周方向に隣り合う上記永久磁石間のそれぞれに位置するように配置され、該永久磁石の周方向の移動を規制するとともに、該永久磁石に径方向外方への押力を作用させて該永久磁石を上記補助ヨークの内周面に当接させる複数の永久磁石保持部材を有する磁石ホルダと、からなる固定子を備えている。
この発明によれば、補助ヨークが周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材により周方向の移動を規制され、永久磁石が周方向に隣り合う永久磁石保持部材により周方向の移動を規制されている。そこで、補助ヨーク保持部材間および永久磁石保持部材間に装着された補助ヨークおよび永久磁石をヨークの円筒部に圧入する際に、補助ヨークおよび永久磁石は、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材に案内されて径方向内方に移動し、径方向外方の反力を受ける。そして、補助ヨークは径方向外方に押圧されて円筒部の内周面に当接され、永久磁石は径方向外方に押圧されて補助ヨークに当接し、磁石ホルダとともに円筒部に保持される。これにより、補助ヨークおよび永久磁石の周方向位置が正確に確保され、コギングトルクの発生が抑制される。さらに、永久磁石および補助ヨークの寸法公差に拘らず、補助ヨークと円筒部とが接し、かつ永久磁石と補助ヨークとが接するので、隣り合う永久磁石間の磁気抵抗が小さくなり、トルク特性の低下が抑制される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す横断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される磁石ホルダを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における補助ヨークの配列状態を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における永久磁石の配列状態を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子を示す横断面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機に適用される固定子を示す要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される固定子を示す要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される固定子を示す横断面図、図3は図2の要部拡大断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機に適用される磁石ホルダを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における補助ヨークの配列状態を説明する斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における永久磁石の配列状態を説明する斜視図である。なお、縦断面図とは軸心を含む面における断面を示し、横断面図とは軸心と直交する面における断面を示す。
図1乃至図3において、回転電機1は、例えば鉄、鉄合金などの磁性材料からなる均一な厚みを有する板材の絞り加工により、円筒部2aと底部2bとからなる有底円筒状に作製され、固定子20の一部を構成する有底円筒状のヨーク2と、ヨーク2の円筒部2aに内嵌状態に嵌着保持された補助ヨーク21および永久磁石22を有する固定子20と、ヨーク2の開口側を塞口する椀状のフレーム3とヨーク2の底部2bとに軸受4を介して支持されて固定子20の内周側に回転可能に配設された回転子5と、外部電源(図示せず)から回転子5に電力を供給するブラシ10と、を備えている。
回転子5は、回転子鉄心6と、回転子鉄心6の軸心位置に挿通されて回転子鉄心6に固定された回転軸7と、回転子鉄心6に設けられたスロット(図示せず)に装着された電機子巻線8と、回転軸7の回転子鉄心6からの延出端に装着された整流子9と、を備えている。
固定子20は、ヨーク2と、図5に示されるように、ヨーク2の円筒部2aの内周に、周方向に等角ピッチで配列された4つの補助ヨーク21と、図6に示されるように、補助ヨーク21の内周に、周方向に等角ピッチで配列された4つの永久磁石22と、補助ヨーク21と永久磁石22を保持する磁石ホルダ24と、を備えている。
補助ヨーク21のそれぞれは、例えば鉄、鉄合金などの磁性材料からなる均一な厚みを有する矩形平板をプレス加工により断面円弧形の短冊状に曲げ成形されている。永久磁石22のそれぞれは、例えば異方性焼結希土類磁石が用いられ、断面円弧形の短冊状に作製され、着磁されている。保護カバー23は、非磁性のステンレスなどの薄板をプレス加工して作製され、組立治具の永久磁石22への直接的な衝突による損傷発生を抑制するために、永久磁石22の内周面を覆うように装着されている。なお、断面円弧形とは、外径側の円弧の弦と内径側の円弧の弦とが平行で、かつ外径側の円弧の弦の長さLoutが内径側の円弧の弦の長さLinより長い、一部を切り欠いた扇形を意味する。
磁石ホルダ24は、図4に示されるように、それぞれリング状平板に作製され、軸心方向に離間して同軸に配置される一対のエンドリング25と、それぞれ断面矩形の柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の外周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向を軸心方向に平行として、周方向に等角ピッチで配列された4本の補助ヨーク保持部材26と、それぞれ断面矩形の柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の内周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向を軸心方向に平行として、周方向に等角ピッチで配列された4本の永久磁石保持部材27と、を備え、非磁性のステンレスで作製されている。補助ヨーク保持部材26と永久磁石保持部材27とは、互いに周方向に半ピッチずれて、径方向に2列となって周方向に配列されている。
ここで、エンドリング25はヨーク2の円筒部2aの内径より僅かに小径に作製されている。補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27は、エンドリング25から外径側および内径側に延出しないように、かつ補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27の内周面の周方向の中央に接する内接面の中心がエンドリング25の軸心に一致するように、エンドリング25に固着されている。さらに、補助ヨーク保持部材26の内周面の周方向の中央に接する内接円と永久磁石保持部材27の外周面の周方向の中央に接する外接面との間に隙間が形成されている。
つぎに、永久磁石22および補助ヨーク21の磁石ホルダ24への装着方法について説明する。
まず、4本の永久磁石保持部材27が両端をエンドリング25に固定されて一対のエンドリング25に組み付けられる。そして、永久磁石22が、保護カバー23を装着され、外径側から永久磁石保持部材27間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24に装着される。永久磁石22は、周方向に交互に異なる極性となるように、例えば永久磁石22の内周面側が周方向にS極、N極、S極、およびN極となるように配置されている。
ついで、4本の補助ヨーク保持部材26が両端をエンドリング25に固定されて一対のエンドリング25に組み付けられる。そして、補助ヨーク21が、外径側から補助ヨーク保持部材26間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24に装着される。これにより、永久磁石22および補助ヨーク21を磁石ホルダ24に装着した複合体が組立てられる。
この複合体においては、永久磁石22の周方向の移動が周方向に隣り合う永久磁石保持部材27により規制され、補助ヨーク21の周方向の移動が周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26により規制され、永久磁石22と補助ヨーク21との間に微小な隙間が形成されている。さらに、磁石ホルダ24に装着された補助ヨーク21の外径が、ヨーク2の円筒部2aの内径より大径となるように、補助ヨーク21の周方向長さが設定されている。なお、磁石ホルダ24に装着された補助ヨーク21の外径とヨーク2の円筒部2aの内径との差は、永久磁石22と補助ヨーク21との間の隙間より僅かに大きくなるように設定されている。また、補助ヨーク21および永久磁石22の周方向の両側面は、補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27の周方向の向かい合う側面に適合する平面に作製されている。
このように組立てられた複合体がヨーク2の円筒部2aに圧入され、円筒部2aに内嵌状態に嵌着保持され、固定子20が組立てられる。複合体は、エンドリング25がヨーク2の底部2bに当接するまで挿入され、軸方向に位置決めされる。
磁石ホルダ24に装着された補助ヨーク21は、補助ヨーク保持部材26により周方向の移動が規制され、かつその外径がヨーク2の円筒部2aの内径より大きいので、複合体の円筒部2aへの圧入により、補助ヨーク21は、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。そして、磁石ホルダ24に装着された補助ヨーク21の外径とヨーク2の円筒部2aの内径との差が、磁石ホルダ24に装着された永久磁石22と補助ヨーク21との間の隙間より僅かに大きいので、複合体の円筒部2aへの圧入時、内径側に移動する補助ヨーク21は永久磁石22を押圧し、永久磁石22が保護カバー23とともに周方向に隣り合う永久磁石保持部材27の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。
ここで、補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27が断面矩形に作製されているので、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26間および永久磁石保持部材27間の外径端部間の距離が内径端部間の距離より長い。そこで、補助ヨーク21および永久磁石22を径方向外方に押し返す反力が補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27から補助ヨーク21および永久磁石22に作用する。そして、補助ヨーク21および永久磁石22を径方向外方に押し返す反力がヨーク2の円筒部2aで受けられ、補助ヨーク21および永久磁石22を磁石ホルダ24に装着して構成される複合体がヨーク2に強固に保持される。
このように構成された回転電機1は、ブラシ10が整流子9に摺接するように配設されており、電流が外部電源からブラシ10および整流子9を介して電機子巻線8に流れる。この電流と永久磁石22の作る磁界との相互作用により回転子5にトルクが発生し、モータとして動作する。そして、永久磁石22による磁束は、補助ヨーク21およびヨーク2の円筒部2aを通って周方向の隣の永久磁石22に流れる。
この実施の形態1よれば、周方向に隣り合う永久磁石22間、つまり磁極の間の隙間部分に隣接する円筒部2aの部分の内周に補助ヨーク21が配設されているので、回転電機1の寸法の増大を抑えて、磁気飽和を緩和することができ、トルク特性の低下を抑制できる。
また、補助ヨーク21および永久磁石22を保持する磁石ホルダ24がステンレスで作製されているので、磁石ホルダ24の剛性が高められる。これにより、複合体のヨーク2の円筒部2a内への圧入時における補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27の周方向および径方向の位置が一対のエンドリング25により確保される。さらに、エンドリング25、補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27の寸法精度、および組み立て精度を高めることで、補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27の周方向および径方向の位置精度を高めることができる。そこで、複合体のヨーク2の円筒部2a内への圧入時、補助ヨーク21および永久磁石22は、周方向の移動を規制され、径方向外方の反力を受けつつ径方向内方に移動するので、補助ヨーク21および永久磁石22の周方向の位置が正確に確保され、コギングトルクの発生が抑えられる。
また、複合体のヨーク2の円筒部2a内への圧入により、補助ヨーク21が、周方向の移動を規制されて径方向内方に移動し、永久磁石22が、周方向の移動を規制され、補助ヨーク21に押圧されて径方向内方に移動する。このとき、補助ヨーク保持部材26および永久磁石保持部材27から補助ヨーク21および永久磁石22を径方向外方に押し返す反力が発生し、該径方向外方に押し返す反力が補助ヨーク21および永久磁石22を介してヨーク2の円筒部2aで受けられ、複合体が円筒部2aに保持される。そこで、補助ヨーク21および永久磁石22の寸法公差に拘らず、補助ヨーク21と円筒部2aとが隙間なく接し、かつ補助ヨーク21と永久磁石22とが隙間なく接する。また、永久磁石22間の円筒部2a側に補助ヨーク21が存在する。これにより、隣り合う永久磁石22間の円筒部2a側の磁路の磁気抵抗の増大が抑えられ、トルク特性が向上される。
また、複合体がエンドリング25をヨーク2の底部2bに当接するように円筒部2aに圧入されているので、ヨーク2およびエンドリング25の寸法精度を高めるだけで、補助ヨーク21および永久磁石22を軸方向に位置決めでき、組立性が高められる。
また、保護カバー23が永久磁石22の内周面を覆うように装着されているので、組立時に、治具などが永久磁石22に当たり、永久磁石22を損傷させることが抑えられる。
また、磁石ホルダ24が金属製であるので、永久磁石22の熱はエンドリング25を介してヨーク2に伝達され、ヨーク2の表面から放熱される。これにより、永久磁石22の温度上昇が抑えられ、永久磁石22の熱減磁が防止される。
また、エンドリング25および永久磁石保持部材27が非磁性材料で作製されているので、エンドリング25および永久磁石保持部材27を介しての永久磁石22の磁束の漏洩がなくなり、トルクの低下が抑えられる。
なお、上記実施の形態1では、補助ヨークが1枚の磁性材料からなる所定厚みの板で作製されているものとしているが、磁性材料からなる薄板を複数枚積層して補助ヨークを作製してもよい。
また、上記実施の形態1では、ヨークが絞り加工により作製されているものとしているが、ヨークの加工方法は絞り加工に限定されるものではなく、例えば削り出し加工でもよい。
また、上記実施の形態1では、エンドリング、および永久磁石保持部材を非磁性のステンレスで作製するものとしているが、エンドリング、および永久磁石保持部材の材料は非磁性のステンレスに限定されず、例えば銅、アルミニウム、樹脂などの非磁性材料でもよい。また、補助ヨーク保持部材を非磁性のステンレスで作製するものとしているが、補助ヨーク保持部材の材料は銅、アルミニウム、樹脂などの非磁性材料や鉄、鉄合金などの磁性材料でもよい。また、エンドリング、永久磁石保持部材、補助ヨーク保持部材の材料として、銅、アルミニウム、樹脂などの非磁性材料を用いることができるが、剛性の観点から、銅、アルミニウムなどの金属材料が好ましい。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る回転電機に適用される固定子を示す横断面図である。
図7において、補助ヨーク保持部材26Aは、例えば鉄、鉄合金などの磁性材料で断面矩形の柱状体に作製されている。磁石ホルダ24Aは、補助ヨーク保持部材26Aと永久磁石保持部材27とが、長さ方向を軸心方向に平行として、互いに周方向位置を一致させて、径方向に2列となって周方向に等角ピッチで4本ずつ配列されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2においても、周方向に隣り合う永久磁石22間、つまり磁極の間の隙間部分に隣接する円筒部2aの部分の内周に磁性材料からなる補助ヨーク保持部材26Aが配設されているので、回転電機1の寸法の増大を抑えて、磁気飽和を緩和することができ、トルク特性の低下を抑制できる。
また、磁石ホルダ24Aがステンレスおよび鉄で作製されているので、磁石ホルダ24Aの剛性が高められる。さらに、エンドリング25、補助ヨーク保持部材26Aおよび永久磁石保持部材27の寸法精度、および組み立て精度を高めることで、補助ヨーク保持部材26Aおよび永久磁石保持部材27の周方向および径方向の位置精度を高めることができる。そこで、補助ヨーク21と永久磁石22が磁石ホルダ24Aに装着されてなる複合体のヨーク2の円筒部2a内への圧入時、補助ヨーク21および永久磁石22は、周方向の移動を規制され、径方向内方に移動する。これにより、補助ヨーク21および永久磁石22の周方向の位置が正確に確保され、コギングトルクの発生が抑えられる。さらに、補助ヨーク保持部材26Aおよび永久磁石保持部材27から補助ヨーク21および永久磁石22を径方向外方に押し返す反力が発生し、該径方向外方に押し返す反力がヨーク2の円筒部2aに受けられるので、補助ヨーク21と円筒部2aとの間、および補助ヨーク21と永久磁石22との間が隙間なく接する。これにより、隣り合う永久磁石22の間の磁気抵抗の増大が抑えられ、トルク特性が向上される。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る回転電機に適用される固定子を示す要部拡大断面図である。
図8において、補助ヨーク保持部材26Bが、非磁性のステンレスで断面等脚台形の柱状体に作製され、断面等脚台形の上底を内径側に位置するように配設されている。補助ヨーク21Aの周方向の側面が補助ヨーク保持部材26Bの周方向に向かい合う側面に適合する平面に作製されている。ここで、等脚台形の上底とは、平行な2本の対辺のうちの短辺である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
磁石ホルダ24Bでは、断面等脚台形の補助ヨーク保持部材26Bを用いているので、断面矩形の補助ヨーク保持部材26を用いている磁石ホルダ24に比べて、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26B間の外径端部間の距離と内径端部間の距離との差が少ない。そこで、永久磁石22および補助ヨーク21Aを磁石ホルダ24Bに装着した複合体をヨーク2の円筒部2aに圧入したときに、補助ヨーク21Aが補助ヨーク保持部材26Bの周方向の側面に沿って内径側にスムーズに移動する。そして、補助ヨーク21Aは、永久磁石22に接して永久磁石22とともに内径側に移動し、補助ヨーク保持部材26Bおよび永久磁石保持部材27から補助ヨーク21Aおよび永久磁石22に作用する径方向外方に押し返す反力により、ヨーク2の円筒部2aに嵌着保持される。
したがって、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
この実施の形態3によれば、永久磁石22および補助ヨーク21Aを磁石ホルダ24Bに装着した複合体をヨーク2の円筒部2aに圧入したときに、補助ヨーク21Aが補助ヨーク保持部材26Bの周方向の側面に沿って内径側にスムーズに移動するので、複合体の円筒部2aへの組み付けが容易となるとともに、円筒部2aと補助ヨーク21Aとの密着性、および補助ヨーク21Aと永久磁石22との密着性が高められる。
ここで、補助ヨーク保持部材26Bは、補助ヨーク21Aの周方向の位置決めを行うこと、および圧入時に補助ヨーク21Aに径方向外方に押し返す反力を作用させることから、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26B間の外径端部間の距離が周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材26B間の内径端部間の距離より長くなる等脚台形の断面形状とすることが好ましい。
また、補助ヨーク保持部材26Bが断面等脚台形の上底を内径側に位置するように配設されているものとしているが、断面等脚台形の上底を外径側に位置するように配設されてもよい。この場合においても、補助ヨーク保持部材26Bは、補助ヨーク21Aの周方向の位置決めを行うことができ、補助ヨーク21Aに径方向外方に押し返す反力を作用させることができる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4に係る回転電機に適用される固定子を示す要部拡大断面図である。
図9において、永久磁石保持部材27Bが、非磁性のステンレスで断面等脚台形の柱状体に作製され、断面等脚台形の上底を内径側に位置するように配設されている。永久磁石22Aの周方向の側面が永久磁石保持部材27Bの周方向に向かい合う側面に適合する平面に作製されている。
なお、他の構成は上記実施の形態3と同様に構成されている。
磁石ホルダ24Cでは、断面等脚台形の永久磁石保持部材27Bを用いているので、断面矩形の永久磁石保持部材27を用いている磁石ホルダ24に比べて、周方向に隣り合う永久磁石保持部材27B間の外径端部間の距離と内径端部間の距離との差が少ない。そこで、永久磁石22Aおよび補助ヨーク21Aを磁石ホルダ24Cに装着した複合体をヨーク2の円筒部2aに圧入したときに、補助ヨーク21Aが補助ヨーク保持部材26Bの周方向の側面に沿って内径側にスムーズに移動し永久磁石22Aに接する。そして、永久磁石22Aが、補助ヨーク21Aとともに、永久磁石保持部材27Bの周方向の側面に沿って内径側にスムーズに移動し、補助ヨーク保持部材26Bおよび永久磁石保持部材27Bから補助ヨーク21Aおよび永久磁石22Aに作用する径方向外方に押し返す反力により、ヨーク2の円筒部2aに嵌着保持される。
したがって、この実施の形態4においても、上記実施の形態3と同様の効果を奏する。
この実施の形態4によれば、永久磁石22Aおよび補助ヨーク21Aを磁石ホルダ24Cに装着した複合体をヨーク2の円筒部2aに圧入したときに、永久磁石22Aが永久磁石保持部材27Bの周方向の側面に沿って内径側にスムーズに移動するので、複合体の円筒部2aへの組み付けが容易となるとともに、円筒部2aと補助ヨーク21Aとの密着性、および補助ヨーク21Aと永久磁石22Aとの密着性が高められる。さらに、永久磁石22Aを周方向に隣り合う永久磁石保持部材27B間に圧入する際に、永久磁石保持部材27Bから永久磁石22Aに作用する応力が小さくなり、永久磁石22Aの損傷の発生が抑えられる。
ここで、永久磁石保持部材27Bは、永久磁石22Aの周方向の位置決めを行うこと、および圧入時に永久磁石22Aに径方向外方の反力を作用させることから、周方向に隣り合う永久磁石保持部材27B間の外径端部間の距離が周方向に隣り合う永久磁石保持部材27B間の内径端部間の距離より長くなる等脚台形の断面形状とすることが好ましい。
また、永久磁石保持部材27Bが断面等脚台形の上底を内径側に位置するように配設されているものとしているが、断面等脚台形の上底を外径側に位置するように配設されてもよい。この場合においても、永久磁石保持部材27Bは、永久磁石22Aの周方向の位置決めを行うことができ、永久磁石22Aに径方向外方に押し返す反力を作用させることができる。
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
図10において、磁石ホルダ24Dは、軸心方向に離間して同軸に配置される一対のエンドリング25と、それぞれ断面矩形の柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の外周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリング25の軸心方向に対して所定角度傾けて、周方向に等角ピッチで配列された4本の補助ヨーク保持部材28と、それぞれ断面矩形の柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の内周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリング25の軸心方向に対して所定角度傾けて、周方向に等角ピッチで配列された4本の永久磁石保持部材29と、を備え、非磁性のステンレスで作製されている。補助ヨーク保持部材28と永久磁石保持部材29とは、互いに周方向に半ピッチずれて、径方向に2列となって周方向に配列されている。
補助ヨーク30のそれぞれは、例えば鉄、鉄合金などの磁性材料からなる均一な厚みを有する平行四辺形平板をプレス加工により断面円弧形の短冊状に曲げ成形されている。永久磁石31のそれぞれは、内周面および外周面の面形状を平行四辺形とする、断面円弧形の短冊状に作製された異方性焼結希土類磁石が用いられ、極間が斜めになるように着磁されている。
永久磁石31が、保護カバー(図示せず)を装着され、永久磁石保持部材29間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24Dに装着される。永久磁石31は、永久磁石31の内周面側が周方向にS極、N極、S極、およびN極となるように配置されている。さらに、補助ヨーク30が、補助ヨーク保持部材28間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24Dに装着される。これにより、永久磁石31および補助ヨーク30を磁石ホルダ24Dに装着した複合体が組立てられる。
このように組立てられた複合体は、上記実施の形態1と同様に、ヨーク2の円筒部2a内に圧入される。このとき、磁石ホルダ24Dに装着された補助ヨーク30は、補助ヨーク保持部材28により周方向の移動が規制され、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材28の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。永久磁石31は、内径側に移動する補助ヨーク30に押圧され、保護カバーとともに周方向に隣り合う永久磁石保持部材29の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。そして、補助ヨーク保持部材28および永久磁石保持部材29から補助ヨーク30および永久磁石31に作用する径方向外方に押し返す反力がヨーク2の円筒部2aで受けられ、補助ヨーク30および永久磁石31を磁石ホルダ24Dに装着した複合体がヨーク2に強固に保持される。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態5においても、補助ヨーク30および永久磁石31の周方向の位置が正確に確保され、補助ヨーク30および永久磁石31の寸法公差に拘らず、補助ヨーク30と円筒部2aとの間、および補助ヨーク30と永久磁石31との間が隙間なく接するので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、この実施の形態5によれば、補助ヨーク30および永久磁石31が斜めスキューされているので、トルクリップルやコギングトルクを低減できる。
実施の形態6.
図11はこの発明の実施の形態6に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
図11において、磁石ホルダ24Eは、軸心方向に離間して同軸に配置される一対のエンドリング25と、それぞれ長さ方向中央部で幅方向に幅の半分シフトした断面矩形の段付き柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の外周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリングの25の軸心方向に平行として、周方向に等角ピッチで配列された4本の補助ヨーク保持部材32と、それぞれ長さ方向中央部で幅方向に幅の半分シフトした断面矩形の段付き柱状体に作製され、両端を一対のエンドリング25の相対する面の内周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリング25の軸心方向と平行として、周方向に等角ピッチで配列された4本の永久磁石保持部材33と、を備え、非磁性のステンレスで作製されている。補助ヨーク保持部材32と永久磁石保持部材33とは、互いに周方向に半ピッチずれて、径方向に2列となって周方向に配列されている。
補助ヨーク34のそれぞれは、例えば鉄、鉄合金などの磁性材料からなる均一な厚みを有する平板をプレス加工により、補助ヨーク保持部材32間に圧入可能な断面円弧形の短冊状に曲げ成形されている。永久磁石35のそれぞれは、永久磁石保持部材33間に圧入可能な断面円弧形の短冊状に作製された異方性焼結希土類磁石が用いられ、着磁されている。
永久磁石35が、保護カバー(図示せず)を装着され、永久磁石保持部材33間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24Eに装着される。永久磁石35は、永久磁石35の内周面側が周方向にS極、N極、S極、およびN極となるように配置されている。さらに、補助ヨーク34が、補助ヨーク保持部材32間のそれぞれに挿入されて、磁石ホルダ24Eに装着される。これにより、永久磁石35および補助ヨーク34を磁石ホルダ24Eに装着した複合体が組立てられる。
このように組立てられた複合体は、上記実施の形態1と同様に、ヨーク2の円筒部2a内に圧入される。このとき、磁石ホルダ24Eに装着された補助ヨーク34は、補助ヨーク保持部材32により周方向の移動が規制され、周方向に隣り合う補助ヨーク保持部材32の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。永久磁石35は、内径側に移動する補助ヨーク34に押圧され、保護カバーとともに周方向に隣り合う永久磁石保持部材33の相対する周方向の側面に沿って内径側に移動する。そして、補助ヨーク保持部材32および永久磁石保持部材33から補助ヨーク34および永久磁石35に作用する径方向外方に押し返す反力がヨーク2の円筒部2aで受けられ、補助ヨーク34および永久磁石35を磁石ホルダ24Eに装着した複合体がヨーク2に強固に保持される。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
したがって、この実施の形態6においても、補助ヨーク34および永久磁石35の周方向の位置が正確に確保され、補助ヨーク34および永久磁石35の寸法公差に拘らず、補助ヨーク34と円筒部2aとの間、および補助ヨーク34と永久磁石35との間が隙間なく接するので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、この実施の形態6によれば、補助ヨーク34および永久磁石35が段スキューされているので、トルクリップルやコギングトルクを低減できる。
なお、上記実施の形態6では、1枚の補助ヨークと永久磁石を隣り合う補助ヨーク保持部材間および隣り合う永久磁石保持部材間のそれぞれに装着するものとしているが、補助ヨークと永久磁石は、段の境界付近で軸心方向に分割されてもよい。
また、上記実施の形態6では、補助ヨークおよび永久磁石が2段にスキューされているものとしているが、3段以上にスキューされてもよい。
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
図12において、補助ヨーク21a、永久磁石22a、補助ヨーク保持部材26a、永久磁石保持部材27aは、それぞれ長さが略半分である点を除いて補助ヨーク21、永久磁石22、補助ヨーク保持部材26、永久磁石保持部材27と同様に作製されている。
磁石ホルダ24Fは、4本の補助ヨーク保持部材26aが、両端を一対のエンドリング25の相対する面の外周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリングの25の軸心方向に平行として、周方向に等角ピッチで配列され、4本の永久磁石保持部材27aが、両端を一対のエンドリング25の相対する面の内周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリング25の軸心方向と平行として、周方向に等角ピッチで配列されて構成されている。補助ヨーク保持部材26aと永久磁石保持部材27aとは、互いに周方向に半ピッチずれて、径方向に2列となって周方向に配列されている。
永久磁石22aが、保護カバー(図示せず)を装着され、永久磁石保持部材27a間のそれぞれに挿入され、さらに補助ヨーク21aが、補助ヨーク保持部材26a間のそれぞれに挿入されて、永久磁石22aおよび補助ヨーク21aを磁石ホルダ24Fに装着した複合体が組立てられる。
このように組立てられた複合体は、補助ヨーク保持部材26aおよび永久磁石保持部材27aの周方向位置が一致するように軸心方向に2段に連ねられてヨーク2の円筒部2a内に圧入される。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態7においても、補助ヨーク21aおよび永久磁石22aの周方向の位置が正確に確保され、補助ヨーク21aと円筒部2aとの間、および補助ヨーク21aと永久磁石22aとの間が隙間なく接するので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
実施の形態8.
図13はこの発明の実施の形態8に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
図13において、補助ヨーク30a、永久磁石31a、補助ヨーク保持部材28a、永久磁石保持部材29aは、それぞれ長さが略半分である点を除いて補助ヨーク30、永久磁石31、補助ヨーク保持部材28、永久磁石保持部材29と同様に作製されている。
磁石ホルダ24Gは、4本の補助ヨーク保持部材28aが、両端を一対のエンドリング25の相対する面の外周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリングの25の軸心方向に対して所定角度傾けて、周方向に等角ピッチで配列され、4本の永久磁石保持部材29aが、両端を一対のエンドリング25の相対する面の内周側にねじ(図示せず)により締着固定されて、一対のエンドリング25間に、長さ方向をエンドリング25の軸心方向に対して所定角度傾けて、周方向に等角ピッチで配列されて構成されている。補助ヨーク保持部材28aと永久磁石保持部材29aとは、互いに周方向に半ピッチずれて、径方向に2列となって周方向に配列されている。
永久磁石31aが、保護カバー(図示せず)を装着され、永久磁石保持部材29a間のそれぞれに挿入され、さらに補助ヨーク30aが、補助ヨーク保持部材28a間のそれぞれに挿入されて、永久磁石31aおよび補助ヨーク30aを磁石ホルダ24Gに装着した複合体が組立てられる。
このように組立てられた複合体は、補助ヨーク保持部材28aおよび永久磁石保持部材29aの長さ方向が一致するように周方向にずらして軸心方向に2段に連ねられてヨーク2の円筒部2a内に圧入される。
なお、他の構成は上記実施の形態5と同様に構成されている。
この実施の形態8では、永久磁石31aおよび補助ヨーク30aを磁石ホルダ24Gに装着した複合体が、補助ヨーク保持部材28aおよび永久磁石保持部材29aの長さ方向が一致するように周方向にずらして軸心方向に2段に重ねられてヨーク2の円筒部2a内に圧入されるので、固定子は、上記実施の形態5における固定子と等価の構造となる。また、補助ヨーク30aおよび永久磁石31aの周方向の位置が正確に確保され、補助ヨーク30aと円筒部2aとの間、および補助ヨーク30aと永久磁石31aとの間が隙間なく接する。
したがって、この実施の形態8においても、上記実施の形態5と同様の効果を奏する。
実施の形態9.
図14はこの発明の実施の形態9に係る回転電機に適用される補助ヨークと永久磁石の複合体を示す斜視図である。
図14において、永久磁石22aが、保護カバー(図示せず)を装着され、永久磁石保持部材27a間のそれぞれに挿入され、さらに補助ヨーク21aが、補助ヨーク保持部材26a間のそれぞれに挿入されて、永久磁石22aおよび補助ヨーク21aを磁石ホルダ24Fに装着した複合体が組立てられる。
このように組立てられた複合体は、補助ヨーク保持部材26aおよび永久磁石保持部材27aの周方向位置を、補助ヨーク保持部材26aおよび永久磁石保持部材27aの幅の半分だけ周方向にずらして軸心方向に2段に連ねられてヨーク2の円筒部2a内に圧入される。
なお、他の構成は上記実施の形態7と同様に構成されている。
この実施の形態9では、永久磁石22aおよび補助ヨーク21aを磁石ホルダ24Fに装着した複合体が、補助ヨーク保持部材26aおよび永久磁石保持部材27aの周方向位置を、補助ヨーク保持部材26aおよび永久磁石保持部材27aの幅の半分だけ周方向にずらして軸心方向に2段に重ねられてヨーク2の円筒部2a内に圧入されるので、固定子は、上記実施の形態6における固定子と等価の構造となる。また、補助ヨーク21aおよび永久磁石22aの周方向の位置が正確に確保され、補助ヨーク21aと円筒部2aとの間、および補助ヨーク21aと永久磁石22aとの間が隙間なく接する。
したがって、この実施の形態9においても、上記実施の形態7と同様の効果を奏する。
なお、上記実施の形態9では、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の周方向位置を、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の幅の半分だけ周方向にずらすものとしているが、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材が軸方向に重なっていれば、それらの周方向のずれ量は、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の幅の半分に限定されない。
また、上記実施の形態7〜9では、永久磁石と補助ヨークとを装着した磁石ホルダが軸心方向に2段に連ねられてヨークの円筒部内に圧入されているものとしているが、永久磁石と補助ヨークとを装着した磁石ホルダが軸心方向に連なる段数は3段以上でもよい。
なお、上記各実施の形態では、4個の永久磁石を用いた4極の回転電機について説明しているが、永久磁石の個数、即ち回転電機の極数は4極に限定されるものではなく、2極以上であればよい。また、永久磁石は、それぞれ同一形状に作製され、等角ピッチに配列される。そして、永久磁石を永久磁石保持部材間に外径側から圧入した際に、径方向外方に押し返す反力を永久磁石保持部材から受けるためには、断面円弧形の外径側の円弧の弦の長さが内径側の円弧の弦の長さより長いことが必要となる。また、断面円弧形の内径側の円弧の弦の長さが零となると、回転子と永久磁石との間の磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、トルクが低下する。そこで、永久磁石は、図3に示されるように、断面円弧形の外径側の円弧の弦の長さをLout、内径側の円弧の弦の長さをLinとしたときに、1>(Lin/Lout)>0を満足するように作製することが好ましい。
また、上記各実施の形態では、永久磁石として異方性焼結希土類磁石を用いるものとしているが、永久磁石は異方性磁石に限定されるものではなく、例えば等方性磁石でもよい。また、永久磁石は焼結希土類磁石に限定されるものではなく、例えばフェライト磁石、ボンド磁石でもよい。
また、上記各実施の形態では、補助ヨークの個数が永久磁石の個数と同じ場合について説明しているが、補助ヨークの個数は必ずしも永久磁石の個数と同じにする必要はなく、2個以上であればよい。また、各補助ヨークの周方向長さを必ずしも同じにする必要もない。
また、上記各実施の形態では、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の内周面および外周面が平坦面に形成されているものとしているが、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の内周面および外周面は必ずしも平坦面に形成される必要はなく、例えばエンドリングの軸心を曲率中心とする曲面に形成されてもよい。
また、上記各実施の形態では、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材がねじによりエンドリングに締着固定されているものとしているが、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材のエンドリングへの固定方法は、永久磁石および補助ヨークが装着できれば、これに限定されるものではない。例えば、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の一端を一方のエンドリングに溶接により固定し、補助ヨーク保持部材および永久磁石保持部材の他端をねじにより他方のエンドリングに締着固定してもよい。
1 回転電機、2 ヨーク、2a 円筒部、2b 底部、20 固定子、21,21a,21a,30,30a,34 補助ヨーク、22,22A,22a,31,31A,35 永久磁石、24,24A,24B,24C,24D,24E,24F,24G 磁石ホルダ、25 エンドリング、26,26A,26B,26a,28,28a,32 補助ヨーク保持部材、27,27B,27a,29,29a,33 永久磁石保持部材。

Claims (7)

  1. 円筒部、および底部とからなる有底円筒状のヨークと、
    それぞれ断面円弧形の短冊状に作製され、上記円筒部の内周面に接して、かつ互いに離間して周方向に配列された複数の補助ヨークと、
    それぞれ断面円弧形の短冊状に作製され、上記補助ヨークの内周面に接して、かつ互いに離間して周方向の等角ピッチで配列された複数の永久磁石と、
    非磁性材料で作製され、上記円筒部内に軸心方向に離間して配置された一対のエンドリング、両端を上記一対のエンドリングに固定されて、周方向に隣り合う上記補助ヨーク間のそれぞれに位置するように配置され、該補助ヨークの周方向の移動を規制するとともに、該補助ヨークに径方向外方への押力を作用させて該補助ヨークを上記円筒部の内周面に当接させる複数の補助ヨーク保持部材、および非磁性材料で作製され、両端を上記一対のエンドリングに固定されて、周方向に隣り合う上記永久磁石間のそれぞれに位置するように配置され、該永久磁石の周方向の移動を規制するとともに、該永久磁石に径方向外方への押力を作用させて該永久磁石を上記補助ヨークの内周面に当接させる複数の永久磁石保持部材を有する磁石ホルダと、からなる固定子を備えたことを特徴とする回転電機。
  2. 上記補助ヨーク保持部材と上記永久磁石保持部材とが、互いに径方向に重ならないように周方向に配列されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記補助ヨーク保持部材は、断面等脚台形の柱状体に作製され、断面等脚台形の上底を内周側に向けて配列され、周方向に隣り合う上記補助ヨーク保持部材の外径端部間の距離が内径端部間の距離より長くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. 上記永久磁石保持部材は、断面等脚台形の柱状体に作製され、断面等脚台形の上底を内周側に向けて配列され、周方向に隣り合う上記永久磁石保持部材の外径端部間の距離が内径端部間の距離より長くなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 上記補助ヨークおよび上記永久磁石は、斜めスキュー、若しくは段スキューされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 上記磁石ホルダは軸方向に複数段に連ねられて上記円筒部内に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 上記磁石ホルダは上記ヨークの底部に当接するように上記円筒部内に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。
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