JP2012012682A - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量のN添加を必須とせずとも高いBH性を有する熱延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.2%以下、S:0.05%以下、sol.Al:0.001〜0.5%、N:0.001〜0.02%およびO:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、フェライト面積率が50%以上、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均粒径D(μm)が、1.2≦D≦7、D≦3.1+5000/(5+350・C+40・Mn)を満足する鋼組織を有し、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNが2〜80質量ppmであり、6%の予歪付与後に170℃で20分間の熱処理を施した場合における歪時効硬化による引張強度の上昇量BHTS(MPa)が、BHTS≧10、BHTS≧SCN×1.25およびBHTS≧12.1×ln(SCN)+3.5を満足する熱延鋼板である。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱延鋼板およびその製造方法に関する。本発明は、自動車や産業機器の高強度部材の素材として好適な鋼板であって、成形加工時には比較的低強度であるため加工性に優れ、成形加工後においては焼付塗装処理等の熱処理によって高強度化する特性を有する、熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車の乗員安全確保がいっそう重視されている。そのため、耐衝突特性の向上に重点が置かれるようになり、車体重量は増加傾向にある。一方、地球環境保護の観点から炭酸ガス排出量削減が多くの分野で取り組まれており、自動車メーカーにおいても低燃費化を目的に車体軽量化の技術開発が行われている。
その結果、高強度鋼板を用いて薄肉化することによって、車体の軽量化と剛性向上とを両立することが指向されている。しかし、強度と加工性とは一般にトレードオフの関係にあるため、単に強度を高めるとプレス等の成形加工が困難になる場合がある。このため、加工性が高い高強度鋼板が望まれている。
このような課題を解決する技術の一つに、成形加工時には軟質で加工性に優れ、成形加工後に塗装焼付処理を施すことによって歪時効硬化する特性(以下、「BH性」ともいう。)を利用した塗装焼付硬化型鋼板(以下、「BH鋼板」ともいう。)がある。
BH性は、CおよびNが鋼中に多量に固溶しているほど高くなる。そこで、Nを多量に添加して、さらに、巻取温度の制御により窒化物の析出を抑制して多量のNを固溶させた高BH性を有する熱延鋼板が開発されている。
ここで、冷延鋼板におけるBH鋼板は、主に降伏強度の上昇により耐デント性を向上させることを目的とするものであり、ドアやフードなどのアウターパネルに用いられるが、熱延鋼板におけるBH鋼板は、主に引張強度の上昇により疲労強度や衝撃吸収性能を向上させることを目的とするものであり、主として構造部品に用いられる。
特許文献1には、Nを0.0060質量%超0.0200質量%以下含有する鋼に(Ar+10℃)以上(Ar+100℃)以下の圧延終了温度で仕上圧延を行った後、0.5秒間以内に20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、600〜300℃で巻取ることによって、フェライト平均粒径が7.0μm以下で0.0030〜0.0100質量%のNを固溶した焼付け硬化性および耐衝撃性に優れるとされる高張力熱延鋼板が記載されている。
また、特許文献2には、Al:0.02質量%以下、N:0.0050〜0.0250質量%、N(質量%)/Al(質量%)が0.3以上の鋼に熱間圧延を行った後に0.5秒間以内に20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、650℃以下で巻取ることによって、平均粒径10μm以下のフェライトを面積率で50%以上含み、0.0010質量%以上のNを固溶した歪時効硬化特性に優れるとされる高張力熱延鋼板が記載されている。
ところで、熱延鋼板の鋼組織の微細化方法については従来から数多くの提案がなされている。従来技術における鋼組織の微細化方法としては、(i)大圧下圧延法、(ii)制御圧延法、(iii)合金元素添加法、もしくはこれらの組合せが挙げられる。
(i)大圧下圧延法は、圧下率を50%程度以上と大きくして、1パスの圧延で大きな歪みを蓄積させ、その後オーステナイトから微細フェライトへと変態させるか、もしくは大歪みを利用して比較的粗大なフェライトを微細フェライトへ再結晶させる手法である。斯かる方法によれば、1000℃近傍以下の温度に加熱した後、700℃近傍の低温域で大圧下圧延を行うことによって、1〜3μmの超微細フェライト組織が得られる。しかし、この方法は、工業的実施が困難であるばかりか、微細フェライト組織が熱処理によって容易に粒成長するので、溶接を行うと溶接部が軟化するなどの問題を有している。
(ii)制御圧延法は、一般的に800℃近傍以上の温度で、圧延1パス当たりの圧下率を20〜40%以下として、多パスの圧延を施した後、冷却する方法である。圧延温度をAr点近傍の狭い温度域にする方法や歪み速度と温度を制御してオーステナイトを動的再結晶させる方法などの多くの方法が開示されている。しかし、圧延後の冷却に関する検討は十分には行われていない。圧延の直後から水冷するほうが好ましいとされているが、直後冷却といっても圧延後0.2秒間以上経過してからの冷却開始であり、冷却速度もせいぜい250℃/秒程度である。このような方法では、単純組成の低炭素鋼のフェライト結晶粒径は5μm程度にしかならない。したがって、機械特性を十分に高めることが困難である。
(iii)合金元素添加法は、オーステナイトの再結晶化や回復を抑制する合金元素の添加によってフェライト結晶粒の微細化を促進するものである。Nb、Ti等の合金元素は、炭化物を形成したり、粒界に偏析したりして、オーステナイトの回復と再結晶を抑制するため、熱間圧延後のオーステナイト粒が微細化して、オーステナイトからの変態で得られるフェライト結晶粒も微細化する。この合金元素添加法は、上記(i)の大圧下圧延法や(ii)の制御圧延法と組み合わせて用いられる場合が多い。(iii)の合金元素添加法は、熱処理の際にもフェライトの粒成長を抑制する効果も持っている。しかし、フェライトの結晶粒径を小さくはするもののフェライトの体積率を低下させるという問題があり、また、超微細フェライト結晶粒の溶接や溶融Znめっき工程での粒成長を抑制するには不十分である。したがって、適用できる鋼種が限定される。また、添加する合金元素の分だけ、原料コストが嵩む。
これらの(i)大圧下圧延法、(ii)制御圧延法および(iii)合金元素添加法に関する先行文献がいくつか挙げられる。
特許文献3には、(Ar+50℃)から(Ar+100℃)の温度域で1秒間以内に一回もしくは二回以上の合計圧下率が50%以上の加工を加え、加工終了後の600℃以上の温度域で20℃/秒以上の冷却速度の強制冷却を行う方法が開示されている。
また、特許文献4には、動的再結晶温度域での圧下を5スタンド以上の圧下パスにて行い、かつ、この動的再結晶温度域で圧下を加える最初のスタンド入り側と最後のスタンド出側の温度差を60℃以下にする方法が開示されている。
特開2001−226744号公報 特開2002−47536号公報 特開昭59−205447号公報 特開平11−152544号公報
上述したように、従来技術における塗装焼付硬化型熱延鋼板は多量のN添加を必要とするため、ブローホールなどの欠陥が生じやすくなり、溶接性や靭性が低下するという問題があった。さらに、固溶N量が多量にある場合には、常温時効による成形性などの低下も問題となる。
本発明は、多量のN添加を必須とせずとも高いBH性を有する熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、塗装焼付硬化型熱延鋼板のBH性について詳細な検討を行った。
その結果、鋼組織を微細化することにより塗装焼付硬化型熱延鋼板のBH性を高めることが可能であり、これにより従来技術のような多量のN添加に頼ることなくBH性を高めることができ、従来技術におけるブローホール欠陥の発生による溶接性や靭性の低下という問題を解消することができることを新たに見出した。
そして、これらを具体的に活用するには、以下のように(a)フェライトの平均結晶粒径を一定の範囲にするとともに、(b)鋼中の固溶Cおよび固溶Nの合計量を歪時効硬化量に応じて限定することが重要であることを見出した。
(a)フェライトの平均結晶粒径を一定の範囲にすることについて
フェライトの結晶粒径は小さくなるほどBH性が向上する。しかし、結晶粒径が小さくなり過ぎると粒界エネルギーによる粒成長の駆動力が増加するため、熱的安定性が低下して、溶接や熱処理によって高温に曝されると粒成長が促進されてしまい、その後のBH性が低下してしまう。具体的には、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径が1.2μmを下回るようになると、熱的安定性の低下が著しくなる。一方、上記フェライトの平均結晶粒径が3.1+5000/(5+350・C+40・Mn)μm及び7μmのいずれかの値を上回ると、鋼組織の微細化によるBH性の向上が十分に期待できなくなる。したがって、BH性および熱的安定性を両立させるには、上記フェライトの平均結晶粒径を1.2μm以上とし、3.1+5000/(5+350・C+40・Mn)μm以下かつ7μm以下とする必要がある。
(b)固溶Cおよび固溶Nの合計量を歪時効硬化量に応じて限定すること
固溶Cおよび固溶Nの合計量(以下、単に「SCN」ともいう。)が高いほどBH性は高くなるが、ブローホール欠陥の発生による溶接性や靭性の低下という問題が生じやすくなる。一方、上述したように、鋼組織を微細化することにより塗装焼付硬化型熱延鋼板のBH性を高めることが可能であることが本発明者らの検討により判明した。したがって、鋼組織を微細化することによって少ないSCNでも高いBH性を得ることができる。そこで、必要とするBH性に応じてSCNを制限することがブローホール欠陥の発生による溶接性や靭性の低下を抑制するうえで重要となる。具体的には、歪時効硬化による引張強度の上昇量(以下、「BHTS」ともいう。)を、SCNとの関係において、SCN×1.25以上および12.1×ln(SCN)+3.5以上の何れも満たすようにすることが重要である。ここで、SCNは、内部摩擦法によって求めた値(単位:質量ppm)であり、BHTSは、鋼板の引張強度(TS)に対する、該鋼板に常温で一軸引張変形により6%の予歪を加え、170℃で20分間の熱処理を施した後の引張強度の増加分(単位:MPa)である。
ここで、従来技術における鋼組織の微細化方法としては、(i)大圧下圧延法、(ii)制御圧延法、(iii)合金元素添加法、もしくはこれらの組合せが提案されている。
しかし、これらの方法で微細な結晶組織の鋼板を得ても、その鋼組織の熱的安定性は低く、溶接や熱処理によって高温に曝されると粒成長が促進されてしまい、その後のBH性が低下してしまう。
そこで、より良好な熱的安定性を得るためには、以下のように(c)フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめること、(d)A点直下の700℃におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)の増加速度X(μm/min)と、この平均結晶粒径D(μm)の積D・X(μm/min)に上限を設けることが好ましいことを見出した。
(c)フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめることについて
鋼板の熱的安定性を高めるには、フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめることが好ましい。高温での粒成長が生じる一因は、粒界のエネルギーに基づく駆動力であり、微細なフェライト組織の中に比較的大きなフェライト結晶粒が混在していると、大きなフェライト結晶粒が粒界を駆動力として周囲の微細なフェライト結晶粒と一体化し易く、粒成長が急速に進展し易い。このため、高温でのフェライト結晶粒の粒成長速度を抑制するには、上記(a)に加えて、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトのうち、面積割合でフェライト結晶粒の80%以上が、平均結晶粒径D(μm)の1/3倍から3倍までの範囲に収まるような粒径分布とすることが好ましい。換言すれば、フェライトの結晶粒径d(μm)が、D/3と3Dとの間に存在する結晶粒の占める面積割合が80%以上である粒径分布を有することが好ましい。なお、より好ましくは、面積割合で90%以上のフェライト結晶粒が平均結晶粒径D(μm)の1/3倍から3倍までの範囲に収まるような粒径分布とすることである。
(d)A点直下の700℃におけるフェライトの平均結晶粒径Dの増加速度Xと平均結晶粒径Dの積D・Xの上限規定について
高温におけるフェライト結晶粒の粒成長速度は、温度の上昇とともに増加する。一般に、溶接や溶融めっき工程等の熱処理においてフェライトの粒成長という問題が生じる温度域はA点(730℃近傍)直下からA点近傍までの温度域であり、この温度範囲でフェライトの粒成長速度は大きく変化する。しかし、フェライトの平均結晶粒径が上記(a)の範囲内にある鋼板の粒成長速度の温度特性は700℃近傍の温度におけるフェライトの粒成長速度によって決定されることが本発明者らの検討により判明した。そこで、700℃におけるフェライトの粒成長速度、すなわち、フェライトの平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)と平均結晶粒径D(μm)との積D・X(μm/min)に上限を設ければ、溶接や溶融めっき工程等の熱処理により高温に曝された場合においても、問題が発生しないことを見出した。そして、さらなる詳細な実験の結果、上記積D・Xを0.1μm/min以下に設定することが必要であることが判明した。なお、上記積D・Xは0.07μm/min以下とすることが好ましく、0.05μm/min以下とすることがさらに好ましい。
本発明者らは、上記(a)〜(d)の知見に基づき、多量のN添加を必須とせずとも高いBH性を有する熱延鋼板を完成した。
さらに、本発明者らは、このような熱延鋼板を製造するための好適な方法についても種々検討を行い、次の(e)に示すとおり、工業的実施が容易な製造方法を提供することができることを見出した。
(e)Ar点℃以上かつ780℃以上の温度域で圧延を完了する熱間圧延を施すことにより、オーステナイト中に加工歪が導入され、熱間圧延完了後0.4秒間以内に720℃まで冷却することにより、前記加工歪の解放を抑制しつつオーステナイトからフェライトへの変態が活発となる温度とすることができる。次いで、600℃以上720℃以下の温度域に1秒間以上保持することにより、前記加工歪により一気にオーステナイトからフェライトへの変態が進行してフェライトが高密度で核生成するので、微細で粒径分布が小さく、さらに熱的安定性に優れたフェライトが生じる。最後に、150℃/秒以下の平均冷却速度で600℃未満の温度域まで冷却して巻き取ることにより、過度の強度上昇に伴う加工性の低下を抑制しつつ、適量のSCNを確保して高いBH性を確保することができる。さらに、多パス熱間圧延における最終直前圧延パスと最終圧延パスとの圧延パス間時間(以下、「最終圧延パス間時間」ともいう。)を0.3秒間以上4.0秒間以下とすることによって、BHTSのバラツキが抑制されるとともに、鋼組織の微細化を図ることが可能になる。このようにして、上述した熱延鋼板が得られる。
なお、上記方法によれば、鋼板表面と圧延ロール表面との間の摩擦によって熱間圧延時に鋼板表層部に導入される剪断歪の解放をも抑制できるため、板厚中心部よりも鋼板表面に近い部位においてより高い密度でフェライトの核生成が生じる。その結果、板厚中心から鋼板表面に向かって鋼組織が細粒となる傾斜組織が得られる。
本発明により、多量のN添加を必須とせずとも高いBH性を有する熱延鋼板を提供することができる。
図1は、内部摩擦測定装置を用いて測定した内部摩擦値(Q−1)を、固溶C(sol.C)と固溶N(sol.N)のピークに分離して示すグラフである。 図2は、SCNとBHTSとの関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る熱延鋼板について説明する。以下、各化学成分の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する.
(A)化学組成について
[C:0.01%以上0.2%以下]
Cは、固溶することによって歪時効硬化性を向上させる作用を有する。また、Cは、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させる作用を有し、熱間圧延の仕上温度を低下させることを可能にするので、フェライト結晶粒の微細化を促進するのに有用である。さらに、Cは、強度を高める作用も有する。C含有量が0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、C含有量は0.01%以上とする。フェライト結晶粒の微細化をより一層促進させるには、C含有量を0.03%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.2%超では、熱間圧延後のフェライト変態の遅延が著しくなり、50面積%以上のフェライトを確保することが困難となるとともに、溶接性の劣化が著しくなる。したがって、C含有量は0.2%以下とする。溶接部の加工性を確保する観点からは、C含有量を0.17%以下とすることが好ましく、0.15%以下とすることがさらに好ましく、0.13%以下とすることが特に好ましい。
[Si:0.01%以上2.0%以下]
Siは、フェライトの強化と延性の向上とに寄与し、脱酸作用も有する。Si含有量が0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.01%以上とする。一方、Si含有量が2.0%超では、熱間圧延時の表面酸化の問題が顕在化してくる。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.3%以下、特に好ましくは1.0%以下である。
[Mn:0.1%以上3.0%以下]
Mnは、強度を高める作用を有する。また、Mnは、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させる作用を有し、熱間圧延の仕上温度を低下させることを可能にするので、フェライト結晶粒の微細化を促進するのに有用である。Mn含有量が0.1%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、Mn含有量は0.1%以上とする。好ましくは0.3%以上である。一方、Mn含有量が3.0%超では、熱間圧延後のフェライト変態の遅延が著しくなり、50面積%以上のフェライトを確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.7%以下である。
[P:0.2%以下]
Pは、一般に不純物として含有される元素であるが、強度を高める作用を有するので、積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.2%超では、粒界偏析による脆化が著しくなる。したがって、P含有量は0.2%以下とする。好ましくは、0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下である。
[S:0.05%以下]
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼中に硫化物系介在物を形成して加工性を低下させる作用を有する。S含有量が0.05%超では加工性の低下が著しくなるので、S含有量は0.05%以下とする。一層優れた加工性を確保したい場合には、S含有量を0.008%以下とすることが好ましく、0.003%以下とすることがさらに好ましい。
[sol.Al:0.001%以上0.5%以下]
Alは鋼を脱酸する作用を有し、鋼を健全化するのに有効な元素である。sol.Al含有量が0.001%未満では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.015%以上である。一方、sol.Al含有量が0.5%超では、オーステナイトからフェライトへの変態温度の上昇が著しくなり、熱間圧延の仕上温度を上昇させざるを得なくなり、フェライト結晶粒の微細化が困難となる。また、連続鋳造法を適用する場合には、安定した操業が困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.5%以下とする。好ましくは0.45%以下、さらに好ましくは0.35%以下である。
[N:0.0010%以上0.0200%以下]
Nは、不純物として含有され、固溶することによって歪時効硬化特性を向上させる作用を有する。N含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがってN含有量は0.001%以上とする。一方、N含有量が0.0200%超では、延性や常温時効性の劣化が著しくなる。したがって、N含有量は0.0200%以下とする。好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.0070%以下、最も好ましくは0.0050%未満である。
[O:0.01%以下]
Oは、不純物として含有される元素であり、鋼の清浄度を低下させて機械特性を劣化させる作用を有する。O含有量が0.01%超では機械特性の低下が著しくなるので、O含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下である。
[固溶Cおよび固溶Nの合計量SCN:2質量ppm以上80質量ppm以下]
固溶Cおよび固溶Nは、歪時効硬化特性を向上させる作用を有する。固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNが2質量ppm未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNは2質量ppm以上とする。一方、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNが80質量ppm超では、加工性、常温時効性および靭性の劣化が著しくなる。したがって、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNは80質量ppm以下とする。好ましくは70質量ppm以下、さらに好ましくは60質量ppm以下、特に好ましくは50質量ppm以下である。
図1は、内部摩擦測定装置を用いて測定した内部摩擦値(Q−1)を、固溶C(sol.C)と固溶N(sol.N)のピークに分離して示すグラフである。図1にグラフで示すように、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNは、内部摩擦測定装置を用いて測定した内部摩擦値(Q−1)を固溶C(sol.C)と固溶N(sol.N)のピークに分離して固溶C量および固溶N量を求め、下記計算式により求める。
Figure 2012012682
C(N)peak:CまたはNのQ−1ピーク温度(K)
−1 C(N)Npeak:CまたはNのQ−1ピーク値
[Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
Ti、Nb、VおよびMoは、炭化物または窒化物として析出し、鋼板の強度を高める作用を有する。また、これらの析出物は、オーステナイトやフェライトの粗大化を抑制し、フェライト結晶粒の微細化を促進する作用も有する。さらに、高温の熱処理を施す場合には粒成長を抑制する作用も有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、Tiについては0.1%を超えて含有させると、Nbについては0.1%を超えて含有させると、Vについては0.5%を超えて含有させると、Moについては0.5%を超えて含有させると、熱間圧延に供する前の段階において粗大な炭化物または窒化物が鋼中に多量に析出してしまい、熱延鋼板の加工性の劣化を招く。また、多量の炭化物や窒化物の析出によりSCNが減少するため歪時効硬化特性が低下する。したがって、それぞれの元素の含有量は、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下とする。Tiについては0.03%以下とすることが好ましく、0.01%以下とすることがさらに好ましい。Nbについては0.03%以下とすることが好ましく、0.01%以下とすることがさらに好ましい。Vについては0.3%以下とすることが好ましい。Moについては0.3%以下とすることが好ましい。さらに、フェライトの生成を容易にする観点からは、TiおよびNbの合計含有量を0.1%以下とすることが好ましく、0.03%以下とすることがさらに好ましく、0.01%以下とすることが特に好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.001%以上、Nb:0.001%以上、V:0.01%以上およびMo:0.001%以上のいずれか満足させることが好ましい。
[Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびCr:1.0%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
Cu、NiおよびCrは、析出強化や固溶強化により鋼板の強度を一層向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、いずれかの元素の含有量が1.0%超となると、加工性の低下が著しくなる。したがって、これらの元素を含有させる場合には、各元素の含有量をそれぞれ1.0%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Cu:0.02%以上、Ni:0.02%以上およびCr:0.02%以上のいずれか満足させることが好ましい。
[Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択される1種または2種以上]
Ca、Mg、REM(希土類元素)およびBは、凝固中に析出する酸化物や窒化物を微細化して、鋼塊または鋼片の健全性を向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、Caの場合には0.01%を超えて含有させても、Mgの場合には0.01%を超えて含有させても、REMの場合には0.01%を超えて含有させても、Bの場合には0.005%を超えて含有させても、それぞれ上記作用による効果は飽和してしまい、徒にコスト上昇を招く。したがって、それぞれの含有量は、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下、B:0.005%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ca:0.0002%以上、Mg:0.0002%以上、REM:0.0002%以上およびB:0.0001%以上のいずれか満足させることが好ましい。ここで、REMとは、ランタノイドの15元素とYおよびScを合わせた17元素を意味する。
(B)鋼組織
本発明に係る熱延鋼板は、フェライト面積率が50%以上、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均粒径D(μm)が下記式(1)および式(2)を満足する鋼組織を有する。
1.2≦D≦7 ・・・・・・(1)
D≦3.1+5000/(5+350・C+40・Mn) ・・・・・・(2)
フェライトの面積率が50%未満では、鋼板の加工性が損なわれる場合がある。したがって、フェライトを面積率は50%以上とする。好ましくは60%以上である。
フェライトの結晶粒径は、熱延鋼板のBH性と熱的安定性に大きく影響する。したがって、本発明に係る熱延鋼板に十分なBH性と熱的安定性を具備させるために、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均粒径(「平均結晶粒径」ともいう。)D(μm)が上記式(1)および式(2)を満足する鋼組織とする。
ここで、フェライトの平均結晶粒径Dが1.2μm未満では、熱的安定性の低下が著しくなり、溶接や熱処理によって高温に曝されると粒成長が促進されてしまい、その後のBH性が低下してしまう。したがって、フェライトの平均結晶粒径Dは1.2μm以上とする。好ましくは1.5μm以上である。一方、フェライトの平均結晶粒径Dが3.1+5000/(5+350・C+40・Mn)μmを超えるか、または7μmを超えると、鋼組織の微細化によるBH性の向上が十分に期待できなくなる。したがって、3.1+5000/(5+350・C+40・Mn)μm以下かつ7μm以下とする。2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)μm以下かつ6.0μm以下とすることが好ましく、2.4+5000/(5+350・C+40・Mn)μm以下かつ5.5μm以下とすることがさらに好ましい。なお、ここでは、15°以上の結晶方位差を持つ大角の粒界で囲まれた領域を1つの結晶粒と定義し、15°未満の小角の粒界は無視する。
さらに、鋼板の熱的安定性を高めるには、フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめることが好ましい。高温での粒成長が生じる一因は、粒界のエネルギーに基づく駆動力であり、微細なフェライト組織の中に比較的大きなフェライト結晶粒が混在していると、大きなフェライト結晶粒が粒界を駆動力として周囲の微細なフェライト結晶粒と一体化し易く、粒成長が急速に進展し易い。このため、高温でのフェライト結晶粒の粒成長速度を抑制するために、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において、結晶粒径d(μm)が下記式(6)を満足するフェライト結晶粒の前記位置におけるフェライトの占める面積割合が80%以上であることが好ましい。
D/3≦d≦3D ・・・・・・(6)
結晶粒径d(μm)が上記式(6)を満足するフェライト結晶粒の前記位置におけるフェライトの占める面積割合が85%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
ここで、フェライトの結晶粒径とその分布を鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において規定するのは、本発明の熱延鋼板のフェライト結晶粒径は板厚方向に変化するため、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置における値を代表値として規定するためである。
本発明に係る鋼板は、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライト結晶粒径が上記条件を満たすようにすることで、高いBH性と熱的安定性とを具備させることができる。
特に熱的安定性は、鋼板の表面から内部に亘る全範囲で統計を取ったときの粒径分布で決定されるのではなく、特定の深さで統計を取ったときの粒径分布で決まる。したがって、鋼板表面に平行な断面で組織観察を行う場合には鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において行い、鋼板表面に垂直な断面で観察するのであれば、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置を中心として板厚方向へ±100μmの領域で観察を行い、統計を取る。
ところで、板厚中心位置から鋼板表面にかけて細粒化する、板厚方向における結晶粒径の変化は、鋼板の機械特性の向上に寄与する。例えば、板厚中心位置に比して鋼板表面側の変形量の大きい曲げ加工においては、鋼組織の細粒化により加工性が向上した鋼板表層部が加工の厳しい部位に対応するため、曲げ性が向上する。また、鋼板表面近傍から発生する亀裂の伝播を、より一層細粒化された鋼板表層部の組織が効果的に抑制するので、疲労特性が向上する。
したがって、鋼板表面から100μmの深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径Ds(μm)、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)および板厚の中心位置におけるフェライトの平均結晶粒径Dc(μm)が、下記式(8)、式(9)及び式(10)を満足することが好ましい。
Ds≦0.85Dc ・・・・・・(8)
D≦0.95Dc ・・・・・・(9)
Ds≦D ・・・・・・(10)
この場合、Ds≦0.8DcおよびD≦0.9Dcを満足することがさらに好ましい。
フェライト以外の第2相は、パーライト、セメンタイト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトなどの一般に低炭素鉄鋼材料中に生成することが知られる相や組織であればよい。これらの相や組織を適宜作り込むことによって、各種の目的に応じた機械的特性を得ることができる。
(C)高温での粒成長速度について
フェライトの平均結晶粒径が上記式(1)および(2)を満足する一定の範囲内にある鋼板の粒成長速度は、700℃近傍の温度におけるフェライトの粒成長速度によって決定される。したがって、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径Dの700℃における増加速度X(μm/min)と前記平均結晶粒径D(μm)とが下記式(7)を満足することが好ましい。
D・X≦0.1 ・・・・・・・(7)
すなわち、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)の700℃における増加速度(μm/min)と平均結晶粒径D(μm)の積D・X(μm/min)を、0.1μm/min以下とすることで、溶接や溶融めっき工程等の熱処理により高温に曝された場合においても微細な鋼組織をより確実に維持することが可能となる。より優れた熱安定性を得るには、上記積D・Xを0.07μm/min以下にすることが好ましく、0.05μm/min以下にすることがさらに好ましい。なお、本発明に係る鋼板のフェライトの結晶粒径(直径)は、時間の平方根に比例する通常の粒成長とは異なり、700℃ではほぼ時間に比例して増加する。したがって、フェライトの平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)は、700℃で1時間程度の間の粒径変化を測定して、その変化率を平均することによって、求めることとする。
(D)歪時効硬化量BHTSについて
歪時効硬化量BHTSが大きいほど、成形加工時には軟質で加工性に優れ、成形加工後に塗装焼付処理を施すことにより強度を高めることがより容易となるのであるから、成型加工時の加工性と成形部品の高強度化を両立することが可能となる。実用上有意な効果を得るには、少なくとも歪時効硬化量BHTSは10MPa以上であることが必要である。好ましくは、20MPa以上、より好ましくは40MPa以上である。
一方、固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNが多いほど歪時効硬化量BHTSは大きくなるが、ブローホール欠陥の発生による溶接性や靭性の低下を招く危険性が高まる。したがって、歪時効硬化量BHTSに応じて合計量SCNを制限することが重要であり、歪時効硬化量BHTS(MPa)が下記式(4)および(5)を満足するものとする。
BHTS≧SCN×1.25 ・・・・・・・(4)
BHTS≧12.1×ln(SCN)+3.5 ・・・・・・・(5)
なお、歪時効硬化量BHTSは、鋼板の引張強度TSと、この鋼板に常温で一軸引張変形により6%の予歪を付与して170℃で20分間の熱処理を施した後に引張試験を行い、予歪を付与する前の原断面積により最高荷重を除して求められる最大応力TSaとの差(TSa−TS)である。この際、均一伸びが6%以下の鋼板では、予歪を付与する際にくびれ変形を生じるためBH性を評価できない。換言すれば、本発明の鋼板は均一伸びが6%以上であることが必要である。
(E)熱間圧延について
上記化学組成を有する鋼材に多パス熱間圧延を施して熱延鋼板とする際に、多パス熱間圧延における最終直前圧延パスと最終圧延パスとの圧延パス間時間を0.3秒間以上4.0秒間以下とし、最終圧延パスの圧延完了温度を、Ar点以上かつ780℃以上とする。
上記圧延パス間時間が0.3秒間未満では、歪時効硬化量BHTSのばらつきが大きくなる場合がある。この原因は明確ではないが、歪時効硬化量BHTSのばらつきが大きい鋼板の鋼組織においてバンド状の硬質相が散見される一方、歪時効硬化量BHTSのばらつきが小さい鋼組織においては硬質相が比較的均一に分散していたことからすれば、塗装焼付処理相当の熱処理を施す前の加工により導入される歪の分布に歪時効硬化量BHTSのバラツキが影響されるものと推定される。すなわち、バンド状の硬質相のように硬質相の分散形態が不均一であると、塗装焼付処理相当の熱処理を施す前の加工により導入される歪の分布も不均一なものとなり、歪時効硬化量BHTSがばらつくものと推定される。そして、バンド状の硬質相のように硬質相の分散形態が不均一になる原因は、最終圧延パス直前において加工オーステナイトの再結晶によるアスペクト比の低減が不十分となり、扁平なオーステナイトに最終圧延パスに歪が導入されることに起因するものと推定される。したがって、上記圧延パス間時間を0.3秒間以上とすることにより、最終圧延パス直前において加工オーステナイトの再結晶によるアスペクト比の低減が十分に促進され、その結果、硬質相が比較的均一に分散され、歪時効硬化量BHTSのばらつきが低減されるものと推定される。
一方、上記圧延パス間時間が4.0秒間超では、再結晶オーステナイトの粒成長が過度に進行してしまい、鋼組織の微細化が困難になる場合がある。したがって、上記圧延パス間時間を4.0秒間以下とする。
また、熱間圧延完了温度は、熱間圧延後にオーステナイトからフェライトへと変態させるために、Ar点以上かつ780℃以上の温度範囲とする。熱間圧延完了温度がAr点を下回ると、熱間圧延中にフェライトへの変態が生じる。また、780℃未満の温度では、圧延荷重が過大となり、十分な圧下を加えることが困難となる場合がある。熱間圧延完了温度は、Ar点以上かつ800℃以上とすることが好ましい。
なお、熱間圧延完了温度は、鋼組織の微細化の観点からは、Ar点以上かつ780℃以上の温度範囲であれば低い程好ましい。これは、熱間圧延によってオーステナイトに導入された加工歪の蓄積効果が大きくなり、結晶粒の微細化がより一層促進されるからである。本発明で用いる鋼種のAr点は、概ね780〜900℃である。
熱間圧延における総圧下量は、フェライトの微細化を促進するため板厚減少率で90%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは92%、特に好ましくは94%以上である。熱間圧延完了時においてオーステナイト中により多くの加工歪を導入するには、(圧延完了温度+100℃)から圧延完了温度までの温度域における圧下量を板厚減少率で40%以上とすることが好ましい。(圧延完了温度+80℃)から圧延完了温度までの温度域における圧下量を板厚減少率で60%以上とすることがさらに好ましい。1パス当たりの圧下率を大きくした方がオーステナイトへの加工歪を効率的に導入できるので、鋼組織の微細化という観点からは好ましい。一方、1パス当たりの圧下率を大きくすると、圧延荷重が大きくなるので圧延設備の大型化が必要となるとともに、板形状の制御が困難になる。したがって、1パス当たりの圧下率は板厚減少率で15%以上60%以下とすることが好ましい。本発明の方法では、1パス当たりの圧下量を40%以下とした複数パスの圧延でも微細なフェライト結晶粒を得ることができる。したがって、特に板形状の制御を容易にしたいときには、最終の2パスの圧下率をそれぞれ40%以下とすることが好ましい。
熱間圧延に供する鋼材は、連続鋳造や鋳造および分塊により得たスラブ、ストリップキャスティングにより得た鋼板、必要によってはそれらに熱間又は冷間加工を加えたものを用いる。それらの鋼材がAr点以下の温度である場合には1000℃を超える温度に加熱して熱間圧延に供することが好ましい。鋼材を熱間圧延に供する温度が1000℃以下になると、熱間圧延における圧延荷重が過大になり、十分な圧下を行うことが困難になったり、熱間圧延をAr点以上の温度で終了することが困難になったりして、目的とするBH性が得られなくなる場合がある。鋼材を熱間圧延に供する温度は、好ましくは1025℃以上、より好ましくは1050℃以上である。熱間圧延に供する鋼材の温度の上限は、オーステナイト粒の粗大化を抑制するため、また、設備費用や加熱燃料費を抑制するため、1350℃以下とすることが好ましい。さらに好ましくは1250℃以下である。
(F)熱間圧延後の冷却について
熱間圧延完了から720℃までの冷却が0.4秒間を超えると、オーステナイトからフェライトへの変態が活発化する720℃以下の温度域に到達する前に、オーステナイトに導入された加工歪が解放されてしまうのでフェライトの核生成密度が低下し、フェライト結晶粒が粗大化してしまう。したがって、熱間圧延完了後、オーステナイトに導入された加工歪の解放を抑制してフェライト変態が活発化する温度域まで冷却し、前記加工歪を駆動力としてオーステナイトからフェライトへの変態を一気に進行させることにより鋼組織の微細化を図るために、熱間圧延完了から720℃までの冷却時間を0.4秒間以内とする。圧延完了から720℃以下までの冷却時間は0.3秒間以内とすることが好ましく、0.2秒間以内とすることがさらに好ましい。冷却は、水冷を用いるのが好ましく、その冷却速度は、空冷期間を除外した強制冷却を行っている期間の平均冷却速度で400℃/秒以上とすることが好ましい。好ましくは600℃/秒以上、さらに好ましくは800℃/秒以上、特に好ましくは1000℃/秒以上である。上記の冷却を行う設備は特に限定されない。工業的には、水量密度の高い水スプレー装置を用いることが好適である。例えば、圧延板搬送ローラーの間に水スプレーヘッダーを配置し、板の上下から十分な水量密度の高圧水を噴射することで冷却することができる。
720℃以下の温度域に達すると、オーステナイトからフェライトへの変態が活発化する。オーステナイトからフェライトへの変態が活発化する温度域は、この720℃から600℃までの間の温度域である。したがって、圧延完了後720℃以下の温度域に達した後、冷却を一旦停止または冷却を空冷のような緩冷却として、600℃以上720℃以下の温度域で1秒間以上保持する。これによって、オーステナイトからフェライトへの変態が前記加工歪により一気に進行して、フェライトが高密度で核生成して微細なフェライトをより確実に形成させることができる。上記温度域における保持時間は2秒間以上とすることが好ましい。上記保持温度が600℃を下回ったり、保持時間が1秒間を下回ったりすると50面積%以上のフェライトを確保することが困難となる場合がある。上記保持時間の上限は特に規定しないが、フェライトの粒成長の進行を抑制する観点からは30秒間以下とすることが好ましい。
上記保持の後、150℃/秒以下の平均冷却速度で600℃以下の温度域まで冷却して巻き取る。上記平均冷却速度が150℃/秒を上回ると引張強度TSが過度に上昇して加工性が低下したり、合計量SCNが減少することによってBH性が低下したりする場合がある。したがって、上記保持の後600℃以下の温度域までの平均冷却速度は150℃/秒以下とする。好ましくは130℃/秒以下、さらに好ましくは100℃/秒以下、特に好ましくは80℃/秒以下である。上記平均冷却速度の下限は特に規定しないが、炭化物、窒化物や炭窒化物の生成による合計量SCNの減少を抑制する観点からは10℃/秒以上とすることが好ましい。20℃/秒以上とすることがさらに好ましく、30℃/秒以上とすることが特に好ましい。同様の観点から巻取温度は600℃以下とする。好ましくは550℃以下、さらに好ましくは450℃以下、特に好ましくは200℃以下である。上記の冷却を行う設備は特に限定されない。工業的には、例えば、パイプラミナーやスプレー冷却ヘッダーなどを配置し、鋼板の上下面に冷却水を噴射することにより実施することができる。
このようにして得られた熱延鋼板には、伸び率で0.3%以上の調質圧延を施すことが好ましい。通常、調質圧延は平坦矯正や加工性改善を目的に行われるが、本発明の熱延鋼板についてはBH性を向上させる効果が調質圧延により得られる。しかし、過度に調質圧延を行うと加工性の低下が著しくなる場合があるので、調質圧延の伸び率は3%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは2%以下である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼種A〜Jの鋼を溶製し、熱間鍛造によって30mm厚さにした。その後、1050℃以上に加熱した後、試験用小型タンデムミルにて圧延を実施し、1.7mm厚に仕上げた。
Figure 2012012682
表2に圧延条件を示す。全ての圧延において、熱間圧延完了温度〜[熱間圧延完了温度+100℃]の温度域内で3パス以上の多パス圧延を行った。最終の2パスの圧延は、35%/パス以下の軽圧下圧延とした。
Figure 2012012682
このようにして得られた熱延鋼板の組織について、走査電子顕微鏡を用いて鋼板板厚の断面を観察した。
フェライトの結晶粒径およびその粒径分布については、板表面から板厚の1/4の深さ位置にて、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法を用いて結晶方位解析を行うことで求めた。
フェライトの面積率については、圧延方向と平行な板厚断面を鏡面研磨してナイタールまたはピクリン酸により現出させた組織の板表面から1/4の深さ位置を走査電子顕微鏡により観察して、点算法で測定した。
引張特性については、JIS5号引張試験片を用いて常温で10mm/min以下の試験速度にて行い、引張強度TS(MPa)および全伸びEl(%)を評価した。
熱的安定性については、700℃の塩浴に10、30または60分間浸した後、急冷し、上記と同じ方法で粒径を測定し、焼鈍前粒径d(μm)と焼鈍後粒径d(μm)の差を、焼鈍時間(min)で割り算をすることによって、平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)を算出した。
合計量SCNは、ねじり振動型内部摩擦測定装置を用いて、−30℃〜120℃の範囲を0.75℃/minで昇温しながら、約2.2Hzの周波数で振動させて内部摩擦値(Q−1)を測定し、これを固溶C(sol.C)と固溶N(sol.N)のピークに分離して下式より求めた。
Figure 2012012682
C(N)peak:CまたはNのQ−1ピーク温度(K)
−1 C(N)Npeak:CまたはNのQ−1ピーク値
なお、本実施例で作成した全ての本発明に係る鋼板に関し、100μmの深さ位置における結晶粒径は板厚中心における粒径の60%以下であり、板厚の1/4の深さ位置における粒径は板厚中心における粒径の85%以下であった。
表3に、得られた熱延鋼板の組織、引張特性およびBH性を示す。また、図2にSCNとBHTSの関係をグラフで示す。
Figure 2012012682
試番9、10、17、22、24および26はフェライト粒径が粗大であるため、SCNに対してBHTSが小さい。
試番1は巻取温度が650℃と高いため、SCNが少なくなりBHTSが10MPa未満となった。
これに対し、その他の本発明の鋼板のBHTSは、10MPa以上で、さらにSCNに対してBHTSが高く、ブローホール欠陥の発生による溶接性や靭性の低下という問題を解消しつつ高いBH性を有することが可能である。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.01%以上0.2%以下、Si:0.01%以上2.0%以下、Mn:0.1%以上3.0%以下、P:0.2%以下、S:0.05%以下、sol.Al:0.001%以上0.5%以下、N:0.0010%以上0.0200%以下およびO:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、
    フェライト面積率が50%以上、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均粒径D(μm)が下記式(1)および式(2)を満足する鋼組織を有し、
    固溶Cおよび固溶Nの合計量SCNが2質量ppm以上80質量ppm以下であり、
    6%の予歪付与後に170℃で20分間の熱処理を施した場合における歪時効硬化による引張強度の上昇量BHTS(MPa)が下記式(3)〜式(5)を満足すること
    を特徴とする熱延鋼板。
    1.2≦D≦7 ・・・・・・(1)
    D≦3.1+5000/(5+350・C+40・Mn) ・・・・・・(2)
    BHTS≧10 ・・・・・・(3)
    BHTS≧SCN×1.25 ・・・・・・(4)
    BHTS≧12.1×ln(SCN)+3.5 ・・・・・・(5)
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.5%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびCr:1.0%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
  5. 鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において、結晶粒径d(μm)が下記式(6)を満足するフェライト結晶粒の前記位置におけるフェライトの占める面積割合が80%以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
    D/3≦d≦3D ・・・・・・(6)
    ここで、Dは鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径(μm)を示す。
  6. 鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径の700℃における増加速度X(μm/min)と前記平均結晶粒径D(μm)とが下記式(7)を満足することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
    D・X≦0.1 ・・・・・・(7)
  7. 鋼板表面から100μmの深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径Ds(μm)、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)および板厚の中心位置におけるフェライトの平均結晶粒径Dc(μm)が、下記式(8)〜(10)を満足することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
    Ds≦0.85Dc ・・・・・・(8)
    D≦0.95Dc ・・・・・・(9)
    Ds≦D ・・・・・・(10)
  8. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼材に多パス熱間圧延を施して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法であって、
    前記多パス熱間圧延における最終直前圧延パスと最終圧延パスとの圧延パス間時間が0.3秒間以上4.0秒間以下であり、
    前記最終圧延パスの圧延完了温度がAr点以上かつ780℃以上であるとともに、
    前記多パス熱間圧延完了後に720℃までの冷却時間を0.4秒間以内として冷却し、600℃以上720℃以下の温度域で1秒間以上保持し、150℃/秒以下の平均冷却速度で600℃以下の温度域まで冷却して巻き取ること
    を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
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