JP2012013146A - 流体輸送用可撓管、二酸化炭素の貯留システム、および二酸化炭素の貯留方法 - Google Patents

流体輸送用可撓管、二酸化炭素の貯留システム、および二酸化炭素の貯留方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構造の補強層であっても、補強層のずれ等の発生がなく、また、水中重量を容易に調整可能な流体輸送用可撓管等を提供する。
【解決手段】 可撓管1は、主に管体であるインターロック管3、樹脂層5、耐内圧補強層7、帯状体押さえ層9、軸力補強層11、保護層13等から構成される。インターロック管3の外周部には、樹脂層5が設けられる。樹脂層5は、インターロック管3内を流れる流体を遮蔽する。樹脂層5の外周部には、耐内圧補強層7が設けられる。耐内圧補強層7は、補強帯状体が巻きつけられて形成される。耐内圧補強層7の外周には、帯状体押さえ層9が設けられる。帯状体押さえ層9は、補強帯として巻きつけられた耐内圧補強層7を構成する帯状体を押さえるための層である。帯状体押さえ層9は、線状の押さえ部材が巻きつけられる。帯状体押さえ層9は、インターロック管3の可撓性に追従して変形可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液化二酸化炭素等の流体を輸送可能な流体輸送用可撓管と、これを用いた二酸化炭素の貯留システムおよび二酸化炭素の貯留方法に関するものである。
従来、油やガス等の高圧流体の輸送には、耐内圧層を有する流体輸送用可撓管が用いられる。流体輸送用可撓管には、可撓性および耐内圧特性等の特性が要求されている。
このような流体輸送用可撓管としては、例えば、プラスチック管の外側に鋼製の凹型補強材を用い、開口部側を互いにかみ合うようにして2層に短ピッチで螺旋巻きし、内圧補強層を形成し、その外周に軸力補強層を及び防食層を形成した可撓性流体輸送管がある(特許文献1)。
特開平7−156285号公報
特許文献1に記載の可撓性流体輸送管では、極めて高い耐内圧特性と、凹型補強材を互いにかみ合わせて巻きつけることによる可撓性を得ることができる。しかしながら、このような構成は、可撓性流体輸送管の重量が大きくなるため、これに耐え得るために、より強度のある軸力補強層が必要となり、ますます可撓性流体輸送管の重量増が懸念される。
一方、輸送される流体がそれほどの高圧ではない場合には、耐内圧補強層として、前述したような鋼製の凹型補強材等を用いることなく、補強テープ等を用いることができる。しかしながら。簡易に補強テープを巻きつけると、可撓管の繰り返しの曲げ等の影響で、補強テープのずれ等が生じる恐れがある。このため、可撓管の一部に耐内圧特性が得られない場合がある。
また、このような流体輸送用可撓管は、海上に浮かべられて使用される場合があるが、用途によっては、海中に沈める必要がある。たとえば、現在、地球温暖化防止策の一つとして検討が進められている、二酸化炭素の海底への貯留に対し、前述した流体輸送用可撓管を用いると、少なくとも流体用輸送用可撓管の一部は海底に沈められて使用される。
このような場合、可撓管自体の比重(水中重量)を大きくすると、海中へ沈めることは容易であるが、重量増となる。一方で、軽量化をしすぎると、海中へ沈めることが困難となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造の補強層であっても、補強層のずれ等の発生がなく、また、水中重量を容易に調整可能な流体輸送用可撓管、特に二酸化炭素輸送用可撓管等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、可撓性を有する管体と、前記管体の外周部に設けられた樹脂層と、前記樹脂層の外周部に設けられ、樹脂製の帯状体が巻きつけられて形成された耐内圧補強層と、前記耐内圧補強層の外周部に設けられ、前記帯状体を押さえるための押さえ部材が巻きつけられた帯状体押さえ層と、前記帯状体押さえ層の外周部に設けられた軸力補強層と、前記軸力補強層の外周部に設けられた保護層と、を具備し、前記押さえ部材により、前記帯状体のずれを防止可能であることを特徴とする流体輸送用可撓管である。前記管体としては、インターロック管体が用いられる。
前記押さえ部材は線状であり、前記押さえ部材が前記帯状体の外周に隙間なく巻きつけられてもよい。
前記流体輸送用可撓管の長手方向の位置によって、断面構造が中実若しくは中空で異なるか、または、材質が異なる前記押さえ部材が用いられ、水中における水中重量が、前記流体輸送用可撓管の長手方向の位置によって異なってもよい。
前記流体輸送用可撓管の長手方向の少なくとも一方の側の端部が、前記流体輸送用可撓管の長手方向の中央部近傍よりも、水中における水中重量が軽くてもよい。
前記流体輸送用可撓管は、液化二酸化炭素の輸送用に用いられてもよい。
第1の発明によれば、耐内圧補強層が樹脂製の帯状体であるため、巻きつけが容易であり、構造も簡易である。また、樹脂製の帯状体により軽量化が図れる。また、帯状体の外周に押さえ部材が巻きつけられるため、帯状体のずれが防止される。
また、押さえ部材が線状であり、隙間なく巻きつけられれば、可撓性にも優れる。また、押さえ部材の一部に中空の線状部材が用いられれば、中空線状部材が巻きつけられた部位の水中重量を小さくすることができる。
なお、本発明においては、「線状」とは、中実の線材も、内部に穴が形成された中空の線材(チューブ材)も含むものである。
また、流体輸送用可撓管の長手方向で、押さえ部材として用いられる線材の材質や、中空/中実を変えることで、流体輸送用可撓管の長手方向において水中重量を変化させることができる。このため、海底に沈めたい部位と、浮かせたい部位をそれぞれ適切な水中重量とすることができる。また、この際、使用される押さえ部材を変更するのみであるため、流体輸送用可撓管の肉厚が変化したり、特殊な製造工程等を要することがない。
このような流体輸送用可撓管としては、端部を海底付近の海中に浮かしておき、中央部を海底に沈めておくことで、例えば、使用時にのみ流体輸送用可撓管の端部を海上に引き上げて使用することが容易となる。このような用途としては、液化二酸化炭素を海底に貯留する際に使用される輸送管として好適である。
第2の発明は、第1の発明にかかる流体輸送用可撓管を用い、圧送装置と、海底に設けられる注入井と、を具備し、前記流体輸送用可撓管の外周の、海底に接触する部位の一部には移動抑制部材が設けられ、前記流体輸送用可撓管の一方の端部が、直接又は間接的に前記注入井と接続され、前記注入井を介して、前記圧送装置で液化二酸化炭素を海底に圧送可能であることを特徴とする二酸化炭素の貯留システムである。
第2の発明によれば、流体輸送用可撓管が軽量でありかつ、取扱い性に優れるため、作業性に優れる二酸化炭素の貯留システムを得ることができる。
第3の発明は、第1の発明にかかる流体輸送用可撓管を用いた二酸化炭素の貯留方法であって、海底に設けられる注入井と、前記注入井に接続される流体輸送用可撓管と、を用い、予め前記流体輸送用可撓管を海中に沈めておき、前記流体輸送用可撓管の端部を引き上げて、二酸化炭素の輸送船と接続し、前記流体輸送用可撓管を用いて、前記注入井から海底に液化二酸化炭素を圧送し、液化二酸化炭素を海底に貯留することを特徴とする二酸化炭素の貯留方法である。
前記流体輸送用可撓管は二酸化炭素を洋上で一時的に貯留する基地(洋上基地)と接続されており、前記洋上基地を介して、前記注入井から液化二酸化炭素を海底に貯留してもよい。
第3の発明によれば、流体輸送用可撓管が軽量でありかつ、取扱い性に優れるため、作業性に優れた二酸化炭素の貯留方法を得ることができる。
本発明によれば、簡易な構造の補強層であっても、補強層のずれ等の発生がなく、また、水中重量を容易に調整可能な流体輸送用可撓管等を提供することができる。
可撓管1を示す断面斜視図。 可撓管1を示す軸方向断面図。 可撓管1を示す縦断面図。 (a)は押さえ部材16aを示す図、(b)は押さえ部材16bを示す図。 二酸化炭素貯留システム20aを示す図。 二酸化炭素貯留システム20bを示す図。 二酸化炭素貯留システム20cを示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかる可撓管1について説明する。図1〜図3は、可撓管1を示す図で、図1は可撓管1の斜視断面図、図2は周方向断面図、図3は軸方向断面図である。可撓管1は、主に管体であるインターロック管3、樹脂層5、耐内圧補強層7、帯状体押さえ層9、軸力補強層11、保護層13等から構成される。
インターロック管3は、可撓管1の最内層に位置し、外圧に対する座屈強度に優れ、耐食性も良好なステンレス製である。インターロック管3はテープを断面S字形状に成形させてS字部分で互いに噛み合わせて連結されて構成され、可撓性を有する。なお、インターロック管3に代えて、同様の可撓性を有し、座屈強度等に優れる管体であれば、他の態様の管体を使用することも可能である。
インターロック管3の外周部には、樹脂層5が設けられる。樹脂層5は、インターロック管3内を流れる流体を遮蔽する。樹脂層5は、例えばポリエチレン等の樹脂製である。なお、インターロック管3と樹脂層5との間に座床層15aを設けてもよい。座床層15aは、必要に応じて設けられ、インターロック管3の外周の凹凸形状を略平らにならすための層であり、インターロック管3の可撓性に追従して変形可能である。すなわち、座床層15aは、例えば不織布等のようにある程度の厚みを有し、インターロック管3外周の凹凸のクッションとしての役割を有する。
なお、インターロック管3の外周部に樹脂層5が設けられるとは、必ずしもインターロック管3と樹脂層5とが接触していることを要せず、例えば、座床層15aのような他層が間に挟まれて設けられたとしても、樹脂層5は、インターロック管3の「外周部に」設けられていると称する。以下の説明においては、同様にして「外周部」(または単に「外周」)なる用語を用いる。また、図2以降の図においては、座床層については図示を省略する。
樹脂層5の外周部には、耐内圧補強層7が設けられる。耐内圧補強層7は、主にインターロック管3内を流れる流体の内圧等に対する補強層である。なお、本発明にかかる可撓管1としては、常温でも5MPa程度の圧力で液化する液化二酸化炭素などの輸送に用いられるため、従来のような鋼製の凹型部材等を用いる必要がない。
耐内圧補強層7は、補強帯状体が巻きつけられて形成される。補強帯状体としては、プラスチック繊維が適用でき、例えば、ポリアリレート繊維のテープが用いることができる。ポリアリレート繊維製テープの巻き付けは、例えば、テープ幅方向の端部同士をラップさせるようにショートピッチで巻きつけられる。なお、補強帯状体は複数重ねて巻きつけられてもよい。
耐内圧補強層7の外周には、帯状体押さえ層9が設けられる。帯状体押さえ層9は、補強帯として巻きつけられた耐内圧補強層7を構成する帯状体を押さえるための層である。図3に示すように、帯状体押さえ層9は、線状の押さえ部材が巻きつけられる。帯状体押さえ層9は、インターロック管3の可撓性に追従して変形可能である。なお、押さえ部材については、詳細を後述する。
帯状体押さえ層9の外周には、軸力補強層11が設けられる。軸力補強層11は、主にインターロック管3が可撓管1の軸方向へ変形する(伸びる)ことを抑えるための補強層である。軸力補強層11は、平型断面形状の補強条をロングピッチで(補強条の幅に対して巻きつけピッチが十分に長くなるように)2層交互巻きして形成される。補強条は耐内圧補強層の外周において、周方向に複数配置され、ロングピッチで巻きつけられる。軸力補強層11は、インターロック管3の可撓性に追従して変形可能である。
なお、必要に応じて、帯状体押さえ層9と軸力補強層11の間にポリエチレン製等の樹脂テープである座床層15bを設けてもよく、また、逆向きに螺旋状に巻きつけられる2層の補強条の間に、座床層15cを設けてもよい。座床層15b、15cは、補強部材同士が可撓管1の変形に追従する際に擦れて、摩耗することを防止するためである。この場合でも、座床層の有無を問わず、帯状体押さえ層9の外周部に軸力補強層11が設けられると称する。
軸力補強層11の外周部には、保護層13が設けられる。保護層13は、例えば海水等が補強層へ浸入することを防止するための層である。保護層13は、例えばポリエチレン製やポリアミド系合成樹脂製等が使用できる。なお、軸力補強層11の外周には、必要に応じて座床層15dが設けられる。座床層15dは、軸力補強層11の外周の凹凸形状を略平らにならすための層であり、インターロック管3の可撓性に追従して変形可能である。以上のように、可撓管1を構成する各層は、それぞれ可撓管1の曲げ変形等に追従し、可撓性を有する。
次に、押さえ部材について説明する。図4(a)は押さえ部材16aの端部近傍の斜視図である。押さえ部材16aは、中実の線状体であり、たとえばステンレスやアルミニウム合金等の金属や、繊維補強プラスチック等を用いることができる。なお、押さえ部材としては、強度、比重と可撓性等を考慮すると、外径10mmφ程度のものが使用できる。
また、図4(b)に示すように、中空の押さえ部材16bを用いることもできる。なお、本発明においては、図4(a)に示すような中実体も、図4(b)bに示すような中空体のいずれも線状体と称する。
図3に示すように、帯状体押さえ層9は、押さえ部材16a(16b)が互いに接するように隙間なく巻きつけられる(すなわち、巻きつけピッチが押さえ部材の外径と略等しい)。なお、可撓管1の長手方向において、帯状体押さえ層9を構成する押さえ部材16aの種類を変化させてもよい。たとえば、部分的に、中実の押さえ部材16aを用い、他の部位には中空の押さえ部材16bを用いてもよい。また、可撓管1の長手方向に対して、押さえ部材の材質を変化させてもよい。
押さえ部材の種類を変化させることで、可撓管1は、長手方向に対して、比重(水中重量)を変化させることができる。たとえば、可撓管1の端部近傍には、比重の軽い樹脂製の中空体である押さえ部材を用い、可撓管1の中央部近傍には、比重の大きな金属製の中実の押さえ部材を用いれば、可撓管1の端部近傍の水中重量(単位長さ当たりの水中重量)が軽く(または浮かすことができ)、可撓管1の中央部近傍の水中重量(単位長さ当たりの水中重量)を重くすることができる。
表1は、押さえ部材を各種変更した場合の、可撓管の水中重量(単位長さ当たりの水中重量)について計算した結果である。なお、表1において、FRPは繊維補強プラスチックであり、SUSはステンレスであり、アルミは耐食アルミニウム合金である。また、気中重量とは、空気中における重量であり、水中重量は、海水中での重量である。水中重量がマイナスであるのは、海水中で浮くことを示す。また、表1のNo.1は、押さえ部材がない場合の参考値である。No.1〜No.6は、帯状体押さえ層以外は同じ構造である。なお、帯状体押さえ層の材質等は、帯状体押さえ層を構成する押さえ部材の材質等を示すものである。
Figure 2012013146
表1に示すように、押さえ部材の材質や形状(中実体または中空体)を変えることで、水中重量を変化させることができる。この際、押さえ部材のみで水中重量を調整可能であるため、他の補強層等の材質やサイズを変える必要がない。このため、水中重量の調整に際し、複雑な強度計算や耐食性等の検討を要することなく、容易に水中重量のみを調整することができる。
次に、可撓管1の製造方法について概略を説明する。まず、あらかじめ製造されたインターロック管3の周囲に、必要に応じて座床テープが巻きつけられ、座床層15a(図1)が形成される。座床層15aが形成されたインターロック管3に対し、押出機によって、外周部に樹脂を押し出し被覆し、樹脂層5が形成される。
樹脂層5が形成されたインターロック管3は、さらに補強テープ巻き機等により補強帯である帯状体が短ピッチで巻きつけられ、耐内圧補強層7が形成される。耐内圧補強層7の外周には、押さえ部材が巻きつけられ、帯状体押さえ層9が形成される。
帯状体押さえ層9の外周には、必要に応じて座床テープ等が巻きつけられ、その外周に補強条がロングピッチで巻きつけられる。補強条は、巻きつけ面(帯状体押さえ層9または座床層)の周方向に複数並列した状態から、螺旋状に巻きつけられる。さらに最外周部に押出機によって保護層13が形成され、所定長さに巻き取られる。以上により、可撓管1が製造される。
次に、本発明にかかる可撓管1を用いた二酸化炭素貯留システムについて説明する。本発明にかかる可撓管1は、二酸化炭素の貯留システムに好適である。すなわち、可撓管1は、二酸化炭素の貯留システムに必要最低限の耐内圧特性を有し、可撓管1の海中への設置作業性等に優れる。
図5は、二酸化炭素貯留システム20aを示す概略図である。二酸化炭素貯留システム20aは、主に、可撓管1、洋上基地27、圧入管29、注入井33等から構成される。二酸化炭素貯留システムは、工場等で発生した二酸化炭素を、輸送船25により所定海域まで搬送し、海底19に設置された注入井33から、液化された二酸化炭素を海底に注入して海底に貯留するものである。
通常、可撓管1は、海底19に沈められ、継手23が取り付けられた端部にフロート21を接続して設置される。使用時には、輸送船25によりフロート21から可撓管1の端部(継手23)を洋上に引き上げ、継手23が輸送船25のタンク等と接続される。
輸送船25からの液化二酸化炭素は、洋上基地27に圧送される。洋上基地27は、直接または一旦液化二酸化炭素を貯留した後、圧入管29を介して、注入井33により海底に液化二酸化炭素を注入する。なお、洋上基地28は、係留索31により海底に係留される。
可撓管1は、長手方向の中央部近傍が海底19に沈められている。可撓管1の海底19との接触部には、可撓管1の外周に突起状の移動抑制部材17が設けられる。したがって、可撓管1は、海底に固定され、海流によって移動することがない。また、可撓管1が許容曲率半径以上に曲げられたり、海底に擦りつけられたりすることが防止できる。
なお、可撓管1の設置は、可撓管1を海底に沈める必要があることから、ある程度の水中重量が必要である。水中重量が軽すぎると、海底まで沈めるのに時間を要し、また、海流等の影響を受けるためである。一方、可撓管1の端部近傍は、使用時には洋上に引き上げる必要がある。このため、水中重量が重すぎると、巻き上げに力を要する。したがって、可撓管1は、端部の水中重量が軽く(または水中で浮いてもよい)、また、可撓管1の中央部近傍は水中重量が重いことが望ましい。この際、継手23の重量等も考慮して、可撓管1の(部位による)水中重量を設定すれば良い。
このように用いられる可撓管としては、輸送量および可撓管の運搬、繰り出し、巻取り等の作業性を考慮すると、例えば、内径が6〜10インチ程度であり、外径が200〜350mmφのものが使用できる。なお、可撓管の水中重量の調整は、押さえ部材によって容易に行うことができるため、補強層等を構成する材料に特殊なものを用いる必要がない。
また、図6は他の実施形態を示す図であり、二酸化炭素貯留システム20bを示す図である。二酸化炭素貯留システム20bは、二酸化炭素慮竜システム20aに対し、圧入管29に代えて本発明にかかる可撓管1aを使用する点が異なる。
可撓管1aは、洋上基地27と注入井33とを接続する。可撓管1aは中間に必要に応じてブイ35が設けられる。すなわち、可撓管1aは、海中に浮遊する。洋上基地27は、係留索31により係留されるため、海流に流されることがない。また、可撓管1aも洋上基地27と注入井33に接続されるため、海流により流されることがなく、また、潮位変化等に適応することができる。
なお、このように使用される可撓管1aは、少なくとも中間部近傍において、前述した押さえ部材の材質および形状を適切に設定し、水中重量が略0となるようにしてもよい。可撓管1aの水中重量を適切に設定することで、洋上基地27との接続部に過剰な力が付与されることを防止することができる。
また、図7に示す二酸化炭素貯留システム20cに適用することもできる。二酸化炭素貯留システム20cは、可撓管1が直接海底の注入井33と接続される。
輸送船25に継手23を接続した後、輸送船25から直接液化二酸化炭素が可撓管1を介して注入井33に圧送される。なお、この場合には、可撓管1と注入井33との接続部に、注入井33からの逆流等を防止可能な構造を設けることが望ましい。
以上、本実施の形態によれば、耐内圧補強層が補強帯状体の巻きつけにより形成されるため、軽量であり、また、製造も容易である。また、補強帯状体の外周に帯状体押さえ層が形成されるため、補強テープ等が可撓管の繰り返しの曲げ等によってずれることがなく、確実に押さえられる。また、この際、可撓管の可撓性に追従することができる。可撓性を有するため、設置作業性等に優れる。
また、押さえ部材同士は密巻きされるため、押さえ部材がずれることがなく、また、コイル状に巻きつけるのみであるため、製造も容易である。
また、押さえ部材の材質および形状を適宜設定することで、容易に可撓管の水中重量を調整することができる。したがって、可撓管の設計が容易である。また、可撓管1の長手方向の部位によって、水中重量を変化させることも容易である。したがって、可撓管1の使用態様に応じて、部分ごとに水中重量を設定することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、押さえ部材として、円断面形状の線状部材を示したが、押さえ部材の断面形状は矩形その他の形状であってもよい。矩形断面形状であれば、複数層の重ね巻き(例えばラップ巻き)を行うこともできる。このように中空、中実の違いのみならず断面形状を変更することで、部分ごとの水中重量を変更することもできる。なお、矩形断面と円断面の押さえ部材を部分的に併用する場合には、それぞれの押さえ部材の厚み(径)を略同一にする(すなわち、帯状体押さえ層の厚みを一定にする)ことが望ましい。部位によって可撓管の径が変化することを防止するためである。
1………可撓管
3………インターロック管
5………樹脂層
7………耐内圧補強層
9………帯状体押さえ層
11………軸力補強層
13………保護層
15a、15b、15c、15d………座床層
16a、16b………押さえ部材
17………移動抑制部材
19………海底
20a、20b、20c………二酸化炭素貯留システム
21………フロート
23………継手
25………輸送船
27………洋上基地
29………圧入管
31………係留索
33………注入井
35………ブイ

Claims (7)

  1. 可撓性を有する管体と、
    前記管体の外周部に設けられた樹脂層と、
    前記樹脂層の外周部に設けられ、樹脂製の帯状体が巻きつけられて形成された耐内圧補強層と、
    前記耐内圧補強層の外周部に設けられ、前記帯状体を押さえるための線状の押さえ部材が前記帯状体の外周に隙間なく巻きつけられた帯状体押さえ層と、
    前記帯状体押さえ層の外周部に設けられた軸力補強層と、
    前記軸力補強層の外周部に設けられた保護層と、
    を具備し、
    前記押さえ部材により、前記帯状体のずれを防止可能であることを特徴とする流体輸送用可撓管。
  2. 前記流体輸送用可撓管の長手方向の位置によって、断面構造が異なるか、または、材質が異なる前記押さえ部材が用いられ、水中における水中重量が、前記流体輸送用可撓管の長手方向の位置によって異なることを特徴とする請求項1に記載の流体輸送用可撓管。
  3. 前記流体輸送用可撓管の長手方向の少なくとも一方の側の端部が、前記流体輸送用可撓管の長手方向の中央部近傍よりも、水中における水中重量が軽いことを特徴とする請求項2記載の流体輸送用可撓管。
  4. 前記流体輸送用可撓管は、液化二酸化炭素の輸送用に用いられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の流体輸送用可撓管。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかの流体輸送用可撓管を用い、
    圧送装置と、
    海底に設けられる注入井と、を具備し、
    前記流体輸送用可撓管の外周の、海底に接触する部位の一部には移動抑制部材が設けられ、
    前記流体輸送用可撓管の一方の端部が、直接又は間接的に前記注入井と接続され、前記注入井を介して、前記圧送装置で液化二酸化炭素を海底に圧送可能であることを特徴とする二酸化炭素の貯留システム。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかの流体輸送用可撓管を用いた二酸化炭素の貯留方法であって、
    海底に設けられる注入井と、
    前記注入井に接続される前記流体輸送用可撓管と、を用い、
    予め前記流体輸送用可撓管を海中に沈めておき、
    前記流体輸送用可撓管の端部を引き上げて、二酸化炭素の輸送船と接続し、
    前記流体輸送用可撓管を用いて、前記注入井から海底に液化二酸化炭素を圧送し、液化二酸化炭素を海底に貯留することを特徴とする二酸化炭素の貯留方法。
  7. 前記流体輸送用可撓管は二酸化炭素の洋上基地と接続されており、前記洋上基地を介して、前記注入井から液化二酸化炭素を海底に貯留することを特徴とする請求項6記載の二酸化炭素の貯留方法。
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