JP2012013413A - 貯湯式給湯システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現時刻から単位期間が終了するまでの間の各々の予測給湯負荷に対しても、現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間の予測給湯負荷の積算値より、起動時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量と、起動時刻における貯湯タンク1の蓄熱量との和が大きくなるように、起動時刻を求めるものである。
【選択図】図1
Description
また、給湯負荷の発生に対して湯切れの生じることのないように、事前に加熱手段により沸上げられた給湯用の湯を貯湯タンクに溜めておき、当該貯湯タンクから給湯を行うシステムである。
これにより、大出湯に要する湯の沸上げを、その大出湯の発生時間に近づけることにより、貯湯タンクからの放熱ロスが減少し、システムの効率が改善する。
このため、貯湯タンクにおける湯切れを抑えつつ、貯湯タンクからの放熱ロスを抑えることができる。
図1は本発明の実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成図である。
本実施の形態における貯湯式給湯システムは、貯湯タンク1、加熱手段2、循環ポンプ3、混合手段4、加熱用配管301、給水用配管302、導出用配管303、混合用配管304、給湯用配管305、及び制御手段100を備えている。
加熱手段2は、加熱用配管301の途中に接続される。この加熱手段2は、例えばヒートポンプサイクルを用いて構成される。
循環ポンプ3は、加熱用配管301の途中に接続される。
混合手段4は、導出用配管303に接続される。
加熱用配管301は、貯湯タンク1の下部と上部とを接続する。
給水用配管302は、貯湯タンク1の下部に接続される。
導出用配管303は、貯湯タンク1の上部に接続される。
混合用配管304は、給水用配管302から分岐して混合手段4に接続される。
給湯用配管305は、混合手段4にて混合された湯を、使用される負荷側に供給する。
制御手段100は、加熱手段2、循環ポンプ3、及び混合手段4の動作を制御する。
なお、ここでは、貯湯温度センサーの個数が6個の場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、貯湯タンク1の内部の温度分布を測るのに充分な数の温度センサーを設けるようにしても良い。
給水用配管302には、給水温度を検出するための給水温度センサー504が設けられている。なお、この給水温度センサー504は、混合用配管304に設けても良い。
導出用配管303には、貯湯タンクから導出される湯温を検出するための導出温度センサー503が設けられている。
給湯用配管305には、負荷側で使用される湯温を検出するための給湯温度センサー505が設けられている。
給湯用配管305には、負荷側で使用される湯量を検出する給湯流量センサー601が設けられる。
図2に示すように、制御手段100は、蓄熱量算出手段101、給湯負荷算出手段102、給湯負荷記憶手段103、給湯負荷予測手段104、及び加熱制御手段105を有する。
この制御手段100は、入力されたこれらの情報に基づいて、加熱手段2、循環ポンプ3、及び混合手段4を制御する。詳細は後述する。
なお、図示しない給湯温度指定手段により指定される給湯温度に基づいて、貯湯タンク1内の給湯に利用可能な蓄熱量を算出するようにしても良い。
また、給湯負荷算出手段102は、単位時間(例えば1秒)当たりに負荷側に供給された熱量(給湯負荷)の実績と、連続出湯中の積算給湯負荷と、単位期間(例えば1日)分の積算給湯負荷とを算出する。
次に、本実施の形態における貯湯式給湯システムの動作について説明する。
まず、本実施の形態における貯湯式給湯システムの基本的な動作を説明する。
貯湯タンク1の下部に、給水用配管302を通じて低温の水が流入して溜められる。
貯湯タンク1の下部から溜められた低温の水は、循環ポンプ3によって加熱用配管301に引き込まれ、加熱手段2に導かれる。
加熱手段2は、導かれた低温の水を加熱して、高温の湯に沸上げる。
沸上げられた高温の湯は、加熱用配管301を通じて貯湯タンク1の上部から流入し、溜められる。
混合手段4は、給水用配管302から分岐させた混合用配管304を通じて水を導き、貯湯タンク1から導いた湯と混合させ、給湯用配管305を通じて負荷側へ供給する。
次に、過去の給湯負荷の実績に基づいて、現時刻以降の給湯負荷を予測する動作について説明する。
なお、以下の説明においては、給湯負荷は、平均的な給湯温度(例えば42℃)での湯量に換算した値を示す。
また、図3においては、給湯負荷を[L/分]の単位で、積算給湯負荷を[L]の単位で表す。また、時間帯の例として、18:00〜24:00を示した。
給湯負荷算出手段102は、常時又は定期的に、給湯流量センサー601の出力と、給湯温度センサー505の出力とを監視する。
そして、給湯負荷算出手段102は、給湯温度センサー505の出力と、給湯流量センサー601との出力に基づいて、単位時間(例えば1秒)当たりに負荷側に供給される給湯負荷を算出する。
給湯負荷算出手段102は、給湯負荷が連続する1回の出湯(以下「連続出湯」ともいう。)における給湯負荷の積算値である「連続出湯中の積算給湯負荷」を算出する。
給湯負荷算出手段102は、逐次、「連続出湯中の積算給湯負荷」を算出して、現時刻の給湯を含む「連続出湯中の積算給湯負荷」を更新する。
給湯負荷算出手段102は、単位期間(例えば1日)分の給湯負荷の積算値の実績である積算給湯負荷実績として「単位期間分の積算給湯負荷」を算出する。
給湯負荷算出手段102は、逐次、この「単位期間分の積算給湯負荷」を算出して、現時刻の給湯を含む「単位期間分の積算給湯負荷」を更新する。
なお、図3においては、単位期間を1日とした場合を示している。
なお、単位期間は1日に限るものではなく、任意の期間とすることができる。例えば、半日や2日としても良い。
給湯負荷記憶手段103は、「単位期間分の積算給湯負荷」の情報を記憶する。
図3の例では、1日の積算給湯負荷[L]として、600Lを記憶する。
図3の例では、連続出湯の積算給湯負荷が30L以上の出湯を大出湯とし、各大出湯について、1回の連続出湯の積算給湯負荷、連続出湯の開始時刻及び終了時刻の情報を、それぞれ記憶する。
例えば、給湯負荷記憶手段103は、出湯の終了時刻と次回の出湯開始時刻との時間間隔が、5分以内といった短い時間の場合、これらの出湯を連続した1回の出湯とみなして記憶しても良い。
これにより、例えば1人当たりのシャワーのような、断続的であるが大きい積算給湯負荷を1回の給湯として把握することができる。
例えば出湯終了時刻の代わりに、出湯の連続時間や、単位時間当たりの給湯負荷の平均値を記憶しても良い。
給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103に記憶された過去の積算給湯負荷実績に基づいて、現時刻を含む単位期間における積算給湯負荷を予測する。
また、給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103の情報に基づいて、現時刻以降の大出湯についての積算給湯負荷、出湯開始時刻、及び出湯終了時刻を予測する。
なお、給湯負荷を予測する期間はこれに限らず、任意の期間における給湯負荷を予測しても良い。例えば、半日又は2日分の給湯負荷を予測するようにしても良い。
各大出湯の開始時刻として、過去の各大出湯のうち開始時刻が最も早い時刻を採用して、予測値とする。
各大出湯の1回の積算給湯負荷として、過去の積算給湯負荷のうち最も大きい値を採用して、予測値とする。
各大出湯の終了時刻としては、連続出湯の時間間隔(終了時刻から開始時刻を減算した時間間隔)が最も長いものを採用して、上記予測した開始時刻に連続出湯の時間を加算した時刻を予測値とする。
また、1日分の積算給湯負荷として、過去の実績のうち1日の積算給湯負荷が採用して、予測値とする。
例えば、出湯量を一般的な値(例えば8〜15L/分)として仮定する方法や、開始時刻にて即座に出湯が完了する(つまり、出湯量無限大)と仮定する方法もある。
この場合、給湯負荷記憶手段103にて、給湯の終了時刻を特定するのに必要な情報は記憶しなくても良い。これにより、制御の簡易化を図ることができる。
次に、予測された給湯負荷(以下「予測給湯負荷」ともいう。)に基づいて、加熱手段2の起動時刻を算出する動作について説明する。
図5(a)は、給湯負荷予測手段104によって予測された給湯負荷(大出湯)を示している。
図5(b)は、予測された給湯負荷に対して、従来技術に基づいて加熱手段2を起動した場合の貯湯タンク1の蓄熱量を示している。
図5(c)は、本実施の形態1における動作により加熱手段2を起動した場合の積算給湯負荷、及び貯湯タンク1の蓄熱量と加熱手段2による沸上げ熱量との加算値を示している。
一般的に、1日で最大の出湯となる風呂の湯張りと、湯張り後の最初のシャワーとの時間間隔は、短時間であることが多い。
しかし、従来技術(例えば特許文献2)では、直近に予測される大出湯への対応を終えてから次の大出湯の予測を行う(例えば特許文献2段落[0141]参照)。
このため、例えば図5(b)に示すように、大出湯同士の時間間隔が短い場合に、直近の大出湯では湯切れが起きなくても、次の大出湯の間に湯切れが発生する可能性がある。
このような、湯切れを防止する本実施の形態1における、起動時刻の算出動作について説明する。
つまり、加熱制御手段105は、現時刻から単位期間が終了するまでの間の各々の予測給湯負荷に対しても、現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間の予測給湯負荷の積算値より、起動時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に加熱手段2によって沸上げ可能な熱量と、起動時刻における貯湯タンク1の蓄熱量との和が大きくなるように、起動時刻を求める。そして、制御手段100は、求めた起動時刻に加熱手段2を起動する。
なお、この起動時刻の算出動作は、単位期間開始時、任意の時刻、又は逐次行うようにしても良い。
なお、図5(c)においては、加熱手段2の加熱能力(単位時間当たりに沸上げ可能な熱量)が2[L/分]の場合を示している。
まず、加熱制御手段105は、大出湯1の終了時刻(19時05分)までの予測給湯負荷の積算値を求める。ここでは200Lである。
加熱制御手段105は、大出湯1に対して湯切れが発生しない起動時刻を求める。ここでは、200Lから貯湯タンク1の熱量である50Lを減算した150Lが、大出湯1までに加熱手段2が沸き上げる熱量となる。
よって、この場合、150[L]を2[L/分]で割った値である75分が、大出湯1に対して沸き上げるのに必要な時間となる。
したがって、大出湯1に対して湯切れが発生しない時刻は、大出湯1の終了時刻(19時05分)から75分を引いた17時50分以前の時刻となる。
加熱制御手段105は、大出湯2より前の全ての大出湯、即ち大出湯1及び大出湯2に対して湯切れが発生しない起動時刻を求める。ここでは、325Lから貯湯タンク1の熱量である50Lを減算した275Lが、大出湯2の終了時刻までに加熱手段2が沸き上げる熱量となる。
よって、この場合、325[L]を2[L/分]で割った値である162分30秒が、大出湯1及び大出湯2に対して沸き上げるのに必要な時間となる。
したがって、湯切れが発生しない時刻は、大出湯2の終了時刻(19時32分30秒)から162分30秒を引いた17時50分以前の時刻となる。
また、同様に、大出湯4に対して湯切れが発生しない時刻は、18時00分以前の時刻となる。
図5の例では、例えば加熱手段2の起動時のエネルギーロスを考慮して所定時間を減算した時刻を、起動時刻とする。ここでは、17時5分を起動時刻としている。
なお、これに限らず、各大出湯に対する湯切れが発生しない時刻を起動時刻としても良い。
本実施の形態によれば、直近に予測される大出湯だけでなく、単位期間中(例えば1日)の現時刻以降に予測される全ての大出湯を考慮して加熱手段2の起動時刻を定めることができる。
このため、時間間隔の短い複数の大出湯が予測される場合でも、湯切れを起こす可能性を低減させることができる。
また、貯湯タンク1における蓄熱量を最小限に抑えて放熱ロスを最小限とすることができる。
これにより、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
本実施の形態2においては、加熱手段2の起動・停止によるエネルギーロスを低減させる動作について説明する。
なお、本実施の形態2における貯湯式給湯システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一符号を付する。
まず、貯湯タンク1の蓄熱量を最小化して、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスを低減する、加熱手段2の起動・停止の動作について説明する。
図6(a)は、給湯負荷予測手段104によって予測された給湯負荷(大出湯)を示している。ここでは、上記実施の形態1と同様の予測給湯負荷を採用している。
図6(b)は、貯湯タンク1の蓄熱量(上段)と、加熱手段2の加熱能力(下段)とを示している。なお、加熱能力ゼロは加熱手段2が停止していることを示す。
例えば、大出湯3の終了時点(20時32分30秒)を現時刻とした場合を考える。
上述したように、加熱手段2は、17時05分に起動される。
ここで、加熱手段2の起動(17時05分)から現時刻(20時32分30秒)までに、加熱手段2によって沸上げられた熱量は、207分30秒に2[L/分]を乗じた値である414.5[L]である。
そして、この熱量と、起動前の貯湯タンク1の蓄熱量50Lとの加算値は464.5[L]である。
一方、大出湯3終了までの積算給湯負荷は450Lである。
即ち、大出湯3終了時点での貯湯タンク1の蓄熱量は、4.5Lとなる。
加熱制御手段105は、大出湯4に対して湯切れが発生しない起動時刻を求める。ここでは、100Lから貯湯タンク1の熱量である4.5Lを減算した95.5Lが、大出湯4までに加熱手段2が沸き上げる熱量となる。
よって、この場合、95.5[L]を2[L/分]で割った値である47分45秒が、大出湯4に対して沸き上げるのに必要な時間となる。
したがって、大出湯4に対して湯切れが発生しない時刻は、大出湯4の終了時刻(22時10分)から47分45秒を引いた21時22分15秒となる。
そして、加熱制御手段105は、上記21時22分15秒を基準にして、加熱手段2を再び起動させる時刻を定める。ここでは、21時20分を起動時刻としている。
即ち、加熱手段2の起動後、暫くの間は加熱手段2による沸上げ温度が目標値に届かず、目標値に届くまでに入力したエネルギーが無駄になる場合がある。
また、温度の低い湯が過去に沸上げられた湯に混ぜられてエネルギーの無駄が生じる場合がある。
即ち、加熱手段2の稼働を一旦停止して再起動するまでの時間が、ある一定時間を超えると、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスより、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスが大きくなる。
このため、加熱手段2の稼働を一旦停止した場合に想定される再起動するまでの時間間隔に応じて、加熱手段2の稼働を停止するか又は稼働を継続するかを判断することができる。
このような動作の詳細を、図7を用いて説明する。
図7は本発明の実施の形態2に係る加熱手段2の起動・停止方法を表したタイムチャートである。
図7(a)は、給湯負荷予測手段104によって予測された給湯負荷(大出湯)を示している。ここでは、上記実施の形態1と同様の予測給湯負荷を採用している。
図7(b)は、貯湯タンク1の蓄熱量(上段)と、加熱手段2の加熱能力(下段)とを示している。なお、加熱能力ゼロは加熱手段2が停止していることを示す。
図7の例では、現時刻を大出湯3の終了時点(20時32分30分)とすると、上述したとおり、次回の起動時刻となる大出湯4の起動時刻は21時20分である。
そして、当該時間間隔が、所定時間以下である場合、加熱手段2の稼動を継続する。
一方、当該時間間隔が、所定時間以上である場合、上述したように、加熱手段2の稼動を停止する。
図7の例では、次回の起動時刻と想定される大出湯4の起動時刻は21時20分と、現時刻(20時32分30秒)との時間間隔は、47分30秒となる。
そして、図7(b)の下段に示すように、この時間間隔(47分30秒)が、所定時間(例えば60分)以下である場合、加熱手段2の稼動を継続する。
図7の例では、現時点以降に予測される大出湯4に対して、湯切れを起こさない蓄熱量を貯湯タンク1に沸き上げたとき、加熱手段2を停止する。
例えば、予め記憶された、貯湯タンク1から放熱される単位時間当たりの熱量に、当該時間間隔を乗ずることにより、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスを求めることができる。
そして、算出した貯湯タンク1からの放熱エネルギーロスと、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスとを比較し、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスより、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスが小さい場合、加熱手段2の稼動を停止する。一方、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスより、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスが大きい場合、加熱手段2の稼動を継続する。
なお、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスは、予め記憶するようにしても良いし、加熱手段2の加熱能力や給水温度などに応じて算出しても良い。
このため、貯湯タンクにおける湯切れを抑えつつ、加熱手段の起動・停止に起因する無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
このため、早期に沸上げた湯が貯湯タンク1から外界へ放熱するエネルギーロス、又は加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスのうち、よりエネルギーロスの小さい方を選択することができ、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
したがって、本実施の形態における効果は加熱手段2がヒートポンプサイクルの場合に特に顕著である。
上記実施の形態2では、貯湯タンク1からの放熱エネルギーロスと、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスとを比較して、よりエネルギーロスが小さくなるように、加熱手段2を動作させた。
本実施の形態3では、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスを回避すると共に、貯湯タンク1からの放熱エネルギーロスを抑制する動作について説明する。
なお、本実施の形態における貯湯式給湯システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一符号を付する。
図8(a)は、給湯負荷予測手段104によって予測された給湯負荷(大出湯)を示している。ここでは、上記実施の形態1と同様の予測給湯負荷を採用している。
図8(b)は、貯湯タンク1の蓄熱量(上段)と、加熱手段2の加熱能力(下段)とを示している。なお、加熱能力ゼロは加熱手段2が停止していることを示す。
また、加熱能力QLは、能力減少時の加熱手段2の加熱能力を示している。
例えば、加熱能力QLは、単位時間当たりに沸上げ可能な熱量が0.5[L/分]の場合を示している。
また、加熱能力QHは、能力増加時の加熱手段2の加熱能力を示している。
例えば、加熱能力QHは、単位時間当たりに沸上げ可能な熱量が2[L/分]の場合を示している。
そして、当該時間間隔が所定時間以上である場合、加熱手段2の加熱能力を減少させる。
図8の例では、上記実施の形態2と同様に、現時刻を大出湯3の終了時点(20時32分30秒)とすると、次回の起動時刻と想定される大出湯4の起動時刻と現時刻との時間間隔(47分30秒)が、所定時間以上である場合、加熱手段2の加熱能力をQLに減少させる。
即ち、現時刻から単位期間が終了するまでの間の何れかの予測給湯負荷に対して、現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間の予測給湯負荷の積算値より、現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に、加熱手段2の現時刻における加熱能力によって沸上げ可能な熱量と、現時刻における貯湯タンク1の蓄熱量との和が小さい場合、湯切れが生じると判断する。
そして、大出湯3終了時点での貯湯タンク1の蓄熱量(4.5L)との和は、53.25Lである。
一方、大出湯3の終了時点から大出湯4の終了時刻(22時10分)までの予測給湯負荷の積算値は、100Lである。
よって、加熱制御手段105は、減少させた加熱能力QLによって、現時刻以降の大出湯4に対して、湯切れが発生すると判断する。
これにより、加熱手段2の一旦停止・再起動を回避しつつ、貯湯タンク1の蓄熱量を抑制することが可能となる。
例えば、予め記憶された、貯湯タンク1から放熱される単位時間当たりの熱量に、当該時間間隔を乗ずることにより、貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスを求めることができる。
そして、算出した貯湯タンク1から放熱されるエネルギーロスより、加熱手段2を停止及び再起動した場合に生じるエネルギーロスが大きい場合、加熱手段2の加熱能力を減少させるようにしても良い。
なお、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスは、予め記憶するようにしても良いし、加熱手段2の加熱能力や給水温度などに応じて算出しても良い。
また、当該減少させた加熱手段2の加熱能力によって、現時刻以降の何れかの予測給湯負荷に対して、湯切れが発生する場合、現時刻から単位期間が終了するまでの間の各々の予測給湯負荷に対しても、現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間の予測給湯負荷の積算値より、能力増加時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に、能力増加された加熱手段2によって沸上げ可能な熱量と、能力増加時刻における貯湯タンク1の蓄熱量との和が大きくなるように、能力増加時刻を求める。
このため、貯湯タンクにおける湯切れを抑えつつ、加熱手段の起動・停止に起因する無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
また、加熱手段2の起動・停止に起因するエネルギーロスを回避できると共に、加熱手段2の加熱能力を一定とした場合よりも貯湯タンク1から外界への放熱によるエネルギーロスを低減することができる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
本実施の形態4においては、単位期間における積算給湯負荷の予測値に基づいて、加熱手段2による沸上げが不要になる時刻に、加熱手段2の稼働を停止させる動作について説明する。
なお、本実施の形態4における貯湯式給湯システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一符号を付する。
図9(a)は、給湯負荷算出手段102によって算出された給湯負荷(大出湯)の実績を示している。
図9(b)は、貯湯タンク1の蓄熱量(実線)と、給湯負荷予測手段104によって予測された積算給湯負荷から、現時刻までの積算給湯負荷の実績値を減算した値(一点鎖線)とを示している。
図9(c)は、加熱手段2の加熱能力を示している。なお、加熱能力ゼロは加熱手段2が停止していることを示す。
給湯負荷予測手段104は、給湯負荷記憶手段103に記憶された過去の積算給湯負荷実績に基づいて、現時刻を含む単位期間における積算給湯負荷を予測する。
そして、加熱制御手段105は、当該減算した値が、現時刻の貯湯タンク1内の蓄熱量以下となるとき、加熱手段2の稼動を停止させる。
そして、この600Lから、大出湯3終了までの積算給湯負荷の実績値は450Lを減算した値は150Lである。
加熱制御手段105は、逐次、現時刻の貯湯タンク1内の蓄熱量を監視して、蓄熱量が150Lを超えた時刻を基準として、加熱手段2の稼働を停止させる。
したがって、省エネルギー性の高い貯湯式給湯システムを実現することができる。
Claims (2)
- 水を加熱して湯にする加熱手段と、
前記湯を蓄える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに蓄えられた湯を負荷側へ供給する給湯管路と、
前記加熱手段の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記貯湯タンク内の蓄熱量を求める蓄熱量算出手段と、
単位時間当たりに負荷側へ供給された熱量である給湯負荷の実績を求める給湯負荷算出手段と、
前記給湯負荷算出手段が求めた前記給湯負荷に関する情報を記憶する給湯負荷記憶手段と、
前記給湯負荷記憶手段に記憶された過去の給湯負荷の実績に基づいて、現時刻以降の給湯負荷を予測する給湯負荷予測手段と、
前記給湯負荷予測手段によって予測された予測給湯負荷に基づいて、前記加熱手段の起動時刻を求める加熱制御手段と
を有し、
前記加熱制御手段は、
現時刻から単位期間が終了するまでの間の各々の前記予測給湯負荷に対しても、
現時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間の前記予測給湯負荷の積算値より、
起動時刻から当該予測給湯負荷が終了するまでの間に前記加熱手段によって沸上げ可能な熱量と、起動時刻における前記貯湯タンクの蓄熱量との和が大きくなるように、前記起動時刻を求め、
前記加熱手段の稼働中において、
現時刻に前記加熱手段を停止した場合に予測される次回の起動時刻と、現時刻との時間間隔が所定時間以下である場合、前記加熱手段の稼動を継続する
ことを特徴とする貯湯式給湯システム。 - 前記加熱制御手段は、
前記加熱手段の稼働中において、
現時刻に前記加熱手段を停止した場合に予測される次回の起動時刻と現時刻との時間間隔における前記貯湯タンクから放熱されるエネルギーロスと、前記加熱手段を停止及び再起動した場合に生じるエネルギーロスとを比較し、
前記貯湯タンクから放熱されるエネルギーロスより、前記加熱手段を停止及び再起動した場合に生じるエネルギーロスが大きい場合、前記加熱手段の加熱能力を減少させて稼動を継続する
ことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯システム。
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