JP2012012867A - ケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置 - Google Patents

ケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、チェーン式落橋防止装置が抱える景観上の問題等、及びケーブル式落橋防止装置が抱える桁の設計挙動に対する追随範囲等、これら問題を解消するとともに、チェーン式落橋防止装置とケーブル式落橋防止装置が備える特長をあわせ持つケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置を提供することにある。
【解決手段】本願発明のケーブル式落橋防止構造は、ケーブル及び両端に接続治具を有する連結材と、支持躯体に固定された支持側固定具と、橋桁に固定された桁側固定具とを備え、ケーブル一端側の接続治具が支持側固定具に、ケーブル他端側の接続治具が桁側固定具に接続され、連結材の全長は、支持側固定具と桁側固定具とを結ぶ直線距離よりも長く、支持側固定具と桁側固定具に接続された連結材のケーブル中間付近に、ケーブルたわみによるサグが設けられる構造である。
【選択図】図1

Description

本願発明は、地震などによって橋桁が橋台や橋脚などから落下するのを防止する落橋防止構造及び落橋防止装置に関するものであり、具体的には、PC鋼より線に代表されるケーブルを利用したケーブル式落橋防止構造及び落橋防止装置に関するものである。
橋台や橋脚など橋桁を支持する構造物(以下、「支持躯体」という。)から橋桁が落下すること(以下、「落橋」という。)はかねてから問題視されていたが、兵庫県南部地震以来、従前にも増してこの落橋への対策が注目されるようになってきた。なお「落橋」という語は、橋梁における種々の損壊現象について広く用いられるものであるが、本書ではあくまで便宜上の理由から、支持躯体から橋桁が落下することを「落橋」とした。
落橋を防止する対策として、十分な桁かかり長を設けることが挙げられる。桁かかりとは、橋桁が支持躯体上に載っている部分のことであり、この部分の長さ(橋桁と支持躯体とのラップ長)を桁かかり長という。この桁かかり長が長いほど橋桁は支持躯体から落ちにくいが、その分施工に掛かる費用は増加する。そこで道路橋示方書では、桁かかり長の最小値として「0.7+0.005×支間長(m)」と規定している。
しかしながら、この道路橋示方書における桁かかり長の算出基準は、過去の地震規模を勘案して規定されたものであり、過去の経験からでは想定できない規模の地震に対して保証するものではない。そこで重要な橋梁では、道路橋示方書で規定する桁かかり長を設けたうえで、さらに落橋防止装置を設置して、落橋に対する二重の備えを施している。
落橋防止装置は、設計上想定し得る橋桁の挙動(以下、「桁の設計挙動」という。)に着目すると大きく2つの種類、すなわち、桁の設計挙動に追随しない非追随タイプと、桁の設計挙動に追随し得る追随タイプがある。なお桁の設計挙動とは、主に橋軸方向における変位を意味し、温度変化に伴うもの、車両等による衝撃力・制動力に伴うもの、あるいは過去の事例から想定し得る規模の地震に伴うもの等が挙げられる。非追随タイプは、桁の設計挙動において機能させるためのものであり、桁かかり長が極めて短い(または桁かかり長が確保できない)橋梁等で利用される。一方、追随タイプは、桁の設計挙動においては機能することがなく、例えば桁かかりを超えて橋桁が挙動しようとするときにはじめて機能するものである。
このように追随タイプの落橋防止装置は、桁の設計挙動に追随し得るものであるが、この挙動は橋軸方向に限らず橋軸角方向を含むあらゆる方向に動く可能性があるため、任意の方向に追随し得る工夫が施されている。
本来、落橋防止装置の機能は、地震時荷重など外部からの衝撃力(以下、「エネルギー」ともいう。)を優先的に負担し、緩衝材などによって橋桁の移動を制限するものであり、しかも追随タイプの落橋防止装置にあっては、桁かかりを超えて橋桁が挙動するような場合を対象にしている。そのため追随タイプの落橋防止装置では、相当規模のエネルギーを負担しなければならず、緩衝材を設けるなど大きな衝撃力を吸収するための対策が施されている。
従来、追随タイプの落橋防止装置としては、橋桁と支持躯体をチェーン主体の連結材で連結するチェーン形式の落橋防止装置(以下、「チェーン式落橋防止装置」という。)と、橋桁と支持躯体をケーブル主体の連結材で連結するケーブル形式の落橋防止装置(以下、「ケーブル式落橋防止装置」という。)が、最も多く採用されていた。
図5(a)に示すようにチェーン式落橋防止装置は、橋桁aと橋台bを連結するものであり、連結材c、桁側固定具d、及び支持側固定具eからなる。連結材cは、チェーンc1と、チェーンc1の両端に設けられた接続治具c2で構成されるものであり、桁側固定具dは橋桁aに固定され、支持側固定具eは橋台bに固定される。桁側固定具dと一方の接続治具c2を接続し、支持側固定具eと他方の接続治具c2を接続することによって、チェーン式落橋防止装置は橋桁a及び橋台bに取り付けられる。
図5(a)から分かるように連結材cの全長は、桁側固定具dと支持側固定具eとを結ぶ直線距離よりも長く、そのためチェーンc1は自重によってたわんでおり、チェーンc1中間付近にはサグが設けられている。サグとは、始点と終点を有する曲線(放物線や円弧等の2次曲線など)において、始点と終点を結ぶ直線を基準線としたときに、基準線上の任意点と、この任意点から引かれる垂線が曲線と交わる点との距離であり、この距離の最大値をもってサグということもある。このようにチェーンc1にはサグが設けられている、つまりチェーンc1にはいわゆる「あそび」があることから、チェーン式落橋防止装置は、桁の設計挙動に追随することができる。
また、図5(b)に示す支持側接続部の平面図から分かるように接続治具c2にはシャックルが用いられており、支持側固定具eのプレートに設けられたピン挿入孔に挿入されたピンの両端をシャックルが把持することで、接続治具c2は支持側固定具eに接続されている。桁側接続部も同様の接続手段である。このようにシャックルを用いたピン固定とすることによって、チェーン式落橋防止装置は、橋桁aの橋軸角方向を含むあらゆる方向の挙動に対して追随することができる。
さらに、図5(a)に示すように、チェーンc1の一部にはゴム製の緩衝材c3が被覆されることがある。この緩衝材c3は大きな衝撃力を吸収し得るもので、これによって橋桁が桁かかりを超えて挙動するような大きな衝撃力を受けた場合であっても、チェーン式落橋防止装置は目的の機能を果たすことができる。
図6(a)に示すようにケーブル式落橋防止装置は、チェーン式落橋防止装置と同様に橋桁aと橋台bを連結するものであり、ケーブルf、桁側ブラケットg、及び支持側ブラケットhからなる。桁側ブラケットgは橋桁aに固定され、支持側ブラケットhは橋台bに固定される。桁側ブラケットgとケーブルfの一端を接続し、支持側ブラケットhとケーブルfの他端を接続することによって、ケーブル式落橋防止装置は橋桁a及び橋台bに取り付けられる。
図6(a)から分かるようにケーブルfの全長は、桁側ブラケットgと支持側ブラケットhとを結ぶ直線距離と略同じ長さであり、そのためケーブルfはたわむことがなく、ケーブルf中間付近にはサグが設けられていない。これが、チェーン式落橋防止装置と大きく異なる点である。
桁側ブラケットg、支持側ブラケットhに用いられるブラケットの詳細を示したものが図6(b)のブラケット詳細図である。この図から分かるように、ブラケット内にはケーブル孔をもつ係止板g1が設けられ、このケーブル孔を通過したケーブルfの端部が係止板g1に係止されている。具体的には、ケーブル孔を通過したケーブルfの最端部(図では右端)に定着ナットg2が固定されており、この定着ナットg2とスプリングg3が、さらにスプリングg3と支圧板g4が固定されており、支圧板g4がケーブル孔よりも大きい(ケーブル孔を通過できない)ため、結果的にケーブルf端部は係止板g1に係止されることとなる。この係止方法は、チェーン式落橋防止装置のピン固定に対して、支圧固定と呼ばれる。
スプリングg3を配置したことによってケーブルfは支圧板g4に対して変位可能となり、このスプリングg3の弾性変位がチェーンc1の「あそび」に相当する。つまり、スプリングg3の弾性変位量が、桁の設計挙動に追随可能な範囲である。
また、図6(b)に示すように、ブラケットにおけるケーブルfの出口付近(図ではブラケット内左端)には偏向具g5が設けられている。この偏向具g5は、肉厚筒状のものであり、内部の導孔にケーブルfを挿通させることができる構造となっている。導孔はブラケットの出口側に向かって開くラッパ状を呈しており、これによりケーブルfの向きが変化しても、ケーブルfの折れや極端な曲がりを生じることがない。すなわち、ブラケット内の偏向具g5の効果により、ケーブル式落橋防止装置は、橋桁aの橋軸角方向を含むあらゆる方向への挙動に対して追随することができる。
さらに図6(b)に示すように、係止板g1と支圧板g4の間にはゴム(クロロプレンゴム)製の緩衝材g6が配置されており、この緩衝材g6は大きな衝撃力を吸収し得るもので、これによって橋桁が桁かかりを超えて挙動するような大きな衝撃力を受けた場合であっても、ケーブル式落橋防止装置は目的の機能を果たすことができる。
特許文献1で開示されたケーブル式落橋防止装置は、橋桁と橋桁を連結するものであるが、前記で説明したように、連結材の全長がブラケット間を結ぶ直線距離と略同じ長さであってケーブルはたわんでおらず(サグが設けられてなく)、ブラケットとケーブルとは支圧固定によって接続され、ブラケット内には緩衝材や偏向具が備えられている。
特開平8−333718号公報
交通量が著しく多い道路橋、新幹線など幹線における鉄道橋、といった重要とされる橋梁では、道路橋示方書で規定する桁かかり長を設けたうえで、さらに落橋防止装置を設置して落橋に対する二重の備えを施す場合があるが、このようなケースでは前記したとおり桁の設計挙動に追随できる追随タイプの落橋防止装置が適している。
しかしながら、追随タイプの落橋防止装置の一つであるチェーン式落橋防止装置は、次のような問題を抱えていた。すなわち、チェーン式落橋防止装置の設置後にチェーンが垂れ下がって見えるので、特に市街地等における景観上の問題を抱えていた。さらに、連結材がチェーン主体であることからチェーン式落橋防止装置の重量が大きくなり、そのため橋桁等への設置作業に困難と危険性が伴うという問題もあった。
一方、追随タイプの落橋防止装置の一つであるケーブル式落橋防止装置も、次のような問題を抱えていた。すなわち、桁の設計挙動に追随できる範囲がスプリングの弾性変位量に依存するため、常時における追随量が小さいという問題を抱えていた。さらに、ブラケットを設置する必要があるため、やはり景観上の問題があるとともに、ブラケット内には偏向具、スプリング、支圧板など種々のものを収める必要があるため、ブラケットの製造にかかる手間やコストの問題もあった。
本願発明の課題は、チェーン式落橋防止装置とケーブル式落橋防止装置が抱える問題を解消するとともに、チェーン式落橋防止装置が備える特長とケーブル式落橋防止装置が備える特長をあわせ持つケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置を提供することにある。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、支持躯体に固定された支持側固定具と、橋桁に固定された桁側固定具と、を備え、前記ケーブルの一端側に設けられた接続治具が前記支持側固定具に接続されるとともに、前記ケーブルの他端側に設けられた接続治具は前記桁側固定具に接続され、前記連結材の全長は、前記支持側固定具と前記桁側固定具とを結ぶ直線距離よりも長く、前記支持側固定具と前記桁側固定具に接続された前記連結材のケーブル中間付近には、ケーブルのたわみによるサグが設けられる構造である。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、支持側固定具及び桁側固定具に、ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、支持側固定具の前記ピン挿入孔に挿通されたピンの両端が、ケーブルの一端側に設けられた接続治具で把持されるとともに、桁側固定具の前記ピン挿入孔に挿通されたピンの両端が、ケーブルの他端側に設けられた接続治具で把持され、前記接続治具と前記支持側固定具との接続構造、及び取付け具と前記桁側固定具との接続構造が、ピン結合である構造とすることもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側に、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、ピンは前記筒状又は環状の緩衝材に挿通された構造とすることもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止装置は、ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、前記支持躯体に固定可能な支持側固定具と、前記橋桁に固定可能な桁側固定具と、を備え、支持側固定具及び桁側固定具には、ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側には、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、支持側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材に挿通されたピンの両端を、ケーブルの接続治具で把持可能であり、桁側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材に挿通されたピンの両端を、ケーブルの接続治具で把持可能なものである。
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置には、次のような効果がある。
(1)ケーブルの中間付近に設けられるサグによって桁の設計挙動に追随するので、小さな挙動から大きな挙動まで広い範囲の挙動に対して柔軟に対応することができる。
(2)連結材と支持側固定具(桁側固定具)との接続方法をピン結合にすることができるので、橋軸方向に限らず橋軸角方向を含むあらゆる方向の挙動に追随することができる。
(3)支持側固定具(桁側固定具)に設けられるピン挿入孔の内周に緩衝材を取り付けることができるので、比較的大きな衝撃も吸収することができる。
(4)連結材がケーブル主体であることから、チェーン形式に比べると目立ち難く、景観に配慮するような市街地等でも採用することができる。
(5)連結材がケーブル主体であることから軽量であり、そのため橋桁等への設置作業を容易かつ安全に実施することができる。
本願発明のケーブル式落橋防止装置が設置された橋梁を側面から見た全体図。 ケーブル式落橋防止装置設置個所の部分側面図。 接続治具を説明するための詳細平面図。 支持側固定具(桁側固定具)を説明するための詳細側面図。 (a)は従来のチェーン式落橋防止装置を説明する側面図、(b)はその部分平面図。 (a)は従来のケーブル式落橋防止装置を説明する側面図、(b)はそのブラケットを説明する詳細断面図。
(実施形態1)
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は本願発明のケーブル式落橋防止装置1が設置された橋梁を側面から見た全体図であり、図2はケーブル式落橋防止装置1設置個所の部分側面図である。
(全体構成)
図1に示す橋梁は、3つの橋桁2からなる3スパンの橋梁であり、それぞれ橋桁2は橋台3や橋脚4によって支持されている。ケーブル式落橋防止装置1は、橋台3が橋桁2を支持する箇所(図では左側)に設置され、橋台3と橋桁2を連結している。また、図に示すようにケーブル式落橋防止装置1を、橋桁2と橋脚4を連結するために、あるいは橋桁2と橋桁2を連結するために設置することもできる。その他、橋桁2を支持し得る他の構造物と橋桁2を連結するためにケーブル式落橋防止装置1を設置することもできる。もちろん、本願発明のケーブル式落橋防止装置1は、図1に示す3スパン橋梁に限らずあらゆる形式の橋梁に設置することができるし、橋桁2も、現場で施工する現場打ちコンクリートの桁、鋼製桁やPC桁といった工場製作の桁、など種々の桁を選択することができる。
前記のとおりケーブル式落橋防止装置1は、橋台3、橋脚4、その他の構造物など、橋桁2を支持し得る躯体(以下、「支持躯体」という。)に取り付けることが可能であるが、本実施形態では便宜上、支持躯体のうち橋台3に取り付けた場合で説明する。さらに、ケーブル式落橋防止装置1は、橋桁2と橋台3に限らず、橋桁2と他の支持躯体、橋桁2と橋桁2を連結するために設置することもできるし、橋軸直角方向断面に1箇所又は2以上の箇所に設置することもできるが、本実施形態では便宜上、橋桁2と橋台3との連結であって橋軸直角方向断面に1箇所設置した場合で説明する。
ケーブル式落橋防止装置1は、図2に示す連結材5、桁側固定具6、支持側固定具7を備えている。また、この図に示すように、連結材5はケーブル51、接続治具52を有しており、接続治具52は、ケーブル51の両端にそれぞれ一つずつ(計2つ)設けられている。
桁側固定具6はボルト固定など従来の手段を用いて橋桁2に固定され、同様に支持側固定具7は従来の手段を用いて橋台3に固定される。連結材5の一方の接続治具52と桁側固定具6が連結され、他方の接続治具52と支持側固定具7が連結されることによってケーブル式落橋防止装置1は橋桁2及び橋台3に取り付けられる。
(ケーブル式落橋防止構造)
ケーブル51の中間付近にサグS(図2)が設けられるようケーブル式落橋防止装置1を取り付けた構造が、本願発明のケーブル式落橋防止構造である。このサグSは、桁側固定具6と支持側固定具7とを結ぶ直線距離をLとすると(図2)、連結材5の全長を直線距離Lよりも長くすることによって設けられる。具体的には、ケーブル51が自重によってたわむことでサグSが設けられる。このサグSの量は連結材5が長いほど大きくなり、すなわち本願発明のケーブル式落橋防止構造では、連結材5の全長を調整することによってサグSの量を調整することができる。
ケーブル式落橋防止装置1は、緊張されたケーブル51によって落橋(橋桁2の橋台3からの落下)を防止するものであり、当初からケーブル51が緊張された状態でケーブル式落橋防止装置1を取り付けておくと、橋桁2のわずかな挙動に対しても落橋防止機能を発揮する。一方、この場合(緊張された状態でケーブル51を設置した場合)、温度変化に伴う橋桁2の変位、車両等による衝撃力・制動力に伴う橋桁2の変位、といった比較的頻繁に生じる橋桁2の挙動によってもケーブル51には緊張力が作用することとなり、材料疲労の点からは好ましくない。
本願発明のケーブル式落橋防止構造の場合、サグSを設けているのでケーブル51が緊張されるまでには余裕があり、温度変化に伴う橋桁2の変位など頻繁に生じる橋桁2の挙動では落橋防止機能を発揮せず、ケーブル51の材料疲労の点からも優れている。温度変化に伴う橋桁2の変位、車両等による衝撃力・制動力に伴う橋桁2の変位、あるいは過去の事例から想定し得る規模の地震に伴う橋桁2の変位、など設計上想定しうる挙動(桁の設計挙動)については支承の可動機能で対応させ、桁の設計挙動以上の挙動についてはケーブル式落橋防止装置1の落橋防止機能が負担するように、サグSの量を調整すると好適である。さらに、次式が成立するようにサグSの量を調整するとより好適である。
(支承の変位可能量)<(ケーブル式落橋防止構造による橋桁2の変位可能量)<(桁かかり長W×0.75)
(連結材)
前記のとおり連結材5は、ケーブル51と2つの接続治具52を有している。この連結材5を構成するケーブル51は、自重によってたわむことのできるロープ状(ひも状)のものであって、落橋防止機能を発揮し得る程度の材料強度を有するものであれば、任意の材料を選択することが可能で、一例をあげれば、PC鋼より線を採用することができる。なお、PC鋼より線は亜鉛メッキ等によって表面を防錆加工できることが望ましく、素線のより数や規格、あるいは外径等は、設計条件に合わせて適宜選択することができる。以下、本実施形態ではケーブル51としてPC鋼より線を採用した場合で説明する。
図3は、接続治具52を説明するための詳細平面図で、図2に示す橋台3側の接続治具52を平面視した図である。図2に示す橋桁2側の接続治具52と橋台3側の接続治具52は同様の構造であるので、ここでは図3に基づいて接続治具52を説明する。この図に示すように接続治具52は、先端がU字状のソケット52aとピン52bを備えている。図3は接続治具52を平面視しているので明確に図示されていないが、この図におけるソケット52aの側面(U字状なので2側面)にはピン52bを遊嵌状態で挿通させ得るピン挿入孔が設けられている。
ケーブル51の端部には、鋼製のねじ具53が設けられている。このねじ具53をケーブル51端部に取り付ける手段は従来技術に拠ることができるが、一例を示せばPC鋼より線を「かしめる」ことで装着することができる。このねじ具53をソケット52aに設けられたねじ孔に螺合させる(図3)ことによって、ケーブル51の端部にソケット52aが固定される。
(桁側固定具と支持側固定具)
図4は、支持側固定具7を説明するための詳細側面図で、図2に示す支持側固定具7を側面視した図である。桁側固定具6と支持側固定具7は同様の構造であるので、ここでは図4に基づいて支持側固定具7を説明する。この図に示すように支持側固定具7は、ベースプレート71、ピンプレート72、補強板73、緩衝材74を備えている。なお、図4に示す支持側固定具7(桁側固定具6)の構造は一例であって、連結材5の接続治具52とのピン結合が可能であれば任意の構造とすることができる。また図3に示す接続治具52も同様に、支持側固定具7(桁側固定具6)とのピン結合が可能であれば任意の構造とすることができる。
ベースプレート71は、支持側固定具7を橋台3に固定するためのもので、所定数のボルト孔が所定位置に設けられている。予め橋台3に設けられたアンカー孔と、ベースプレート71のボルト孔の位置を合わせたうえ高力ボルト等で縫い付けることで、支持側固定具7は橋台3に固定される。
ピンプレート72は、溶接など従来技術を用いてベースプレート71に固定されている。また、このピンプレート72には、接続治具52のピン52bの外径よりも大きなピン挿入孔74aが設けられている。ピンプレート72の両側から、かつピン挿入孔74aを覆うように、2枚の補強板73が貼り付けられている。ただし、この2枚の補強板73にもピン挿入孔74aと同形の孔が設けられており、この補強板73の孔とピン挿入孔74aの位置を合わせて補強板73を貼り付けているので、補強板73の孔からピンプレート72を通じて反対側の補強板73の孔までは貫通している(図3)。以下、ピンプレート72に設けられたピン挿入孔に、2枚の補強板73に設けられた孔を含めたものを、ピン挿入孔74aとする。
ピン挿入孔74aの内壁には、衝撃力を吸収するための緩衝材74が設置されている。この緩衝材74は、略環状(又は略円形の筒状)であって、外径はピン挿入孔74aの径と略等しく、内径は接続治具52のピン52bの外径と略等しい。このように緩衝材74の内径がピン52bの外径と略等しいことから、図3にも示すように、ピン52bの外周面は緩衝材74の内周面に接触している。なお、ピン挿入孔74aの径をピン52bの外径よりも大きくした理由は、緩衝材74を収容するスペース(緩衝材74の肉厚分)を確保するためである。緩衝材74は、図3に示すように、ピン挿入孔74aの中心軸方向(X−X)の全長に渡って配置されることが望ましいが、ピン挿入孔74aの中心軸方向に余裕を残して、あるいはピン挿入孔74aを越えて配置されてもよい。
(固定具と接続治具の接続)
図3に基づいて、支持側固定具7(桁側固定具6)と接続治具52との接続構造について説明する。ソケット52aの側面に設けられたピン挿入孔と、支持側固定具7に設けられたピン挿入孔74aの位置を合わせた上で、ピン52bをこれらの孔に挿通し、抜け落ち防止用のナットをピン52bの両端に螺合させる。これによって、支持側固定具7に対してソケット52aはピン52bの中心軸(X−X)回りに回転自在となる。すなわち、連結材5の一端は桁側固定具6とピン結合によって、連結材5の他端は支持側固定具7とピン結合によって、それぞれ接続される。
橋桁2が落橋する程度の衝撃を受けると、ケーブル51に大きな張力が発生する。このケーブル51に生じた張力はケーブル51の軸方向(図3に示すY−Y)の力なので、ねじ具53で固定されたソケット52aからピン52bに伝達され、さらにピン52bと接触している緩衝材74に伝えられる。すなわち、ケーブル式落橋防止装置1が受けた衝撃力は、緩衝材74に作用することとなる。
緩衝材74は、衝撃力を吸収するために適した材料によって構成され、その材料として例えばクロロプレンゴムが利用できる。もっとも、従来から緩衝材として採用されているものであれば、あらゆる材料を利用することもできる。このように緩衝材74の素材効果によって、緩衝材74は相当規模の衝撃力を吸収することができる。
緩衝材74は、前記したクロロプレンゴムのように弾性に富む材料が選ばれるため、ピン52bの様々な挙動に追随することができる。例えばピン52bが橋軸方向(図3のY−Y)に移動すると、緩衝材74の一部が圧縮変形することでピン52bに追随しながら衝撃力を吸収する。あるいはピン52bが、図3に示す交点O(X−X軸とY−Y軸の交点)を中心にして、ピン52bの中心軸とX−X軸との間に角度が生じるように回転した場合であっても、緩衝材74の一部が圧縮変形することでピン52bに追随することができる。すなわち、橋桁2が橋軸角方向を含むあらゆる方向に動いた場合であっても、緩衝材74の弾性変更効果から本願発明のケーブル式落橋防止装置1はこのような挙動に追随することができる。
(その他の実施形態)
実施形態1は、ケーブル式落橋防止装置1を橋軸方向に設置した場合で説明したが、橋軸方向の設置に加えて、あるいは代えて橋軸直角方向にケーブル式落橋防止装置1を設置することもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置は、道路橋や鉄道橋、河川橋や高架橋など、種々の橋に利用することができる。また、橋桁と橋台など支持躯体と橋桁との連結に限られず、トンネル坑門や擁壁、あるいはビル等の建築構造物など、様々な構造物間に取り付けて応用することができる。
1 ケーブル式落橋防止装置
2 橋桁
3 橋台
4 橋脚
5 連結材
51 (連結材の)ケーブル
52 (連結材の)接続治具
52a(接続治具の)ソケット
52b(接続治具の)ピン
53 ねじ具
6 桁側固定具
7 支持側固定具
71 (支持側固定具の)ベースプレート
72 (支持側固定具の)ピンプレート
73 (支持側固定具の)補強板
74 (支持側固定具の)緩衝材
74a(支持側固定具の)ピン挿入孔
S サグ
W 桁かかり長
L 桁側固定具6と支持側固定具7とを結ぶ直線距離
a 橋桁
b 橋台
c (従来のチェーン式落橋防止装置の)連結材
c1 (従来のチェーン式落橋防止装置の)チェーン
c2 (従来のチェーン式落橋防止装置の)接続治具
c3 (従来のチェーン式落橋防止装置の)緩衝材
d (従来のチェーン式落橋防止装置の)桁側固定具
e (従来のチェーン式落橋防止装置の)支持側固定具
f (従来のケーブル式落橋防止装置の)ケーブル
g (従来のケーブル式落橋防止装置の)桁側ブラケット
g1 (従来のケーブル式落橋防止装置の)係止板
g2 (従来のケーブル式落橋防止装置の)定着ナット
g3 (従来のケーブル式落橋防止装置の)スプリング
g4 (従来のケーブル式落橋防止装置の)支圧板
g5 (従来のケーブル式落橋防止装置の)偏向具
g6 (従来のケーブル式落橋防止装置の)緩衝材
h (従来のケーブル式落橋防止装置の)支持側ブラケット
本願発明は、地震などによって橋桁が橋台や橋脚などから落下するのを防止する落橋防止構造及び落橋防止装置に関するものであり、具体的には、PC鋼より線に代表されるケーブルを利用したケーブル式落橋防止構造及び落橋防止装置に関するものである。
橋台や橋脚など橋桁を支持する構造物(以下、「支持躯体」という。)から橋桁が落下すること(以下、「落橋」という。)はかねてから問題視されていたが、兵庫県南部地震以来、従前にも増してこの落橋への対策が注目されるようになってきた。なお「落橋」という語は、橋梁における種々の損壊現象について広く用いられるものであるが、本書ではあくまで便宜上の理由から、支持躯体から橋桁が落下することを「落橋」とした。
落橋を防止する対策として、十分な桁かかり長を設けることが挙げられる。桁かかりとは、橋桁が支持躯体上に載っている部分のことであり、この部分の長さ(橋桁と支持躯体とのラップ長)を桁かかり長という。この桁かかり長が長いほど橋桁は支持躯体から落ちにくいが、その分施工に掛かる費用は増加する。そこで道路橋示方書では、桁かかり長の最小値として「0.7+0.005×支間長(m)」と規定している。
しかしながら、この道路橋示方書における桁かかり長の算出基準は、過去の地震規模を勘案して規定されたものであり、過去の経験からでは想定できない規模の地震に対して保証するものではない。そこで重要な橋梁では、道路橋示方書で規定する桁かかり長を設けたうえで、さらに落橋防止装置を設置して、落橋に対する二重の備えを施している。
落橋防止装置は、設計上想定し得る橋桁の挙動(以下、「桁の設計挙動」という。)に着目すると大きく2つの種類、すなわち、桁の設計挙動に追随しない非追随タイプと、桁の設計挙動に追随し得る追随タイプがある。なお桁の設計挙動とは、主に橋軸方向における変位を意味し、温度変化に伴うもの、車両等による衝撃力・制動力に伴うもの、あるいは過去の事例から想定し得る規模の地震に伴うもの等が挙げられる。非追随タイプは、桁の設計挙動において機能させるためのものであり、桁かかり長が極めて短い(または桁かかり長が確保できない)橋梁等で利用される。一方、追随タイプは、桁の設計挙動においては機能することがなく、例えば桁かかりを超えて橋桁が挙動しようとするときにはじめて機能するものである。
このように追随タイプの落橋防止装置は、桁の設計挙動に追随し得るものであるが、この挙動は橋軸方向に限らず橋軸角方向を含むあらゆる方向に動く可能性があるため、任意の方向に追随し得る工夫が施されている。
本来、落橋防止装置の機能は、地震時荷重など外部からの衝撃力(以下、「エネルギー」ともいう。)を優先的に負担し、緩衝材などによって橋桁の移動を制限するものであり、しかも追随タイプの落橋防止装置にあっては、桁かかりを超えて橋桁が挙動するような場合を対象にしている。そのため追随タイプの落橋防止装置では、相当規模のエネルギーを負担しなければならず、緩衝材を設けるなど大きな衝撃力を吸収するための対策が施されている。
従来、追随タイプの落橋防止装置としては、橋桁と支持躯体をチェーン主体の連結材で連結するチェーン形式の落橋防止装置(以下、「チェーン式落橋防止装置」という。)と、橋桁と支持躯体をケーブル主体の連結材で連結するケーブル形式の落橋防止装置(以下、「ケーブル式落橋防止装置」という。)が、最も多く採用されていた。
図5(a)に示すようにチェーン式落橋防止装置は、橋桁aと橋台bを連結するものであり、連結材c、桁側固定具d、及び支持側固定具eからなる。連結材cは、チェーンc1と、チェーンc1の両端に設けられた接続治具c2で構成されるものであり、桁側固定具dは橋桁aに固定され、支持側固定具eは橋台bに固定される。桁側固定具dと一方の接続治具c2を接続し、支持側固定具eと他方の接続治具c2を接続することによって、チェーン式落橋防止装置は橋桁a及び橋台bに取り付けられる。
図5(a)から分かるように連結材cの全長は、桁側固定具dと支持側固定具eとを結ぶ直線距離よりも長く、そのためチェーンc1は自重によってたわんでおり、チェーンc1中間付近にはサグが設けられている。サグとは、始点と終点を有する曲線(放物線や円弧等の2次曲線など)において、始点と終点を結ぶ直線を基準線としたときに、基準線上の任意点と、この任意点から引かれる垂線が曲線と交わる点との距離であり、この距離の最大値をもってサグということもある。このようにチェーンc1にはサグが設けられている、つまりチェーンc1にはいわゆる「あそび」があることから、チェーン式落橋防止装置は、桁の設計挙動に追随することができる。
また、図5(b)に示す支持側接続部の平面図から分かるように接続治具c2にはシャックルが用いられており、支持側固定具eのプレートに設けられたピン挿入孔に挿入されたピンの両端をシャックルが把持することで、接続治具c2は支持側固定具eに接続されている。桁側接続部も同様の接続手段である。このようにシャックルを用いたピン固定とすることによって、チェーン式落橋防止装置は、橋桁aの橋軸角方向を含むあらゆる方向の挙動に対して追随することができる。
さらに、図5(a)に示すように、チェーンc1の一部にはゴム製の緩衝材c3が被覆されることがある。この緩衝材c3は大きな衝撃力を吸収し得るもので、これによって橋桁が桁かかりを超えて挙動するような大きな衝撃力を受けた場合であっても、チェーン式落橋防止装置は目的の機能を果たすことができる。
図6(a)に示すようにケーブル式落橋防止装置は、チェーン式落橋防止装置と同様に橋桁aと橋台bを連結するものであり、ケーブルf、桁側ブラケットg、及び支持側ブラケットhからなる。桁側ブラケットgは橋桁aに固定され、支持側ブラケットhは橋台bに固定される。桁側ブラケットgとケーブルfの一端を接続し、支持側ブラケットhとケーブルfの他端を接続することによって、ケーブル式落橋防止装置は橋桁a及び橋台bに取り付けられる。
図6(a)から分かるようにケーブルfの全長は、桁側ブラケットgと支持側ブラケットhとを結ぶ直線距離と略同じ長さであり、そのためケーブルfはたわむことがなく、ケーブルf中間付近にはサグが設けられていない。これが、チェーン式落橋防止装置と大きく異なる点である。
桁側ブラケットg、支持側ブラケットhに用いられるブラケットの詳細を示したものが図6(b)のブラケット詳細図である。この図から分かるように、ブラケット内にはケーブル孔をもつ係止板g1が設けられ、このケーブル孔を通過したケーブルfの端部が係止板g1に係止されている。具体的には、ケーブル孔を通過したケーブルfの最端部(図では右端)に定着ナットg2が固定されており、この定着ナットg2とスプリングg3が、さらにスプリングg3と支圧板g4が固定されており、支圧板g4がケーブル孔よりも大きい(ケーブル孔を通過できない)ため、結果的にケーブルf端部は係止板g1に係止されることとなる。この係止方法は、チェーン式落橋防止装置のピン固定に対して、支圧固定と呼ばれる。
スプリングg3を配置したことによってケーブルfは支圧板g4に対して変位可能となり、このスプリングg3の弾性変位がチェーンc1の「あそび」に相当する。つまり、スプリングg3の弾性変位量が、桁の設計挙動に追随可能な範囲である。
また、図6(b)に示すように、ブラケットにおけるケーブルfの出口付近(図ではブラケット内左端)には偏向具g5が設けられている。この偏向具g5は、肉厚筒状のものであり、内部の導孔にケーブルfを挿通させることができる構造となっている。導孔はブラケットの出口側に向かって開くラッパ状を呈しており、これによりケーブルfの向きが変化しても、ケーブルfの折れや極端な曲がりを生じることがない。すなわち、ブラケット内の偏向具g5の効果により、ケーブル式落橋防止装置は、橋桁aの橋軸角方向を含むあらゆる方向への挙動に対して追随することができる。
さらに図6(b)に示すように、係止板g1と支圧板g4の間にはゴム(クロロプレンゴム)製の緩衝材g6が配置されており、この緩衝材g6は大きな衝撃力を吸収し得るもので、これによって橋桁が桁かかりを超えて挙動するような大きな衝撃力を受けた場合であっても、ケーブル式落橋防止装置は目的の機能を果たすことができる。
特許文献1で開示されたケーブル式落橋防止装置は、橋桁と橋桁を連結するものであるが、前記で説明したように、連結材の全長がブラケット間を結ぶ直線距離と略同じ長さであってケーブルはたわんでおらず(サグが設けられてなく)、ブラケットとケーブルとは支圧固定によって接続され、ブラケット内には緩衝材や偏向具が備えられている。
特開平8−333718号公報
交通量が著しく多い道路橋、新幹線など幹線における鉄道橋、といった重要とされる橋梁では、道路橋示方書で規定する桁かかり長を設けたうえで、さらに落橋防止装置を設置して落橋に対する二重の備えを施す場合があるが、このようなケースでは前記したとおり桁の設計挙動に追随できる追随タイプの落橋防止装置が適している。
しかしながら、追随タイプの落橋防止装置の一つであるチェーン式落橋防止装置は、次のような問題を抱えていた。すなわち、チェーン式落橋防止装置の設置後にチェーンが垂れ下がって見えるので、特に市街地等における景観上の問題を抱えていた。さらに、連結材がチェーン主体であることからチェーン式落橋防止装置の重量が大きくなり、そのため橋桁等への設置作業に困難と危険性が伴うという問題もあった。
一方、追随タイプの落橋防止装置の一つであるケーブル式落橋防止装置も、次のような問題を抱えていた。すなわち、桁の設計挙動に追随できる範囲がスプリングの弾性変位量に依存するため、常時における追随量が小さいという問題を抱えていた。さらに、ブラケットを設置する必要があるため、やはり景観上の問題があるとともに、ブラケット内には偏向具、スプリング、支圧板など種々のものを収める必要があるため、ブラケットの製造にかかる手間やコストの問題もあった。
本願発明の課題は、チェーン式落橋防止装置とケーブル式落橋防止装置が抱える問題を解消するとともに、チェーン式落橋防止装置が備える特長とケーブル式落橋防止装置が備える特長をあわせ持つケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置を提供することにある。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、支持躯体に固定された支持側固定具と、橋桁に固定された桁側固定具と、を備え、前記ケーブルの一端側に設けられた接続治具が前記支持側固定具に接続されるとともに、前記ケーブルの他端側に設けられた接続治具は前記桁側固定具に接続され、前記連結材の全長は、前記支持側固定具と前記桁側固定具とを結ぶ直線距離よりも長く、前記支持側固定具と前記桁側固定具に接続された前記連結材のケーブルには、ケーブルのたわみによるサグが設けられ、前記支承の可動機能で対応可能な変位量以上に前記橋桁が変位したときに、前記ケーブルが緊張されることで落橋を防止するように、前記サグ量が調整された構造である。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、ケーブルの両端に設けられる接続治具がソケット及びピンを有し、前記ソケットには前記ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、支持側固定具及び桁側固定具に前記ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、前記支持側固定具の前記ピン挿入孔及びソケットの前記ピン挿入孔前記ピンが挿通されることで前記接続治具と支持側固定具がピン結合され前記桁側固定具の前記ピン挿入孔及びソケットの前記ピン挿入孔前記ピンが挿通されることで前記接続治具と桁側固定具がピン結合される構造とすることもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止構造は、支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側に、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、ピンは前記筒状又は環状の緩衝材に挿通された構造とすることもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止装置は、ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、前記支持躯体に固定可能な支持側固定具と、前記橋桁に固定可能な桁側固定具と、を備え、ケーブルの両端に設けられる接続治具はソケット及びピンを有し、前記ソケットには前記ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、支持側固定具及び桁側固定具には、ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側には、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、前記支持側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材内、及びソケットの前記ピン挿入孔前記ピンを挿通することで前記接続治具と支持側固定具とをピン結合とすることが可能なものであり、前記桁側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材内、及びソケットの前記ピン挿入孔前記ピンを挿通することで前記接続治具と桁側固定具とをピン結合とすることが可能であり、前記支持側固定具と前記桁側固定具に前記連結材を接続すると前記ケーブルに「たわみによるサグ」を設けることが可能であるとともに、前記支承の可動機能で対応可能な変位量以上に前記橋桁が変位したときに前記ケーブルが緊張されることで落橋を防止するように前記サグ量を調整することが可能なものである。
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置には、次のような効果がある。
(1)ケーブルの中間付近に設けられるサグによって桁の設計挙動に追随するので、小さな挙動から大きな挙動まで広い範囲の挙動に対して柔軟に対応することができる。
(2)連結材と支持側固定具(桁側固定具)との接続方法をピン結合にすることができるので、橋軸方向に限らず橋軸角方向を含むあらゆる方向の挙動に追随することができる。
(3)支持側固定具(桁側固定具)に設けられるピン挿入孔の内周に緩衝材を取り付けることができるので、比較的大きな衝撃も吸収することができる。
(4)連結材がケーブル主体であることから、チェーン形式に比べると目立ち難く、景観に配慮するような市街地等でも採用することができる。
(5)連結材がケーブル主体であることから軽量であり、そのため橋桁等への設置作業を容易かつ安全に実施することができる。
本願発明のケーブル式落橋防止装置が設置された橋梁を側面から見た全体図。 ケーブル式落橋防止装置設置個所の部分側面図。 接続治具を説明するための詳細平面図。 支持側固定具(桁側固定具)を説明するための詳細側面図。 (a)は従来のチェーン式落橋防止装置を説明する側面図、(b)はその部分平面図。 (a)は従来のケーブル式落橋防止装置を説明する側面図、(b)はそのブラケットを説明する詳細断面図。
(実施形態1)
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は本願発明のケーブル式落橋防止装置1が設置された橋梁を側面から見た全体図であり、図2はケーブル式落橋防止装置1設置個所の部分側面図である。
(全体構成)
図1に示す橋梁は、3つの橋桁2からなる3スパンの橋梁であり、それぞれ橋桁2は橋台3や橋脚4によって支持されている。ケーブル式落橋防止装置1は、橋台3が橋桁2を支持する箇所(図では左側)に設置され、橋台3と橋桁2を連結している。また、図に示すようにケーブル式落橋防止装置1を、橋桁2と橋脚4を連結するために、あるいは橋桁2と橋桁2を連結するために設置することもできる。その他、橋桁2を支持し得る他の構造物と橋桁2を連結するためにケーブル式落橋防止装置1を設置することもできる。もちろん、本願発明のケーブル式落橋防止装置1は、図1に示す3スパン橋梁に限らずあらゆる形式の橋梁に設置することができるし、橋桁2も、現場で施工する現場打ちコンクリートの桁、鋼製桁やPC桁といった工場製作の桁、など種々の桁を選択することができる。
前記のとおりケーブル式落橋防止装置1は、橋台3、橋脚4、その他の構造物など、橋桁2を支持し得る躯体(以下、「支持躯体」という。)に取り付けることが可能であるが、本実施形態では便宜上、支持躯体のうち橋台3に取り付けた場合で説明する。さらに、ケーブル式落橋防止装置1は、橋桁2と橋台3に限らず、橋桁2と他の支持躯体、橋桁2と橋桁2を連結するために設置することもできるし、橋軸直角方向断面に1箇所又は2以上の箇所に設置することもできるが、本実施形態では便宜上、橋桁2と橋台3との連結であって橋軸直角方向断面に1箇所設置した場合で説明する。
ケーブル式落橋防止装置1は、図2に示す連結材5、桁側固定具6、支持側固定具7を備えている。また、この図に示すように、連結材5はケーブル51、接続治具52を有しており、接続治具52は、ケーブル51の両端にそれぞれ一つずつ(計2つ)設けられている。
桁側固定具6はボルト固定など従来の手段を用いて橋桁2に固定され、同様に支持側固定具7は従来の手段を用いて橋台3に固定される。連結材5の一方の接続治具52と桁側固定具6が連結され、他方の接続治具52と支持側固定具7が連結されることによってケーブル式落橋防止装置1は橋桁2及び橋台3に取り付けられる。
(ケーブル式落橋防止構造)
ケーブル51の中間付近にサグS(図2)が設けられるようケーブル式落橋防止装置1を取り付けた構造が、本願発明のケーブル式落橋防止構造である。このサグSは、桁側固定具6と支持側固定具7とを結ぶ直線距離をLとすると(図2)、連結材5の全長を直線距離Lよりも長くすることによって設けられる。具体的には、ケーブル51が自重によってたわむことでサグSが設けられる。このサグSの量は連結材5が長いほど大きくなり、すなわち本願発明のケーブル式落橋防止構造では、連結材5の全長を調整することによってサグSの量を調整することができる。
ケーブル式落橋防止装置1は、緊張されたケーブル51によって落橋(橋桁2の橋台3からの落下)を防止するものであり、当初からケーブル51が緊張された状態でケーブル式落橋防止装置1を取り付けておくと、橋桁2のわずかな挙動に対しても落橋防止機能を発揮する。一方、この場合(緊張された状態でケーブル51を設置した場合)、温度変化に伴う橋桁2の変位、車両等による衝撃力・制動力に伴う橋桁2の変位、といった比較的頻繁に生じる橋桁2の挙動によってもケーブル51には緊張力が作用することとなり、材料疲労の点からは好ましくない。
本願発明のケーブル式落橋防止構造の場合、サグSを設けているのでケーブル51が緊張されるまでには余裕があり、温度変化に伴う橋桁2の変位など頻繁に生じる橋桁2の挙動では落橋防止機能を発揮せず、ケーブル51の材料疲労の点からも優れている。温度変化に伴う橋桁2の変位、車両等による衝撃力・制動力に伴う橋桁2の変位、あるいは過去の事例から想定し得る規模の地震に伴う橋桁2の変位、など設計上想定しうる挙動(桁の設計挙動)については支承の可動機能で対応させ、桁の設計挙動以上の挙動についてはケーブル式落橋防止装置1の落橋防止機能が負担するように、サグSの量を調整すると好適である。さらに、次式が成立するようにサグSの量を調整するとより好適である。
(支承の変位可能量)<(ケーブル式落橋防止構造による橋桁2の変位可能量)<(桁かかり長W×0.75)
(連結材)
前記のとおり連結材5は、ケーブル51と2つの接続治具52を有している。この連結材5を構成するケーブル51は、自重によってたわむことのできるロープ状(ひも状)のものであって、落橋防止機能を発揮し得る程度の材料強度を有するものであれば、任意の材料を選択することが可能で、一例をあげれば、PC鋼より線を採用することができる。なお、PC鋼より線は亜鉛メッキ等によって表面を防錆加工できることが望ましく、素線のより数や規格、あるいは外径等は、設計条件に合わせて適宜選択することができる。以下、本実施形態ではケーブル51としてPC鋼より線を採用した場合で説明する。
図3は、接続治具52を説明するための詳細平面図で、図2に示す橋台3側の接続治具52を平面視した図である。図2に示す橋桁2側の接続治具52と橋台3側の接続治具52は同様の構造であるので、ここでは図3に基づいて接続治具52を説明する。この図に示すように接続治具52は、先端がU字状のソケット52aとピン52bを備えている。図3は接続治具52を平面視しているので明確に図示されていないが、この図におけるソケット52aの側面(U字状なので2側面)にはピン52bを遊嵌状態で挿通させ得るピン挿入孔が設けられている。
ケーブル51の端部には、鋼製のねじ具53が設けられている。このねじ具53をケーブル51端部に取り付ける手段は従来技術に拠ることができるが、一例を示せばPC鋼より線を「かしめる」ことで装着することができる。このねじ具53をソケット52aに設けられたねじ孔に螺合させる(図3)ことによって、ケーブル51の端部にソケット52aが固定される。
(桁側固定具と支持側固定具)
図4は、支持側固定具7を説明するための詳細側面図で、図2に示す支持側固定具7を側面視した図である。桁側固定具6と支持側固定具7は同様の構造であるので、ここでは図4に基づいて支持側固定具7を説明する。この図に示すように支持側固定具7は、ベースプレート71、ピンプレート72、補強板73、緩衝材74を備えている。なお、図4に示す支持側固定具7(桁側固定具6)の構造は一例であって、連結材5の接続治具52とのピン結合が可能であれば任意の構造とすることができる。また図3に示す接続治具52も同様に、支持側固定具7(桁側固定具6)とのピン結合が可能であれば任意の構造とすることができる。
ベースプレート71は、支持側固定具7を橋台3に固定するためのもので、所定数のボルト孔が所定位置に設けられている。予め橋台3に設けられたアンカー孔と、ベースプレート71のボルト孔の位置を合わせたうえ高力ボルト等で縫い付けることで、支持側固定具7は橋台3に固定される。
ピンプレート72は、溶接など従来技術を用いてベースプレート71に固定されている。また、このピンプレート72には、接続治具52のピン52bの外径よりも大きなピン挿入孔74aが設けられている。ピンプレート72の両側から、かつピン挿入孔74aを覆うように、2枚の補強板73が貼り付けられている。ただし、この2枚の補強板73にもピン挿入孔74aと同形の孔が設けられており、この補強板73の孔とピン挿入孔74aの位置を合わせて補強板73を貼り付けているので、補強板73の孔からピンプレート72を通じて反対側の補強板73の孔までは貫通している(図3)。以下、ピンプレート72に設けられたピン挿入孔に、2枚の補強板73に設けられた孔を含めたものを、ピン挿入孔74aとする。
ピン挿入孔74aの内壁には、衝撃力を吸収するための緩衝材74が設置されている。この緩衝材74は、略環状(又は略円形の筒状)であって、外径はピン挿入孔74aの径と略等しく、内径は接続治具52のピン52bの外径と略等しい。このように緩衝材74の内径がピン52bの外径と略等しいことから、図3にも示すように、ピン52bの外周面は緩衝材74の内周面に接触している。なお、ピン挿入孔74aの径をピン52bの外径よりも大きくした理由は、緩衝材74を収容するスペース(緩衝材74の肉厚分)を確保するためである。緩衝材74は、図3に示すように、ピン挿入孔74aの中心軸方向(X−X)の全長に渡って配置されることが望ましいが、ピン挿入孔74aの中心軸方向に余裕を残して、あるいはピン挿入孔74aを越えて配置されてもよい。
(固定具と接続治具の接続)
図3に基づいて、支持側固定具7(桁側固定具6)と接続治具52との接続構造について説明する。ソケット52aの側面に設けられたピン挿入孔と、支持側固定具7に設けられたピン挿入孔74aの位置を合わせた上で、ピン52bをこれらの孔に挿通し、抜け落ち防止用のナットをピン52bの両端に螺合させる。これによって、支持側固定具7に対してソケット52aはピン52bの中心軸(X−X)回りに回転自在となる。すなわち、連結材5の一端は桁側固定具6とピン結合によって、連結材5の他端は支持側固定具7とピン結合によって、それぞれ接続される。
橋桁2が落橋する程度の衝撃を受けると、ケーブル51に大きな張力が発生する。このケーブル51に生じた張力はケーブル51の軸方向(図3に示すY−Y)の力なので、ねじ具53で固定されたソケット52aからピン52bに伝達され、さらにピン52bと接触している緩衝材74に伝えられる。すなわち、ケーブル式落橋防止装置1が受けた衝撃力は、緩衝材74に作用することとなる。
緩衝材74は、衝撃力を吸収するために適した材料によって構成され、その材料として例えばクロロプレンゴムが利用できる。もっとも、従来から緩衝材として採用されているものであれば、あらゆる材料を利用することもできる。このように緩衝材74の素材効果によって、緩衝材74は相当規模の衝撃力を吸収することができる。
緩衝材74は、前記したクロロプレンゴムのように弾性に富む材料が選ばれるため、ピン52bの様々な挙動に追随することができる。例えばピン52bが橋軸方向(図3のY−Y)に移動すると、緩衝材74の一部が圧縮変形することでピン52bに追随しながら衝撃力を吸収する。あるいはピン52bが、図3に示す交点O(X−X軸とY−Y軸の交点)を中心にして、ピン52bの中心軸とX−X軸との間に角度が生じるように回転した場合であっても、緩衝材74の一部が圧縮変形することでピン52bに追随することができる。すなわち、橋桁2が橋軸角方向を含むあらゆる方向に動いた場合であっても、緩衝材74の弾性変更効果から本願発明のケーブル式落橋防止装置1はこのような挙動に追随することができる。
(その他の実施形態)
実施形態1は、ケーブル式落橋防止装置1を橋軸方向に設置した場合で説明したが、橋軸方向の設置に加えて、あるいは代えて橋軸直角方向にケーブル式落橋防止装置1を設置することもできる。
本願発明のケーブル式落橋防止構造及びケーブル式落橋防止装置は、道路橋や鉄道橋、河川橋や高架橋など、種々の橋に利用することができる。また、橋桁と橋台など支持躯体と橋桁との連結に限られず、トンネル坑門や擁壁、あるいはビル等の建築構造物など、様々な構造物間に取り付けて応用することができる。
1 ケーブル式落橋防止装置
2 橋桁
3 橋台
4 橋脚
5 連結材
51 (連結材の)ケーブル
52 (連結材の)接続治具
52a(接続治具の)ソケット
52b(接続治具の)ピン
53 ねじ具
6 桁側固定具
7 支持側固定具
71 (支持側固定具の)ベースプレート
72 (支持側固定具の)ピンプレート
73 (支持側固定具の)補強板
74 (支持側固定具の)緩衝材
74a(支持側固定具の)ピン挿入孔
S サグ
W 桁かかり長
L 桁側固定具6と支持側固定具7とを結ぶ直線距離
a 橋桁
b 橋台
c (従来のチェーン式落橋防止装置の)連結材
c1 (従来のチェーン式落橋防止装置の)チェーン
c2 (従来のチェーン式落橋防止装置の)接続治具
c3 (従来のチェーン式落橋防止装置の)緩衝材
d (従来のチェーン式落橋防止装置の)桁側固定具
e (従来のチェーン式落橋防止装置の)支持側固定具
f (従来のケーブル式落橋防止装置の)ケーブル
g (従来のケーブル式落橋防止装置の)桁側ブラケット
g1 (従来のケーブル式落橋防止装置の)係止板
g2 (従来のケーブル式落橋防止装置の)定着ナット
g3 (従来のケーブル式落橋防止装置の)スプリング
g4 (従来のケーブル式落橋防止装置の)支圧板
g5 (従来のケーブル式落橋防止装置の)偏向具
g6 (従来のケーブル式落橋防止装置の)緩衝材
h (従来のケーブル式落橋防止装置の)支持側ブラケット

Claims (4)

  1. 橋桁を支持する支持躯体から、橋桁が落下することを防止し得る落橋防止構造において、
    ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、前記支持躯体に固定された支持側固定具と、前記橋桁に固定された桁側固定具と、を備え、
    前記ケーブルの一端側に設けられた接続治具が前記支持側固定具に接続されるとともに、前記ケーブルの他端側に設けられた接続治具は前記桁側固定具に接続され、
    前記連結材の全長は、前記支持側固定具と前記桁側固定具とを結ぶ直線距離よりも長く、
    前記支持側固定具と前記桁側固定具に接続された前記連結材のケーブル中間付近には、ケーブルのたわみによるサグが設けられることを特徴とするケーブル式落橋防止構造。
  2. 請求項1記載のケーブル式落橋防止構造において、
    支持側固定具及び桁側固定具に、ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、
    支持側固定具の前記ピン挿入孔に挿通されたピンの両端が、ケーブルの一端側に設けられた接続治具で把持されるとともに、桁側固定具の前記ピン挿入孔に挿通されたピンの両端が、ケーブルの他端側に設けられた接続治具で把持され、
    前記接続治具と前記支持側固定具との接続構造、及び取付け具と前記桁側固定具との接続構造が、ピン結合であることを特徴とするケーブル式落橋防止構造。
  3. 請求項2記載のケーブル式落橋防止構造において、
    支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側に、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、
    ピンは前記筒状又は環状の緩衝材に挿通されたことを特徴とするケーブル式落橋防止構造。
  4. 橋桁を支持する支持躯体から、橋桁が落下することを防止し得る落橋防止装置において、
    ケーブル及びケーブル両端に設けられた接続治具を有する連結材と、前記支持躯体に固定可能な支持側固定具と、前記橋桁に固定可能な桁側固定具と、を備え、
    支持側固定具及び桁側固定具には、ピンを挿通可能なピン挿入孔が設けられ、
    支持側固定具のピン挿入孔の内周側、又は/及び桁側固定具のピン挿入孔の内周側には、筒状又は環状の緩衝材が内挿され、
    支持側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材に挿通されたピンの両端を、ケーブルの接続治具で把持可能であり、
    桁側固定具の前記ピン挿入孔又は前記緩衝材に挿通されたピンの両端を、ケーブルの接続治具で把持可能であることを特徴とするケーブル式落橋防止装置。
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