JP2012013612A - 到来方向推定装置及び到来方向推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できる到来方向推定装置及び到来方向推定方法を提供すること。
【解決手段】到来方向推定装置100において、到来方向推定部106が、ビームスイープ部105で算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する。こうすることで、受信信号が広帯域信号である場合、偽の到来方向に対応する角度では複数の信号強度分布で出現するピークの位置が一致しないという特性を利用して、真の到来方向を推定することができる。従って、到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、到来方向推定装置及び到来方向推定方法に関する。
従来から、電波の到来方向を推定する電波到来方向推定装置が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている電波到来方向推定装置は、複数のアンテナ素子から成るアレイアンテナを具備し、各素子間隔が半波長より大きい場合に、周波数設定器により設定した周波数に基づいて電波源の周波数を変化させる。
これにより、その電波到来方向推定装置は、グレーティングローブの影響による電波源の測角値を分散させると共に、グレーティングローブの影響を受けない電波源の測角値を集中させることができ、結果として、測角結果に対するグレーティングローブの悪影響を抑圧することができる。
特許文献1に開示されている電波到来方向推定装置では、具体的には、雑音部分空間射影長算出部が電波到来方向推定方法としてMUSIC法に必要な部分空間を計算した後、射影長極小値算出器がピークを算出し、平均値算出器がピーク方向の発生確率の多い方向を算出する。
この平均値算出器による平均化処理によって、電波到来方向推定装置が空間相関の高い信号を入力した場合であっても、実際に電波源が存在する方向と違った方向にピークが発生するなどの劣化要因を抑圧することができる。この結果として、電波到来方向の推定精度の向上が図られている。
特開2000−131408号公報
しかしながら、上記した従来の電波到来方向推定装置では、MUSIC法が用いられている。このため、射影長極小値算出器によって算出されるピーク値は、必ずしも受信信号の強さを表していない。従って、信号対雑音比(S/N)値が低い場合又は実際に電波源が存在する方向と違った方向から相関信号が入射した場合には、推定結果の信頼性が確保されない問題がある。
また、上記した従来の電波到来方向推定装置では、受信機の出力を用いて直接的に相関行列を計算している。すなわち、上記した従来の電波到来方向推定装置は、狭帯域信号の到来方向推定に適している。しかしながら、UWB信号の様な広帯域信号が入射する場合には、雑音部分空間射影長算出部で算出される各部分空間が広がってしまい、この結果として、射影長算出部が真のピークを検出することは困難である可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できる到来方向推定装置及び到来方向推定方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の到来方向推定装置は、N(Nは、2以上の整数)個のアンテナ素子から構成され、アンテナ素子間の離間距離が受信信号の半波長より大きいアレーアンテナで受信した前記受信信号の到来方向を推定する到来方向推定装置であって、各アンテナ素子で受信された受信信号をローカル信号でミキシングすることにより、中間周波数(IF)信号を形成するミキサと、前記ローカル信号の周波数を、周波数セットを構成する複数のターゲット周波数で順次切り替える手段であって、前記周波数セットには、前記受信信号の中心周波数を前記IF信号の基準周波数に合わせる中心ターゲット周波数、前記受信信号の最高周波数を前記基準周波数に合わせる最高ターゲット周波数、及び、前記受信信号の最低周波数を前記基準周波数に合わせる最低ターゲット周波数が含まれる、周波数発生手段と、前記IF信号の内の一部の周波数成分のみを抽出するフィルタと、前記フィルタで抽出されたIF信号に基づいて相関行列を算出する相関行列算出手段と、前記算出された相関行列及びアレイ応答ベクトルに基づいて、前記アレーアンテナを基準とする角度に対する信号強度を表す信号強度分布を、前記複数のターゲット周波数のそれぞれについて算出するビームスイープ手段と、前記算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する到来方向推定手段と、を具備する。
本発明の一態様の到来方向推定方法は、N(Nは、2以上の整数)個のアンテナ素子から構成され、アンテナ素子間の離間距離が受信信号の半波長より大きいアレーアンテナで受信した前記受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、各アンテナ素子で受信された受信信号をローカル信号でミキシングすることにより、中間周波数(IF)信号を形成し、前記ローカル信号の周波数を、周波数セットを構成する複数のターゲット周波数で順次切り替え、前記周波数セットには、前記受信信号の中心周波数を前記IF信号の基準周波数に合わせる中心ターゲット周波数、前記受信信号の最高周波数を前記基準周波数に合わせる最高ターゲット周波数、及び、前記受信信号の最低周波数を前記基準周波数に合わせる最低ターゲット周波数が含まれ、前記IF信号の内の一部の周波数成分のみを抽出し、前記抽出されたIF信号に基づいて相関行列を算出し、前記算出された相関行列及びアレイ応答ベクトルに基づいて、前記アレーアンテナを基準とする角度に対する信号強度を表す信号強度分布を、前記複数のターゲット周波数のそれぞれについて算出し、前記算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する。
本発明によれば、到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できる到来方向推定装置及び到来方向推定方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る到来方向推定装置の構成を示すブロック図 信号強度分布を示す図 信号強度分布を示す図 本発明の実施の形態2に係る到来方向推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る到来方向推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係る到来方向推定装置の構成を示すブロック図 原理説明に供する図 原理説明に供する図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
[実施の形態1]
[到来方向推定装置100の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る到来方向推定装置100の構成を示すブロック図である。図1において、送信機200は、UWB等の広帯域信号を送信する。そして、到来方向推定装置100は、送信機200から送信された広帯域信号の到来方向を推定する。到来方向推定装置100は、少なくとも送信機200から送信される広帯域信号の中心周波数、最低周波数、及び最高周波数に関する情報を予め保持している。
図1に示すように、到来方向推定装置100は、アンテナ素子101−1〜3を有するアレーアンテナ101と、ミキサ102−1〜3と、狭帯域フィルタ103−1〜3と、相関行列計算部104と、ビームスイープ部105と、到来方向推定部106と、周波数発生部107とを有する。なお、ここでは、アレーアンテナ101の有するアンテナ素子101の数、ミキサ102の数、及び狭帯域フィルタ103の数を3つとしているが、この数はこれに限定されるものではない。
アンテナ素子101−1〜3の間隔は、1/2波長より大きい値である。従って、グレーティングローブが発生することになるが、本実施の形態では、このグレーティングローブを到来方向の推定に積極的に用いる。
ミキサ102−1〜3は、アンテナ素子101−1〜3で受信された広帯域信号をそれぞれ入力とする。そして、ミキサ102−1〜3のそれぞれは、入力されるRF信号である広帯域信号を周波数発生部107から受け取るローカル信号によってミキシングすることにより、基準周波数を持つ中間周波数(IF)信号を得る。
周波数発生部107は、PLL周波数シンセサイザ等により構成され、ミキサ102−1〜3へローカル信号を出力する。このローカル信号が持つ周波数は、複数のターゲット周波数を含む周波数セットにおいて時分割で順次切り替えられる。周波数発生部107は、到来方向推定部106から切り替え制御信号を受け取ると、出力するローカル信号の周波数を切り替える。切り替えられる順番は、中心周波数を1番目として、中心周波数から近い周波数の順番とすることが好ましい。
周波数セットには、送信機200から送信される広帯域信号の中心周波数を上記IF信号の基準周波数にシフトできる周波数(以下では、中心ターゲット周波数と呼ばれることがある)、広帯域信号の最低周波数を上記IF信号の基準周波数にシフトできる周波数(以下では、最低ターゲット周波数と呼ばれることがある)、及び広帯域信号の最高周波数を上記IF信号の基準周波数にシフトできる周波数(以下では、最高ターゲット周波数と呼ばれることがある)が少なくとも含まれる。こうすることで、ミキサ102−1〜3では、広帯域信号の中心周波数が基準周波数に一致したIF信号、広帯域信号の最低周波数が基準周波数に一致したIF信号、及び広帯域信号の最高周波数が基準周波数に一致したIF信号が少なくとも得られる。
こうしてミキサ102−1〜3からは、周波数セットに含まれる複数のターゲット周波数のそれぞれに対応するIF信号が狭帯域フィルタ103−1〜3へ順次出力される。
狭帯域フィルタ103−1〜3は、ミキサ102−1〜3で得られたIF信号をそれぞれ入力とし、所定帯域内のIF信号成分のみを通過させる。所定帯域は、IF周波数帯であって、10〜100MHz程度の帯域幅を持つ帯域である。
狭帯域フィルタ103−1〜3は、送信機200におけるUWB信号の発生の仕方によって、その特性が決定される。例えば、インパルス方式のUWB信号の場合には、インパルス自体のパルス幅は、1〜2ナノ秒程度である。このため、インパルス方式のUWB信号は、2GHz程度の広い帯域幅を有する。しかし、この帯域内には、インパルスの繰り返し周波数に対応する周波数間隔で、線スペクトルが発生している。例えば、インパルスの間隔が10MHzである場合には、フーリエ級数展開からわかるように、10MHzの高調波が発生する。従って、狭帯域フィルタの帯域幅を10MHzとすれば、線スペクトルを抽出することができるので、アレイアンテナによる位相検出を正確に行うことができる。また、OFDM方式のUWB信号の場合には、上記所定帯域を、OFDM信号を構成するサブキャリアの帯域にすれば良い。
狭帯域フィルタ103−1〜3で抽出されたIF信号は、AD変換部(図示せず)でディジタル信号に変換されて、相関行列計算部104へ入力される。
相関行列計算部104は、入力されるディジタル信号を用いて、サンプル毎に各アンテナ素子の入力信号に対して相関行列Rを算出する。
ビームスイープ部105は、相関行列計算部104で算出された相関行列R及びアレイ応答ベクトルvを用いて、フーリエビームをアジマス角又はエレベーション角に対してスイープさせることにより、信号強度分布を得る。
具体的には、アレイ応答ベクトルvは、一般的に、次の式(1)によって表される。
Figure 2012013612
ここで、λは、波長を表し、dは、アレイアンテナの素子間隔を表し、θは、アレイのアジマス角を表し、Nは、アレイアンテナの素子数を表す。
また、ビームスイープは、次の式(2)で表される。
Figure 2012013612
ここで、vは、アレイ応答ベクトルを表し、Rは、相関行列計算部104で算出されたN(行)×N(列)の相関行列を表し、Tは、複素共役転置を表す。aは、信号強度であり、スカラー値として導出される。
上記した信号強度分布は、周波数セットに含まれる複数のターゲット周波数のそれぞれについて得られる。すなわち、ビームスイープ部105では、周波数セットに含まれる複数のターゲット周波数に対応する複数の信号強度分布が得られる。
到来方向推定部106は、ビームスイープ部105で得られた複数の信号強度分布に現れる所定の閾値以上の相対電力を有するピークを検出する。そして、到来方向推定部106は、検出されたピーク群の内、全ての信号強度分布でピーク位置が一致する角度を特定し、その特定された角度を到来方向とする。なお、到来方向推定部106は、複数のピークが誤差範囲内に含まれる場合には、その複数のピークの位置が一致していると見なす。また、到来方向推定部106は、ビームスイープ部105から信号強度分布を受け取ると、切り替え制御信号を周波数発生部107へ出力する。
[到来方向推定装置100及び送信機200の動作]
以上の構成を有する到来方向推定装置100及び送信機200の動作について説明する。
送信機200は、UWB信号を送信する。UWBは、日本の電波規定上では、450MHz以上の帯域をもつものとして規定されている。現状、マイクロ波UWBとしては、ハイバンドと言われる高い周波数の領域では、7.25GHzから10.25GHの帯域を用いることができる。この帯域の全てを送信機200が使用すると仮定すると、比帯域は、約34%になる。
送信機200から送信されたUWB信号は、到来方向推定装置100のアレイアンテナに入射する。ここで、アンテナ素子101−1〜3の間隔が3波長であるとして説明する。また、説明を簡単にするために、UWB信号の中心周波数が9GHz、最低周波数が8GHz、最高周波数が10GHzであり、UWB信号の帯域幅が2GHzであるものとして説明する。また、IF信号の基準周波数を3GHzとして説明する。
到来方向推定装置100において、周波数発生部107は、ミキサ102−1〜3へローカル信号を出力する。このローカル信号が持つ周波数は、複数のターゲット周波数を含む周波数セットにおいて時分割で順次切り替えられる。周波数セットには、中心ターゲット周波数、最低ターゲット周波数、及び最高ターゲット周波数が少なくとも含まれる。
すなわち、上記した前提の元では、周波数セットに含まれる中心ターゲット周波数、最低ターゲット周波数、及び最高ターゲット周波数は、それぞれ6GHz、5GHz、及び7GHzである。
まず、ミキサ102−1〜3は、入力されるUWB信号を、6GHzのローカル信号によってミキシングすることにより、第1のIF信号を得る。
この第1のIF信号は、狭帯域フィルタ103−1〜3で所定帯域の成分のみが抽出され、ディジタル信号に変換された後に、相関行列計算部104に入力される。
そして、相関行列計算部104は、入力されるディジタル信号を用いて、サンプル毎に各アンテナ素子の入力信号に対して相関行列Rを算出する。
そして、ビームスイープ部105は、相関行列計算部104で算出された相関行列R及びアレイ応答ベクトルvを式(2)に代入して、フーリエビームをアジマス角又はエレベーション角に対してスイープさせることにより、第1の信号強度分布を得る。
ここで、アレイアンテナの素子間隔dは、d=C/F*Iによって算出できる。Cは、光速であり、3*10^8[m/s]である。Fは、周波数であり、ここでは、9*10^9[Hz]である。また、Iは、素子間隔が波長の何倍であるかを示すので、3である。従って、d=0.1[m]である。また、素子数N=3である。アレイ応答ベクトルvは、このdとNとを用いて算出される。このとき、アジマス角θは、−90度から+90度まで振られる。
次に、ミキサ102−1〜3は、入力されるUWB信号を、5GHzのローカル信号によってミキシングすることにより、第2のIF信号を得る。この第2のIF信号について上記した第1のIF信号と同様の処理を行うことにより、第2のIF信号について第2の信号強度分布が得られる。
さらに、ミキサ102−1〜3は、入力されるUWB信号を、7GHzのローカル信号によってミキシングすることにより、第3のIF信号を得る。この第3のIF信号について上記した第1のIF信号と同様の処理を行うことにより、第3のIF信号について第3の信号強度分布が得られる。
図2は、信号強度分布を示す図である。図2において、破線は、第2の信号強度分布を示し、実線は、第1の信号強度分布を示し、一点鎖線は、第3の信号強度分布を示す。また、図2Aには、角度0度方向が到来方向である場合の信号強度分布が示され、図2Bには、角度60度方向が到来方向である場合の信号強度分布が示されている。
まず、第1の信号強度分布に着目すると、相対電力がゼロデシベルとなる複数のピークが存在する。まず、真の到来方向である角度0度の位置に、ピークP201が現れる。また、真の到来方向以外(つまり、偽の方向)である角度の位置にも、ピークが現れる。例えば、角度20度付近に現れるピークP211、角度40度付近に現れるピークP221が、偽の方向に現れるピークである。これらの偽の方向のピークは、グレーティングローブの影響によって現れる。図2Aでは、合計4つの偽の方向のピークが現れている。
次に、第2の信号強度分布に着目すると、第1の信号強度分布と同様に、真の到来方向である角度0度の位置にピークが現れる。すなわち、真の到来方向では、第1の信号強度分布と第2の信号強度分布とでピークの位置が一致する。これに対して、偽の方向では、第1の信号強度分布と第2の信号強度分布とでピークの位置にズレが生じる。例えば、第2の信号強度分布において角度40度の周辺に現れるピークP223の位置は、第1の信号強度分布におけるピークP221の位置からずれている。
この傾向は、第3の信号強度分布も共通する。ただし、第2の信号強度分布では、第1の信号強度分布に比べて、角度の大きい側にピークがずれて現れるのに対して、第3の信号強度分布では、角度の小さい側にピークがずれて現れる。また、図2Bでも同様の傾向が現れている。
以上のことから、第1の信号強度分布、第2の信号強度分布、及び第3の信号強度分布において、出現位置の一致するピークの位置を特定すれば、真の到来方向を特定することができる。
このため、到来方向推定部106は、ビームスイープ部105で得られた複数の信号強度分布に現れるピーク群の内、全ての信号強度分布でピーク位置が一致する角度を特定し、その特定された角度を到来方向とする。
以上のように本実施の形態によれば、到来方向推定装置100において、到来方向推定部106が、ビームスイープ部105で算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する。
こうすることで、受信信号が広帯域信号である場合、偽の到来方向に対応する角度では複数の信号強度分布で出現するピークの位置が一致しないという特性を利用して、真の到来方向を推定することができる。従って、到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、用いられたターゲット周波数の異なる全てのIF信号に対して全角度でビームスイープを行った。これに対して、実施の形態2では、最初に1つのIF信号に対して全角度でビームスイープを行って1つの信号強度分布が得られた時点でピーク位置を特定し、次のIF信号に対してはその特定されたピーク位置の周辺でのみビームスイープを行う。これにより、処理量を低減することができる。
図3は、本発明の実施の形態2に係る到来方向推定装置300の構成を示すブロック図である。図3において、到来方向推定装置300は、ビームスイープ部301と、到来方向推定部302とを有する。
ビームスイープ部301は、最初のターゲット周波数に対応する相関行列Rを用いてビームスイープする場合には、全角度でビームスイープする。一方、2番目以降のターゲット周波数に対応する相関行列を用いてビームスイープする場合には、ビームスイープ部301は、到来方向推定部302から受け取るピーク位置情報の示す角度を含むピーク周辺角度範囲でのみビームスイープする。
ピーク周辺角度範囲としては、例えば、最初の信号強度分布に基づいて到来方向推定部302で特定されたピーク付近のビーム範値幅の範囲(つまり、ピーク位置のプラスマイナス5度の範囲)とすることができる。ピーク位置情報は、前回までに得られた信号強度分布に基づいて到来方向推定部302で特定されたピークの位置を示す情報である。こうすることで、実施の形態1に比べて、ビームスイープ処理量を低減することができる。
到来方向推定部302は、ビームスイープ部301から信号強度分布を受け取る度に、その信号強度分布におけるピークの位置を検出する。検出されたピークの位置に関する情報は、到来方向推定部302に保持されると共に、ビームスイープ部301へピーク位置情報としてフィードバックされる。
以上のように本実施の形態によれば、到来方向推定装置300において、到来方向推定部302は、ビームスイープ部301で第1のターゲット周波数に対応するIF信号から算出された第1の信号強度分布を取得した時点で、第1の信号強度分布に出現するピーク群を特定すると共に、特定されたピーク群が出現する角度に関する角度情報をビームスイープ部301へフィードバックする。
このフィードバックを用いて、ビームスイープ部301が、第2のターゲット周波数に対応するIF信号から第2の信号強度分布を算出する際に、角度情報の示す角度の周辺でのみビームスイープする。
こうすることで、実施の形態1に比べて、ビームスイープ処理量を低減することができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、ピークの特定時に、そのピークに対応する角度方向の絶対受信電力又は電界強度が一定レベル以下のピークを排除する。
図4は、本発明の実施の形態3に係る到来方向推定装置400の構成を示すブロック図である。図4において、到来方向推定装置400は、到来方向推定部401を有する。
到来方向推定部401は、ビームスイープ部105で得られた複数の信号強度分布に現れる所定の閾値以上の相対電力を有するピークを検出する。そして、到来方向推定部401は、検出されたピークに対応する角度方向の絶対受信電力又は電界強度に関する情報を取得する。
そして、到来方向推定部401は、検出されたピーク群の内、全ての信号強度分布でピーク位置が一致する角度を特定し、その特定された角度を到来方向とする。
ただし、実施の形態3では、到来方向推定部401は、検出されたピーク群の内、ピークに対応する角度方向の絶対受信電力又は電界強度が一定レベル以下のピークを、角度特定処理の対象ピークから排除する。具体的には、到来方向推定部401は、絶対受信電力(又は電界強度)の最大値から所定値以上の電力差(又は、強度差)のある絶対受信電力(又は電界強度)を持つピークを、角度特定処理の対象ピークから排除する。例えば、上記した所定値以上の電力差(又は、強度差)を、10dBとすることができる。
ここで、電波伝搬環境においては、実際上、周波数選択性フェージングが生じるため、特定の周波数成分が極端に減衰することが想定される。この減衰は、到来方向の推定結果の精度に悪い影響を及ぼす。従って、上記のように、到来方向推定部401が、検出されたピーク群の内、ピークに対応する角度方向の絶対受信電力又は電界強度が一定レベル以下のピークを、角度特定処理の対象ピークから排除することにより、到来方向の推定結果の精度を向上させることができる。
実施の形態1で示した第1〜第3の信号強度分布を用いて到来方向を推定する例を採用すると、1つの信号強度分布のピークを排除しても、他の2つの信号強度分布のピークを用いて到来方向の推定を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、到来方向推定装置400において、到来方向推定部401が、絶対受信電力又は電界強度が一定レベル以下である角度に出現するピークを、到来方向の推定に用いる対象ピークから排除する。
こうすることで、到来方向の推定結果の精度を向上させることができる。
[実施の形態4]
実施の形態4では、実施の形態1と同様に、到来方向推定部が、ビームスイープ部105で得られた複数の信号強度分布に現れる所定の閾値以上の相対電力を有するピークを検出する。そして、到来方向推定部は、検出されたピーク群の内、全ての信号強度分布でピーク位置が一致する角度を特定する。さらに、実施の形態4では、複数の信号強度分布において、複数の構成ピークについて所定の配置関係を有するピークグループを特定する。
そして、到来方向推定部は、上記特定された角度のピークと、上記ピークグループの構成ピークとのピーク間隔が所定のピーク数である場合に初めて、その特定された角度を到来方向とする。こうすることで、到来方向の推定精度をさらに向上させることができる。なお、ピークグループは、複数の信号強度分布において互いに対応する複数のピークから構成される。
図5は、本発明の実施の形態4に係る到来方向推定装置500の構成を示すブロック図である。図5において、到来方向推定装置500は、到来方向推定部501を有する。
到来方向推定部501は、ビームスイープ部105で得られた複数の信号強度分布に現れる所定の閾値以上の相対電力を有するピークを検出する。更に、到来方向推定部501は、検出されたピーク群の内、全ての信号強度分布でピーク位置が一致する角度を特定する。
また、到来方向推定部501は、複数の信号強度分布において、複数の構成ピークについて「所定の配置関係」を有するピークグループを特定する。
「所定の配置関係」とは、具体的には次の関係を言う。すなわち、ピークグループ内の1つのピークの中心位置に、それ以外のピークの裾部分(つまり、ビームパターンのヌル方向に対応する部分)が位置する関係である。この所定の配置関係を有するとき、1つのピークと、他のピークとの間で、直交関係が成り立っている。
ここで、「所定の配置関係」を満たすピークグループの構成ピークと、上記特定された角度のピークと、のピーク間隔は、システム仕様によって予め決まっている。従って、到来方向推定部501が、「所定の配置関係」を満たすピークグループの構成ピークと上記特定された角度のピークとのピーク間隔が、システム仕様によって決まる所定のピーク数に一致するときに、上記特定された角度を到来方向とする。これにより、到来方向の推定精度をさらに向上させることができる。
次に、原理について詳細に説明する。
アレイアンテナの原理によれば、真のビーム方向及びグレーティングローブの方向では、アレイアンテナにおける隣接素子間に入射する信号の位相が、360度の倍数で増加又は減少する。例えば、図2Aにおいて、0度方向から入射する信号については、ピークP201では各素子間の位相差は0度である。しかしながら、ピークP201に隣接するピークP211では各素子間の位相差は360度であり、2番目に隣接するピークP221では各素子間の位相差は720度(つまり、360度の2倍)である。
このように、波長の整数倍でピークが加算されるために、互いに強め合うグレーティングローブが出現する。より詳細には、図6Aに示すように、アンテナ素子101−1〜3に0度方向からの電波が入射する場合には、波面がアンテナ素子101−1〜3に同時に入射される。従って、入射される信号を同相加算すれば、信号は強められる。
一方、図6Bに示すように、アンテナ素子101−1〜3に対して、波面が1波長ずれた状態で入射したとしても、アレイアンテナに対して入射される信号としては、図6Aの場合と全く同じ信号である。このため、図6Aの状況と、図6Bの状況とを区別することは困難である。従って、到来方向の推定アルゴリズムでは、図6Aの入射方向及び図6Bの入射方向のいずれも、真の到来方向としての可能性がある。このため、グレーティングローブが観測されることになる。
しかしながら、入射信号がUWB等の広帯域信号である場合には、周波数比帯域幅が広い。このため、広帯域信号の中心周波数にとっては、アンテナ素子の位置関係が、同相合成されるような位相関係であっても、広帯域信号の最低周波数および最高周波数にとっては、逆相合成される位置関係であることがあり得る。
具体的には、図7Aに示すように、中心周波数f0の信号成分は、アンテナ素子101−1〜3に対してM波長(Mは整数)ずれて入射されるような到来角の場合について、説明する。
UWB信号の上限周波数f1の信号成分が、中心周波数f0の信号成分と120°ずれて入射されるときには、アンテナ素子101−1に入射する上限周波数f1の信号成分は、アンテナ素子101−2に入射する上限周波数f1の信号成分に対して120°位相が進んだ状態で入射する。
更に、アンテナ素子101−1に入射する上限周波数f1の信号成分は、アンテナ素子101−3に入射する上限周波数f1の信号成分に対して120°位相が遅れた状態で入射する。
すなわち、一般的に述べれば、複数の信号成分の周波数のズレに比例して、その複数の信号成分間で位相もずれる。このため、周波数の異なる複数の信号成分間の、グレーティングローブに対応するピークの位相差も、帯域幅の割合の2分の1の位相だけ360度に対してずれる。従って、特定のグレーティングローブ方向においては、上限周波数の信号成分は120°だけ進んだ位相状態で入射する一方、下限周波数の信号成分は120°だけ遅れた位相状態で入射する。
図7Bは、図2BにおけるピークP251,P252,P253の部分を抜き出した、信号強度分布である。グレーティングローブに対応するピークP252は、中心ターゲット周波数に対応する信号成分のピークであり、真の方向のピークに対して3番目に隣接するピークに相当する。
また、グレーティングローブに対応するピークP251は、最低ターゲット周波数に対応する信号成分のピークであり、真の方向のピークに対して3番目に隣接するピークに相当する。また、グレーティングローブに対応するピークP253は、最高ターゲット周波数に対応する信号成分のピークであり、真の方向のピークに対して3番目に隣接するピークに相当する。
すなわち、ピークP252と真のピークと位相差は、360度の3倍だけ存在する。一方、UWB信号の下限周波数(8GHz)及び上限周波数(10GHz)は、中心周波数(9GHz)に対して11パーセントだけ異なる。従って、ピークP251及びピークP253と、ピークP252との位相差は、360度の3倍の11パーセント、つまり、120度だけ異なる。
以上のように図7Bに示すピークP251,P252,P253の「配置関係」は、次のようになっている。すなわち、アレーアンテナを構成するアンテナ素子が3つである場合、アンテナ素子に入射する信号成分の位相差が120度であるとき、入射信号ベクトルを合成した結果は、ヌルとなる。従って、ピークP251及びピークP253に対応するビームは、ピークP252の方向でヌルポイントになる。
ここで、「所定の配置関係」を満たすピークグループは、次の(1)〜(3)のいずれかの特定方法によって特定することができる。
(1)中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、そのピークの中心の角度方向における最低ターゲット周波数に対応するピークの電力との差が、最大となるピークグループを特定する。
(2)中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、そのピークの中心の角度方向における最高ターゲット周波数に対応するピークの電力との差が、最大となるピークグループを特定する。
(3)中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、そのピークの中心の角度方向における最低ターゲット周波数に対応するピークの電力及びそのピークの中心の角度方向における最高ターゲット周波数に対応するピークの電力の平均電力との差が、最大となるピークグループを特定する。
アレーアンテナを構成するアンテナ素子の数が3つの場合には、これらの特定方法を用いてピークグループを特定すると、真の到来方向のピークに対して、3番目に隣接するピークから構成されるピークグループが特定されることになる。
また、上記した「所定の配置関係」を満たすピークグループが真の到来方向のピークからK番目に隣接するピークから構成されるときのKの値は、次のように求めることができる。
アレーアンテナを構成するアンテナ素子の数がN個であり、アンテナ素子に入射する信号ベクトルの合成結果がヌルとなる場合、隣接する2つのアンテナ素子に入射する信号間の位相差は、360/N度である。
また、周波数比帯域がXパーセントである場合、真の到来方向のピークからK番目に隣接するピークの角度方向から信号が入射したとき、隣接する2つのアンテナ素子に入射する信号間の位相差は、X/100/2*K*360度である。
従って、素子数N、周波数比帯域Xはシステム仕様によって予め決まっているので、上記したヌルとなる場合の位相差と最も近い位相差となるKを求めれば良い。
以上のように本実施の形態によれば、到来方向推定装置500において、到来方向推定部501が、中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、その中心の角度方向における最低ターゲット周波数に対応するピークの電力との差が、最大となるピークグループを特定する。また、到来方向推定部501は、特定されたピークグループを構成するピークと、出現位置が略一致すると特定された角度に出現するピークとの間隔が規定値であるときに、その略一致すると特定された角度を到来方向と見なす。
こうすることで、到来方向の推定精度をさらに向上させることができる。
なお、上記説明では、実施の形態1と同様にして真の到来方向と推定されるピークを特定する。更に、上記説明では、「所定の配置関係」を満たすピークグループと、上記した真の到来方向と推定されるピークと、のピーク間隔が所定の値となるときに初めて、暫定的に真の到来方向と推定しておいたピークの方向を真の到来方向とするものとした。
すなわち、「所定の配置関係」を満たすピークグループと、上記した真の到来方向と推定されるピークと、のピーク間隔が所定の値となることを、真の到来方向であるか否かについての補充的な判断材料として用いた。これに対して、「所定の配置関係」を満たすピークグループを特定し、そのピークグループを構成するピークからK番目に隣接するピークの角度方向を、真の到来方向として特定しても良い。
[他の実施の形態]
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本発明の到来方向推定装置及び到来方向推定方法は、到来波がUWBの様な広帯域信号であっても、その到来波の送信源の方向を精度良く推定できるものとして有用である。
100,300,400,500 到来方向推定装置
101 アレーアンテナ
102 ミキサ
103 狭帯域フィルタ
104 相関行列計算部
105,301 ビームスイープ部
106,302,401,501 到来方向推定部
107 周波数発生部
200 送信機

Claims (7)

  1. N(Nは、2以上の整数)個のアンテナ素子から構成され、アンテナ素子間の離間距離が受信信号の半波長より大きいアレーアンテナで受信した前記受信信号の到来方向を推定する到来方向推定装置であって、
    各アンテナ素子で受信された受信信号をローカル信号でミキシングすることにより、中間周波数(IF)信号を形成するミキサと、
    前記ローカル信号の周波数を、周波数セットを構成する複数のターゲット周波数で順次切り替える手段であって、前記周波数セットには、前記受信信号の中心周波数を前記IF信号の基準周波数に合わせる中心ターゲット周波数、前記受信信号の最高周波数を前記基準周波数に合わせる最高ターゲット周波数、及び、前記受信信号の最低周波数を前記基準周波数に合わせる最低ターゲット周波数が含まれる、周波数発生手段と、
    前記IF信号の内の一部の周波数成分のみを抽出するフィルタと、
    前記フィルタで抽出されたIF信号に基づいて相関行列を算出する相関行列算出手段と、
    前記算出された相関行列及びアレイ応答ベクトルに基づいて、前記アレーアンテナを基準とする角度に対する信号強度を表す信号強度分布を、前記複数のターゲット周波数のそれぞれについて算出するビームスイープ手段と、
    前記算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する到来方向推定手段と、
    を具備する到来方向推定装置。
  2. 前記到来方向推定手段は、前記ビープスイープ手段で第1のターゲット周波数に対応するIF信号から算出された第1の信号強度分布を取得した時点で、前記第1の信号強度分布に出現するピーク群を特定すると共に、前記特定されたピーク群が出現する角度に関する角度情報を前記ビームスイープ手段へフィードバックし、
    前記ビームスイープ手段は、第2のターゲット周波数に対応するIF信号から第2の信号強度分布を算出する際に、前記角度情報の示す角度の周辺でのみビームスイープする、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  3. 前記到来方向推定手段は、絶対受信電力又は電界強度が一定レベル以下である角度に出現するピークを、到来方向の推定に用いる対象ピークから排除する、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  4. 前記到来方向推定手段は、前記中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、前記中心の角度方向における前記最低ターゲット周波数に対応するピークの電力との差が、最大となるピークグループを特定し、前記特定されたピークグループを構成するピークと、前記特定された角度に出現するピークとの間隔が規定値であるときに、前記特定された角度を到来方向と見なす、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  5. 前記到来方向推定手段は、前記中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、前記中心の角度方向における前記最高ターゲット周波数に対応するピークの電力との差が、最大となるピークグループを特定し、前記特定されたピークグループを構成するピークと、前記特定された角度に出現するピークとの間隔が規定値であるときに、前記特定された角度を到来方向と見なす、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  6. 前記到来方向推定手段は、前記中心ターゲット周波数に対応するピークの中心の電力と、前記中心の角度方向における前記最低ターゲット周波数に対応するピークの電力及び前記中心の角度方向における前記最高ターゲット周波数に対応するピークの電力の平均電力との差が、最大となるピークグループを特定し、前記特定されたピークグループを構成するピークと、前記特定された角度に出現するピークとの間隔が規定値であるときに、前記特定された角度を到来方向と見なす、
    請求項1に記載の到来方向推定装置。
  7. N(Nは、2以上の整数)個のアンテナ素子から構成され、アンテナ素子間の離間距離が受信信号の半波長より大きいアレーアンテナで受信した前記受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
    各アンテナ素子で受信された受信信号をローカル信号でミキシングすることにより、中間周波数(IF)信号を形成し、
    前記ローカル信号の周波数を、周波数セットを構成する複数のターゲット周波数で順次切り替え、前記周波数セットには、前記受信信号の中心周波数を前記IF信号の基準周波数に合わせる中心ターゲット周波数、前記受信信号の最高周波数を前記基準周波数に合わせる最高ターゲット周波数、及び、前記受信信号の最低周波数を前記基準周波数に合わせる最低ターゲット周波数が含まれ、
    前記IF信号の内の一部の周波数成分のみを抽出し、
    前記抽出されたIF信号に基づいて相関行列を算出し、
    前記算出された相関行列及びアレイ応答ベクトルに基づいて、前記アレーアンテナを基準とする角度に対する信号強度を表す信号強度分布を、前記複数のターゲット周波数のそれぞれについて算出し、
    前記算出された複数の信号強度分布で出現するピークの位置が略一致する角度を特定する、
    到来方向推定方法。
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