JP2012013268A - 熱交換器、その熱交換器を用いた冷凍サイクル装置、並びに、その冷凍サイクル装置を用いた空気調和機及びヒートポンプ給湯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温環境下において着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合においても、十分な伝熱面積と通風路を確保する熱交換器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る熱交換器は、板厚方向に平行に並べられた複数のフィンと、フィンを板厚方向に貫通し、フィンの長手方向に所定間隔で配列され、内部を冷媒が流動する複数の伝熱管と、隣り合った前記複数の伝熱管の間であって、フィンの表面に形成された帯状切起片と、を備え、フィンの長手方向及び板厚方向に対して垂直方向に空気を送風し、空気を冷媒と熱交換させる熱交換器であって、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る熱交換器は、板厚方向に平行に並べられた複数のフィンと、フィンを板厚方向に貫通し、フィンの長手方向に所定間隔で配列され、内部を冷媒が流動する複数の伝熱管と、隣り合った前記複数の伝熱管の間であって、フィンの表面に形成された帯状切起片と、を備え、フィンの長手方向及び板厚方向に対して垂直方向に空気を送風し、空気を冷媒と熱交換させる熱交換器であって、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、着霜時での性能低下を抑制する熱交換器、その熱交換器を用いた冷凍サイクル装置、並びに、その冷凍サイクル装置を用いた空気調和機及びヒートポンプ給湯機に関する。
近年、地球温暖化など深刻な環境問題を受け、地球環境保護の観点からCO2削減が強く求められている。一般家庭のエネルギー消費量で大きな割合を占める空調機器等においても省エネルギー化は大きな課題であり、特に、これらの性能を左右する熱交換器に対しては一層の性能向上が要望されている。
熱交換器には、一般的に、伝熱面積を増加させて高性能化を図るため、フィン表面に複数の帯状切起片が設けられている。この帯状切起片により、熱交換器を大きくすることなく熱交換量を増大させることができる。しかしながら、この帯状切起片は、フィン間の通風抵抗を増大させることになるため、特に低温環境下においては、着霜による目詰まりを生じさせる原因となる。
従来の熱交換器として、フィン面積あたりの伝熱量を増加させて圧損を低減させるため、伝熱管に対するフィンの風上側端部を風上側に突出させるものがある(例えば、特許文献1(第1図)参照)。特許文献1では、伝熱管に対するフィンの風上側端部を風上側に凸状(凸部)に突出させ、一方、帯状切起片に対するフィンの風上側端部を風下側に凹状(凹部)にへこませ、且つ、フィンの送風方向下流側端部全域をカットしている。このような引用文献1によれば、伝熱管近傍のフィン効率が高い部分のフィン面積を拡大し、フィン効率の低い部分及び伝熱管背面の死水領域を含む送風方向下流側全域をカットすることで、フィン面積あたりの伝熱量を増加させ圧損を低減させる。
しかしながら、特許文献1に記載の熱交換器においては、例えば低温環境下において帯状切起片に着霜による目詰まりが生じた場合、伝熱面積は伝熱管の上流側のみに限られて、大きな性能低下が予想される。また、風の流れるスペースが、伝熱管と帯状切起片の隙間に限られてしまうため、通風抵抗が増大する可能性がある。
本発明は、低温環境下において着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合においても、十分な伝熱面積と通風路を確保する熱交換器を提供することを課題とする。
本発明に係る熱交換器は、板厚方向に平行に並べられた複数のフィンと、フィンを板厚方向に貫通し、フィンの長手方向に所定間隔で配列され、内部を冷媒が流動する複数の伝熱管と、隣り合った前記複数の伝熱管の間であって、フィンの表面に形成された帯状切起片と、を備え、フィンの長手方向及び板厚方向に対して垂直方向に空気を送風し、空気を冷媒と熱交換させる熱交換器であって、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成した。
本発明によれば、低温環境下において着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合においても、十分な伝熱面積と通風路を確保する熱交換器を提供することができる。
以下、本発明に係る熱交換器の実施例を図1〜図7を用いて説明する。本実施例の熱交換器は、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成することにより、低温環境下において着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合においても、十分な伝熱面積と通風路を確保することができる。特に、本実施例においては、送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成された帯状切起片として、具体的には三角形状の帯状切起片とする。
本実施例においては、空気調和機における熱交換器を例にして説明する。図7は、空気調和機の冷凍サイクルを示す構成図である。まず、図7を用いて冷凍サイクルについて説明する。暖房運転時は、圧縮機101により圧縮された高温・高圧の冷媒が四方弁102を介して凝縮器として機能する室内熱交換器103に流入する。そして、室内ファン104により室内空気と室内熱交換器103内に流れる冷媒が熱交換することにより空気は暖められ室温は上昇する。また、冷媒は放熱すると共に液化して膨張弁105に流入する。膨張弁105において冷媒は減圧されて低温・低圧になり、蒸発器として機能する室外熱交換器106に流入する。室外ファン107により室外空気と室外熱交換器106内に流れる冷媒が熱交換し、室外空気が冷やされ、冷媒は蒸発する。その後、蒸発した冷媒は再び四方弁102に流入した後、圧縮機101に戻され、再び高温・高圧の冷媒となる。このサイクルを繰り返すことにより、空気調和機は暖房運転を行う。逆に、冷房運転時は、四方弁102により冷媒の流れる方向が切り換えられ、室内熱交換器103と室外熱交換器106の役割が逆になる。つまり、室内熱交換器103が蒸発器になり、室外熱交換器106が凝縮器となることにより、空気調和機は冷房運転を行う。
図1に、本発明に係る熱交換器の基本構成図を示す。熱交換器は、板厚方向(伝熱管2の軸方向)に所定の間隔で平行に並べられた複数のフィン1と、フィン1を板厚方向に貫通し内部を冷媒が流動する複数の伝熱管2とを備える。伝熱管2はフィン1の長手方向(図1の上下方向)に所定の間隔で配置される。フィン1の表面には、フィン1の長手方向に隣り合う伝熱管2の間に、帯状切起片3が形成される。このように構成される熱交換器の伝熱管2及びフィン1に向かって、フィン1の長手方向及び板厚方向に対して垂直方向(図1の左右方向)に空気を送風する(図1の右向き)ことで、冷媒と空気とが熱交換される。
次に、本発明に係る熱交換器のフィン1の特徴について、図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3は熱交換器の説明図(図1に記載の熱交換器のフィン1を板厚方向から見た図)であり、図2は帯状切起片に着霜による目詰まりが生じていない状態での風の流れを示しており、図3は帯状切起片に着霜による目詰まりが生じている状態での風の流れを示している。
図2に示すように、帯状切起片3に着霜による目詰まりが生じていない状態では、帯状切起片3部に流れ込んだ送風空気は帯状切起片3をくぐりながら通過する。伝熱管2に流れ込んだ送風空気は伝熱管2の壁面に沿って流れ、その後、背面側で剥離して、フィン1を通過する。従って、伝熱管2の背面にはハッチングで示すような死水領域が発生する。
一方、図3に示すように、帯状切起片3に着霜による目詰まりが生じている状態では、帯状切起片3に流れ込んだ送風空気は、三角形状の帯状切起片3の輪郭で構成される霜壁の上流側で分岐され、霜壁に沿って伝熱管2寄りにその向きを変え、伝熱管2側に流れ込む。そのため、三角形状の帯状切起片3は伝熱管2に流れ込んだ風を押し出すように作用し、送風空気の主流は伝熱管2から剥離し難くなる。従って、伝熱管2の風下側に形成される死水領域が大幅に減少する。
ここで、熱交換器の性能について検討する。例えば、冷媒から送風空気までのトータルでの熱交換効率という観点から、送風空気の吸熱(つまり冷媒から送風空気への放熱)を検討すると、上述したように、送風方向に対して伝熱管の下流側には空気の流れが殆ど無い死水領域が存在する。このため、死水領域に接する伝熱管では「冷媒→伝熱管→送風空気」といったフィン1を介さない直接的な熱交換は期待することができない。すなわち、伝熱管2の送風方向下流側では、上流側のような熱交換を期待することができない。従って、この場合、伝熱管2の送風方向下流側における主な放熱手段はフィン1となる。つまり、伝熱管2から死水領域外のフィン1表面に至るまで、フィンを介した熱伝導により熱を伝え、それから空気に放熱する「冷媒→伝熱管→フィン→送風空気」といった間接的な熱交換による放熱経路となる。そのため、送風方向に対して伝熱管内壁の下流側に面する冷媒(死水領域に接する冷媒)にとって、死水領域周辺の充分なフィン面積の確保が重要となる。
ここで、本実施例のフィン1では、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部4を形成する一方、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成する。このような帯状切起片3の風下側に凹部を形成した場合の効果は以下の通りである。帯状切起片3を通過する送風空気の熱伝達率は、伝熱管2の近傍を通過する送風空気の熱伝達率に比べて高い。そのため、流れ込む空気の温度が比較的早くフィン1の表面温度に近付く。つまり、空気とフィンとの熱交換が飽和状態に早く到達してしまい、帯状切起片3を通過した後の風下側端部では大きな熱交換量は望めない。そこで、帯状切起片3の送風方向下流側のフィン端部をカットすることで、フィン1の伝熱面積に対する熱交換効率を改善することができる。また、送風空気が帯状切起片3を通過する際に生じる圧力損失は、伝熱管2近傍を通過する場合に比べると高いため、帯状切起片3の下流側フィン端部をカットすることで圧力損失が低減され、全体的な空気流動バランスを改善することもできる。
さらに、本実施例に係る熱交換器のフィン1においては、三角形状の帯状切起片3及びフィン1の風下側端部に形成された上述の凸部及び凹部により、帯状切起片3に着霜による目詰まりが生じている状態でも、三角形状の帯状切起片3が伝熱管2に流れ込んだ風を押し出すように作用して、送風空気の主流の大部分を伝熱管2の風下側に流れ込ませるため、伝熱管に対するフィンの風下側端部に形成された凸部4が大きな有効伝熱面積となり、伝熱効率をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例に係る熱交換器のフィン1においては、帯状切起片3を送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成しているため(例えば、三角形状)、帯状切起片3に着霜による目詰まりが生じている状態でも、伝熱管2と帯状切起片3との間隙を常に大きく確保することが可能になるため、着霜による通風抵抗の増大を抑制することができる。
次に、図4〜図6を用いて、フィン1の風下側端部に形成された凸部及び凹部の形状について説明する。図4〜図6は、熱交換器のフィン1形状を示す図である。図1〜図3に示すフィン形状は、送風方向下流側端部に略矩形状の凸部及び凹部を形成しているが、対象となる環境や熱交換器の用途に応じて、図4及び図6に示すように段階的に凹部深さを異ならせるような階段状のフィン形状とすることもできる。図4及び図6に示すようなフィン形状とすることで、フィン1上の空気流動や圧力損失,伝熱性能について、それぞれのバランスを考慮して凸部及び凹部の形状を自由に設定することができる。また、図4及び図6のような階段状の凹部をスロープ状(山型形状・谷型形状(図示せず))とすることもできる。
また、図5及び図6に示すように、フィン1の送風方向下流側端部の凸部と凹部を略同一形状にすることもできる。例えば、凸部と凹部とを略同一形状とすることにより、一方のフィン1aの凹部を他方のフィン1bの凸部とすることができるため、フィン材料取りの際に素材が無駄にならず材料コストを削減することができる。以上説明したように、図4〜図6に示すようなフィン1形状とすることにより、使用するフィンのコストを下げつつ、熱交換器の性能をより一層向上させることができる。
尚、上記各実施例においては、主に空気調和機を基本構成として説明したが、熱交換媒体である冷媒との間で熱交換を行う熱交換器を有する冷凍サイクル装置(空気調和機,ヒートポンプ給湯機等)であれば、同様に、本発明を適用することができる。
以上説明したように、本発明に係る熱交換器は、板厚方向に平行に並べられた複数のフィンと、フィンを板厚方向に貫通し、フィンの長手方向に所定間隔で配列され、内部を冷媒が流動する複数の伝熱管と、隣り合った前記複数の伝熱管の間であって、フィンの表面に形成された帯状切起片と、を備え、フィンの長手方向及び板厚方向に対して垂直方向に空気を送風し、空気を冷媒と熱交換させる熱交換器であって、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成した。本発明によれば、帯状切起片は送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、伝熱管に対するフィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、帯状切起片に対するフィンの風下側端部をこの凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成したので、帯状切起片に着霜による目詰まりが生じた場合でも、風上側から流れ込んだ風が帯状切起片の輪郭に沿って滑らかに伝熱管背面(及び伝熱管背面に形成された凸部)に流れ込む。伝熱管背面のフィンの伝熱面積は凸部により十分に確保されることから、流れ込んだ風に対して十分な熱交換が可能となる。風が帯状切起片の輪郭に沿って滑らかに伝熱管背面に流れ込むことで、伝熱管背面の死水領域が大幅に減少し、有効な伝熱面積を更に増大させることもできる。また、隣り合う伝熱管と帯状切起片の間隔を常に大きく確保することができるため、着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合でも、通風抵抗を軽減することもできる。従って、本発明によれば、低温環境下において着霜により帯状切起片に目詰まりが生じた場合においても、十分な伝熱面積と通風路を確保することができる熱交換器を提供することができる。
1,1a,1b フィン
2 伝熱管
3 帯状切起片
4 凸部
2 伝熱管
3 帯状切起片
4 凸部
Claims (6)
- 板厚方向に平行に並べられた複数のフィンと、前記フィンを板厚方向に貫通し、前記フィンの長手方向に所定間隔で配列され、内部を冷媒が流動する複数の伝熱管と、隣り合った前記複数の伝熱管の間であって、前記フィンの表面に形成された帯状切起片と、を備え、前記フィンの長手方向及び板厚方向に対して垂直方向に空気を送風し、前記空気を前記冷媒と熱交換させる熱交換器であって、
前記帯状切起片は、送風方向上流側から下流側に向かってその幅が広くなるように形成し、
前記伝熱管に対する前記フィンの風下側端部を風下側に突出させて凸部を形成し、前記帯状切起片に対する前記フィンの風下側端部を前記凸部に対して相対的にへこませて凹部を形成した熱交換器。 - 請求項1において、前記帯状切起片は三角形状である熱交換器。
- 請求項1において、前記凸部と前記凸部を同形状とする熱交換器。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の熱交換器を備えた冷凍サイクル装置。
- 請求項4に記載の冷凍サイクル装置を備えた空気調和機。
- 請求項4に記載の冷凍サイクル装置を備えたヒートポンプ給湯機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010148461A JP2012013268A (ja) | 2010-06-30 | 2010-06-30 | 熱交換器、その熱交換器を用いた冷凍サイクル装置、並びに、その冷凍サイクル装置を用いた空気調和機及びヒートポンプ給湯機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016121839A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 株式会社富士通ゼネラル | 熱交換器及びそれを用いた熱交換器ユニット |
JP2017096524A (ja) * | 2015-11-19 | 2017-06-01 | 株式会社パロマ | 熱交換器及び給湯器 |
CN110057139A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-07-26 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种蒸发器及空调器 |
CN111043892A (zh) * | 2018-10-15 | 2020-04-21 | 林内株式会社 | 传热翅片 |
-
2010
- 2010-06-30 JP JP2010148461A patent/JP2012013268A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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